JP5183818B1 - インジウム製スパッタリングターゲット部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スパッタリングされる表面に直線状粒界を有する結晶粒をもち、当該結晶粒の面積割合が65.1%以上であるインジウム製スパッタリングターゲット部材。インジウムインゴットに対し、総圧下率65〜90%の塑性加工し、次いで120℃で2時間以上熱処理を行う工程を含むインジウムターゲットの製造方法。
【選択図】図1
Description
特公昭63−44820号(特許文献1)にはバッキングプレートにインジウムの薄膜を形成した後、該薄膜の上にインジウムを流し込み鋳造することでバッキングプレートと一体に形成する方法が記載されている。
また、特開2010−24474号公報(特許文献2)では、加熱された鋳型に所定量のインジウム原料を投入して溶解し、表面に浮遊する酸化インジウムを除去し、冷却してインゴットを得、得たインゴット表面を研削してインジウムターゲットを得るに際し、所定量のインジウム原料を一度に鋳型に投入せずに複数回に分けて投入し、都度生成した溶湯表面の酸化インジウムを除去し、その後、冷却して得られたインゴットを表面研削して得る方法が記載されている。
・スパッタガス: Ar
・スパッタガス圧: 0.5Pa
・スパッタガス流量: 50SCCM
・スパッタリング温度: 無加熱
・投入スパッタパワー密度: 2.0W/cm2
・基板:φ4インチ×0.7mmt
でスパッタを1時間連続して行ったときに、アーキング回数が0である。
本発明に係るインジウム製スパッタリングターゲット部材では、ターゲット部材のスパッタリングを受ける表面において直線状粒界および直線状粒界を有する結晶粒の面積割合を規定している。
本発明において、「直線状粒界」とは、結晶粒を形成する粒界の隣り合う角同士を直線で結んだ際にできる線分の垂線方向へのはみ出しが0.1mm未満である粒界とする。なお、この評価はデジタル顕微鏡により、50倍の倍率で撮影した像に対し行ない、評価する線分の太さは0.01mmとする。また、直線とは、50μm以上直線領域がある場合を意味し、50μm未満の場合は直線には含めない。エッチングにより粒界を見やすくした場合、エッチングの程度によっては粒界が削れるケースがあるが、直線状が損なわれる訳ではない。そこで、本発明では、このような場合は、削れた粒界の側縁を、観察対象とする結晶粒における粒界として定義する。
本発明において、「直線状粒界を有する結晶粒」とは結晶粒を形成する粒界のうち、1つ以上が上記直線状粒界の定義を満たす粒界を有する結晶粒である。従来製品化されているインジウム製スパッタリングターゲットにおいて、結晶粒界はほぼ曲線状であるのに対し、本発明に係るインジウム製スパッタリングターゲット部材では直線状粒界が数多く存在している。
本発明に係るインジウム製スパッタリングターゲット部材では、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合を規定している。直線状粒界を有する結晶粒の面積割合を高くすることにより、成膜レートを上昇させる効果が得られる。その理由は定かではないが、粒界エネルギー等が影響しているものと推察される。当該面積割合が小さすぎると成膜レートの上昇効果が少ないことから、本発明においては当該面積割合が10%以上であることを要件としており、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、更により好ましくは25%以上であり、更により好ましくは30%以上であり、更により好ましくは40%以上であり、更により好ましくは50%以上であり、更により好ましくは60%以上であり、更により好ましくは70%以上であり、例えば30%〜100%とすることができる。
本発明に係るインジウム製スパッタリングターゲット部材では、対応粒界長さと全ての粒界長さの割合も規定している。対応粒界とは、幾何学的に整合性の高い特殊な粒界のことであり、対応粒界を有する材料は、一般的な粒界(ランダム粒界)のみを有する材料と比較して、化学的、力学的に優れた性質をもつことが多い。対応粒界は具体的には、結晶粒界を挟んだ隣接した結晶同士の片方を結晶軸周りに回転したときに、格子点の一部が他方の結晶粒の格子点に周期的に一致する(この格子点を対応格子点と呼ぶ)ような関係になる粒界である。このとき、元の単位胞体積と対応格子点により新たに形成された単位胞体積の比をΣ値という。対応粒界については、例えば「セラミック材料の物理−結晶と界面−」(日刊工業新聞社 幾原雄一編著 2003年、82頁)に記載されている。
本発明に係るインジウム製スパッタリングターゲット部材では、結晶組織をターゲット表面側からEBSP観察した際に、観察視野(3.5mm×3.5mm以上)中の全ての粒界長さに対する対応粒界長さの割合を規定している。対応粒界長さの割合を高くすることにより、成膜レートが上昇する効果が得られる。当該粒界長さ割合が小さすぎると成膜レートの上昇効果が少ないことから、本発明においては、当該粒界長さ割合が15%以上であることを要件としており、好ましくは25%以上であり、より好ましくは40%以上であり、例えば25%以上90%以下とすることができる。本発明では、前記対応粒界は典型的にはΣ7であるため、Σ7対応粒界長さの割合を上記の長さの割合とする。
本発明に係るインジウムターゲットは好ましい実施形態において、孔径50μm以上の空隙が1個/cm3以下である。ターゲット内部に存在する空隙、とりわけ孔径0.5mm以上の大きな空隙はスパッタ中に異常放電を発生させる原因となるために極力少なくすることが望ましい。インジウムターゲットを溶解鋳造する際、冷却速度が大きいとターゲット内部に空隙ができてしまうために、スパッタ中に異常放電が発生しやすいという問題がある一方で、冷却速度を小さくすると、特に大型のターゲットを作製する場合にはインゴットサイズが大きくなるため冷却時間が増大し、インゴットが完全に凝固するまで次の鋳造作業ができないことから、生産性が著しく低下するという問題がある。しかしながら本発明によれば、冷却速度を速めることによって生じた空隙を、プレスや圧延などの圧縮力を加えることにより、生産性と空隙の低減の両立が可能となる。孔径50μm以上の空隙は好ましくは0.5個/cm3以下であり、より好ましくは0.3個/cm3以下であり、更により好ましくは0.1個/cm3以下であり、例えば0〜0.3個/cm3である。0個/cm3とすることもできる。
次に、本発明に係るインジウムターゲット部材の製造方法の好適な例を順を追って説明する。まず、原料であるインジウムを溶解し、鋳型に流し込む。使用する原料インジウムは、不純物が含まれていると、その原料によって作製される太陽電池の変換効率が低下してしまうという理由により高い純度を有していることが望ましく、例えば、99.99質量%以上、典型的には99.99質量%〜99.9999質量%の純度の原料を使用することができる。その後、室温まで冷却して、インジウムインゴットを形成する。冷却速度を高くすることで生産効率は向上するが、空隙が発生しやすい。しかしながら、本発明によれば、プレスや圧延などの圧縮力を加えることにより空隙を小さくすることができるので、例えば、8℃/min以上、好ましくは10℃/min以上、典型的には8〜12℃/minの速度で冷却することが可能となる。
縦250mm、横160mm、深さ80mm(内寸)のSUS製の鋳型に170℃で溶解したインジウム原料(純度4N)を鋳型の深さ6.3mmまで流し込んだ後、室温まで放冷(約1.5℃/分)し、インゴットを作製した。続いて、厚さ6.3mmから総圧下率で20%となるよう冷間圧延し、厚さ5mmのターゲット部材となるタイルを作製した。このタイルを多角柱状に切断し、直径250mm、厚さ5mmの銅製のバッキングプレートにボンディングし、旋盤により直径204mm×厚み5mmの円盤状に加工し、インジウムターゲットを作製した。
総圧下率が30%となるように圧延前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
総圧下率が50%となるように圧延前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
総圧下率が65%となるように圧延前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
総圧下率が80%となるように圧延前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
総圧下率が90%となるように圧延前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
鋳造時の冷却速度を10℃/minとした(急冷)以外は実施例5と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例8>
実施例1と同様の方法で鋳造インゴットを作製し、続いて総圧下率が20%となるようにインジウムインゴットの厚さを調節し、プレスを行なった。その後、このタイルを多角柱状に切断し、直径250mm、厚さ5mmの銅製のバッキングプレートにボンディングし、旋盤により直径204mm×厚み5mmの円盤状に加工し、インジウムターゲットを作製した。
<実施例9>
総圧下率が30%となるようにプレス前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例10>
総圧下率が50%となるようにプレス前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例11>
総圧下率が65%となるようにプレス前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例12>
総圧下率が80%となるようにプレス前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例13>
総圧下率が90%となるようにプレス前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例14>
鋳造時の冷却速度を10℃/minとした(急冷)以外は実施例12と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例15>
実施例1と同様にインジウムタイルを作製した後、120℃で2時間大気中で熱処理を加えた他は、実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例16>
実施例5と同様にインジウムタイルを作製した後、120℃で2時間大気中で熱処理を加えた他は、実施例5と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例17>
実施例8と同様にインジウムタイルを作製した後、120℃で2時間大気中で熱処理を加えた他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<実施例18>
実施例12と同様にインジウムタイルを作製した後、120℃で2時間大気中で熱処理を加えた他は、実施例12と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
直径250mm、厚さ5mmの銅製のバッキングプレート上にSUS製の鋳型(内径205mm×高さ15mm)を作製し、170℃で溶解したインジウム原料(純度4N)を鋳型の深さ10mmまで流し込んだ後、室温まで放冷(約1.5℃/分)した。その後、旋盤加工により直径204mm×厚み5mmの円盤状に加工し、インジウムターゲットを作製した。
<比較例2>
鋳造時の冷却速度を10℃/minにした以外は比較例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
総圧下率が5%となるように圧延前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
総圧下率が10%となるように圧延前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例1と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<比較例5>
総圧下率が5%となるようにプレス前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
<比較例6>
総圧下率が10%となるようにプレス前のインジウムインゴットの厚さを調節した他は、実施例8と同様にしてインジウムターゲットを作製した。
先述した方法に従って塩酸でエッチングしたのちデジタルカメラにて撮影し、画像処理ソフト(Olympus社製analySIS FIVE)を使用して、計測した。
各実施例及び比較例について、FE-EPMA(日本電子株式会社製 JXA8500F)を用いたEBSP法により結晶方位の測定を行い、先述した方法に従って、結晶粒界におけるΣ7対応粒界の割合を求めた。なお、解析用のソフトウェアにはテクセムラボラトリーズ社製TSL OIM Analysisを使用した。
スパッタリング条件は次の通りである。
・スパッタリング装置: キャノンアネルバ社製、SPF−313H
・スパッタガス: Ar
・スパッタガス圧: 0.5Pa
・スパッタガス流量: 50SCCM
・スパッタリング温度: R.T.(無加熱)
・投入スパッタパワー密度: 2.0W/cm2
・基板: コーニング社製イーグル2000、φ4インチ×0.7mmt
孔径50μm以上の空隙の個数割合は、先述した方法に従って、日本クラウトクレーマー株式会社製の電子走査式超音波探傷システムPA−101を使用して測定した。
上記結果より、本発明に係るスパッタリングターゲットを使用してスパッタすることにより、高い成膜レートで成膜できることが分かる。
比較例1は塑性加工を行わなかった比較例であり、発明例に比べて成膜レートが遅い。また、空隙が多く、アーキングが多くみられた。
比較例2は比較例1と比べ鋳造時の冷却速度を速くした例であり、空隙数が増え、それに伴いアーキング数の増加がみられた。
比較例3〜6は、総圧下率が低かった例であり、直線状粒界を有する結晶粒や対応粒界を確認できるものの、割合が小さいため成膜レート上昇効果が小さく、比較例1と比べてわずかな成膜レート上昇効果がみられる程度であった。また、比較例1と比べ空隙の減少はわずかで、アーキングの減少効果は少なかった。
実施例1は参考例である。適切な総圧下率で圧延を実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が10%以上、対応粒界長さ割合が15%以上となり、比較例1に比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例2は参考例である。総圧下率を30%として圧延を実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が20.1%、対応粒界長さ割合が23.6%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例3は参考例である。総圧下率を50%として圧延を実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が35.2%、対応粒界長さ割合が40.3%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例4は参考例である。総圧下率を65%として圧延を実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が65.1%、対応粒界長さ割合が45.6%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例5は参考例である。総圧下率を80%として圧延を実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が87.1%、対応粒界長さ割合が69.5%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例6は参考例である。総圧下率を90%として圧延を実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が95.2%、対応粒界長さ割合が83.3%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例7は参考例である。鋳造時に急冷したため、圧延前には空隙個数は比較例2と同等となっているが、総圧下率を80%として圧延を実施したことで、空隙が大幅に減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例8は参考例である。総圧下率を20%としてプレスを実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が16.3%、対応粒界長さ割合が19.5%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例9は参考例である。総圧下率を30%としてプレスを実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が22.5%、対応粒界長さ割合が20.4%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例10は参考例である。総圧下率を50%としてプレスを実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が38.5%、対応粒界長さ割合が38.4%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例11は参考例である。総圧下率を65.0%としてプレスを実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が63.1%、対応粒界長さ割合が45.1%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例12は参考例である。総圧下率を80%としてプレスを実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が85.1%、対応粒界長さ割合が70.1%となり、比較例と比べて成膜レートが向上した。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例13は参考例である。総圧下率を90%としてプレスを実施したことで、直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が96.5%、対応粒界長さ割合が86.4%となり、比較例と比べて成膜レートが向上し、全実施例中最大となった。また、比較例と比べ、空隙が減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例14は参考例である。鋳造時に急冷したため、プレス前には空隙個数は比較例2と同等となっているが、総圧下率を80%としてプレスを実施したことで、空隙が大幅に減少し、それに伴いアーキングの減少がみられた。
実施例15は参考例である。総圧下率20%で圧延した後、熱処理を加えることで直線状粒界を有する結晶粒の面積割合および対応粒界長さ割合が上昇し、成膜レートもまた上昇した。
実施例16は発明例である。総圧下率80%で圧延した後、熱処理を加えることで直線状粒界を有する結晶粒の面積割合および対応粒界長さ割合が上昇し、成膜レートもまた上昇した。
実施例17は参考例である。総圧下率20%でプレスした後、熱処理を加えることで直線状粒界を有する結晶粒の面積割合および対応粒界長さ割合が上昇し、成膜レートもまた上昇した。
実施例18は発明例である。総圧下率80%でプレスした後、熱処理を加えることで直線状粒界を有する結晶粒の面積割合および対応粒界長さ割合が上昇し、成膜レートもまた上昇した。
Claims (12)
- 総圧下率65〜90%の塑性加工に次いで80〜150℃の範囲で10分以上熱処理されて製造され、スパッタリングされる表面に、結晶粒を形成する粒界の隣り合う角同士を直線で結んだ際にできる線分の垂線方向へのはみ出しが0.1mm未満であり、50μm以上直線領域がある直線状粒界を有する結晶粒をもち、当該結晶粒の面積割合が65.1%以上であるインジウム製スパッタリングターゲット部材。
- 前記直線状粒界を有する結晶粒の面積割合が88.9%以上である請求項1に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材。
- 前記塑性加工の総圧下率が80%以上である請求項1又は2に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材。
- 前記熱処理は120℃以上で2時間以上行う請求項1〜3の何れか一項に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材。
- 以下のスパッタリング条件:
・スパッタガス: Ar
・スパッタガス圧: 0.5Pa
・スパッタガス流量: 50SCCM
・スパッタリング温度: 無加熱
・投入スパッタパワー密度: 2.0W/cm2
・基板:φ4インチ×0.7mmt
でスパッタを1時間連続して行ったときに、アーキング回数が0である請求項1〜4の何れか一項に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材。 - 孔径50μm以上の空隙が1個/cm3以下である請求項1〜5の何れか一項に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材。
- 前記直線状粒界の少なくとも一部が対応粒界であり、対応粒界のΣ値が7である請求項1〜6の何れか一項に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材。
- スパッタリングされる表面におけるΣ7対応粒界長さの全結晶粒界長さに対する割合が71.4%以上である請求項1〜7の何れか一項に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材がバッキングプレート上にボンディングされているスパッタリングターゲット。
- インジウムインゴットに対し、総圧下率65〜90%の条件で塑性加工する工程と、塑性加工に次いで80〜150℃の範囲で10分以上熱処理する工程を含むインジウム製スパッタリングターゲット部材の製造方法。
- 前記塑性加工の総圧下率が80%以上である請求項10に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材の製造方法。
- 前記熱処理は120℃以上で2時間以上行う請求項10又は11に記載のインジウム製スパッタリングターゲット部材の製造方法。
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