JP5183372B2 - 酸素燃焼ボイラシステム及び燃焼方法 - Google Patents

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本発明は粉砕した石炭を酸素製造装置で生成した酸素と再循環した排ガスで燃焼する酸素燃焼ボイラの構造およびその燃焼方式に関するものである。
近年、二酸化炭素の排出量増大が地球温暖化の原因として挙げられている。とりわけ、石炭を利用した発電システムは他の化石燃料に比べ、単位発熱量当たりの二酸化炭素の発生量が多い。そのため、二酸化炭素回収・隔離技術の研究開発が盛んに取り組まれている。そのうち、酸素燃焼ボイラシステムは、システムから直接的に二酸化炭素を回収する方法として着目されている。酸素燃焼ボイラは酸素製造装置において予め空気から窒素を分離して生成した酸素と、燃焼排ガスの一部を再循環したガスとを混合し、その混合ガスで石炭を燃焼するシステムである。混合ガスの主成分は酸素,二酸化炭素,水蒸気からなる。空気で石炭を燃焼する従来のボイラと異なり、燃焼時に窒素が少ないため、排ガス中の二酸化炭素濃度を高めることができる。さらに本システムでは燃焼時に発生した排ガス中の水分を除去することで、全排ガス中の二酸化炭素濃度を90%以上にできるため、二酸化炭素を分離するための設備がなくても、そのまま二酸化炭素を回収できる特徴がある。
ここで、まず現在提案されている酸素燃焼ボイラシステムを特許文献1で説明する。
本特許文献では回収した二酸化炭素と酸素を利用して燃焼するボイラシステムであるが、一旦二酸化炭素が液化されるため、ボイラに二酸化炭素を再循環ガスとして戻すためには再度気化するためのエネルギーが必要となる。従って、本システムではプラントの効率の大幅な低下は避けられない。また、本特許文献のバーナーは燃料と酸化剤を別々に分けて供給して燃焼する。所謂、拡散燃焼バーナーである。このバーナーは燃料と酸化剤の混ざり方の不均一性からバーナー近傍で局所的に酸化剤の残存量の多い領域ができる。本領域に窒素が存在すると、窒素酸化物が多量に発生する原因となる。
次に、ボイラ火炉から排出された燃焼排ガスは除塵された後、ボイラ火炉の燃焼装置(バーナー)へ再循環される特許文献2がある。このようなシステムとすると燃焼装置付近に水分の多い燃焼排ガスが再循環して戻される。燃焼装置(バーナー)近傍は燃焼により高温で還元雰囲気であるため、水分からOHラジカルが生成する。石炭中には窒素成分が数%含まれているため、石炭燃焼によって生じたシアンやアンモニアとOHラジカルが反応して、窒素酸化物を発生する原因となる。
特開平5−231609号公報 特開平6−94212号公報
窒素酸化物は人体に影響する大気汚染物質であるため、近年の厳しい環境規制下で排出量が管理されている。そのため、窒素酸化物の発生量を抑制しなければならない。本発明の目的は、二酸化炭素を回収しながら、さらに窒素酸化物の発生を抑制する酸素燃焼ボイラシステムを提案することである。
上記目的を達成するため酸素燃焼ボイラシステムにおいて、水分除去設備で減湿した乾燥排ガスをボイラ内の還元雰囲気領域に乾燥再循環排ガス供給口から流入させる。
本発明によれば、水分を除去した乾燥再循環排ガスがボイラ火炉の還元雰囲気に戻される。これにより、還元雰囲気の二酸化炭素濃度が上昇し、石炭粒子の還元反応が進む。バーナーで生じた局所的な酸化領域も還元雰囲気にすることも可能である。前記還元反応が起きると一酸化炭素濃度が上昇し、窒素酸化物の濃度が低下する。
以下、図面を用いて本発明の酸素燃焼ボイラシステムについて説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例を図1で説明する。図1は本発明の酸素燃焼ボイラシステムの構成図である。本実施例では図1のように、前後壁に上中下3段のバーナーが配置している酸素燃焼ボイラである。バーナー1は缶前後で向き合う対向燃焼方式である。バーナーの配置は他の方式でも良い。ボイラ火炉2のバーナー近傍は還元雰囲気の燃焼状態とし、バーナー上部の酸化用ガス供給口3から投入された酸素によってバーナー部から上昇してきた燃焼ガスを酸化する、いわゆる二段燃焼を採用した構成である。二段燃焼とは窒素酸化物の発生量を低減する燃焼方法である。燃焼用の酸素は酸素製造設備4において生成する。酸素製造設備4は空気から酸素と窒素を分離する装置である。尚、生成した窒素は煙突5直前で排ガスと混合して系外に排出する。酸素は分離のレベルによって純度を高くすることもできるが、高くするほど生成にかかる費用も高くなる。そのため、発電プラントでは微量の窒素が残存する状態で使用すると考えられている。また、ボイラ火炉2内は通常、負圧で運転される。このため、インリークにより空気(窒素)がボイラ火炉2に流入してくる。ボイラ火炉2内で発生する窒素酸化物はこれらのガスに由来するものと、石炭内に含まれる窒素分に由来するものがある。
ボイラ火炉2で生じた1000℃以上の燃焼排ガスは、水冷管で構成されたボイラ火炉壁面やボイラ火炉下流に設置された熱交換器6で熱吸収された後、煙道を通って排ガス処理設備に流れていく。
排ガス処理設備では、まず燃焼排ガス中の飛灰を除塵装置7で除塵し、その後、脱硫装置8で硫黄酸化物を除去する。除塵装置としては乾式の電気集塵機が一般的である。脱塵後、燃焼排ガスは燃焼排ガス中の水分を水分除去装置9で除去する。水分除去設備の出口において、燃焼排ガス中の水分は飽和状態であり、この状態の燃焼排ガスを以後、乾燥燃焼排ガスと呼ぶ。そして、乾燥燃焼排ガスは二酸化炭素回収設備10に送られ、この時点で乾燥燃焼排ガス中の二酸化炭素の濃度は90%以上となる。二酸化炭素回収設備10において、二酸化炭素を除去した乾燥燃焼排ガスは酸素製造設備4で発生した窒素と混合して、煙突へと送られ、系外へ排出される。尚、水分除去装置9はシェルアンドチューブ熱交換器やスクラバなどが選択できる。また、二酸化炭素回収設備10は圧縮機を使って液化させる方式や膜を利用して分離する方式などが選択できる。
本実施例では脱塵した直後に燃焼排ガスの一部を再循環する再循環排ガスライン11と脱塵・脱硫後に水分除去装置9で水分を除去した燃焼排ガス(乾燥燃焼排ガス)の一部を再循環する乾燥再循環排ガスライン12とを有する。また、これらのラインには酸素製造設備4から酸素を供給するラインが繋がれている。これらラインは配管等の設備である。酸素を供給するラインは、再循環排ガスラインの複数の系統のうちの任意の系統に、前記酸素製造設備で製造された酸素を供給できる複数の系統を有する。再循環排ガスライン11と乾燥再循環排ガスライン12は、二酸化炭素回収設備の煙道上流に設置された少なくとも1つ以上の再循環ガス取出し口から排ガスを取り出す。
前者のラインの排ガスは熱交換器6で加熱されたあと、酸素製造設備4で生成した酸素を混合して、バーナー1と酸化用ガス供給口3へ送られる。一方、後者のラインの排ガスは熱交換器6で加熱されたあと、一部は石炭供給設備13に送られ、粉砕後の微粉炭を搬送するのに用いる。残りの排ガスは乾燥再循環排ガス供給口14へ送られる。石炭供給設備13に送った乾燥再循環排ガスは微粉炭を乾燥する役割も兼ね備えている。また、微粉炭の着火性を良くするため、石炭供給設備13の下流において酸素製造設備4で生成された酸素を混合している。
酸素燃焼ボイラは排ガスを循環するため、再循環排ガスの取出し口より後流の機器に流れるガス量が空気焚きの石炭燃焼ボイラに比べて少なく、機器を小型にできる利点がある。
なお、図を見やすくするため再循環する排ガスは図1の左側(缶前)のバーナーや供給口にしか供給されていない。実際は図の右側(缶後)のバーナーや供給口にも供給される。
本実施例において、乾燥再循環ガスは乾燥再循環排ガス供給口14からボイラ火炉2内の還元雰囲気の領域15に投入する。すなわち、乾燥再循環排ガスはボイラ火炉2内の還元雰囲気の領域15に投入するため、乾燥再循環排ガス供給口14は酸化用ガス供給口3よりも必ず下側に設置される。本位置に設置したときの効果は図11を利用して説明する。バーナー1は同心多重円管構造をしている場合が多く、その中央から燃料を、その周囲に酸化剤を流すことが多い。この場合、バーナーの噴流の中心付近は燃料超過の還元雰囲気22となるが、その周囲は局所的に酸化雰囲気となる。このとき、ボイラ火炉2の内壁面近傍を上昇するガスに再循環ガス24を混合すると、局所的に酸化する領域23を還元雰囲気にすることができる。還元域を広げることで、酸化域から発生する窒素酸化物を抑制できる。
図2は乾燥再循環ガスの別の投入構成図である。図1において乾燥再循環排ガス供給口14は酸化用ガス供給口3とバーナーの間に設置されているが、乾燥再循環排ガスが還元雰囲気内に投入できるのであれば、図2のようにボイラ火炉最下部に乾燥再循環排ガス供給口14を設けても良い。この場合、投入口が1箇所になるので、再循環に関係する配管などが1系列となって製作コストが安くなる利点がある。再循環するガス量はボイラ火炉2で発生するガス量の6割〜8割程度になり、流量が膨大である。実運用上一系統となると費用上の効果は大きい。
図3は石炭粒子存在下における一酸化炭素濃度と窒素酸化物濃度の関係を示す図である。ここで図3に示すように、実験事実として石炭粒子存在下において、一酸化炭素濃度の高い還元雰囲気の場では、窒素酸化物の発生量が抑制される。そのため、本発明では還元雰囲気の場に二酸化炭素を吹き込むことで、石炭粒子表面で二酸化炭素が還元反応を起こし、一酸化炭素を生成する反応を促進する。図4に石炭表面における二酸化炭素の還元反応のイメージを示す。一酸化炭素濃度の高い還元雰囲気の場では、前記の還元反応が進みやすい状態になる。
また、乾燥再循環排ガスに水分が無いので、乾燥再循環排ガス供給口14近傍に水分由来のOHラジカルが発生しない。図5は還元雰囲気における窒素酸化物の反応経路を示す図である。図5の反応経路に示すように、OHラジカルは窒素酸化物を発生する原因となる。例えば、乾燥再循環排ガスに水分が存在すると、1000℃を超える高温のガス中では、水からOHラジカルが発生する。石炭中の窒素成分に由来して生じるシアン(HCN)はOHラジカルが存在すると、まずCNとなり、その後NCOとなって、最終的に窒素酸化物(NO)となる。よって、OHラジカルの発生を抑制すると窒素酸化物の発生も抑制される。
本実施例では脱硝装置を記載していない例で説明している。しかし、脱硝装置がシステム中に存在しても成り立つ。尚、脱硝装置は一般に熱交換器6の下流に設置される。
上述したように、空気から酸素を分離する酸素製造設備と、石炭を乾燥粉砕する石炭供給設備と、酸素製造設備で製造された酸素と石炭供給設備より供給された石炭を燃焼するバーナーと、バーナーを壁面に備えたボイラと、ボイラの燃焼排ガスを排出するボイラから煙突までの煙道と、煙道の下流に設置され、排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素回収設備と、煙道の中途から排ガスの一部を抜き出してボイラに再循環する再循環排ガス設備と、煙道の排ガスと再循環排ガス設備の排ガスの熱交換をする熱交換設備と、再循環排ガス設備の任意の系統に前記酸素製造設備で製造された酸素を供給できる複数の系統を有する酸素供給設備と、二酸化炭素回収設備の煙道上流に設置された再循環ガス取出し口と、排ガスを減湿する水分除去設備とを有し、再循環排ガス設備は前記水分除去設備で減湿した乾燥排ガスを再循環する再循環排ガス設備であり、乾燥排ガスをボイラ内の還元雰囲気領域に流入させる乾燥再循環排ガス供給口を有することを特徴とする酸素燃焼ボイラシステムを提供することにより、水分を除去した乾燥再循環排ガスがボイラ火炉の還元雰囲気に戻される。これにより、還元雰囲気の二酸化炭素濃度が上昇し、石炭粒子の還元反応が進む。バーナーで生じた局所的な酸化領域も還元雰囲気にすることが可能である。前記還元反応が起きると一酸化炭素濃度が上昇し、窒素酸化物の濃度が低下する。さらに、窒素酸化物の発生を抑制できるので、燃料成分の違う(窒素含有量の多い)炭種に対応可能となる。また、脱硝にかかる費用も低減できる。
また、空気から酸素を分離する酸素製造設備で製造された酸素と石炭を乾燥粉砕する石炭供給設備より供給された石炭をボイラで燃焼し、ボイラの燃焼排ガスを減湿して乾燥排ガスを生成し、乾燥排ガスを前記ボイラ内の還元雰囲気領域に流入させる酸素燃焼ボイラシステムの燃焼方法により、バーナーで生じた局所的な酸化領域も還元雰囲気にすることが可能である。
また、酸素製造設備で製造された酸素とボイラで発生した燃焼排ガスの混合ガスをバーナーの下流で供給するための酸化用ガス供給口と、酸化用ガス供給口より上流で、かつ、バーナーより下流に前記乾燥再循環排ガスを供給する乾燥再循環排ガス供給口を有することにより、バーナーで生じた局所的な酸化領域も還元雰囲気にすることも可能である。
また、ボイラ最下部に乾燥再循環排ガス供給口を有することにより窒素酸化物の発生抑制をしつつ、製作コストが安くすることができる。
また、水分除去設備で減湿した乾燥排ガスを乾燥再循環排ガス供給口からボイラに戻す系統と、石炭供給設備に戻す系統とを有することにより、窒素酸化物の発生抑制をしつつ、水分が少ないのでミルにおいて石炭を乾燥する能力を高くすることができる。
図6は乾燥再循環ガスに酸素を投入する構成図である。実施例1の酸素燃焼ボイラにおいて、乾燥再循環排ガスに酸素を混ぜて、乾燥再循環排ガス供給口14からボイラ火炉内の還元雰囲気の領域15に排ガスを投入する実施例を図6に示す。
素反応ベースの詳細な化学反応解析を実施すると、バーナーに50%〜65%程度、乾燥再循環排ガスに8%〜15%程度、酸化用ガスに27〜35%程度の酸素重量比で酸素を混入すると、窒素酸化物の発生量がより抑制される結果を得た。本知見に従うと、乾燥再循環排ガスに適量の酸素を混ぜて投入すると窒素酸化物の発生量を抑制できる。ただし、酸素量が多すぎると、燃焼ガス温度が高くなり、サーマルNOxが多量に発生して窒素酸化物の生成量が増大する可能性があることも分かった。従って、投入する酸素は発生する窒素酸化物の量をモニタリングしながら、流量調節弁16を利用して適量投入することが望ましい。
このように、水分除去設備で減湿した乾燥再循環排ガスに供給する酸素量を調整可能な酸素流量調整弁を有することにより、窒素酸化物の発生抑制をコントロールすることができる。
図7は再循環ガスの取出し口を脱硫後に設置した構成図である。実施例1の酸素燃焼ボイラにおいて、再循環排ガスライン11のガスの取出口が脱塵・脱硫後である実施例を図7に示す。
脱塵・脱硫後のガスを再循環するため、再循環排ガス中には硫黄酸化物の含有量は少ない。このため仮に再循環ガスの配管内でガスが露点に達しても、硫黄酸化物に起因する硫酸の発生量はほとんどない。硫酸は強い酸化性をもつため、発生すると配管を腐食する恐れがある。通常は露点に達しないように配管を保温するので、このような事象は起きないが、本実施例のようにすれば本質的に安全な設計となる。また、ボイラ火炉2内の還元雰囲気の領域15に硫黄酸化物を含んだガスを戻すと、硫化水素が生成してボイラ火炉内面の配管を腐食する恐れがある。そのため、硫黄分の高い石炭を使用する場合は、再循環ガスを脱硫した方が良い。
このように、再循環ガス取出し口から取り出された排ガスを再循環する複数の再循環排ガス設備のうち、少なくとも一つは脱硫装置の下流に配置することにより、硫酸の発生量を抑制することができる。
実施例1の酸素燃焼ボイラにおいて、除塵装置7の下流から再循環排ガスを取り出し、再循環排ガスライン11を途中で分岐し、一方のラインに水分除去装置17を取り付けた実施例を図8に示す。本実施例のように排ガス中の水分除去を、再循環排ガスライン途中の水分除去装置17と二酸化炭素の回収直前の水分除去装置9を分けると、ボイラ火炉に戻す乾燥再循環ガスで要求される残留水分比と二酸化炭素回収設備10で要求される残留水分比を個別にコントロール可能となる。二酸化炭素回収設備10には二酸化炭素の回収をより効率的にするため、できる限り水分のない排ガスを供給する必要がある。従って、二酸化炭素の回収直前の水分除去装置9は高性能な装置となる。一方、再循環排ガスライン途中の水分除去装置17は二酸化炭素の回収直前の水分除去装置9に比べ、性能が低くても良い。これにより、再循環排ガスライン途中の水分除去装置17の製作コストは二酸化炭素の回収直前の水分除去装置9より低く抑えることが可能となる。また、再循環排ガスライン途中の水分除去装置17で上流における排ガスの水分を除去するため、二酸化炭素の回収直前の水分除去装置9の処理容量を小さくすることが可能となる。
本実施例では除塵装置と脱硫装置の間から再循環排ガスを取り出しているが、除塵装置の下流であればどこでも良い。例えば、脱硫装置の下流でも良い。
このように、水除去設備を複数有し、一方の水除去設備は、再循環排ガス取出し口から排ガスをボイラ火炉に戻す再循環排ガス設備内に配置し、他方の水除去設備は、再循環ガス取出し口よりも下流の煙道に配置したことにより、乾燥再循環ガスで要求される残留水分比と二酸化炭素回収設備10で要求される残留水分比を個別にコントロール可能である。また、再循環排ガスライン途中の水分除去装置17の製作コストは二酸化炭素の回収直前の水分除去装置9より低く抑えることができる。
実施例1の酸素燃焼ボイラにおいて、石炭供給設備13内のミル18へ乾燥再循環排ガスを投入するライン19とそれをバイパスするライン20を設置した実施例を図9に示す。ミル18で粉砕された後の石炭の粒径は小さいので(数十ミクロン程度)、着火・爆発の危険性を考慮する必要がある。本実施例では、乾燥再循環排ガスのバイパスライン20において予め酸素と乾燥再循環排ガスと混合した後、微粉炭と混合する。微粉炭と高濃度の酸素が混合して、何らかの着火源があると爆発の危険性が高まる。本実施例は、微粉炭に直接酸素を吹き込まず、酸素と乾燥再循環排ガスと混合したガスを吹き込むことで、着火・爆発の危険性を小さくする。
このように、乾燥再循環排ガスが石炭供給設備をバイパスする設備と、バイパスに酸素を供給する設備とを有することにより、微粉炭の着火・爆発の危険性を小さくすることができる。
実施例1の酸素燃焼ボイラにおいて、系外に設けられた燃焼設備21で発生した燃焼排ガスをボイラ火炉2に投入する実施例を図10に示す。例えば、ボイラ敷地内から発生するごみや地域のごみを燃やす他の燃焼設備21から生じる燃焼排ガスをボイラ火炉2に投入する。本実施例のように、系外に設けられた燃焼設備21から生じる排ガスの組成も大部分が、二酸化炭素や水分からなるので、水分を除去すると実施例1で示したような乾燥再循環ガスと同等の排ガスを供給することが可能となる。系外に設けられた燃焼設備21から生じる排ガスは高温であるので、熱交換器で除熱した後、水分を除去し、ボイラ火炉2の乾燥再循環排ガス供給口14からボイラ火炉内の還元雰囲気の領域に投入する。
このように、別系統の燃焼器と、別系統の燃焼器で生じた燃焼排ガスを輸送する排ガス輸送設備と、燃焼排ガスの水分を除去する水分除去設備とを有し、排ガス輸送設備は、乾燥再循環排ガス供給口に、別系統の燃焼器で生じ、水分を除去した燃焼排ガスを供給することで、自設備の乾燥再循環排ガス以外の他設備からの乾燥排ガスもあわせて、バーナーで生じた局所的な酸化領域も還元雰囲気にすることも可能である。
本発明の酸素燃焼ボイラシステムの構成図。 乾燥再循環ガスの別の投入構成図。 石炭粒子存在下における一酸化炭素濃度と窒素酸化物濃度の関係。 還元雰囲気における石炭粒子表面での二酸化炭素の還元のイメージ。 還元雰囲気における窒素酸化物の反応経路。 乾燥再循環ガスに酸素を投入する構成図。 再循環ガスの取出し口を脱硫後に設置した構成図。 再循環排ガスラインを途中で分岐し、一方のラインに水分除去装置を取り付けた構成図。 石炭供給設備において乾燥再循環ガスを一部バイパスし、そのバイパスラインに酸素を供給した構成図。 別系統の燃焼器の排ガスを酸素燃焼ボイラに供給する構成図。 乾燥再循環排ガス供給口の位置を示す図。
符号の説明
1 バーナー
2 ボイラ火炉
3 酸化用ガス供給口
4 酸素製造設備
5 煙突
6 熱交換器
7 除塵装置
8 脱硫装置
9,17 水分除去装置
10 二酸化炭素回収設備
11 再循環排ガスライン
12 乾燥再循環排ガスライン
13 石炭供給設備
14 乾燥再循環排ガス供給口
15 還元雰囲気の領域
16 流量調節弁
22 燃料超過の還元雰囲気
23 局所的に酸化する領域
24 再循環ガス

Claims (9)

  1. 空気から酸素を分離する酸素製造設備と、
    石炭を乾燥粉砕する石炭供給設備と、
    前記酸素製造設備で製造された酸素と前記石炭供給設備より供給された石炭を燃焼する
    バーナーと、
    前記バーナーを壁面に備えたボイラと、
    前記ボイラの燃焼排ガスを排出するボイラから煙突までの煙道と、
    前記煙道の下流に設置され、排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素回収設備と、
    前記煙道の中途から排ガスの一部を抜き出して前記ボイラに再循環する再循環排ガス設
    備と、
    前記煙道の排ガスと再循環排ガス設備の排ガスの熱交換をする熱交換設備と、
    前記再循環排ガス設備の任意の系統に前記酸素製造設備で製造された酸素を供給できる
    複数の系統を有する酸素供給設備と、
    前記二酸化炭素回収設備の煙道上流に設置された再循環ガス取出し口と、
    前記排ガスを減湿する水分除去設備とを有し、
    前記再循環排ガス設備は前記水分除去設備で減湿した乾燥排ガスを再循環する再循環排
    ガス設備であり、
    前記乾燥排ガスを前記ボイラ内の還元雰囲気領域に流入させる乾燥再循環排ガス供給口
    を有することを特徴とする酸素燃焼ボイラシステム。
  2. 請求項1の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、
    前記酸素製造設備で製造された酸素と前記ボイラで発生した燃焼排ガスの混合ガスを前
    記バーナーの下流で供給するための酸化用ガス供給口と、
    酸化用ガス供給口より上流で、かつ、バーナーより下流に前記乾燥排ガスを供給する乾
    燥再循環排ガス供給口を有することを特徴とする酸素燃焼ボイラシステム。
  3. 請求項1の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、
    ボイラ最下部に乾燥再循環排ガス供給口を有することを特徴とする酸素燃焼ボイラシス
    テム。
  4. 請求項1の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、
    水分除去設備で減湿した乾燥排ガスを乾燥再循環排ガス供給口からボイラに戻す系統と
    、石炭供給設備に戻す系統とを有することを特徴とする酸素燃焼ボイラシステム。
  5. 請求項1の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、水分除去設備で減湿した乾燥排ガスに供
    給する酸素量を調整可能な酸素流量調整弁を有することを特徴とする酸素燃焼ボイラシス
    テム。
  6. 請求項1の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、再循環ガス取出し口から取り出された排
    ガスを再循環する複数の再循環排ガス設備のうち、少なくとも一つは脱硫装置の下流に配
    置されたことを特徴とする酸素燃焼ボイラシステム。
  7. 請求項1の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、
    前記水除去設備を複数有し、
    一方の水除去設備は、前記再循環排ガス取出し口から排ガスをボイラ火炉に戻す前記再
    循環排ガス設備内に配置し、
    他方の水除去設備は、前記再循環ガス取出し口よりも下流の前記煙道に配置したことを
    特徴とする酸素燃焼ボイラシステム。
  8. 請求項4の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、
    乾燥再循環排ガスが石炭供給設備をバイパスする設備と、
    バイパスに酸素を供給する設備と、
    を有することを特徴とする酸素燃焼ボイラシステム。
  9. 請求項1の酸素燃焼ボイラシステムにおいて、
    別系統の燃焼器と、
    前記別系統の燃焼器で生じた燃焼排ガスを輸送する排ガス輸送設備と、
    前記燃焼排ガスの水分を除去する水分除去設備とを有し、
    前記排ガス輸送設備は、前記乾燥再循環排ガス供給口に、前記別系統の燃焼器で生じ、
    水分を除去した燃焼排ガスを供給することを特徴とする酸素燃焼ボイラシステム。
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