JP5812740B2 - 酸素燃焼システム及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、NOxの生成を抑制するのに好適な酸素燃焼システム及びその運転方法に関する。
従来の火力発電プラントでは、空気を用いて燃料を燃焼させる空気燃焼用ボイラを備えた空気燃焼システムが主流であるが、地球温暖化の原因物質の1つであり、産業活動において最も排出量が多い二酸化炭素(CO)の回収を容易にする方法として、酸素燃焼システムを用いた火力発電が提案されている(特許文献1参照。)。
酸素燃焼システムでは、ボイラから排出された排ガスの一部と空気から窒素(N)分を除去して製造された高濃度酸素(以下、酸素と略す)とを混合した燃焼用ガスを石炭等の化石燃料とともにボイラに供給して燃焼させることにより、COとHOを主成分とする排ガスを排出する。このため、排ガスを冷却圧縮することにより、排ガス中からCOを容易に分離することができる。また、燃焼用ガスには空気中のN分が含まれていないため、空気中のN分に起因するサーマルNOxが発生しない。
一方、この種のボイラに取り付けられた石炭等の固体燃料用バーナ(以下、バーナと略す)は、円筒状の1次ノズルと、その外周を同軸に包囲する円筒状の2次ノズルと、さらにその外周を同軸に包囲する円筒状の3次ノズルからなる多重構造のものが広く採用されている。このバーナは、1次ノズルから燃料とその搬送用気体を噴出し、2次ノズル及び3次ノズルから燃焼用ガスを噴出するようになっている(例えば、特許文献2、3参照。)。
特開2007−147162号公報 特開2000−257811号公報 特開2000−130710号公報
ところで、既設の空気燃焼用ボイラを使用して酸素燃焼システムを構築する場合、以下の問題が懸念される。すなわち、バーナ全体から噴出されるガスの酸素濃度を空気と同等の例えば約21%に設定した場合、そのガスの酸素を除いたガスの組成が変わるため、ボイラ内部の熱交換器の熱吸収特性が大きく変化する。したがって、ボイラ内の熱交換器の配置や伝熱面積の変更に伴う改造が必要となり、そのための設備費や労力が多大となる。
このような改造をできるだけ少なくするためには、酸素を含む燃焼用ガスの酸素濃度を空気よりも高め、バーナ全体から噴出されるガスの酸素濃度を約27%に設定する必要がある。
しかし、このように酸素濃度を空気よりも高い約27%に設定した場合、バーナの先端に形成される火炎のうち還元炎の発生領域が狭くなるため、燃料中のN分に起因するフューエルNOxが増大する。
また、多重構造のバーナを用いる場合、酸素濃度の増大に伴う燃焼温度の上昇により、バーナに設置された保炎器等の構成機器が焼損するおそれがある。
本発明は、燃焼用ガスの酸素濃度を高めても、フューエルNOxの増大を抑制することができ、かつ、保炎器等の構成機器の焼損等を防ぐことを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、富酸素ガスと循環排ガスとを混合した燃焼用ガスをバーナから噴出させて燃料を燃焼させるボイラと、このボイラから排出される排ガスの煙道から抜き出した循環排ガスをバーナに導く再循環配管とを備える酸素燃焼システムにおいて、バーナは、筒状の1次ノズルと、この1次ノズルの外周を同軸に包囲する筒状の2次ノズルと、この2次ノズルの外周を同軸に包囲する筒状の3次ノズルとを備え、1次ノズルには、再循環配管を分岐させて抜き出した循環排ガスと燃料とが流れる第1の供給配管が接続され、2次ノズルには、再循環配管が接続され、3次ノズルには、再循環配管を分岐させて抜き出した循環排ガスが流れる第2の供給配管が接続され、富酸素ガスは、第1の供給配管と第2の供給配管の一方又は両方に供給されてなることを特徴とする。
このように再循環配管を2次ノズルに接続することにより、2次ノズルには、酸素を殆ど含まない循環排ガスが供給され、2次ノズルから噴出された循環排ガスは、1次ノズルから噴出されたガスと接触する。これにより、火炎中には、燃料中のN分から生成されたNOxを窒素に還元する還元炎が形成されるため、還元炎の領域を増やすことができ、ノズルから噴出されたガスの酸素濃度が増加しても、フューエルNOxの生成を抑制することができる。また、還元炎の領域が増加することに伴い、酸化炎の領域を減らすことができるため、燃焼温度の上昇を抑制することができ、保炎器等の構成機器の焼損等を回避することができる。
また、このような酸素燃焼システムの運転方法としては、具体的に、1次ノズルに供給されるガス中の酸素濃度が4vol%以上21vol%以下となるように調節し、3次ノズルに供給されるガス中の酸素濃度を34vol%以上37vol%以下となるように調節し、1次乃至3次ノズルを通じてバーナ全体から供給されるガスの酸素濃度が26vol%以上28vol%以下となるように調整してなることを特徴とする。
本発明によれば、燃焼用ガスの酸素濃度を高めても、フューエルNOxの増大を抑制することができ、かつ、保炎器等の構成機器の焼損等を防ぐことができる。
本発明に係る酸素燃焼システムの構成を示す系統図である。 本発明に係る酸素燃焼システムのボイラに設けられるバーナの構成を示す断面図である。 本発明に係るバーナの近傍におけるフューエルNOxの発生機構を説明する図である。 従来のバーナの近傍におけるフューエルNOxの発生機構を説明する図である。 本発明に係る酸素燃焼システムの効果を説明する図である。
以下、本発明を適用してなる酸素燃焼システムの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態では、固体燃料として微粉炭を用いるバーナを例に説明するが、本発明の対象は、燃料の種類に限定されるものではなく、石炭以外にも褐炭や植物由来の固体燃料を微粉化したものやそれらの混合物等にも適用することができる。
図1に示すように、本実施形態の酸素燃焼システムは、ボイラ1と、酸素発生装置3と、ミル5と、ボイラ1の排ガスを処理する排ガス処理系統7と、各種配管系統を備えて構成される。ボイラ1は、火炉9と、火炉9に取り付けられるバーナ11及びウィンドボックス13とから構成され、バーナ11は、ウィンドボックス13内に収容された状態で配置される。酸素発生装置3は、空気から窒素等を分離して高濃度(例えば95%vd以上:ドライべースの容積分率)の酸素を生成するものである。
ボイラ1の出口には、排ガスの煙道15が接続されており、煙道15の途中には排ガス処理系統7が設けられている。排ガス処理系統7には、例えば、排ガスの脱硝装置、除塵装置、脱硫装置等が設けられ、脱硝、除塵、脱硫等の各処理が施された排ガスを図示しない後段のCO分離装置で冷却し圧縮することにより、排ガス中から分離したCOを回収するようになっている。
本実施形態では、3つの配管系統がバーナ11に接続されている。すなわち、ミル5で粉砕された燃料を搬送用ガスに同伴させて供給する第1の供給配管17と、排ガス処理系統7で処理された循環排ガスと酸素との混合ガスを供給する第2の供給配管19と、排ガス処理系統7で処理された循環排ガスのみを供給する第3の供給配管21(再循環配管)の3系統がそれぞれバーナ11に接続されている。
第1の供給配管17は、第2の供給配管19の分岐部に一端が接続され、他端がバーナ11に接続されている。第1の供給配管17には、バンカ23と、バンカ23から供給された石炭を微粉砕するミル5が設けられている。第2の供給配管19は、ファン25に一端が接続されるとともに他端がバーナ11に接続されている。
酸素発生装置3の酸素出口には供給配管27が接続され、この供給配管27の下流側は、供給配管29と供給配管31の2本に分岐されている。配管29は、第2の供給配管19の第1の供給配管17の分岐部の下流側に接続され、配管31は、第1の供給配管17に接続されている。配管29と配管31には、それぞれ酸素流量調整バルブ33,35が設けられている。酸素発生装置3の窒素出口には供給配管37が接続されている。
第3の供給配管21は、排ガス処理系統7の後流側の煙道15の分岐部に一端が接続され、他端がバーナ11に接続されている。ここで、第3の供給配管21は、排ガス処理系統7の後流側から分岐する例に限らず、排ガス処理系統に含まれる装置群の途中から分岐させてもよい。第3の供給配管21には、上流側から入口バルブ39、ファン41が順に設けられ、ファン41の下流側の分岐部に配管43の一端が接続されている。配管43の他端は、第2の供給配管19における第1の供給配管17の分岐部の上流側に接続されている。
第1の供給配管17及び第2の供給配管19には、それぞれガス流量調整バルブ45,47が設けられており、第3の供給配管21における配管43の分岐部の下流側及び配管43には、それぞれガス流量調整バルブ49,51が設けられている。
図2に示すように、本実施形態のバーナ11は、筒状の1次ノズル53と、1次ノズル53の外周を同軸に包囲する筒状の2次ノズル55と、2次ノズル55の外周を同軸に包囲する筒状の3次ノズル57を有する多重構造をなしている。このバーナ11は、炉壁Wの貫通孔に挿入された状態で支持されている。
1次ノズル53の内側には、重油を供給する重油供給管59が1次ノズル53の軸芯に沿って設けられ、重油供給管59の外周部には、濃縮器61が設けられている。また、1次ノズル53の内周面には、流路を狭くする流路調整部材63が設けられている。1次ノズル53の先端側の外周面には、保炎器65が設けられている。
1次ノズル53の基端側には、第1の供給配管17が接続され、2次ノズル55の基端側には、第3の供給配管21が接続され、3次ノズル57の基端側には、第2の供給配管19が接続されている。各ノズル53,55,57に供給されるガス流量は、図示しない制御装置等が、ガス流量調整バルブ45,47,49,51の弁開度を調整することにより、調整可能になっている。
第1の供給配管17及び第2の供給配管19には、それぞれガス採取管を介して酸素濃度測定装置67,69が設けられ、各供給配管17,19を流れるガスの酸素濃度が常時測定できるようになっている。本実施形態では、例えば、酸素濃度の測定が予め設定された濃度となるように、図示しない制御装置により、酸素流量調整バルブ33,35の弁開度が調整されるようになっている。
次に、このようにして構成される酸素燃焼システムの動作について説明する。
ボイラ1には、バーナ11から、燃料である微粉炭と酸素及び循環排ガスが供給されて微粉炭が燃焼される。ボイラ1から排出された排ガスは、煙道15に導かれて排ガス処理系統7に入る。排ガス処理系統7に導かれた排ガスは、脱硝処理が施され、排ガス中のNOxが除去される。脱硝処理がなされた排ガスは、所定温度に減温された後、排ガス中の煤塵が除去される。続いて、煤塵が除去された排ガスは、排ガス中のSOxが除去された後、冷却圧縮され、排ガス中のCOが液化された状態で分離される。COが分離された排ガスは大気中に放出される。
一方、排ガス処理系統7を経由した排ガスは、煙道15において、その一部が抜き出され、第3の供給配管21に導かれる。第3の供給配管21に導かれた排ガスは、循環排ガスとなってファン39、ガス流量調整バルブ41を経由した後、バーナ11に直接供給されるが、ガス流量調整バルブ41の下流側の分岐点において循環排ガスの一部が抜き出され、配管43に導かれる。配管43に導かれた循環排ガスは、ガス流量調整バルブ51を経由して第2の供給配管19に導かれる。第3の供給配管21を経由してバーナ11に直接導かれる循環排ガスの流量と配管43を流れる循環排ガスの流量は、それぞれガス流量調整バルブ49,51によって調整が可能になっている。なお、第2の供給配管19の他端が接続されるファン25は、ボイラ起動時に運転されるものであるため、それ以外は運転が停止し、その手前側に設けられる出口バルブ71も起動時以外は閉じられている。
第2の供給配管19に導かれた循環排ガスは、一部が第1の供給配管17に導かれる。第2の供給配管19には、酸素発生装置3で発生した酸素が供給配管27,29を介して導入される。第1の供給配管17には、酸素発生装置3で発生した酸素が供給配管27,31を介して導入される。第1の供給配管17と第2の供給配管19に導入される酸素の流量は、それぞれ酸素流量調整バルブ33,35によって調整される。
第1の供給配管17に酸素が導入されると、循環排ガスと混合されて混合ガスとなる。第1の供給配管17には、バンカ23に貯留された石炭がフィーダ73を介して供給され、この石炭は、混合ガスとともにミル5に導かれ、微粉炭燃焼に適した粒度に粉砕される。粉砕された微粉炭は、混合ガスに同伴されて第1の供給配管17を経由してバーナ11の1次ノズル53に供給される。第2の供給配管19では、酸素が循環排ガスと混合された後、バーナ11の3次ノズル57に供給される。第3の供給配管21には、他の供給配管のように酸素が供給されないため、循環排ガスのみが2次ノズル55に供給される。
次に、このように動作する酸素燃焼システムにおいて、フューエルNOxが低減される仕組みについて説明する。
はじめに、図4に、従来の燃焼システムにおけるフューエルNOxの反応機構の概念図を示す。従来の燃焼システムでは、2次ガスと3次ガスが共通のウィンドボックス13から供給される。図4は、多重構造の各ノズルから噴き出されるガスの流れと反応領域の断面を模式的に表したものであり、左側の矢印は、符号73が1次ノズル53から供給される1次ガス(燃料と酸素及び循環排ガスの混合ガス)の流れを示し、符号75が2次ノズル55から供給される2次ガス(酸素と循環排ガスが混合された燃焼用ガス)の流れを示し、符号77が3次ノズル57から供給される3次ガス(酸素と循環排ガスが混合された燃焼用ガス)の流れを示す。図の横軸は、バーナ11の1次ノズル53の出口から軸芯方向の距離を示し、燃焼過程の異なる4つの領域(領域A〜D)を表している。ここで、1次ガス73が供給されてから酸素がなくなるまでの領域を領域Aとし、1次ガス73の酸素がなくなってから2次ガス75が混合される前までの領域を領域Bとし、1次ガス73と3次ガス77が混合される領域を領域C、それ以降の領域を領域Dとして示す。
領域Aにおいては、石炭中のN分が、燃焼初期の熱分解反応により、HCNやNHとして気相中に放出される。ここで、1次ガス73には、燃料の他に酸素が含まれるため、まず、HCNやNHが燃焼し、式(1)の酸化反応が主に起こる。
N → NOx(酸化反応)・・・(1)
領域Bでは、1次ガス73に含まれる燃料に対して酸素量が少ないため、1次ガス73の燃料が燃焼後、酸素が不足して燃料過剰の状態となる。そのため、領域Bでは、式(2)の還元反応が主に起こる。
NOx → N(還元反応)・・・(2)
領域Cでは、1次ガス73と2次ガス75が混合するため、式(1)の酸化反応が主に起こる。また、領域Dも同様に、1次ガス73と3次ガス77が混合するため、式(1)の燃焼による酸化反応が主に起こる。
次に、図3において、本実施形態の燃焼システムにおけるフューエルNOxの反応機構の概念図を示す。図3では、1次ガス79が燃料と酸素及び循環排ガスが混合された流れを示し、2次ガス81が循環排ガスのみの流れを示し、3次ガス83が酸素と循環排ガスが混合された流れを示している。なお、式(1)、(2)の各反応は、図4で説明した通りである。
本実施形態では、酸素を殆ど含まない循環排ガスを2次ガス81として供給しているため、図4と異なる反応機構を示す。すなわち、1次ガス79と2次ガス81が混合される領域Cにおいて、図4では、式(1)の酸化反応が主に起こるのに対し、図3では、式(2)の還元反応が主に起こる。
このように、酸素を殆ど含まない2次ガス81を1次ガス79と接触させることにより、領域Bに加えて領域Cにも還元炎の領域を形成することができる。そのため、従来の燃焼システムと比べて還元炎の領域を増やすことができ、フューエルNOxの生成を抑制することができる。また、還元炎の領域が増えることにより酸化炎の領域を減らすことができるため、酸化反応に伴う燃焼温度の上昇を抑制することができる。そのため、保炎器61等の構成機器の焼損等を回避することができる。
なお、本実施形態では、第1の供給配管17及び第2の供給配管19の両方に酸素を供給する例を説明したが、酸素の供給箇所は、バーナ11の保炎性を維持する機能を満たせばよく、第1の供給配管17及び第2の供給配管19のいずれか一方でもよい。また、第2の供給配管19のみ酸素を供給する場合、第2の供給配管19を分岐させ、第2の供給配管19を流れる酸素を含む循環排ガスの一部を第1の供給配管17に分配するように構成しても構わない。
表1に、本発明の酸素燃焼システムに用いるバーナ11の各ノズルにおけるガス流量の比率(バーナ11の全体を通じて噴出するガスの全流量を100%としたときの割合)と酸素濃度(vol%)を示す。参考として、従来の燃焼システムを適用した比較例も併せて示す。
Figure 0005812740
ここで、ガス流量の比率は、適切なバーナ火炎を形成するための値であり、本発明及び比較例1、2で同じである。1次ガスは、燃料を搬送し、1次ノズル53に燃料を堆積させないために必要最低限の流量として30%、上限は燃料の着火性を確保するため40%の範囲内となる。2次ガスは、バーナ11の保炎器65を冷却保護するため最低でも流量比10%を確保する必要があり、上限は火炎の吹き飛びを防止するため15%程度である。3次ガスとしては、バーナ11全体で必要なガス流量に対し、1次、2次の残りの分を供給する。
酸素濃度は、空気燃焼と同等の負荷、すなわち、ボイラ1の各熱交換器を通じた熱吸収の条件を既存の空気燃焼式ボイラと同等にするため、バーナ全体を通じで噴出するガス量の26%以上28%以下とする必要がある。ここでは、この値を27%とした場合の例を示す。
1次ガスの酸素濃度は、全量を循環排ガスとしたときの酸素濃度である4%を下限値とするが、燃料の着火性の点で10%程度以上とすることが望ましい。一方、バーナ11の上流側に位置するミル5の安全性の観点から上限は空気燃焼と同等の21%とする必要がある。表1の本発明のケースは、これを21%とした場合について示したものである。また、本発明の2次ガスは、循環排ガスのみであるため、酸素濃度を4%とすることができ、これにより、3次ガスは、34%以上37%以下となる。このような酸素濃度の調整は、各ノズルに接続される供給配管17,19,21のガス流量調整バルブ45,47,49や酸素流量調整バルブ33,35を調整することにより行われる。
比較例1は、2次ガスと3次ガスが共通のウィンドボックス13から供給される従来の燃焼システム(バーナ)を用いて、2次ガスの酸素濃度を4%とした場合である。3次ガスの酸素濃度も2次ガスと同じ4%となるため、バーナ全体で酸素濃度を27%とするには、1次ガスの酸素濃度が最大で90%近くまで高める必要がある。このため、上流側(例えばミル5等)で燃料発火に至る可能性が高まり、安全性の確保が困難となる。
比較例2は、同様に従来の燃焼システム(バーナ)を用いて、1次ガスの酸素濃度を21%とした場合であり、2次ガスと3次ガスの酸素濃度が等しくなるため、2次ガスの酸素濃度は、29〜31%となる。こうなると、図4のようになり、還元炎の領域が減少するため、フューエルNOx濃度を低減することが難しくなる。以上より、従来方式では、2次ガスの酸素濃度を循環排ガスのレベルまで下げることが不可能であることが分かる。
図5に、本発明と比較例(表1の比較例2に対応)のフューエルNOxの低減効果を示す。縦軸はNOx濃度(左側)と各領域の平均酸素濃度(右側)、横軸は1次ノズル出口から軸芯方向の距離を示す。実線はNOx濃度を示し、点線は酸素濃度を示す。
本発明及び比較例2のいずれも、領域Aでは、酸化反応によりNOx濃度が増加し、領域Bでは、還元反応によりNOx濃度が減少する。一方、領域Cでは、比較例で、式(1)の酸化反応が進行し、NOx濃度が増加するのに対し、本発明では、2次ガスに酸素が殆ど含まれていない循環排ガスを投入しており、1次ガスと2次ガスの混合時に酸化反応はほとんど発生しない。その代わり、本発明では、式(2)の還元反応が進行するため、フューエルNOxの濃度が減少する。
1 ボイラ
3 酸素発生装置
5 ミル
7 排ガス処理系統
11 バーナ
17 第1の供給配管
19 第2の供給配管
21 第3の供給配管
53 1次ノズル
55 2次ノズル
57 3次ノズル
79 1次ガス
81 2次ガス
83 3次ガス

Claims (2)

  1. 富酸素ガスと循環排ガスとを混合した燃焼用ガスをバーナから噴出させて燃料を燃焼させるボイラと、該ボイラから排出される排ガスの煙道から抜き出した前記循環排ガスを前記バーナに導く再循環配管とを備える酸素燃焼システムにおいて、
    前記バーナは、筒状の1次ノズルと、該1次ノズルの外周を同軸に包囲する筒状の2次ノズルと、該2次ノズルの外周を同軸に包囲する筒状の3次ノズルとを備えてなり、
    前記1次ノズルには、前記再循環配管を分岐させて抜き出した前記循環排ガスと前記燃料とが流れる第1の供給配管が接続され、前記2次ノズルには、前記再循環配管が接続され、前記3次ノズルには、前記再循環配管を分岐させて抜き出した前記循環排ガスが流れる第2の供給配管が接続され、
    前記富酸素ガスは、前記第1の供給配管と前記第2の供給配管の一方又は両方に供給されてなることを特徴とする酸素燃焼システム。
  2. 請求項1に記載の酸素燃焼システムの運転方法において、
    前記1次ノズルに供給されるガス中の酸素濃度が4vol%以上21vol%以下となるように調節し、前記3次ノズルに供給されるガス中の酸素濃度を34vol%以上37vol%以下となるように調節し、
    前記1次乃至3次ノズルを通じて前記バーナ全体から供給されるガスの酸素濃度が26vol%以上28vol%以下となるように調整してなることを特徴とする酸素燃焼システムの運転方法。
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