JP5181664B2 - 硬化性分散剤とその製造方法、及びそれを用いた顔料組成物 - Google Patents

硬化性分散剤とその製造方法、及びそれを用いた顔料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性分散剤に関し、更に詳しくは、塗料及び着色樹脂組成物などの分野に適する、非集合性、流動性、保存安定性に優れた分散体を製造でき、同時に展色物の耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性に優れた分散体を製造することのできる硬化性分散剤とその製造方法、及びそれを用いた顔料組成物に関する。
一般に、インキ等を製造する場合、顔料を安定に高濃度で分散することが難しく、製造工程や製品そのものに対して種々の問題を引き起こすことが知られている。例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出しや輸送が困難となるばかりでなく、悪い場合は保存中にゲル化を起こし、使用困難となることさえある。更に展色物の表面に関しては光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じる。又、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降などの現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがある。
そこで一般的には、分散状態を良好に保つために分散剤が利用されている。分散剤は、顔料に吸着する部位と、分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この2つの機能の部位のバランスで分散剤の性能は決まる。分散剤は、被分散物である顔料の表面状態に合わせ種々のものが使用されているが、塩基性に偏った表面を有する顔料には酸性の分散剤が使用されるのが一般的である。この場合、酸性官能基が顔料の吸着部位となる。
酸性の官能基としてリン酸基やスルホン酸基を有する分散剤が知られている(例えば、特許文献1又は特許文献2)。これらは高い分散能力を持ち合わせ、ある程度少ない使用量で低粘度の顔料分散体をつくることができる。しかしながら、保存安定性が悪い場合や、リン酸基やスルホン酸基由来の欠点、例えば相溶性の悪さ(製造時にも問題)、耐熱性の低さ、又は耐薬品性の低さなどで利用上問題を生じる場合があり、このようなリン酸基や、スルホン酸基を有する分散剤は、応用するインキや塗料などへの展開性に乏しかった。
酸性の官能基としてカルボン酸基を有する分散剤は、リン酸基や、スルホン酸基を有する分散剤が抱える問題はないが、分散能力において劣る傾向があり、使用量を多くしてもリン酸基や、スルホン酸基を有する分散剤を用いたときのような低粘度化は難しかった。
近年、カルボン酸基を用い、分散剤としての能力を向上させた分散剤が提案されている。カルボン酸基を有するアクリル樹脂をブロック共重合させた例や、カルボン酸基を有するアクリル樹脂にポリエステル、ポリエーテル、若しくはポリウレタンなどをグラフトさせた例である(例えば、特許文献3又は特許文献4)。
これらは、従来のカルボン酸基を有する分散剤に比べれば高い分散能力を有してはいるものの、リン酸基や、スルホン酸基を有する分散剤に比べると分散能力としては低く、低粘度で安定な分散体をつくるためには、ある程度の量で使用することが必要であった。
一方で、顔料を母体骨格として側鎖に酸性基や塩基性基を置換基として有するシナジストを顔料組成物に混合する方法が、特許文献5、特許文献6及び特許文献7等に提案されている。しかし、これだけでは必ずしも満足な効果が得られず、上記のような酸性基や塩基性基を置換基として有するシナジストに対して、更にその対イオンを有する分散剤を使用することが提案されている(例えば、特許文献8又は特許文献9)。ここで、シナジストとは、顔料を形成する色素の化学構造に似た構造を有し、顔料に対してπ−π相互作用で強固に吸着し、シナジストが含有するイオン性官能基によって顔料の表面を酸性若しくは塩基性にして、対イオンを有する分散剤若しくは顔料担体の効果を大きくするものである。
特許文献8には、塩基性基を置換基として有するシナジストと、リン酸基を有する分散剤とを含む顔料組成物の例示がある。リン酸基を有する分散剤は、塩基性基を置換基として有するシナジストとの併用である程度の顔料分散能力を有するが、保存安定性が悪い場合や、リン酸由来の欠点、例えば耐熱性の低さ、耐薬品性の低さ、相溶性の悪さなどで問題を生じる場合があった。これは、スルホン酸を有する分散剤も同様である。このようなリン酸基や、スルホン酸基を有する分散剤を用いた顔料組成物は、応用するインキや塗料などへの展開性に乏しく、一方、従来のカルボン酸を用いた分散剤と塩基性基を置換基として有するシナジストとを組合せた顔料組成物は、耐熱性、耐薬品性、相溶性の点についてリン酸基やスルホン酸基を有する分散剤と比較すると改善できているが、粘度が高い、安定性が悪い、顔料微分散化不良などの問題があり、分散剤の添加量を多くする必要があった。その結果、耐熱性や耐薬品性の低さが露呈し、耐熱性、耐薬品性と顔料分散能力との両立が困難であった。
特許第2633075号公報 特許第2747769号公報 特開2005−194487号公報 特許第3049407号公報 特開昭63−305173号公報 特開平1−247468号公報 特開平3−26767号公報 特開昭63−248864号公報 特開平9−176511号公報
本発明は、低使用量で分散性、流動性、保存安定性に優れ、更には得られる展色物の耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性に優れる顔料分散体を得るための硬化性分散剤の提供を目的とする。更に本発明は、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキ、インキジェットインキ、塗料、及び着色樹脂組成物などに適する、非集合性、流動性に優れた分散性や安定性を保持することのできる硬化性分散剤の提供を目的とする。
本発明における第1の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)中の水酸基と、
テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第2の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)及び前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)中の水酸基と、
テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第3の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)中の水酸基と、
テトラカルボン酸無水物(d)及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第4の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)及び前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)中の水酸基と、
テトラカルボン酸無水物(d)及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第5の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(j)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第6の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(l)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第7の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(m)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第8に発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(n)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤に関する。
又、第9の発明は、重量平均分子量が2000〜100000であり、かつ、酸価が5〜200mgKOH/gである第1〜8いずれかの発明の硬化性分散剤に関する。
又、第10の発明は、テトラカルボン酸無水物(d)が、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されることを特徴とする第1〜9いずれかの発明の硬化性分散剤に関する。
一般式(1)
Figure 0005181664
[一般式(1)中、kは1又は2である。]
一般式(2)
Figure 0005181664
[一般式(2)中、R1は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、式:
Figure 0005181664
で表される基、又は式:
Figure 0005181664
で表される基である。]
又、第11の発明は、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなるビニル重合体部分の重量平均分子量が、1000〜20000である第1〜10のいずれかの発明の硬化性分散剤に関する。
又、第12の発明は、エチレン性不飽和単量体(b)が、下記一般式(3)で表わされる単量体を含むことを特徴とする第1〜11いずれかの発明の硬化性分散剤に関する。
一般式(3)
Figure 0005181664
[一般式(3)中、R2は炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。]
又、第13の発明は、第1〜12いずれかの発明の硬化性分散剤と、顔料とを含有する顔料組成物に関する。
又、第14の発明は、更に、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる塩基性誘導体の少なくとも一種を含有する第13の発明の顔料組成物に関する。
又、第15の発明は、第13又は14の発明の顔料組成物をワニスに分散させてなる顔料分散体に関する。
又、第16の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A1と、
前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)とを反応させる工程B1と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第17の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A2と、
前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)と前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)とを反応させる工程B2と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第18の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A3と、
前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)とトリカルボン酸無水物(i)とを反応させる工程B3と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第19の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A4と、
前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)と前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)とトリカルボン酸無水物(i)とを反応させる工程B4と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第20の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基とテトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(j)を製造する工程B5と、
前記化合物(j)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A5と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第21の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(l)を製造する工程B6と、
前記化合物(l)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A6と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第22の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(m)を製造する工程B7と、
前記化合物(m)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A7と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第23の発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(n)を製造する工程B8と、
前記化合物(n)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A8と、を含む硬化性分散剤の製造方法に関する。
又、第24の発明は、テトラカルボン酸無水物(d)が、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されることを特徴とする第16〜23いずれかの発明の硬化性分散剤の製造方法に関する。
一般式(1)
Figure 0005181664
[一般式(1)中、kは1又は2である。]
一般式(2)
Figure 0005181664
[一般式(2)中、R1は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、式:
Figure 0005181664
で表される基、又は式:
Figure 0005181664
で表される基である。]
又、第25の発明は、エチレン性不飽和単量体(b)が、下記一般式(3)で表わされる単量体を含むことを特徴とする第16〜24いずれかの発明の硬化性分散剤の製造方法に関する。
一般式(3)
Figure 0005181664
[一般式(3)中、R2は炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。]
本発明の硬化性分散剤を使用することにより、従来得られなかった分散性、流動性、保存安定性を有し、更には得られる展色物の耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性を有する顔料組成物を提供できる。更に、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキ、インキジェットインキ、塗料、及び着色樹脂組成物などに適する、非集合性、流動性に優れた分散性や安定性をもち、高い貯蔵安定性を及び高い経時安定性を有する顔料分散体を提供できる。
一般に、顔料分散剤は顔料に吸着する部位と、分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この2つの部位のバランスで分散剤の性能が決まる。つまり、分散性を発現させるためには、分散剤の顔料に吸着する性能と分散媒である溶剤への親和性がともに非常に重要である。
本発明に使用するテトラカルボン酸無水物(d)は、水酸基と反応してエステル結合を形成し、かつ、生成するポリエステル主鎖上にペンダントカルボキシル基を残すことができる。2つの水酸基を片末端領域(一方の末端領域)に有するポリオール化合物:
Figure 0005181664
(式中、Aは末端領域であり、Bはビニル重合体部分である。)
のモル量「c」と、コア部分X1を有するテトラカルボン酸無水物のモル量「d」とについて、
(i)c>d、(ii)c=d、又は(iii)c<d
としたときのテトラカルボン酸無水物(d)とポリオール化合物との反応工程式を下記反応工程式(4)〜(6)に示す。下記反応工程式(4)〜(6)において、nは繰り返し単位数である。下記の反応工程式(5)及び(6)において、生成物中に残っている酸無水物基を加水分解すれば、この反応工程による生成物は、構造式中のX1部分にカルボキシル基を2個又は3個を有しており、この複数のカルボキシル基が顔料の吸着部位として有効である。
反応工程式(4):(i)c>d
Figure 0005181664
反応工程式(5):(ii)c=d
Figure 0005181664
反応工程式(6):(iii)c<d
Figure 0005181664
しかしながら、本発明の硬化性分散剤において、コア部分X1に結合しているカルボキシル基が1個のみである場合(本発明の範囲外)では、高い分散性、流動性、及び保存安定性を発現せず好ましくない。
本発明の硬化性分散剤において、コア部分X1は、テトラカルボン酸無水物(d)が水酸基と反応した後の反応残基であり、=A−Bは、ポリオール化合物が酸無水物基と反応した後の反応残基である。Aの末端領域は、例えば、炭素原子数1〜10(好ましくは炭素原子数1〜8)の直鎖状若しくは分枝状の3価脂肪族炭化水素基である(ビニル重合体部分Bについては後述する)。この片末端領域に含まれている2つの水酸基は、同一の炭素原子に結合していても、別異の炭素原子に結合していてもよい。好ましいコア部分X1の形態は、下記一般式(1)又は一般式(2)で示されるテトラカルボン酸無水物が、ポリオール化合物と反応した後の反応残基である。
一般式(1)
Figure 0005181664
[一般式(1)中、kは1、又は2である。]
一般式(2)
Figure 0005181664
[一般式(2)中、R1は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、式:
Figure 0005181664
で表される基、又は式:
Figure 0005181664
で表される基である。]
本発明の硬化性分散剤では、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)とを反応させることにより、上記反応工程式(4)〜(6)における生成物中のコア部分X1に結合する複数のカルボキシル基部分が顔料吸着部として機能し、ビニル重合体部分が溶媒親和部として機能する。
更に本発明の硬化性分散剤では、2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)とテトラカルボン酸無水物(d)とを反応させて、ビニル重合体部分Bを含まない化合物(j)、(l)、(m)、(n)を最初に製造し、続いて、前記化合物(j)、(l)、(m)、(n)の残存しているチオール基を連鎖移動剤としてラジカル重合することでビニル重合体部分Bを導入して、同様の構造の樹脂を得ることが可能である。上記反応工程式(4)における生成物中のコア部分X1に結合する複数のカルボキシル基部分を最初の工程B5〜B8で形成させて顔料吸着部とし、続く工程A5〜A8で導入されるビニル重合体部分Bを溶媒親和部として機能させることが可能である。
下記反応工程式(7)〜(10)に示すように、前記の最初の工程B5〜B8では、ポリエステル主鎖上にペンダントカルボキシル基を残すことができ、続いて実施する工程A5〜A8でビニル重合体部分Bを導入することができる。なお、下記反応工程式(7)〜(10)において、s及びtは繰り返し単位数であり、HO−D−OHはチオール基を有さないポリオール化合物(k)である。このHO−D−OHは、前記ポリオール化合物B−A−(OH)2であることもできる。
工程B5及び工程A5〔2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)とテトラカルボン酸無水物(d)とを反応させ、続いてエチレン性不飽和単量体(b)を導入する場合〕:
反応工程式(7)
Figure 0005181664
工程B6及び工程A6〔2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)とテトラカルボン酸無水物(d)とチオール基を有さないポリオール化合物(k)とを反応させ、続いてエチレン性不飽和単量体(b)を導入する場合〕:
反応工程式(8)
Figure 0005181664
工程B7及び工程A7〔2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)とテトラカルボン酸無水物(d)とトリカルボン酸無水物(i)とを反応させ、続いてエチレン性不飽和単量体(b)を導入する場合〕:
反応工程式(9)
Figure 0005181664
工程B8及び工程A8〔2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)とテトラカルボン酸無水物(d)とチオール基を有さないポリオール化合物(k)とトリカルボン酸無水物(i)とを反応させ、続いてエチレン性不飽和単量体(b)を導入する場合〕:
反応工程式(10)
Figure 0005181664
このように、複数のペンダントカルボキシル基を形成させ顔料吸着部として機能させることができ、更に残存したチオール基を用いて連鎖移動剤としてラジカル重合する工程A5〜A8で生成するビニル重合体部分を溶媒親和部として機能させることが可能である。
本明細書において「エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなるビニル重合体部分」とは、テトラカルボン酸無水物(d)又はトリカルボン酸無水物(i)由来の部分を含まない連続した部分であり、通常、本発明の分散剤を構成する1分子中には、複数のビニル重合体部分Bが含まれる。
エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなるビニル重合体部分Bの重量平均分子量は、1000〜20000が好ましく、より好ましくは2000〜15000、更に好ましくは2000〜12000、特に好ましくは3000〜8000である。この部分Bが分散媒である溶剤への親和性部分となる。ビニル重合体部分Bの重量平均分子量が1000未満では、溶媒親和部による立体反発の効果が少なくなるとともに、顔料の凝集を防ぐことが困難となり、分散安定性が不十分となる場合がある。又、20000を超えると、溶媒親和部の絶対量が増えてしまい、分散性の効果自体が低下する場合がある。更に、分散体の粘度が高くなる場合がある。ビニル重合体(c)は、分子量を上記範囲に調整することが容易であり、かつ、溶剤への親和性も良好である。
本発明の硬化性分散剤は複数のペンダントカルボキシル基、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなるビニル重合体部分を有することに加え、エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことが必須である。
ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)としては、例えば、カレンズMOI−BM、カレンズMOI−BP(昭和電工製)などが挙げられる。
オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(宇部興産製)などが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)としては、例えば、t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレートなどが挙げられる。
これらの単量体(e)、(f)、及び(g)を使用することにより、本発明による硬化性分散剤は、それを含んでなる顔料組成物及び顔料分散体を熱硬化した後に優れた耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、耐アルカリ性を得ることができる。これは、単量体(e)、(f)、及び(g)中の架橋性官能基(それぞれブロックイソシアネート基、オキセタン基、t−ブチル基)が焼きつけにより架橋するためである。
単量体(e)、(f)、及び(g)は、これらの合計量でエチレン性不飽和単量体(b)中に5〜90重量%使用するのが好ましく、20〜60重量%使用するのが特に好ましい。5重量%未満であれば、架橋の効果が少なく、90重量%を超えると、ビニル重合体(c)が合成時に架橋反応を起こしてしまいゲル化する場合がある。
又、単量体(e)、(f)、及び(g)がそれぞれ有するブロックイソシアネート基、オキセタン基、及びt−ブチル基は、水酸基もしくはカルボキシル基と組み合わせることによりいっそう効果が得られる場合がある。
単量体(e)の有するブロックイソシアネート基は、水酸基と併用するとより好ましい。ブロックイソシアネート基は、高温でブロックが外れ、イソシアネート基が水酸基と架橋反応する。硬化性分散剤一分子あたり平均で、ブロックイソシアネート基がa個、水酸基がb個とすると、a×bが2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
単量体(f)の有するオキセタン基は、単独でも架橋の効果は得られるが、カルボキシル基と併用するとより好ましい。オキセタン基は、高温では、自己重合し、又、カルボキシル基と架橋反応する。硬化性分散剤一分子あたり平均で、オキセタン基がc個、カルボキシル基がd個とすると、c×dが2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
単量体(g)の有するt−ブチル基は、水酸基と併用すると好ましく、オキセタン基と併用しても好ましい。t−ブチル基は、高温でターシャリーブチル基が外れ、カルボキシル基になる。このカルボキシル基が、高温で水酸基と架橋反応し、又オキセタン基とも架橋反応する。硬化性分散剤一分子あたり平均で、t−ブチル基がe個、水酸基がb個とすると、e×bが2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。硬化性分散剤一分子あたり平均で、t−ブチル基がe個、オキセタン基がf個とすると、e×fが2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
カルボキシル基を組み合わせる場合、本発明の硬化性分散剤中には、テトラカルボン酸無水物(d)由来のカルボキシル基を硬化性部位として利用できるが、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体をエチレン性不飽和単量体(b)として併用することで、硬化性分散剤にカルボキシル基を容易に導入することができる。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸二量体、アクリル酸のカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5)、及びメタクリル酸のカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5)などから1種又は2種以上を選択することができる。
又、水酸基を組み合わせる場合、上記反応工程式(4)の条件で本発明の硬化性分散剤を製造することで、硬化性分散剤中に水酸基を導入することができるが、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をエチレン性不飽和単量体(b)として併用することでも硬化性分散剤に水酸基を導入することができる。工程A1〜A4で水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用する場合、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の水酸基の一部は、次の工程B1〜B4において酸無水物基と反応してしまうため、目的とする硬化性分散剤が得られない場合がある。これに対して、工程A5〜A8のようにすでに酸無水物基を化合物(a)中の水酸基と反応させた場合は、何ら問題なく目的とする硬化性分散剤を得ることができる。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、水酸基を有し、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体であればどのようなものでも構わないが、具体的には、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3、又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;
水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド類;
水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル類;
水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル類が挙げられる。
又、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、及びヒドロキシアルキルアリルエーテル類にアルキレンオキサイド又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体も、本発明で用いる、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体として用いることができる。付加されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンとしては、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されたε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。アルキレンオキサイドとラクトンを両方とも付加したものでも構わない。
次に、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A1〜A4について説明する。片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合することで得ることができる。
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)としては、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(別名:チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、等が挙げられる。
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)を、目的とするビニル重合体(c)の分子量にあわせて、エチレン性不飽和単量体(b)と、任意に重合開始剤とを混合して加熱することでビニル重合体(c)を得ることができる。2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)は、エチレン性不飽和単量体(b)100重量部に対して、1〜30重量部を用い、塊状重合又は溶液重合を行うのが好ましく、より好ましくは3〜12重量部、更に好ましくは4〜12重量部、特に好ましくは5〜9重量部である。反応温度は40〜150℃、好ましくは50〜110℃である。
重合の際、エチレン性不飽和単量体(b)100重量部に対して、任意に0.001〜5重量部の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等があげられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
溶液重合の場合には、重合溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良い。
エチレン性不飽和単量体(b)としては、上記した単量体(e)、(f)、及び(g)以外に、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを示し、(メタ)アクリルアミドとはメタクリルアミド又はアクリルアミドを示す。
又、上記アクリル単量体と併用できる単量体として、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類があげられる。
更に本発明においては、上記に例示したエチレン性不飽和単量体(b)の中でも、下記一般式(3)で表わされる単量体を使用することが好ましい。下記一般式(3)で表される単量体の使用量は、エチレン性不飽和単量体(b)中に20〜100重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。一般式(3)で表わされる単量体を用いると、溶媒親和性が良くなり、顔料分散性が良好になる。
一般式(3)
Figure 0005181664
[一般式(3)中、R2は、炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。]
次に、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)とを反応させる工程B1〜B4について説明する。本発明の硬化性分散剤は、工程A1〜A4で得られた片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)の酸無水物基とを反応させる(工程B1〜B4)ことにより得られる。
本発明で使用されるテトラカルボン酸無水物(d)としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物などの脂肪族テトラカルボン酸無水物;
ピロメリット酸無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸無水物、などの芳香族テトラカルボン酸無水物が挙げられる。
本発明で使用されるテトラカルボン酸無水物(d)は、上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物基を2つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。更に、本発明に好ましく使用されるものは、顔料分散体の低粘度化の観点から芳香族テトラカルボン酸無水物であり、更に好ましくは芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸無水物である。又、分子中にカルボン酸無水物基を1つ持つ化合物や3つ以上持つ化合物を併用することができる。
分子中にカルボン酸無水物基を1つ持つ化合物を併用するのも本発明の硬化性分散剤の好ましい形態である。分子中にカルボン酸無水物基を1つ持つ化合物の中では、トリカルボン酸無水物(i)がより好ましい。下記の反応工程式(11)に示す生成物のコア部分X4に結合しているカルボキシル基が2個となるため分散安定化が可能となる。なお、下記反応工程式(11)において、HO−Y−OHはポリオール化合物である。
反応工程式(11)
Figure 0005181664
トリカルボン酸無水物(i)としては、脂肪族トリカルボン酸無水物、及び芳香族トリカルボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族トリカルボン酸無水物としては、例えば、3−カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸−1,2−無水物、cis−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2−無水物、1,3,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物などが挙げられる。
芳香族トリカルボン酸としては、例えば、ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物[1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物]など)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物など)、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物などが挙げられる。トリカルボン酸無水物を使用する場合、上記のうち芳香族トリカルボン酸無水物が特に好ましい。
本発明では、工程B2及び工程B4において、任意の割合で、前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)を用いることが可能である。前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)を用いることで、カルボキシル基の密度や、溶剤溶解部の割合の調整が容易になる。
本発明に使用する、前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)としては、公知のものを使用することができ、例えば、1分子中に水酸基2〜4個を有するポリオール化合物を使用することができる。それらのうちでも、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次のグループ(1)〜(7)に属するものがある。
(1)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等の多価アルコール類;
(2)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコールもしくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール等の各種のポリエーテルグリコール類;
(3)上記した各種の多価アルコール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル又はアリルグリシジルエーテル等の各種(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類;
(4)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、多価カルボン酸類との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類であって、多価カルボン酸類が、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンヒカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸又は2,5,7−ナフタレントリカルボン酸などで特に代表されるものを用いて得られるポリエステルポリオール類;
(5)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレロラクトン等の各種ラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール類、あるいは、上記した各種の多価アルコール類と、多価カルボン酸類と、各種のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール類;
(6)ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価及び/又は多価アルコール類のグリシジルエーテル、あるいは、一塩基酸及び/又は多塩基酸類のグリシジルエステル等の各種エポキシ化合物を、ポリエステルポリオールの合成時に、1種以上併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール類;
(7)ポリエステルポリアミドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体、水酸基含有アクリル系共重合体、水酸基含有含フッ素化合物又は水酸基含有シリコン樹脂などが挙げられる。
これら(1)〜(7)に示された任意に添加する、前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)は、単独使用でも2種以上の併用でもよい。その重量平均分子量としては、40〜10000が好ましく、より好ましくは、100〜2000であり、更に好ましくは、100〜1000である。
本発明の硬化性分散剤の製造に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用することができる。触媒としては3級アミン系化合物が好ましく、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
本発明の硬化性分散剤は、これまで挙げた原料のみで製造することも可能であるが、高粘度になり反応が不均一になるなどの問題を回避すべく、溶剤を用いるのが好ましい。使用される溶剤としては、公知のものを使用できる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセトニトリル等が挙げられる。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま製品の一部として使用することもできる。
本発明の硬化性分散剤は、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)、テトラカルボン酸無水物(d)及び任意に添加する前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)を反応させることで得られる。テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、ビニル重合体(c)及び前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)中の水酸基とのモル比は、(d)/[(c)+(h)]=0.3〜1.2が好ましく、より好ましくは(d)/[(c)+(h)]=0.4〜1.1、更に好ましくは(d)/[(c)+(h)]=0.5〜1.0、特に好ましくは(d)/[(c)+(h)]=0.6〜0.8の場合である。(d)/[(c)+(h)]>1で反応させる場合は、残存する酸無水物基を必要量の水で加水分解して使用してもよい。0.3未満であると、顔料吸着部である酸無水物残基が少なくなる場合があり、又、樹脂の酸価も低くなる場合もある。又、1.2を超えるとポリエステルに酸無水物基が残ってしまい、樹脂の保存安定性に問題が起きてしまう場合がある。又、残存する酸無水物基を加水分解するのに必要な水の量が多くなってしまい溶剤溶解性が悪化する場合がある。
更に、本発明の硬化性分散剤は片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)、テトラカルボン酸無水物(d)、任意に添加する(c)以外の水酸基を有する化合物(h)及びトリカルボン酸無水物(i)を反応させることで得られる。テトラカルボン酸無水物(d)及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、ビニル重合体(c)及び(c)以外の水酸基を有する化合物(h)中の水酸基とのモル比は、[(d)+(i)]/[(c)+(h)]=0.3〜1.2が好ましく、より好ましくは[(d)+(i)]/[(c)+(h)]=0.4〜1.1、更に好ましくは[(d)+(i)]/[(c)+(h)]=0.5〜1.0、特に好ましくは[(d)+(i)]/[(c)+(h)]=0.6〜0.8である。
酸無水物としてテトラカルボン酸無水物(d)とトリカルボン酸無水物(i)とを併用する際のテトラカルボン酸無水物(d)とトリカルボン酸無水物(i)とのモル比は、(d)/(i)=0.1〜10が好ましく、より好ましくは(d)/(i)=0.15〜4、特に好ましくは(d)/(i)=0.3〜2である。
反応温度は50℃〜180℃、好ましくは80℃〜140℃の範囲で行う。反応温度が50℃未満では反応速度が遅く、180℃を超えるとカルボキシル基がエステル化反応してしまい、酸価の減少や、ゲル化を起こしてしまう場合がある。反応の停止は、赤外吸収で酸無水物の吸収がなくなるまで反応させるのが理想であるが、酸価測定にて95%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、反応を止めてもよい。
得られた硬化性分散剤の重量平均分子量は、好ましくは2000〜100000、より好ましくは4000〜20000、更に好ましくは6000〜15000、特に好ましくは7000〜12000である。重量平均分子量が2000未満であれば顔料組成物の安定性が低下する場合があり、100000を超えると樹脂間の相互作用が強くなり、顔料組成物の増粘が起きる場合がある。又、得られた硬化性分散剤の酸価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。より好ましくは10〜150mgKOH/gであり、さらに好ましくは、15〜100mgKOH/gであり、特に好ましくは、20〜80mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満では、顔料吸着能が低下し顔料分散性に問題がでる場合があり、200mgKOH/gを超えると、樹脂間の相互作用が強くなり顔料分散組成物の粘度が高くなる場合がある。
更に本発明では、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)と、テトラカルボン酸無水物(d)と、任意に添加するチオール基を有さないポリオール化合物(k)と、任意に添加するトリカルボン酸無水物(i)と、を反応させて化合物(j)、(l)、(m)、(n)を製造する工程B5〜B8と、
前記化合物(j)、(l)、(m)、(n)の存在下に、化合物(j)、(l)、(m)、(n)に残存しているチオール基を連鎖移動剤としてラジカル重合する工程A5〜A8により、同様の構造の硬化性分散剤を得ることができる。
チオール基を有さないポリオール化合物(k)としては、公知のものを使用することができ、例えば、1分子中にチオール基を有さず、水酸基を2〜4個を有するポリオール化合物を使用することができる。具体的には、上記したビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)と同様の化合物を使用することができる。
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)とテトラカルボン酸無水物(d)と、任意に添加するチオール基を有さないポリオール化合物(k)と、更に任意に添加するトリカルボン酸無水物(i)と、を反応させて化合物(j)、(l)、(m)、(n)を製造する工程B5〜B8について説明する。
これらの化合物(j)、(l)、(m)、(n)は、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)、テトラカルボン酸無水物(d)、及び任意に添加するビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)、及び更に、任意に添加するトリカルボン酸無水物(i)を反応させる工程B1〜B4と同様の方法で得ることができる。テトラカルボン酸無水物(d)及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基とのモル比は、[(d)+(i)]/[(a)+(k)]=0.3〜1.2が好ましく、より好ましくは[(d)+(i)]/[(a)+(k)]=0.4〜1.1、更に好ましくは[(d)+(i)]/[(a)+(k)]=0.5〜1.0、特に好ましくは[(d)+(i)]/[(a)+(k)]=0.6〜0.8の場合である。[(d)+(i)]/[(a)+(k)]>1で反応させる場合は、残存する酸無水物基を必要量の水で加水分解して使用してもよい。
次に、前記化合物(j)、(l)、(m)、(n)の存在下に、化合物(j)、(l)、(m)、(n)中に残存しているチオール基を用いてエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A5〜A8について説明する。工程A5〜A8は、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A1〜A4と同様の方法であり、残存するチオール基を連鎖移動剤として用い、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)を、任意に重合開始剤とを混合して加熱することで硬化性分散剤を得ることができる。工程B5〜B8にて製造した化合物(j)、(l)、(m)、(n)1重量部に対して、エチレン性不飽和単量体(b)を3〜100重量部用い、塊状重合又は溶液重合を行うのが好ましい。より好ましくは8〜25重量部、更に好ましくは10〜20重量部である。反応温度は40〜150℃、好ましくは50〜110℃である。
本発明の硬化性分散剤で分散できる顔料は、インキ等に使用される種々の顔料が挙げられる。このような顔料としては溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料等があり、更に具体的な例をカラーインデックスのジェネリックネームで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー6,15,15:1,15:3,15:4,15:6,60、ピグメントグリーン7,36、ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,144,146,149,166,168,177,178,179,185,206,207,209,220,221,238,242,254,255、ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,120,125,128,137,138,139,147,148,150,151,154,155,166,168,180,185,ピグメントオレンジ13,36,37、38,43,51,55,59,61,64,71,74等が挙げられる。但し、例示には限定されない。
又、二酸化チタン、酸化鉄、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、シリカなどの金属酸化物、硫化カドミウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、黄鉛、カーボンブラックなどの無機顔料も使用することができる。カーボンブラックについては中性、酸性、塩基性等のあらゆるカーボンブラックを使用することができる。本発明の顔料組成物は、上記顔料に限らず、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、コバルト、ニッケル、及び/又はこれらの合金などの金属微粒子を含む固体微粒子を使用することができる。
又、本発明の硬化性分散剤を用いた顔料組成物には、更に塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体及び塩基性基を有するトリアジン誘導体の群から選ばれる少なくとも一種の塩基性誘導体を含むことが好ましい。ここで、顔料誘導体とは、前記のカラーインデックスに記載されている有機顔料残基に、特定の置換基を導入したものであり、本発明では塩基性基を有するものを使用する。塩基性誘導体を含むことにより、塩基性誘導体なしでは分散の難しい顔料(特に、有機顔料の場合)も、分散性、流動性、保存安定性に優れた顔料組成物とすることができ好ましい。
本発明の顔料組成物において用いることのできる塩基性誘導体は、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体及び塩基性基を有するトリアジン誘導体の群から選ばれるものである。
本発明の顔料組成物において用いることのできる塩基性誘導体の塩基性基は、下記一般式(12)、(13)、(14)及び(15)で示される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基である。
一般式(12)
Figure 0005181664
一般式(13)
Figure 0005181664
一般式(14)
Figure 0005181664

一般式(15)
Figure 0005181664
前記一般式(12)〜(15)において、
3、R4、R5は、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−又は直接結合を表す。
mは、1〜10の整数を表す。
6 、R7 は、それぞれ独立に、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、又はR6とR7とが一体となって形成した複素環を表す。ただし、前記複素環は、更なる窒素、酸素又は硫黄原子を含んでいてもよい。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
8 は、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基又はフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
9 、R10 、R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基又はフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
13は、−NR16−R18−NR17−又は直接結合を表す。
16、R17は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基又はフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
18は、置換されていてもよい、アルキレン基、アルケニレン基、又はフェニレン基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜8が好ましい。
14は、一般式(16)で示される置換基、又は一般式(17)で示される置換基を表す。
15は、水酸基、アルコキシル基、一般式(16)で示される置換基、又は一般式(17)で示される置換基を表す。
一般式(16)
Figure 0005181664
一般式(17)
Figure 0005181664
上記一般式中のR6〜R12、R16、R17におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。又、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基などが挙げられる。
上記一般式中のR18におけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。又、アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基などが挙げられる。
上記一般式中のR15におけるアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
又、置換されてもよい官能基とは、ハロゲン基、シアノ基、アルコキシル基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、エポキシ基などが挙げられる。
一般式(12)〜(15)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
塩基性基を有する顔料誘導体を構成する有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の色素である。又、塩基性基を有するアントラキノン誘導体及び塩基性基を有するアクリドン誘導体は、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基又はメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよい。
又、塩基性基を有するトリアジン誘導体を構成するトリアジンは、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)、及びフェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
本発明の塩基性基 を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体及びアクリドン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素、アントラキノンもしくはアクリドンに一般式(18)〜(21)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して一般式(12)〜(15)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
一般式(18) −SO2Cl
一般式(19) −COCl
一般式(20) −CH2NHCOCH2Cl
一般式(21) −CH2Cl
一般式(18)〜(21)で示される置換基と上記アミン成分との反応の際に、一般式(18)〜(21)で示される置換基の一部が加水分解して、塩素原子が水酸基に置換したものが混在していてもよい。その場合、一般式(18)又は一般式(19)で示される置換基は、それぞれスルホン酸基またはカルボン酸基となるが、何れも遊離酸のままでもよく、又、1〜3価の金属又は上記のモノアミンとの塩であってもよい。
又、有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(12)〜(15)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分又はカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
前記塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(12)〜(15)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン又はN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミン又はアルコール等を反応させることによって得られる。
本発明の顔料組成物において、塩基性誘導体の配合量は、顔料100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、更に好ましくは3〜30重量部、最も好ましくは5〜25重量部である。又、硬化性分散剤の配合量は、顔料100重量部に対し、好ましくは1〜200重量部、更に好ましくは2〜175重量部、最も好ましくは5〜150重量部である。
本発明の硬化性分散剤を用いた顔料組成物は、必要により各種溶剤、樹脂、添加剤等を混合して、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより、顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体を調製することができる。顔料、塩基性誘導体、硬化性分散剤、その他の樹脂、添加剤は、すべての成分を混合してから分散してもよいが、初めに顔料と塩基性誘導体とのみ、あるいは、塩基性誘導体と硬化性分散剤とのみ、あるいは、顔料と塩基性誘導体と硬化性分散剤とのみを分散し、次いで、他の成分を添加して再度分散を行ってもよい。
又、横型サンドミル、 縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散を行う前に、ニーダー、3本ロールミル等の練肉混合機を使用した前分散、2本ロールミル等による固形分散、又は顔料への塩基性誘導体、及び/又は硬化性分散剤の処理を行ってもよい。又、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等のあらゆる分散機や混合機が顔料分散体を製造するために利用できる。前記の顔料分散体に用いることができる各種溶剤としては、有機溶剤、水等が挙げられる。又、活性エネルギー線硬化型組成物に用いる場合、活性エネルギー線硬化性の液状モノマーや液状オリゴマーを溶剤代わりの媒体として用いてもよい。
本発明の顔料組成物は、種々の印刷インキやインクジェットインキとして使用し、展色する際の定着性を付与させるためにワニスを添加し、顔料分散体として使用することができる。ワニスとして使用できる樹脂としては、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル酸性基含有ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン変性マレイン酸、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
一般に、着色塗膜として塗工する用途で顔料分散体を使用する場合、樹脂成分としては顔料分散剤以外に主成分となる樹脂を含む場合が多い。これは、一般に顔料分散剤は造膜性が低く、顔料分散剤のみを上記の顔料分散体の主成分として用いると、塗膜の外観が悪くなったり、基材への濡れが悪くはじいたりすることがある。市販分散剤であるBYK−111(ビックケミー製)などのポリカプロラクトンやポリエチレンオキサイドなどを主骨格とする顔料分散剤の場合、これに該当する。
本発明の硬化性分散剤は、非常に造膜性が高く、顔料分散体に用いられる樹脂として他の樹脂を用いずに使用することができる。そのため、顔料分散剤として通常の添加量より多く使用することができる。更に、本発明の硬化性分散剤は、架橋性官能基を有しているため、硬化剤を添加しなくても、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性の高い着色塗膜を得ることができる。
本発明の顔料分散体は、非水系、水系、又は無溶剤系の塗料、グラビアインキ、オフセットインキ、インキジェットインキ、カラーフィルター用インキ、デジタルペーパー用インキ、プラスチック着色等に利用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。又、重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いたときのポリスチレン換算分子量である。
(実施例1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート160部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物19部、シクロヘキサノン231部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価42mgKOH/g、重量平均分子量9000の硬化性分散剤を得た。
(実施例2、5〜8)
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行い、硬化性分散剤を得た。
(実施例3)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート100部、メチルメタクリレート60部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、BPDA[3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物(三菱化学株式会社製)]26部、ネオペンチルグリコール11部、シクロヘキサノン238部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価72mgKOH/g、重量平均分子量9100の硬化性分散剤を得た。
(実施例4)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80部、メチルメタクリレート60部、メタクリル酸20部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)20部、ETERNACOLL OXMA(宇部興産製)20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール14部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、BPAF:9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物(JFEケミカル株式会社製)39部、C−1015N(2官能ポリカーボネートポリオール、商品名クラレポリオールC−1015N(水酸基価112mgKOH/g、クラレ株式会社製))106部、トリメリット酸無水物33部、シクロヘキサノン392部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価73mgKOH/g、重量平均分子量25000の硬化性分散剤を得た。
(実施例9)
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外は実施例4と同様にして合成を行い、硬化性分散剤を得た。
(実施例10)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール25部、ピロメリット酸無水物40部、シクロヘキサノン66部、触媒としてモノブチルスズオキシド0.06部を追加し、100℃で7時間反応させ、酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した。次にn−ブチルアクリレート80部、メチルメタクリレート60部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート20部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を溶解したシクロヘキサノン溶液200部を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認し、終了した。酸価77mgKOH/g、重量平均分子量8200の硬化性分散剤を得た。
(実施例11〜14)
表2に記載した原料と仕込み量を用いた以外は実施例10と同様にして合成を行い、硬化性分散剤を得た。
実施例1〜14で得られた分散剤の原料および性状を表1、および表2に示す。
Figure 0005181664
Figure 0005181664
カレンズ MOI−BM:メタクリル酸 2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、(昭和電工製)
ETERNACOLL OXMA:(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(宇部興産製)
t−BMA:t−ブチルメタクリレート
PMA:ピロメリット酸無水物、(ダイセル化学工業株式会社製)
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、(三菱化学株式会社製)
BPAF:9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物、(JFEケミカル株式会社製)
C−1015N:2官能ポリカーボネートポリオール、商品名クラレポリオールC−1015N、(水酸基価112mgKOH/g、クラレ株式会社製)
DBU:1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、(サンアプロ株式会社製)
(比較例1)
撹拌機、還流冷却管、ガス導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、ジメチルテレフタレート559部、プロピレングリコール420部、グリセリン21.2部、酢酸亜鉛0.2部、テトラブチルオルソチタネート0.025部を仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら160〜220℃でエステル交換反応を行った。理論量のメタノールの95%(175部)以上が留出したらこのフラスコ内を徐々に減圧し、1〜3トール、240℃で3時間反応を行い、末端に水酸基を有するポリエステルを得た。次にフラスコ内を窒素で減圧解除を行い、200℃まで徐々に冷却した。200℃になったら無水コハク酸65部を加え1時間反応し、酸価40mgKOH/g、重量平均分子量12000の分散剤(比較分散剤1)を得た。
(比較例2)
撹拌機、還流冷却管、ガス導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、シクロヘキサノン75部、ネオペンチルグリコール17.8部、無水ピロメリット酸31.9部を仕込み、150〜160℃に昇温し、窒素ガス雰囲気下、5時間反応を行った。樹脂酸価が334以下になった時点で冷却し、ε−カプロラクトン249.7部、テトラブチルチタネート0.6部を加え、150℃で5時間攪拌を行った。加熱残分が76%以上になった時点で冷却し、シクロヘキサノン625部を加え、酸価54mgKOH/g、重量平均分子量12900の分散剤(比較分散剤2)を得た。
(比較例3)
撹拌機、還流冷却管、ガス導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸25.4部、2−エチルヘキシルアルコール39.0部、キシレン50部の混合物を加え、ここにテトラブチルチタネート0.2部を加え窒素気流中160〜180℃で18時間加熱還流させ発生した水分はジーン・スタークトラップで分離した。反応終了後150℃にて減圧下にて、キシレンを除去した。酸価96.0mgKOH/g、淡褐色の分散剤(比較分散剤3)を得た。
(比較例4)
撹拌機、還流冷却管、ガス導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、キシレン19.8部、オクタノール2.1部、ε−カプロラクトン77.9部テトラブチルチタネート0.16部を仕込み150〜160℃に昇温し窒素ガス雰囲気下、5時間反応させ加熱残分が78%以上になっているのを確認した後、冷却しポリエステルモノオールを得た。合成したポリエステルモノオールを31.86部、無水トリメリット酸0.98部を仕込み窒素雰囲気下150〜160℃で反応を行った。樹脂酸価が22.7mgKOH/g以下になった時点でYED122(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、エポキシ当量250)、2.55部を仕込み同じ温度で反応を行った。樹脂酸価が1.1mgKOH/g以下になった時点で無水トリメリット酸1.96部を仕込み、同じ温度で反応を行い、樹脂酸価が38.7mgKOH/g以下になった時点でYED122を5.1部仕込み、同じ温度で反応を行い、樹脂酸価が1.8mgKOH/g以下になった時点で無水トリメリット酸3.92部を仕込み、同じ温度で反応を行い、樹脂酸価が60.1mgKOH/g以下になった時点で冷却し、キシレンを53.6部加え、反応を終了させた。酸価58.9mgKOH/g、重量平均分子量11000の分散剤(比較分散剤4)を得た。
(比較例5)
オキシ塩化リン26.6部を70部のテトラヒドロフランに溶解し、反応容器に入れ、−50℃まで冷却した。プラクセルFM4(ダイセル化学工業製)100部とトリエチルアミン16.7部とハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部をテトラヒドロフラン150部に溶解し、滴下ロートに入れた。乾燥窒素ガスを吹き込みながら、オキシ塩化リン溶液を攪拌し、前記プラクセル4A溶液を滴下した。滴下中は−45〜−50℃に保ち、滴下終了後45℃で1時間保った。その後、0℃まで昇温し、水15部とトリエチルアミン37.9部を100部のテトラヒドロフランに溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、15時間氷冷下攪拌し、P−C1結合の加水分解を完了させた。その後析出したトリエチルアンモニウムクロリドをろ別し、テトラヒドロフランを30℃以下の温度で減圧除去した。得られた固体を0.3N塩酸水溶液で洗浄した。次にトルエンで数回洗浄した後、室温にて減圧乾燥し、末端にリン酸基を有する酸価40mgKOH/g、重量平均分子量3000の分散剤(比較分散剤5)が得られた。
[塩基性基を有する顔料誘導体(Y)の製造例1]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロスルホン化した後、アミン成分であるN,N−ジメチルアミノプロピルアミン14部と反応させて塩基性基を有する顔料誘導体(Y1)62部を得た。
塩基性基を有する顔料誘導体(Y1)
Figure 0005181664
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
[塩基性基を有する顔料誘導体(Y)の製造例2]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロメチル化した後、アミン成分であるジブチルアミン40部と反応させて塩基性基を有する顔料誘導体(Y2)95部を得た。
塩基性基を有する顔料誘導体(Y2)
Figure 0005181664
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
[塩基性基を有する顔料誘導体(Y)の製造例3]
色素成分であるキナクリドン50部をクロロアセトアミドメチル化した後、アミン成分であるN−メチルピペラジン40部と反応させて塩基性基を有する顔料誘導体(Y3)103部を得た。
塩基性基を有する顔料誘導体(Y3)
Figure 0005181664
[塩基性基を有する顔料誘導体(Y)の製造例4]
色素成分としてジフェニルジケトピロロピロールを、アミン成分としてN−アミノプロピルモルホリンを使用し、製造例1と同様の方法により、塩基性基を有する顔料誘導体(Y4)を得た。
塩基性基を有する顔料誘導体(Y4)
Figure 0005181664
[塩基性基を有する顔料誘導体(Y)の製造例5〜10]
上記塩基性基を有する顔料誘導体(Y)の製造例1〜4と同様の方法により、下記に示す顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体又はトリアジン誘導体を得た。
塩基性基を有する顔料誘導体(Y5)
Figure 0005181664
塩基性基を有する顔料誘導体(Y6)
Figure 0005181664
塩基性基を有する顔料誘導体(Y7)
Figure 0005181664
塩基性基を有する顔料誘導体(Y8)
Figure 0005181664
塩基性基を有する顔料誘導体(Y9)
Figure 0005181664
塩基性基を有する顔料誘導体(Y10)
Figure 0005181664
上記のように塩基性基を有する顔料誘導体の製造例1〜10と同様の方法で、顔料成分、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンと、アミン成分を反応することにより、又はアミン成分を有する化合物をカップリング反応して色素を合成することにより、本発明を構成する種々の塩基性基を有する顔料誘導体(Y)を製造することができる。
(実施例15〜37)<顔料組成物の製造>
表3に示すように、顔料、顔料誘導体、実施例1〜14にて合成した硬化性分散剤及びメトキシプロピルアセテートを配合し、2mmφジルコニアビーズ100部を加え、ペイントコンディショナーで3時間分散し、顔料組成物を作成した。なお、各分散剤の添加量は、固形分換算の部数で示す。
(顔料組成物の評価)
本発明の顔料組成物の性能を評価するために、得られた組成物の粘度をB型粘度計で測定し、粘度及びTI値(6rpmでの粘度/60rpmでの粘度)で分散体の性能を評価した。(粘度は低いほど良好。TI値は1に近いほど良好)。粘度およびTI値は分散後1日室温で放置後に測定を行った。結果を表4に示す。
(経時保存安定性)
得られた顔料組成物について、50℃の恒温機に1週間保存して経時促進させた後、経時後の顔料組成物の粘度を上記「粘度測定」と同じ方法で測定し、50℃で1週間保存した前後の粘度の変化率を計算し、以下の基準により2段階で評価した。
○:「粘度変化率が±10%以内で、沈降物を生じなかった場合。」
×:「粘度変化率が±10%を超える場合、又は粘度変化率が±10%以内であっても沈降物を生じていた場合。」
(耐溶剤性、耐薬品性)
得られた顔料組成物をアルミ板の上に、#5のバーコーターで塗工し、200℃で1時間焼き付け、着色塗膜を得た。これをテトラヒドロフランに1時間浸漬し、外観を目視で判定した。更に、この着色膜を濃度5%の食塩水に24時間浸漬し、耐薬品性を評価した。
○:「外観に、特に変化が見られない場合。」
△:「外観に、若干の変化が見られる場合。」
×:「表面の光沢がなくなるなど、外観に大きく変化が見られる場合。」
顔料組成物の配合比を表3に、評価結果を表4に示す。
Figure 0005181664
Figure 0005181664
(比較例6〜22)<顔料組成物の製造>
表5に示す配合比(重量比)により、顔料組成物を得た。又、実施例15と同様の方法で評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 0005181664
Figure 0005181664
以上の評価結果から明らかなように、本発明の硬化性分散剤を使用した実施例15〜37の顔料組成物は、低い初期粘度で、かつ経時粘度の増加がほとんどなく良好な安定性を示している。又、熱硬化しているため、耐溶剤性、耐薬品性も高い。これに対して、比較例6〜22の顔料組成物では、粘度が高く、分散剤の使用量を多くしなければならない。分散剤を多く使用するため粘度に問題がなくとも塗膜の耐性に問題が生じていることがわかった。
(実施例38)
顔料としてPigment Blue 15:3を9部、塩基性基を有する顔料誘導体(Y1)を1部、分散剤3を1部(固形分換算)、アルキッド樹脂(日立化成社製「フタルキッド133−60」)29部、シクロヘキサノン60部を、マヨネーズ瓶に仕込み、直径0.5mmのジルコニアビーズ250部を分散メディアとして仕込み、ペイントシェイカーにて本分散を行い、顔料分散体を得た。
得られた顔料分散体の粘度をB型粘度計で測定し、粘度及びTI値(6rpmでの粘度/60rpmでの粘度)で分散体の性能を評価した。6rpmでの粘度は120mPa・s、60rpmでの粘度は120mPa・sで、TI値は1.00であった。又、得られた顔料分散体を50℃の恒温機に1週間保存、経時促進させた後、経時前後での顔料分散体の粘度変化について測定した。6rpmでの粘度は115mPa・sで変化率は−5%であった。
(経時保存安定性)
得られた顔料分散体について、50℃の恒温機に1週間保存して経時促進させた後、経時後の顔料分散体の粘度を上記「粘度測定」と同じ方法で測定し、50℃で1週間保存した前後の粘度の変化率を計算し、以下の基準により2段階で評価した。
○:「粘度変化率が±10%以内で、沈降物を生じなかった場合。」
×:「粘度変化率が±10%を超える場合、又は粘度変化率が±10%以内であっても沈降物を生じていた場合。」
(耐溶剤性、耐薬品性)
得られた顔料分散体をアルミ板の上に、#5のバーコーターで塗工し、200℃で1時間焼き付け、着色塗膜を得た。これをN−メチルピロリドンに1時間浸漬し、外観を目視で判定した。更にこの着色膜を濃度5%の食塩水に24時間浸漬し、耐薬品性を評価した。
○:「外観に、特に変化が見られない場合。」
△:「外観に、若干の変化が見られる場合。」
×:「表面の光沢がなくなるなど、外観に大きく変化が見られる場合。」
(実施例39〜53)
実施例38と同様にして、表7に示す配合比(重量比)により、それぞれ顔料分散体を得た。又、実施例38と同様の方法で評価した(粘度は低いほど良好、TI値は1に近いほど良好)。評価結果は、表8に示す。
Figure 0005181664
Figure 0005181664
(比較例23〜29)
実施例38と同様にして、表9に示す配合比(重量比)により、それぞれ顔料分散体を得た。又、実施例38と同様の方法で評価した(粘度は低いほど良好、TI値は1に近いほど良好)。結果を表10に示す。
Figure 0005181664
Figure 0005181664
以上の評価結果から明らかなように、本発明の硬化性分散剤を使用した実施例38〜53の顔料分散体は、低い初期粘度で、かつ経時粘度の増加がほとんどなく良好な安定性を示している。又、熱硬化しているため、耐溶剤性、耐薬品性も高い。これに対して、比較例23〜29の顔料分散体では、粘度が高く、分散剤の使用量を多くしなければならない。分散剤を多く使用するため粘度に問題がなくとも塗膜の耐性に問題が生じていることがわかった。

Claims (25)

  1. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)中の水酸基と、
    テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  2. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)及び前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)中の水酸基と、
    テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  3. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)中の水酸基と、
    テトラカルボン酸無水物(d)及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  4. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)及び前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)中の水酸基と、
    テトラカルボン酸無水物(d)及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  5. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(j)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  6. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(l)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  7. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(m)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  8. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物(n)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して生成される分散剤であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むことを特徴とする硬化性分散剤。
  9. 重量平均分子量が2000〜100000であり、かつ、酸価が5〜200mgKOH/gである請求項1〜8いずれか記載の硬化性分散剤。
  10. テトラカルボン酸無水物(d)が、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の硬化性分散剤。
    一般式(1)
    Figure 0005181664
    [一般式(1)中、kは1又は2である。]
    一般式(2)
    Figure 0005181664
    [一般式(2)中、R1は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、式:
    Figure 0005181664
    で表される基、又は式:
    Figure 0005181664
    で表される基である。]
  11. エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合してなるビニル重合体部分の重量平均分子量が、1000〜20000である請求項1〜10のいずれか記載の硬化性分散剤。
  12. エチレン性不飽和単量体(b)が、下記一般式(3)で表わされる単量体を含むことを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の硬化性分散剤。
    一般式(3)
    Figure 0005181664
    [一般式(3)中、R2は炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。]
  13. 請求項1〜12いずれか記載の硬化性分散剤と、顔料とを含有する顔料組成物。
  14. 更に、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる塩基性誘導体の少なくとも一種を含有する請求項13記載の顔料組成物。
  15. 請求項13又は14記載の顔料組成物をワニスに分散させてなる顔料分散体。
  16. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A1と、
    前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)とを反応させる工程B1と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  17. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A2と、
    前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)と前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)とを反応させる工程B2と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  18. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A3と、
    前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)とトリカルボン酸無水物(i)とを反応させる工程B3と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  19. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体(c)を製造する工程A4と、
    前記ビニル重合体(c)とテトラカルボン酸無水物(d)と前記ビニル重合体(c)以外の水酸基を有する化合物(h)とトリカルボン酸無水物(i)とを反応させる工程B4と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  20. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基とテトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(j)を製造する工程B5と、
    前記化合物(j)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A5と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  21. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(l)を製造する工程B6と、
    前記化合物(l)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A6と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  22. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(m)を製造する工程B7と、
    前記化合物(m)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A7と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  23. 分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)中の水酸基及びチオール基を有さないポリオール化合物(k)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物(d)中の酸無水物基及びトリカルボン酸無水物(i)中の酸無水物基とを反応させ、化合物(n)を製造する工程B8と、
    前記化合物(n)の存在下に、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体(e)、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体(f)、及びt−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体(g)の少なくとも1つから選ばれる単量体を含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合させる工程A8と、を含む硬化性分散剤の製造方法。
  24. テトラカルボン酸無水物(d)が、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されることを特徴とする請求項16〜23いずれか記載の硬化性分散剤の製造方法。
    一般式(1)
    Figure 0005181664
    [一般式(1)中、kは1又は2である。]
    一般式(2)
    Figure 0005181664
    [一般式(2)中、R1は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、式:
    Figure 0005181664
    で表される基、又は式:
    Figure 0005181664
    で表される基である。]
  25. エチレン性不飽和単量体(b)が、下記一般式(3)で表わされる単量体を含むことを特徴とする請求項16〜24いずれか記載の硬化性分散剤の製造方法。
    一般式(3)
    Figure 0005181664
    [一般式(3)中、R2は炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。]
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