JP5181557B2 - モータ駆動装置、集積回路装置およびモータ装置 - Google Patents

モータ駆動装置、集積回路装置およびモータ装置 Download PDF

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本発明は、例えば空調機器、燃焼用ファンモータを搭載した給湯機、空気清浄機並びに複写機、プリンタなどの情報機器に使用されるブラシレスDCモータなどを駆動するのに好適なモータ駆動装置に関する。特に、本発明は、モータ減速時などに生じる回生現象に起因した過電圧から機器を保護する機能を有したモータ駆動装置に関する。さらに、本発明は、このようなモータ駆動装置を含む集積回路装置、およびこのようなモータ駆動装置あるいは集積回路装置をモータに内蔵または一体化したモータ装置に関する。
例えば、複写機、プリンタなどの情報機器などに用いられる各種駆動用モータは、超寿命、高信頼性、速度制御の容易さなどの長所を活かして、ブラシレスDCモータ(brushless DC Motor)が用いられることが多い。さらに、近年、モータをより低トルクリップル、低振動および低騒音で駆動することへの要求が高まってきている。このため、この要求に対応する駆動技術として、モータの駆動巻線を正弦波状の駆動波形によって駆動する正弦波駆動方式が一般的になりつつある。
ところで、このような速度制御が可能なモータにおいて、例えば、一定速度での運転状態から速度が低下するように減速した場合、モータが発電機として作用し、本来モータに電力を供給するための電源装置や駆動回路に対して、逆にモータが電力を供給してしまう、いわゆる回生現象が発生することが知られている。すなわち、モータを減速させる際など、モータへの駆動電圧が駆動巻線に生じる誘起電圧よりも低くなるような駆動モードになると、このような回生現象が発生する。また、このような回生現象が発生すると、供給電源の電圧が上昇し、モータ駆動装置やこれを搭載する機器を破壊してしまう恐れがあった。
このため、従来、回生現象に起因する電源電圧の上昇を抑制し、モータ駆動装置やこれを搭載する機器を保護するような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、このような保護機能を備えた従来のモータ駆動装置のブロック図である。図5において、モータ駆動装置900には、直流電源905から電源入力端子915に、所定の直流電圧である直流電力が供給される。モータ駆動装置900は、供給された直流電力を駆動電力に変換し、変換した駆動電力をモータ910に供給する。また、モータ駆動装置900には、上位器などから速度指令信号Srefが通知され、モータ910の近辺に配置した速度検出手段912から速度検出信号FGが通知される。
モータ910は、それぞれU相、V相、W相とする3相の駆動巻線を有し、モータ駆動装置900は、これらの駆動巻線に対し駆動電力を供給することで、モータ910を駆動する。
モータ駆動装置900は、電圧判定部950、インバータ920、インバータ駆動部930および速度制御部940を備えている。電圧判定部950は、電源入力端子915の電源入力電圧VDCを測定し、電源入力電圧VDCが所定の電圧値V1を超えたかどうかを判定し、判定した結果を示す過電圧検出信号Detをインバータ駆動部930に通知する。速度制御部940は、速度指令信号Srefや速度検出信号FGに基づき、速度制御するための駆動制御信号VSPを生成し、インバータ駆動部930に通知する。インバータ駆動部930は、モータ910を駆動するための波形信号WFを生成する波形生成部931、および波形信号WFに応じてパルス幅変調された駆動信号を生成するパルス幅変調部932を備えている。波形生成部931は、駆動制御信号VSPに基づき波形信号WFを生成し、パルス幅変調部932に供給する。パルス幅変調部932は、波形信号WFに応じた駆動信号を生成し、インバータ920に供給する。また、パルス幅変調部932は、過電圧検出信号Detに応じて、駆動信号の出力を停止する。
インバータ920は、モータ910の各駆動巻線に対し、正極側電源線路Vpに接続する正極側のスイッチ素子921、923および925と、負極側電源線路Vnに接続する負極側のスイッチ素子922、924および926とを備えている。正極側のスイッチ素子921、923および925には、パルス幅変調部932から、互いに電気角120度の位相差をもつ正極側への駆動信号UH、VHおよびWHが供給される。また、負極側のスイッチ素子922、924および926にも、パルス幅変調部932から、互いに電気角120度の位相差をもつ負極側への駆動信号UL、VLおよびWLが供給される。
また、パルス幅変調部932は、過電圧検出信号Detにおいて電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたと通知されたとき、駆動信号UH、VH、WH、UL、VLおよびWLの出力を停止する。すなわち、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えるような過電圧となったとき、スイッチ素子921、923、925、922、924および926はすべてオフ状態となり、インバータ920からモータ910への駆動電力供給が遮断される。
従来のモータ駆動装置は、以上のような構成により、例えば、モータ910の速度を下げる場合、その減速で生じた回生により急激に上昇した電源入力端子915の過電圧を検出し、モータ910から直流電源905側への回生経路を遮断することになる。このようにして、従来のモータ駆動装置は、モータ910の発電エネルギーが電圧を供給する直流電源905に回生し、インバータ920に過電圧がかかり、不安全な状態となるのを回避している。
また、従来、モータ減速時にフリーランモードを取り入れ、モータ減速時におけるモータ駆動部の温度上昇の低減を図るようなモータ駆動装置に関する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、このような従来のモータ駆動装置は、モータの速度を減速させるための電流をモータの速度がある一定値に下がるまでモータに流すモードと、モータの速度が一定値まで下がったら、モータに電流を流さないフリーランモードとを併用した構成とし、モータ駆動部の温度上昇の低減を図っている。
特開2003−93783号公報 特開平11−235066号公報
しかしながら、上述した従来例のようにモータへの駆動電力の供給を遮断したり、フリーランモードを設けたりし、モータを電気的に開放状態にすると、モータを所望の速度に制御するためのフィードバックループが開放され、これによって、例えば特許文献1の駆動制御信号VSPのような速度制御のための信号が最小や最大レベルへと急激に変化する。このため、速度制御のフィードバックループを閉じた時点において、最小や最大レベルとなるような極端な制御信号によって速度制御が再開されることになり、減速制御時の速度変動が激しくなるとともに、所望の速度への収束時間も長くなるという課題があった。
図6は、従来例のこのような課題を説明するために示したタイミングチャートである。図6では、図5で示した従来のモータ駆動装置900において、モータ910を力行状態から減速したときの動作の一例を示している。ここで、図6を参照しながら、従来のモータ駆動装置の減速制御時における動作で生じる上述のような課題について説明する。
図6において、図6(a)は、速度指令信号Srefに対応した指令速度とモータ910の実速度を示し、図6(b)は、電源入力端子915の電源入力電圧VDCを示し、図6(c)は、過電圧検出信号Detを示し、図6(d)は、駆動制御信号VSPを示している。なお、ここでは、駆動制御信号VSPのレベルが低い場合に低速となり、レベルが高い場合に高速となるような例を挙げている。また、図6(a)および(d)において、実線はイナーシャが大きいモータ910の場合の時間変化を示し、破線はイナーシャが小さいモータ910の場合の時間変化を示している。また、図6において、期間aは、モータ910が所望の速度で定常回転する力行状態の期間を示し、期間aが終了し期間bが開始される時点において、モータ910に減速の指令がなされた場合を示している。期間bは、減速の指令がなされた後、回生エネルギーが直流電源905側へと回生される期間を示している。期間cは、インバータ920からモータ910への駆動電力供給を遮断し、モータ910が惰性で回転する期間を示している。
従来のモータ駆動装置900は、モータ910を減速させるため、期間bの開始時点において減速する指令がなされると、駆動制御信号VSPのレベルを低下させるように動作する。これにより、モータ910の実速度は、速度指令信号Srefに対応した指令速度に収束するように減速する。このとき、インバータ920から出力される駆動電圧がモータ910の駆動巻線に生じる誘起電圧より低くなると、モータ910の回転電力が直流電源905側に戻る回生モードとなる。これにより、図6(b)に示すように、期間bにおいて、電源入力端子915の電源入力電圧VDCが上昇する。電源入力電圧VDCが上昇し、電圧値V1に達すると、電圧判定部950が、過電圧を検出したとする過電圧検出信号Detを出力し、インバータ920によるモータ910の駆動が遮断される。
これにより、期間cにおいて、モータ910は惰性で回転を続けるフリーラン状態となる。このとき、スイッチ素子921、923、925、922、924および926はすべてオフ状態となり、モータ910へ駆動が遮断されるため、直流電源905側への回生電流の経路も遮断され、電源入力電圧VDCの上昇も停止する。この後、直流電源905に接続される周辺回路などによって回生した電力が消費され、上昇した電源入力電圧VDCも徐々に低下していく。
一方、この間、モータ910は、惰性で減速を続ける。モータ910のイナーシャが大きい場合、速度制御部940は、駆動制御信号VSPのレベルを下げて減速させようとするが、駆動制御信号VSPによる制御が切断されており、モータ910の実速度は緩やかに減少する。このため、速度制御部940は、モータ910の緩やかな速度減少をより速めようと動作し、駆動制御信号VSPのレベルは、図6(d)で示すような最小レベルにまで急速に低下する。また、逆に、モータ910のイナーシャが小さい場合、モータ910の実速度が指令速度よりも速い期間は、駆動制御信号VSPのレベルが低下する。その後、モータ910の実速度が指令速度よりも遅くなると、速度制御部940は、モータ910の速度をより速めようと動作し、駆動制御信号VSPのレベルは、図6(d)で示すような最大レベルにまで急速に増加する。
このように、インバータ920からの駆動を停止し、モータ910を電気的に開放状態にすると、駆動制御信号VSPは最小や最大レベルへと急激に変化することになる。このため、例えば、電源入力端子915の電源入力電圧VDCが安全な電圧まで低下し、モータ910の駆動を再開しようとするとき、最小や最大レベルとなった駆動制御信号VSPにより、モータ910の速度制御が再開されることになる。すなわち、従来のモータ駆動装置において、特許文献1のようなモータへの駆動電力の供給遮断や特許文献2のようなフリーランモードの後、モータの駆動を再開しようとするとき、指令速度に対応したレベルとはかけ離れた最小や最大レベルから速度制御の動作が再開されるため、減速制御時の速度変動が激しくなり、また、所望の速度へと収束するまでかなりの時間を要していた。
また、駆動制御信号VSPが最小レベルとなるようなレベルから速度制御を再開した場合、最小レベルとなった駆動制御信号VSPにより強く減速するような動作から再開されることになるため、これによって、再度回生現象が発生し、電源入力電圧が上昇するというように、上述したような動作が再度繰り返され、減速時において激しい速度変動が生じ不安定状態となるという課題もあった。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたもので、モータの減速時における回生現象に起因した過電圧から電源装置や機器を安全に保護するとともに、速やかな速度制御が可能なモータ駆動装置、集積回路装置およびモータ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のモータ駆動装置は、モータを駆動するモータ駆動装置であって、電源入力部に供給された直流電圧を、モータを駆動するための駆動電圧に変換し、変換した駆動電圧をモータの駆動巻線に供給するインバータと、外部から通知される速度指令情報と速度を検出する速度検出手段から通知される速度検出情報との速度偏差に基づき、駆動電圧を調整するための駆動制御信号を生成し、生成した駆動制御信号を出力する速度制御部と、駆動制御信号に応じてインバータが出力する駆動電圧を調整し、モータの速度を制御するインバータ駆動部と、電源入力部の直流電圧を測定し、直流電圧が所定の電圧値を超えたかどうかを判定する電圧判定部とを備え、電圧判定部が所定の電圧値を超えたと判定したとき、解除指示が発行されるまでの所定の期間、モータが電気的に開放されるようにインバータを遮断状態にしてインバータによるモータの駆動を停止するとともに、駆動制御信号の状態を保持する構成である。
このような構成により、解除指示が発行され、インバータによるモータの駆動が再開されると、電圧判定部が所定の電圧値を超えたと判定したときの駆動制御信号のレベルから速度制御が開始されるため、従来例のような極端なレベルの駆動制御信号によって速度制御が再開されることはなく、これによって、減速制御時の速度変動が抑制されるとともに、所望の速度への収束時間も短縮することができる。
また、本発明のモータ駆動装置は、速度制御部が、速度偏差を算出する速度偏差算出部と、速度指令情報の示す速度に対して、速度検出情報の示す速度が遅いかどうかを判定する速度判定部と、速度偏差算出部が算出した速度偏差に基づき駆動制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、速度判定部が、速度指令情報の示す速度に対して速度検出情報の示す速度が遅いと判定したとき、インバータによるモータの駆動停止を解除するとともに、駆動制御信号の状態保持を解除する解除指示を発行する構成である。
また、本発明のモータ駆動装置は、電圧判定部が、所定の電圧値として、第1の電圧値と第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値とを有し、直流電圧が第1の電圧値を超えたかどうかを判定するとともに、直流電圧が第2の電圧値以下になったかどうかを判定し、電圧判定部が第1の電圧値を超えたと判定したとき、インバータによるモータの駆動を停止するとともに、駆動制御信号の状態を保持し、電圧判定部が第2の電圧値以下になったと判定したとき、インバータによるモータの駆動停止を解除するとともに、駆動制御信号の状態保持を解除する解除指示を発行する構成であってもよい。
また、本発明のモータ駆動装置は、速度制御部が、速度偏差を算出する速度偏差算出部と、速度指令情報の示す速度に対して、速度検出情報の示す速度が遅いかどうかを判定する速度判定部と、速度偏差算出部が算出した速度偏差に基づき駆動制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、電圧判定部が、所定の電圧値として、第1の電圧値と第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値とを有し、直流電圧が第1の電圧値を超えたかどうかを判定するとともに、直流電圧が第2の電圧値以下になったかどうかを判定し、電圧判定部が第1の電圧値を超えたと判定したとき、インバータによるモータの駆動を停止するとともに、駆動制御信号の状態を保持し、速度判定部が速度指令情報の示す速度に対して速度検出情報の示す速度が遅いと判定したとき、または、電圧判定部が第2の電圧値以下になったと判定したとき、インバータによるモータの駆動停止を解除するとともに、駆動制御信号の状態保持を解除する解除指示を発行する構成であってもよい。
また、本発明のモータ駆動装置は、速度制御部は、速度偏差を算出する速度偏差算出部と、速度指令情報の示す速度に対して、速度検出情報の示す速度が遅いかどうかを判定する速度判定部と、速度偏差算出部が算出した速度偏差に基づき駆動制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、電圧判定部が、所定の電圧値として、第1の電圧値と第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値とを有し、直流電圧が第1の電圧値を超えたかどうかを判定するとともに、直流電圧が第2の電圧値以下になったかどうかを判定し、電圧判定部が第1の電圧値を超えたと判定したとき、インバータによるモータの駆動を停止するとともに、駆動制御信号の状態を保持し、速度判定部が速度指令情報の示す速度に対して速度検出情報の示す速度が遅いと判定し、かつ電圧判定部が第2の電圧値以下になったと判定したとき、インバータによるモータの駆動停止を解除するとともに、駆動制御信号の状態保持を解除する解除指示を発行する構成であってもよい。
さらに、本発明のモータ駆動装置は、速度制御部が、解除指示が発行されたとき、保持した駆動制御信号をインバータ駆動部に供給し、インバータによるモータの駆動を再開する構成である。
さらに、本発明のモータ駆動装置は、電圧判定部が所定の電圧値を超えたと判定したとき、インバータによるモータの駆動を停止した後、駆動制御信号の状態を保持する構成である。
また、本発明の集積回路装置は、上述したモータ駆動装置を含む構成である。
このような構成により、モータ駆動装置の小型を図ることができ、モータにモータ駆動装置を内蔵あるいは一体化したモータ装置を容易に実現できる。
また、本発明のモータ装置は、モータと、モータの可動子の速度を検出する速度検出手段と、上述したモータ駆動装置または集積回路装置と、直流電力が供給される電源入力端子と、指令情報が通知される指令情報入力端子とを備えた構成である。
このような構成により、回生現象への対応など考慮することなく、電源装置を単にモータに接続するのみで動作させることが可能となるため、上位機器の設計および制御負担を軽減でき、高い信頼性の確保とともに、利便性を向上させたモータ装置を実現できる。
また、本発明のモータ装置は、モータが、可動子と3相の駆動巻線を有し、モータ駆動装置または集積回路装置により正弦波駆動されるブラシレスDCモータとした構成である。
このような構成により、正弦波駆動により低トルクリップル、低騒音および低振動であるとともに、高い信頼性を確保し、利便性を向上させたモータ装置を実現できる。
本発明によれば、電圧判定部により電源入力部の電圧が所定の電圧値を超えたと判定されると、インバータによるモータの駆動を停止し、解除指示が発行され、インバータによるモータの駆動が再開されると、電圧判定部が所定の電圧値を超えたと判定したときの駆動制御信号のレベルから速度制御を開始するため、これによって、モータの減速時における回生現象に起因した過電圧から電源装置や機器を安全に保護するとともに、速やかな速度制御が可能なモータ駆動装置、集積回路装置およびモータ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置100を備えたモータ装置110の構成を含むブロック図である。
図1に示すように、モータ装置110は、モータ10と、モータ10の可動子の速度を検出する速度検出手段120と、モータ10を駆動するモータ駆動装置100と、外部の直流電源105から直流電力が供給される電源入力部としての電源入力端子115と、外部のマイクロコンピュータやDSP(Digital Signal Processor)などである上位器から指令情報が通知される指令情報入力端子116とを備えている。
モータ駆動装置100には、モータ10を回転動作させるため、直流電源105から電源入力端子115を介して、所定の直流電圧である直流電力が供給される。
また上位器などから、モータ装置110の速度などを指令制御するための指令情報がモータ装置110の指令情報入力端子116に通知される。本実施の形態では、指令情報入力端子116に、指令情報として速度指令信号Srefが入力される。速度指令信号Srefは、モータ10の速度を指令する速度指令情報を示す信号である。
速度検出手段120は、モータ10の可動子の速度を検出する手段である。速度検出手段120は、ホール効果を利用したホールセンサーを用いる方法や、駆動巻線に発生する誘起電圧あるいは駆動巻線電流を利用する方法などにより実現される。速度検出手段120は、検出した可動子の速度に関する情報である速度検出情報を示す速度検出信号FGをモータ駆動装置100に出力する。
また、モータ10は、可動子(図示せず)とU相の駆動巻線11、V相の駆動巻線13およびW相の駆動巻線15とを有している。各駆動巻線の一端は、モータ駆動装置100から、それぞれ駆動電圧U、VおよびWが供給され、各駆動巻線の他端は、互いに中性点で接続されている。
本実施の形態では、このように構成されたモータ装置110において、モータ10が、モータ駆動装置100により正弦波駆動されるブラシレスDCモータの一例を挙げて説明する。また、モータ駆動装置100の機能の一部あるいは全部は、1つまたは複数の集積回路装置により実現され、モータ駆動装置100の機能を実現する回路素子がプリント基板上に形成されるとともに、このようなプリント基板が、モータ10に内蔵または一体化されたモータ装置110であるような一例を挙げる。
また、詳細については以下で説明するが、本実施の形態のモータ駆動装置100は、モータ10を減速したときなどに生じる回生現象に起因した過電圧を検出し、この検出によって直流電源105側に返還される回生エネルギーを遮断する機能を有していることを特徴としており、これによって、回生現象に起因した過電圧から直流電源105や上位機器などを保護している。このため、図1に示すように、モータ装置110の電源側には回生電力に対する回路素子などが必要なく、また、直流電源105も返還される回生電力を考慮する必要はなく、単に、直流電源105を接続するのみでモータ装置110を動作させることができる。
次に、本実施の形態におけるモータ駆動装置100の構成について説明する。
図1に示すように、モータ駆動装置100は、直流電力を交流電力に変換するインバータ20と、モータ10の速度を制御するための速度制御部40と、インバータ20を駆動するためのインバータ駆動部30と、電源入力端子115の電圧が所定の電圧値を超えたかどうかを判定する電圧判定部50とを備える。
インバータ20は、直流電源105から電源入力端子115に供給された直流電圧を、インバータ駆動部30の制御に応じて、モータ10を駆動するための交流の駆動電圧U、VおよびWに変換し、変換した駆動電圧U、VおよびWをモータ10の駆動巻線11、13および15に供給する。
速度制御部40は、外部の上位器などから通知される速度指令信号Srefと速度検出手段120から通知される速度検出信号FGとの速度偏差に基づき、モータ10への駆動電圧を調整するための駆動制御信号VSPを含めた速度制御信号群を生成する。さらに、速度制御部40は、速度指令信号Srefの示す速度に対して、速度検出信号FGの示す速度が遅いかどうかを判定し、判定結果を示す信号を出力する。
速度制御部40は、このような処理を行うため、速度偏差を算出する速度偏差算出部41と、速度偏差算出部41が算出した速度偏差に基づき駆動制御信号VSPを生成する制御信号生成部42と、速度指令信号Srefの示す速度に対して、速度検出信号FGの示す速度が遅いかどうかを判定する速度判定部43とを備えている。速度偏差算出部41が算出した速度偏差は制御信号生成部42に通知される。また、速度判定部43は、判定した結果を解除信号Dedとしてインバータ駆動部30および制御信号生成部42に通知する。また、制御信号生成部42は、以下で説明する保持指示信号Dstに応じて、生成した駆動制御信号VSPを所定の期間だけ保持する。なお、速度判定部43を設けず、速度偏差算出部41が速度偏差に基づき速度の判定を行い、解除信号Dedをインバータ駆動部30および制御信号生成部42に通知するような構成であってもよい。
インバータ駆動部30は、速度制御部40からの駆動制御信号VSPに応じて、インバータ20を駆動制御するための駆動信号を生成する。さらに、インバータ駆動部30は、生成した駆動信号をインバータ20に供給し、インバータ20が出力する駆動電圧U、VおよびWを調整し、モータ10の速度を制御する。
インバータ駆動部30は、このような処理を行うため、モータ10を駆動する駆動信号の交流波形となる波形信号WFを生成する波形生成部31と、波形信号WFに応じてパルス幅変調された駆動信号を生成するパルス幅変調部32とを備えている。波形生成部31は、駆動制御信号VSPに基づく振幅の波形信号WFを生成し、パルス幅変調部32に供給する。パルス幅変調部32は、波形信号WFに応じた駆動信号を生成し、インバータ20に供給する。また、パルス幅変調部32は、次に説明する過電圧検出信号Detに応じて、駆動信号の出力を停止する。
電圧判定部50は、電源入力端子115の直流電圧である電源入力電圧VDCを測定し、電源入力電圧VDCが所定の電圧値V1を超えたかどうかを判定する。このような電圧値V1は、モータ10から電源入力端子115に回生エネルギーが回生され過電圧になったかどうかを検出するために、あらかじめ設定した電圧値である。電圧判定部50は、このような判定結果を示す過電圧検出信号Detをパルス幅変調部32に通知するとともに、このような判定結果を示す保持指示信号Dstを制御信号生成部42に通知する。なお、保持指示信号Dstは、過電圧検出信号Detと同じタイミング、あるいは過電圧検出信号Detよりも遅れたタイミングの信号であればよい。
パルス幅変調部32は、電圧判定部50からの過電圧検出信号Detにより、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたと通知されると、駆動信号の出力を停止する。これによって、インバータ20によるモータ10の駆動も停止され、モータ10は自走で回転する惰性モードとなる。これとともに、制御信号生成部42は、電圧判定部50からの保持指示信号Dstにより、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたと通知されると、生成した駆動制御信号VSPの保持を開始する。また、速度判定部43が、速度指令信号Srefの示す速度に対して速度検出信号FGの示す速度が遅いと判定すると、速度判定部43は、解除を指示する解除信号Dedをパルス幅変調部32および制御信号生成部42に通知する。パルス幅変調部32は、このような解除指示の発行に応答して、駆動信号の出力停止を解除して駆動信号の出力を再開し、制御信号生成部42は、駆動制御信号VSPの保持を解除して速度偏差に基づく駆動制御信号VSPの出力を再開する。
このように、本実施の形態のモータ駆動装置100は、電圧判定部50が電圧値V1を超えたと判定したとき、解除指示が発行されるまでの所定の期間、インバータ20によるモータ10の駆動を停止するとともに、駆動制御信号VSPの状態を保持する。さらに、本実施の形態のモータ駆動装置100は、速度判定部43が、速度指令信号Srefの示す速度に対して速度検出信号FGの示す速度が遅いと判定したとき、解除指示が発行されたとして、インバータ20によるモータ10の駆動停止および駆動制御信号VSPの状態保持を解除する。
次に、モータ駆動装置100のさらに詳細な構成について説明する。
まず、インバータ駆動部30において、波形生成部31は、駆動制御信号VSPにより調整される波高値の振幅となる正弦波状の波形信号WFを生成する。また、パルス幅変調部32は、例えば、内部で三角波状のPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)キャリア信号を生成し、波形信号WFをこのPWMキャリア信号と比較することによりパルス幅変調する。さらに、パルス幅変調部32は、このようにパルス幅変調することで、駆動信号UH、VH、WH、UL、VLおよびWLを生成する。モータ10の駆動を行っている場合、駆動信号UH、VHおよびWHは、互いに電気角120度の位相差をもち、また、駆動信号UL、VLおよびWLも、互いに電気角120度の位相差をもったパルス状の信号である。また、このとき、UHとULとは、一方がオンのとき他方がオフとなるような互いにほぼ相補的な関係となる信号であり、また、VHとVL、およびWHとWLも同様である。パルス幅変調部32は、このようにして生成した駆動信号UH、VH、WH、UL、VLおよびWLをインバータ20に供給する。インバータ20において、このような各駆動信号は、各スイッチ素子にそれぞれ対応して接続され、それぞれオンまたはオフ動作させる。
次に、インバータ20は、直流電源105の正極側電源線路Vpに一方の端子が電気的に接続される正極側のスイッチ素子21、23および25と、負極側電源線路Vnに一方の端子が電気的に接続される負極側のスイッチ素子22、24および26とを備える。また、スイッチ素子21とスイッチ素子22との他方の端子どうしが接続され、この接続部からU相の駆動巻線11を駆動する駆動電圧Uが出力される。また、スイッチ素子23とスイッチ素子24、およびスイッチ素子25とスイッチ素子26も同様にして、V相の駆動巻線13を駆動する駆動電圧V、およびW相の駆動巻線15を駆動する駆動電圧Wが出力される。さらに、正極側のスイッチ素子21、23および25は、それぞれ駆動信号UH、VHおよびWHによりオンまたはオフとに切替えるよう制御される。負極側のスイッチ素子22、24および26は、それぞれ駆動信号UL、VLおよびWLにより、オンまたはオフに切替えるよう制御される。このような構成により、インバータ20は、駆動信号に応じて、正極側電圧と負極側電圧との間を交互に変化するパルス状の駆動電圧U、VおよびWを、それぞれ駆動巻線11、13および15に供給する。
また、パルス幅変調部32は、過電圧検出信号Detにおいて電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたと通知されたとき、解除信号Dedにより解除指示が通知されるまでの期間、駆動信号UH、VH、WH、UL、VLおよびWLの出力を停止する。すなわち、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えるような過電圧となったとき、インバータ20のスイッチ素子21、23、25、22、24および26はすべてオフ状態となり、インバータ20からモータ10への駆動電力供給が遮断される。
また、各駆動信号は、波形信号WFによりパルス幅変調した信号である。このため、パルス幅変調の原理から、平均値的には、波形信号WFに応じた正弦波状の電圧となる駆動電圧U、VおよびWが、それぞれ駆動巻線11、13および15に供給されることになる。このようにして、モータ10は正弦波駆動される。本実施の形態のように、モータ10を正弦波駆動することにより、低トルクリップル、低騒音、低振動のモータ装置110を実現できる。
本実施の形態におけるモータ駆動装置100、およびこれを備えたモータ装置110は以上のように構成される。
このような構成により、例えば、速度を上げるため、速度指令信号Srefが増加するよう加速指令されると、速度制御部40において、速度指令信号Srefと速度検出信号FGとの速度偏差、すなわち差分に対応した駆動制御信号VSPも増加する。さらに、駆動制御信号VSPの増加に伴って、波形生成部31により生成される正弦波状の波形信号WFの振幅も増加する。その結果、各駆動巻線を駆動する波形信号WFに対応した駆動電圧も大きくなり、モータ10を加速するように動作する。また、このように加速された速度の情報が、速度検出信号FGとして速度制御部40に通知される。モータ駆動装置100は、速度指令信号Srefと速度検出信号FGとが等しくなるように、このようなフィードバックループ制御を実行する。
また、速度を下げるため、速度指令信号Srefが減少するよう減速指令されると、速度制御部40で生成される駆動制御信号VSPは減少する。これにより、波形生成部31で生成される波形信号WFの振幅も減少し、各駆動巻線を駆動する波形信号WFに対応した駆動電圧も小さくなり、モータ10を減速するように動作する。このとき、波形信号WFに対応した駆動電圧の平均値が、モータ10の駆動巻線による誘起電圧よりも小さくなると、駆動巻線からスイッチ素子を介して直流電源105側に電流が流れ込む期間が生じる。
このように、本来モータを駆動するためには駆動巻線の誘起電圧に向かって電流を供給しなければならないのが、逆に誘起電圧から電流が供給される現象が継続されると、駆動巻線からスイッチ素子またはこれに逆並列接続されるダイオードを介して正側電源線路Vpに向けて回生電流が流れ出す、いわゆる回生現象が発生することになる。
モータ10の減速時において、このような回生現象が発生するため、正側電源線路Vpに向けて流れ出す電流により、電源入力端子115の電源入力電圧VDCが上昇することになる。
本実施の形態のモータ駆動装置100は、このような回生現象で上昇した過電圧から直流電源105などを保護するため、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたと判定する過電圧の検出時点から、速度指令信号Srefの示す速度に対して速度検出信号FGの示す速度が遅いと判定する実速度が指令速度以下となる時点までの期間、インバータ20のすべてのスイッチ素子をオフとすることで、モータ10の駆動の停止とともに、駆動巻線の誘起電圧による回生電流が直流電源105側に流れ込むのを阻止している。さらに、本実施の形態のモータ駆動装置100は、モータ10が自走で回転するこの期間中、制御信号生成部42が駆動制御信号VSPの状態を保持する。その後、解除信号Dedによる解除指示が発行されると、保持した駆動制御信号VSPによりモータ10の速度制御が再開される。このため、再開したときの速度変動が抑制されるとともに、速やかに指令速度へと収束させることができる。
以上のように構成された本実施の形態のモータ駆動装置100、およびこれを備えたモータ装置110について、次にその動作を説明する。
図2は、本実施の形態のモータ駆動装置100の動作を説明するために示したタイミングチャートである。図2では、モータ駆動装置100において、モータ10を力行状態から減速したときの動作の一例を示している。
図2において、図2(a)は、速度指令信号Srefに対応した指令速度とモータ10の実速度を示し、図2(b)は、電源入力端子115の電源入力電圧VDCを示し、図2(c)は、電圧判定部50が出力する過電圧検出信号Detを示し、図2(d)は、インバータ20が出力する駆動電圧U、VおよびWを示し、図2(e)は、電圧判定部50が出力する保持指示信号Dstを示し、図2(f)は、速度判定部43が出力する解除信号Dedを示し、図2(g)は、制御信号生成部42が出力する駆動制御信号VSPを示している。なお、ここでは、駆動制御信号VSPのレベルが低い場合に低速となり、レベルが高い場合に高速となるような例を挙げている。
また、図2において、期間aは、モータ10が所望の速度で定常回転する力行モードの期間を示し、期間aが終了し期間bが開始される時点において、モータ10が指令速度となるように減速の指令がなされた場合を示している。期間bは、減速の指令がなされた後、回生エネルギーが直流電源105側へと回生される回生モードの期間を示している。期間cは、インバータ20からモータ10への駆動電力供給を遮断し、モータ10が惰性で回転する惰性モードの期間を示している。また、期間dは、モータ10が所望の速度である指令速度へと減速し、定常回転する力行モードの期間を示している。
まず、期間aにおいては、モータ10は、速度検出信号FGが示す速度と速度指令信号Srefが示す速度とが一致するように駆動制御信号VSPに基づき、モータ10が駆動されている。このため、モータ10は、速度指令信号Srefが示す指令速度に対応した実速度で回転している。すなわち、この期間の駆動制御信号VSPのレベルは、わずかな増減はあるもののモータ10の負荷、速度に応じた一定の値である。また、電力の流れはインバータ20からモータ10へ供給される力行モードであるため、図2(b)に示すように電源入力電圧VDCも大きな変動はない。
次に、期間bにおいて、まず、速度指令信号Srefにより期間aでの速度から減速するように指令がなされ、図2(a)に示すように、速度指令信号Srefに対応した指令速度が急激に低下する。これにより、速度偏差算出部41が算出する速度偏差は負となり、これに応じて、制御信号生成部42が生成する駆動制御信号VSPのレベルは、図2(g)に示すように低下していく。また、駆動制御信号VSPのレベルの低下に従って、インバータ20からの駆動電圧も低下し、モータ10の実速度も低下していく。このとき、インバータ20からの駆動電圧が駆動巻線に生じる誘起電圧よりも小さくなると、回生モードとなる。すなわち、誘起電圧による電流がインバータ20を介して直流電源105側に流れ込み、これによって、図2(b)に示すように、電源入力電圧VDCが増加していく。
電源入力電圧VDCが増加し電圧値V1を超えると、電圧判定部50が電圧値V1を超えたと判定する。これによって、電圧判定部50は、パルス幅変調部32に対し、図2(c)に示すような過電圧検出信号Detを通知する。また、電圧判定部50は、制御信号生成部42に対し、図2(e)に示すような保持指示信号Dstを通知する。なお、図2(c)および(e)では、過電圧検出信号Detや保持指示信号Dstがハイレベルとなることで、電源入力電圧VDCが所定の電圧値V1を超えたことを示す例を挙げている。
このように、電源入力電圧VDCが所定の電圧値V1を超えた時点で、モータ10が惰性で回転する惰性モードの期間cとなる。すなわち、パルス幅変調部32は、過電圧検出信号Detにより、電源入力電圧VDCが所定の電圧値V1を超えたと通知されると、通知された時点において、駆動信号の出力を停止する。これにより、インバータ20の各スイッチ素子はすべてオフ状態となり、図2(d)に示すように、インバータ20が遮断状態となり、インバータ20からモータ10への駆動電力供給が遮断される。このため、モータ10は、電気的に開放された状態となり、徐々に速度を落としながら自走で回転する。また、インバータ20が遮断状態となったため、このとき生じる回生電流の直流電源105側への流れ込みも阻止される。これにより、電源入力電圧VDCの増加が停止するとともに、電源入力端子115の電力は、例えば、周辺回路などにより消費され、図2(b)に示すように、電源入力電圧VDCは徐々に低下していく。
また、モータ10が惰性で回転する惰性モードとなった時点において、電圧判定部50から制御信号生成部42に対し、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたとする保持指示信号Dstが通知される。制御信号生成部42は、この通知に応答して、駆動制御信号VSPの生成を停止するとともに、その時点の駆動制御信号VSPの値の保持を開始する。制御信号生成部42は、図2(g)に示すように、速度判定部43から解除信号Dedにより解除指示が通知されるまでの期間、駆動制御信号VSPの保持を継続する。
また、速度判定部43は、速度指令信号Srefの示す速度に対して、速度検出信号FGの示す速度が遅いかどうかを判定する。期間cにおいて、モータ10は、徐々に速度を落としながら自走で回転するため、モータ10の実速度が指令速度よりも遅くなった時点において、速度判定部43は、速度指令信号Srefの示す速度に対して、速度検出信号FGの示す速度が遅くなったと判定する。これにより、速度判定部43は、パルス幅変調部32および制御信号生成部42に対し、図2(f)に示すような解除信号Dedを通知する。なお、図2(f)では、解除信号Dedがハイレベルとなることで、速度指令信号Srefの示す速度に対して、速度検出信号FGの示す速度が遅くなったことを示す例を挙げている。
このように、速度指令信号Srefの示す速度に対して、速度検出信号FGの示す速度が遅くなった時点で、モータ10への速度制御が再開され、力行モードへと復帰した期間dとなる。すなわち、図2(g)に示すように、解除信号Dedによる解除の発行に応じて、制御信号生成部42は、保持した駆動制御信号VSPに基づく駆動制御信号VSPの生成を開始する。これにより、波形生成部31は、保持した駆動制御信号VSPに対応した波形信号WFをパルス幅変調部32に供給する。一方、パルス幅変調部32も、解除信号Dedによる解除の発行に応じて、駆動信号の出力停止を解除し、駆動信号の出力を再開する。このようにして、パルス幅変調部32は、惰性モードとなった時点の波形信号WFに応じた駆動信号でインバータ20の各スイッチ素子の駆動を開始し、このような状態でのインバータ20からモータ10への駆動が再開され、モータ10がフィードバックループ制御により速度制御される状態となる。
以上のように、本実施の形態のモータ駆動装置100は、惰性モードとなった時点の駆動制御信号VSPを保持し、保持した駆動制御信号VSPにより速度制御を再開するため、モータ10の自走により駆動制御信号VSPが最小や最大レベルへと変化したことによる影響を防止でき、減速制御時の速度変動を抑制できるとともに、所望の速度への収束時間も短縮できる。また、回生現象による電源入力電圧VDCの上昇も、あらかじめ設定した電圧値V1以下に抑えることができるため、モータ10の減速時などにおける回生現象に起因した過電圧から電源装置や機器を安全に保護できる。
また、特に、このとき、保持した駆動制御信号VSPに基づくモータ10への駆動電圧は、モータ10の駆動巻線による誘起電圧を下回ることはない。このため、回生現象が再度発生することを防止でき、より速やかな速度制御状態への復帰を可能としている。
また、期間dでは、上述のようにモータ10への駆動電圧が誘起電圧を下回ることはないため、直流電源105側の電力はモータ10へと供給され、図2(d)で示すように、回生現象で上昇した電源入力電圧VDCは、直流電源105の電圧近辺となる正常な電圧範囲内へと低下する。また、モータ10の実速度と指令速度とが等しくなるように、駆動制御信号VSPも一定の値に収束していく。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置100を備えたモータ装置110の構成を含むブロック図である。
図1で示した実施の形態1との比較において、実施の形態2におけるモータ駆動装置100は、電圧判定部として、第1の電圧値としての電圧値V1と第2の電圧値としての電圧値V2とを有した電圧判定部250を備える。また、パルス幅変調部232は、電圧判定部250からの過電圧検出信号Det2に応じて駆動信号の出力を停止する。また、制御信号生成部242は、電圧判定部250からの保持指示信号Dst2に応じて生成した駆動制御信号VSPを保持する。
以下、このように構成された実施の形態2におけるモータ駆動装置100およびこれを備えたモータ装置110について説明する。なお、図3において、実施の形態1と同一の構成要素については同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、電圧判定部250は、所定の電圧値として、あらかじめ設定された、第1の電圧値としての電圧値V1と第2の電圧値としての電圧値V2とを有している。電圧値V1は、実施の形態1と同様に、モータ10から直流電源105側に回生エネルギーが回生され、電源入力端子115の電源入力電圧VDCが過電圧になったかどうかを判定するための電圧値である。また、電圧値V2は、回生された回生エネルギーが直流電源105の周辺回路などにより消費され、電源入力端子115の電圧が安全とするような電圧にまで低下したかどうかを判定するために、あらかじめ設定した電圧値である。電圧判定部250は、電源入力端子115の直流電圧である電源入力電圧VDCを測定し、測定した直流電圧が電圧値V1を超えたかどうかを判定するとともに、測定した直流電圧が電圧値V2以下になったかどうかを判定する。すなわち、電圧判定部250は、電源入力端子115の直流電圧の判定においてヒステリシスを有している。電圧判定部250は、このような判定を行い、電圧値V1を超えた時点から電圧値V2以下になった時点までの期間を示す過電圧検出信号Det2をパルス幅変調部232に通知する。さらに、電圧判定部250は、電圧値V1を超えた時点から電圧値V2以下になった時点までの期間を示す保持指示信号Dst2を制御信号生成部242に通知する。なお、保持指示信号Dst2は、過電圧検出信号Det2と同じタイミング、あるいは過電圧検出信号Det2よりも遅れたタイミングの信号であればよい。
パルス幅変調部232は、電圧判定部250からの過電圧検出信号Det2に基づき、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えた時点から電圧値V2以下になった時点までの期間、駆動信号の出力を停止する。これによって、インバータ20によるモータ10の駆動も停止され、モータ10は自走で回転する惰性モードとなる。これとともに、制御信号生成部242は、電圧判定部250からの保持指示信号Dst2に基づき、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えた時点から電圧値V2以下になった時点までの期間、生成した駆動制御信号VSPを保持する。
このように、本実施の形態のモータ駆動装置100は、電圧判定部250が電圧値V1を超えたと判定したとき、インバータ20によるモータ10の駆動を停止するとともに、制御信号生成部242の駆動制御信号VSPの状態を保持し、電圧判定部250が電圧値V2以下になったと判定したとき、インバータ20によるモータ10の駆動停止および駆動制御信号VSPの状態保持を解除する解除指示を発行する。
本実施の形態におけるモータ駆動装置100、およびこれを備えたモータ装置110は以上のように構成される。
このような構成により、本実施の形態のモータ駆動装置100は、回生現象で上昇した過電圧から直流電源105などを保護するため、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたと判定する過電圧の検出時点から、電源入力電圧VDCが安全な電圧とする電圧値V2以下になるまでの期間、インバータ20のすべてのスイッチ素子をオフとすることで、モータ10の駆動の停止とともに、駆動巻線の誘起電圧による回生電流が直流電源105側に流れ込むのを阻止している。さらに、本実施の形態のモータ駆動装置100も、モータ10が自走で回転するこの期間中、制御信号生成部242が駆動制御信号VSPの状態を保持する。その後、電源入力電圧VDCが電圧値V2以下になると、保持した駆動制御信号VSPによりモータ10の速度制御が再開される。このため、実施の形態1と同様に、再開したときの速度変動が抑制されるとともに、速やかに指令速度へと収束させることができる。
以上のように構成された本実施の形態のモータ駆動装置100、およびこれを備えたモータ装置110について、次にその動作を説明する。
図4は、本実施の形態のモータ駆動装置100の動作を説明するために示したタイミングチャートである。図4でも、モータ駆動装置100において、モータ10を力行状態から減速したときの動作の一例を示している。
図4において、図4(a)は、速度指令信号Srefに対応した指令速度とモータ10の実速度を示し、図4(b)は、電源入力端子115の電源入力電圧VDCを示し、図4(c)は、電圧判定部250が出力する過電圧検出信号Det2を示し、図4(d)は、インバータ20が出力する駆動電圧U、VおよびWを示し、図4(e)は、電圧判定部250が出力する保持指示信号Dst2を示し、図4(f)は、制御信号生成部242が出力する駆動制御信号VSPを示している。なお、ここでは、駆動制御信号VSPのレベルが低い場合に低速となり、レベルが高い場合に高速となるような例を挙げている。
図4において、図2の場合と同様に、期間aは、モータ10が所望の速度で定常回転する力行状態の期間を示し、期間aが終了し期間bが開始される時点において、モータ10が指令速度となるように減速の指令がなされた場合を示し、期間bは、減速の指令がなされた後、回生エネルギーが直流電源105側へと回生される回生モードの期間を示している。
さらに、期間bにおいて電源入力電圧VDCが上昇し、電源入力電圧VDCが所定の電圧値V1を超えた時点で、モータ10が惰性で回転する惰性モードの期間cとなる。すなわち、パルス幅変調部232は、過電圧検出信号Det2により、電源入力電圧VDCが所定の電圧値V1を超えたと通知され、駆動信号の出力を停止する。これにより、インバータ20の各スイッチ素子はすべてオフ状態となり、インバータ20からモータ10への駆動電力供給が遮断される。このため、モータ10は、電気的に開放された状態となり、徐々に速度を落としながら自走で回転する。また、インバータ20が遮断状態となったため、このとき生じる回生電流の直流電源105側への流れ込みも阻止される。これにより、電源入力電圧VDCの増加が停止するとともに、電源入力端子115側への回生電力は、例えば、周辺回路などにより消費され、電源入力電圧VDCは徐々に低下していく。
また、惰性モードとなった時点において、電圧判定部250は、制御信号生成部242に対し、電源入力電圧VDCが電圧値V1を超えたとする保持指示信号Dst2を通知し、制御信号生成部242は、この通知に応答して、駆動制御信号VSPの生成を停止するとともに、その時点の駆動制御信号VSPの値の保持を開始する。
また、電源入力電圧VDCが徐々に低下し、電圧値V2まで低下すると、電圧判定部250は、測定した直流電圧が電圧値V2以下になったと判定し、過電圧検出信号Det2および保持指示信号Dst2の電圧値V1を超えたとする通知を解除する。すなわち、図4(c)に示すように、過電圧検出信号Det2がハイレベルの期間、図4(d)で示すようにインバータ20を遮断状態にしている。また、図4(e)に示すように、保持指示信号Dst2がハイレベルの期間、制御信号生成部242は、駆動制御信号VSPの値を保持している。さらに、過電圧検出信号Det2および保持指示信号Dst2の電圧値V1を超えたとする通知が解除、すなわち、過電圧検出信号Det2および保持指示信号Dst2においてハイレベルからローレベルへと変化すると、期間cにおける惰性モードが解除される。これによって、モータ10の速度制御が再開される。すなわち、制御信号生成部242は、保持した駆動制御信号VSPに基づく駆動制御信号VSPの生成を開始し、このような状態でのインバータ20からモータ10への駆動が再開され、モータ10がフィードバックループ制御により速度制御される状態となる。
このとき、モータ10の速度が指令速度まで十分に低下していないと再び減速動作となり、さらに、駆動電圧が誘起電圧よりも下回っていると、期間dで示すように、再度回生現象が発生し、電源入力電圧VDCが再度上昇するため、上述したような動作を繰り返す。また、モータ10の速度が十分に低下するとともに、電源入力電圧VDCが電圧値V1以下になると、力行モードへと復帰した期間fとなる。
このように、本実施の形態のモータ駆動装置100においても、惰性モードとなった時点の駆動制御信号VSPを保持し、保持した駆動制御信号VSPにより速度制御を再開するため、モータ10の自走により駆動制御信号VSPが最小や最大レベルへと変化したことによる影響を防止でき、減速制御時の速度変動を抑制できるとともに、所望の速度への収束時間も短縮できる。また、回生現象による電源入力電圧VDCの上昇も、あらかじめ設定した電圧値V1以下に抑えることができるため、モータ10の減速時などにおける回生現象に起因した過電圧から電源装置や機器を安全に保護できる。
以上説明したように、本発明の実施の形態のモータ駆動装置は、電圧判定部が所定の電圧値を超えたと判定したとき、解除指示が発行されるまでの所定の期間、モータが電気的に開放されるようにインバータを遮断状態にしてインバータによるモータの駆動を停止するとともに、駆動制御信号の状態を保持する構成であるため、解除指示が発行され、インバータによるモータの駆動が再開されると、電圧判定部が所定の電圧値を超えたと判定したときの駆動制御信号のレベルから速度制御が開始される。これにより、最小や最大レベルの駆動制御信号によって速度制御が再開されることはなく、減速制御時の速度変動を抑制でき、所望の速度への収束時間も短縮することができる。したがって、本発明の実施の形態のモータ駆動装置によれば、モータの減速時における回生現象に起因した過電圧から電源装置や機器を安全に保護するとともに、速やかな速度制御が可能なモータ駆動装置を提供することができる。
また、上述したような正弦波駆動のモータ駆動装置をモータ装置に内蔵または一体化することで、これを搭載する上位機器は、低トルクリップル、低騒音、低振動を実現する正弦波駆動によるモータを容易に、かつ回生現象に気を配ることなく安全に構築することできる。また、モータ駆動装置の一部あるいは全部を集積回路装置として集積化することで、モータ駆動装置を小型化できるため、これにより、より容易に内蔵または一体化できる。その結果、上位機器の設計および制御負担を軽減でき、優れた性能を有する正弦波駆動によるモータの使用拡大、普及を促すという効果も奏する。
なお、以上の説明では、インバータによるモータの駆動停止と駆動制御信号の状態保持とを解除する条件として、実施の形態1のように、速度判定部が速度指令情報の示す速度に対して速度検出情報の示す速度が遅いと判定したときとする例と、実施の形態2のように、電圧判定部が第2の電圧値以下になったと判定したときとする例を挙げて説明したが、これらを組み合わせた構成としてもよい。
すなわち、実施の形態1のような速度判定部と、実施の形態2のような第1の電圧値と第2の電圧値とを有した電圧判定部とを備え、速度判定部が速度指令情報の示す速度に対して速度検出情報の示す速度が遅いと判定したとき、または、電圧判定部が第2の電圧値以下になったと判定したとき、解除指示を発行するような構成としてもよい。このような構成とすることにより、いずれかの条件が成立したときに、解除指示を発行することになるため、過電圧に対する保護機能は低下するものの、より速やかな力行モードへの復帰が可能となる。
また、実施の形態1のような速度判定部と、実施の形態2のような第1の電圧値と第2の電圧値とを有した電圧判定部とを備え、速度判定部が速度指令情報の示す速度に対して速度検出情報の示す速度が遅いと判定したとき、かつ電圧判定部が第2の電圧値以下になったと判定したとき、解除指示を発行するような構成としてもよい。このような構成とすることにより、それぞれの条件が成立したときに、解除指示を発行することになるため、力行モードへの復帰は遅くなるものの、過電圧に対する保護機能をより高めることができる。
本発明のモータ駆動装置やモータ装置によれば、これを搭載する上位機器は、低トルクリップル、低騒音、低振動を実現する正弦波駆動によるモータを容易に、かつ回生現象に気を配ることなく安全に構築することできる。このため、回生現象に気を配ることなく、正弦波駆動による低振動低騒音が要求される空調機器用のファンモータや燃焼用ファンモータを搭載した給湯機、空気清浄機、冷蔵庫、洗濯機などの家電機器、あるいは、プリンタ、複写機、スキャナー、ファックス、またはこれらの複合機器、また、ハードディスク、光メディア機器などの情報機器などに使用されるモータ装置やその駆動装置に好適である。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置を備えたモータ装置の構成を含むブロック図 同モータ駆動装置の動作を説明するために示したタイミングチャート 本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置を備えたモータ装置の構成を含むブロック図 同モータ駆動装置の動作を説明するために示したタイミングチャート 従来のモータ駆動装置のブロック図 従来のモータ駆動装置の動作の一例を示すタイミングチャート
符号の説明
10,910 モータ
11,13,15 駆動巻線
20,920 インバータ
21,22,23,24,25,26,921,922,923,924,925,926 スイッチ素子
30,930 インバータ駆動部
31,931 波形生成部
32,232,932 パルス幅変調部
40,940 速度制御部
41 速度偏差算出部
42,242 制御信号生成部
43 速度判定部
50,250,950 電圧判定部
100,900 モータ駆動装置
105,905 直流電源
110 モータ装置
115,915 電源入力端子
116 指令情報入力端子
120,912 速度検出手段

Claims (10)

  1. モータを駆動するモータ駆動装置であって、
    電源入力部に供給された直流電圧を、前記モータを駆動するための駆動電圧に変換し、変換した前記駆動電圧を前記モータの駆動巻線に供給するインバータと、
    外部から通知される速度指令情報と速度を検出する速度検出手段から通知される速度検出情報との速度偏差に基づき、前記駆動電圧を調整するための駆動制御信号を生成し、生成した前記駆動制御信号を出力する速度制御部と、
    前記駆動制御信号に応じて前記インバータが出力する前記駆動電圧を調整し、前記モータの速度を制御するインバータ駆動部と、
    前記電源入力部の前記直流電圧を測定し、前記直流電圧が所定の電圧値を超えたかどうかを判定する電圧判定部とを備え、
    前記電圧判定部が前記所定の電圧値を超えたと判定したとき、解除指示が発行されるまでの所定の期間、前記モータが電気的に開放されるように前記インバータを遮断状態にして前記インバータによる前記モータの駆動を停止するとともに、前記駆動制御信号の状態を保持することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記速度制御部は、前記速度偏差を算出する速度偏差算出部と、前記速度指令情報の示す速度に対して、前記速度検出情報の示す速度が遅いかどうかを判定する速度判定部と、前記速度偏差算出部が算出した前記速度偏差に基づき前記駆動制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、
    前記速度判定部が、前記速度指令情報の示す速度に対して前記速度検出情報の示す速度が遅いと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動停止を解除するとともに、前記駆動制御信号の状態保持を解除する前記解除指示を発行することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記電圧判定部は、前記所定の電圧値として、第1の電圧値と前記第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値とを有し、直流電圧が前記第1の電圧値を超えたかどうかを判定するとともに、前記直流電圧が前記第2の電圧値以下になったかどうかを判定し、
    前記電圧判定部が前記第1の電圧値を超えたと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動を停止するとともに、前記駆動制御信号の状態を保持し、前記電圧判定部が前記第2の電圧値以下になったと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動停止を解除するとともに、前記駆動制御信号の状態保持を解除する前記解除指示を発行することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記速度制御部は、前記速度偏差を算出する速度偏差算出部と、前記速度指令情報の示す速度に対して、前記速度検出情報の示す速度が遅いかどうかを判定する速度判定部と、前記速度偏差算出部が算出した前記速度偏差に基づき前記駆動制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、
    前記電圧判定部は、前記所定の電圧値として、第1の電圧値と前記第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値とを有し、直流電圧が前記第1の電圧値を超えたかどうかを判定するとともに、前記直流電圧が前記第2の電圧値以下になったかどうかを判定し、
    前記電圧判定部が前記第1の電圧値を超えたと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動を停止するとともに、前記駆動制御信号の状態を保持し、
    前記速度判定部が前記速度指令情報の示す速度に対して前記速度検出情報の示す速度が遅いと判定したとき、または、前記電圧判定部が前記第2の電圧値以下になったと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動停止を解除するとともに、前記駆動制御信号の状態保持を解除する前記解除指示を発行することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記速度制御部は、前記速度偏差を算出する速度偏差算出部と、前記速度指令情報の示す速度に対して、前記速度検出情報の示す速度が遅いかどうかを判定する速度判定部と、前記速度偏差算出部が算出した前記速度偏差に基づき前記駆動制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、
    前記電圧判定部は、前記所定の電圧値として、第1の電圧値と前記第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値とを有し、直流電圧が前記第1の電圧値を超えたかどうかを判定するとともに、前記直流電圧が前記第2の電圧値以下になったかどうかを判定し、
    前記電圧判定部が前記第1の電圧値を超えたと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動を停止するとともに、前記駆動制御信号の状態を保持し、
    前記速度判定部が前記速度指令情報の示す速度に対して前記速度検出情報の示す速度が遅いと判定し、かつ前記電圧判定部が前記第2の電圧値以下になったと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動停止を解除するとともに、前記駆動制御信号の状態保持を解除する前記解除指示を発行することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記速度制御部は、前記解除指示が発行されたとき、保持した前記駆動制御信号を前記インバータ駆動部に供給し、前記インバータによる前記モータの駆動を再開することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記電圧判定部が前記所定の電圧値を超えたと判定したとき、前記インバータによる前記モータの駆動を停止した後、前記駆動制御信号の状態を保持することを特徴とする請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のモータ駆動装置を含むことを特徴とする集積回路装置。
  9. モータと、
    前記モータの可動子の速度を検出する速度検出手段と、
    請求項1から7までのいずれか1項に記載のモータ駆動装置、または請求項8に記載の集積回路装置と、
    直流電力が供給される電源入力端子と、
    速度指令情報を含む指令情報が通知される指令情報入力端子とを備えたことを特徴とするモータ装置。
  10. 前記モータは可動子と3相の駆動巻線を有し、前記モータ駆動装置または前記集積回路装置により前記駆動巻線が正弦波駆動されるブラシレスDCモータであることを特徴とする請求項9に記載のモータ装置。
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