JP5180884B2 - 缶巻き締め装置及び缶巻き締め方法 - Google Patents
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Description
缶蓋に傾斜部を設けて両屈曲部間を離間させるようにしたことから、コーナー部の幅が大きくなってノックアウトパッドのテーパ面も幅を大きくすることができ、これらの接触を容易かつ確実にして、芯合わせ機能を有効に発揮させることができる。
その場合、前記ノックアウトパッドのテーパ面は、前記コーナー部における前記傾斜部を除く両屈曲部の両方に接触する凹面とされているものとしてもよい。
あるいは、前記ノックアウトパッドのテーパ面は、前記コーナー部における前記傾斜部に接触する凸面とされているものとしてもよい。
いずれの場合も、ノックアウトパッドのテーパ面と缶蓋とは周方向に沿う線状に接触することになり、テーパ面に沿うコーナー部の摺動時の抵抗を小さくして、その芯合わせを容易にすることができる。
また、本発明の缶巻き締め方法において、前記缶蓋のコーナー部は、前記パネル部に隣接状態の屈曲部と、前記カウンターシンク部の内側壁部に隣接状態の屈曲部と、これら両屈曲部の間を連結する傾斜部とを有する形状とされており、前記ノックアウトパッドで前記缶蓋を押さえる際に、前記テーパ面が前記屈曲部のうちの少なくとも一方又は前記傾斜部のうちのいずれかに当接するようにするとよい。
そして、従来とは異なりパネル部表面を押さえる必要はないので、パネル部表面の大部分の設計の自由度を上げることができ、デザイン性等の向上を図ることができる。
まず、第1実施形態の缶巻き締め装置に適用される缶蓋について説明しておくと、この缶蓋1は、図1及び図2に示すように、その中央部分に配置される円板状をなすパネル部2と、パネル部2の外周部のコーナー部3を介して連続し下方に向けた環状凹部4を形成するカウンターシンク部5と、カウンターシンク部5の外周縁から上方に向けてほぼ拡径しながら延在するチャック壁部6と、チャック壁部6の外周縁から連なり上方に湾曲しながら拡径するショルダー部7と、ショルダー部7から半径方向外方に延在しその外周縁部を下方かつ半径方向内方に向けて折り返してなるカール部8とから構成されている。
また、パネル部2とカウンターシンク部5との間のコーナー部3は、パネル部2に連なる上向き凸状の屈曲部11と、カウンターシンク部5の内側壁部12に連なる上向き凸状の屈曲部13と、これら両屈曲部11,13の間を連結する傾斜部14とが連続して形成された形状とされている。その傾斜部14は、鉛直方向に対してほぼ45°に傾斜している。
チャック壁部6は、カウンターシンク部5の外側壁部16から外側に凸となるわずかな屈曲部17を介して連続し、上方に向けて拡径しつつ半径方向内方に凸となるように湾曲した形状とされ、その外周縁に外側に凸となる屈曲部18が連続して形成され、その屈曲部18に、ショルダー部7、カール部8が連続している。
一方、この缶蓋1が巻き締められる缶体21は、有底筒状の胴部22から縮径したネック部23の上端に外向きのフランジ部24が連続して形成された形状とされている。
第1実施形態の缶巻き締め装置31は、図示略の巻き締め機本体のターレットに、図3に示すように、缶体21を載置して上下移動及び回転駆動されるリフター32と、缶体21に被せた缶蓋1を上方から押さえながら缶蓋1の内側に配置される缶蓋支持具33と、この缶蓋支持具33とリフター32との間に挟持された状態で回転させられる缶体21及び缶蓋1に半径方向外方位置から接近して巻き締め加工を行う複数の巻き締めロール34,35との組み合わせからなる巻き締めユニットが周方向に間隔を開けて複数組設けられている。そして、これらリフター32、缶蓋支持具33及び巻き締めロール34,35は、巻き締め機本体のターレットの旋回により、周方向に移動しつつリフター32と缶蓋支持具33との間に缶体21及び缶蓋1を受け入れてこれらを挟持した状態とし、巻き締めロール34,35で巻き締めるようになっている。図3にはリフター32、缶蓋支持具33及び巻き締めロール34,35からなる巻き締めユニットを一組のみ示している。
缶蓋支持具33は、缶蓋1を上方から押さえるノックアウトパッド41と、このノックアウトパッド41の周囲にノックアウトパッド41と同一軸心上に配置され缶蓋1のチャック壁部6の内周面側を支持するチャック部材42とが備えられており、リフター32と同一軸心上に配置される。したがって、リフター32、缶蓋支持具33のノックアウトパッド41、チャック部材42は同一の軸心X上に配置される。これらノックアウトパッド41及びチャック部材42の詳細については後述する。
巻き締めロール34,35は、外周面に成型面が形成され、缶蓋支持具33に対して矢印E,Fで示すように離間接近するとともに、自身の軸心Yの回りに回転自在に支持されており、リフター32と缶蓋支持具33との間に挟持されて回転している缶体21のフランジ部23上の缶蓋1のカール部8に半径方向外方位置から順番に接近して成形しながら巻き締めるようになっている。つまり、カール部8に第1の巻き締めロール34が接近して缶蓋1のカール部8を缶体21のフランジ部23に巻き込みながら巻き締めた後巻き締め部から離間し、次に第2の巻き締めロール35が接近して再び巻き締め成形を行い、最終的に二重巻き締め状態とする。
なお、このノックアウトパッド41の支持軸46は、軸心Xを中心に回転自在に支持されているとともに、図示略のロッドを介して巻き締め機本体のアクチュエータによって押し下げ駆動され、押し下げられた後はリターンスプリングによって元の位置に復帰できるようになっている。
この環状突出部54の内径は、カウンターシンク部5の内側壁部12の外径よりも大きく形成され、図2に示すように、カウンターシンク部5の外側壁部16内に嵌合したときに、環状突出部54の内周面と内側壁部12の外周面との間に若干の隙間が形成されるようになっており、ノックアウトパッド41の筒状壁部44の先端部が隙間の部分にわずかに臨むように配置されることにより、筒状壁部44のテーパ面45が缶蓋1のコーナー部3に当接し易いように寸法設定されている。
そして、このチャック部材42は、その上部が巻き締め機本体のターレットに回転自在に支持されているとともに、ターレットの旋回に伴い、巻き締め機本体のラックにピニオンギヤが係合して図3の矢印Gで示すように回転駆動されるようになっている。また、ノックアウトパッド41は、前述したようにさらにアクチュエータ及びリターンスプリングによってチャック部材42に対して上下移動できるようになっている。
図4に示す例は、缶蓋及びチャック部材については第1実施形態の缶蓋1及びチャック部材42と同じ形状であるとともに、ノックアウトパッド61も、その筒状壁部44の下端面が凹状に湾曲したテーパ面とされていることは第1実施形態と同じであるが、そのテーパ面62の傾斜角度が第1実施形態のものとは異なり、鉛直方向に対する傾斜角度が第1実施形態のものより大きく設定されていることにより、缶蓋1を押さえたときに、テーパ面62が缶蓋1のコーナー部3における内側の屈曲部(パネル部2に隣接する屈曲部)11にのみ当接するようになっている。
なお、図2及び図4に示す例のように、コーナー部の屈曲部にノックアウトパッドのテーパ面が接触する場合、両屈曲部の間を連結している傾斜部は、平坦面に形成しているが、外面が凹状となる湾曲面としてもよい。この凹状の傾斜部の場合は、ノックアウトパッドのテーパ面も平坦面の傾斜面としてもよい。また、逆に、傾斜部をノックアウトパッドのテーパ面に接触しない範囲で(つまりテーパ面が凹状の湾曲面の場合はその曲率半径よりも小さい曲率半径で)凸状となる湾曲面に形成してもよい。
なお、コーナー部の傾斜部が外面を凸とする湾曲面の場合、ノックアウトパッドのテーパ面は平坦面の傾斜面としてもよい。また、この図6に示す例とは逆に、コーナー部の傾斜部を外面が凹状となる湾曲面とし、ノックアウトパッドのテーパ面をコーナー部の傾斜部よりも曲率半径の小さい凸状面としてもよい。
また、カウンターシンク部5の凹状湾曲部15の幅寸法Wが0.75〜1.0mmとされ、その凹状湾曲部15の外周部から外側壁部16にかけて嵌合するチャック部材42の環状突出部54の先端部の幅寸法Hが0.5〜0.7mmとされ、したがって、この環状突出部54の内周面とカウンターシンク部5の内側壁部12の外周面との間に0.1〜0.5mmの隙間が形成される。
この第2実施形態では、缶蓋81は、そのコーナー部82がパネル部2とカウンターシンク部5の内側壁部12との間を一つの屈曲部によって連結した構成とされるとともに、チャック壁83がほぼ円錐テーパ面状に形成されている。そして、この缶蓋82を押さえるノックアウトパッド84は、その筒状壁部85が第1実施形態のものより薄肉に形成されており、その下端面には凹状のテーパ面86が形成され、そのテーパ面86の曲率半径は缶蓋81のコーナー部82における屈曲部の曲率半径よりも大きく形成されている。また、チャック部材87は、環状突出部88が第1実施形態のものより長く形成されており、この環状突出部88から台金部52までの外周面が円錐テーパ面89とされている。この場合も、環状突出部88の内径は缶蓋81のカウンターシンク部5における内側壁部12の外径よりも若干大きく形成され、環状突出部88がカウンターシンク部5に嵌合したときに、環状突出部88の内周面とカウンターシンク部5の内側壁部12の外周面との間にわずかな隙間が形成され、その隙間の部分にノックアウトパッド84の筒状壁部85の先端部がわずかに臨むように配置される寸法関係に設定されている。
この第2実施形態の場合も、ノックアウトパッドのテーパ面は、図示例の凹状面に限らず、凸状面としてもよいし、平坦な傾斜面としてもよく、いずれの場合でも、缶蓋のコーナー部の外面に線状に接触することができる。
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、缶の公称径が204のものに適用したが、202(二重巻き締め部の外径が53.6〜54.4mm、巻き締め前の缶蓋のカール部の最外径が59.2〜59.6mm)又は206(二重巻き締め部の外径が59.2〜59.4mm、巻き締め前の缶蓋のカール部の最外径が64.5〜64.9mm)のものにも適用することができる。
2 パネル部
3 コーナー部
4 環状凹部
5 カウンターシンク部
6 チャック壁部
7 ショルダー部
8 カール部
11 屈曲部
12 内側壁部
13 屈曲部
14 傾斜部
21 缶体
22 缶胴
23 ネック部
24 フランジ部
31 巻き締め装置
32 リフター
33 缶蓋支持具
34,35 巻き締めロール
41 ノックアウトパッド
42 チャック部材
43 円板部
44 筒状壁部
45 テーパ面
51 リング板部
52 台金部
53 湾曲面
54 環状突出部
81 缶蓋
82 コーナー部
83 チャック壁部
84 ノックアウトパッド
85 筒状壁部
86 テーパ面
87 チャック部材
88 環状突出部
89 円錐テーパ面
Claims (6)
- 缶体を載置するリフターと、該リフターと同一軸心上に配置され缶体のフランジ部に被せた缶蓋を上方から押さえるノックアウトパッドと、該ノックアウトパッドの周囲にノックアウトパッドと同一軸心上に配置され缶蓋のチャック壁の内周面側を支持するチャック部材と、缶蓋の半径方向外方位置から半径方向内方に移動して前記チャック部材との間で缶体のフランジ部と缶蓋のカール部とを巻き締める巻き締めロールとが備えられ、前記ノックアウトパッドの下面には、缶蓋のパネル部からカウンターシンク部の内側壁部にかけて形成されるコーナー部に当接するテーパ面が、下方に向けて漸次拡径しかつ前記ノックアウトパッドの軸芯を中心とするリング状に形成されていることを特徴とする缶巻き締め装置。
- 前記缶蓋のコーナー部には、前記パネル部に隣接状態の屈曲部と、前記カウンターシンク部の内側壁部に隣接状態の屈曲部と、これら両屈曲部の間を連結する傾斜部とが形成されており、前記ノックアウトパッドのテーパ面は、前記両屈曲部のうちの少なくとも一方に当接するとともに、該屈曲部の曲率半径よりも大きい曲率半径の凹面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の缶巻き締め装置。
- 前記ノックアウトパッドのテーパ面は、前記コーナー部における前記傾斜部を除く両屈曲部の両方に接触する凹面とされていることを特徴とする請求項2記載の缶巻き締め装置。
- 前記缶蓋のコーナー部には、前記パネル部に隣接状態の屈曲部と、前記カウンターシンク部の内側壁部に隣接状態の屈曲部と、これら両屈曲部の間を連結する傾斜部とが形成されており、前記ノックアウトパッドのテーパ面は、前記コーナー部における前記傾斜部に接触する凸面とされていることを特徴とする請求項1記載の缶巻き締め装置。
- 缶体をリフターの上に載置するとともに、該缶体のフランジ部に缶蓋を被せ、該缶蓋を上方からノックアウトパッドで押さえた状態とし、この状態で缶体のフランジ部と缶蓋のカール部とを巻き締める巻き締め方法において、前記ノックパッドで前記缶蓋を押さえる際に、該ノックアウトパッドの下面に形成した下方に向けて漸次拡径するテーパ面を前記缶蓋のパネル部からカウンターシンク部の内側壁部にかけて形成されるコーナー部に当接することを特徴とする缶巻き締め方法。
- 前記缶蓋のコーナー部は、前記パネル部に隣接状態の屈曲部と、前記カウンターシンク部の内側壁部に隣接状態の屈曲部と、これら両屈曲部の間を連結する傾斜部とを有する形状とされており、前記ノックアウトパッドで前記缶蓋を押さえる際に、前記テーパ面が前記屈曲部のうちの少なくとも一方又は前記傾斜部のうちのいずれかに当接することを特徴とする請求項5記載の缶巻き締め方法。
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