JP2009291794A - 缶の製造方法、第1巻締ロール及び缶の巻締め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二重巻締め部におけるボディフック量BHを確保して密封性の良い缶を成形可能である缶の製造方法を提供する。
【解決手段】カール部を備えた缶蓋を、フランジ部を有する缶胴に巻き締めて缶を成形する缶の製造方法であって、径方向外方側から第1巻締ロール40を摺接させて前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する巻き込み工程と、前記フランジ部及び前記カール部を第2巻締ロールを用いて押圧する潰し工程と、を有し、第1巻締ロール40は、その外周面に径方向内方に向けて凹む成形凹部41が形成されており、前記巻き込み工程において、下顎部44の少なくとも一部は、前記軸線、及び下顎部44と前記カール部との接触点、を通る断面における下顎部44の輪郭線の接線Tが、成形凹部41の底面から離間するにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置されている。
【選択図】図4
【解決手段】カール部を備えた缶蓋を、フランジ部を有する缶胴に巻き締めて缶を成形する缶の製造方法であって、径方向外方側から第1巻締ロール40を摺接させて前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する巻き込み工程と、前記フランジ部及び前記カール部を第2巻締ロールを用いて押圧する潰し工程と、を有し、第1巻締ロール40は、その外周面に径方向内方に向けて凹む成形凹部41が形成されており、前記巻き込み工程において、下顎部44の少なくとも一部は、前記軸線、及び下顎部44と前記カール部との接触点、を通る断面における下顎部44の輪郭線の接線Tが、成形凹部41の底面から離間するにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に缶蓋を巻き締めて缶を成形する缶の製造方法、この缶の製造方法に用いられる第1巻締ロール及び缶の巻締め装置に関するものである。
一般に、例えば清涼飲料水等の容器に用いられる缶は、有底筒状をなす缶胴の開口部に設けられたフランジ部に、概略板状をなす缶蓋を装着することによって成形される。ここで、缶蓋の装着は、缶蓋の外周端に成形されるとともに径方向外側に巻き返されたカール部を、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に密着させて、これらカール部とフランジ部とを一緒に巻き込むように加工する、いわゆる二重巻締めによって行われている。
従来、二重巻締めを行う巻締め装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが提供されている。
従来、二重巻締めを行う巻締め装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが提供されている。
従来の巻締め装置においては、缶蓋に当接されるチャック部と、前記缶胴を保持して軸線を中心に回転させるとともに前記軸線方向に上下動するリフター部と、チャック部とリフター部によって挟持された缶胴及び缶蓋に径方向外方側から摺接してフランジ部とカール部とを巻き込むように加工する第1巻締ロールと、巻き込まれたフランジ部とカール部とをさらに径方向内方に向けて押圧する第2巻締ロールと、を備えている。
ここで、第1巻締ロールの外周面には、第1巻締ロールの径方向内方に凹んだ成形凹部が形成されており、この成形凹部に沿って缶蓋のカール部と缶胴のフランジ部とを変形させることになる。なお、従来の缶の巻締め装置においては、第1巻締ロールの成形凹部は、径方向外方(前記缶胴及び缶蓋の前記軸線に近接する方向)に向けて開口幅が広くなるように形成されており、缶蓋のカール部と缶胴のフランジ部とが容易に成形凹部内に挿入されるように構成されている。
第1巻締ロールによるカール部及びフランジ部の巻き込み加工の概略を図7に示す。
まず、チャック部とリフター部によって缶蓋1と缶胴5とが挟持される(図7(a))。軸線方向に押圧力が負荷され、缶胴5のフランジ部9が径方向外方に向けて延びるように変形させられる(図7(b))。その後、第1巻締ロール240が径方向外方から接近させられ、成形凹部241に缶蓋1のカール部4が挿入される(図7(c))。成形凹部241の下顎部にカール部4の先端が当接された状態で第1巻締ロール240が径方向外方から押し付けられることにより、成形凹部241に沿ってカール部4が折り曲げられる(図7(d)〜(f))。
このようにして巻き込まれたカール部4とフランジ部9は、その後、第2巻締ロールによって径方向内方に向けて潰されて二重巻締めが完了する。
まず、チャック部とリフター部によって缶蓋1と缶胴5とが挟持される(図7(a))。軸線方向に押圧力が負荷され、缶胴5のフランジ部9が径方向外方に向けて延びるように変形させられる(図7(b))。その後、第1巻締ロール240が径方向外方から接近させられ、成形凹部241に缶蓋1のカール部4が挿入される(図7(c))。成形凹部241の下顎部にカール部4の先端が当接された状態で第1巻締ロール240が径方向外方から押し付けられることにより、成形凹部241に沿ってカール部4が折り曲げられる(図7(d)〜(f))。
このようにして巻き込まれたカール部4とフランジ部9は、その後、第2巻締ロールによって径方向内方に向けて潰されて二重巻締めが完了する。
また、このようにして成形される缶においては、缶蓋を巻き締める際に密封性を確保することが重要である。図8に、缶蓋1を缶胴5の開口部のフランジ部9に巻き締めて装着した部分(二重巻締め部60)の断面図を示す。缶胴5のフランジ部9は、径方向外方に概略180°曲げさせられており、缶蓋1のカール部4は、3つ折りされてカール部4の先端がフランジ部9の180°曲げされた部分に挟み込まれている。ここで、缶胴5のフランジ部9の軸線方向長さ、いわゆるボディフック量BHが、缶の密封性に大きく影響することになる。
このボディフック量BHを確保するために従来の巻締め装置においては、チャック部とリフター部(ベースプレート)によって挟持した際の軸線方向荷重を高くしている。つまり、缶胴のフランジ部及び缶蓋のカール部とをチャック部に強く当接させることでフランジ部を径方向外方に向けてより延びるように変形させ、巻き込み加工される部分の長さを確保しているのである。
ここで、缶の巻締め装置においては、挟持した際の軸線方向荷重は、ベースプレートフォース(以下、BPF)として主に設定されている。このBPFとは、ベースプレートを付勢するスプリングを所定値まで収縮させるのに必要な軸線方向の荷重の値を示すものであり、このBPFが大きいほど挟持した際に缶胴及び缶蓋に作用する軸線方向荷重が大きくなる。なお、BPFの設定は、前記スプリングの初期荷重(缶蓋及び缶胴を挟持していない時点での荷重)を調整することで行われる。
特公平7−100204号公報
ところで、従来のように、BPFの設定値を大きくした場合には、ボディフック量BHが確保されるものの缶胴に対して必要以上の軸方向荷重が作用することになる。一方、前記缶胴の座屈変形を防止するために缶胴及び缶蓋を挟持する際の軸線方向荷重を小さくする、すなわちBPF設定を小さくした場合には、ボディフック量BHが確保されず、密封性が低下してしまうことになる。
また、第1巻締ロールによるカール部の折り曲げが不十分であると、カール部の先端が缶胴の外周面(フランジ部よりも軸線方向下方側に位置する部分)に当接してしまい、カール部を十分に巻き込むことができず巻締めが不十分になってしまうことがあった。さらには、カール部の先端が当接した部分に孔が開いてしまうといったトラブルが発生するおそれがあった。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、カール部を十分に折り曲げるように加工して二重巻締め部を確実に成形し、缶胴に作用する軸線方向荷重を抑えながらも二重巻締め部におけるボディフック量BHを確保して密封性の良い缶を成形可能である缶の製造方法、この缶の製造方法に適した第1巻締ロール及び缶の巻締め装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明に係る缶の製造方法は、径方向外側に巻き返されたカール部を備えた缶蓋を、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に密着させて巻き締めて缶を成形する缶の製造方法であって、前記缶胴及び前記缶蓋を前記缶胴の軸線方向に挟持するとともに前記軸線回りに回転させ、径方向外方側から、第1巻締ロールを摺接させて前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する巻き込み工程と、前記巻き込み工程によって加工された前記フランジ部及び前記カール部を第2巻締ロールを用いて径方向内方に向けて押圧する潰し工程と、を有し、前記第1巻締ロールは、その外周面に、前記軸線方向上側に位置する上顎部と前記軸線方向下側に位置する下顎部とを有する成形凹部が形成されており、前記巻き込み工程において、前記下顎部の少なくとも一部は、前記軸線、及び前記下顎部と前記カール部との接触点、を通る断面における輪郭線の接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置されていることを特徴としている。
この構成の缶の製造方法によれば、第1巻締ロールによる加工を行う場合、缶蓋のカール部が、下顎部に沿って、缶胴及び缶蓋の軸線に近づくにしたがい漸次軸線方向上方に向かって案内されることになり、缶蓋のカール部の先端が缶胴の外周面に当接することがなくなり、缶胴のフランジ部を成形凹部の上顎部に向けて押圧することでフランジ部を径方向外方に向けて延びるように変形させることが可能となる。これにより、荷重を必要以上に大きくすることなくボディフック量BHを十分に確保でき、缶の密封性の向上を図ることができる。
ここで、前記巻き込み工程において、前記接線と前記軸線に対して直交する平面とがなす角度αが、1°≦α≦5°の範囲内に設定された構成とすることが好ましい。
この場合、前記接線と前記軸線に対して直交する平面とがなす角度αが、1°≦α≦5°の範囲内に設定されているので、成形凹部の開口部が確保されて前記フランジ部及び前記カール部を成形凹部内に確実に挿入することができるとともに、前記カール部を十分に折り曲げて缶蓋のカール部の先端が缶胴の外周面に当接することを確実に防止することが可能となる。なお、この効果をさらに奏功せしめるためには、前記接線と前記軸線に対して直交する平面とがなす角度αを、2°≦α≦4°の範囲内に設定することが好ましい。
この場合、前記接線と前記軸線に対して直交する平面とがなす角度αが、1°≦α≦5°の範囲内に設定されているので、成形凹部の開口部が確保されて前記フランジ部及び前記カール部を成形凹部内に確実に挿入することができるとともに、前記カール部を十分に折り曲げて缶蓋のカール部の先端が缶胴の外周面に当接することを確実に防止することが可能となる。なお、この効果をさらに奏功せしめるためには、前記接線と前記軸線に対して直交する平面とがなす角度αを、2°≦α≦4°の範囲内に設定することが好ましい。
また、前記第1巻締ロールが、前記下顎部に、前記軸線と前記回転軸とを平行に配置した状態で、前記接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜する折り上げ部を備えた構成とすることが好ましい。
この場合、缶蓋及び缶胴の軸線と第1巻締ロールの回転軸とを平行に配置した状態で近接させても、成形凹部に形成された折り上げ部によって缶蓋のカール部を、前記軸線に近づくにしたがい漸次軸線方向上方に向かって案内することができ、缶蓋のカール部の先端が缶胴の外周面に当接することがなくなり、缶胴のフランジ部を成形凹部の上顎部に向けて押圧することでフランジ部を径方向外方に向けて延びるように変形させてボディフック量BHを十分に確保することができる。
この場合、缶蓋及び缶胴の軸線と第1巻締ロールの回転軸とを平行に配置した状態で近接させても、成形凹部に形成された折り上げ部によって缶蓋のカール部を、前記軸線に近づくにしたがい漸次軸線方向上方に向かって案内することができ、缶蓋のカール部の先端が缶胴の外周面に当接することがなくなり、缶胴のフランジ部を成形凹部の上顎部に向けて押圧することでフランジ部を径方向外方に向けて延びるように変形させてボディフック量BHを十分に確保することができる。
また、前記巻き込み工程において、前記第1巻締ロールの前記回転軸が、前記軸線方向上方に向かうにしたがい漸次前記軸線から離間するように、前記軸線に対して傾斜して配置されることにより、前記接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置される構成としても良い。
この場合、成形凹部の形状を従来と同様に構成した場合であっても、巻き込み工程において前記下顎部の少なくとも一部を、前記軸線、及び前記下顎部と前記カール部との接触点、を通る断面における前記下顎部の輪郭線の接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置することが可能となる。
この場合、成形凹部の形状を従来と同様に構成した場合であっても、巻き込み工程において前記下顎部の少なくとも一部を、前記軸線、及び前記下顎部と前記カール部との接触点、を通る断面における前記下顎部の輪郭線の接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置することが可能となる。
本発明に係る第1巻締ロールは、径方向外側に巻き返されたカール部を備えた缶蓋を、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に密着させて巻き締めて缶を成形する際に用いられ、前記缶胴及び前記缶蓋に対して、径方向外方から摺接して前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する第1巻締ロールであって、外周面に、前記軸線方向上側に位置する上顎部と前記軸線方向下側に位置する下顎部とを有する成形凹部が形成され、 前記成形凹部には、回転軸に沿った断面における前記下顎部の輪郭線の接線が前記成形凹部の開口部側に向かうにしたがい漸次前記回転軸方向上方に向かうように傾斜する折り上げ部が設けられていることを特徴としている。
また、本発明に係る缶の巻締め装置は、径方向外側に巻き返されたカール部を備えた缶蓋を、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に密着させて巻締めて缶を成形する缶の巻締め装置であって、前記缶蓋に当接されるチャック部と、前記缶胴を保持して軸線回りに回転駆動するとともに前記軸線方向に上下動するリフター部と、前記チャック部及び前記リフター部によって前記軸線方向に挟持されるとともに前記軸線回りに回転される前記缶胴及び前記缶蓋に対して、回転軸回りに回転しながら径方向外方から摺接して前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する第1巻締ロールと、該第1巻締ロールによって巻き込まれた前記フランジ部と前記カール部とをさらに径方向内方に向けて押圧する第2巻締ロールと、を有し、前記第1巻締ロールは、その外周面に前記フランジ部及び前記カール部が挿入される成形凹部が形成され、この成形凹部は、第1巻締ロールの径方向外方を向く底部と、この底部に連なり前記軸線方向上側に位置する上顎部と、底部に連なり前記軸線方向下側に位置する下顎部と、を有しており、前記下顎部の少なくとも一部は、前記軸線、及び前記下顎部と前記カール部との接触点、を通る断面における前記下顎部の輪郭線の接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置されていることを特徴としている。
本発明に係る第1巻締ロール及び缶の巻締め装置は、前述した本発明に係る缶の製造方法を実施するのに適しており、缶の巻締めを行った際にボディフック量BHを確保して密封性の向上を図ることができる。
本発明によればカール部を十分に折り曲げるように加工して二重巻締め部を確実に成形し、缶胴に作用する軸線方向荷重を抑えながらも二重巻締め部におけるボディフック量BHを確保して密封性の良い缶を成形可能である缶の製造方法、この缶の製造方法に適した第1巻締ロール及び缶の巻締め装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施形態である缶の巻締め装置10を図1から図3に示す。本実施形態である缶の巻締め装置10は、有底円筒状をなす缶胴5の開口部に設けられたフランジ部9に、概略円板状をなす缶蓋1を巻き締めて装着し、缶を成形するものである。
本発明の第1の実施形態である缶の巻締め装置10を図1から図3に示す。本実施形態である缶の巻締め装置10は、有底円筒状をなす缶胴5の開口部に設けられたフランジ部9に、概略円板状をなす缶蓋1を巻き締めて装着し、缶を成形するものである。
まず、この缶の巻締め装置10によって巻き締められる缶蓋1及び缶胴5について説明する。
缶蓋1は、図2に示すように、円板状をなすパネル部2と、パネル部2の外周端に連なり径方向外方に向かうにしたがい漸次上方に向かうように延びるテーパ状のチャックウォール部3と、このチャックウォール部3の外周端に連設して径方向外方側及び下方側に向けて巻かれたカール部4と、を備えている。
缶胴5は、図2に示すように、有底円筒状をなしており、底部6と胴部7と肩部8と開口部とを備えており、開口部には径方向外方に向けて折り曲げられたフランジ部9が設けられている。
缶蓋1は、図2に示すように、円板状をなすパネル部2と、パネル部2の外周端に連なり径方向外方に向かうにしたがい漸次上方に向かうように延びるテーパ状のチャックウォール部3と、このチャックウォール部3の外周端に連設して径方向外方側及び下方側に向けて巻かれたカール部4と、を備えている。
缶胴5は、図2に示すように、有底円筒状をなしており、底部6と胴部7と肩部8と開口部とを備えており、開口部には径方向外方に向けて折り曲げられたフランジ部9が設けられている。
次に、本発明の実施形態である缶の巻締め装置10について説明する。
本実施形態である缶の巻締め装置10は、図1〜図3に示すように、缶蓋1に当接されるチャック部11と、缶胴5を保持するとともに軸線N方向に上下動移動可能なリフター部20と、缶蓋1のカール部4及び缶胴5のフランジ部9に巻き込み加工を施す第1巻締ロール40及び第2巻締ロール50と、を備えている。
本実施形態である缶の巻締め装置10は、図1〜図3に示すように、缶蓋1に当接されるチャック部11と、缶胴5を保持するとともに軸線N方向に上下動移動可能なリフター部20と、缶蓋1のカール部4及び缶胴5のフランジ部9に巻き込み加工を施す第1巻締ロール40及び第2巻締ロール50と、を備えている。
チャック部11は、図示しない支持軸に着脱可能に装着される装着部12と、缶蓋1のチャックウォール部3の内周側に嵌入して缶蓋1のパネル部2に当接される当接パッド部13と、を備えており、軸線N回りに回転可能に構成されている。
リフター部20は、図1〜図3に示すように、チャック部11の軸線N方向下方側に配置されており、缶胴5が載置されるベースプレート21と、このベースプレート21をチャック部11側(上方)に向けて付勢するリフタースプリング22と、ベースプレート21及びリフタースプリング22を支持するリフター本体23と、リフター本体23(ベースプレート21)の軸線N方向位置(上下方向位置)を制御する変位制御部30と、を備えている。なお、このリフター部20は、軸線N方向に移動可能とされるとともに軸線N回りに回転駆動するように構成されている。
リフター本体23は、図1〜図3に示すように、概略円筒状をなしており、上端面にベースプレート21が載置されている。また、リフター本体23の上部には、内周面に雌ネジが形成された調整ネジ孔23Aが設けられ、この調整ネジ孔23Aの下部に調整ネジ孔23Aよりも大径のスプリング室23Bが連設され、このスプリング室23Bの底面部に挿通孔部23Cが設けられている。なお、これら調整ネジ孔23A、スプリング室23B、挿通孔部23Cは、同軸上(軸線N上)に連設されている。
挿通孔部23Cには、後述するカムフォロワ35の連結軸部36が挿通されており、この連結軸部36の上端にスプリング室23B内に配設された連結プレート25が固定ボルト26によって固定されている。この連結プレート25は、挿通孔部23Cよりも大径とされており、スプリング室23B内を上下動可能に配設されている。この連結プレート25の上にリフタースプリング22が載置されている。
また、調整ネジ孔23Aには、リフタースプリング22の初期荷重、つまり、BPFを調整するためのBPF調整ネジ27が螺合されている。このBPF調整ネジ27は、外周面に雄ネジ部が形成されるとともにリフタースプリング22の上端に当接されるネジ本体27Aと、ネジ本体27Aの下端から下方に向けて突出したガイド軸部27Bとを備えており、ガイド軸部27Bがリフタースプリング22の内周部に挿入されている。
このBPF調整ネジ27をねじ込んで下方に移動させると、リフタースプリング22は連結プレート25とBPF調整ネジ27のネジ本体27Aとによって押圧されて収縮される。つまり、大きな初期荷重が与えられることになる。この場合、リフタースプリング22が所定量(本実施形態では0.56mm)だけ収縮するためには、大きな荷重が必要となりBPF設定荷重が大きくなる。
一方、BPF調整ネジ27を緩めて上方に移動させると、リフタースプリング22は連結プレート25とBPF調整ネジ27のネジ本体27Aと間で伸長し、初期荷重が小さくなる。この場合、リフタースプリング22が所定量(本実施形態では0.56mm)だけ収縮するための荷重が小さくなりBPF設定荷重が小さくなる。
一方、BPF調整ネジ27を緩めて上方に移動させると、リフタースプリング22は連結プレート25とBPF調整ネジ27のネジ本体27Aと間で伸長し、初期荷重が小さくなる。この場合、リフタースプリング22が所定量(本実施形態では0.56mm)だけ収縮するための荷重が小さくなりBPF設定荷重が小さくなる。
リフター本体23(ベースプレート21)の軸線N方向の位置を制御する変位制御部30は、リフターカム31とこのリフターカム31のカム面32に沿って上下動するカムフォロワ35とで構成されている。
カムフォロワ35は、前述した連結軸部36と、この連結軸部36の下端に接続されたフォロワ本体37と、フォロワ本体37の下端に配設され、カム面32に沿って転動するカムローラ38と、を備えている。
リフターカム31は、図1に示すように概略円環状をなしており、その上面がリフター本体23を変位させるカム面32とされ、円環の周方向においてカム面32の高さが変化するように構成されている。なお、本実施形態では、カムフォロワ35は、図1に示すリフターカム31を時計回りに回動するように構成されている。
カムフォロワ35は、前述した連結軸部36と、この連結軸部36の下端に接続されたフォロワ本体37と、フォロワ本体37の下端に配設され、カム面32に沿って転動するカムローラ38と、を備えている。
リフターカム31は、図1に示すように概略円環状をなしており、その上面がリフター本体23を変位させるカム面32とされ、円環の周方向においてカム面32の高さが変化するように構成されている。なお、本実施形態では、カムフォロワ35は、図1に示すリフターカム31を時計回りに回動するように構成されている。
次に、本発明の実施形態である第1巻締ロール40について説明する。第1巻締ロール40は、チャック部11とリフター部20とによって挟持された缶蓋1及び缶胴5に対して径方向外方から摺接させることにより、缶蓋1のカール部4と缶胴5のフランジ部9とを径方向外方に巻き込むように加工するものである。
この第1巻締ロール40は、概略円板状をなし、外周面に第1巻締ロール40の径方向内方に向けて成形凹部41が設けられており、回転軸R1を中心に自転可能な構成とされている。なお、本実施形態では、軸線Nと回転軸R1とが互いに平行に延びるように配設されている。
この第1巻締ロール40は、概略円板状をなし、外周面に第1巻締ロール40の径方向内方に向けて成形凹部41が設けられており、回転軸R1を中心に自転可能な構成とされている。なお、本実施形態では、軸線Nと回転軸R1とが互いに平行に延びるように配設されている。
第1巻締ロール40の成形凹部41の拡大図を図4に示す。成形凹部41は、第1巻締ロール40の径方向内方(図4において左方)に位置する底部42と、この底部42に連なり軸線N方向上方側(図4において上方側)に位置する上顎部43と、底部42に連なり軸線N方向下方側(図4において下方側)に位置する下顎部44と、を備えている。本実施形態では、上顎部43が大きく第1巻締ロール40の径方向外方に突出し、下顎部44が上顎部43よりも第1巻締ロール40の径方向内方に後退して設けられている。
そして、成形凹部41の下顎部44には、回転軸R1に沿った断面における輪郭線の接線Tが、成形凹部41の開口部側(第1巻締ロール40の径方向外方)に向かうにしたがい漸次回転軸R1方向上方に向かうように傾斜する折り上げ部45が設けられている。本実施形態では、軸線Nに直交する基準平面Sと接線Tとがなす角度αは、1°≦α≦5°の範囲内に、より好ましくは2°≦α≦4°の範囲内に設定されており、本実施形態では、α=3°に設定されている。
次に、第2巻締ロール50について説明する。第2巻締ロール50は、第1巻締ロール40によって径方向外方に巻き込むように加工された缶蓋1のカール部4と缶胴5のフランジ部9とを径方向内方へと押圧して潰し加工を行うものである。
ここで、第2巻締ロール50は、概略円板状をなし、外周面に第2巻締ロール50の径方向内方に向けて凹んだ加工溝51が設けられており、軸線Nに平行な回転軸R2を中心に自転可能な構成とされている。。
ここで、第2巻締ロール50は、概略円板状をなし、外周面に第2巻締ロール50の径方向内方に向けて凹んだ加工溝51が設けられており、軸線Nに平行な回転軸R2を中心に自転可能な構成とされている。。
次に、このような構成とされた缶の巻締め装置10を用いた缶の製造方法について説明する。
まず、リフター部20のベースプレート21の上に缶胴5が載置されるとともに、缶胴5のフランジ部9の上に缶蓋1が載置される。このとき、カムフォロワ35はカム面31が低くなった部分にあり、図2に示すように、チャック部11とベースプレート21の上に載置された缶胴5及び缶蓋1とは離間した状態とされている。また、BPF調整ネジ27によってリフタースプリング22に初期荷重が負荷されることでBPFが設定されており、本実施形態では、BPFが55kgf(539N)に設定されている。
まず、リフター部20のベースプレート21の上に缶胴5が載置されるとともに、缶胴5のフランジ部9の上に缶蓋1が載置される。このとき、カムフォロワ35はカム面31が低くなった部分にあり、図2に示すように、チャック部11とベースプレート21の上に載置された缶胴5及び缶蓋1とは離間した状態とされている。また、BPF調整ネジ27によってリフタースプリング22に初期荷重が負荷されることでBPFが設定されており、本実施形態では、BPFが55kgf(539N)に設定されている。
この状態でカムフォロワ35がリフターカム31の上を転動し、カム面32が高くなる位置においてカムフォロワ35によってリフター本体23が上方に移動し、缶胴5及び缶蓋1がチャック部11に向けて近接していき、図3に示すように、チャック部11とリフター本体23(ベースプレート21)とによって缶蓋1及び缶胴5が挟持される。このとき、ベースプレート21には軸線N方向の荷重が作用し、この荷重が初期たわみ荷重を超えた場合には、リフタースプリング22が収縮することになる。これにより、缶胴5及び缶蓋1は、リフタースプリング22によって常にチャック部11側に押圧される。
このようにしてチャック部11とリフター本体23(ベースプレート21)とによって缶蓋1及び缶胴5が挟持された状態で軸線N方向に押圧されることで、缶胴5のフランジ部9が径方向外方に向けて延びるように変形させられることになる。
チャック部11とリフター本体23(ベースプレート21)とによって缶蓋1及び缶胴5が挟持された状態で、第1巻締ロール40が缶胴5及び缶蓋1に径方向外方から摺接し、第1巻締ロール40の成形凹部41に、缶蓋1のカール部4と缶胴5のフランジ部9とが挿入される。
そして、成形凹部41の下顎部44にカール部4の先端が当接されるとともに、カール部4の軸線N方向上端側が成形凹部41の上顎部43に当接される。さらに、この状態で第1巻締ロール40を近接すると、カール部4の先端が下顎部44に沿って折り曲げられる。
そして、成形凹部41の下顎部44にカール部4の先端が当接されるとともに、カール部4の軸線N方向上端側が成形凹部41の上顎部43に当接される。さらに、この状態で第1巻締ロール40を近接すると、カール部4の先端が下顎部44に沿って折り曲げられる。
ここで、本実施形態では、第1巻締ロール40の下顎部44に、回転軸R1に沿った断面における輪郭線の接線Tが、成形凹部41の開口部側(第1巻締ロール40の径方向外方)に向かうにしたがい漸次回転軸R1方向上方に向かうように傾斜する折り上げ部45が設けられており、第1巻締ロール40の回転軸R1と軸線Nとが互いに平行に配置されているので、この折り上げ部45に沿ってカール部4の先端が缶蓋1の軸線Nに近接する(第1巻締ロール40の径方向外方に向かう)にしたがい漸次軸線N方向上方へと向かうように折り曲げられる。この状態でさらに第1巻締ロール40を近接すると、カール部4の先端が缶胴5のフランジ部9の裏側に向くように巻き込まれる(巻き込み工程S1)。
第1巻締ロール40による加工(巻き込み工程S1)が終了した後に、第2巻締ロール50が缶胴5及び缶蓋1に径方向外方から摺接し、加工溝51によって缶蓋1のカール部4と缶胴5のフランジ部9とが径方向内方に向けて押圧される(潰し工程S2)。
このあと、カムフォロワ35はカム面31が低くなった部分に移動して、リフター本体23が下方側へと後退し、成形された缶が取り出される。
このように巻き込み工程S1と潰し工程S2とによって、図8に示すような二重巻締め部60が形成され、缶蓋1が缶胴5のフランジ部9に装着される。
このあと、カムフォロワ35はカム面31が低くなった部分に移動して、リフター本体23が下方側へと後退し、成形された缶が取り出される。
このように巻き込み工程S1と潰し工程S2とによって、図8に示すような二重巻締め部60が形成され、缶蓋1が缶胴5のフランジ部9に装着される。
このような構成とされた本実施形態である缶の巻締め装置10、第1巻締ロール40及び缶の製造方法によれば、第1巻締ロール40による巻き込み工程S1において、缶蓋1のカール部4が、成形凹部41の下顎部44に沿って、軸線Nに近づくにしたがい漸次軸線N方向上方に向かって案内されることになり、缶蓋1のカール部4の先端が缶胴5の外周面に当接することがなく曲げられるので、缶胴5のフランジ部9を成形凹部41の上顎部43に向けて押圧することでフランジ部9を径方向外方に向けて延びるように変形させることが可能となる。これにより、荷重を大きくすることなくボディフック量BHを十分に確保でき、缶の密封性の向上を図ることができる。
また、成形凹部41の下顎部44における接線Tと軸線Nに対して直交する平面Sとがなす角度αが、1°≦α≦5°の範囲内に、さらに好ましくは2°≦α≦4°の範囲内に、本実施形態では、α=3°に設定されているので、成形凹部41の開口部が確保されてフランジ部9及びカール部4を成形凹部41内に確実に挿入することができるとともに、カール部4を折り曲げて缶蓋1のカール部4の先端が缶胴5の外周面に当接することを確実に防止することが可能となる。
さらに、缶蓋1及び缶胴5の軸線Nと第1巻締ロール40の回転軸R1とを平行に配置した状態で近接させても、成形凹部41に形成された折り上げ部45によって缶蓋1のカール部4を缶胴5及び缶蓋1の軸線Nに近接する方向に向かうにしたがい漸次軸線N方向上方に向かって案内することができ、缶蓋1のカール部4の先端が缶胴5の外周面に当接することがなく、缶胴5のフランジ部9を成形凹部41の上顎部43に向けて押圧することでフランジ部9を径方向外方に向けて延びるように変形させてボディフック量BHを十分に確保することができる。
次に、本発明の第2の実施形態である缶の巻締め装置110について図5、図6を参照して説明する。なお、第1の実施形態である缶の巻締め装置10と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本発明の第2の実施形態である缶の巻締め装置110においては、前述の第1の実施形態である缶の巻締め装置10とは、第1巻締ロール140の構成のみが異なっている。
本発明の第2の実施形態である缶の巻締め装置110においては、前述の第1の実施形態である缶の巻締め装置10とは、第1巻締ロール140の構成のみが異なっている。
この第1巻締ロール140は、概略円板状をなし、外周面に第1巻締ロール140の径方向内方に向けて凹んだ成形凹部141が設けられている。ここで、この第1巻締ロール140の回転軸R11は、チャック部11とリフター部20とによって挟持された缶蓋1及び缶胴5の軸線Nに対して、軸線N方向上方に向かうにしたがい漸次軸線Nから離間するように傾斜して配置されている。
このように傾斜して配置された第1巻締ロール140の成形凹部141の拡大図を図6に示す。成形凹部141は、第1巻締ロール140の径方向内方に位置する底部142と、この底部142に連なり軸線N方向上方側(図6において上方側)に位置する上顎部143と、底部142に連なり軸線N方向下方側(図6において下方側)に位置する下顎部144と、を備えている。本実施形態では、上顎部143が大きく第1巻締ロール140の径方向外方に突出し、下顎部144が上顎部143よりも第1巻締ロール140の径方向内方に後退して設けられている。
そして、成形凹部141の上顎部143及び下顎部144は、第1巻締ロール140の径方向外方に向かうにしたがい互いに離間するように構成されている。下顎部144は、軸線Nと回転軸R11とを前述のように傾斜して配置することにより、軸線N及び下顎部144とカール部4との接触点を通る断面における下顎部144の輪郭線の接線Tが、軸線Nに近づくにしたがい漸次軸線N方向上方に向かうように傾斜して配置されることなる。
ここで、軸線Nと回転軸R11とは、同一平面上において傾斜角度βで交差するように配設されており、この傾斜角度βは、1°≦β≦10°の範囲内に、より好ましくは、1°≦β≦6°の範囲内に設定されており、本実施形態では、β=6°とされている。
また、第1巻締ロール140の回転軸R11に直交する平面S´と成形凹部141の下顎部144の前記接線Tとがなす角度γは、−9°≦γ<0°の範囲内とされ、さらに好ましくは、−4°≦γ<0°の範囲内に設定されており、本実施形態では、γ=−3°とされている。
また、第1巻締ロール140の回転軸R11に直交する平面S´と成形凹部141の下顎部144の前記接線Tとがなす角度γは、−9°≦γ<0°の範囲内とされ、さらに好ましくは、−4°≦γ<0°の範囲内に設定されており、本実施形態では、γ=−3°とされている。
そして、前述のように軸線Nと回転軸R11との傾斜角度β、回転軸R11に直交する平面S´と成形凹部141の下顎部144の接線Tとがなす角度γが設定されることによって、軸線Nに直交する基準平面Sと接線Tとがなす角度αは、1°≦α≦5°の範囲内に、より好ましくは2°≦α≦4°の範囲内に設定されており、本実施形態では、α=3°に設定されている。
このような第1巻締ロール140を備えた缶の巻締め装置110においては、チャック部11とリフター本体23(ベースプレート21)とによって缶蓋1及び缶胴5が挟持された状態で、第1巻締ロール140が缶胴5及び缶蓋1に径方向外方から摺接し、第1巻締ロール140の成形凹部141に、缶蓋1のカール部4と缶胴5のフランジ部9とが挿入される。そして、成形凹部141の下顎部144にカール部4の先端が当接されるとともに、カール部4の軸線N方向上端側が成形凹部141の上顎部143に当接される。さらに、この状態で第1巻締ロール140を近接することで、カール部4の先端が下顎部144に沿って折り曲げられる。
ここで、軸線N及び下顎部144とカール部4との接触点を通る断面における下顎部144の輪郭線の接線Tが、軸線Nに近づくにしたがい漸次軸線N方向上方に向かうように傾斜するように配設されているので、この下顎部144に沿ってカール部4の先端が缶蓋1の軸線Nに近接するにしたがい漸次軸線N方向上方へと向かうように折り曲げられることになる。この状態でさらに第1巻締ロール140を近接すると、カール部4の先端が缶胴5のフランジ部9の裏側に向くように巻き込まれる。
このような構成とされた第2の実施形態である缶の巻締め装置110によれば、成形凹部140の形状を従来と同様に、成形凹部141の上顎部143及び下顎部144が第1巻締ロール140の径方向外方に向かうにしたがい互いに離間するように、つまり、成形凹部140の開口部側に向かうにしたがい漸次開口幅が大きくなるように構成されていても、巻き込み工程S1において下顎部144の少なくとも一部を、軸線N及び下顎部144とカール部4との接触点を通る断面における下顎部144の輪郭線の接線Tが、軸線Nに近づくにしたがい漸次軸線N方向上方に向かうように傾斜して配置することが可能となる。
また、成形凹部141の上顎部143及び下顎部144が第1巻締ロール140の径方向外方に向かうにしたがい互いに離間するように構成されているので、缶蓋1のカール部4と缶胴5のフランジ部9とを成形凹部141の中に容易に挿入することができる。
また、成形凹部141の上顎部143及び下顎部144が第1巻締ロール140の径方向外方に向かうにしたがい互いに離間するように構成されているので、缶蓋1のカール部4と缶胴5のフランジ部9とを成形凹部141の中に容易に挿入することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、変位制御部を、リング状のリフターカムとカムフォロワとからなるものとして説明したが、これに限定されることはなく、軸線方向に移動可能なサーボモータと制御部とを備えたものであってもよい。
また、カムを用いる場合においても円環状をなすものでなくてもよい。また、カムフォロワの構成についても特に限定はない。
例えば、変位制御部を、リング状のリフターカムとカムフォロワとからなるものとして説明したが、これに限定されることはなく、軸線方向に移動可能なサーボモータと制御部とを備えたものであってもよい。
また、カムを用いる場合においても円環状をなすものでなくてもよい。また、カムフォロワの構成についても特に限定はない。
さらに、第1巻締ロール及び第2巻締ロールをそれぞれ1つずつ備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、第1巻締ロール及び第2巻締ロールはそれぞれ複数であってもよい。
また、BPFを55kgf(539N)に設定したもので説明したが、BPFの設定は、缶胴の形状、材質等を考慮して適宜設定することが好ましい。
また、BPFを55kgf(539N)に設定したもので説明したが、BPFの設定は、缶胴の形状、材質等を考慮して適宜設定することが好ましい。
以下に、本発明の効果を検証するために行った比較実験の結果について説明する。
比較例1として、成形凹部の上顎部と下顎部とが成形凹部の開口部側に近づくにしたがい漸次離間するように構成された第1巻締ロールを、第1巻締ロールの回転軸と缶蓋及び缶胴の軸線Nとが平行となるように配置し、BPF設定を55kgf(539N)として缶の巻き締めを行った。
比較例2として、比較例1と同じ第1巻締ロールを使用し、第1巻締ロールの回転軸と缶蓋及び缶胴の軸線Nとを平行に配置し、BPF設定を63kgf(617N)として缶の巻き締めを行った。
比較例1として、成形凹部の上顎部と下顎部とが成形凹部の開口部側に近づくにしたがい漸次離間するように構成された第1巻締ロールを、第1巻締ロールの回転軸と缶蓋及び缶胴の軸線Nとが平行となるように配置し、BPF設定を55kgf(539N)として缶の巻き締めを行った。
比較例2として、比較例1と同じ第1巻締ロールを使用し、第1巻締ロールの回転軸と缶蓋及び缶胴の軸線Nとを平行に配置し、BPF設定を63kgf(617N)として缶の巻き締めを行った。
本発明例1として、成形凹部の下顎部に、軸線と回転軸とを平行に配置した状態で前記軸線及び前記回転軸に沿った断面における輪郭線の接線が成形凹部の開口部側(第1巻締ロールの径方向外方)に向かうにしたがい漸次軸線方向上方に向かうように傾斜する折り上げ部を備えた第1巻締ロールを、第1巻締ロールの回転軸と缶蓋及び缶胴の軸線Nとが平行となるように配置し、BPF設定を55kgf(539N)として缶の巻き締めを行った。このとき前記接線と軸線に対して直交する平面とがなす角度αを、α=3°に設定した。
本発明例2として、比較例1と同じ第1巻締ロールを使用し、第1巻締ロールの回転軸が缶蓋及び缶胴の軸線に対して、軸線方向上方に向かうにしたがい漸次軸線から離間するように傾斜して配置し、BPF設定を55kgf(539N)として缶の巻き締めを行った。このとき、成形凹部の下顎部の少なくとも一部においては、軸線及び下顎部とカール部との接触点を通る断面における下顎部の輪郭線の接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置した。このとき前記接線と軸線に対して直交する平面とがなす角度αを、α=3°に設定した。
前述のように巻き締めることで成形された缶の二重巻き締め部のボディフック量BHと、巻き締め加工時の軸線方向荷重(リフター荷重)の最大値を比較した。また、カール部の先端が缶胴の外周面に当接することによって発生し、穴あき、漏洩の原因となるリバースリンクルの発生缶数を比較した。比較結果を表1に示す。
表1に示すように、BPF設定を55kgf(539N)とした比較例1では、軸線方向荷重が600N以下とされ、缶胴の座屈変形の発生は抑えられるが、二重巻き締め部のボディフック量BHが1.7mmと小さく、また、リバースリンクルの発生缶数も20缶中9缶と多く、密封性に劣っている。
一方、BPF設定を63kgf(617N)とした比較例2では、二重巻き締め部のボディフック量BHが1.75mmであって密封性が確保されているものの、軸線方向荷重が大きくなることで、缶胴の座屈変形が発生するおそれがある。
一方、BPF設定を63kgf(617N)とした比較例2では、二重巻き締め部のボディフック量BHが1.75mmであって密封性が確保されているものの、軸線方向荷重が大きくなることで、缶胴の座屈変形が発生するおそれがある。
これに対して、本発明例1,2においては、二重巻き締め部のボディフック量BHが1.75mmであって密封性が確保されており、さらに、軸線方向荷重を上げる必要がないため、缶胴の座屈変形の発生を抑えることができることが確認された。また、リバースリンクルの発生もなく良好であった。
このように本発明によれば、二重巻締め部のボディフック量BHを確保することで密封性の良い缶を成形可能な缶の巻締め装置を提供することができる。
このように本発明によれば、二重巻締め部のボディフック量BHを確保することで密封性の良い缶を成形可能な缶の巻締め装置を提供することができる。
1 缶蓋
4 カール部
5 缶胴
9 フランジ部
10 缶の巻締め装置
11 チャック部
20 リフター部
40 第1巻締ロール
41 成形凹部
43 上顎部
44 下顎部
45 折り上げ部
50 第2巻締ロール
N 軸線
S1 巻き込み工程
S2 潰し工程
T 接線
4 カール部
5 缶胴
9 フランジ部
10 缶の巻締め装置
11 チャック部
20 リフター部
40 第1巻締ロール
41 成形凹部
43 上顎部
44 下顎部
45 折り上げ部
50 第2巻締ロール
N 軸線
S1 巻き込み工程
S2 潰し工程
T 接線
Claims (6)
- 径方向外側に巻き返されたカール部を備えた缶蓋を、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に密着させて巻き締めて缶を成形する缶の製造方法であって、
前記缶胴及び前記缶蓋を前記缶胴の軸線方向に挟持するとともに前記軸線回りに回転させ、径方向外方側から、第1巻締ロールを摺接させて前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する巻き込み工程と、
前記巻き込み工程によって加工された前記フランジ部及び前記カール部を第2巻締ロールを用いて径方向内方に向けて押圧する潰し工程と、を有し、
前記第1巻締ロールは、その外周面に、前記軸線方向上側に位置する上顎部と前記軸線方向下側に位置する下顎部とを有する成形凹部が形成されており、
前記巻き込み工程において、前記下顎部の少なくとも一部は、前記軸線、及び前記下顎部と前記カール部との接触点、を通る断面における輪郭線の接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置されていることを特徴とする缶の製造方法。 - 前記巻き込み工程において、前記接線と前記軸線に対して直交する平面とがなす角度αが、1°≦α≦5°の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の缶の製造方法。
- 前記第1巻締ロールは、前記軸線と前記第1巻締ロールの回転軸とを平行に配置した状態で、前記接線が前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜する折り上げ部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の缶の製造方法。
- 前記巻き込み工程において、前記第1巻締ロールの前記回転軸が、前記軸線方向上方に向かうにしたがい漸次前記軸線から離間するように、前記軸線に対して傾斜して配置され、前記接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の缶の製造方法。
- 径方向外側に巻き返されたカール部を備えた缶蓋を、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に密着させて巻き締めて缶を成形する際に用いられ、前記缶胴及び前記缶蓋に対して、径方向外方から摺接して前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する第1巻締ロールであって、
外周面に、前記軸線方向上側に位置する上顎部と前記軸線方向下側に位置する下顎部とを有する成形凹部が形成され、
前記成形凹部には、回転軸に沿った断面における前記下顎部の輪郭線の接線が前記成形凹部の開口部側に向かうにしたがい漸次前記回転軸方向上方に向かうように傾斜する折り上げ部が設けられていることを特徴とする第1巻締ロール。 - 径方向外側に巻き返されたカール部を備えた缶蓋を、缶胴の開口部に設けられたフランジ部に密着させて巻き締めて缶を成形する缶の巻締め装置であって、
前記缶蓋に当接されるチャック部と、
前記缶胴を保持して軸線回りに回転駆動するとともに前記軸線方向に上下動するリフター部と、
前記チャック部及び前記リフター部によって前記軸線方向に挟持されるとともに前記軸線回りに回転される前記缶胴及び前記缶蓋に対して、回転軸回りに回転しながら径方向外方から摺接して前記フランジ部と前記カール部とを巻き込むように加工する第1巻締ロールと、
該第1巻締ロールによって巻き込まれた前記フランジ部と前記カール部とをさらに径方向内方に向けて押圧する第2巻締ロールと、を有し、
前記第1巻締ロールは、その外周面に前記フランジ部及び前記カール部が挿入される成形凹部が形成され、この成形凹部は、第1巻締ロールの径方向外方を向く底部と、この底部に連なり前記軸線方向上側に位置する上顎部と、底部に連なり前記軸線方向下側に位置する下顎部と、を有しており、
前記下顎部の少なくとも一部は、前記軸線、及び前記下顎部と前記カール部との接触点、を通る断面における前記下顎部の輪郭線の接線が、前記軸線に近づくにしたがい漸次前記軸線方向上方に向かうように傾斜して配置されていることを特徴とする缶の巻締め装置。
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---|---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-06-03 JP JP2008145485A patent/JP2009291794A/ja active Pending
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