JP2018016371A - 缶の二重巻締め部構造及び二重巻締め方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄肉の缶蓋材を使用しても強度を低下させることなく、確実に密封性を確保し得る缶の二重巻締め部構造を提供する。【解決手段】缶胴と缶蓋とにより形成された二重巻締め部の下部に、その下端部を半径方向内方に向けて屈曲する屈曲部が周方向に沿って形成されており、該屈曲部は、缶蓋のシーミングウォール部の下端部及び該シーミングウォール部から折り返すカバーフック部の下端部が半径方向内方に向けて屈曲されるとともに、これらシーミングウォール部とカバーフック部との間に、屈曲した状態の缶胴のボディーフック部の下端部が入り込んで構成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は缶胴の開口端部に缶蓋の外周部を二重に巻締めてなる缶の二重巻締め部構造及び二重巻締め方法に関する。
清涼飲料等が充填される缶においては、有底円筒状の缶胴の開口部に缶蓋の外周部が二重巻締めされている。このような缶の二重巻締め部は、予め、缶胴の開口端部にフランジ部を形成するとともに、缶蓋の外周部にカール部を形成しておき、缶胴のフランジ部に缶蓋のカール部を被せた状態でこれらを一体に外側にカールさせ、缶蓋のカール部を缶胴のフランジ部の外方から鉤状に折り返しながら抱き合わせるようにして巻き込んで、その巻込み部分をさらに半径方向外方から押しつぶすように押圧することにより、缶蓋のカール部内面に塗布されたコンパウンドを缶胴と缶蓋との間に圧縮状態に介在させて密封した構造とされる。
具体的には、缶胴側においては、フランジ部が折り返されてなるボディーフック部が胴体部の半径方向外側に上端から下方に向けて形成されており、缶蓋側においては、缶胴の胴体部内に入り込んだチャックウォール部の上端からボディーフック部上端の折り返し部分を覆うシーミングパネル部が連続し、そのシーミングパネル部の外周縁から下方に延びるシーミングウォール部がボディーフック部の半径方向外側に配置され、そのシーミングウォール部の下端縁から鉤状に折り返して連続するカバーフック部がボディーフック部と缶胴の胴体部との間に下方から入り込んだ構造とされる。
近年では、コスト低減等のため、缶蓋材を薄肉化することが求められている。このような薄肉の缶蓋材による二重巻締め部構造においては、缶蓋材の強度低下に伴い、二重巻締め部の強度が低下し、内圧上昇により缶胴に対して缶蓋が持ち上げられるように移動して、内容物の漏れや密封材であるコンパウンドが二重巻締め部からはみ出すなどの不具合が生じ易い。また、内圧によって缶蓋が反転するようにバックリングし、あるいは、飲料缶を収容したカートンケースごとの落下により側方から衝撃が加わった時に二重巻締め部が径方向に歪んでバックリングするなどのおそれもある。
このような缶蓋材の薄肉化に対応して密封性を確保した二重巻締め部構造として、例えば特許文献1には、二重巻締め部のカバーフック部の上端よりも上方位置で缶蓋のシーミングウォール部の上部及びその内側の缶胴のボディーフック部を半径方向内方に押し潰して上部段差部を形成したものが開示されている。また、この上部段差部に代えて、又は上部段差部とともに、ボディーフック部の下端よりも下方位置でシーミングウォール部の下部を押し潰して下部段差部を形成したものも開示されている。
このような二重巻締め部構造とすることにより、内圧が作用したときの缶蓋の移動が段差部により抑止されるので、薄肉の蓋材が用いられた場合でも良好な密封性が維持されると記載されている。
特開2012−101854号公報
しかしながら、コスト低下の要求から缶蓋材の薄肉化の傾向がますます強くなってきており、二重巻締め部の変形強度をさらに高めて、密封性を確実に維持できることが要求されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、薄肉の缶蓋材を使用しても強度を低下させることなく、確実に密封性を確保し得る缶の二重巻締め部構造及び二重巻締め方法を提供することを目的とする。
本発明の缶の二重巻締め部構造は、缶胴と缶蓋とにより形成された二重巻締め部の下部に、その下端部を半径方向内方に向けて屈曲する屈曲部が周方向に沿って形成されており、該屈曲部は、前記缶蓋のシーミングウォール部の下端部及び該シーミングウォール部から折り返すカバーフック部の下端部が半径方向内方に向けて屈曲されるとともに、これらシーミングウォール部とカバーフック部との間に、屈曲した状態の缶胴のボディーフック部の下端部が入り込んで構成されている。
二重巻締め部の下部の屈曲部において、缶蓋のシーミングウォール部の下部及びカバーフック部の下部が屈曲され、その間に缶胴のボディーフック部の下端部が屈曲した状態に入り込んでいることにより、二重巻締め部における径方向及び軸方向の剛性(変形強度)が高められる。したがって、内圧が作用したときに、缶蓋が缶胴に対して持ち上がる現象を抑止することができ、また、カートンケースごと落下するなどの側方からの衝撃を受けても変形が少なく、密封性を確実に維持することができる。
前述した特許文献1記載の構造の場合、二重巻締め部の外面に形成される段差部が外観を損なうおそれがあるが、本発明の構造であると、二重巻締め部の上部は通常の円滑な外面であり、下部においても半径方向内方に屈曲した形状で、特許文献1記載のような段差部が形成されないので、外観への影響は少ない。
本発明の缶の二重巻締め部構造において、前記缶蓋のチャックウォール部は、二重巻締め部の最内周部を構成する上端部に対して下端部を半径方向内方に向けて湾曲する湾曲部を有するとともに、該チャックウォール部の前記外向き湾曲部は、前記二重巻締め部の下端より上方に配置されており、前記缶胴は、前記チャックウォール部の前記外向き湾曲部よりも下方位置で半径方向内方に入り込む凹状湾曲部が周方向に沿って形成され、前記屈曲部により半径方向内方に向けられた前記カバーフック部の前記下端部が前記凹状湾曲部の外側から前記凹状湾曲部内に入り込んでいるとよい。
チャックウォール部の外向き湾曲部よりも下方位置で二重巻締め部が屈曲するように設けられているので、内圧によって缶蓋が缶胴に対して上方に移動しようとする場合には、缶胴の凹状湾曲部内に入り込んでいるカバーフック部の下端部が缶胴の凹状湾曲部の上側壁面に当接して、その上方移動が抑止される。また、この内圧作用時に、これらカバーフック部の下端部の外面と缶胴の凹状湾曲部の上側壁面とが圧接状態となるので、二重巻締め部における缶胴と缶蓋との間に設けられるコンパウンドが缶胴と缶蓋のカバーフック部との間から漏れ出ることも防止される。
本発明の缶の二重巻締め部構造において、前記二重巻締め部の上端から前記二重巻締め部の前記屈曲部の外面における屈曲位置までの距離が、前記二重巻締め部の全体高さの60%以上85%以下であるのが好ましい。
二重巻締め部の上端部においては、通常の二重巻締め部と同様に、上端部と下端部とで二回折返し状態となる缶蓋により3枚分の缶蓋材と、上端部で一回折返し状態となる缶胴により2枚分の缶胴材とが厚さ方向に強固に圧迫された状態の巻締め構造を確保する必要があり、二重巻締め部の上端から屈曲位置までの距離が短すぎると、二重巻締め部の上端部で厚さ方向に圧迫された状態の巻締め構造部分を十分に確保することが難しく、その距離が長すぎると、屈曲部よりも下方部分において半径方向内方に入り込む部分が小さくなって、内圧作用時の缶胴に対する缶蓋の移動抑止効果が低減する。
本発明の缶の二重巻締め方法は、缶胴のフランジ部に缶蓋の外周部を被せた状態で前記缶蓋内にチャックを嵌合し、前記缶蓋のカール部を第1巻締めロールによって半径方向内方に押しながら前記カール部と前記フランジ部とを巻き込んで第1巻締め部を形成し、その後、前記第1巻締め部を第2巻締めロールによって半径方向内方に押しながら、前記第1巻締め部の下部を半径方向内方に向けて屈曲しつつ、前記第1巻締め部の上部を前記チャックと前記第2巻締めロールとの間で押圧することにより、二重巻締め部の下部に前記缶胴のボディーフック部の下端部を屈曲させた状態の屈曲部を形成する。
本発明の缶の二重巻締め部構造によれば、薄肉の缶蓋材を使用しても、内圧作用時に缶蓋が缶胴に対して持ち上がる現象を抑止するとともに、カートンケースごとの落下の際の側方からの衝撃に対しても変形しにくく、確実に密封性を確保することができる。また、外面形状に与える影響が小さいので、外観を損なうことも少ない。
本発明の一実施形態の二重巻締め部構造を示す縦断面図である。 図1の二重巻締め部構造を構成する缶胴及び缶蓋とチャック及び第1巻締めロールとの巻締め前の関係を示す縦断面図である。 図2に示す状態から、第1巻締めロールを接近させて第1巻締め部を形成した状態を示す縦断面図である。 図3に示す状態から、第2巻締めロールにより二重巻締め部を形成した状態を示す縦断面図である。 図2及び図3で用いられているチャックと第1巻締めロールとの関係を示す切断端面図である。 図4で用いられているチャックと第2巻締めロールとの関係を示す切断端面図である。 一実施形態の二重巻締め部を形成するための巻締め装置の一部を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の二重巻締め部構造は、図1に示すように、缶胴10の開口端部に缶蓋20の周縁部が抱き合わせられるように巻き込まれている。この図1に示すように、缶蓋20を上方に向けた姿勢で缶軸方向に沿って上下方向を特定するものとする。
缶胴10は、有底円筒状の胴体部11と、この胴体部11の上端から外周側に折り返されて下方に向けて延びるボディーフック部12とを有する。
缶蓋20は、その中心部に配置され、缶胴10の胴体部11より小径の円盤状をなすパネル部21と、パネル部21の外周縁に連なり下方に凸となるように折り返されて環状溝を形成するカウンターシンク部22と、カウンターシンク部22の外周縁に連なり、胴体部11の内周を覆うように上方に延びるチャックウォール部23と、チャックウォール部23の外周縁から外周側に折り返され、缶胴10の上端部の上に被さるように配置されたシーミングパネル部24と、シーミングパネル部24の外周縁から下方に向けて延び缶胴10のボディーフック部12の外周を覆うように設けられたシーミングウォール部25と、シーミングウォール部25の下端から半径方向内方に向けて折り返されて上方に延びボディーフック部12と胴体部11との間に下方から入り込むように設けられたカバーフック部26とを有する。
カウンターシンク部22は、パネル部21に連なる内側壁部22aと、この内側壁部22aの下縁に連続する折り返し部22bと、この折り返し部22bの外周縁に連続する外側壁部22cとにより形成される。折り返し部22bは、その縦断面において、複数の円弧により形成してもよいし、単一の円弧によって形成してもよい。外側壁部22cは上方に向かうにしたがって拡径するように傾斜している。
チャックウォール部23は、その高さ方向の中間部に湾曲部31,32が上下二箇所形成されており、カウンターシンク部22の外側壁部22cの上端から半径方向内方に向けて凸となるように湾曲した内向き湾曲部31と、内向き湾曲部31の上端から半径方向外方に向けて凸となるように湾曲した外向き湾曲部32と、外向き湾曲部32の上端からほぼ垂直に立ち上がり、シーミングパネル部24の内周縁に連なるバックアップ壁部33とから構成される。
なお、図1に示す例では、カウンターシンク部22の外側壁部22cと内向き湾曲部31との間、両湾曲部31,32の間は直接繋がった形状とされているが、これらの間のいずれか又は両方に、それぞれ円錐面状のテーパー部が形成されていてもよい。
そして、缶蓋20のチャックウォール部23、カウンターシンク部22及びパネル部21が缶胴10の胴体部11内に配置され、バックアップ壁部33からシーミングパネル部24、シーミングウォール部25、カバーフック部26、及びこれらの間に入り込んでいる缶胴10の胴体部11の上端部からボディーフック部12により、二重巻締め部100が構成されている。この図1に示すように、二重巻締め部100は、缶蓋20のバックアップ壁部33が最内周部に配置され、シーミングウォール部25が最外周部に配置される。
また、缶蓋20のカバーフック部26の先端と缶胴10の胴体部11からボディーフック部12にかけた折り返し部との間のアッパークリアランス部5A、及びボディーフック部12の先端と缶蓋20のシーミングウォール部25からカバーフック部26にかけた折り返し部との間のロワークリアランス部5Bに、それぞれ密封材としてのコンパウンド5が圧縮状態で設けられている。
また、この二重巻締め部100において、その下端は、缶蓋20のチャックウォール部23に形成されている外向き湾曲部32と内向き湾曲部31との接続点と同じ高さか、それよりも下方に配置されており、この二重巻締め部100の下部に、その下端部を半径方向内方に向けて屈曲する屈曲部41が周方向に沿って形成されている。この屈曲部41は、缶蓋20のシーミングウォール部25の下端部及びカバーフック部26の下端部が半径方向内方に向けて屈曲されるとともに、これらシーミングウォール部25とカバーフック部26との間に、これらと同様に屈曲した状態の缶胴10のボディーフック部12の下端部が入り込んで構成されている。
また、缶胴10の胴体部11も、チャックウォール部23の外向き湾曲部32の外面形状に添うように屈曲されている。このため、その屈曲部分よりも下方位置に半径方向内方に入り込む凹状湾曲部42が周方向に沿って形成されており、チャックウォール部23の外向き湾曲部32の下方に潜り込むように配置されている。
このように構成した二重巻締め部構造の好ましい寸法例は以下の通りである。
缶胴10のフランジ部12の板厚:0.14mm〜0.19mm
缶蓋20の板厚:0.200mm〜0.235mm
二重巻締め部100の全体高さ(巻締め幅):W=2.00mm〜3.15mm
このうち、二重巻締め部100の上端から屈曲部41の外面における屈曲位置Qまでの距離Lは、二重巻締め部100の全体高さ(巻締め幅)Wの60%以上85%以下の範囲に設定するとよい。
次に、このような二重巻締め部構造を得るための巻締め方法について説明する。
図2に、二重巻締めされる前の缶胴10´と缶蓋20´とを示す。巻締め前の缶胴10´は、元板厚が0.230mm〜0.300mmのアルミニウム合金製板材を広口のカップ状に打ち抜いた後、さらに絞りしごき加工(DI加工)することにより形成したストレートの有底円筒状の胴体部11の開口端部を若干縮径した上で拡径して、胴体部11の上端から半径方向外方に広がるフランジ部13が形成された形状である。
一方、巻締め前の缶蓋20´は、元板厚が0.235mm以下、例えば0.200mm〜0.235mmのアルミニウム合金製蓋材をプレス成形することにより、缶胴10の胴体部11より小径の円形のパネル部21が中心部に形成されるとともに、パネル部21の外縁に環状溝を形成するカウンターシンク部22を介して、チャックウォール部23が上方に延びて形成され、チャックウォール部23の上端から半径方向外方に湾曲しながら延びる湾曲フランジ部27、湾曲フランジ部27から外側にカールされたカール部28が順次形成されている。チャックウォール部23の上部及び湾曲フランジ部27、カール部28は巻締め時に変形させられるが、チャックウォール部23の下部からカウンターシンク部22及びパネル部21は、巻締め前後の形状はほぼ同一に維持される。また、カール部28の内面には、コンパウンド5が塗布されている。
この缶胴10´と缶蓋20´との巻締めには、次のような巻締め装置が用いられる。
この巻締め装置は、図示略の巻締め機本体のターレットに、図7に示すように、缶胴10´を載置して軸心Xに沿う上下移動及び軸心X回りに回転駆動されるリフター51と、缶胴10´に被せた缶蓋20´を上方から押さえながら缶蓋20´の表面側に配置されるチャック52と、このチャック52とリフター51との間に挟持された状態で軸心X回りに回転させられる缶胴10´及び缶蓋20´に矢印で示すように半径方向外方位置から接近して巻締め加工を行う複数の第1巻締めロール53及び第2巻締めロール54との組み合わせからなる巻締めユニット55がターレットの周方向に間隔を開けて複数組設けられている。そして、これらリフター51、チャック52及び巻締めロール53,54は、巻締め機本体のターレットの旋回により、周方向に移動しつつリフター51とチャック52との間に缶胴10´及び缶蓋20´を受け入れてこれらを挟持した状態とし、巻締めロール53,54で巻き締めるようになっている。図7にはリフター51、チャック52及び巻締めロール53,54からなる巻締めユニット55を一組のみ示している。
この場合、チャック52は、リフター51と同一の軸心X上に配置され、その下部に、巻き締め時に巻締めロール53,54から加えられる半径方向内方に向けた押圧力をチャックウォール部23の上部の内側で支持する台金部61が半径方向外方に向けて形成され、その台金部61から下方に、図2に示すように、チャックウォール部23の内周面に対向するように湾曲したテーパー状部62が連続して延在し、そのテーパー状部62の下方に、カウンターシンク部22内に嵌合する環状突出部63が形成されている。テーパー状部62は、図2に示すように、缶蓋20´の外向き湾曲部(巻締め前の状態では曲率半径が巻締め後のものより大きいが、同一符号を付して説明する)32の内周面と対向する凸状湾曲面64と、内向き湾曲部31の内周面と対向する凹状湾曲面65とを連続させた形状とされ、これら凸状湾曲面64及び凹状湾曲面65の連続形状により、全体としては上方から下方に向けて漸次縮径するテーパー形状に形成されている。
また、環状突出部63をカウンターシンク部22に嵌合させた状態においては、台金部61からテーパー状部62の凸状湾曲面64及び凹状湾曲面65までの外面は、図2に示すように缶蓋20´のチャックウォール部23の内面との間にわずかに隙間が形成されるようになっており、この部分に隙間を形成した状態で、環状突出部63の先端部がカウンターシンク部22の外側壁部22cにくい込む寸法設定とされている。また、台金部61は、凸状湾曲面64の上端から上方に向けてθ=0°〜8°の範囲で垂直又はわずかに傾斜する方向に延びる円筒状表面によって形成されており(図5参照)、その軸方向の長さHは二重巻締め部100の全体高さ(巻締め幅)Wに対して38%〜58%の長さに形成される。また、この台金部61に連続する凸状湾曲面64の曲率半径R1は例えば0.3mm〜1.5mmに設定される。
一方、第1巻締めロール53は、図7に示す軸心Y1回りに回転自在に支持されており、その外周面には、図2、図3及び図5に示すように、缶蓋20´に接近したときに、缶蓋20´のカール部28を倣わせるように案内して巻き込む成形用凹部(これを第1成形用凹部と称する場合がある)71が周方向に沿って形成されている。この成形用凹部71は、第1巻締めロール53の軸心Y1方向の上側に位置する上鍔部72と、軸心方向下側に位置する下鍔部73との間に形成されており、上鍔部72から下鍔部73にかけて複数の円弧面を連続的に繋いだ形状とされている。この場合、その第1成形用凹部71の開口幅(軸方向の長さ)GWは、台金部61の長さHよりも大きく形成されている。この第1成形用凹部71の開口幅GWは、第1巻締めロール53の軸心Y1に沿った断面において、下鍔部73の最大外周位置から第1巻締めロール53の軸心Y1と平行に引いた垂線をZとし、第1成形用凹部71の下側表面(下鍔部73の上面)に形成される傾斜面71aの半径方向外側の端点から軸心Y1と直交する方向に引いた線をMとすると、垂線Zと線Mとの交点P1と、その垂線Zと第1成形用凹部71の上側表面(上鍔部72の下面)との交点P2との間の距離をいう。
また、第2巻締めロール54は、図7に示す軸心Y2回りに回転自在に支持されており、その外周面には、図4及び図6に示すように、第1巻締めロール53によって巻き込まれた状態(この状態の巻締め部を第1巻締め部101とする)の缶蓋20´と缶胴10´とを半径方向内方に押圧するための成形用凹部(これを第2成形用凹部と称する場合がある)75が周方向に沿って形成されている。この第2成形用凹部75は、上鍔部76と下鍔部77との間に形成されており、上鍔部76から連続する第2成形用凹部75の上部がほぼ円筒面状に形成され、そのほぼ円筒面が、第1巻締め部101を半径方向内方に押圧する押圧面75aとされ、その押圧面75aから下方部分が半径方向内方に向けて傾斜する傾斜面75bとされ、その傾斜面75bの下端に半径方向内方に突出する下鍔部77が連続して形成されている。
このような巻締め装置を用いた巻締めは、次のように行われる。
まず、図2に示すように、リフター(図7参照)51に載せた缶胴10´のフランジ部13に缶蓋20´の外周部の湾曲フランジ部27を被せ、その上方からチャック52を缶蓋20´に嵌合して、チャック52とリフター51との間で缶胴10´と缶蓋20´とを挟んだ状態とし、軸心X回りに回転する。そして、これらの半径方向外方から第1巻締めロール53を接近させて、缶蓋20´のカール部28と缶胴10´のフランジ部13とを半径方向内方に押しながら一体にカールさせ、缶蓋20´のカール部28を缶胴10´のフランジ部13の外方から鉤状に折り返しながら抱き合わせるようにして巻き込み、第1巻締め部101を形成する。
この場合、チャック52は、環状突出部63がカウンターシンク部22に食い込んで缶蓋20´との間でスリップすることを防止し、台金部61によりチャックウォール部23の上部の内周面を支持する。
一方、第1巻締めロール53の外周に形成されている成形用凹部71は、台金部61の長さHよりも大きい開口幅GWを有しているため、第1巻締め部101の巻締め幅WCは、台金部61の長さHよりも大きく形成される。なお、台金部61の長さHは、二重巻締め部100の耐圧力を向上させるためには短い方がよいが、カバーフック部26となる缶蓋20´の先端部を図3に示すように第1巻締めロール53によって確実に巻き上げるために二重巻締め部100の全体高さ(巻締め幅)Wの38%以上の長さは必要である。
次いで、リフター51とチャック52により保持されて回転する缶胴10´及び缶蓋20´の第1巻締め部101に、第2巻締めロール54を半径方向外方から接近させることにより、第1巻締め部101の外周部を第2巻締めロール54の成形用凹部75により半径方向内方に押圧し、成形用凹部75の押圧面75aによってチャック52の台金部61との間でさらに半径方向(板厚方向)に押しつぶす。このとき、第1巻締め部101の巻締め幅WCが台金部61の長さHよりも大きく形成されていることから、第1巻締め部101の下部はチャック52の台金部61による支持がない状態となっており、また、第2巻締めロール54の成形用凹部75の下部は傾斜面75bに形成されているため、第2巻締めロール54の押圧面75aと台金部61とにより第1巻締め部101の上部が半径方向に押圧されると、第1巻締め部101の下部は、第2巻締めロール54の押圧面75aよりも下方の傾斜面75b及び下鍔部77によって半径方向内方に向けて屈曲させられ、図4に示すように成形される。
そして、この第1巻締め部101の下部が屈曲させられた状態に巻締められることにより、二重巻締め部100は、その上半分では、半径方向内側から缶蓋20のバックアップ壁部33、缶胴10の胴体部11、缶蓋20のカバーフック部26の上部、缶胴10のボディーフック部12の上部、缶蓋20のシーミングウォール部25の上部がほぼ缶軸方向に沿った姿勢で重ねられ、これらが厚さ方向に強固に圧迫された状態となる。一方、下半分では、缶胴10の胴体部11が缶蓋20の外向き湾曲部32の下方で半径方向内方に向けて大きく湾曲して凹状湾曲部42が形成されるとともに、缶蓋20のカバーフック部26の下部及びシーミングウォール部25の下部がこれらの上部に対して半径方向内方に屈曲され、胴体部11の凹状湾曲部42内にカバーフック部26の下部が入り込んだ状態に成形される。
なお、前述したように、チャックウォール部23の外向き湾曲部32は、巻締められることにより、巻締め前のものより曲率半径が小さくなっている。
このようにして形成された二重巻締め部100は、図1に示すように、二重巻締め部100の縦断面において、チャックウォール部23のバックアップ部33の内周面(半径方向外側の)から缶軸方向に沿って垂線Eを引いたとき、凹状湾曲部42は、この垂線Eよりも半径方向内方に配置される。また、二重巻締め部100の上半分における胴体部11の折返し部よりも手前の部分の外面からの垂線Fに対して、カバーフック部26の屈曲部の先端が半径方向内方に配置される。
なお、巻締め前の缶蓋20´のカール部28に設けられていたコンパウンド5は、二重巻締め部100のボディーフック部12の先端と缶蓋20の間のロワークリアランス部5Bに圧縮状態に充填され、その余剰分がカバーフック部26先端と缶胴10との間のアッパークリアランス部5Aに収められる。
そして、この二重巻締め部100において、内圧が上昇した場合、その圧力によって缶胴10に対して缶蓋20が上方に押し上げられようとするが、二重巻締め部100の下部が半径方向内方に向けて屈曲されており、その屈曲状態で缶蓋20と缶胴10とが重ねられているので、この二重巻締め部100内において缶胴10と缶蓋20とが上下方向に相対移動することが防止される。また、缶胴10の凹状湾曲部42付近においては、内圧が凹状湾曲部42を外方に向けて押圧することになり、このため、この凹状湾曲部42とこの凹状湾曲部42内に入り込んでいる缶蓋20のカバーフック部26の下部との間が強固に圧接状態となる。この凹状湾曲部42及びカバーフック部26の下部との間は、アッパークリアランス部5Aに通じる経路となっており、この部分が圧接されることは、アッパークリアランス部5A内のコンパウンドが漏れ出すことを防止する効果がある。
したがって、このような二重巻締め部構造によれば、板厚が0.235mm以下と薄く変形しやすい蓋材を使用しても、缶蓋20が缶胴10に対して押し上げられにくく、かつ、コンパウンド5の通路となる隙間を内圧によって圧接する方向に作用するので、缶胴10と缶蓋20との間に隙間が生じにくく、良好な密閉性を維持することができる。
この場合、二重巻締め部100の上端部においては、通常の二重巻締め部と同様に、上端部と下端部とで二回折返し状態となる缶蓋20により3枚分の缶蓋材と、上端部で一回折返し状態となる缶胴10により2枚分の缶胴材とが厚さ方向に強固に圧迫された状態の巻締め構造となっており、屈曲位置Qまでの距離Lが短すぎると、二重巻締め部100の上端部で厚さ方向に圧迫された状態の巻締め構造部分を十分に確保することが難しく、屈曲位置Qまでの距離Lが長すぎると、屈曲部41よりも下方部分において半径方向内方に入り込む部分が小さくなって、内圧作用時の缶胴10に対する缶蓋20の移動抑止効果が低減する。このため、屈曲位置Qまでの距離Lは、二重巻締め部100の全体高さWに対して、L/Wが0.60〜0.85となるように設定するのが好ましい。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態では、リフター51とチャック52との間に缶胴10´及び缶蓋20´を挟持して、これらを軸心X回りに回転させながら、第1巻締めロール53及び第2巻締めロール54を接近させて巻締めるようにしたが、リフター51とチャック52とを回転させずに、第1巻締めロール53及び第2巻締めロール54を軸心X回りに公転させながら巻締める方法としてもよい。
また、実施形態の説明においては特に言及しなかったが、図7に示す例では、リフター51及びチャック52の軸心Xと、両巻締めロール53,54の軸心Y1,Y2とは平行に配置されている。これに代えて、巻締めロール53,54の軸心Y1,Y2をリフター51及びチャック52の軸心Xに対して傾斜させた巻締め装置を用いて、いわゆる傾斜巻締めとすることも可能である。
100 二重巻締め部
101 第1巻締め部
10,10´ 缶胴
11 胴体部
12 ボディーフック部
13 フランジ部
20,20´ 缶蓋
22 カウンターシンク部
23 チャックウォール部
24 シーミングパネル部
25 シーミングウォール部
26 カバーフック部
27 湾曲フランジ部
28 カール部
31 内向き湾曲部
32 外向き湾曲部
33 バックアップ壁部
41 屈曲部
42 凹状湾曲部
51 リフター
52 チャック
53 第1巻締めロール
54 第2巻締めロール
61 台金部
62 テーパー状部
63 環状突出部
64 凸状湾曲面
65 凹状湾曲面
71 成形用凹部(第1成形用凹部)
75 成形用凹部(第2成形用凹部)
75a 押圧面
75b 傾斜面
77 下鍔部

Claims (4)

  1. 缶胴と缶蓋とにより形成された二重巻締め部の下部に、その下端部を半径方向内方に向けて屈曲する屈曲部が周方向に沿って形成されており、該屈曲部は、前記缶蓋のシーミングウォール部の下端部及び該シーミングウォール部から折り返すカバーフック部の下端部が半径方向内方に向けて屈曲されるとともに、これらシーミングウォール部とカバーフック部との間に、屈曲した状態の缶胴のボディーフック部の下端部が入り込んで構成されていることを特徴とする缶の二重巻締め部構造。
  2. 前記缶蓋のチャックウォール部は、二重巻締め部の最内周部を構成する上端部に対して下端部を半径方向内方に向けて湾曲する湾曲部を有するとともに、該チャックウォール部の前記湾曲部は、前記二重巻締め部の下端より上方に配置されており、前記缶胴は、前記チャックウォール部の前記湾曲部よりも下方位置で半径方向内方に入り込む凹状湾曲部が周方向に沿って形成され、前記屈曲部により半径方向内方に向けられた前記カバーフック部の前記下端部が前記凹状湾曲部の外側から前記凹状湾曲部内に入り込んでいることを特徴とする請求項1記載の缶の二重巻締め部構造。
  3. 前記二重巻締め部の上端から前記二重巻締め部の前記屈曲部の外面における屈曲位置までの距離が、前記二重巻締め部の全体高さの60%以上85%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の缶の二重巻締め部構造。
  4. 缶胴のフランジ部に缶蓋の外周部を被せた状態で前記缶蓋内にチャックを嵌合し、前記缶蓋のカール部を第1巻締めロールによって半径方向内方に押しながら前記カール部と前記フランジ部とを巻き込んで第1巻締め部を形成し、その後、前記第1巻締め部を第2巻締めロールによって半径方向内方に押しながら、前記第1巻締め部の下部を半径方向内方に向けて屈曲しつつ、前記第1巻締め部の上部を前記チャックと前記第2巻締めロールとの間で押圧することにより、二重巻締め部の下部に前記缶胴のボディーフック部の下端部を屈曲させた状態の屈曲部を形成することを特徴とする缶の二重巻締め方法。
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