JP2019156429A - 缶体 - Google Patents

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益広 吉野
Masuhiro Yoshino
益広 吉野
山下 淳
Atsushi Yamashita
淳 山下
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Abstract

【課題】カール部の口当たり性及びビール類の泡立ち性をともに向上した缶体を提供する。【解決手段】缶体は、開口部に切断先端部が径方向の外側に折り返されて形成されたカール部を有し、缶軸を通る缶軸方向に沿う断面において、カール部の上端から該カール部の下端までの缶軸方向の前記カール部の幅をW(mm)とし、カール部の最内径位置から該カール部の最外径位置までの缶軸方向に直交する径方向のカール部の厚みをT(mm)とし、前記カール部のうち、前記最内径位置から前記カール部の上端に向けて屈曲して外面が凸形状に形成された内周上側屈曲部の曲率半径をR11(mm)とすると、前記幅Wが3.0mm以上5.0mm以下であり、前記厚みTが2.0mm以上4.5mm以下であり、前記曲率半径R11が1.0mmを超える大きさである。【選択図】 図3

Description

本発明は、キャップが装着される開口部にカール部を有するボトル形状の缶体に関する。
飲料等の内容物が充填される容器として、スチールやアルミニウム合金等からなるボトル形状の缶体(ボトル缶)の開口部に金属製キャップ(キャップ)を装着し、キャップ内面のライナーによって内部を密封する構造のものが知られている。このような缶体の開口部には、瓶口と同様な形状のカール部が形成され、そのカール部にキャップのスカート部を巻き込むようにして装着することにより、缶体の内部が密封される。このため、缶体の開口部に対してカール部が比較的大きく形成されている。
例えば、特許文献1には、口部の先端部を外方にカールさせて形成したボード部(カール部)に、タブを引っ張ることによりスコアを切り裂いて開栓するキャップを巻締め固定した金属製缶が開示されている。この金属製缶では、ビード部の上端部分を内方に向けて傾斜させており、ビード部は、下端に近い位置が最も外方に向けて凸となる形状に設けられている。なお、特許文献1には、ビード部の寸法について、具体的な開示がない。
特許文献2に開示の金属ボトル缶では、口部の上端から縮径する縮径部と、縮径部の上端から上方に延びる立上部と、その立上部の上端の上部屈曲部と、その上部屈曲部から滑らかに外方に広がりながら下方に延び、外方に突出した湾曲部と、その湾曲部の下端の下部屈曲部と、その下部屈曲部から直線状に縮径部まで延びる直線部と、を有するカール部が形成されている。この金属ボトル缶でも、カール部の下端に近い下部屈曲部が最も外方に向けて凸となる形状に設けられている。また、特許文献2には、カール部の高さIが6.0〜3.0mm、好ましくは4.0〜3.5mmであること、カール部の幅Jが5.0〜2.0mm、好ましくは4.0〜2.8mmであること、上部屈曲部の曲率半径R1が0.5〜1.0mm、好ましくは0.6〜0.9mmであること、湾曲部の曲率半径R2が2.0〜3.0mmであること、下部屈曲部の曲率半径R3が0.5〜1.0mmであること、が記載されている。
国際公開第2007/122971号 特開2011‐116456号公報
特許文献1及び特許文献2に記載されるように、カール部にキャップのスカート部を巻き込むことでキャップが装着される缶体においては、カール部が比較的大きく形成される。このような缶体では、開口部に形成されるカール部に直に口(唇)をつけることで、缶体の内部の内容物を直接飲むことができる。しかし、カール部が比較的大きく形成されることにより、カール部の形状によっては、カール部に唇が触れた際に購入者に違和感を感じさせることがある。特に、特許文献1及び特許文献2に記載されるように、カール部(ビード部)上端部分を径方向の内方に向けて傾斜させて内面を縮径した形状では、カール部の上端部分が鋭い湾曲面となり、唇が触れた際に違和感を感じさせやすくなる。
また、前述したように、カール部の形状が大きく形成されることで、缶体の内部の内容物を外部に注ぎ出す際に、内容物の流れがカール部の形状の影響を受けやすい。特に、缶体の内部に内容物としてビール類を充填した際には、カール部によりビール類の泡立ちを損ねることがある。このように、カール部の形状は、口当たり性やビール類の泡立ち性に対する影響が大きい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、カール部の口当たり性及びビール類の泡立ち性をともに向上した缶体を提供することを目的とする。
本発明の缶体は、開口部に切断先端部が径方向の外側に折り返されて形成されたカール部を有し、缶軸を通る缶軸方向に沿う断面において、前記カール部の上端から該カール部の下端までの前記缶軸方向の前記カール部の幅をW(mm)とし、前記カール部の最内径位置から該カール部の最外径位置までの前記缶軸方向に直交する前記径方向の前記カール部の厚みをT(mm)とし、前記カール部のうち、前記最内径位置から前記カール部の上端に向けて屈曲して外面が凸形状に形成された内周上側屈曲部の曲率半径をR11(mm)とすると、前記幅Wが3.0mm以上5.0mm以下であり、前記厚みTが2.0mm以上4.5mm以下であり、前記曲率半径R11が1.0mmを超える大きさである。
この缶体は、幅Wが3.0mm以上5.0mm以下、厚みTが2.0mm以上4.5mm以下とされる比較的大きなカール部において、カール部の最内径位置に連続する内周上側屈曲部の曲率半径R11を1.0mmを超える大きさとして、大きな湾曲面(湾曲形状)で形成している。このように、開口部付近に露出する内周上側屈曲部を緩やかな湾曲面で形成することで、缶体内部の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内容物を内周上側屈曲部の湾曲面に沿って回り込ませ(巻き込ませ)ながら注ぐことができる。したがって、缶体の内容物としてビール類を充填した際には、内周上側屈曲部でビール類を円滑に回り込ませることができ、注ぎ出したビール類を円滑に泡立たせることができる。また、カール部に口をつけた際に唇が触れやすい内周上側屈曲部を緩やかな湾曲面で形成しているので、カール部に口をつけた際に購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部の口当たり性を向上できる。
なお、内周上側屈曲部の曲率半径R11が1.0mm以下では、内周上側屈曲部において内容物の回り込みを維持することが難しくなるため、ビール類を注ぐ際の泡立ちを損ねるおそれがある。また、カール部の上端部分(内周上側屈曲部)が鋭い湾曲面となり、唇が触れた際に違和感を感じさせやすくなる。
本発明の缶体の好適な実施態様として、前記カール部は、前記缶軸方向の下方から前記最内径位置に向けて縮径しながら屈曲して外面が凸形状に形成された内周下側屈曲部を有し、該内周下側屈曲部の上端に連続して前記内周上側屈曲部が形成されており、前記缶軸を通る前記缶軸方向に沿う断面において、前記内周下側屈曲部の曲率半径をR12(mm)とすると、前記曲率半径R12が1.0mmを超える大きさであるとよい。
内周上側屈曲部の下端に連続する内周下側屈曲部の曲率半径R12を、内周上側屈曲部の曲率半径R11と同様に、1.0mmを超える大きさとして大きな湾曲面で形成することで、内周下側屈曲部から内周上側屈曲部にかけて広い範囲に連続する緩やかな湾曲面を形成できる。この場合、缶体内部の内容物を内周下側屈曲部から内周上側屈曲部にかけてその湾曲面に沿って円滑に案内できる。したがって、内容物を内周上側屈曲部において円滑に回り込ませながら注ぐことができ、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
本発明の缶体の好適な実施態様として、前記カール部は、前記缶軸方向の上方に向けて漸次縮径する内周テーパ部を有し、前記内周テーパ部の上端に連続して前記内周下側屈曲部が形成されているとよい。
内周下側屈曲部の下端に連続する内周テーパ部を設けることで、内周テーパ部から内周下側屈曲部、内周下側屈曲部から内周上側屈曲部に向けて、徐々に流れの向きを変更するでき、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部の湾曲面に沿って内容物を外部に円滑に注ぎ出すことができる。したがって、内容物を内周上側屈曲部において円滑に回り込ませながら注ぐことができ、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
本発明の缶体の好適な実施態様として、前記カール部は、前記最内径位置において、前記缶軸方向に沿って垂直に延びる内周円筒部を有し、前記内周円筒部の上端に連続して前記内周上側屈曲部が形成されているとよい。
内周上側屈曲部の下端に連続する内周円筒部を設けることで、内周円筒部から内周上側屈曲部にかけて円滑に内容物の流れの向きを変更できる。したがって、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部の湾曲面に沿って内容物を外部に円滑に注ぎ出すことができる。したがって、内容物を内周上側屈曲部において円滑に回り込ませながら注ぐことができ、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
本発明によれば、缶体内部の内容物をカール部の内周上側屈曲部の湾曲面に沿って回り込ませてビール類の泡立ち性を向上できるとともに、カール部の口当たり性を向上できる。
本発明の第1実施形態の缶体を用いたボトル容器の右半分を缶軸を通る断面にした正面図である。 図1に示す缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図2に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第2実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図4に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第3実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図6に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第4実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図8に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第5実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図10に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第6実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図12に示す缶体の口部付近の要部断面図である。
以下、本発明に係る缶体の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の缶体(ボトル缶)101は、図1及び図2に示すように、全体がボトル形状に形成され、外部に開口する開口部15にカール部51を有する。缶体101は、カール部51を有する口部14を通じて内部に飲料等の内容物が充填された後、図1に示すように、口部14にキャップ201を装着する(巻き締める)ことにより開口部15が密封され、ボトル容器301とされる。図1には、缶体101と、缶体101の口部14に装着されたキャップ201と、を備えるボトル容器301を示している。また、図1では、ボトル容器301の右半分を、缶軸Cを通る断面にして示している。
缶体101は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、図1に示すように、円筒状をなす胴部(ウォール)10と、円板状をなす底部(ボトム)20と、を備える有底円筒状に形成されている。
図1に示すように、胴部10及び底部20は互いに同軸に配置されており、本実施形態において、これらの共通軸を缶軸Cと称して説明を行う。また、缶軸Cに沿う方向(缶軸C方向)のうち、開口部15から底部20側へ向かう方向を下側(下方)、底部20から開口部15側へ向かう方向を上側(上方)とし、以下の説明においては、図1に示す向きと同様に上下方向を定めるものとする。また、缶軸Cに直交する方向を径方向といい、径方向のうち、缶軸Cに接近する向きを径方向の内側(内方)、缶軸Cから離間する向きを径方向の外側(外方)とする。また、缶軸C回りに周回する方向を周方向とする。
本実施形態では、缶体101の底部20は、缶軸C上に位置するとともに、上方(胴部10の内部)に向けて膨出するように形成されたドーム部21と、該ドーム部21の外周縁部と胴部10の下端部とを接続するヒール部22とを備えている。また、ドーム部21とヒール部22との接続部分は、缶体101が正立姿勢(図1に示される開口部15が上方を向く姿勢)となるように接地面(載置面)上に載置されたときに、接地面に接する接地部23となっている。接地部23は、底部20において最も下方に向けて突出しているとともに、周方向に沿って延びる環状をなしている。
缶体101の胴部10は、図1に示されるように、胴部10の下部側(底部20側)において円筒状に形成された円筒部11と、円筒部11の上端で径方向内方に屈曲するように缶軸C方向の上方に向けて縮径された肩部12と、肩部12の上端に接続されて缶軸C方向の上方に向けて延びる首部13と、首部13の上端に接続されて外部に開口する口部14と、を備える。なお、円筒部11、肩部12、首部13、口部14は、それぞれ胴部10の周方向全周にわたって延びる環状をなしている。
このうち首部13は、図1〜図3に示すように、缶軸C方向の上方に向けて漸次縮径された形状とされており、胴部10の下部に形成された円筒部11よりも小径に形成されている。また、首部13の上端が最も小径に形成されている。本実施形態の缶体101では、首部13は、肩部12の上端に連続して径方向内方に凸となる凹状の接続凹部31と、接続凹部31の上端に連続して缶軸C方向に向けて漸次縮径するテーパ状のテーパ筒部32と、を有している。そして、テーパ筒部32の上端が口部14の下端と接続されている。
口部14は、テーパ筒部32の上端に連続して形成されており、テーパ筒部32の上端で一旦拡径された大径部41と、大径部41の上端で再度縮径された小径部42と、小径部42の上端に形成されたカール部51と、を有している。
カール部51は、図3に示すように、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面(縦断面)において、缶体101の切断先端部141を缶軸Cと直交する径方向の外方に折り返した状態に形成されている。図3では、カール部51は、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面において、缶軸Cに対して所定角度で傾斜する小径部42の上端に連続して缶軸C方向の上方に向けて漸次縮径する内周テーパ部143と、内周テーパ部143の上端から缶軸C方向の上方に向けて縮径しながら屈曲する内周下側屈曲部144と、内周下側屈曲部144の上端からカール部51の上端(天頂部142)に向けて拡径しながら径方向の外方に向けて広がるように屈曲する内周上側屈曲部145と、内周上側屈曲部145の外周縁(カール部51の上端、天頂部142)から缶軸C方向の下側に向けて折り返すように拡径しながら屈曲する外周上側屈曲部146と、外周上側屈曲部146の外周縁から缶軸Cと平行に缶軸C方向の下方に向けて垂直に延びる外周側円筒部147と、外周側円筒部147の下端から缶軸C方向の下方及び径方向の内方に向けて縮径しながら屈曲する外周下側屈曲部148と、外周下側屈曲部148の下端から小径部42における缶軸C方向の途中位置に向けて縮径しながら延びる内向きテーパ状のカール端部149と、が連続して形成されている。
本実施形態では、図3に示すように、カール端部149が、ほぼストレート状のテーパ状に形成され、カール端部149の先端に配置される切断先端部141が小径部42の外面に対向して配置され、カール端部149の先端に配置される切断先端部141の下端がカール部51において最も低い位置に配置される。このため、小径部42の切断先端部141の下端に対向する位置が、カール部51の基端位置となる。図3には、カール部51の基端位置を破線Aで示す。なお、切断先端部141は、小径部42の外面に当接させてもよいし、小径部42の外面との間に若干の隙間を設けてもよい。
このように、カール部51は、切断先端部141の下端よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状とされる。なお、本実施形態では、小径部42と内周テーパ部143とが、一つの連続した、すなわち同じ傾斜角度βのテーパ形状で形成されており、基端位置Aを境にして缶軸C方向の下側部分を小径部42、上側部分を内周テーパ部143としている。したがって、基端位置Aよりも缶軸C方向の上方に配置された内周テーパ部143からカール端部149の先端(切断先端部141)までの形状がカール部51とされる。
また、内周上側屈曲部145と外周上側屈曲部146とは、カール部51において最も高い位置で接続されている。このため、内周上側屈曲部145の外周縁と外周上側屈曲部146の内周縁との接続部分の天頂部142がカール部51の上端となる。
また、図3に示すように、カール部51の内周下側屈曲部144と内周上側屈曲部145とは一つの連続した湾曲形状で形成されており、その外面が径方向の内方に向けた凸形状に設けられている。本実施形態では、内周下側屈曲部144の曲率半径R12(mm)と内周上側屈曲部145の曲率半径R11(mm)とは、同じ大きさ(曲率半径)に設けられている。なお、内周下側屈曲部144の曲率半径R12と内周上側屈曲部145の曲率半径R11とは、本実施形態のように、単一の曲率半径として形成してもよいし、異なる複数の曲率半径の円弧を連続させて形成してもよい。
また、カール部51では、内周上側屈曲部145の曲率半径R11に対して、外周上側屈曲部146の曲率半径R13(mm)が十分に大きく形成されている。なお、外周上側屈曲部146の曲率半径R13は、単一の曲率半径として形成してもよいし、異なる複数の曲率半径の円弧を連続させて形成してもよい。また、図3等では、カール部51の外周側に、若干のストレート状の外周側円筒部147が形成されているが、外周側円筒部147を有さず、外周上側屈曲部146に連続する外周下側屈曲部148を設けて連続した湾曲面でカール部51を形成してもよい。この場合、外周上側屈曲部146の下端と外周下側屈曲部148の上端との接続位置がカール部51の最外径位置となる。
カール部51の缶軸C方向の幅W(mm)は、缶軸C方向におけるカール部51の上端からそのカール部51の下端までの缶軸Cと平行な垂直距離とされる。図3に示す缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面において、天頂部142がカール部51の最も缶軸C方向の上端に配置され、切断先端部141の下端(基端位置A)がカール部51の最も缶軸C方向の下端に配置されており、幅Wは天頂部142の外面から切断先端部141の下端までの垂直距離とされる。また、カール部51の径方向の厚みT(mm)は、径方向におけるカール部51の最内径位置から最外径位置までの缶軸Cに直交する水平距離とされる。図3に示す缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面において、内周下側屈曲部144の上端と内周上側屈曲部145の下端との接続位置がカール部51の最も径方向の内方位置に配置され、外周側円筒部147がカール部51の最も径方向の外方位置に配置されている。このため、厚みTは、内周下側屈曲部144の上端と内周上側屈曲部145の下端との接続位置の外面から外周側円筒部147の外面までの水平距離とされる。
本実施形態では、カール部51の外径をD(mm)としたときに、外径Dと厚みTとの比率(T/D)が0.07以上0.12以下とされ、カール部51の厚みTは外径Dの7%以上12%以下の大きさに形成される。具体的には、例えば、カール部51の外径Dが25mm以上40mm以下とされる缶体101において、カール部51の厚みTは2.0mm以上4.5mm以下、好ましくは3.0mm以上4.0mm以下とされる。また、カール部51の幅Wは3.0mm以上5.0mm以下、好ましくは3.5mm以上4.7mm以下とされる。なお、カール部51の厚みTが4.5mmを超えると、カール部51の成形工程時に割れ等が発生しやすくなる。また、厚みTが2.0mmより小さくなると、外周上側屈曲部146は成形工程において所定の形状が得られ難くなる。
図3に示すように、カール部51の外面における曲率半径で、カール部51の内周側に配置される内周上側屈曲部145の曲率半径R11は1.0mmを超える大きさに形成され、好ましくは1.5mm以上3.0mm以下に形成される。また、内周上側屈曲部145の内周縁(下端)に接続される内周下側屈曲部144の曲率半径R12も、1.0mmを超える大きさに形成され、好ましくは1.5mm以上3.0mm以下に形成される。このように、内周下側屈曲部144から内周上側屈曲部145は、曲率半径が1.0mmを超える比較的大きな湾曲面で形成されている。
したがって、缶体101の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内容物を内周下側屈曲部144及び内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って回り込ませながら注ぐことができる。また、カール部51に口をつけた際に唇が触れやすい部分である内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、カール部51の口当たり性も向上できる。なお、内周上側屈曲部145の曲率半径R11が1.0mm以下では、内周上側屈曲部145において内容物の回り込みを維持することが難しくなる。また、曲率半径R11が1.0mm以下では、カール部51の上端部分が鋭い湾曲面となり、唇が触れた際に違和感を感じさせやすくなる。
また、カール部51の外周側に配置される外周上側屈曲部146の曲率半径R13は、例えば1.5mm以上3.5mm以下に形成される。外周下側屈曲部148の曲率半径R14(mm)は0.5mm以上1.2mm以下に形成される。また、カール端部149の外面が缶軸C方向と直交する水平線となす角度αは、例えば0°以上45°以下に設けられる。また、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う縦断面において、内周テーパ部143の外面と缶軸Cに平行な垂直線とがなす角度βは、例えば0°を超えて20°以下に設けられる。
なお、外周上側屈曲部146の曲率半径R13が3.5mmより大きいと密封性が低下し、1.5mmより小さいと、口当たりが悪くなるとともに、カール部51の成形時に割れや皺が発生するおそれがある。また、外周下側屈曲部148の曲率半径R14が1.2mmより大きいと、キャップ201との嵌合性が悪くなる。一方、曲率半径R14が0.5mmより小さいと、カール部51の成形工程時にカール部51に割れや皺が発生するおそれがある。
なお、前述したように、これらの内周上側屈曲部145の曲率半径R11、内周下側屈曲部144の曲率半径R12、外周上側屈曲部146の曲率半径R13及び外周下側屈曲部148の曲率半径R14は、単一の曲率半径として形成してもよいし、異なる複数の曲率半径の円弧を連続させて形成してもよい。
ただし、缶体101の上記寸法は、上記数値範囲に限られるものではない。また、缶体101のその他の寸法についても限定されるものではない。缶体101のその他の諸寸法についても一例を挙げると、缶体101の板厚は、成形前のアルミニウム合金板の元板厚が0.250mm〜0.500mmであり、カール部51における板厚が0.200mm〜0.400mmである。
このように構成される缶体101には、図1に示すように、口部14の開口部15にキャップ201が装着され、ボトル容器301とされる。具体的には、缶体101の内部に内容物を充填後、口部14にキャップ201を被せる。そして、キャップ201を上方から缶軸C方向の下方に向けて押圧し、シール材112を圧縮した状態で、キャップ201のスカート部111を工具の爪で径方向内方に向けて押圧することにより、カール部51の外面に倣わせるようにスカート部111を変形させる。これにより、スカート部111の下端部をカール部51のカール端部149に引っ掛けるように巻き込み、キャップ201を缶体101に装着する。
このキャップ201の装着状態において、キャップ201の下端部は、カール部51の外周下側屈曲部148からカール端部149にかけて引っ掛けられた状態であるので、カール部51の天頂部142から外周下側屈曲部148にかけてシール材112が密着し、缶体101の内部を確実に密封できる。一方、口部14からキャップ201を離脱させることで、缶体101の開口部15が開封され、缶体101の内部に充填された内容物を外部に注ぎ出すことができる。
前述したように、本実施形態の缶体101では、カール部51の最内径位置に連続し、開口部15付近に露出する内周上側屈曲部145の曲率半径R11を1.0mmを超える緩やかな湾曲面で形成しているので、缶体101内部の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内容物を内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って回り込ませながら(巻き込ませながら)注ぐことができる。また、内周上側屈曲部145の下端に連続する内周下側屈曲部144の曲率半径R12も1.0mmを超える大きさとして大きな湾曲面で形成しているので、内周下側屈曲部144から内周上側屈曲部145にかけて広い範囲に連続する緩やかな湾曲面を形成できる。したがって、缶体101の内容物としてビール類を充填した際には、内周下側屈曲部144から内周上側屈曲部145にかけてその湾曲面に沿って円滑に案内できる。そして、内周上側屈曲部145においてビール類を円滑に回り込ませることができるので、注ぎ出したビール類を円滑に泡立たせることができる。また、カール部51に口をつけた際に唇が触れやすい内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、内周上側屈曲部145に唇が触れた際にも購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部51の口当たり性を向上できる。
さらに、カール部51においては、内周下側屈曲部144の下端に連続する内周テーパ部143を設けているので、内周テーパ部143から内周下側屈曲部144、内周下側屈曲部144から内周上側屈曲部145に向けて、徐々に内容物の流れの向きを変更できる。これにより、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って内容物を外部に円滑に注ぎ出すことができる。したがって、内容物を内周上側屈曲部145において円滑に回り込ませながら注ぎ出すことができ、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
(第2実施形態)
図4及び図5は、本発明の第2実施形態の缶体102を示す。第2実施形態の説明、図4及び図5では、前述の第1実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
前述した第1実施形態の缶体101のカール部51では、内周上側屈曲部145の曲率半径R11と内周下側屈曲部144の曲率半径R12とを、同じ大きさの単一の曲率半径に設けていた。一方、図4及び図5に示す第2実施形態の缶体102のカール部52では、内周上側屈曲部145の曲率半径R11と内周下側屈曲部144の曲率半径R12とを異なる大きさの曲率半径の円弧で形成しており、内周上側屈曲部145と内周下側屈曲部144とが、内周上側屈曲部145の下端と内周下側屈曲部144の上端との接続位置において互いに共通する接線を有するように滑らかに接続されている。なお、カール部52において、内周下側屈曲部144の曲率半径R12は、内周上側屈曲部145の曲率半径R11よりも小さく設けられている。
第2実施形態の缶体102においても、内周上側屈曲部145の外面の曲率半径R11が1.0mmを超える大きさに形成され、好ましくは1.5mm以上3.0mm以下に形成される。このように、内周上側屈曲部145が大きな湾曲面で形成されるため、缶体102内部の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内容物を内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って回り込ませながら注ぐことができる。したがって、缶体102の内容物としてビール類を充填した際には、内周上側屈曲部145においてビール類を円滑に回り込ませることができ、注ぎ出したビール類を円滑に泡立たせることができる。また、カール部52に口をつけた際に唇が触れやすい内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、内周上側屈曲部145に唇が触れた際にも購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部52の口当たり性を向上できる。
さらに、第2実施形態の缶体102においても、径方向の内方に向けた凸形状の内周下側屈曲部144と、この内周下側屈曲部144の下端に接続される内周テーパ部143とを介して、内周テーパ部143から内周下側屈曲部144、内周下側屈曲部144から内周上側屈曲部145に向けて、徐々に内容物の流れの向きを変更できる。これにより、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部145まで内容物を案内でき、内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って内容物を外部に円滑に注ぎ出すことができる。したがって、内容物を内周上側屈曲部145において円滑に回り込ませながら注ぎ出すことができ、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
(第3実施形態)
図6及び図7は、本発明の第3実施形態の缶体103を示す。第3実施形態の説明、図6及び図7では、前述の第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
前述した第1実施形態の缶体101及び第2実施形態の缶体102では、内周上側屈曲部145の曲率半径R11を単一の曲率半径で形成していたが、図6及び図7に示す第3実施形態の缶体103のカール部53のように、内周上側屈曲部145を異なる複数の曲率半径R21,R22の円弧を連続させて形成してもよい。カール部53においては、内周上側屈曲部145を構成する二つの円弧の曲率半径R21,R22は、いずれも1.0mmを超える大きさに形成され、好ましくは1.5mm以上3.0mm以下に形成される。図7では、二つの円弧を連続させた内周上側屈曲部145を構成しているが、三つ以上の円弧を組み合わせてもよい。
第3実施形態の缶体103においても、内周上側屈曲部145の外面の曲率半径R11(R21,R22)が1.0mmを超える大きさに形成され、内周上側屈曲部145が大きな湾曲面で形成される。このため、缶体103内部の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内容物を内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って回り込ませながら注ぐことができる。したがって、缶体103の内容物としてビール類を充填した際には、内周上側屈曲部145においてビール類を円滑に回り込ませることができ、注ぎ出したビール類を円滑に泡立たせることができる。また、カール部53に口をつけた際に唇が触れやすい内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、内周上側屈曲部145に唇が触れた際にも購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部53の口当たり性を向上できる。
さらに、第3実施形態の缶体103においても、径方向の内方に向けた凸形状の内周下側屈曲部144と、この内周下側屈曲部144の下端に接続される内周テーパ部143とを介して、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部145まで内容物を案内でき、内容物を内周上側屈曲部145において円滑に回り込ませながら注ぎ出すことができる。したがって、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
(第4実施形態)
図8及び図9は、本発明の第4実施形態の缶体104を示す。第4実施形態の説明、図8及び図9では、前述の第1〜第3実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
前述した第1〜第3実施形態の缶体101〜103では、口部14の下部に、首部13のテーパ筒部32の上端で一旦拡径された大径部41と大径部41の上端で再度縮径された小径部42とを有し、首部13のテーパ筒部32と口部14のカール部51〜53とが、大径部41及び小径部42を介して接続されていた。一方、図8及び図9に示す第4実施形態の缶体104では、首部13のテーパ筒部32に連続してカール部54が形成される。
第4実施形態の缶体104においては、カール端部149がテーパ筒部32の途中位置に向けて延びており、テーパ筒部32において切断先端部141の下端に対向する位置がカール部54の基端位置となる。図9には、カール部54の基端位置を破線Aで示す。そして、切断先端部141の下端よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部54とされる。なお、本実施形態では、テーパ筒部32と内周テーパ部143とが、一つの連続した、すなわち同じ傾斜角度γのテーパ形状で形成されており、基端位置Aを境にして缶軸C方向の下側部分をテーパ筒部32、上側部分を内周テーパ部143としている。したがって、基端位置Aよりも缶軸C方向の上方に配置された内周テーパ部143からカール端部149の先端(切断先端部141)までの形状がカール部54とされる。なお、傾斜角度γは、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う縦断面において、内周テーパ部143の外面と缶軸Cに平行な垂直線とがなす角度であり、例えば0°を超えて20°以下に設けられる。
第4実施形態の缶体104においても、内周上側屈曲部145の曲率半径R11と内周下側屈曲部144の曲率半径R12とを単一の曲率半径で形成しており、いずれも外面における曲率半径が1.0mmを超える大きさに形成され、好ましくは1.5mm以上3.0mm以下に形成される。このように、内周下側屈曲部144から内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、缶体104の内部の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内周下側屈曲部144から内周上側屈曲部145にかけてその湾曲面に沿って円滑に案内できる。したがって、缶体104の内容物としてビール類を充填した際には、内周上側屈曲部145においてビール類を円滑に回り込ませることができるので、注ぎ出したビール類を円滑に泡立たせることができる。また、カール部54に口をつけた際に唇が触れやすい内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、内周上側屈曲部145に唇が触れた際にも購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部54の口当たり性を向上できる。
さらに、第4実施形態の缶体104においても、径方向の内方に向けた凸形状の内周下側屈曲部144と、この内周下側屈曲部144の下端に接続される内周テーパ部143とを介して、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部145まで内容物を案内できるので、内容物を内周上側屈曲部145において円滑に回り込ませながら注ぎ出すことができる。したがって、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
(第5実施形態)
図10及び図11は、本発明の第5実施形態の缶体105を示す。第5実施形態の説明、図10及び図11では、前述の第1〜第4実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
前述した第1〜第4実施形態の缶体101〜104では、カール部51〜54の内周側に、缶軸Cに対して所定角度(β,γ)で傾斜して缶軸C方向の上方に向けて漸次縮径する内周テーパ部143を設けていたが、第5実施形態の缶体105のように、缶軸Cと平行に缶軸C方向の上側に向けて垂直に延びる内周側円筒部151を形成し、この内周側円筒部151の上端に連続して内周上側屈曲部145を形成したカール部55を設けることもできる。
図11に示すように、缶体105においては、首部13が、肩部12の上端に連続して径方向内方に凸となる凹状の接続凹部31と、接続凹部31の上端に連続して缶軸C方向に向けて漸次縮径するテーパ状のテーパ筒部32と、テーパ筒部32の上端に連続して缶軸C方向と平行になるように屈曲する下部屈曲部33と、下部屈曲部33の上端から缶軸Cと平行に缶軸C方向の上側に向けて垂直に延びる中間円筒部34と、を有する。そして、この首部13の中間円筒部34の上端に連続してカール部55の内周側円筒部151が形成されている。なお、首部13の形状は、第1〜第5実施形態の形状に限定されるものではなく、様々な形状を採用できる。
第5実施形態の缶体105においては、カール端部149が中間円筒部34の途中位置に向けて延びており、中間円筒部34の切断先端部141の下端に対向する位置がカール部55の基端位置となる。図10には、カール部55の基端位置を破線Aで示す。そして、切断先端部141の下端よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部55とされる。なお、本実施形態では、中間円筒部34と内周側円筒部151とが、一つの連続した形状で形成されており、基端位置Aを境にして缶軸C方向の下側部分を中間円筒部34、上側部分を内周側円筒部151としている。したがって、基端位置Aよりも缶軸C方向の上方に配置された内周側円筒部151からカール端部149の先端(切断先端部141)までの形状がカール部55とされる。
第5実施形態の缶体105においても、内周上側屈曲部145の外面の曲率半径R11が1.0mmを超える大きさに形成され、内周上側屈曲部145が大きな湾曲面で形成される。このため、缶体105の内部の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内容物を内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って回り込ませながら注ぐことができる。したがって、缶体105の内容物としてビール類を充填した際には、内周上側屈曲部145においてビール類を円滑に回り込ませることができ、注ぎ出したビール類を円滑に泡立たせることができる。また、カール部55に口をつけた際に唇が触れやすい内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、内周上側屈曲部145に唇が触れた際にも購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部55の口当たり性を向上できる。
さらに、第5実施形態の缶体105においては、内周上側屈曲部145の下端に連続する内周側円筒部151を設けることで、内周側円筒部151から内周上側屈曲部145にかけて円滑に内容物の流れの向きを変更できる。このため、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って内容物を外部に円滑に注ぎ出すことができる。したがって、内容物を内周上側屈曲部145において円滑に回り込ませながら注ぐことができ、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
(第6実施形態)
図12及び図13は、本発明の第6実施形態の缶体106を示す。第6実施形態の説明、図12及び図13では、前述の第1〜第5実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
第1〜第5実施形態の缶体101〜105では、カール部51〜55の外周下側屈曲部148の下端から切断先端部141にかけて、缶軸C方向の下方に向けて縮径しながら延びる内向きテーパ状のカール端部149を有する構成としていたが、カール部の形状はこれに限定されるものではない。図12及び図13に示す第6実施形態の缶体106のように、外周下側屈曲部148の下端から切断先端部141までの間を屈曲させて、缶軸C方向の上方及び径方向の内方に向けて屈曲する先端屈曲部152を有するカール部56を形成することもできる。
カール部56においては、外周下側屈曲部148と先端屈曲部152との接続部がカール部56の缶軸C方向の下端位置となり、この下端位置が対向する中間円筒部34にカール部56の基端位置が設けられる。図13には、カール部56の基端位置を破線Aで示す。そして、カール部56の下端位置よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部56とされる。なお、本実施形態では、中間円筒部34と内周側円筒部151とが、一つの連続した形状で形成されており、基端位置Aを境にして缶軸C方向の下側部分を中間円筒部34、上側部分を内周側円筒部151としている。したがって、基端位置Aよりも缶軸C方向の上方に配置された内周側円筒部151から先端屈曲部152の先端(切断先端部141)までの形状がカール部55とされる。
なお、図13では、先端屈曲部152の外面の曲率半径R15が、外周下側屈曲部148の曲率半径R14よりも大きく形成されるが、曲率半径R15を曲率半径R14と同じ大きさの曲率半径で形成してもよいし、曲率半径R15を曲率半径R14よりも小さな曲率半径で形成してもよい。
第6実施形態の缶体106においても、内周上側屈曲部145の外面の曲率半径R11が1.0mmを超える大きさに形成され、内周上側屈曲部145が大きな湾曲面で形成される。このため、缶体106の内部の内容物を外部に向けて注ぎ出す際に、内容物を内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って回り込ませながら注ぐことができる。したがって、缶体106の内容物としてビール類を充填した際には、内周上側屈曲部145においてビール類を円滑に回り込ませることができ、注ぎ出したビール類を円滑に泡立たせることができる。また、カール部56に口をつけた際に唇が触れやすい内周上側屈曲部145を緩やかな湾曲面で形成しているので、内周上側屈曲部145に唇が触れた際にも購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部56の口当たり性を向上できる。
さらに、第6実施形態の缶体106においても、内周上側屈曲部145の下端に連続する内周側円筒部151を設けているので、内周側円筒部151から内周上側屈曲部145にかけて円滑に内容物の流れの向きを変更できる。このため、内容物の流れを乱すことなく安定した状態で内周上側屈曲部145の湾曲面に沿って内容物を外部に円滑に注ぎ出すことができる。したがって、内容物を内周上側屈曲部145において円滑に回り込ませながら注ぐことができ、注ぎ出したビール類の泡立ちを良好に維持できる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、底部20と胴部10とが一体に形成された有底円筒状の缶体について説明したが、缶体は必ずしも底部を有していないものも含むものとし、カール部を成形した後に、その胴部に、別に形成した底部を巻き締めるものも含まれる。
10 胴部
11 円筒部
12 肩部
13 首部
14 口部
15 開口部
20 底部
21 ドーム部
22 ヒール部
23 接地部
31 接続凹部
32 テーパ筒部
33 下部屈曲部
34 中間円筒部
41 大径部
42 小径部
51,52,53,54,55,56 カール部
101,102,103,104,105,106 缶体
111 スカート部
112 シール部
141 切断先端部
142 天頂部
143 内周テーパ部
144 内周下側屈曲部
145 内周上側屈曲部
146 外周上側屈曲部
147 外周側円筒部
148 外周下側屈曲部
149 カール端部
151 内周側円筒部
152 先端屈曲部
201 キャップ
301 ボトル容器

Claims (4)

  1. 開口部に切断先端部が径方向の外側に折り返されて形成されたカール部を有し、
    缶軸を通る缶軸方向に沿う断面において、
    前記カール部の上端から該カール部の下端までの前記缶軸方向の前記カール部の幅をW(mm)とし、
    前記カール部の最内径位置から該カール部の最外径位置までの前記缶軸方向に直交する前記径方向の前記カール部の厚みをT(mm)とし、
    前記カール部のうち、前記最内径位置から前記カール部の上端に向けて屈曲して外面が凸形状に形成された内周上側屈曲部の曲率半径をR11(mm)とすると、
    前記幅Wが3.0mm以上5.0mm以下であり、
    前記厚みTが2.0mm以上4.5mm以下であり、
    前記曲率半径R11が1.0mmを超える大きさであることを特徴とする缶体。
  2. 前記カール部は、前記缶軸方向の下方から前記最内径位置に向けて縮径しながら屈曲して外面が凸形状に形成された内周下側屈曲部を有し、該内周下側屈曲部の上端に連続して前記内周上側屈曲部が形成されており、
    前記缶軸を通る前記缶軸方向に沿う断面において、前記内周下側屈曲部の曲率半径をR12(mm)とすると、前記曲率半径R12が1.0mmを超える大きさであることを特徴とする請求項1に記載の缶体。
  3. 前記カール部は、前記缶軸方向の上方に向けて漸次縮径する内周テーパ部を有し、前記内周テーパ部の上端に連続して前記内周下側屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の缶体。
  4. 前記カール部は、前記最内径位置において、前記缶軸方向に沿って垂直に延びる内周円筒部を有し、前記内周円筒部の上端に連続して前記内周上側屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の缶体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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