JP2022119588A - 缶蓋用シェル製造方法及び缶蓋用シェル製造装置 - Google Patents

缶蓋用シェル製造方法及び缶蓋用シェル製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パネル壁にクラックが生じることを抑制する。【解決手段】下型のダイコアリングと上型の圧力スリーブとの間で金属板を挟みながら第1湾曲部と第2湾曲部とを連続させた形状にチャック壁部を形成するとともに、下型のパネルポンチと上型のダイセンターとの間で金属板の中央部を挟持する際に、パネルポンチの第1屈曲面と、ダイセンターの第2屈曲面を有する環状凸部とによりダイコアリングとパネルポンチの第1屈曲面との間に形成された隙間に向けて押し込むように第1屈曲面と第2屈曲面とで金属板を折り曲げることにより金属板に凹みを形成し、その挟持状態を維持したまま、ダイコアリング及び圧力スリーブに対して相対的に上昇移動することで、隙間に凹みの部分を徐々に落とし込んで凹みの深さを徐々に大きくして環状凹部に形成してカウンターシンク部を形成し、該カウンターシンク部の内側にパネル部を形成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、缶胴の開口端部に巻締められる缶蓋となる缶蓋用シェルの製造方法及び缶蓋用シェル製造装置に関する。
従来の飲料用缶蓋は、中央の円盤状のパネル部と、その外周部のカウンターシンク部と、さらにその外周にチャック壁部を介して連設されたカール部とを備えており、パネル部に開口部を形成するためのスコアが形成され、開口操作のためのタブが設けられる。また、近年では、薄肉化の要請に伴い、ほぼストレートテーパ形状のチャック壁部に代えて、縦断面を凹凸二つの湾曲部の連続形状とするチャック壁部とすることにより、パネル部の直径を小さくした形状も増えてきている。
例えば、特許文献1には、チャック壁が、その下側部分で半径方向内方に向けて凸となる湾曲部と、上側部分で半径方向内方に凹(半径方向外方に向けて凸)となる湾曲部を連続させた形状に形成されている。この場合、全体直径が(D4)=約56.896mmの缶蓋と、(D8)=59.360mmの缶蓋とが開示されている。当業者の公称径でいうと、前者が公称径200、後者は公称径202である。
また、カウンターシンク部の外壁の内径が200径で(D2)=約49.708mm、202径で(D6)=48.514mm、カウンターシンク部の内底面の曲率半径は200径で約0.254mm、202径で約0.229~0.279mmとされている。なお、板厚は、缶蓋に成形する前のブランクで約0.2159mmとされている。なお、括弧内の符号は当該公報で用いられている符号である(特許文献2においても同様)。
一方、このような缶蓋を製造する方法として、特許文献2が開示されている。この特許文献2では、環状の外側の圧力スリーブ(55)と、ダイのコアリング(98)の上側部分(99)との間でカップ部分(C)を挟持しつつ、この上側部分(99)に形成された、傾斜したまたは円錐台状の表面(156)及び曲線状の環状の表面(158)と、内側の圧力スリーブ(80)の対応表面(143,144)との間でチャック壁を形成している。また、ダイの中心ポンチ(65)と円形のパネルポンチ(118)との間にカップ部分(C)の中央部分を挟持しつつ上下移動させることで、パネルポンチ(118)の外周部に形成した凹状の表面(116,168)により、カウンターシンクが形成される。
特許第4647207号公報 特許第5649189号公報
ところで、特許文献1に記載の缶蓋は、チャック壁が、その下側部分で半径方向内方に向けて凸となる湾曲部と、上側部分で半径方向内方に凹(半径方向外方に向けて凸)となる湾曲部を連続させた形状に形成されているため、パネル部の平面径が小さく制限される。この場合、パネル部に加工されるスコアの縦方向の長さが短く制限され、注ぎ性が悪くなり、ボトル缶内の液残りが増加する。この点、パネル部の平面径を単に大きくすると、パネル部の外周部に連続するカウンターシンク部のパネル部側の壁部(以下、パネル壁という)に微小なクラックが生じる他、缶内圧が上昇してカウンターシンク部が反転するバックリング現象が生じた際に、パネル部の一部が持ち上がって角状に突出し、その角部の先端に亀裂が生じて、飲料物が噴出する不具合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、パネル壁にクラックが生じることを抑制できる缶蓋用シェル製造方法及び缶蓋用シェル製造装置を提供することを目的とする。
本発明の缶蓋用シェル製造方法は、一組の上型と下型との間で金属板を挟むようにプレス成形することにより、中央の円盤状のパネル部と、その外周に連続し、上方に向けた環状凹部を形成するカウンターシンク部と、該カウンターシンク部の外周縁から上方に向かうにしたがって漸次拡径するチャック壁部と、該チャック壁部の外周縁から半径方向外方に広がるショルダー部と、該ショルダー部に連続し、外周縁部を半径方向内方に向けて折り返してなるカール形状部と、を備える缶蓋用シェルを製造する方法であって、
前記下型に、上面と側面とを連結する角部が外方に向けて凸となる第1屈曲面に形成されたパネルポンチと、該パネルポンチの半径方向外側に隙間をあけて設けられたダイコアリングとを用いるとともに、前記上型に、下端側外周部から前記下型の前記隙間に向けて突出し、先端部が前記下型に向けて凸となる第2屈曲面に形成された環状凸部を有するダイセンターと、該ダイセンターの半径方向外側の圧力スリーブとを用い、
前記ダイコアリングと前記圧力スリーブとの間で前記金属板を挟みながら、半径方向内方に向けて凸となる第1湾曲部と、その上方で半径方向内方に凹(半径方向外方に向けて凸)となる第2湾曲部とを連続させた形状に前記チャック壁部を形成するとともに、
該チャック壁部の半径方向内側で、前記パネルポンチと前記ダイセンターとの間で前記金属板の中央部を挟持する際に、前記第1屈曲面と前記環状凸部の前記第2屈曲面とにより前記金属板を前記隙間に向けて押し込むように折り曲げることにより前記金属板に凹みを形成し、次いで、前記パネルポンチと前記ダイセンターとによる挟持状態を維持したまま、その外側で前記金属板を挟持している前記ダイコアリング及び前記圧力スリーブに対して前記パネルポンチと前記ダイセンターとを相対的に上昇移動することで、前記隙間に前記金属板の前記凹みの部分を徐々に落とし込んで前記凹みの深さを徐々に大きくして前記環状凹部に形成して前記第2湾曲部の内周縁に連続する前記カウンターシンク部を形成し、該カウンターシンク部の内側に前記パネル部を形成する。
ここで、従来の缶蓋用シェルの製造方法では、成形プロセスの過程で図9(a)に示す下死点から図9(b)に示す上昇ストロークに転じる際に、カウンターシンク部となる部位の外接する金型上で、金属板9Jが極端に屈曲して屈曲点P1が形成される。その後、カウンターシンク部の成形が図9(c)、図9(d)に示すように進むと金属板9J上の屈曲点P1は直線状に戻される形となり、図9(d)に示すように、カウンターシンク部のパネル側の位置(パネル壁)に屈曲点P2が移動する。このようにパネル壁に過度の加工硬化が蓄積された結果、微小なクラックを生じる。
この現象は、使用する金属板の板厚が薄いほど顕著であり、またダイコアリング36Jの内径面とパネルポンチ33Jの外径面の間隙が小さいほど顕著となる。
本発明では、金属板を挟持してチャック壁部を形成するとともに、パネルポンチの第1屈曲面と環状凸部の第2屈曲面とにより金属板を曲げることにより、カウンターシンク部の環状凹部となる凹みを第2屈曲面に沿わせるようにあらかじめ形成しておくことで、金属板に屈曲点を生じさせることなく、曲げ応力が集中する部位をなくすことができる。そして、その凹みを徐々に深くするように成形しているので、カウンターシンクのパネル壁に過度の加工硬化が生じることがない。これにより、パネル壁にクラックが生じることを抑制でき、バックリング現象が生じても飲料物が噴出することを抑制できる。
本発明の缶蓋用シェル製造装置は、一組の上型と下型との間で金属板を挟むようにプレス成形することにより、中央の円盤状のパネル部と、その外周部に連続し、上方に向けた環状凹部を形成するカウンターシンク部と、該カウンターシンク部の外周縁から上方に向かうにしたがって漸次拡径するチャック壁部と、該チャック壁部の外周縁から半径方向外方に広がるショルダー部と、該ショルダー部に連続し、外周縁部を半径方向内方に向けて折り返してなるカール部とを備える缶蓋用シェルを製造する装置であって、
前記上型と前記下型との中央部に、前記パネル部を成形するためのダイセンターとパネルポンチとが対向状態に設けられるとともに、これらダイセンターとパネルポンチとの外側に、半径方向内方に向けて凸となる第1湾曲部と、その上方で半径方向内方に凹(半径方向外方に向けて凸)となる第2湾曲部とを連続させた形状の前記チャック壁部を形成する圧力スリーブとダイコアリングとが対向状態に設けられており、
前記パネルポンチの上面と側面とを連結する角部が外方に向けて凸となる第1屈曲面に形成されるとともに、前記ダイセンターの下端側外周部には、前記下型に向けて突出し、先端部が前記下型に向けて凸となり、かつ前記第1屈曲面よりも半径方向外方に位置する第2屈曲面を有する環状凸部が形成されており、前記ダイセンターの下端面から前記環状凸部の前記第2屈曲面の頂点までの高さが0.3mm以上1.2mm以下に設定されており、下側の前記ダイコアリングと前記パネルポンチとの間には隙間が形成され、前記環状凸部は前記隙間に対向状態で配置されている。
本発明によれば、パネル壁にクラックが生じることを抑制でき、これにより内圧上昇によりバックリング現象が生じたとしても、亀裂の発生を抑制し、液漏れを防止することができる。
本発明の一実施形態の缶蓋の要部を示す縦断面図である。 (a)に缶蓋用シェル、(b)に缶蓋を示す縦断面図である。 本発明の缶蓋用シェル成形装置の実施形態の要部を示す縦断面図である。 図3の上型と下型との間で金属板を打ち抜いた状態を示す要部を拡大した断面図である。 図4の状態からさらに上型が下降し、外側圧力スリーブとダイコアリングとの間に金属板を挟持した状態を示す断面図である。 図5の状態からカール形状部を成形した状態を示す断面図である。 図6に示す状態からシェルの成形が完了した状態を示す断面図である。 図5から図6への変遷をさらに局部的に詳細に(a)から(d)の順に示した拡大部である。 従来の缶蓋用シェルの製造工程におけるカウンターシンクとなる部位の近傍を局部的に詳細に(a)から(d)の順に示した拡大部である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
まず、缶蓋10となる前の缶蓋用シェル1について説明する。
この缶蓋用シェル1は、アルミニウム合金により、図1及び図2に示すように、その中央部分に配置される円板状をなすパネル部2と、パネル部2の外周縁からコーナー部3を介して連続し下方に向けた環状凹部4を形成するカウンターシンク部5と、カウンターシンク部5の外周縁から上方に向けてほぼ拡径しながら延在するチャック壁部6と、チャック壁部6の外周縁から半径方向外方に広がるショルダー部7と、ショルダー部7に連続し、外周縁部を下向きに折り曲げてなるカール形状部8aとから構成されている。
パネル部2は、全体としては円板状に形成され、その中心にタブ50が取り付けられるとともに、上面に、このタブ50を起こすことによって開口され飲み口となるスコア(図示略)等が形成される。コーナー部3は、パネル部2の外周縁とカウンターシンク部5の内周縁との間を凸状の屈曲面により連結する形状である。
カウンターシンク部5では、コーナー部3に連なる内側壁部52(本発明のパネル壁に相当)が鉛直下方に向かうに従ってわずかに拡径するように延びており、その内側壁部52の下縁から内側屈曲部55及びその外側に外側屈曲部56が直接もしくは若干の幅の平面又は円弧面を介して連続している。これら屈曲部55,56は、その両方でカウンターシンク部5の底部を形成している。
そして、その外側屈曲部56から上方に向けて若干拡径しながら外側壁部57が延びており、これら内側壁部52、内側屈曲部55、外側屈曲部56、外側壁部57によって縦断面がほぼU字状の断面のカウンターシンク部5が構成されている。
なお、内側壁部52及び外側壁部57が下方に向かうにしたがって徐々に接近するように傾斜していることにより、環状凹部4は、下方に向かうにしたがって徐々に幅が狭くなっている。
チャック壁部6は、カウンターシンク部5の外側壁部57の上端縁に連続し半径方向内方に向けて凸となるように湾曲した第1湾曲部18と、第1湾曲部18の上端縁に直接もしくは若干の幅の平面又は円弧面を介して連続し半径方向外方に向けて凸となるように湾曲した第2湾曲部19とからなる形状とされており、これら第1湾曲部18及び第2湾曲部19の連続形状により、全体としては上方に向けて拡径する形状とされている。
ショルダー部7は、チャック壁部6の第2湾曲部19の上端縁(外周縁)に連続し、上方に向けて凸となるように湾曲しながら拡径して半径方向外方に延びている。この場合、チャック壁部6の第2湾曲部19は、その内周面(缶蓋1としては外面)を斜め上方に向けた状態に湾曲していることから、全体としては下方から上方に向かうにしたがって漸次拡径する形状とされており、この第2湾曲部19に連続するショルダー部7も下方から上方に向けて拡径している。
カール形状部8aは、ショルダー部7の外周縁に連続して半径方向外方に広がり、その外周縁部を下方に折り曲げてなる形状とされている。このカール形状部8aは、その後、カーリング工程を経ることにより、下方に向けた外周縁部を半径方向内方に向けて折り返してなる形状のカール部8に形成される。
また、パネル部2に飲み口となるスコア等が形成されるとともに、パネル部2の中心に開口のためのタブ50が取り付けられ、カール部8の裏面にライニング材51が設けられることにより、缶蓋10となる。
一方、この缶蓋10が巻き締められる缶体40は、有底筒状の胴部(図示略)から縮径したネック部41の上端に、屈曲部42を介して外向きのフランジ部43が連続して形成された形状とされている。
この缶体40に缶蓋10が被せられると、缶体40の屈曲部42に缶蓋10のショルダー部7における外周面(缶蓋10としては内面)側の凹面が対向するように配置され、フランジ部43の上面にショルダー部7からカール部8にかけた裏面が対向して配置される。そして、その状態で、缶蓋10のカール部8を缶体40のフランジ部43と一体に巻き込みながら円周方向に沿って巻き締めると、カール部8の巻き込み部の中に折り返された状態のフランジ部43が入り込んで缶蓋10と缶体40とが相互に相手を挟み込んでなる二重巻き締め部(図示略)が形成される。
このように構成される缶蓋10において、公称径が202(巻き締め部の最外径が53.9mm~54.5mm、巻き締め前の缶蓋1のカール部8の最外径D1が59.1mm~59.5mm)の場合は、カウンターシンク部5の最下端の直径D2が46.5mm~47.0mm、パネル部2の直径D3が42.5mm~44.5mm、ショルダー部7あるいはカール部8の最頂面からカウンターシンク部5の内底面までの深さPが6.1mm~6.6mm、カウンターシンク部5の最下端からパネル部2の下面までの高さH1が1.8mm~2.3mmとされる。板厚Tは0.203mm~0.213mmである。
また、第1湾曲部18外面の曲率半径R3は0.9mm~3.0mm、第2湾曲部19外面の曲率半径R4は0.6mm~3.0mmに設定される。また、ショルダー部7外面の曲率半径R5は1.2mm~3.0mmに設定される。そして、ショルダー部7外面と第1湾曲部18外面との共通接線Aがパネル部2外面となす角度θ1が45°~70°とされている。
公称径が200(巻き締め部の最外径が51.9mm~52.5mm、巻き締め前の缶蓋1のカール部8の最外径D1が56.8mm~57.2mm)の場合は、カウンターシンク部5の最下端の直径D2が44.1mm~44.5mm、パネル部2の直径D3が40.7mm~42.5mm、ショルダー部7あるいはカール部8の最頂面からカウンターシンク部5の内底面までの深さPが6.1mm~6.6mm、カウンターシンク部5の最下端からパネル部2の下面までの高さH1が1.8mm~2.3mmとされる。板厚Tは0.203mm~0.213mmである。
また、第1湾曲部18外面の曲率半径R3は0.9mm~3.0mm、第2湾曲部19外面の曲率半径R4は0.6mm~3.0mmに設定される。また、ショルダー部7外面の曲率半径R5は1.2mm~3.0mmに設定される。そして、ショルダー部7外面と第1湾曲部18外面との共通接線Aがパネル部2外面となす角度θ1が45°~70°とされる。
また、パネル部2の直径D3がカウンターシンク部5の最下端の直径D2の93%未満となると、注ぎ性が悪化して液残りがより増加する。このため、本実施形態では、パネル部2の直径D3は、カウンターシンク部5の最下端の直径D2の93%以上とされている。
この缶蓋用シェル1のパネル部2に飲み口となるスコア等が形成され、パネル部2の中心に開口のためのタブ50が取り付けられ、カール部8の裏面にライニング材51(図1には略)が設けられることにより、図2(b)に示す缶蓋10となる。
この実施形態の缶蓋用シェル1を製造する缶蓋用シェル成形装置11は、図3に示すように、プレス機(図示略)に上型12と下型13とが取り付けられてなり、これら上型12と下型13との間に金属板9を配置し、これを円形に打ち抜きながら缶蓋用シェル1を成形するものである。
その要部を図4~図8に示している。
上型12には、シェル1のパネル部2の表面を形成するためのダイセンター23と、ダイセンター23を囲むように環状のブランクドローダイ24とが設けられるとともに、このブランクドローダイ24とダイセンター23との間に、内側圧力スリーブ25及び外側圧力スリーブ26が設けられている。この場合、内側圧力スリーブ25の先端部25aはダイセンター23側に配置され、外側圧力スリーブ26の先端部26aはブランクドローダイ24側に配置されており、これら内側圧力スリーブ25の先端部25aと外側圧力スリーブ26の先端部26aとは、ダイセンター23の軸心と同心上に二重のスリーブ状に配置される。
また、ダイセンター23の下端側外周部には、下型13に向けて突出し、先端部が下型13に向けて凸となる第2屈曲面232、第2屈曲面232の半径方向内方基端側に形成された第3屈曲面233、及び第2屈曲面232の半径方向外方基端側に形成された第4屈曲面234を有する環状凸部231が形成されている。この環状凸部231の高さ、すなわち、ダイセンター23の下端面から第2屈曲面232の頂点までの高さw1は、0.3mm以上1.2mm以下に設定されている。なお、第2屈曲面232の曲率半径は0.3mm~0.8mm、第3屈曲面233の曲率半径は0.3mm~1.2mm、第4屈曲面234の曲率半径は0.8mm~1.8mmとされている。
一方、下型13には、上型のダイセンター23に対向して、シェル1のパネル部2の裏面を形成するための円形のパネルポンチ33と、ブランクドローダイ24との間で金属板9を打ち抜く環状のカットエッジダイ34とが設けられるとともに、このカットエッジダイ34とパネルポンチ33との間に、上型のブランクドローダイ24に対向する下部圧力スリーブ35と、内側圧力スリーブ25及び外側圧力スリーブ26に対向するダイコアリング36とが設けられている。この場合、下部圧力スリーブ35の先端部35aはカットエッジダイ34側に配置され、ダイコアリング36の先端部36aはパネルポンチ33側に配置されており、これら下部圧力スリーブ35の先端部35aとダイコアリング36の先端部36aとが、パネルポンチ33の軸心(前述したダイセンター23の軸心と同軸)と同心上に二重のリング状に配置される。
パネルポンチ33とダイコアリング36との間には、カウンターシンク部5を形成するための隙間60が形成されている。この隙間60の幅は、1.1mm~1.6mmに設定されており、上述したダイセンター23の環状凸部231と対向状態とされている。
また、パネルポンチ33の上面と側面とを連結する角部は、外方に向けて凸となる第1屈曲面331に形成され、第1屈曲面331の曲率半径が0.3mm~1.1mmとされる。この第1屈曲面331は、第2屈曲面232よりも半径方向内方に配置されており、第2屈曲面232とともに金属板9を曲げて凹み91を形成するために設けられている。
次に、以上のように構成された缶蓋用シェル成形装置11により缶蓋用シェル1を成形する方法について説明する。
アルミニウム合金等からなる金属板9を缶蓋用シェル成形装置11の上型12と下型13との間に配置して、両型12,13を閉じるように上型12を下降させると、まず、図4に示すように、金属板9を上型12のブランクドローダイ24と下型の下部圧力スリーブ35との間に挟持するとともに、ブランクドローダイ24とカットエッジダイ34との間で金属板9を円形に打ち抜く。
さらに上型12を下降させると、図5に示すように、ブランクドローダイ24と下部圧力スリーブ35との間で挟持されている外周縁部よりも内側で、外側圧力スリーブ26とダイコアリング36との間に金属板9を環状に挟持し、その挟持状態でさらに上型12を下降すると、図6に示すように、金属板9の外周縁部をブランクドローダイ24と下部圧力スリーブ35との間で挟持しながら絞り加工し、ダイコアリング36の先端外周部で屈曲するようにカール形状部8aを成形する。一方、外側圧力スリーブ26の内側では、内側圧力スリーブ25が下降してダイコアリング36との間で金属板9を挟持することにより、上側湾曲部19及び下側湾曲部18を有するチャック壁部6を成形しつつ、ダイセンター23とパネルポンチ33との間で金属板9の中央部を挟持する。
次いで、図7に示すように、ダイセンター23及びパネルポンチ33を若干上昇させるように、内側圧力スリーブ25及びダイコアリング36に対して相対的に移動しながらパネル部2及びカウンターシンク部5を成形する。
このカウンターシンク部5の成形工程を図8によりさらに詳細に説明すると、前述したようにパネルポンチ33とダイコアリング36との間に隙間60が形成されていることから、ダイセンター23とパネルポンチ33とが金属板9を挟持すると、図8(a)に示すように、金属板9が環状凸部231により隙間60に向けて押圧され、パネルポンチ33の第1屈曲面331と環状凸部231の第2屈曲面232により金属板9が折り曲げられて凹み91が形成される。このように第2屈曲面232に沿わせるようにあらかじめ凹み91形成しておくことで、金属板9に極端な屈曲点を生じさせることなく、曲げ応力が集中する部位をなくしている。この挟持状態を維持した状態で図8(a)に示す下死点から同図(b)に示すように、内側圧力スリーブ25及びダイコアリング36に対して相対的に上昇移動すると、金属板9において隙間60の上方に配置されている部分が下方からの支持がないため、第1屈曲面331に沿って隙間60内に落とし込まれるように入り込む。この際、凹み91は、ダイセンター23とパネルポンチ33との上昇移動に伴い、隙間60内を下方に延びていき、凹みの深さが徐々に大きくなるように変形する。これにより、図8(c)に示すように、凹み91が環状凹部4に形成され、カウンターシンク部5となる。
このようにして成形が終了したら、図8(d)に示すように、ダイセンター23をパネル部2から離間して上昇させるとともに、内側圧力スリーブ25、外側圧力スリーブ26及びブランクドローダイ24を上昇させることにより、缶蓋用シェル1からこれらを離間する。
前述したように、缶蓋用シェル1は、パネル部2に飲み口となるスコア等が形成されるとともに、パネル部2の中心に開口のためのタブ50が取り付けられ、カール部8の裏面にライニング材51が設けられることにより、缶蓋10となる。
このようにして製造された缶蓋10は、金属板9を挟持してチャック壁部6を形成するとともに、パネルポンチ33の第1屈曲面331と環状凸部231の第2屈曲面232とにより金属板9を曲げることにより、カウンターシンク部5の環状凹部4となる凹み91を第2屈曲面232に沿わせるようにあらかじめ形成しておくことで、金属板9に極端な屈曲点を生じさせることなく、曲げ応力が集中する部位をなくすことができる。そして、その凹み91を徐々に深くするように成形しているので、カウンターシンク部5のパネル壁(内側壁部52)に過度の加工硬化が生じることがない。これにより、パネル壁(内側壁部52)にクラックが生じることを抑制でき、バックリング現象が生じても飲料物が噴出することを抑制できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、パネルポンチ平面部の外径をより大きく設定するために、パネルポンチの第1屈曲面331を大小2つのRの組み合わせとし、パネルポンチ平面から連接するRの曲率半径をパネルポンチ外径に連接するRの曲率半径よりも小さく設定してもよい。この場合、パネル部2の直径D3を確実にカウンターシンク部5の最下端の直径D2の93%以上にできる。
図1に示す各部の寸法が、板厚T=0.208mm、外径D1=59.3mm、P=6.35mm、H1=2.0mmである缶蓋を作製した。このとき、実施例では、ダイセンターに第2屈曲面の曲率半径R=0.4mm、第3屈曲面の曲率半径R=1.02mm、第4屈曲面の曲率半径R=1.55mm、高さ0.45mmの環状凸部を設け、比較例では環状凸部を設けることなく、ダイセンターの角部の曲率半径Rを1.55mmとした。また、実施例及び比較例のいずれの場合もパネルポンチの第1屈曲面の曲率半径Rを0.8mmとして、カウンターシンク部を形成した。
これら缶蓋を缶胴に巻締手、耐圧強度、バックリング時に亀裂を生じた蓋数を測定した。
耐圧強度としては、缶蓋を巻き締めた缶を水圧式バックリングテスター(エーステック株式会社製)に接地部から95mmの位置で固定し、水圧により昇圧スピード33kPa/sで缶内圧を上昇させ、ドーム状の中央部が反転する(バックリングする)までの最高到達圧を評価した。また、このバックリング時の亀裂の有無を目視により観察した。
それぞれ120缶測定し、その結果を表1に示す。
Figure 2022119588000002
実施例、比較例とも平均耐圧強度において大きな差異はないが、比較例ではバックリング時に100%で亀裂が生じたのに対して、実施例では亀裂が生じた缶はなかった。
1 缶蓋用シェル
2 パネル部
3 コーナー部
4 環状凹部
5 カウンターシンク部
52 内側壁部(パネル壁)
6 チャック壁部
7 ショルダー部
8 カール部
8a カール形状部
9 金属板
10 缶蓋
11 シェル成形装置
12 上型
13 下型
23 ダイセンター
231 環状凸部
232 第2屈曲面
233 第3屈曲面
234 第4屈曲面
24 ブランクドローダイ
25 内側圧力スリーブ
26 外側圧力スリーブ
33 パネルポンチ
331 第1屈曲面
34 カットエッジダイ
35 下部圧力スリーブ
36 ダイコアリング
50 タブ
51 ライニング材
60 隙間
61 凸状屈曲面
62 縦壁面
63 凹状屈曲面
64 フランジ面
64a 円弧面

Claims (2)

  1. 一組の上型と下型との間で金属板を挟むようにプレス成形することにより、中央の円盤状のパネル部と、その外周に連続し、上方に向けた環状凹部を形成するカウンターシンク部と、該カウンターシンク部の外周縁から上方に向かうにしたがって漸次拡径するチャック壁部と、該チャック壁部の外周縁から半径方向外方に広がるショルダー部と、該ショルダー部に連続し、外周縁部を半径方向内方に向けて折り返してなるカール形状部と、を備える缶蓋用シェルを製造する方法であって、
    前記下型に、上面と側面とを連結する角部が外方に向けて凸となる第1屈曲面に形成されたパネルポンチと、該パネルポンチの半径方向外側に隙間をあけて設けられたダイコアリングとを用いるとともに、前記上型に、下端側外周部から前記下型の前記隙間に向けて突出し、先端部が前記下型に向けて凸となる第2屈曲面に形成された環状凸部を有するダイセンターと、該ダイセンターの半径方向外側の圧力スリーブとを用い、
    前記ダイコアリングと前記圧力スリーブとの間で前記金属板を挟みながら、半径方向内方に向けて凸となる第1湾曲部と、その上方で半径方向内方に凹(半径方向外方に向けて凸)となる第2湾曲部とを連続させた形状に前記チャック壁部を形成するとともに、
    該チャック壁部の半径方向内側で、前記パネルポンチと前記ダイセンターとの間で前記金属板の中央部を挟持する際に、前記第1屈曲面と前記環状凸部の前記第2屈曲面とにより前記金属板を前記隙間に向けて押し込むように折り曲げることにより前記金属板に凹みを形成し、次いで、前記パネルポンチと前記ダイセンターとによる挟持状態を維持したまま、その外側で前記金属板を挟持している前記ダイコアリング及び前記圧力スリーブに対して前記パネルポンチと前記ダイセンターとを相対的に上昇移動することで、前記隙間に前記金属板の前記凹みの部分を徐々に落とし込んで前記凹みの深さを徐々に大きくして前記環状凹部に形成して前記第2湾曲部の内周縁に連続する前記カウンターシンク部を形成し、該カウンターシンク部の内側に前記パネル部を形成することを特徴とする缶蓋用シェルの製造方法。
  2. 一組の上型と下型との間で金属板を挟むようにプレス成形することにより、中央の円盤状のパネル部と、その外周部に連続し、上方に向けた環状凹部を形成するカウンターシンク部と、該カウンターシンク部の外周縁から上方に向かうにしたがって漸次拡径するチャック壁部と、該チャック壁部の外周縁から半径方向外方に広がるショルダー部と、該ショルダー部に連続し、外周縁部を半径方向内方に向けて折り返してなるカール部とを備える缶蓋用シェルを製造する装置であって、
    前記上型と前記下型との中央部に、前記パネル部を成形するためのダイセンターとパネルポンチとが対向状態に設けられるとともに、これらダイセンターとパネルポンチとの外側に、半径方向内方に向けて凸となる第1湾曲部と、その上方で半径方向内方に凹(半径方向外方に向けて凸)となる第2湾曲部とを連続させた形状の前記チャック壁部を形成する圧力スリーブとダイコアリングとが対向状態に設けられており、
    前記パネルポンチの上面と側面とを連結する角部が外方に向けて凸となる第1屈曲面に形成されるとともに、前記ダイセンターの下端側外周部には、前記下型に向けて突出し、先端部が前記下型に向けて凸となり、かつ前記第1屈曲面よりも半径方向外方に位置する第2屈曲面を有する環状凸部が形成されており、前記ダイセンターの下端面から前記環状凸部の前記第2屈曲面の頂点までの高さが0.3mm以上1.2mm以下に設定されており、下側の前記ダイコアリングと前記パネルポンチとの間には隙間が形成され、前記環状凸部は前記隙間に対向状態で配置されていることを特徴とする缶蓋用シェルの製造装置。
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