JP5178327B2 - 液晶表示パネル、液晶表示パネルを備えた電子機器、及び液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents

液晶表示パネル、液晶表示パネルを備えた電子機器、及び液晶表示パネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は樹脂製の遮光層を有する透過型あるいは半透過型の液晶表示パネル、この液晶表示パネルを備えた電子機器、及び液晶表示パネルの製造方法に関する。
近年、情報通信機器のみならず一般の電気機器においても液晶表示装置の適用が急速に普及している。この液晶表示装置は、一般にアレイ基板とカラーフィルタ基板とを対向配置し、周囲をシール材で貼り合わせて、両基板間に液晶を封入して形成されている。このうち、アレイ基板は、第1の透明基板上にマトリクス状に設けられた複数の画素電極を有するものである。また、カラーフィルタ基板は、第2の透明基板上にマトリクス状に形成された遮光層、それぞれの画素電極に対向するように設けられた複数のカラーフィルタ層、及び、カラーフィルタ層上に形成されたITO(インジウム−スズ酸化物)やIZO(インジウム−亜鉛酸化物)等の透明電極からなる共通電極を有するものである。
このような構成を備える液晶表示パネルのうち、カラーフィルタ基板に形成される遮光層は、その多くがクロム等の金属材料が使用されている。このように金属材料が使用される要因は、薄膜性及び高遮光性という点で有利であるためである。
しかしながら、近年では、この金属材料に代えて樹脂材料からなる遮光層が登場してきている。この樹脂材料からなる遮光層は、金属材料に比して安価である。また、反射率が金属材料より低いため、高コントラスト化が達成し易い。また、環境への影響も少ない。このように、金属材料を使用する場合よりも有利な点を有している。
ところで、樹脂製の遮光層を使用する場合、例えばアレイ基板及びカラーフィルタ基板を貼り合わせるシール材はこの遮光層上に接合される。しかしながら、樹脂製の遮光層は金属材料からなるものに比べてシール材との密着性が低く、シール材との界面で剥離現象が生じることがあった。具体的には、例えば、樹脂製の遮光層は黒色顔料を含んでおり、この顔料とシール材との密着性が良くないことが考えられる。
このような問題点を解決する方法として、下記特許文献1及び2には、表示領域及び非表示領域に形成された樹脂製の遮光層の表面を保護膜で被覆した液晶表示パネルが開示されている。
特開平11−64837号公報 特開2001−147439号公報
上記特許文献1及び2に開示されているように、樹脂製の遮光層上を保護膜で被覆すれば先に述べた問題点については一応解消することができる。しかしながら、遮光層表面をこの保護膜でベタ状に被覆してしまうと表示領域内の各画素領域まで保護膜で覆われることになる。このように画素領域が保護膜に覆われると画素領域の透過率が低下したり、表示を行う際に表示画面が黄色味を帯びたりするといった問題点が生じる。
また、上述の樹脂製の遮光層を用い、更にその上を保護膜で被覆する構成を半透過型の液晶表示パネルに採用することを考えてみる。半透過型の液晶表示パネルは、例えば、画素領域の反射部にセルギャップ調整用の透明膜が形成される。従って、反射部には保護膜が形成され、更にセルギャップ調整用の透明膜が形成される。これにより、半透過型の液晶表示パネルの透過率を更に低下させることになる。
また、樹脂製の遮光層を備えた半透過型の液晶表示パネルを製造する場合、保護膜の形成工程と、セルギャップ調整用の透明膜の形成工程とが必要となる。この場合、従来のような金属製の遮光層を備えた半透過型の液晶表示パネルに比べ製造工程が増えるという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本願発明に係る液晶表示パネルは、透明基板上の表示領域における画素領域毎に少なくとも画素電極及びスイッチング素子を有するアレイ基板と、画素電極に対向するようにカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ基板と、表示領域の外側を囲むシール材により貼り合わされたアレイ基板とカラーフィルタ基板との間に封入された液晶と、を備える液晶表示パネルであって、カラーフィルタ基板には、樹脂材料からなり、シール材が形成される領域の内周より内側の領域を含む表示領域の外周を覆って形成される額縁部を有する樹脂遮光層と、シール材との密着性が高い材料からなり、表示領域では開口部を有し、表示領域の外側では少なくとも、樹脂遮光層の額縁部が液晶側に露出される領域の内周に対応する位置から、シール材が形成される領域の外周に対応する位置まで、を含む額縁状に樹脂遮光層を覆って形成される保護膜と、を有する
この構成によれば、シール材が形成される表示領域の外側の樹脂製の遮光層を保護膜で被覆したことにより、遮光層とシール材との間で生じていた剥離現象を防ぐことができる。加えて、保護膜に開口部を有し、表示領域に保護膜が形成されないので、保護膜による透過率の減少や黄色味を帯びることを低減することが可能となり、明るい表示品質を有する液晶表示パネルが得られる。
上記液晶表示パネルにおいて、保護膜は、開口部が、表示領域と略同一の形状を有する、ことが好ましい。
上記液晶表示パネルにおいて、画素領域は透過部と反射部とを有し、保護膜は、透明樹脂からなり反射部に対応する位置には保護膜が配設され、透過部に対応する位置に開口部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、半透過型の液晶表示パネルにおいても、保護膜によりシール材との密着性が向上されるので剥離現象を効果的に抑えることができる。また、透過部以外の反射部に透明樹脂からなる保護膜が形成されているので、半透過型の液晶表示パネルで使用されているセルギャップ調整用の透明膜として兼用することができる。
上記液晶表示パネルにおいて、保護膜は、隣接する透過部に跨って開口部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、保護膜がスリット状に形成された形状となるため、例えば保護膜を公知のフォトリソグラフィー法で形成した場合には、画素領域ごとの透過部に対応したマスクを用意する必要がなく、使用するマスクのパターンを簡単にすることができる。
上記液晶表示パネルにおいて、透過部におけるアレイ基板の表面とカラーフィルタ基板の表面との距離をHaとし、反射部におけるアレイ基板の表面とカラーフィルタ基板の表面との距離をHbとしたとき、Hb=1/2Haという関係となるように保護膜の肉厚が設定されていることが好ましい。なお、ここで述べるアレイ基板及びカラーフィルタ基板の「表面」とは、各種配線や膜が形成された基板における最表面のことを示すものとする
この構成によれば、保護膜の肉厚を調整して、反射部における両基板間の距離を透過部における両基板間の距離の半分に設定することで、反射部と透過部との間に生じる表示画質の差異を抑えることができるので、表示画質が良好な液晶表示パネルが得られる。
本願発明に係る電子機器は、上記に記載の液晶表示パネルを備える
この構成によれば、明るい表示品質を有する液晶表示パネルを備える電子機器を提供することが可能となる。
本願発明に係る液晶表示パネルの製造方法は、透明基板上の表示領域における画素領域毎に画素電極及びスイッチング素子が形成されたアレイ基板と、画素電極に対向するようにカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ基板と、を備え、アレイ基板及びカラーフィルタ基板が表示領域の外側を囲むシール材により貼り合わされ、アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶が封入されてなる液晶表示パネルの製造方法であって、カラーフィルタ基板上に、樹脂材料からなり、画素領域を区画するように設けられる格子部と、シール材が形成される領域の内周より内側の領域を含む表示領域の外周を覆うように設けられる額縁部と、を有する脂遮光層を形成する工程と、カラーフィルタ基板上の画素領域毎にカラーフィルタ層を形成する工程と、樹脂遮光層びカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ基板上の表面に、表示領域が開口し、表示領域の外側では少なくとも、樹脂遮光層の額縁部が液晶側に露出される領域の内周に対応する位置から、シール材が形成される領域の外周に対応する位置まで、を含む額縁状に樹脂遮光層を覆う保護膜を形成する工程と、表示領域の外側にシール材を塗布し、アレイ基板とカラーフィルタ基板とを貼り合せる工程と、を有する。
この方法によれば、シール材が形成される表示領域の外側の樹脂遮光層を保護膜で被覆したことにより、遮光層とシール材との間で生じていた剥離現象を防ぐことができる。加えて、保護膜に開口部を有し、表示領域に保護膜が形成されないので、保護膜による透過率の減少や黄色味を帯びることを低減することが可能となり、明るい表示品質を有する液晶表示パネルを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示パネルを例示するものであって、本発明をこの液晶表示パネルに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれる他の実施形態にも等しく適応し得るものである。
図1は実施例1に係る液晶表示パネルの平面図である。図2は図1のアレイ基板表面の状態を示す概略平面図である。図3は1画素領域の配線構造を説明するため図2のIII部分を拡大して示した拡大平面図である。図4は図3のIV−IV線で切断した要部断面図である。図5は図1に示す液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を分解して示す概略斜視図である。図6は図1の液晶表示パネルを図2のVI−VI線で切断した要部断面図である。
この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせて表示している。従って、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
本実施例1に係る液晶表示パネル1は、図1に示すように、アレイ基板10及びカラーフィルタ基板20と、両基板10、20を貼り合わせるシール材30と、アレイ基板10、カラーフィルタ基板20及びシール材30により囲まれた領域に封入された液晶40(図4参照)と、から構成された、いわゆるCOG(Chip On Glass)型の液晶表示パネルである。この液晶表示パネル1においては、シール材30により囲まれた領域より内側に表示領域DAが設けられている。この表示領域DAは、外部からの映像信号に基づき、液晶40の液晶分子を制御する領域である。この表示領域DAより外側の領域、すなわちシール材30が塗布される領域を含む液晶表示パネル1の額縁部分の領域が後述する表示領域DA外の領域となる。この額縁部分の領域は、様々な配線や、位置合わせのためのマーク等が形成されている。なお、図1には表示領域DAに当たる領域に格子状のハッチングが施されている。
アレイ基板10は、図2に示すように、第1の透明基板である矩形状のガラス基板11の上に形成される表示領域DAに液晶駆動用の各種配線等が形成されたものである。このアレイ基板10はカラーフィルタ基板20よりもその長手方向の長さが長くなっている。そしてアレイ基板10は、両基板10、20を貼り合わせた際、外部に延在する延在部11aを備えている。この延在部11aには、駆動信号を出力するICチップあるいはLSI等からなるドライバDrが設けられている。
図2に示すように、アレイ基板10の表示領域DA内には、マトリクス状に複数本の走査線51及び複数本の信号線52が形成されている。この複数本の走査線51及び複数本の信号線52は、表示領域DAの外まで延出されている。そして複数本の走査線51は複数本のゲート引回し線GLに、複数本の信号線52は複数本のソース引回し線SLにそれぞれ接続されている。また、このゲート引回し線GLとソース引回し線SLは表示領域DA外を引回されて、その一端がドライバDrに接続されている。
更に、アレイ基板10の表示領域DA内には、図3に示すように、複数本の走査線51及び複数本の信号線52に加えて、隣接する走査線51との間に設けられ、走査線51と平行な補助容量線53が複数設けられている。また、ソース電極S、ゲート電極G、ドレイン電極D、及び半導体層54からなる薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)55がスイッチング素子として設けられている。また、走査線51と信号線52とで囲まれた領域を覆う画素電極56が設けられている。なお、TFT55の半導体層54としてはポリシリコン(p−Si)又はアモルファスシリコン(a−Si)が通常用いられる。またスイッチング素子としてはTFT55に限らず、他の素子でもよい。また、この実施形態においては、複数本の走査線51及び複数本の信号線52により囲まれた領域を1画素領域PAとする。
次に、主に図2及び図3を参照して、アレイ基板10上に形成された各種配線等の製造工程について簡単に説明する。
先ず、ガラス基板11上に所定厚のアルミニウム、モリブデン、クロム、チタンあるいはこれらの合金からなる導電物質を成膜する。なお、前述した材料以外の材料でも可能である。そして、周知のフォトリソグラフィー法を用いてパターニングする。この工程により、横方向に伸びる走査線51と、隣接する走査線51の間に位置する補助容量線53と、走査線51から延在するゲート電極Gと、補助容量線53の一部を拡幅して形成される補助容量電極53aと、ゲート引回し線GLと、コモン引回し線(図示省略)と、を形成する。
次に、前記工程によって走査線51や補助容量線53等が形成されたガラス基板11上を覆うように所定厚のゲート絶縁膜57(図4参照)を成膜する。このゲート絶縁膜57としては窒化シリコン、酸化シリコン等からなる透明な無機絶縁材料が用いられる。
次に、ゲート絶縁膜57上に半導体層、例えばa−Siを成膜する。そして、ゲート電極Gを覆う部分を残してa−Si層をエッチング除去する。そして、TFT55の一部となる半導体層54を形成する。そして、複数の層が形成されたガラス基板11上に、導電物質を成膜し、走査線51に交差する方向に延びる信号線52、この信号線52から延設され半導体層54に接続されるソース電極S、補助容量電極53a上を覆うとともに一端が半導体層54に接続されるドレイン電極D、及び、ソース引回し線SLをパターニングする。この工程により、ガラス基板11の走査線51と信号線52との交差部近傍にTFT55が形成される。
更にまた、これらの各種配線を覆い、各種配線の表面を安定化するための無機絶縁材料からなるパッシベーション膜58(図4参照)を成膜する。続いて、アレイ基板10の表面を平坦化するための有機絶縁材料からなる層間膜59(図4参照)を成膜する。なお、補助容量電極53a上に位置する部分には、後述する画素電極56とドレイン電極Dとを電気的に接続するためのコンタクトホールCHが、層間膜59及びパッシベーション膜58に設けられている。そして、走査線51及び信号線52によって囲まれた1画素領域PAごとに、例えばITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)からなる画素電極56が形成されている。このとき好ましくは画素電極56の外縁部が走査線51及び信号線52上に位置し、かつ隣接する画素電極56同士が非接続状態となるように設ける。以上の工程によりアレイ基板10が製造される。
カラーフィルタ基板20には、図5に示すように、第2の透明基板となるガラス基板21上に、アレイ基板10の画素領域PAの境界に合わせて形成された樹脂材からなる樹脂遮光層61が設けられている。この樹脂遮光層61は、例えば黒色色素の顔料を含有した樹脂からなる。また、この樹脂遮光層61により囲まれた領域には、赤(R)、緑(G)、青(B)等のカラーフィルタ層62(62R、62G、62B)が設けられている。更には、樹脂遮光層61の外周囲を覆うように設けられた保護膜63が設けられている。また、カラーフィルタ層62を覆うように共通電極64が設けられている。ただし、これに限定されることなく、白黒表示であればカラーフィルタ層がない場合もあるし、色補完型のカラー表示の場合には三原色ではなく3種類以上のカラーフィルタ層で構成する場合もある。
このカラーフィルタ基板20に設けられる樹脂遮光層61は、公知のフォトリソグラフィー法等を用いて形成される。その構成は、図5に示すように、表示領域DAの外周全体を覆う額縁部分61aと、この額縁部分61aの内側、すなわち表示領域DA内に位置し、アレイ基板10の走査線51及び信号線52に対向するように格子状に形成された格子部分61bと、から構成されている。また、この樹脂遮光層61の格子部分61bの交差部近傍は、アレイ基板10のTFT55を覆うように膨出している。これは、TFT55の半導体層54に外光が当たることによって生じる漏れ電流を防止させるためである。なお、樹脂遮光層61の形状は、上記のような格子状に必ずしも限定されるものではなく、例えばストライプ状であったり、TFT55を覆うだけの形状であったりしてもよい。
また、樹脂遮光層61の額縁部分61aは、表示領域DAの外周全体を覆っているが、例えば、カラーフィルタ基板20の端部周辺は、基板を切断するための印として樹脂遮光層61の一部が除かれていても構わない。また、表示領域DAの外周囲は、バックライトからの光漏れを防止するために樹脂遮光層61の額縁部分61aが設けられているが、このバックライトからの光漏れの影響を受けない領域では、上述の基板切断のための印や、位置合わせのための印として、樹脂遮光層61の一部を取り除いてもよい。
また、この樹脂遮光層61の格子部分61b上に配設されるカラーフィルタ層62は、この格子部分61bに形成された複数の開口に対し、同色のカラーフィルタ層62を一方向に直列配置するストライプ配列で形成されている。なお、1つのカラーフィルタ層(例えばG色のカラーフィルタ層62G)に隣接する2つのカラーフィルタ層は必ず異なる色のもの(例えばR色及びB色のカラーフィルタ層62R、62B)を配設するようにする。
樹脂遮光層61及びカラーフィルタ層62が形成されると、次に保護膜63が成膜される。この保護膜63は、シール材30との密着性の高い材料で形成されている。保護膜63としては、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等である。シール材30としては、熱硬化型のエポキシ系樹脂、紫外線硬化型の変性エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等である。これらの材料は、保護膜63の材料と密着性がよい。更に、保護膜63は、透明な樹脂からなり顔料を含まないことから、顔料を含む樹脂遮光層61と比べ、シール材30との密着性は高くなる。
また、保護膜63は、樹脂遮光層61の額縁部分61aを覆うように額縁状に成膜され、表示領域DA内に対応する位置には表示領域DAとほぼ同一形状の開口63aが形成されている。樹脂遮光層61とシール材30との密着性を改善するために保護膜63が設けられていることから、保護膜63は、額縁部分61aにおいてシール材30との接着部分にだけ設けてあればよい。
ただし、保護膜63をシール材30との接着部分にだけ設けた場合、表示領域DAにおいて、樹脂遮光層61は共通電極64に覆われるので液晶40と直接に接することはないが、額縁部分61aにおいて、シール材30が設けられている位置と表示領域DAとの間では樹脂遮光層61と液晶40とが直接に接してしまうことになる。この場合、樹脂遮光層61からイオン成分が溶け出し、液晶40に拡散し、表示ムラを生じさせる恐れがある。
従って、実施例において保護膜63は、額縁部分61a全体を覆うように設けられている。なお、額縁部分61aにおいても、樹脂遮光層61の表面を共通電極64で覆うことも考えられるが、共通電極64の材料となるITO等の透明導電材はシール材30との密着性が悪いことが知られている。従って、後述する延出部64a以外では、共通電極64とシール材30とは密着させない構造にしている。
また、表示領域DAと樹脂遮光層61の境界において、図6では、共通電極64が樹脂遮光層61を覆っている。なお、保護膜63が共通電極64に重なるようにして樹脂遮光層61を覆うようにしてもよい。また、表示領域DA内に形成される保護膜63の開口63aは、図5に示すような表示領域DAとほぼ同一形状のものに限定されるものではなく、例えば表示領域DAに形成されている樹脂遮光層61の形状に合わせて保護膜63を残すことによって、複数の開口からなるものでも構わない。
そして、保護膜63が形成された基板上には、表示領域DAを覆うようにITOやIZO等の透明導電材からなる共通電極64が設けられている。また、この共通電極64の各隅部の少なくとも1箇所(なお、図1及び図5では2箇所)は表示領域DA外まで延出した延出部64aとなっている。この延出部64aはコンタクト材65(図1参照)を介してアレイ基板10上の図示しないコモン引回し線に接続され、ドライバDrに電気的に接続するようになっている。
シール材30は、アレイ基板10及びカラーフィルタ基板20の外周囲同士を貼り合わせるものである。このシール材30は、詳しくはアレイ基板10の表示領域DAの外縁部に沿って塗布されるとともに、その一部は液晶注入口31を形成するためにアレイ基板10の側端部に向かって延びている(図1参照)。なお、液晶注入口31が形成される位置は、図1ではアレイ基板10のドライバDrが形成された側の短辺に対向する短辺のほぼ中央部に形成されている。ただし、その他の部分、例えばアレイ基板10のいずれか一方の長辺の隅部等に設けることも可能である。
次に、上述した構成を備える液晶表示パネル1のシール材30が塗布される領域周辺の構成について、特に図6を参照して説明する。
アレイ基板10及びカラーフィルタ基板20は、互いの表面が対向するように配置された状態で、いずれか一方の基板(例えばカラーフィルタ基板20)の表示領域DA内に柱状スペーサ(図示省略)が配設される。またアレイ基板10又はカラーフィルタ基板20のいずれか一方に、表示領域DAの外周に亘ってシール材30を塗布する。そして、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20とをこのシール材30により貼り合わせる。そして、液晶注入口31から液晶40を注入し、液晶注入口31を封止材(図示省略)により封止することで液晶表示パネル1が組み立てられる。
このようにして組み立てられた液晶表示パネル1においては、シール材30は表示領域DAの外周囲を囲むように枠状に配設される。このとき、シール材30は、アレイ基板10側の端部ではパッシベーション膜58に接合し、カラーフィルタ基板20側の端部では保護膜63に接合している。このように、シール材30のカラーフィルタ基板20側の端部が、樹脂遮光層61ではなく保護膜63に接合することにより、樹脂遮光層61に比して高い密着性を有する保護膜63とシール材30とは強固に接合される。従って、この部分で剥離現象が起こることを防止できる。
また、上述のとおり、保護膜63は樹脂遮光層61の額縁部分61aのみを被覆するので、表示品質に影響を与えることがない。
上記実施例1に示した液晶表示パネル1はいわゆる透過型の液晶表示パネルであるが、半透過型の液晶表示パネルに適用することも可能である。そこで、以下には実施例2として、樹脂遮光層を採用した半透過型の液晶表示パネルについて図7〜図11を用いて説明する。
図7は実施例2に係る液晶表示パネルのアレイ基板表面の状態を示す概略平面図である。図8は1画素領域の配線構造を説明するため図7のVIII部分を拡大して示した拡大平面図である。図9は図8のIX−IX線で切断した要部断面図である。図10は実施例2に係る液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を分解して示す概略平面図である。図11は図7のXI−XI線で切断した要部断面図である。
なお、本実施例2の液晶表示パネル2は、半透過型であること以外は上記実施例1の液晶表示パネル1と実質的に同一の構成を備えているので、以下には実施例1の液晶表示パネル1と異なる構成についてのみ詳述し、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
また、本実施例2に係る液晶表示パネル2の外観形状は、図1に示す上記実施例1の液晶表示パネル1と同一である。この液晶表示パネル2のアレイ基板10'が実施例1の液晶表示パネル1と構成が相違する点は、反射部4の画素電極56と層間膜59との間に反射板56aが形成されている点である(図9参照)。この反射板56aは例えばアルミニウム金属乃至アルミニウム合金から形成されている。反射板56aは外光を効率的に反射して表示を行うために設けられたものである。この反射板56aの下層には遮光性金属から形成された補助容量電極53aが配設される。また、TFT55も配設されている。このように反射板56aによりTFT55の表面を覆うことで、反射板56aは半導体層54を外光から遮光する機能をも備えている。
液晶表示パネル2のカラーフィルタ基板20'は、図10に示すように、ガラス基板21上に、アレイ基板10'の画素領域PA(図8参照)に合わせて形成された樹脂遮光層61'と、この樹脂遮光層61'により囲まれた領域に設けられるカラーフィルタ層62(62R、62G、62B)と、樹脂遮光層61'の一部を覆うように設けられた保護膜63'と、カラーフィルタ層62を覆うように設けられた共通電極64と、が少なくとも設けられている。
このうち、樹脂遮光層61'は、表示領域DA外の外周囲全体を覆う額縁部分61a'と、この額縁部分61a'の内側、すなわち表示領域DA内に位置し、アレイ基板10'の走査線51及び信号線52に対向するように格子状に形成された格子部分61b'と、から構成されている。なお、この樹脂遮光層61'にはTFT55を覆う構成は備えていない。このような構造とすることにより、反射部4の開口度を大きくして反射部4の輝度を向上させることができる。
また、保護膜63'は、シール材30と密着性の高い材料で形成されている。そして保護膜63'は、共通電極64の直下の層に配設されている。この保護膜63'は、樹脂遮光層61'の額縁部分61a'を覆うとともに、画素領域PAの反射部4に対向する位置にも配設されている。すなわち、保護膜63'は、画素領域PAの透過部3に対向する位置が開口すると共に、隣接する画素領域PAの透過部3の開口を連ねた柵状のスリット63bを有している。なお、柵状のスリット63bは、必ずしも表示領域DA全体に亘って開口を連ねる必要はない。例えば、隣接する3つの画素領域PAについて透過部3の開口を連ねてもよい。また、図10に示す実施例2では、反射部4における保護膜63'は、表示領域DA全体に亘って連なっている。なお、反射部4における保護膜63'は、隣接する画素領域PA間において、切り欠いてあってもよい。また、例えば、隣接する3つの画素領域PAにおいては、反射部4における保護膜63'を連ねておき、この3つの画素領域PAと隣接する画素領域PAとの間には、反射部4における保護膜63'に切り欠きを設けておいてもよい。反射部4における保護膜63'について、隣接する画素領域PA間において、切り欠きを設けておけば、配向膜の塗布の際に配向膜が、透過部3の特定の開口部に溜まってしまうというような問題を低減することができる。
加えて、この保護膜63'の肉厚は、液晶表示パネル2のセルギャップに合わせて適宜設定されることが好ましい。すなわち、図9に示すように、透過部3における両基板10'、20'間距離Haと、反射部4における両基板10'、20'間距離Hbとが、以下の(式1)に示される関係となるように設定される。
Hb=1/2Ha ・・・・・・(式1)
上述のように保護膜63'の肉厚を設定すると、保護膜63'は通常の半透過型液晶表示パネルにおいて設けられているセルギャップ調整用の透明膜として兼用することが可能となる。したがって、特に一連の液晶表示パネル製造工程の工数を増加させることなく従来のセルギャップ調整用の透明膜に対応する部分を有する保護膜63'を形成することができる。また、この保護膜63'を形成することで透過部3と反射部4との間に色調の差異がほとんどなくなるので、良好な表示画質の半透過型の液晶表示パネル2が得られるようになる。
上記構成を有する液晶表示パネル2は、図11に示すように、上記実施例1の液晶表示パネル1と同様、シール材30が表示領域DAの外周囲を囲むように配設される。そして、このシール材30は、アレイ基板10'側の端部ではパッシベーション膜58に接合し、カラーフィルタ基板20'側の端部では保護膜63'に接合している。このように、シール材30のカラーフィルタ基板20'側の端部が保護膜63'に接合することにより、樹脂遮光層61'に比して高い密着性を有する保護膜63'とシール材30とは強固に接合されるので、この部分で剥離現象が起こることを防止できる。また、保護膜63'には透過部3に対向する位置にスリット63bが形成されているので、透過部3における透過率は低下することがない。
更には、「発明が解決しようとする課題」で説明した従来のような半透過型の液晶表示パネルに比べ、シール材30の使用量を削減することができる。つまり、従来のような反射部に保護膜とセルギャップ調整用の透過膜とを形成する場合に比べ形成される膜が一層減るので、セルギャップが同じであればアレイ基板10'とカラーフィルタ基板20'との距離が近づき、その分だけシール材30の量を削減することができる。また、図示していないが、セルギャップを規定する手段として一般的に知られている柱状スペーサを形成する位置は、透過部3よりも保護膜63'が存在する反射部4に形成するのが好ましい。透過部3は厚い樹脂遮光層61'のため表面があまり平坦ではないが、反射部4であれば、樹脂遮光層61'を含め保護膜63'が存在するため表面が平坦となっているためである。更に、柱状スペーサを保護膜63'の上に形成する際にも、従来のように保護膜とセルギャップ調整用の透明層からなる二層の上に形成する場合に比べ、柱状スペーサの安定度が増すことになる。
なお、上記実施例1及び2において説明した液晶表示パネル1、2は、いずれもカラーフィルタ基板20,20'に共通電極64を備える縦方向電界モード(例えばTN(Twisted Nematic)型あるいはVA(Vertical Alignment)型)のものである。しかしながらこれに限定されることなく、横方向電界モード(例えばIPS(In-Plane Switching)型あるいはFFS(Fringe Field Switching)型)のものであっても適応可能である。
以上、実施例1及び2として液晶表示パネル1、2の例を説明した。このような液晶表示パネル1、2は、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末などの電子機器に使用することができる。このうち、表示部71をパーソナルコンピュータ70に使用した例を図12(A)に、同じく表示部76を携帯電話機75に使用した例を図12(B)に示す。ただし、これらのパーソナルコンピュータ70及び携帯電話機75の基本的構成は当業者に周知であるので、詳細な説明は省略する。
実施例1に係る液晶表示パネルの平面図。 図1のアレイ基板表面の状態を示す概略平面図。 1画素領域の配線構造を説明するため図2のIII部分を拡大して示した拡大平面図。 図3のIV−IV線で切断した要部断面図。 図1に示す液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を分解して示す概略斜視図。 図1の液晶表示パネルを図2のVI−VI線で切断した要部断面図。 実施例2に係る液晶表示パネルのアレイ基板表面の状態を示す概略平面図。 1画素領域の配線構造を説明するため図7のVIII部分を拡大して示した拡大平面図。 図8のIX−IX線で切断した要部断面図。 実施例2に係る液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を分解して示す概略平面図。 図7のXI−XI線で切断した要部断面図。 液晶表示パネルを有する電子機器を示すものであって、(A)は液晶表示パネルを搭載したパーソナルコンピュータを示す図、(B)は液晶表示パネルを搭載した携帯電話機を示す図。
符号の説明
1,2…液晶表示パネル、10,10'…アレイ基板、11,21…ガラス基板、20,20'…カラーフィルタ基板、30…シール材、40…液晶、DA…表示領域、PA…画素領域、51…走査線、52…信号線、53…補助容量線、54…半導体層、55…TFT、56…画素電極、57…ゲート絶縁膜、58…保護絶縁膜(パッシベーション膜)、59…層間膜、61,61'…樹脂遮光層、62…カラーフィルタ層、63,63'…保護膜、63a…開口、63b…スリット、64…共通電極、70…電子機器としてのパーソナルコンピュータ、75…電子機器としての携帯電話機。

Claims (7)

  1. 透明基板上の表示領域における画素領域毎に少なくとも画素電極及びスイッチング素子を有するアレイ基板と、前記画素電極に対向するようにカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ基板と、前記表示領域の外側を囲むシール材により貼り合わされた前記アレイ基板と前記カラーフィルタ基板との間に封入された液晶と、を備える液晶表示パネルであって、
    前記カラーフィルタ基板には、
    樹脂材料からなり、前記シール材が形成される領域の内周より内側の領域を含む前記表示領域の外周を覆って形成される額縁部を有する樹脂遮光層と、
    前記シール材との密着性が高い材料からなり、前記表示領域では開口部を有し、前記表示領域の外側では少なくとも、前記樹脂遮光層の前記額縁部が前記液晶側に露出される領域の内周に対応する位置から、前記シール材が形成される領域の外周に対応する位置まで、を含む額縁状に前記樹脂遮光層を覆って形成される保護膜と、
    を有する、
    液晶表示パネル。
  2. 前記保護膜は、前記開口部が、前記表示領域と略同一の形状を有する、
    請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. 前記画素領域は透過部と反射部とを有し、
    前記保護膜は、透明樹脂からなり
    前記反射部に対応する位置には前記保護膜が配設され、
    前記透過部に対応する位置に前記開口部が形成されている
    請求項1に記載の液晶表示パネル。
  4. 前記保護膜は、隣接する前記透過部に跨って前記開口部が形成されている
    請求項3に記載の液晶表示パネル。
  5. 前記透過部における前記アレイ基板の表面と前記カラーフィルタ基板の表面との距離をHaとし、前記反射部における前記アレイ基板の表面と前記カラーフィルタ基板の表面との距離をHbとしたとき、
    Hb=1/2Ha
    という関係となるように前記保護膜の肉厚が設定されている
    請求項3又は請求項4に記載の液晶表示パネル。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液晶表示パネルを備えた
    電子機器。
  7. 透明基板上の表示領域における画素領域毎に画素電極及びスイッチング素子が形成されたアレイ基板と、前記画素電極に対向するようにカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ基板と、を備え、前記アレイ基板及び前記カラーフィルタ基板が前記表示領域の外側を囲むシール材により貼り合わされ、前記アレイ基板と前記カラーフィルタ基板との間に液晶が封入されてなる液晶表示パネルの製造方法であって、
    前記カラーフィルタ基板上に、樹脂材料からなり、前記画素領域を区画するように設けられる格子部と、前記シール材が形成される領域の内周より内側の領域を含む前記表示領域の外周を覆うように設けられる額縁部と、を有する脂遮光層を形成する工程と、
    前記カラーフィルタ基板上の前記画素領域毎に前記カラーフィルタ層を形成する工程と、
    前記樹脂遮光層及び前記カラーフィルタ層が形成された前記カラーフィルタ基板上の表面に、前記表示領域が開口し、前記表示領域の外側では少なくとも、前記樹脂遮光層の前記額縁部が前記液晶側に露出される領域の内周に対応する位置から、前記シール材が形成される領域の外周に対応する位置まで、を含む額縁状に前記樹脂遮光層を覆う保護膜を形成する工程と、
    前記表示領域の外側に前記シール材を塗布し、前記アレイ基板と前記カラーフィルタ基板とを貼り合せる工程と、
    を有する液晶表示パネルの製造方法。
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