JP5178303B2 - 籾殻成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
かかるゲルは、PVA分子鎖中の連続するビニルアルコール構造単位が分子内および分子間で微結晶を形成し、さらに昇温過程でこの結晶が成長し、かかる結晶部分を架橋点として得られたPVAの三次元架橋体が水を包含したものである。したがって、架橋密度が高い強固なゲルを得るためには、ビニルアルコール構造単位の含有量が多い、高ケン化度のPVA系樹脂を用いることが望ましい。
すなわち、本発明の目的は、籾殻として未粉砕の籾殻を用いた場合でも、圧縮強度に優れた籾殻成形体を得ることである。
さらに、特許文献1および非特許文献1の成形体に用いられているPVA系樹脂は、冷却によって生成した微結晶の昇温による結晶成長速度が遅く、乾燥工程の昇温速度が大きいと、ゲルが融解したり、PVA系樹脂が表面にマイグレートして成形物の強度が低下することがあるため、ゆっくりと昇温せざるをえず、乾燥に長時間を要するという問題があった。
よって、本発明のいまひとつの目的は、籾殻とPVA系樹脂水溶液の混合物を冷却、ゲル化して成形体を得る製造法として、上述の問題点を解決した効率的な製造法を提供することである。
かかる効果は、本発明で用いられるPVA系樹脂の側鎖1,2−ジオール構造が、籾殻中のセルロースおよびシリカとの親和性が高いことによるものと推測される。
これは、本発明で用いるPVA系樹脂が有する籾殻との強い親和性と、結晶成長速度の速さによるものと推定され、特に後者については、PVA系樹脂のモビリティが1,2−ジオール構造部分とシリカとの間、あるいはPVA系樹脂間で適度に拘束されていることによるものと推定される。
本発明の籾殻成形体は、籾殻と側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVA系樹脂を含むものである。
以下、各順に説明する。
まず、本発明で用いる籾殻について説明する。
籾殻は、稲穂にできた籾における皮の部分であり、稲刈り、脱穀、籾摺りの工程を経て、籾の内容物である玄米と分離され、得られるものである。本発明においては、かかる籾殻をそのまま用いても良いが、その一部が籾殻粉砕物であってもよい。特に、本発明の籾殻成形体を吸音体として用いる場合には、多孔質であることが必要となり、未粉砕の籾殻を用いることで空隙の大きさ、量、形状を制御でき、所望の吸音特性をもつ成形体を得ることが可能となるが、同時に強度に優れた成形体を得るためには、籾殻粉砕物を併用することが好ましい。
また、未粉砕の籾殻と籾殻粉砕物の混合物を得る方法としては、未粉砕の籾殻と上述の方法等によって得られた籾殻粉砕物を所定の配合比で混合する方法や、籾殻粉砕物を作製する際の粉砕の時間や強度を調整して、籾殻の一部が籾殻粉砕物となるようにして得る方法等を挙げることができる。
次に、本発明で用いるPVA系樹脂について説明する。
本発明の籾殻成形体に用いられるPVA系樹脂は、側鎖に1,2−ジオール構造を有するもので、特に下記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂が好ましく用いられる。
また、一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位中のXは代表的には単結合であり、熱安定性等の各種安定性の点で単結合であるものが最も好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよく、かかる結合鎖としては特に限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2)m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO(CH2)mCO−、−CO(C6H4)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−、等(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である)が挙げられる。中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で炭素数6以下のアルキレン基、特にメチレン基、あるいは−CH2OCH2−が好ましい。
なかでも、共重合反応性および工業的な取り扱い性に優れるという点から、R1 〜R6 が水素、Xが単結合、R7〜R8 がR9−CO−であり、R9 がアルキル基である、3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、さらにそのなかでも特にR9がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。
なお、ビニルエステル系モノマーとして酢酸ビニルを用い、これと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを共重合させた際の各モノマーの反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.710、r(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.701、であり、これは(ii)の方法で用いられる一般式(3)で表される化合物であるビニルエチレンカーボネートの場合の、r(酢酸ビニル)=0.85、r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4、と比較して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが酢酸ビニルとの共重合反応性に優れることを示すものである。
また、1,4−ジアセトキシ−1−ブテンを塩化パラジウムなどの金属触媒を用いた公知の異性化反応によって3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに変換して用いることもできる。
また上述のモノマー(ビニルエステル系モノマー、一般式(2)、(3)、(4)で示される化合物)の他に、樹脂物性に大幅な影響を及ぼさない範囲であれば、共重合成分として、エチレンやプロピレン等のα−オレフィン;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル;アクリロニトリル等のニトリル類、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩などの化合物、ビニレンカーボネート類などが共重合されていてもよい。
なお、本発明で用いるPVA系樹脂は、公知のものと異なり、ケン化度が99モル%を超えるような高ケン化度品であっても水に溶解しやすく、結晶部分が溶け残ることが少ない。しかも、通常の溶解性に優れる低ケン化度品と異なり、冷却によるゲル化性は良好であり、良好なゲルを得ることができる。
また、本発明で使用される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂は、異なる他のPVA系樹脂との混合物であってもよく、かかる他のPVA系樹脂としては、一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位の含有量が異なるもの、ケン化度が異なるもの、重合度が異なるもの、他の共重合成分が異なるもの、変性基を有さないものなどを挙げることができる。
本発明の籾殻成形体の製造法は、特に限定されるものではないが、本発明で用いる側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂の特性を活かした方法として、(a)籾殻とPVA系樹脂の混合物の水溶液をゲル化した後、乾燥する方法や、(b)PVA系樹脂と籾殻とを熱溶融成形する方法が好ましい製造方法として挙げられる。
籾殻とPVA系樹脂水溶液の混合物の水溶液を作製する方法としては特に限定されないが、(i)予めPVA系樹脂を水溶液とし、これに籾殻を添加、混合する方法、(ii)粉末状のPVA系樹脂と籾殻をドライブレンドし、これを水に投入し、攪拌しながら昇温してPVA系樹脂を溶解する方法、(iii)粉末状のPVA系樹脂と籾殻をドライブレンドし、所望の型内に充填した後、これに水を含有させ、加熱してPVA系樹脂を溶解する方法、などを挙げることができる。
本発明で用いられる側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVA系樹脂は高ケン化度品であっても通常のPVA系樹脂と比較して溶解しやすいため、単独で水溶液とする場合には、低温、短時間で完全に溶解させることができる。また、(iii)の方法の場合、PVAを溶解する際に攪拌操作ができないため溶け残りができやすいが、本発明のPVA系樹脂はかかる問題が生じにくいという利点を有し、PVA系樹脂を溶解する工程を省くことができるため、工業的に有用である。
また(iii)の方法において、籾殻とPVA系樹脂の混合物に最適量の水を含有させる方法として、籾殻とPVA系樹脂の混合物を一旦水に浸漬し、ろ過等によって余分な水を除く方法が好適に用いられるが、その場合、PVA系樹脂が取り除いた水に溶出することが懸念される。その解決策として、PVA系樹脂と籾殻の混合物、あるいは水のいずれかに、PVA系樹脂に対して塩析作用を有する無機塩類を含有させることでPVA系樹脂の溶出を抑制することができる。
かかる無機塩類としては、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、ミョウバンなどの硫酸塩、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アルミニウムなどの硝酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩化物、リン酸ナトリウムなどのリン酸塩、クロム酸カリウムなどのクロム酸塩、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩が挙げられ、特にPVA系樹脂に対する塩析効果が大きいことと、安全性に優れる点から、硫酸ナトリウムが好ましく用いられる。
(i)および(ii)の方法によって得られた、籾殻とPVA系樹脂水溶液の混合物は次いで所定の型に充填され、次工程でゲル化される。
本発明においては、側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂を用いることによって、かかる冷却ゲル化は1回の実施で強固なゲルが得られるが、これを0〜5℃程度まで昇温し、再度冷却する、あるいはそのサイクルを複数回繰り返すことによって、より強固なゲルを調製することができる。
かかる架橋剤としては、PVA系樹脂の架橋剤として公知のものであれば特に限定されないが、水溶性であるものが好ましく、例えばアルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属塩や、硼酸、硼砂等、を挙げることができる。
かかる方法は側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂と籾殻との混合物を加熱してPVA系樹脂を溶融させ、一体化するものであって、かかるPVA系樹脂が一般のPVA系樹脂と比較して低融点である特性を活かした方法である。
まず、籾殻とPVA系樹脂の混合物とする方法としては、特に限定されないが、通常は、粉末状であるPVA系樹脂と籾殻をドライブレンドすることで得ることができる。
なお、かかる籾殻とPVA系樹脂との混合物には、良好な熱溶融成形性を得るために可塑剤や水分を配合してもよく、その配合量は通常、PVA系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であり、特に1〜5重量部であることが好ましい。
本発明の籾殻成形体は、本発明の目的を阻害しない範囲において上記の成分以外に、各種有機粉体あるいは無機粉体を含有してもよい。
有機粉体としては、公知のものであれば特に限定されないが、例えば、籾殻粉砕物と同様のバイオマス資源である、コーヒー豆滓、ビール、日本酒等の酒類を製造する際の搾り滓、米以外の穀物の籾殻粉砕物、小麦粉製粉によるすそこ、とうもろこし澱粉滓、おから、おがくずなどを挙げることができる。
さらに、籾殻粉砕物に対する接着力を調整する目的で、各種水溶性高分子を含有させることが可能で、例えば、本発明で用いる側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVA系樹脂以外の、例えば、ビニルアルコール構造単位と酢酸ビニル構造単位のみの未変性PVAやカチオン変性PVA、カルボン酸変性PVA、スルホン酸変性PVA、シラノール基含有PVA、エチレン含量が60モル%以下のエチレン変性PVAなどの各種変性PVA系樹脂、PVA系樹脂以外の各種水溶性樹脂として、デンプン、セルロース等の多糖類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、水溶性ポリアミド、水溶性ポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンなどを挙げることができる。
また、同様に各種添加剤として、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤、熱安定化剤、界面活性剤、乾燥剤、消臭剤、抗菌剤、酸素吸収剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤等を含有させることができる。
かかる可塑剤としては、PVA系樹脂に用いられる公知の可塑剤であれば特に限定されるものではないが、特に多価アルコールのアルキレンオキシド付加物を用いることが好ましい。
また、アルキレンオキシドとしては、特に限定されないが、通常1〜3価のアルキレンオキシドが用いられ、特に1価のアルキレンオキシドが好ましく用いられる。また、その炭素数は通常2〜20であり、特に炭素数2〜10のアルキレンオキシドが好ましく用いられる。
多価アルコール1モルに対するアルキレンオキシドの付加量は、通常1〜12モルであり、好ましくは1〜9モル、特に好ましくは1〜3モルである。
これらの知見を総合すると、好ましい可塑剤の一つとしてグリセリンにエチレンオキサイドが付加した化合物が挙げられ、かかる化合物を含む市販品として、日本油脂社製「ユニオックスG−150」「ユニオックスG−180」があげられる。
なお、かかる可塑剤の含有量は、使用するPVA系樹脂によって、あるいは所望する成形温度によっても異なるため、一概には言えないが、通常はPVA系樹脂に対して3〜20重量%、好ましくは3〜15重量%である。
次に、上述の方法によって得られた本発明の籾殻成形体について説明する。
本発明の籾殻成形体は、上記製造法において、任意の型を用いて、あるいは得られた成形体から切り出すことによって、各種用途に適した形状とすることが可能である。例えば、平板状、彎曲板状などの板状、ブロック状、球状、粒状などの各種形状が挙げられ、特に、板状に成形されたものが好ましく用いられる。
また、本発明の籾殻成形体として上述の各種制御を行うことで多孔質としたものは、可聴領域である1500〜6000Hzの範囲で吸音性を示し、通常、厚さ10mmとしたときの2000〜5000Hzにおける平均吸音率が30%以上であり、さらには60%以上とすることも可能である。
また、本実施例ではPVA系樹脂の水溶液を籾殻とともに冷却、ゲル化させた後乾燥する方法で籾殻成形体とし、その評価を行っているが、かかる評価結果の傾向はその他の製造法によるものを代表するものであり、実施例に記載の製造法が本発明の実施態様を限定するものではない。
(1)PVA系樹脂の作製
特開2006−95825の製造例1に記載の方法に準じ、酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを共重合し、これをケン化して、側鎖1,2−ジオール構造単位の含有量0.5モル%、重合度2600、ケン化度99.2モル%であるPVA系樹脂を製造した。
(2)籾殻成形体の作製
(1)で得られたPVA系樹脂の10%水溶液に、籾殻と籾殻を機械粉砕して得られた籾殻粉砕物(200メッシュパス品)とを、PVA系樹脂100重量部に対して、それぞれ300重量部、200重量部添加、混合し、得られた分散液を内径50mm、深さ10mmの金型に流し込んだ。これを−20℃の冷凍庫内に1.5時間おき、その後、5℃の冷蔵庫に15時間以上おいて、ゲル化させた。これを40℃の恒温器に入れ、2℃/分の速度で90℃まで昇温し、その温度を2時間保持して乾燥させ、厚さ10mmの板状籾殻成形体を得た。
得られた籾殻成形体について、以下の評価を行った。
〔圧縮強度〕
得られた籾殻成形体から切り出した圧縮強度測定用試料(厚さ10mm)の圧縮強度を万能抗張力試験機(INSTRON)を用いて測定した。測定環境は20℃、60%RHであり、圧縮速度5mm/分で行った。得られた応力−歪曲線から、歪み40%時の応力を求め、圧縮強度とした。結果を表1に示す。
〔吸音率〕
得られた籾殻成形体から切り出した吸音特性評価用試料(厚さ10mm)の吸音率を吸音率測定装置(Bruel&Kjaer社製「マイクロホンインピーダンス測定装置MS−1020型」)を用い、500〜6500Hzの周波数領域について測定し、周波数2000〜5000Hzにおける吸音率の平均値を求めた。結果を表1に示す。
実施例1において、籾殻と粉砕籾殻の添加量を、PVA系樹脂100重量部に対して、それぞれ200重量部、300重量部とした以外は実施例1と同様に籾殻成形体を作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、籾殻と粉砕籾殻の添加量を、PVA系樹脂100重量部に対して、それぞれ100重量部、400重量部とした以外は実施例1と同様に籾殻成形体を作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例3において、ゲル化後の昇温速度を4℃/分とした以外は実施例1と同様に籾殻成形体を作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例4において、PVA系樹脂として側鎖1,2−ジオール構造単位の含有量1モル%、重合度1700、ケン化度99モル%であるPVA系樹脂を用いた以外は、実施例4と同様に籾殻成形体を作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例4において、PVA系樹脂として側鎖1,2−ジオール構造単位の含有量3モル%、重合度1300、ケン化度99モル%であるPVA系樹脂を用いた以外は、実施例4と同様に籾殻成形体を作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA系樹脂として側鎖1,2−ジオール構造単位を持たず、重合度1700、ケン化度99モル%であるPVA系樹脂を用いたところ、1回の冷却では十分にゲル化せず、−20℃と5℃での冷却サイクルをさらに3回繰り返してゲル化させた以外は実施例1と同様に籾殻成形体を作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1において、ゲル化後の昇温速度を4℃/分としたところ、昇温時にゲルが融解し、籾殻成形体を得る事が出来なかった。
実施例1で用いたPVA系樹脂の10%水溶液に、籾殻と籾殻を機械粉砕して得られた籾殻粉砕物(200メッシュパス品)とを、PVA系樹脂100重量部に対して、それぞれ400重量部、100重量部添加、混合し、バット上に広げて乾燥させ、PVA系樹脂によって表面被覆された籾殻および籾殻粉砕物の混合物を得た。
かかる混合物を硫酸ナトリウムの50g/L水溶液に5分間浸漬した後、これを取り出し、籾殻とPVA系樹脂の含水混合物を得た。なお、かかる操作によって、籾殻/PVA系樹脂混合物からは、水溶液中へのPVA系樹脂の流出は認められなかった。
得られた、籾殻/PVA系樹脂の含水混合物は、次いで、実施例1と同様の操作を行うことによって、板状の籾殻成形体とすることが可能である。
Claims (9)
- 籾殻と側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂を含有し、側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂の含有量が籾殻100重量部に対して1〜100重量部であることを特徴とする籾殻成形体。
- 板状であることを特徴とする請求項1記載の籾殻成形体。
- 籾殻が籾殻粉砕物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の籾殻成形体。
- さらに無機塩類を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の籾殻成形体。
- 側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂の含有量が籾殻100重量部に対して5〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の籾殻成形体。
- 圧縮強度が4MPa以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の籾殻成形体。
- 成形体の厚さが10mmであるときの周波数2000〜5000Hzにおける平均吸音率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の籾殻成形体。
- 籾殻と側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂の混合物の水溶液をゲル化し、そのゲル化物を乾燥することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の籾殻成形体の製造方法。
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