JP5178295B2 - 芳香族ポリアミド短繊維集束体 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂、主にポリアミド系樹脂補強用の芳香族ポリアミド短繊維に関し、集束性に優れ、且つ機械的強度を向上させることが可能な芳香族ポリアミド短繊維集束体に関する。
芳香族ポリアミド繊維は、高強度、高弾性率及び優れた耐熱性を有する有機高分子材料であることから、この耐熱性繊維を補強材として用いて、マトリックスを熱硬化性及び熱可塑性樹脂とした繊維強化複合材料が自動車、建築、土木、電気など種々の分野で使用され、その他の分野でもその活用が望まれている。
例えば、特開昭60−255845号公報には芳香族ポリアミド繊維のチョップ繊維を補強材として用いる事が、また特開昭61−197654号公報にはフィブリル化したアラミド繊維が補強材として用いる事が記載されている。
しかし、熱可塑性樹脂の補強材として用いられる従来の芳香族ポリアミド短繊維には以下のような問題がある。
一つは、繊維長が短く、軽いという短繊維の特性上飛散しやすく、この為ハンドリング時、例えば熱可塑性樹脂との配合等に際し、定量での混合を困難にする上、作業者の衛生上にも問題がある。
もう一つは、例えば熱可塑性樹脂と短繊維を予めタンブラー等で混合させる際、短繊維同士が絡み合い、均一な混合が困難となる上、更にはファイバーボールを形成する場合がある。
このような状態で押出成形を行うと、成形物中の繊維混合が不均一となる、繊維の分散が不十分になる等の問題が生じ、それにより繊維強化樹脂成形体の機械的物性は低下する。
このような問題を解決する為、特開平4−50377号公報には、ピカット軟化点40℃以上の炭素数2〜4のオレフィン系重合体で被覆された長さ0.1〜6mmの熱可塑性樹脂補強用芳香族ポリアミド短繊維が記載されているが、本技術はポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂との配合には適しているが、他の熱可塑性樹脂例えばポリアミド樹脂等との親和性に乏しく、又取扱性、特にタンブラー等での乾式混合時にはカット短繊維同士が帯電し易く樹脂中に均一に分散し難いとか、樹脂の熱溶融時に繊維が分散し易いという問題点があった。
アラミド短繊維の熱可塑性樹脂との親和性の向上させる剤としては、特開平10−168760号公報には熱可塑性樹脂との接着性を向上させるためにポリウレタン樹脂でアラミド繊維表面を被覆することが開示されている。確かにポリウレタンで繊維表面を被覆することにより芳香族ポリアミド繊維はポリアミド樹脂との接着性は向上するものの、しかしながらポリウレタン樹脂を集束剤として繊維に付着後、特定長に切断する工程でせん断力により繊維がバラけて集束性不良となり、繊維同士が絡み合うなどのため均一に分散せず、繊維補強剤として熱可塑性樹脂に添加しても十分な補強効果は得られていなかった。
特開昭60−255845号公報 特開昭61−197654号公報 特開平4−50377号公報 特開平10−168760号公報
本発明は芳香族ポリアミド短繊維が有する前記問題点に鑑み、特定長にカット後の集束性に優れ(よって取扱性に優れ)、ドライブレンド時にも良好な集束性を維持し、芳香族ポリアミド繊維が本来持つ特性を損なうことなく、ポリアミド系樹脂の機械的物性を改良させ得る芳香族ポリアミド短繊維集束体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、以下に記載の芳香族ポリアミド短繊維集束体を用いる事により、ポリアミド系樹脂補強に際して芳香族ポリアミド短繊維が有する前記問題を解決し、本発明に至った。すなわち本発明によれば、
ポリウレタン樹脂を繊維集束剤とする芳香族ポリアミド短繊維集束体であって、該ポリウレタン樹脂の100%モジュラスが0.1〜1.5MPaであり、該ポリウレタン樹脂が芳香族ポリアミド短繊維の全重量に対して1〜20重量%付着していることを特徴とする芳香族ポリアミド短繊維集束体
より好ましくはポリウレタンが破断伸度が200%以上、分解温度が270℃以上、かつ、主鎖にエーテル結合を含むポリウレタンであり、更に本発明の芳香族ポリアミド短繊維集束体を熱可塑性樹脂に配合、混練して得られる繊維強化熱可塑性樹脂組成物
が提供される。
以上に説明した特定のポリウレタン樹脂を芳香族ポリアミド短繊維の繊維集束剤(以下集束剤と略称する場合がある)として用いることにより、特定長に切断する工程で強固な集束性を維持する為取扱性に優れ、ドライブレンド時にも良好な集束性を維持(バラけることなく)するので、混練・成形時には均一に繊維が分散される事から、ポリアミド樹脂の機械的強度を向上させる事が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いる芳香族ポリアミド繊維とは、ポリアミドを構成する繰返し単位の80モル%以上好ましくは90モル%以上が、芳香族ホモポリアミド、または、芳香族コポリアミドからなる繊維である。ここで繊維となる芳香族基は同一、または、相異なる芳香族基からなるものでも構わない。また、芳香族基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基で置換されていても良い。
このような芳香族ポリアミド繊維の製造方法や繊維特性については、従来公知の、例えば、特開昭49−100322号公報、特開昭47−10863号公報、特開昭58−144152号公報、特開平4−65513号公報などに記載されているものが使用できる。
また、該芳香族ポリアミド繊維の中でもパラ型芳香族ポリアミド繊維であることが、耐熱性及び強度に優れているので好ましい。パラ型芳香族ポリアミド繊維は前記芳香族ポリアミドの延鎖結合が共軸または平行で、かつ、反対方向に向いているポリアミドからなる繊維である。
具体的には、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(例えば、テイジンアラミドB.V.製、「トワロン」)や、共重合型の芳香族ポリアミド繊維であるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維(例えば、帝人テクノプロダクツ(株)製、「テクノーラ」)等が例示され、特に共重合型である後者は、複合材料とした時の機械的強度、特に衝撃強度が高く好ましい。
芳香族ポリアミド短繊維集束体の単繊維繊度は、0.1〜5.5dtex、好ましくは0.3dtex〜2.5dtexの範囲である。0.1dtex未満の場合は製糸技術上困難な点が多く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定して生産することが困難になるだけでなく、コストも高くなるため好ましくない。一方、5.5dtexを超えると繊維の機械的物性、特に強度低下が大きくなり、かつ繊維強化樹脂成形体とした時に、成形体中に均一に繊維を分散させることが困難となるため好ましくない。
本発明の芳香族ポリアミド短繊維集束体の集束剤として使用するポリウレタン樹脂は100%モジュラスが0.1〜10MPaであることが必要である。0.1MPa未満であると強度が低下し好ましくない。又10MPaを超える場合は柔軟性が低下し特定長にカット切断時バラけ易くなり好ましくない。好ましくは0.5〜5MPa、より好ましくは0.5〜3.0MPaである。
また、ポリウレタン樹脂の付着量は、芳香族ポリアミド短繊維の全重量に対して1〜20重量%であることが必要である。好ましくは2〜19重量%、更に好ましくは3〜18重量%である。付着量が1重量%未満の場合、短繊維の集束性が不十分となりバラけ易く、ハンドリング性が悪化したり、樹脂ペレットと混合する工程において容易に短繊維集束体が開繊し、繊維塊状物が発生するなどの問題が生じ、また、付着量が20重量%を超えると、製造が困難となるため好ましくない。
又ポリウレタンの破断伸度は200%以上であることが好ましい。200%未満であれば特定長にカット切断時バラけ易くなり好ましくない。好ましくは500%以上、より好ましくは600%以上である。
又ポリウレタンの分解温度は270℃以上が好ましい。分解温度が270℃未満の場合は、ポリアミド系樹脂と混練・溶融させる工程において樹脂の分解が起こり、その結果、繊維強化樹脂成形体の機械的強度を低下させる為好ましくない。
本発明の芳香族ポリアミド短繊維集束剤としてのポリウレタン樹脂は、主鎖にエーテル結合を含むポリウレタン樹脂が好ましい。ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基とアルコール基との縮重合物であり、主鎖にエーテル結合を含むとは、即ちアルコール基を持つ化合物としてポリエーテルポリオールを用いて製造されたポリウレタン樹脂のことを言う。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、アコニット糖、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタル酸、1,2,3−プロパントリチオール等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種又は2種以上を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種又は2種以上を常法により付加重合したものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂の製造に用いられるポリオール成分としては、前記のポリエーテルポリオール以外に、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリエステルアミドポリオール等が挙げられるが、本発明の芳香族ポリアミド短繊維集束体には、繊維との界面接着性、短繊維の集束性、樹脂溶融時の繊維分散性、繊維強化樹脂成形体の機械的特性の点で、ポリエーテルポリオールを配合したポリウレタン樹脂が最適である。
また、本発明の目的を阻害しない範囲で、芳香族ポリアミド短繊維集束体に難燃剤、耐光剤、紫外線吸収剤、平滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、着色剤、抗菌剤、顔料、導電剤、シランカップリング剤、無機系コーティング剤、無機系微粒子などの機能剤を包含してもよく、また、繊維製造工程で付与する処理剤(油剤など)を除去せずそのまま使用してもよい。
この本発明の芳香族ポリアミド短繊維集束体は、前記ポリウレタン樹脂の水溶液、又は水分散体からなる処理剤の付与、乾燥、カットの一連の工程を経て製造されるが、その方法には制限は無く、実質的に円柱状の短繊維集束体が得られるいかなる手法を用いてもよい。
集束剤の付与方法としては、集束剤液を満たした液浴に浸漬する方法、走行する糸に処理剤を付与した駆動ローラーを接触させる方法等が挙げられる。当然ながら、繊維製造工程中で付与しても良い。
集束剤を付与した芳香族ポリアミド繊維集束体の乾燥方法としては、加熱した金属ロール等に接触させる方法、非接触のヒーター中に通す方法、高温のスチームを付与する方法等が挙げられる。また、円柱形状の短繊維集束体を得やすくする為に、乾燥工程の前に円形のノズルガイドを通したり、円柱状の穴を有する加熱された金型に通しても良い。いずれの方法を用いる場合でも温度は120℃〜200℃、滞留時間0.05〜10分の条件で乾燥させるのが好ましいが、集束剤の付着量に応じて適宜調整した上で条件は設定することが必要である。
またカットの方法としては、芳香族ポリアミド繊維の切断が可能ないずれのカッターを用いてカットしてもよく、具体的にはロータリーカッター、ギロチンカッター等を用いてカットすればよい。
又本発明の芳香族ポリアミド短繊維集束体は繊維軸に直交する断面において実質的に円形状の形態を有し、切断断面の扁平率が1〜5であることが好ましい。扁平率とは工程カット切断装置を用いて切断した後の切断断面における長径と短径の比率であり、好ましくは1〜3が好ましい。この範囲にある場合繊維強化熱可塑性樹脂の繊維補強効率が良好で好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド短繊維の繊維長は0.5〜12mm、好ましくは1〜10mmである。繊維長が0.5mm未満の場合には、複数本の単繊維が集束した、実質的に円柱状の短繊維を得る事が困難となり、また12mmを超える場合には、マトリックス樹脂と溶融混合する際に単繊維同士が絡み合い、分散不良となりやすい為好ましくない。
本発明の芳香族ポリアミド短繊維とポリアミド系樹脂とを複合する事により、製造時の取扱性が良好で、成形体中で繊維が均一に分散・配置され、機械的強度にも優れた芳香族ポリアミド繊維強化樹脂成形体を提供する事ができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例で用いた評価方法は下記の通りである。
(1)ポリウレタン樹脂100%モジュラス、破断伸度
JIS K7311に準じて測定した。
(2)分解温度
ウレタン樹脂の熱量分析(TGA)曲線から測定した。傾きの変更点を分解温度とした。
(3)集束剤付着量
メタノール/アセトン=1/1の混合溶媒中に一定重量の繊維を投入し、80℃で1時間ソックスレー抽出した後の重量から、下記式を用いて算出した。また、繊維用油剤が付着した糸に処理剤を付与する場合は、繊維用油剤の付着量を差し引いて算出した。
(集束剤付着量)={(抽出前の短繊維集束体重量)−(抽出後の繊維重量)}/
(抽出後の繊維重量)× 100 (%)
(4)短繊維集束体の切断断面の扁平度
短繊維集束体の切断断面の長径(a)と短径(b)を計測し、下記式を用いて算出した。
(切断断面扁平度)= a/b
20ケの平均値で算出した。
(5)樹脂成形体中の繊維分散性
後述の方法で作成したストランドペレット(A)を、10cm角の金型内に隙間無く、ペレット同士が重ならないように敷き詰めた後、260℃で圧縮成形して得た厚さ2mmの成形体を目視で観察し、繊維の分散状態を下記の基準で判定した。
◎:繊維塊(単繊維同士が絡み合って形成されたもの)が存在しない
△:繊維塊が1〜9箇所存在する
×:繊維塊が10箇所以上
(6)樹脂成形体の曲げ強度・弾性率
ASTM D790に準拠して測定した。
(7)樹脂成形体のアイゾット衝撃強度
ASTM D256に準拠して、ノッチ付サンプルを測定した。
[実施例1]
集束剤として、ポリエーテル系水系ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「ボンディック1940NE」)をイオン交換水にて希釈し、固形分濃度を15重量%に調製した。この処理液に、S方向に40回/mの撚りを付与した、繊維束の繊度1670dtex、単繊維本数1000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド長繊維マルチフィラメント(帝人テクノプロダクツ(株)製、「テクノーラT−200H」)を連続的に浸漬させ、次いで温度150℃の乾燥機に1分間通し、集束剤付着量5.5%の芳香族ポリアミド長繊維マルチフィラメントを得た。次いでこの長繊維マルチフィラメントをギロチンカッターにて長さ3mmにカットし、芳香族ポリアミド短繊維集束体を得た。この短繊維集束体の切断断面扁平度は1.6で、短繊維集束体からの単繊維の脱離も見られなかった。
次にポリアミド66樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製「レオナ1300S」)中に、前記短繊維集束体を、短繊維集束体配合率が15重量%となるように混合し、80℃に加温したタンブラー中で2時間撹拌させた直後に280℃に加温した二軸押出機に導入し、混練押出した後にカットして、ストランドペレット(A)を得た。更にこのペレットを用いて、成形温度260℃、金型温度80℃で射出成形を行い、所定形状の芳香族ポリアミド繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、前記測定法(1)〜(7)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[実施例2]
集束剤として、ポリエーテル系水系ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「ボンディック8510」)をイオン交換水にて希釈し、固形分濃度を15重量%に調製した。この処理液に、S方向に40回/mの撚りを付与した、繊維束の繊度1670dtex、単繊維本数1000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド長繊維マルチフィラメント(帝人テクノプロダクツ(株)製、「テクノーラT−200H」)を連続的に浸漬させ、次いで温度150℃の乾燥機に1分間通し、集束剤付着量4.6%の芳香族ポリアミド長繊維マルチフィラメントを得た。次いでこの長繊維マルチフィラメントをギロチンカッターにて長さ3mmにカットし、芳香族ポリアミド短繊維集束体を得た。この短繊維集束体の切断断面扁平度は2.1で、短繊維集束体からの単繊維の脱離も見られなかった。
この短繊維集束体を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、前記測定法(1)〜(7)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例1]
集束剤として、ポリエステル系水系ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「ボンディック1980NE」)をイオン交換水にて希釈し、固形分濃度を20重量%に調製した。この処理液に、S方向に40回/mの撚りを付与した、繊維束の繊度1670dtex、単繊維本数1000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド長繊維マルチフィラメント(帝人テクノプロダクツ(株)製、「テクノーラT−200H」)を連続的に浸漬させ、次いで温度150℃の乾燥機に1分間通し、集束剤付着量7.0%の芳香族ポリアミド長繊維マルチフィラメントを得た。次いでこの長繊維マルチフィラメントをギロチンカッターにて長さ3mmにカットし、芳香族ポリアミド短繊維集束体を得た。この短繊維集束体は集束されておらず、円柱形状の短繊維束を得る事ができなかった。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。バラけた短繊維集束体のため絡まりあって塊りになり均一に分散できなかった。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、前記測定法(1)〜(7)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例2]
実施例1において水系ポリウレタン樹脂の浸漬処理及び乾燥を行わなかった以外は実施例1と同様に実施し、長さ3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。この短繊維は集束されておらずバラけており、円柱形状の短繊維集束体を得る事ができなかった。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。この短繊維は飛び散ったり塊りになったり取り扱い性が悪く又均一に分散できなかった。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、前記測定法(1)〜(7)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
Figure 0005178295
本発明の芳香族ポリアミド繊維強化ポリアミド系樹脂成形体は、自動車部品、携帯機器の筐体、摺動材などの用途に好適に使用できる。

Claims (8)

  1. ポリウレタン樹脂を繊維集束剤とする芳香族ポリアミド短繊維集束体であって、該ポリウレタン樹脂の100%モジュラスが0.1〜1.5MPaであり、該ポリウレタン樹脂が芳香族ポリアミド短繊維の全重量に対して1〜20重量%付着していることを特徴とする芳香族ポリアミド短繊維集束体。
  2. ポリウレタン樹脂の破断伸度が200%以上である請求項1記載の芳香族ポリアミド短繊維集束体。
  3. ポリウレタン樹脂が分解温度が270℃以上、かつ、主鎖にエーテル結合を含むポリウレタンである請求項1〜2いずれかに記載の芳香族ポリアミド短繊維集束体。
  4. 芳香族ポリアミド短繊維長が0.5〜12mmである請求項1〜3いずれかに記載の芳香族ポリアミド短繊維集束体。
  5. 該芳香族ポリアミド繊維が、パラ型芳香族ポリアミド繊維である請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリアミド短繊維集束体。
  6. 複数本の単繊維が集束して実質的に円柱状の形態を有し、端部の円形の扁平率が1〜5である請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリアミド短繊維集束体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族ポリアミド短繊維集束体を熱可塑性樹脂に配合、混練して得られる繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  8. 熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である請求項7記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
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