JP2012193480A - 樹脂補強用短繊維束 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に取り扱い性が良好で、良好な集束性(単繊維の単離のない)を維持し、熱可塑性樹脂中に均一に分散する芳香族ポリアミド繊維からなる樹脂補強用短繊維束を提供すること。
【解決手段】複数の芳香族ポリアミド短繊維が集束してなる短繊維束であり、該短繊維束の総繊度が5,010〜25,050dtexであり、該短繊維束の表面にサイズ剤が付着しており、その付着量が短繊維束重量を基準として5〜20重量%である樹脂補強用短繊維束。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂をマトリクスとする、樹脂補強用短繊維束に関し、特に繊維強化成形材料に用いられる成形加工性に優れた、良好な集束性を有する芳香族ポリアミド繊維からなる樹脂補強用短繊維束に関する。
芳香族ポリアミド繊維は、高強度、高弾性率及び優れた耐熱性を有する有機高分子材料であることから、この耐熱性繊維を補強材として用いて、マトリックスを熱硬化性または熱可塑性樹脂とした繊維強化複合材料が自動車、建築、土木、電気など種々の分野で使用され、その他の分野でもその活用が望まれている。例えば、特許文献1(特開昭60−255845号公報)には芳香族ポリアミド繊維の短繊維束を補強材として用いることが、また特許文献2(特開昭61−197654号公報)にはフィブリル化したアラミド繊維が補強材として用いることが記載されている。
繊維強化樹脂の製造法としては様々な方法があるが、よく用いられている方法は、通常、1〜12mm程度の長さに切断された短繊維束を樹脂ペレットあるいは樹脂パウダーと共に押出機で溶融混練して繊維強化ペレットとし(これをコンパウンド工程という)、これを射出成形によって成形品とする方法である。このような工程に供される短繊維束は、定量的にかつ安定的に供給するために、サイズ剤で集束させた形態で使用されるのが通常で、このサイズ剤で集束された短繊維束は、スクリューフィーダー又は振動フィーダー等により押出機に連続的に自動計量の下に供給される。
熱可塑性樹脂の補強材として用いられる従来の芳香族ポリアミド短繊維には、以下のような問題がある。一つは、繊維長が短く、軽いという短繊維の特性上、飛散しやすく、このため、ハンドリング時、例えば熱可塑性樹脂との配合等に際し、定量での混合を困難にする上、作業者の衛生上にも問題がある。もう一つは、例えば熱可塑性樹脂と短繊維を予めタンブラー等で混合させる際、短繊維同士が絡み合い、均一な混合が困難となる上、更にはファイバーボールを形成する場合がある。このような状態で押出成形を行うと、成形物中の繊維混合が不均一となる、繊維の分散が不十分になる等の問題が生じ、それにより繊維強化樹脂成形体の機械的物性は低下する。
このような問題を解決するため、特許文献3(特開平4−50377号公報)には、ピカット軟化点40℃以上の炭素数2〜4のオレフィン系重合体で被覆された長さ0.1〜6mmの熱可塑性樹脂補強用芳香族ポリアミド短繊維が記載されているが、本技術は取扱性、特にタンブラー等での乾式混合時にはカット短繊維同士が帯電し易く樹脂中に均一に分散し難いとか、樹脂の熱溶融時に繊維が分散し易いという問題点があった。
さらに、特許文献4(特開2009-256827号公報)には、ポリウレタン樹脂を繊維収束剤とする繊維強化熱可塑性樹脂組成物用の芳香族ポリアミド短繊維収束体が、また、特許文献5(特開2009−263814号公報)には、ポリウレタン樹脂とカチオン活性剤からなる繊維収束剤で収束された、繊維強化樹脂組成物用の芳香族ポリアミド短繊維収束体が提案されている。しかしながら、これらの技術では、処理される芳香族ポリアミド短繊維の総繊度が実質的に小さく、十分なハンドリング性を得ることができない。
特開昭60−255845号公報 特開昭61−197654号公報 特開平4−50377号公報 特開2009−256827号公報 特開2009−263814号公報
本発明は、芳香族ポリアミド繊維の樹脂補強用短繊維が有する上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、取扱性が良好で、良好な集束性(単繊維の単離のない)を維持し、熱可塑性樹脂中に均一に分散する樹脂補強用短繊維束を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、複数の芳香族ポリアミド短繊維が集束してなる短繊維束であり、該短繊維束の総繊度が5,010〜25,050dtexであり、該短繊維束の表面にサイズ剤が付着しており、その付着量が短繊維束重量を基準として5〜20重量%であることを特徴とする樹脂補強用短繊維束により上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、良好な集束性と流動性を併せ持つため、取扱性に優れ、繊維強化樹脂となす場合の押出工程における工程通過性が良好となる。更に、混練・成形時には均一に繊維が分散されることから、繊維補強樹脂の機械的強度を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、複数の芳香族ポリアミド短繊維が集束してなる短繊維束であり、該短繊維束の総繊度が5,010〜25,050dtexであり、該短繊維束の表面にサイズ剤が付着しており、その付着量が短繊維束重量を基準として、固形分換算で5〜20重量%であることを特徴とする樹脂補強用短繊維束である。
本発明で用いる芳香族ポリアミド短繊維とは、ポリアミドを構成する繰返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、芳香族ホモポリアミド、または、芳香族コポリアミドからなる芳香族ポリアミド繊維をカットし短繊維としたものである。
ここで、芳香族ポリアミド繊維となる芳香族基は、同一、または相異なる芳香族基からなるものでも構わない。また、芳香族基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基で置換されていても良い。このような芳香族ポリアミド繊維の製造方法や繊維特性については、従来公知の、例えば特開昭49−100322号公報、特公昭47−10863号公報、特開昭58−144152号公報、特開平4−65513号公報などに記載されているものが使用できる。
また、上記芳香族ポリアミド繊維の中でも、パラ型芳香族ポリアミド繊維であることが、耐熱性及び強度に優れているので好ましい。パラ型芳香族ポリアミド繊維は、上記芳香族ポリアミドの延鎖結合が共軸または平行で、かつ、反対方向に向いているポリアミドからなる繊維である。具体的には、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(例えば、テイジンアラミドB.V.製、「トワロン」)や、共重合型の芳香族ポリアミド繊維であるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維(例えば、帝人テクノプロダクツ(株)製、「テクノーラ」)等が例示され、特に共重合型である後者は、複合材料とした時の機械的強度、特に衝撃強度が高く好ましい。
本発明に用いる芳香族ポリアミド短繊維の単繊維繊度は、好ましくは0.1〜5.5dtex、さらに好ましくは0.3dtex〜2.5dtexの範囲である。0.1dtex未満の場合は製糸技術上困難な点が多く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定して生産することが困難になるだけでなく、コストも高くなるため好ましくない。一方、5.5dtexを超えると、繊維の機械的物性、特に強度低下が大きくなり、かつ繊維強化樹脂成形体としたときに、成形体中に均一に繊維を分散させることが困難となるため好ましくない。
本発明に用いる短繊維束は、上記の芳香族ポリアミド短繊維が複数集束してなる短繊維束であり、その総繊度は、5,010〜25,050dtex、好ましくは5,010〜16,700dtexの範囲である。総繊度が5,010dtex未満では、短繊維束1個当たりの重量が軽く、繊維強化成形材料の製造工程での、短繊維束とマトリクス樹脂とのドライブレンドや、サイドフィーダーによる短繊維束の供給等における流動性に劣り、一方、総繊度25,050dtexを超えると、カットした際に集束性を得ることが難しい。
また、本発明においては、上記短繊維束の表面にサイズ剤が付着しており、これにより短繊維束を集束している。サイズ剤の付着量は、短繊維束の全重量に対して5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%である。付着量が5重量%未満の場合、短繊維束の集束性が不十分となり、ハンドリング性が悪化したり、樹脂ペレットと混合する工程において容易に短繊維束が開繊し、繊維塊状物が発生するなどの問題が生じ、一方、付着量が20重量%を超えると、製造が困難となるため好ましくない。
本発明で使用するサイズ剤は、集束性を付与できるものであれば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでもよい。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェーノル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリル樹脂、またはこれらの樹脂の単独もしくはブレンドである。これらの樹脂は、水分散液または水溶液として用いる。
なお、水分散液または水溶液には若干の溶剤を含んでいてもよい。
また、本発明の目的を阻害しない範囲で、サイズ剤に難燃剤、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防錆剤、抗菌剤、顔料、シランカップリング剤、無機系微粒子などの機能剤を包含してもよく、また、繊維製造工程で付与する処理剤(油剤など)を除去せずそのまま使用してもよい。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、芳香族ポリアミド繊維束に、上記サイズ剤を付与した後、これをカットして製造することができる。
サイズ剤を付与した繊維束の乾燥方法としては、加熱した金属ロール等に接触させる方法、非接触のヒーター中に通す方法、高温のスチームを付与する方法等が挙げられる。また、円柱形状の短繊維束を得やすくするために、乾燥工程の前に円形のノズルガイドを通したり、円柱状の穴を有する加熱された金型に通しても良い。いずれの方法を用いる場合でも、温度は120℃〜200℃、滞留時間0.05〜10分の条件で乾燥させるのが好ましいが、サイズ剤水溶液の付着量に応じて適宜調整した上で条件は設定することが必要である。またカットの方法としては、芳香族ポリアミド繊維束の切断が可能ないずれのカッターを用いてカットしてもよく、具体的にはロータリーカッター、ギロチンカッター等を用いてカットすればよい。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、繊維軸に直交する断面において実質的に円形状の形態を有し、切断断面の扁平比が1〜5であることが好ましい。扁平比とは、工程カット切断装置を用いて切断した後の切断断面における長径と短径の比率であり、好ましくは1〜3が好ましい。この範囲にある場合、繊維強化熱可塑性樹脂の繊維補強効率が良好で好ましい。
本発明の樹脂補強用短繊維束の繊維長は、1〜12mm、好ましくは2〜10mmである。繊維長が1mm未満の場合には、複数本の単繊維が集束した、実質的に円柱状の短繊維を得ることが困難となり、一方12mmを超える場合には、マトリックス樹脂と溶融混合する際に単繊維同士が絡み合い、分散不良となりやすいため好ましくない。
本発明の短繊維束は、かさ密度が、通常、0.28〜0.40(g/ml)、好ましくは0.35〜0.40(g/ml)である。ここでいうかさ密度とは、短繊維束を1,000mlメスシリンダーに100g採取し、このメスシリンダーを30mmの高さから落下させることを10回繰り返して、そのメスシリンダーの短繊維束の体積V(ml)とその重量W(g)から下記式により得られるものである。
かさ密度(g/l)=W/V
かさ密度が0.28(g/ml)未満の場合、集束性が不十分となって短繊維束に毛羽を多く含み、また成形工程でもさらに前述の如く解繊し易く、工程通過性が低下する場合がある。一方、かさ密度が0.4(g/ml)を超える場合、付与したサイジング剤が多く、押出機で多量の分解ガス発生の原因になり易いし、また、ストランドが硬く剛直であるため工程通過性が低下する場合がある。
本発明の短繊維束のかさ密度を、上記範囲内にするには、前記の短繊維束の総繊度、繊維長の範囲とすることが好ましい。
また、本発明の短繊維束は、安息角が50°以下、好ましくは45°以下である。上記範囲を逸脱すると、マトリクス樹脂とのドライブレンド性、またはサイドフィーダーによる供給性、及び練合・押出し性が低下する。
ここで、ここで、安息角とは、一般に粉体、ペレットなど(本発明においては、本発明の短繊維束)を積み上げたときに自発的に崩れることなく安定を保つ斜面の角度であり、これを「安息角」と呼ぶ。なお、安息角の測定方法は、後記した方法により測定することができる。
安息角は、主に短繊維束の大きさ、つまり短繊維の総繊度、繊維長等によって決まり、短繊維束の角の丸み、さらには摩擦係数などが影響する場合もある。よって、上記安息角とするには、前記の短繊維束の総繊度、繊維長の範囲とすることが好ましい。
本発明の短繊維束において、安息角が小さいことは、流動性に優れていることを示すものである。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、集束性、流動性に優れており、これを用いて繊維強化成形材料を製造する場合には、該短繊維束とマトリクス樹脂とのドライブレンド性、またはサイドフィーダーによる供給安定性、押出し機から押出されるストランドの吐出速度均一性、ストランド切れに対する安定性などが極めて良好となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例で用いた評価方法は下記のとおりである。
(1)下記のストランドペレット(A)、繊維強化樹脂成形体(B)の総付着量
メタノール/アセトン(体積比)=1/1の混合溶媒中に一定重量の繊維を投入し、80℃で1時間ソックスレー抽出した後の重量から、下記式を用いて算出した。また、繊維用油剤が付着した糸に処理剤を付与する場合は、繊維用油剤の付着量を差し引いて算出した。
(処理剤付着量)=《{(抽出前の繊維重量)−(抽出後の繊維重量)}/(抽出後の繊維重量)》×100(%)
(2)短繊維束のかさ密度
短繊維束を1,000mlメスシリンダーに100g採取し、このメスシリンダーを30mmの高さから落下させることを10回繰り返して、そのメスシリンダーの短繊維束の体積Vとその重量W(g)から下記式を用いて算出した。
嵩密度(g/l)=W/V
(3)短繊維束の安息角
JIS R 9301−2−2に準拠して測定した。
(4)短繊維束の分散性
後述の方法で作成したストランドペレットを、10cm角の金型内に隙間無く、ペレット同士が重ならないように敷き詰めた後、260℃で圧縮成形して得た厚さ2mmの成形体を目視で観察し、繊維の分散状態を下記の基準で判定した。
◎:繊維塊(単繊維同士が絡み合って形成されたもの)が存在しない。
△:繊維塊が1〜9箇所存在する。
×:繊維塊が10箇所以上存在する。
(5)樹脂成形体の曲げ強度・弾性率
ASTM D790に準拠して測定した。
(6)樹脂成形体のアイゾット衝撃強度
ASTM D256に準拠して、ノッチ付サンプルを測定した。
[実施例1]
処理液として、ポリエーテル系水系ポリウレタン樹脂(DIC(株)製「ボンディック8510」)をイオン交換水にて希釈し、固形分濃度を10重量%に調整した。この処理液に、繊維束の繊度1,670dtex、単繊維本数1,000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、「テクノーラT−200H」)を3本合糸しS方向に47回/mの撚りを付与したコードを、連続的に浸漬させ、次いで温度200℃の乾燥機に1分間通し、処理剤付着量5.5重量%の芳香族ポリアミド長繊維を得た。なお、撚糸は撚り係数が1となるようにした。次いでこの長繊維をギロチンカッターにて長さ3mmにカットし、芳香族ポリアミド短繊維を得た。
次に、ポリアミド66樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製「レオナ1300S」)中に、上記短繊維を、短繊維配合率が15重量%となるように混合し、80℃に加温したタンブラー中で2時間撹拌させた直後に280℃に加温した二軸押出機に導入し、混練押出した後にカットして、ストランドペレット(A)を得た。更にこのペレットを用いて、成形温度260℃、金型温度80℃で射出成形を行い、所定形状の芳香族ポリアミド繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[実施例2]
実施例1において、処理液の固形分濃度を26重量%に調整した以外は。実施例1と同様に実施し、処理剤付着量18.9重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[実施例3]
実施例1において、処理液の固形分濃度を18重量%に調整し、繊維束の繊度1,670dtex、単繊維本数1,000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を5本合糸しS方向に37回/mの撚りを付与したコードを用いた以外は、実施例1と同様に実施し、処理剤付着量9.8%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[実施例4]
実施例1において、処理液の固形分濃度を20重量%に調整し、繊維束の繊度1,670dtex、単繊維本数1,000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を10本合糸しS方向に26回/mの撚りを付与したコードを用いた以外は、実施例1と同様に実施し、処理剤付着量8.9重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[実施例5]
実施例1において、処理液の固形分濃度を20重量%に調整し、繊維束の繊度1,670dtex、単繊維本数10,00本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を5本合糸しS方向に21回/mの撚りを付与したコードを用いた以外は、実施例1と同様に実施し、処理剤付着量10.5重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例1]
実施例1において、処理液の固形分濃度を15重量%に調整し、繊維束の繊度1,670dtex、単繊維本数1,000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を2本合糸しS方向に58回/mの撚りを付与したコードを用いた以外は、実施例1と同様に実施し、処理剤付着量12.2重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例2]
実施例1において処理液の固形分濃度を8重量%に調整した以外は、実施例1と同様に実施し、処理剤付着量3.5重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例3]
実施例1において処理液の固形分濃度を30重量%に調整した以外は、実施例1と同様に実施し、処理剤付着量22.7重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例4]
実施例1において処理液の固形分濃度を30重量%に調整し、繊維束の繊度1,670dtex、単繊維本数1,000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を16本合糸しS方向に20回/mの撚りを付与したコードを用いた以外は実施例1と同様に実施し、処理剤付着量15.7重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
〔比較例5〕
実施例1において、処理液の固形分濃度を15重量%に調整し、繊維束の繊度1,670dtex、単繊維本数1,000本のコポリパラフェニレン−3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を1本をS方向に60回/mの撚りを付与したコードを用いた以外は、実施例1と同様に実施し、処理剤付着量5.4重量%の芳香族ポリアミド長繊維から3mmの芳香族ポリアミド短繊維を得た。
この短繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)を得た。
このストランドペレット(A)、及び繊維強化樹脂成形体(B)について、上記(3)〜(6)に示した諸特性は、表1に示すとおりであった。
Figure 2012193480
本発明の樹脂補強用短繊維束は、集束性と流動性に優れており、これを用いて繊維強化成形材料を製造する場合には、該短繊維束とマトリクス樹脂とのドライブレンド性、またはサイドフィーダーによる供給安定性、押出し機から押出されるストランドの吐出速度均一性、ストランド切れに対する安定性などが極めて良好となる。

Claims (4)

  1. 複数の芳香族ポリアミド短繊維が集束してなる短繊維束であり、該短繊維束の総繊度が5,010〜25,050dtexであり、該短繊維束の表面にサイズ剤が付着しており、その付着量が短繊維束重量を基準として5〜20重量%であることを特徴とする樹脂補強用短繊維束。
  2. 樹脂補強用短繊維束のかさ密度が0.28〜0.40g/mlである請求項1に記載の樹脂補強用短繊維束。
  3. 樹脂補強用短繊維束の安息角が50°以下である請求項1または2に記載の樹脂補強用短繊維束。
  4. 芳香族ポリアミド短繊維が、パラ型芳香族ポリアミド短繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂補強用短繊維束。
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