JP5177440B2 - 架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法 - Google Patents

架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、初速(反発性)に優れ、打球感が柔らかく、かつ生産性に優れるゴルフボールを与える、ソリッドゴルフボール用コア、ソリッドゴルフボール用コアの製造方法に関する。
現在、市場には種々の構造のゴルフボールがあり、ゲーム用としては一般に、ツーピースゴルフボール等のソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールがある。ソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに比べて優れた飛行性能と耐久性を有するために、市場においても大半を占めているが、打球感が硬く衝撃力も大きく、また、アプローチショットでのコントロール性の面で糸巻きゴルフボールに劣っている。
そこで、ソリッドゴルフボールにおいて、糸巻きゴルフボールに近い打球感を得るため、いわゆるソフトタイプのソリッドゴルフボールも提案されている。しかしながら、そのようなソリッドゴルフボールを得るためには、軟らかいコアを使用する必要があり、それによってボールの反発性能が低下すると、ソリッドゴルフボールの特徴である飛距離が低下すると共に耐久性も低下する。ユーザーからは、少しでもより遠くへボールを飛ばしたいという要望が寄せられ、打球感が柔らかく、且つ、より一層初速(反発性)の優れたゴルフボールの出現が望まれている。
この場合、特開平8−98901号公報には、コアと該コアを直接または中間層を介して被覆するカバーを有するソリッドゴルフボールにおいて、上記コアが、加硫前にシス構造を90%以上含むブタジエンゴムを基材ゴムとするゴム組成物を加硫してなり、その加硫後のトランス構造が10〜30%であって、かつ、コアの硬度が、JIS−C型硬度計で測定した硬度で、コアの中心から表面に向かって5mm点間隔の各硬度がコアの中心の硬度に対して10%以内の差であることを特徴とするソリッドゴルフボールが提案されているが、反発性については未だ改善の余地があった。
また、特開2000−185115号公報には、1層以上のコアと1層以上のカバーを有するゴルフボールにおいて、最内核にあるコアが、基材ゴム100重量部に対して、α,β−不飽和カルボン酸もしくはその金属塩20〜40重量部、加硫開始剤0.3〜1.8重量部、有機硫黄化合物0.1〜5重量部を含有するゴム組成物の加硫成形物から成り、かつ加硫後のトランス構造含量10〜50%を有し、該コアが、JIS−C硬度による中心硬度Aおよび表面硬度Bを有する場合に、(B−A)/Aの値が15%以上であることを特徴とするソリッドゴルフボールが提案されているが、反発性については未だ改善の余地を有するものである。
更に、種々のシス−トランス異性化触媒を含み、異性化反応後のトランス構造含量が異性化前のトランス構造含量よりも多量であるポリブタジエンを材料として用いたゴルフボール(例えば、特許文献3〜7参照。)が提案されているが、上記と同様に反発性については未だ改善の余地を有するものであった。
特開平8−98901号公報 特開2000−185115号公報 米国特許第6162135号明細書 米国特許第6291592号明細書 米国特許第6417278号明細書 米国特許第6458895号明細書 米国特許第6465578号明細書
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、上記のような従来のソリッドゴルフボールの有する問題点を解決し、柔らかな打球感を保持しつつ、しかも反発性を向上させたソリッドコアを生産性よく得ることを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、ポリブタジエンを含む特定の組成を有するソリッドゴルフボール用ゴム組成物(以下、単にゴム組成物と略記することがある。)であって、コアの表面部から中心部にかけて架橋ポリブタジエンの高次構造(シス構造、並びにトランス構造)に特定の勾配を付与したものをゴルフボールコアとして用いた場合、打球感が柔らかく、且つ打撃時の初速に優れたゴルフボールが得られることを知見した。そこでポリブタジエンを含むゴム組成物を架橋成形してゴルフボールコアを得る際に、当該コア中の架橋ポリブタジエン成分の高次構造を調整する方法について検討を進めた結果、ゴム組成物の組成を特定すると共に、加硫成形時の加硫温度と加硫時間を特定範囲内で調整することにより、加硫成形物の表面と中心部の高次構造を調整し得、上記ゴルフボールコアを良好に製造し得ることを見出し、本発明を完成したものである。
従って、本発明は、下記の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法を提供する。
請求項
(A)シス構造を80〜96%有するポリブタジエンゴム100重量部に対して、(B)共架橋剤13〜45重量部、(C)有機過酸化物0.2〜1.5重量部、(D)充填剤2〜30重量部、並びに(E)チオフェノール類,メルカプタン類,SH基含有有機化合物から選ばれる1種又は2種以上である有機硫黄化合物0.1〜1.5重量部を含むゴム組成物を加硫成形して、100kg荷重負荷時のたわみ量が3.52〜5.0mmのソリッドゴルフボール用コアを得る際に、当該コア中の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造を調整する方法であって、
上記加硫成形時の加硫温度と加硫時間を145〜180℃、10〜25分の範囲で調整して、コア表面の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量を20〜39%の範囲に調整すると共に、コア表面の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量から、コア中心の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量を差し引いた値が5〜35%の範囲となるように調整することを特徴とする架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法
請求項
(E)有機硫黄化合物が、ペンタクロロチオフェノールもしくはその亜鉛塩である請求項1記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
請求項
コア表面における架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量22〜39%の範囲で調整する請求項1又は2記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
請求項
コア表面の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量からコア中心の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量を差し引いた値が5〜20%の範囲となるように調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
請求項
コア中心における架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量10〜20%の範囲に調整する請求項1〜4のいずれか1項に記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
請求項
上記ゴム組成物は、上記(A)共架橋剤と(E)有機硫黄化合物とを熱可塑性樹脂で被覆してマイクロカプセル化したものを除く請求項1〜5のいずれか1項に記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
本発明の調整方法により架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造を調整したソリッドゴルフボール用コアは、表面と中心部に適度なトランス構造含量を備えるものであり、該コアを用いたゴルフボールは、柔らかなコアを用いているため打球感に優れ、しかも飛行性能に優れるゴルフボールである。
本発明のソリッドゴルフボール用コアは、(A)ポリブタジエンゴム、(B)共架橋剤、(C)有機過酸化物、(D)充填剤、及び(E)有機硫黄化合物を含むゴム組成物を加硫成形したものである。
(A)ポリブタジエンゴムとしては、シス構造を80%以上有するポリブタジエンゴムを含むものであることが好ましい。(A)ポリブタジエンゴムには、所望により、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等を本発明の目的を損なわない範囲で配合することも可能である。
(A)成分としては市販品を用いることができ、例えば、JSR社製商品名BR01、BR02LL、BR10、BR11、BR15、BR18等が挙げられるが、中でも反発性や加工性の観点から、BR01、BR11が好適に使用される。
(B)共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、中でもアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、中でもアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
上記(B)共架橋剤としては市販品を用いることができ、例えば、日本蒸留工業(株)の商品を使用することができる。
上記(B)成分の、上記(A)成分100重量部に対する配合量は、13重量部以上、好ましくは20重量部以上、更に好ましくは25重量部以上、上限として45重量部以下、好ましくは40重量部以下、最も好ましくは30重量部以下である。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打球感になり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう。
本発明における(C)有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げることができるが、中でもジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを好適に使用することができる。
上記(C)有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)、パーヘキサ 3M(日本油脂社製)等を好適に用いる事ができる。これらは1種を単独であるいは2種以上を併用しても良い。
上記(C)成分の、上記(A)成分100重量部に対する配合量は、0.2重量部以上、好ましくは0.6重量部以上、より好ましくは0.8重量部以上、上限としては1.5重量部以下、好ましくは1.4重量部以下、より好ましくは1.2重量部以下、さらに好ましくは1.0重量部以下である。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打球感、耐久性及び反発性を得ることができない。
本発明における(D)充填剤としては、例えば酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、二酸化チタン等が挙げられ、中でも酸化亜鉛を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。なお、共架橋剤として不飽和カルボン酸を用いた場合には、酸化亜鉛が必須である。
上記(D)成分の、上記(A)成分100重量部に対する配合量は、2重量部以上、好ましくは5重量部以上、更に好ましくは10重量部以上、最も好ましくは15重量部以上、上限として30重量部以下、好ましくは25重量部以下、最も好ましくは20重量部以下である。配合量が少なすぎたり多すぎたりすると、適正な重量、及び好適な反発性を得ることができない。
本発明における(E)有機硫黄化合物としては、例えばチオフェノール類(金属塩を含む)、メルカプタン類(金属塩を含む)、SH基含有有機化合物(金属塩を含む)が好適に用いられる。
チオフェノール類(金属塩を含む)として具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩等が挙げられ、特に、ペンタクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩が好適に用いられる。
メルカプタン類(金属塩を含む)として具体的には、ヘキシルメルカプタン、ノニルメルカプタン、ヘキシルメルカプタンの亜鉛塩、ノニルメルカプタンの亜鉛塩等が挙げられる。
SH基含有有機化合物(金属塩を含む)として具体的には、2−チオフェンチオール、3,4,5−トリクロロ−2−チオフェンチオール、2−フランチオール、3,4,5−トリクロロ−2−フランチオール、2−チオフェンチオールの亜鉛塩、3,4,5−トリクロロ−2−チオフェンチオールの亜鉛塩、2−フランチオールの亜鉛塩、3,4,5−トリクロロ−2−フランチオールの亜鉛塩等が挙げられる。
このような(E)成分の、上記(A)成分100重量部に対する配合量は、0.1重量部以上、好ましくは0.3重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは0.6重量部以上、上限として1.5重量部以下、好ましくは1.4重量部以下、より好ましくは1.2重量部以下、さらに好ましくは1.1重量部以下である。配合量が多すぎると効果が頭打ちとなりそれ以上の効果が見られなくなり、配合量が少なすぎると、その配合効果が十分達成されない。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に任意の添加剤、例えば金属酸化物、老化防止剤、分散剤、加工助剤、加硫助剤等を所望により適宜配合することも可能である。
本発明のソリッドゴルフボール用コアは、上記(A)成分のポリブタジエンが架橋された架橋ポリブタジエンゴムを主成分とするが、この架橋ポリブタジエンゴムは、コア表面においてトランス構造含量が20〜39%であり、且つ、コア表面におけるトランス構造含量からコア中心のトランス構造含量を差し引いた値が5〜35%である。
ここで、上記「トランス構造含量」とは、架橋ポリブタジエンゴム中のシス−1,4−構造、トランス−1,4−構造および1,2−構造の合計含量に対する、トランス−1,4−構造の含有率を意味する。トランス構造含量の決定方法については、NMR、IR等による分析方法を用いることができ、得られたスペクトルにおけるシス−1,4−構造、トランス−1,4−構造および1,2−構造に対応するピーク面積又はピーク量に対する、トランス−1,4−構造に対応するピークの面積又はピーク量の比から計算により求める。
本発明ソリッドゴルフボール用コアの、コア表面における上記架橋ポリブタジエン中のトランス構造含量は20%以上、好ましくは22%以上、更に好ましくは25%以上、上限として39%以下、好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下である。また、コア表面におけるトランス構造含量からコア中心のトランス構造含量を差し引いた値は、5%以上、好ましくは8%以上、上限として35%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは20%以下である。なお、コア中心部におけるトランス構造含量は、上述したコア表面における含量と、コア表面とコア中心との含量の差とから好ましい値が算出できるが、下限値としては通常4%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは13%以上、上限値としては通常34%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、更に好ましくは20%以下である。コアの表面部及びコア中心部におけるトランス構造含量が、上記範囲に含まれない場合、本発明の目的である、打球感が柔らかく、且つ反発性能に優れたゴルフボールを得ることができない。
上記ゴム組成物により本発明のゴルフボール用コアを形成する際には、上記各成分を公知の混練方法、例えばバンバリーミキサーやロール等の混練機を用いて混練し、コア用金型を用いて成形することができる。
本発明において、上記ソリッドゴルフボール用コアは、上記ゴム組成物を145〜180℃で10〜25分間の加硫処理を加えて得られたものであることが好ましい。
更に詳しくは、加硫温度としては、通常145℃以上、好ましくは150℃以上、更に好ましくは155℃以上、上限として通常180℃以下、好ましくは170℃以下、更に好ましくは160℃以下である。加硫温度が高すぎると、耐久性が低下し、加硫温度が低すぎると、反発性及び硬度が低下する。
加硫時間としては、通常10分以上、好ましくは13分以上、上限として通常25分以下、好ましくは20分以下である。加硫時間が長すぎると、生産性が低下し、加硫時間が短すぎると、硬度が不安定となる。
この場合、本発明においては、上記ソリッドゴルフボール用ゴム組成物を用いて得られたコアは、その特性を有効に発揮させる点から、直径を30mm以上、特に34mm以上で、42mm以下、特に40mm以下とすることが好ましい。 また、上記直径のコアに、100kg荷重を負荷した場合の撓み量が、2.5mm以上、特に3.0mm以上で、5.0mm以下、特に4.0mm以下とすることが好ましい。
本発明における架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法は、以上のように、上記の割合で(A)成分〜(E)成分を含むゴム組成物を145〜180℃で10〜25分加硫することにより、コア表面の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量が20〜39%であり、且つ、コア表面のトランス構造含量からコア中心のトランス構造含量を差し引いた値が5〜35%であるコアを形成するもので、このように145〜180℃で10〜25分の一段加硫するという、比較的急激な加硫を行うことにより、コア表面からコア中心部にかけて、トランス構造含量に比較的大きな勾配を簡便に付与することができ、上記加硫方法は生産性が良好な方法である。
本発明のコアを用いてゴルフボールを製造する場合は、ソリッドゴルフボール用ゴム組成物を用いて本発明のコアを成形した後、公知の方法によりコアの周囲に1層又は2層以上のカバー層を被覆させることにより得ることができる。
カバー材料としては、例えばアイオノマー樹脂やポリウレタン樹脂等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
被覆方法としては、例えばカバー用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、130〜230℃で1〜15分間加圧成形するか、または上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法を挙げることができる。
上記カバー層の厚み合計としては、通常1mm以上、好ましくは1.5mm以上、上限として通常4mm以下、好ましくは3mm以下である。カバー層の厚み合計が大きすぎると、コアの高い反発性を効果的に利用することが困難となって飛距離が低下する場合があり、一方、カバー層の厚み合計が小さすぎると、ゴルフボール打撃耐久性が低下する場合がある。
このソリッドゴルフボールの表面には多数のディンプルを形成し、或いは必要に応じて、マーキング、塗装、表面処理を施すことができる。また、このソリッドゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、その直径は42.67mm以上、重量は45.93g以下に形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例1,2、参考例、比較例1〜3]
表1に示すコア配合にて、試験ニーダー(ラボプラストミル、東洋精機製作所社製)を用い、ローター回転数50rpm、ノンプロ(パーオキサイド添加前)80〜110℃、プロ(パーオキサイド添加後)50〜90℃にて5分間混練し、表1に示す条件で加硫硬化させることにより、直径39.2mmのソリッドゴルフボールコアを製造した。得られたソリッドゴルフボールコアの評価結果を表1に併記した。
Figure 0005177440

BR
商品名 BR01,JSR(株)製(シス−1,4−構造含量96%、トランス−1,4−構造含量2%、ビニル基構造含量2%)。
アクリル酸亜鉛
日本蒸留工業(株)製。
酸化亜鉛
堺化学工業(株)製。
ペンタクロロチオフェノール
東京化成工業(株)製。
ジフェニルジスルフィド
東京化成工業(株)製。
ジクミルパーオキサイド
日本油脂(株)製。
加硫条件
A:155℃×15分、B:145℃×40分、C:170℃×10分、D:155℃×30分。
コア評価/(a),(b)(%)
FT−IRのATR法にて測定した結果を、モレロ法で計算して算出した、局部的なトランス構造含量。(a):コア表面のトランス構造含量、(b):コア中心のトランス構造含量。
コア硬度(mm)
100kg荷重負荷時のコアの撓み変形量。数値が大きいほど、柔らかいことを示す。
コア初速(m/s)
公認機関USGAと同タイプの初速度計にて測定した。
実施例1,2及び参考例は、コア表面のトランス構造含量が適切であり、且つ、コア表面のトランス構造含量とコア中心部におけるトランス構造含量との差が適切であるため、コア打撃時の初速度に優れている。
比較例1は、コア表面のトランス構造含量は適切であるものの、コア表面のトランス構造含量とコア中心部におけるトランス構造含量との差が適切でないため、コア打撃時の初速度に劣るものである。また、加硫時間が長く、生産性にも劣る。
比較例2は、コア表面のトランス構造含量、並びに、コア表面のトランス構造含量とコア中心部におけるトランス構造含量との差が適切でないため、コア打撃時の初速度に劣るものである。
比較例3は、(E)有機硫黄化合物の量が適切でないために硬度が小さく(柔らかく)、また、コア表面のトランス構造含量とコア中心部におけるトランス構造含量との差が適切でないため、コア打撃時の初速度に劣るものである。

Claims (6)

  1. (A)シス構造を80〜96%有するポリブタジエンゴム100重量部に対して、(B)共架橋剤13〜45重量部、(C)有機過酸化物0.2〜1.5重量部、(D)充填剤2〜30重量部、並びに(E)チオフェノール類,メルカプタン類,SH基含有有機化合物から選ばれる1種又は2種以上である有機硫黄化合物0.1〜1.5重量部を含むゴム組成物を加硫成形して、100kg荷重負荷時のたわみ量が3.52〜5.0mmのソリッドゴルフボール用コアを得る際に、当該コア中の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造を調整する方法であって、
    上記加硫成形時の加硫温度と加硫時間を145〜180℃、10〜25分の範囲で調整して、コア表面の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量を20〜39%の範囲に調整すると共に、コア表面の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量から、コア中心の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量を差し引いた値が5〜35%の範囲となるように調整することを特徴とする架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法
  2. (E)有機硫黄化合物が、ペンタクロロチオフェノールもしくはその亜鉛塩である請求項1記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
  3. コア表面における架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量22〜39%の範囲で調整する請求項1又は2記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
  4. コア表面の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量からコア中心の架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量を差し引いた値が5〜20%の範囲となるように調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
  5. コア中心における架橋ポリブタジエンゴム成分中のトランス構造含量10〜20%の範囲に調整する請求項1〜4のいずれか1項に記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
  6. 上記ゴム組成物は、上記(A)共架橋剤と(E)有機硫黄化合物とを熱可塑性樹脂で被覆してマイクロカプセル化したものを除く請求項1〜5のいずれか1項に記載の架橋ポリブタジエンゴム成分の高次構造の調整方法。
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