JP5176685B2 - 電子写真感光体及びその製造方法、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
更に、前記特許文献12に記載の表面層を電荷輸送層上に積層する場合には、電荷輸送層と表面層との界面において、電荷の注入性が良好である必要があること、また、表面層中の電荷輸送能が電荷輸送層と比較して同程度である必要性があるが、これら二つの特性を満足した表面層を得ることは大きな課題となっている。例えば、電荷輸送構造を有する化合物に架橋構造を組み込む場合には、電荷輸送構造の運動性が非架橋系材料と比較して小さくなることによって電荷輸送性が低下するといわれている。また、電荷輸送層と表面層との注入性に関しては、各層に含まれる電荷輸送構造を有する化合物のイオン化ポテンシャルを調整する必要があるが、電荷輸送構造を有する化合物の架橋前後でのイオン化ポテンシャルは等価でない場合もあるため、材料設計に注意をする必要がある。
<1> 支持体上に少なくとも電荷発生層と、少なくともポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料を含有する電荷輸送層とを有する電子写真感光体の製造方法において、
前記電子写真感光体を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を0.2g/L〜2.0g/L含む超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかに接触させる接触工程と、
前記接触により、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した電子写真感光体を常圧下で加熱する加熱工程と、含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
<2> 超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかとして、二酸化炭素を用いる前記<1>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<3> 接触工程における超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかの温度が、80℃以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法である。
<4> 接触工程における超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかの温度が、80℃〜130℃である前記<3>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<5> 加熱工程における加熱温度が、120℃以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法である。
<6> 加熱工程における加熱温度が、120℃〜160℃である前記<5>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<7> 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体において、
前記電荷輸送層が少なくともポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料を含有し、
前記電子写真感光体を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を含む超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかと接触させて、前記電荷輸送層中に少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した後、常圧下で加熱してなることを特徴とする電子写真感光体である。
<8> 超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかが、二酸化炭素である前記<7>に記載の電子写真感光体である。
<9> フェノール誘導体の量が、電荷輸送層表面から該電荷輸送層厚み方向に50%の位置で、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し10質量部〜50質量部である前記<7>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<10> ポリカーボネート樹脂の質量平均分子量が、100,000以上である前記<7>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<11> 電荷輸送性材料が水酸基を有する前記<7>から<10>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<12> 電荷輸送層における弾性仕事率が、40%以上である前記<7>から<11>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<13> 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記電子写真感光体が、前記<7>から<12>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法である。
<14> 電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<7>から<12>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<15> 電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、
前記電子写真感光体が、前記<7>から<12>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記電荷輸送層が少なくともポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料を含有し、
前記電子写真感光体を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を含む超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかと接触させて、前記電荷輸送層中に少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した後、常圧下で加熱してなる。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、支持体上に少なくとも電荷発生層と、少なくともポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料を含有する電荷輸送層とを有する電子写真感光体の製造方法において、
前記電子写真感光体を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を0.2g/L〜2.0g/L含む超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかに接触させる接触工程と、
前記接触により、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した電子写真感光体を常圧下で加熱する加熱工程と含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
以下、本発明の電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法について説明する。
前記接触工程は、前記電子写真感光体を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を0.2g/L〜2.0g/L含む超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかに接触させる工程である。
前記超臨界流体とは、気体と液体が共存できる限界の温度及び圧力(臨界点)を超えた状態にある流体を指す。
前記超臨界流体の特徴としては、高密度状態において、一般に物質を溶かす能力がその流体の常温での溶解力よりも非常に大きい溶解力であることを特徴とする。これは当該流体が高圧力下にあるため、流体の運動エネルギーが大きいこと、また、粘性が小さいことが考えられている。また、温度及び圧力による密度の調整によって溶解性の制御ができるため、適用範囲が広いことも特筆すべき特性である。一般には密度0.2g/cm3以上の超臨界流体が化学物質に対する溶媒として用いられることが多い。また、超臨界流体は前述の通り、流体の運動エネルギーが大きいこと、また、粘性が小さいことから媒質への拡散が早い。このため一般に用いられる溶媒では多孔質体へ浸透しにくいが、超臨界流体を用いれば比較的容易に多孔質体へ浸透することが知られている。更に、熱伝導度は液体よりも大きいため、超臨界流体中で生じた化学反応による反応熱は速やかに除去することが可能である。
前記臨界温度としては、−273℃〜300℃が好ましく、0℃〜140℃がより好ましい。超臨界流体中に対する媒質が熱により変性するようなものを用いる場合には臨界温度が低いものが好ましい。例えば、二酸化炭素(臨界温度31.0℃)、エタン(臨界温度32.2℃)、プロパン(臨界温度96.6℃)、アンモニア(臨界温度132.3℃)などが挙げられる。
前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度及び圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。超臨界流体として挙げられる各種材料は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。本発明に対しては超臨界流体又は亜臨界流体を単独で使用してもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。
前記エントレーナーとして用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、プロパノール、アンモニア、メラミン、尿素、チオエチレングリコール、などが挙げられる。
前記エントレーナーの添加量は、エントレーナーとしての機能を果たす添加量であれば特に限定されないが、一般に0.01g/L〜10g/Lであることが好ましい。
より効率的に少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を電荷輸送層に注入するためには、温度条件を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体の反応温度以下で行うことが好ましい。少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体の反応温度は、DSC等のカロリーメーターによって測定可能である。即ち、超臨界流体又は亜臨界流体中でフェノール誘導体が反応することによって、超臨界流体中又は亜臨界流体中への少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体の溶解量が低下し、注入効率の低下が懸念される。
前記少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体としては、分子内に少なくとも一つのメチロール基を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール類にホルムアルデヒド類を反応させてメチロール化すること等により得ることができる。具体的には、例えば、フェノール類モノマーのモノメチロール化合物、フェノール類モノマーのジメチロール化合物、フェノール類モノマーのトリメチロール化合物、フェノール類ダイマーのモノメチロール化合物、フェノール類ダイマーのジメチロール化合物、フェノール類ダイマーのトリメチロール化合物、フェノール類ダイマーのテトラメチロール化合物、トリスフェノール類のメチロール化合物、などが挙げられる。
より具体的には、例えば、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルフェノール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−5−メチル−2−イソプロピルフェノール等のフェノール類モノマーのモノメチロール化合物;2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、2,4−ジヒドロキシメチル−6−メチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3,4−ジメチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2,3−ジメチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−シクロヘキシル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−エチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−エチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−イソプロピルフェノール、6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロキシメチル−3−メチルフェノール等のフェノール類モノマーのジメチロール化合物;2,4,6−トリヒドロキシメチルフェノール等のフェノール類モノマーのトリメチロール化合物;2,2’−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−3,5,5’−トリメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3,3’、5−トリメチルジフェニルメタン等のフェノール類ダイマーのモノメチロール化合物;ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェノール)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェノール)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノール)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2,3−ジメチルフェノール)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−4,5−ジメチルフェノール)メタン等のフェノール類ダイマーのジメチロール化合物;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェノール)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェノール)プロパン等のフェノール類ダイマーのテトラメチロール化合物、などが挙げられる。更に、モノマー、ダイマー、オリゴマー等から選ばれるフェノール誘導体を目的に合わせて選択してもよい。これらのメチロール基を有するフェノール誘導体は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記量が、10質量部未満であると、架橋性電荷輸送層としてはその架橋が不充分であり、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体の効果が充分に発揮されないことがあり、50質量部を超えると、ポリカーボネート樹脂に対するフェノール誘導体が多くなりすぎるため、フェノール誘導体の架橋ドメインを形成したり、未反応フェノール誘導体が電荷輸送層中に残留してしまい、結果として電荷輸送層が有すべき電荷輸送機能を損なうことがある。また、フェノール誘導体にもよるが、低分子量のフェノール誘導体を用いた場合には、電荷輸送層自身の粘性が損なわれることによりクラックが形成されやすくなり、摩耗耐久性が低下することがある。
フェノール誘導体は後述する加熱工程において縮合反応によって架橋することが知られている。この反応によってバルク中のエーテル結合(COC)が増加することから、このエーテル結合をマーカーとして、FT−IRのATR法を用いて定量することが可能となる。前記エーテル結合はFT−IRによって1070cm−1近傍に強い振動強度を有していることが知られている。このため、電荷輸送層が当該波数近傍に強いピークを持たない場合には、本波数のピーク強度(ピーク高さもしくはピーク面積)から電荷輸送層中のフェノール誘導体量を定量可能となる。また、電荷輸送層が当該波数近傍にピークを有し、エーテル結合由来の振動を分離できない場合は、当該波数以外の材料特有の振動ピークから定量することが可能である。
前記フェノール誘導体の定量にあたっては、検量線を元に行う必要がある。本発明においてはポリカーボネート樹脂と電荷輸送性材料との分散体中に、一定量のフェノール誘導体を分散し、所定条件で加熱をした後にFT−IRの測定を行う。ポリカーボネート由来のC=O(カルボニル)結合はフェノール誘導体によって変化しないため、本振動強度を基準にすることが好ましい。例えば、フェノール誘導体未添加の電荷輸送層においてカルボニルの振動強度から算出される面積がα0、エーテルの振動強度から算出される面積がβ0であり、ポリカーボネート樹脂に対してフェノール誘導体が20質量%、40質量%、60質量%を添加した場合の各振動強度から算出される面積をそれぞれα20,α40、α60及びβ20、β40、β60とした場合、カルボニルの振動強度に対するエーテルの振動強度比(βx/αx)とフェノール誘導体の添加量とをプロットすることにより、検量線を得ることができる。
〔切削条件〕
・切削幅 : 1000μm
・切削角(θ) : 2.9°(tanθ=0.05)
〔FT−IR測定条件〕
・測定装置 : PerkinElmer社製 Spotlight200
・測定モード : ATR測定
・結晶 : Ge
・入射角 : 45°
・積算回数 : 128回
前記加熱工程は、前記接触工程により、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した電子写真感光体を常圧下で加熱する工程であり、該加熱により架橋反応が生じる。
前記常圧とは、物理的に雰囲気を加圧していない所謂大気圧を意味する。
少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した後に然るべき手段によってフェノール誘導体と電子写真感光体構成成分を架橋させない場合には、注入したフェノール誘導体のメチロール基が大気中でホルミル基等の酸化物になることによって、電荷輸送性の低下を引き起こすことがあり、好ましくない。また、注入するフェノール誘導体が低分子量の場合は、フェノール誘導体が電荷輸送層中で可塑剤のような役割を果たすことによって、電荷輸送層の粘性低下や、経時で電子写真感光体表面にブリードアウトなどを引き起こすため、然るべき手段を用いて架橋させる必要がある。
超臨界流体中で超臨界流体の温度を高くすることによって架橋させた場合には、電荷輸送層に注入されたフェノール誘導体のみならず、超臨界流体中のフェノール誘導体も架橋反応を引き起こし、結果として、感光体表面等を汚染することが懸念される。超臨界流体の加温によってフェノール誘導体を架橋させる場合には、前述のような超臨界流体の流通により、電子写真感光体の表面に付着したフェノール誘導体の架橋物を除去したり、後加工によって電子写真感光体を研磨することによって取り除くとよい。
前記加熱条件については、より具体的にはDSC等のカロリーメーターで測定可能なフェノール誘導体の縮合反応温度以上での加熱が好ましい。
前記電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層であり、少なくとも電荷輸送性材料及びバインダー樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリカーボネート樹脂が特に好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂としては、カーボネート基(−O−(C=O)−O−)を有する化合物であって、フェノール誘導体注入前に少なくともポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料からなる電荷輸送層を形成することができれば特に限定されない。
前記ポリカーボネート樹脂の質量平均分子量は、特に制限はなく、用いるポリカーボネート樹脂の構造などから適宜選択することができ、100,000以上が好ましく、100,000〜250,000がより好ましい。前記質量平均分子量が小さすぎると、電荷輸送層を形成するために用いる塗工液の粘度が小さくなり、厚膜化が難しくなることがある。一方、前記質量平均分子量が大きすぎると、電荷輸送層を形成するために用いる塗工液の粘度が大きくなりすぎたり、結晶性の高いポリカーボネート樹脂を用いた場合にはポリカーボネート樹脂の析出等によりポットライフが短くなることがある。
前記ポリカーボネート樹脂の質量平均分子量は、例えばゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
前記電荷輸送性材料としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送性材料としては、前記フェノール誘導体と反応する官能基の有無は限定されず、それらを組み合わせて使用してもよい。
前記一般式(1)のYにおける炭素数2〜6の置換又は無置換のアルコキシ基としては、上記炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキル基を有するアルコキシ基を表し、その具体例としては、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブチルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、などが挙げられる。
前記電子供与性を有する分子構造としては、正孔輸送化合物があり、例えば、トリフェニルアミン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が挙げられる。
前記電子受容性を有する分子構造としては、電子輸送化合物があり、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。
特に、窒素原子を分子構造中に含む(例えば、トリアリールアミン構造)正孔輸送化合物は電荷輸送能が良好であり、好ましく用いられる。
塗工に用いられる塗工液としては、多くの構成成分が常温で固体であることから、良溶媒に溶解して作製するとよい。溶剤としては、前記ポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料を溶解し、均質な塗工液を作ることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマー等が挙げられる。前記レベリング剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して1質量部以下が好ましい。
前記電荷輸送層の厚みは、解像度及び応答性の点から、30μm以下とすることが好ましく、25μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、帯電性、摩耗耐久性の観点から5μm以上が好ましい。
前記電荷輸送層は、充分な摩耗耐久性を有するためには、その弾性仕事率が40%以上であることが好ましく、40%〜75%がより好ましい。前記弾性仕事率が40%未満であると、電子写真プロセスから受ける機械的なハザードに対する耐久性が充分でなく、磨耗耐久性に乏しい電子写真感光体となることがあり好ましくない。
ここで、前記弾性仕事率は、ダイヤモンド圧子を用いた微小硬度計の負荷/除荷試験によって測定されるものである。具体的には、被測定体にダイヤモンド圧子を所定圧力、所定条件で負荷をかけた際の最大変形仕事量(A:塑性変形の仕事量+弾性変形の仕事量)に対する、所定条件で除荷した際の被測定体の復元量(B:弾性変形の仕事量)の比(B/A)で表される。
前記弾性仕事率はダイヤモンド圧子を被測定体に押しつける際に、圧子移動量及び圧子負荷荷重を同時に測定できる装置であれば測定可能である。本特性の測定ができるものとしてはフィッシャーインストルメンツ社から市販されているフィッシャースコープH−100や、SHIMAZU社から市販されているダイナミック微小硬度計DUH−211などが例示される。
弾性仕事率の測定条件にもよるが、測定においては下層(本発明においては支持体及び電荷発生層)の影響を受けやすいため、被測定体(本発明においては電荷輸送層)の厚みを充分厚くするとよい。具体的には弾性仕事率の測定におけるダイヤモンド圧子の変位良が被測定体の厚みの1/6以下が好ましく、1/10以下がより好ましい。
具体的に、弾性仕事率の測定に前記記載のフィッシャーインストルメンツH−100を用いて行った。測定条件を以下に示す。
〔測定条件〕
・測定装置 : フィッシャースコープ社製H−100
・測定モード : dF/dt=const
・最大荷重 : 9.8mmN
・負荷/除荷時間 : 各30sec
・クリープ時間 : 5sec
前記電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とし、更に必要に応じてバインダー樹脂などのその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生物質としては、無機系材料又は有機系材料を用いることができる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス・シリコン等が挙げられる。
前記アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリアリールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂の含有量は、前記電荷発生物質100質量部に対し500質量部以下が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。なお、バインダー樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
前記電荷発生層の厚みは、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着法、又はスパッタリング法により、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
前記支持体と前記電荷発生層との間には下引き層を設けることができる。該下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に電荷発生層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。更に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
前記下引き層は、前述の電荷発生層又は電荷輸送層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。この他、下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。
前記下引き層の厚みは、5μm以下が好ましい。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01質量%〜10質量%が好ましい。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、除電手段、潤滑剤付与手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記電子写真感光体が、本発明の前記電子写真感光体である。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、クリーニング工程、除電工程、潤滑剤付与工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
前記帯電工程は、電子写真感光体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器や針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着部材としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。電子写真感光体1を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ3が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
前記電子写真感光体1として、本発明の前記電子写真感光体を用いている。
次に、記録媒体9を感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ14、クリーニングブレード15が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記電子写真感光体として、本発明の前記電子写真感光体を用いる。
また、前記帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段としては、上述した画像形成装置と同様なものを適宜選択して用いることができる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンターに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
次に、図3に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、電子写真感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の電子写真感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
−電子写真感光体の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、下記組成の電荷発生層用塗工液、及び下記組成の電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み20μmの電荷輸送層をそれぞれ形成した。
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
・下記構造式で表されるビスアゾ顔料・・・2.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
・ビスフェノールZ変性ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製、質量平均分子量154,000)・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送性材料・・・7質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・1質量部
まず、内容積700mLの耐圧セル内にメチロール基を有するフェノール誘導体(26DMPC、ガラス転移温度(Tg):131℃、旭有機材株式会社製)0.7gをはかり入れ、電子写真感光体も同じく耐圧セルに入れた後、耐圧セルを封止した。
次いで、二酸化炭素を供給ボンベにより前記耐圧セルに供給し、加圧ポンプと温度調整器で20MPa、100℃に調節し、温度及び圧力が安定した後は耐圧セルを封じきり、2時間静置した(接触工程)。静置後、温度は100℃に保ったまま圧力を10MPaまで低下させ、この圧力を維持したまま加圧ポンプと背圧弁を使用して、流量8L/minで60分間二酸化炭素を流すことによって、電子写真感光体に注入されなかったフェノール誘導体を耐圧セルから除去した(除去工程)。除去後、温度及び圧力を徐々に大気雰囲気まで低下させた後に、常圧(1013hPa)下で150℃、30分間の加熱をする(加熱工程)ことによって、実施例1の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、メチロール基を有するフェノール誘導体(26DMPC、ガラス転移温度(Tg):131℃、旭有機材株式会社製)を、メチロール基を有するフェノール誘導体(DM−BIPC−F、ガラス転移温度(Tg):146℃、旭有機材株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、メチロール基を有するフェノール誘導体(26DMPC、ガラス転移温度(Tg):131℃、旭有機材株式会社製)を、メチロール基を有するフェノール誘導体(DM−BIOC−F、ガラス転移温度(Tg):157℃、旭有機材株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送性材料を、下記構造式で表される化合物D2−2に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<化合物D2−2>
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、電荷輸送層に用いた電荷輸送性材料を、下記構造式で表される化合物D2−2に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<化合物D2−2>
−電子写真感光体の作製−
実施例3において、電荷輸送層に用いた電荷輸送性材料を、下記構造式で表される化合物D2−2に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<化合物D2−2>
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送性材料を、下記構造式で表される化合物D3−2に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<化合物D3−2>
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、電荷輸送層に用いた電荷輸送性材料を、下記構造式で表される化合物D3−2に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<化合物D3−2>
−電子写真感光体の作製−
実施例3において、電荷輸送層に用いた電荷輸送性材料を、下記構造式で表される化合物D3−2に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<化合物D3−2>
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、電荷輸送層に用いたビスフェノールZ変性ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製、質量平均分子量154,000)を、ビスフェノールA変性ポリカーボネート(パンライトC1400、帝人化成株式会社製、質量平均分子量102,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、電荷輸送層に用いたビスフェノールZ変性ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製、質量平均分子量154,000)を、ビスフェノールA変性ポリカーボネート(パンライトC1400、帝人化成株式会社製、質量平均分子量102,000)に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例3において、電荷輸送層に用いたビスフェノールZ変性ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製、質量平均分子量154,000)を、ビスフェノールA変性ポリカーボネート(パンライトC1400、帝人化成株式会社製、質量平均分子量102,000)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、耐圧セルに封入するメチロール基を有するフェノール誘導体の添加量0.7gを0.21gに変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、耐圧セルに封入するメチロール基を有するフェノール誘導体の添加量0.7gを1.33gに変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、接触工程における二酸化炭素の温度を100℃から60℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、接触工程における二酸化炭素の温度を100℃から150℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、加熱工程における常圧下での加熱温度を150℃から110℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、加熱工程における常圧下での加熱温度を150℃から170℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、接触工程、除去工程、及び加熱工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例4において、接触工程を行わなかった以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例7において、接触工程を行わなかった以外は、実施例7と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例10において、接触工程を行わなかった以外は、実施例10と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、接触工程、及び除去工程を行わなかった、即ち加熱工程のみ
を行った以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、耐圧セルにメチロール基を有するフェノール誘導体を封入せず、電子写真感光体を接触工程は同条件で実施した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、メチロール基を有するフェノール誘導体(26DMPC、ガラス転移温度(Tg):131℃、旭有機材株式会社製)を、メチロール基を有さないフェノール樹脂(Purified Phenol、シグマアルドリッチ社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例4において、メチロール基を有するフェノール誘導体(26DMPC、ガラス転移温度(Tg):131℃、旭有機材株式会社製)を、メチロール基を有さないフェノール樹脂(Purified Phenol、シグマアルドリッチ社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、接触工程を実施し、その後の加熱工程を実施しない以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例4において、接触工程を実施し、その後の加熱工程を実施しない以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1のフェノール誘導体注入工程において、20MPa、100℃で2時間静置した後に、温度・圧力条件を20MPa、150℃に変更して30分間静置した。その後、温度・圧力を維持したまま加圧ポンプと背圧弁を使用して、実施例1と同様にして60分間二酸化炭素を流すことによって、電子写真感光体に注入されなかったフェノール誘導体を耐圧セルから除去し、20MPa、150℃で30℃分間加熱することによって電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例4のフェノール誘導体注入工程において、20MPa、100℃で2時間静置した後に、温度・圧力条件を20MPa、150℃に変更して30分間静置した。その後、温度・圧力を維持したまま加圧ポンプと背圧弁を使用して、実施例4と同様にして60分間二酸化炭素を流すことによって、電子写真感光体に注入されなかったフェノール誘導体を耐圧セルから除去し、20MPa、150℃で30℃分間加熱することによって電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、電荷輸送層に用いたビスフェノールZ変性ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製、質量平均分子量200,000)を、ポリスチレン(Polystyrene、シグマアルドリッチ社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1おいて、耐圧セルに封入するメチロール基を有するフェノール誘導体の添加量0.7gを0.07gに変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、耐圧セルに封入するメチロール基を有するフェノール誘導体の添加量0.7gを1.61gに変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1〜18及び比較例1〜15で作製した各電子写真感光体の外観を目視観察した。結果を表5に示す。
実施例1〜18、並びに比較例1〜10及び13〜15で作製した電子写真感光体を図1に示すように表面から斜めに切削を行い、下記の方法で電荷輸送層表面から該電荷輸送層の厚み方向に50%の位置におけるフェノール誘導体濃度の定量を行った。結果を表6に示す。
・測定装置 : PerkinElmer社製 Spotlight200
・測定モード : ATR測定
・結晶 : Ge
・入射角 : 45°
・積算回数 : 128回
実施例1〜18、並びに比較例1〜10及び13〜15で得られた各電子写真感光体を以下に示す装置及び条件で電荷輸送層の弾性仕事率の測定を行った。5回の測定平均値を表7に示す。
−測定条件−
・測定装置:フィッシャースコープ社製 H−100
・測定モード:dF/dt=const
・最大荷重:9.8mmN
・負荷/除荷時間:各30sec
・クリープ時間:5sec
実施例1〜18、並びに比較例1〜10及び13〜15で作製した各電子写真感光体を、それぞれ以下の方法で5万枚、10万枚のランニング試験を行った。
実機としては株式会社リコー製IPSiO ColorCX9000の改造機にセットした。この際プロセスカートリッジから滑剤バーを取り除き、外部からの滑剤供給をしないように予め改造した。トナーとしてはIpsioトナータイプ9800を用い、実機試験に用いた用紙としてはNBSリコー社製MyPaper(A4サイズ)を用いた。通紙に用いた画像は5%テストチャートとした。
スタート時感光体表面電位は−750Vとし、ランニング5万枚及び10万枚終了時の機内電位の評価を行った。また、ランニング10万枚終了時の感光体厚みを渦電流式膜圧測定装置(フィッシャーインスツルメント社製)により測定した。
表8にランニング10万枚終了時の感光体厚みから算出した感光体摩耗量を示す。また、表9に初期、ランニング5万枚後、ランニング10万枚後における帯電後電位及び露光後電位をそれぞれ示す。
以上のことから、本発明の電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体を用いることで、摩耗耐久性のみならず、電気特性も優れた電子写真感光体を得ることができることが示された。
また、本発明の画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャー
5 露光部
6 現像手段
7 転写前チャージャ
9 記録媒体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 電子写真感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
Claims (15)
- 支持体上に少なくとも電荷発生層と、少なくともポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料を含有する電荷輸送層とを有する電子写真感光体の製造方法において、
前記電子写真感光体を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を0.2g/L〜2.0g/L含む超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかに接触させる接触工程と、
前記接触により、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した電子写真感光体を常圧下で加熱する加熱工程と、含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかとして、二酸化炭素を用いる請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 接触工程における超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかの温度が、80℃以上である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 接触工程における超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかの温度が、80℃〜130℃である請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 加熱工程における加熱温度が、120℃以上である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 加熱工程における加熱温度が、120℃〜160℃である請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体において、
前記電荷輸送層が少なくともポリカーボネート樹脂及び電荷輸送性材料を含有し、
前記電子写真感光体を、少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を含む超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかと接触させて、前記電荷輸送層中に少なくともメチロール基を有するフェノール誘導体を注入した後、常圧下で加熱してなることを特徴とする電子写真感光体。 - 超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかが、二酸化炭素である請求項7に記載の電子写真感光体。
- フェノール誘導体の量が、電荷輸送層表面から該電荷輸送層厚み方向に50%の位置で、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し10質量部〜50質量部である請求項7から8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- ポリカーボネート樹脂の質量平均分子量が、100,000以上である請求項7から9のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送性材料が水酸基を有する請求項7から10のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送層における弾性仕事率が、40%以上である請求項7から11のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記電子写真感光体が、請求項7から12のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。 - 電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、請求項7から12のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。 - 電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、
前記電子写真感光体が、請求項7から12のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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