JP5176554B2 - 圧延製品の品質管理システム - Google Patents

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この発明は、顧客が要求する製品を効率良く製造することができる圧延製品の品質管理システムに関するものである。
近年、圧延によって製造される製品に対して顧客が要求する仕様は厳しくなる一方であり、製品の寸法形状に加え、とりわけ強度及び延性といった機械的性質を許容範囲内に収めることが重要になっている。
鉄鋼をはじめとする金属材料では、強度(降伏応力、耐力、硬さ等)や靭性(脆性遷移温度等)、成形性(r値等)といった機械的性質は、その合金組成だけでなく、圧延によって製品を製造する際の加熱条件や加工条件、冷却条件によっても変化する。なお、一般に、合金組成の調整は、成分元素の添加量を制御することによって行われる。しかし、成分調整時には、例えば、100トン前後の溶鋼を保持できる成分調整炉が用いられる等、1つのロット単位が大きく、15トン前後になる個々の製品毎に添加量を変更することは実質的に不可能である。したがって、顧客が要求する材質の製品を製造するためには、製造時における加熱条件や加工条件、冷却条件を適切に制御し、所望の材質を作り込むことが重要となる。
また、近年では、金属材料の組織材質をその用途に応じて作り分けようという様々な試みもなされている。例えば、熱間圧延後の金属材料を冷却する際に、冷却水を高圧で大量に噴射して冷却速度を高めることにより、金属組織を変化させて、所望の引張強度や延性を有する製品を製造するといった方法が採用され始めている。
しかし、このような材質の作り込みには、従来と比して、より高度な技術が必要となる。例えば、上記材質の作り込みに際しては、大ひずみ加工や、材料温度の高精度管理等の技術が要求される。そして、これらの技術を実操業に適用する場合には、コイル毎の材質の変動は学習制御等によって低減が図られるものの、単一コイル内の材質の変動は、その低減が非常に困難である。即ち、材料の表面と内部、或いは先端部と尾端部とでは、加工条件や温度条件にずれが生じてしまう。また、仕上げ圧延後の冷却装置に関しても、コイルの長手方向において冷却速度を一定に保つことは難しく、流量変化の応答遅れ等が原因となって、通常オーステナイト域からフェライト域へと変態する過程にずれが生じてしまう。以上のような理由から、コイルの長手方向に渡って機械的性質を安定させることは非常に難しい。
従来、製造時の加熱条件や加工条件、冷却条件に関しては、加熱温度目標値や加工後の寸法目標値、冷却速度の目標値等が製品の仕様毎に設定され、それらを達成するように、温度制御及び寸法制御を行う方法が一般に採用されていた。なお、上記各目標値については、長年に渡る経験に基づいてその値が設定されていた。ところが、近年、製品仕様に対する要求の高度化、多様化が著しくなり、従来の保証範囲で行われていた管理よりも、更に厳しく機械的性質を管理する必要性が生じてきている。
従来では、JIS等で規定されているように、機械的性質が所定値を超えることがその条件(許容範囲)とされていた。しかしながら、製品出荷後の工程において高精度化が要求されるため、上述したような従来の許容範囲では、例えば、成形工程(絞り、曲げ、プレス等)において不十分となり、硬すぎて成形し難いケース、プレス後のスプリングバック量(弾性回復量)が多すぎて形状凍結性に乏しいケース等が発生することとなっていた。このため、経験に基づく設定方法や従来の機械的性質管理方法では、上述の各種目標値を必ずしも適正に制御できないといった問題が生じていた。
また、このような従来の製造方法を実用化するにあたっては、製造された金属材料が、要求された組織材質を満足しているか否かを効率的に計測する方法がないという問題もあった。例えば、従来、引張強度や延性、成形性といった機械的性質は、引張試験等の破壊試験によって計測されていた。しかし、このような試験方法では、下記に示すような問題があった。
(a)検査結果が得られるまでに数時間から数日必要となる。
(b)破壊試験故に全数計測(検査)を実施することができない。
このため、かねてより破壊検査を行わずに組織材質を検知することが強く望まれていた。
現在では、上述のような破壊検査によって得ていた機械的性質を、圧延プロセス条件から計算で求められた金属組織に基づいて推定する、いわゆる材質予測技術が開発されてきている。
製品となる熱延コイル等を出荷する場合、JIS規格値等に適合していることを証明するためのミルシートと呼ばれる資料が、客先の要求に応じて添付される場合がある。このミルシートには、通常、製品の主要成分値の他、上記破壊検査によって得られた引張強さ等が記入されている。しかし、近年、海外等では、上述した材質予測技術による計算値を、破壊検査によって得られる値に代えて品質保証に用いることを認めるといった動きもあり、その動向が注目されている。
このように、材質予測技術の活用が進められてきているが、これまでは製造条件を決定するための手段等、限られた分野での活用に限られていた。
例えば、従来技術として、製造条件の指示値の範囲と、そのときの機械的性質の実績値を格納したデータベースを元に、要求仕様を満足する製造条件を求める方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、要求仕様を満足する実績がない場合に、材質予測モデルを用いて材質を予測し、要求仕様を満足する製造条件を求める方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許3053251号公報 特許3053252号公報
これまでにも材質予測技術の活用は進められてきているものの、材質の予測精度には限界があり、如何なる鋼種や圧延条件であっても高精度な予測結果が得られるという訳ではなかった。このため、均一な材質を作り込むには限界があった。また、コイル間の材質のばらつきはある程度低減することができても、上述したようなコイル内、即ちコイル長手方向の材質のばらつきを低減することはできなかった。
また、特許文献1及び2に記載されているように、圧延で材質を作り込むための製造条件を材質予測によって求める方法については、従来から提案されている。しかし、製造後の材質が要求仕様を満足しているか否かについては、従来、材質予測による検討は十分に行われておらず、破壊検査による検証だけが行われていた。
なお、破壊検査には上述のような問題があるため、ロット変わりと呼ばれる、鋼種が変更された場合、或いは、目標板厚や板幅等が変更された場合等に、代表サンプルで1回だけ実施するのが実情である。即ち、上述のような場合に、コイルの尾端若しくは先端等から試験片を切り出し、引張試験等を実施して、要求された機械的性質を満足することを確認していた。なお、上記機械的性質には、強度や靭性といった様々な項目があり、各項目について要求範囲、即ち許容範囲が定められている。
また、その長さが長い場合で数kmとなる製品(コイル)の場合、圧延機仕上げ出側温度や巻取温度の目標温度未達成等に起因して、単一コイル内においても強度等のばらつきが発生する。特に、コイルのヘッド部(圧延方向の先頭側)及びテール部(圧延方向の尾端側)では、それらのばらつきは顕著となる。このため、代表サンプルによる破壊検査の結果、製品の材質が許容範囲外であることが判明すると、そのコイルの出荷を取り止めなければならず、また、顧客の注文に応じるためには、製造工程での問題点を正した上で、要求仕様を満たす製品を納期内に再度製造しなければならなかった。
また、板厚や板幅、形状等の精度に未達成部が発生した場合には、一般的に、下工程のディバイディングラインにおいて、実績データと比較しながら、余裕(マージン量)を加味して、この未達成部を切り落とすことが要求される。この時切り落とす量は歩留りに直接関係するものの、従来では、この切り落とす量を決定するに際し、概略決定しているに過ぎなかった。
このような状況に鑑み、材質未達成部が発生した場合でも、歩留り向上の観点から、切り落とす量の最適化を図ることが、かねてから要望されていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、下工程において圧延製品を切り落とす部分の最適化を図ることにより、圧延製品の長手方向に材質のばらつきが発生した場合でも、出荷の歩留りを大幅に向上させることができる圧延製品の品質管理システムを提供することである。
この発明に係る圧延製品の品質管理システムは、圧延製品を製造する圧延ラインに設けられ、圧延製品の製造時における圧延データを収集する圧延データ収集手段と、レーザ超音波を用いた方法によって圧延製品の組織情報を計測する組織情報センサと、圧延データ収集手段によって収集された圧延データ及び組織情報センサによって計測された組織情報に基づいて、圧延製品の機械的性質を予測する機械的性質予測手段と、機械的性質予測手段によって予測された機械的性質を、圧延製品に対して予め設定された機械的性質の許容範囲と比較して、圧延製品の材質の良否を判定する材質判定手段と、材質判定手段の判定結果が、圧延製品の長手方向における位置情報と関連付けて記録される記録手段と、記録手段の記録内容に基づいて、圧延製品の切除部の長さを決定する切除部長さ決定手段と、を備え、組織情報センサは、材質判定手段によって材質不良と判定された不良箇所を目視化するため、レーザによってアブレーションを生じさせて不良箇所にマークを付けるものである。
また、この発明に係る圧延製品の品質管理システムは、レーザ超音波を用いた方法により、圧延ラインにおいて製造される圧延製品の機械的性質を計測する組織情報センサと、組織情報センサによって計測された機械的性質を、圧延製品に対して予め設定された機械的性質の許容範囲と比較して、圧延製品の材質の良否を判定する材質判定手段と、材質判定手段の判定結果が、圧延製品の長手方向における位置情報と関連付けて記録される記録手段と、記録手段の記録内容に基づいて、圧延製品の切除部の長さを決定する切除部長さ決定手段と、を備え、組織情報センサは、材質判定手段によって材質不良と判定された不良箇所を目視化するため、レーザによってアブレーションを生じさせて不良箇所にマークを付けるものである。
この発明によれば、下工程において圧延製品を切り落とす部分の最適化を図ることにより、圧延製品の長手方向に材質のばらつきが発生した場合でも、出荷の歩留りを大幅に向上させることができるようになる。
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における圧延製品の品質管理システムを示す構成図である。なお、図1における矢印は、主にデータの流れる方向を表したものである。
図1に示すように、品質管理システムは、圧延ライン1、搬送装置2、圧延ライン制御装置3、製造指示装置4、圧延データ収集手段5、組織情報センサ6、材質判定装置7、圧延製品情報記録手段8、切除部長さ決定装置9を備えている。
圧延ライン1は、圧延素材(以下、「スラブ」ともいう)から圧延製品(スラブから製品として完成する途中の状態も含む、以下同様)を製造するためのラインである。この圧延ライン1は、加熱装置10、加工装置11、冷却装置12、巻取装置13、並びにこれらの各装置を結ぶ搬送テーブル14を備えている。圧延ライン1の各装置は、例えば、電動機や油圧装置で駆動される。
加熱装置10には、スラブを加熱する加熱炉が備えられる。
加工装置11の圧延機は、単数或いは複数スタンドからなる。圧延機は、例えば、1スタンドの可逆式粗圧延機と7スタンドのタンデム式仕上げ圧延機とにより構成される。
冷却装置12は、圧延製品の温度を制御する機能を有する。冷却装置12は、冷却水によって圧延製品を冷却する装置からなり、例えば、ランアウトテーブル、冷却テーブル、強制冷却装置等によって構成される。
巻取装置13は、圧延ライン1で製造された圧延製品を後の工程に搬送するために、圧延製品をコイル状に巻き取るための装置である。
搬送テーブル14は、圧延製品を圧延ライン1内の次工程に搬送するため、及び、各工程内で搬送するための装置である。
搬送装置2は、圧延ライン1で製造された(巻取装置13で巻き取られた)圧延製品を、圧延ライン1の後工程(例えば、サンプリングエリア15)に搬送するための装置である。この搬送装置2としては、例えば、ウォーキングビーム、コンベヤ、クレーン、自動車等が用いられる。
圧延ライン制御装置3は、圧延ライン1の各装置を適切に制御する機能を有する。この圧延ライン制御装置3は、製造指示装置4から入力される製造指示情報に基づいて、加工装置11や冷却装置12といった圧延ライン1の各装置を制御する。
圧延データ収集手段5は、圧延製品を製造している時の各種圧延データを収集する機能を有する。この圧延データ収集手段5は、例えば、圧延時における各種実績値の他、各種計算値のデータも圧延データとして収集する。また、収集される圧延データには、圧延製品の長手方向における位置情報も含まれる。
組織情報センサ6は、圧延製品の組織情報を計測するための装置であり、レーザ超音波を用いた方法等によって構成される。なお、上記組織情報には、例えば、結晶粒径の他、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの各相の体積率、異方性等がある。組織情報センサ6は、例えば、巻取装置13の上流側に配置され、巻取装置13によって巻き取られる直前の圧延製品の組織情報を計測する。
材質判定装置7は、圧延製品の材質が許容範囲内であるか否かを判定する機能を有している。この材質判定装置7は、例えば、コンピュータにより構成され、機械的性質予測モデル16(機械的性質予測手段)と材質判定手段17とを備えている。
圧延製品情報記録手段8には、圧延製品の材質が許容範囲内であるか否かの情報が、圧延製品の長手方向における位置情報に対応付けて記録される。即ち、圧延製品情報記録手段8には、材質判定装置7の判定結果と、圧延データ収集手段5で得られた圧延製品長手方向の位置情報とが関連付けて記録される。
切除部長さ決定装置9は、圧延ライン1で製造された圧延製品から品質(材質)の未達成部を切除するため、圧延製品情報記録手段8の記録内容に基づいて圧延製品の切除部の長さを決定する機能を有する。
なお、上記サンプリングエリア15は、コイル状に巻き取られた圧延製品(以下、単に「コイル」ともいう)から機械的性質試験に供する試験片を切り出すため、このコイルを巻き戻して、その一部を切り出すための装置を含むエリアのことである。このサンプリングエリア15に対しては、圧延ライン1で製造されたコイルの全数が送られる訳ではなく、例えば、数個から数十個に1個といった割合でコイルが送られる。
また、図1に示す下工程18は、熱延工程より下流にある工程を総称したものである。この下工程18には、例えば、ディバイディングライン19やスキンパスライン20等が含まれる。
ディバイディングライン19は、圧延ライン1で製造された圧延製品を、適当な長さに切断する工程を含むラインのことである。圧延製品の切断は、例えば、顧客からの要求や、重量制限等の搬出の都合によって行われる。また、上記切除部長さ決定装置9の決定内容に基づく、圧延製品の品質未達成部の切除は、このディバイディングライン19において行われる。
スキンパスライン20は、圧延製品の美観上の観点やストレッチャーストレイン防止といった性質向上の観点から、軽圧下で圧延する工程を含むラインのことである。
次に、上記品質管理システムの各装置及び手段の具体的な機能や動作について、詳細に説明する。
上記製造指示装置4では、製造順にソートされた製造指示情報のリストが作成される。この製造指示情報には、例えば、製品寸法及び製品材質の許容範囲、製品の配送先、納期といった圧延ライン1に必要な指示情報を、顧客の注文情報から抜粋したものが含まれる。また、製造指示情報には、制御目標とすべき温度目標値や機械的性質の目標値、並びに、r値(ランクフォード値)等の品質要求といった情報も含まれる。
圧延データ収集手段5は、圧延ライン1に設置された各種センサの出力値等に基づいて、圧延製品に関する各種圧延データを収集する。この圧延データ収集手段5は、例えば、圧延した際の温度や荷重といった実績値を収集する。また、圧延データ収集手段5は、上記実績値に加え、各スタンドの温度履歴や冷却装置12上の温度履歴といった計算値も収集する。
機械的性質予測モデル16は、圧延データ収集手段5によって収集された圧延データと、組織情報センサ6によって計測された組織情報と、製造指示装置4からの入力情報とに基づいて、圧延製品の材質、即ち機械的性質を算出(予測)する機能を有する。具体的に、機械的性質予測モデル16は、上記入力情報に基づいて、先ず圧延製品の金属組織を算出し、その算出結果に基づいて、引張強さや耐力、伸び、硬さ、r値といった圧延製品の機械的性質を予測する。
なお、金属材料の組織情報等に基づいて機械的性質等の材質を予測することができることは、広く知られている。例えば、公知である第173・174回西山記念技術講座「熱延鋼材の組織変化及び材質の予測」((社)日本鉄鋼協会)P125に、その一例が掲載されている。
材質判定手段17は、機械的性質予測モデル16によって予測された圧延製品の機械的性質と、製造指示装置4からの入力情報とに基づいて、圧延製品の材質が、この圧延製品に対して予め設定された機械的性質の許容範囲内であるか否かを判定する。具体的に、材質判定手段17は、機械的性質予測モデル16によって予測された圧延製品の機械的性質を、製造指示装置4からのPDIデータに記載された機械的性質の目標値及び許容値(許容範囲)と比較することにより、上記材質が顧客要求を満たしているか否か、即ち圧延製品の材質の良否を、圧延製品の長手方向全長に渡って所定間隔毎に判定する。
なお、材質判定手段17の判定結果は、上述の通り、圧延製品情報記録手段8に、圧延製品の長手方向における位置情報と関連付けて記録される。
切除部長さ決定装置9は、圧延製品情報記録手段8の記録内容に基づいて、圧延製品が、製造指示装置4からの入力情報に含まれる品質基準を満たすか否かを判定し、切除部の長さを決定する。例えば、上記品質基準として、最終的な製品において重要な、機械的性質を含む製品材質に関する基準が採用された場合、切除部長さ決定装置9は、材質判定手段17によって圧延製品の材質が許容範囲外であると判定された部分を切除するように、この材質判定手段17の判定結果と圧延製品の長手方向における位置情報とに基づいて、切除部の長さを決定する。なお、上記品質基準による判定には、FDT(仕上げ出側温度)、CT(コイル巻取温度)、MT(ランアウトテーブル中間温度)といった温度を基準として判定する方法や、板厚、板幅、形状といった外形を基準とする方法等がある。また、これらの複数の基準を組み合わせて判定することもできる。
なお、搬送装置2によって搬送されるコイルは、コイルヤード等に仮置きされる。そして、これらのコイルのうち、圧延条件が変更された直後に製造されたコイル、即ち品質にばらつきが生じ易いコイルや、要求される材質条件が厳しいコイル等が抜き取られ、サンプリングエリア15に運び込まれる。サンプリングエリア15では、搬入されたコイルが巻き戻され、引張試験等の材質試験に必要な試験片が切り出される。
その後、コイルは必要に応じてディバイディングライン19で巻き戻され、必要な長さ単位の小コイルに分割される。この際、圧延製品のうち、各種温度制御や、板厚等の外形、機械的性質等の材質が規格外、或いは許容範囲外となった部分が、このディバイディングライン19において切除される。具体的に、ディバイディングライン19では、切除部長さ決定装置9からの情報と位置情報とに基づいて品質基準を満たさない部分を切り落とし、スクラップとする。
なお、上記スクラップとする部分を目視可するため、計測結果が材質不良と判定された場合、レーザ超音波等を使用した計測方法では、送信側レーザをアブレーションとして、不良箇所を示すマークを付けるようにしても良い。
そして、ディバイディングライン19等で適当な長さに分割されたコイルは、スキンパスライン20等を必要に応じて通過し、出荷される。
この発明の実施の形態1によれば、下工程18において圧延製品を切り落とす部分の最適化が図られ、圧延製品の長手方向に材質のばらつきが発生した場合でも、出荷の歩留りを大幅に向上させることができる。即ち、従来では、サンプリングエリア15での破壊検査において試験片の材質が未達成であった場合には、コイル全体をスクラップにする必要があった。しかし、上記構成によれば、材質の未達成部についてのみ切除でき、問題の生じていない部分を無駄にすることがない。
なお、図2は圧延コイルの先尾端で材質未達成部が発生している例を示す図である。かかる場合、従来では、サンプリングエリア15での破壊検査において不合格となるため、圧延コイル全体をスクラップする必要があった。しかし、上記構成の品質管理システムによれば、切除部長さ決定装置9の機能により、引張強さが許容範囲外である先尾端のみ切除され、中間部を出荷することができるようになる。なお、図2においては、引張強さの目標値の上下に許容値が設定されているが、許容範囲が上限或いは下限のみを有する場合であっても構わない。
なお、上記実施の形態1においては、圧延データ収集手段5や圧延製品情報記録手段8等の記憶媒体は1つに限られるものではない。即ち、圧延データ収集手段5等は、複数の媒体から上記処理が実行されるような場合も含むものである。これらの媒体構成は、システムの構成に合わせて適宜変更が可能である。
また、上記実施の形態1におけるコンピュータは、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても構わない。更に、上記コンピュータは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって上記機能を実現することが可能な機器、装置を総称したものを意味している。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2における圧延製品の品質管理システムを示す構成図である。実施の形態2は、組織情報センサ6が圧延製品の機械的性質を計測する場合のシステム構成を示している。即ち、組織情報センサ6からの出力は、r値(ランクフォード値:異方性を示すパラメータ)等の材質情報である。
かかる場合、材質判定装置7は、実施の形態1のように機械的性質予測モデル16によって圧延製品の機械的性質を予測する必要がない。このため、図3に示す品質管理システムでは、組織情報センサ6の出力が、機械的性質予測モデル16を介さずに材質判定手段17に直接入力される。そして、材質判定手段17は、組織情報センサ6によって計測された機械的性質を、この圧延製品に対して予め設定された機械的性質の許容範囲と比較して、圧延製品の材質の良否、即ち、圧延製品の材質が許容範囲内であるか否かを判定する。
その他は、実施の形態1と同様の構成及び機能を有する。
この発明の実施の形態2によれば、材質判定装置7の構成を簡素化でき、更に実施の形態1と同様の効果を奏することが可能となる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3における圧延製品の品質管理システムを示す構成図である。実施の形態3は、実施の形態1において組織情報センサ6で得ていた圧延製品の組織情報を、組織予測モデル21によって算出(予測)する場合を示している。したがって、図4に示すシステム構成では、組織情報センサ6が備えられていない。
組織予測モデル21は、圧延データ収集手段5によって収集された圧延データと、製造指示装置4からの入力情報とに基づき、所定のモデルを使用して、圧延製品の組織情報、即ち、結晶粒径や体積率を予測する。そして、機械的性質予測モデル16は、組織情報センサ6からの組織情報の代わりに、この組織予測モデル21からの組織情報を使用して、圧延製品の機械的性質を予測する。
なお、組織情報を予測するモデルとしては様々なものが提案されており、静的回復、静的再結晶、動的回復、動的再結晶、粒成長等を表す数式群からなるものが広く知られている。例えば、公知である塑性加工技術シリーズ7板圧延(コロナ社)P198〜229に、その一例が掲載されている。このようにして、圧延製品の粒径やフェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの各相の体積率等を把握することができる。
その他は、実施の形態1と同様の構成及び機能を有する。
この発明の実施の形態3によれば、組織情報センサ6を備えることなく、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能となる。
なお、上記各実施の形態は、そのままに限定されるものではなく、実際の実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記各実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に渡る構成要素を適宜組み合わせても良い。
この発明の実施の形態1における圧延製品の品質管理システムを示す構成図である。 圧延製品の先尾端で材質未達成部が発生している例を示す図である。 この発明の実施の形態2における圧延製品の品質管理システムを示す構成図である。 この発明の実施の形態3における圧延製品の品質管理システムを示す構成図である。
符号の説明
1 圧延ライン
2 搬送装置
3 圧延ライン制御装置
4 製造指示装置
5 圧延データ収集手段
6 組織情報センサ
7 材質判定装置
8 圧延製品情報記録手段
9 切除部長さ決定装置
10 加熱装置
11 加工装置
12 冷却装置
13 巻取装置
14 搬送テーブル
15 サンプリングエリア
16 機械的性質予測モデル
17 材質判定手段
18 下工程
19 ディバイディングライン
20 スキンパスライン
21 組織予測モデル

Claims (4)

  1. 圧延製品を製造する圧延ラインに設けられ、前記圧延製品の製造時における圧延データを収集する圧延データ収集手段と、
    レーザ超音波を用いた方法によって前記圧延製品の組織情報を計測する組織情報センサと、
    前記圧延データ収集手段によって収集された圧延データ及び前記組織情報センサによって計測された組織情報に基づいて、前記圧延製品の機械的性質を予測する機械的性質予測手段と、
    前記機械的性質予測手段によって予測された機械的性質を、前記圧延製品に対して予め設定された機械的性質の許容範囲と比較して、前記圧延製品の材質の良否を判定する材質判定手段と、
    前記材質判定手段の判定結果が、前記圧延製品の長手方向における位置情報と関連付けて記録される記録手段と、
    前記記録手段の記録内容に基づいて、前記圧延製品の切除部の長さを決定する切除部長さ決定手段と、
    を備え
    前記組織情報センサは、前記材質判定手段によって材質不良と判定された不良箇所を目視化するため、レーザによってアブレーションを生じさせて前記不良箇所にマークを付けることを特徴とする圧延製品の品質管理システム。
  2. レーザ超音波を用いた方法により、圧延ラインにおいて製造される圧延製品の機械的性質を計測する組織情報センサと、
    前記組織情報センサによって計測された機械的性質を、前記圧延製品に対して予め設定された機械的性質の許容範囲と比較して、前記圧延製品の材質の良否を判定する材質判定手段と、
    前記材質判定手段の判定結果が、前記圧延製品の長手方向における位置情報と関連付けて記録される記録手段と、
    前記記録手段の記録内容に基づいて、前記圧延製品の切除部の長さを決定する切除部長さ決定手段と、
    を備え
    前記組織情報センサは、前記材質判定手段によって材質不良と判定された不良箇所を目視化するため、レーザによってアブレーションを生じさせて前記不良箇所にマークを付けることを特徴とする圧延製品の品質管理システム。
  3. 切除部長さ決定手段は、材質判定手段によって圧延製品の材質が許容範囲外と判定された部分を切除するように、前記材質判定手段の判定結果と前記圧延製品の長手方向における位置情報とに基づいて、前記圧延製品の切除部の長さを決定することを特徴とする請求項1又は請求項に記載の圧延製品の品質管理システム。
  4. 組織情報は、結晶粒径、並びに、フェライト及びパーライト、ベイナイト、マルテンサイトの各相のうち何れか1つ又は複数の相の体積率であり、
    機械的性質は、前記組織情報に基づいて得られた、引張強さ、耐力、伸び、硬さ、r値のうち何れか1つ又は複数である
    ことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の圧延製品の品質管理システム。
JP2008006569A 2008-01-16 2008-01-16 圧延製品の品質管理システム Active JP5176554B2 (ja)

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