JP5176037B2 - 極端紫外光源用ターゲット - Google Patents

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Description

本発明は、極端紫外光を生成するためのターゲット及びその製造方法に関する。この極端紫外光源用ターゲットを用いて生成した極端紫外光は、高精細リソグラフィー等の光源として好適に用いることができる。
半導体集積回路は通常、リソグラフィー技術を用いて製造される。リソグラフィーの最小加工寸法は照射する光の波長に依存し、集積回路の集積度を向上させるには照射光の波長を短くすることが必要となる。具体的には、現在リソグラフィーは波長157nm〜365nmの光源を用いて行われているが、今後は波長11nm〜14nmの極端紫外光領域の光源を用いたリソグラフィーを実用化することが目標とされている。
極端紫外光を生成する光源として、レーザプラズマ方式が検討されている。これは、ターゲットにレーザ光を照射してプラズマを形成し、このプラズマから放射される極端紫外光を利用するものである。
極端紫外光の発光効率について図1を用いて説明する。図1の横軸が0μmである位置(符号55)はターゲットの表面であり、横軸が負の値で示された領域(表面55よりも左側の領域)はターゲットの内部、横軸が正の値で示された領域(表面55よりも右側の領域)はターゲットの外部にあたる。ターゲットに対して、グラフの右端から左側へ、すなわち矢印53の向きにレーザを照射すると、ターゲットの表面がアブレーションされ、ターゲットの外部に吹き出すプラズマが現れる。このプラズマはレーザ強度が一定である間は準定常状態となる。分布曲線58及び59は、ターゲット及びプラズマを構成する元素の原子密度を示す。そのうち横軸が負の値で示された領域では分布曲線58及び59は固体状態のターゲットの原子密度(初期密度)を、横軸が正の値で示された領域ではこれらの分布曲線はその元素のプラズマ密度を示す。プラズマ密度は、表面55から離れるに従い、指数関数的に減少する。
ターゲットに照射されたレーザ光のエネルギーはレーザ吸収領域51で吸収される。吸収されたエネルギーは、符号54で示すように、レーザ吸収領域51から極端紫外光発光領域52に輸送される。輸送されたエネルギーによって、極端紫外光発光領域52で極端紫外光が発光する。
本発明者は、この両領域の間のエネルギーの輸送の際にエネルギーの損失が生じることを見いだし、ターゲットの密度を調整することによりレーザ吸収領域と極端紫外光発光領域を空間的に接近させ、極端紫外光の発光効率を高めることに想到した(特許文献1)。その原理は次の通りである。
ターゲットにレーザ光を照射したときに生成されるプラズマの密度は、ターゲットの初期密度に依存し、密度が高い場合には表面から遠方までプラズマが存在する(分布曲線58)のに対し、密度が低い場合には表面の近傍にしか存在しない(分布曲線59)。レーザ吸収領域51は、次式で規定されるプラズマのいわゆるカットオフ電子密度領域である。すなわち、レーザ光の波長λに対して
c/λ=[(e2ncr)/(ε0me)]1/2 …(1)
(ここで c, e,ε0, me, ncr はそれぞれ、光速、単位電荷量、真空の誘電率、電子質量、電子密度)となる。このカットオフ電子密度領域は、ターゲット初期密度が低いほど表面55に近い方(レーザ光照射側から見て下流領域)に移動する(矢印57)。一方、プラズマが極端紫外光を発光する条件は密度のみならず温度にも依存し、極端紫外光発光領域52は、ターゲット初期密度が低い場合にはそれが高い場合に比べてターゲット面に近い領域になる。レーザ吸収領域51を極端紫外光発光領域52に近づけるためには、ターゲットの密度を小さくすればよい。特許文献1に記載のターゲットはこの性質を利用したものである。
しかし、発光領域から見て表面55から遠い方(レーザ光の上流側)には、発光領域よりも密度の低いプラズマが存在する。このプラズマは極端紫外光を再吸収し、その極端紫外光よりも波長が長い光を発光する。これにより極端紫外光の発光効率が低下する。そこで、特許文献1では、内部に空隙を有する重金属(又は重金属化合物、以下同様)ターゲットや、フロスト状のターゲット等の、低密度ターゲットを用いて、発光領域よりも上流側に生成されるプラズマの[厚み×密度]を小さくし、極端紫外光の再吸収を抑制している。
このターゲットに用いることができる重金属にはGe(ゲルマニウム)、Zr(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)、Ag(銀)、Sn(スズ)、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、W(タングステン)等がある。この中で、最もレーザ光の吸収効率が高く、それにより最も効率よく極端紫外光を発光することができるのはSnである。Snを用いたターゲットから得られる極端紫外光の波長は13.5nmである。
国際公開WO2004/086467号公報(第3頁1行目〜第5頁20行目、第1図〜第3図、第5図)
特許文献1では上記のようにプラズマによる極端紫外光の再吸収を抑制している。しかし、極端紫外光の発生効率の一層の向上のためには、極端紫外光の再吸収を更に抑制する新しい手段を開発する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、プラズマによる極端紫外光の再吸収を従来よりも更に抑制して、極端紫外光の発光効率を高めうる極端紫外光源用ターゲットを提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る極端紫外光源用ターゲットの第1の態様のものは、レーザ光が照射されることにより極端紫外光を発光するターゲットであって、スズ及びリチウムを含有し、スズを含有する部分とリチウムを含有する部分が分離されており、スズ又はスズ化合物から成り内部に空隙を有する低密度スズ体の空隙部に、リチウム又はリチウム化合物が充填されて成ることを特徴とする。
本発明に係る極端紫外光源用ターゲットの第2の態様のものは、レーザ光が照射されることにより極端紫外光を発光するターゲットであって、スズ及びリチウムを含有し、スズを含有する部分とリチウムを含有する部分が分離されており、スズ又はスズ化合物を含有するスズ含有部分の表面にリチウム又はリチウム化合物を含有するリチウム含有膜が配置された構造を有し、前記スズ含有部分が内部に空隙を有する低密度スズ体であることを特徴とする。
本発明の極端紫外光源用ターゲットにおいては、スズ及びリチウムの存在形態は問わず、単体であってもよいし、酸化物や塩化物等の化合物であってもよい
1の態様の極端紫外光源用ターゲットにおける低密度スズ体におけるスズの密度は、スズの結晶密度の0.5%〜80%とすることが望ましい。ここで、低密度スズ体におけるスズの密度は、低密度スズ体が含有するスズの質量を(リチウムや空隙を含めた)低密度スズ体全体の体積で除した値で定義する。また、スズの結晶密度とは白色正方晶のスズ(βスズ)の結晶密度を指し、その値は7.28g/cm3(室温)である。
第2の態様の極端紫外光源用ターゲットにおけるスズ含有部分のスズの密度は結晶密度の0.5%〜80%とすることが望ましい。
本発明に係る極端紫外光源用ターゲットは、1個につき、レーザ光が所定の出力で所定の時間照射されることにより消費されるだけの量のスズ及びリチウムを含有するものとすることができる。そのようなターゲットには、第1の態様における低密度スズ体、又は第2の態様におけるスズ含有部分を中空又は中実のカプセル状に成形したものを好適に用いることができる。
発明の実施の形態及び効果
本発明に係る極端紫外光源用ターゲットはスズ及びリチウムの双方を含有する。レーザ光を照射したときに生成される極端紫外光の波長は金属毎に異なるため、従来の極端紫外光源用ターゲットでは複数種類の金属を含有するものは用いられていなかった。しかし、スズとリチウムが生成する極端紫外光の発光波長は共に約13.5nmとほぼ同一である。
本発明者らは、両金属がこのような波長に関する関連性の他に、以下に説明するような相互補完的特性を有することを発見し、本発明を成すに至ったものである。
スズはレーザ光のエネルギーの吸収効率が高いため極端紫外光発光領域において強度の強い極端紫外光を発光させることができるが、発光領域よりもプラズマ密度の低い領域(再吸収領域)において極端紫外光の一部を再吸収する、という欠点を有する。一方、リチウムは、吸収したレーザ光のエネルギーに対する発光効率はスズよりも高いが、レーザ光のエネルギーの吸収効率自体が低いため、極端紫外光の強度がスズの場合よりも弱い。
そして、リチウムのプラズマはスズのプラズマよりも広い範囲に拡がりやすく、再吸収領域にもリチウムのプラズマが存在する。従って、このような特性を有するスズとリチウムの双方を含有させることにより、本発明の極端紫外光源用ターゲットは、(i)上記極端紫外光発光領域ではスズのプラズマにより強い強度で極端紫外光が発光し、(ii)上記再吸収領域ではリチウムのプラズマの存在により、スズのプラズマにより生成された極端紫外光の再吸収が抑制される。これら2つの理由により、本発明の極端紫外光源用ターゲットは、極端紫外光の発光に寄与する金属としてスズのみ、又はリチウムのみを含有する従来のターゲットよりも高い効率で極端紫外光を発光することができる。
第1の態様の極端紫外光源用ターゲットは、スズ又はスズ化合物から成り内部に空隙を有する低密度スズ体の空隙の部分にリチウム又はリチウム化合物を充填したものである。この極端紫外光源用ターゲットにおける低密度スズ体には、例えば特許文献1に記載の(リチウムを含有しない)極端紫外光源用ターゲットを用いることができる。リチウム又はリチウム化合物は空隙部を完全に満たす程度まで充填することが望ましいが、一部空間が残る程度の充填率でも構わない。
第1の態様の極端紫外光源用ターゲットにおける低密度スズ体におけるスズの密度は、スズの結晶密度の0.5%〜80%とすることが望ましい。これにより、スズのプラズマに関するレーザ吸収領域と極端紫外光発光領域をほぼ一致させることができ、発光効率を高めることができる。
第2の態様の極端紫外光源用ターゲットは、前述のように、スズ含有部分の表面にリチウム含有膜を配置した構造を有する。スズ含有部分には、通常の方法により作製した金属スズやスズ化合物を用いることもできるが、スズのプラズマに関するレーザ吸収領域と極端紫外光発光領域をほぼ一致させて発光効率を高めるために、スズの密度がスズの結晶密度の0.5%〜80%であるものを用いることが望ましい。このスズ含有部分には、スズ又はスズ化合物から成り内部に空隙を有する低密度スズ体を用いることができる。リチウム含有膜においてはリチウムの密度は高い方が望ましいが、結晶密度の10%以上であれば十分に前記役割を果たす。また、この極端紫外光源用ターゲットにおいては、レーザの照射によりスズ含有部分とリチウム含有膜から共にプラズマが生成されるように、リチウム含有膜の厚さはレーザ光が貫通できる程度とすることが望ましい。そのような膜厚はリチウム含有膜のアブレーション量により異なるが、例えばリチウム含有膜が単体のリチウムから成る場合、波長1064nm、強度1×1011W/cm2、パルス幅10ナノ秒のパルスレーザ光を照射するという条件の下では、[(膜厚)×(リチウムの密度)]は100μm×0.534g/cm3(固体リチウムの密度)以下とすることが望ましい。
本発明に係る極端紫外光源用ターゲットが有するスズ及びリチウムの量は、それを使用した時に消費されるだけの量とすることが望ましい。そのようなスズ及びリチウムの量は、使用時にターゲットに照射するレーザ光の出力及び照射時間に応じて定めることができる。パルスレーザ光を用いる場合には、1パルスのレーザ光の照射により消費されるようにスズ及びリチウムの量を定めるとよい。こうすることにより、ターゲットを十分にアブレーションすることができ、それによるデブリの発生を抑制することができる。また、ターゲットを無駄なく使用することができる。
このようにスズ及びリチウムの量を調整するために、カプセル状又はビーズ状の極端紫外光ターゲットを用いることができる。それらのカプセル等の大きさを照射レーザ光のスポット径以下とし、その投射タイミング及び位置とレーザ光照射タイミング及び位置を適切に制御することにより、レーザ光のエネルギーを効率よくターゲットに供給することができ、且つ、デブリの発生を抑制することができる。これらカプセル状又はビーズ状の極端紫外光ターゲットの一例として、第1の態様の極端紫外光源用ターゲットにおいて、中空のカプセル状の低密度スズ体、あるいは中実のビーズ状の低密度スズ体の空隙の部分にリチウム又はリチウム化合物を充填したものを挙げることができる。また、第2の態様の極端紫外光源用ターゲットについても、中空のカプセル状又は中実のビーズ状のスズ含有部分の表面にリチウム含有膜を配置した構造を有するものとすることができる。カプセル状又はビーズ状ターゲットの製造方法は、本願発明者らの発明に係る特願2005-045005号出願に詳しく記載されている。
本発明の極端紫外光源用ターゲットの製造方法を説明する。
本発明に係る第1の態様の極端紫外光源用ターゲットの製造方法は、スズ又はスズ化合物から成り内部に空隙を有する低密度スズ体を陰極とし、リチウムイオンを含む溶液を電気分解することにより、該空隙にリチウム又はリチウム化合物を充填することを特徴とする。
上記低密度スズ体には、特許文献1に製造方法が記載されている、スズ又はスズ化合物を含有する低密度スズ体を用いることができる。その低密度スズ体の製造方法によれば、まず、スズの塩化物を脱水アルコールに溶解させた後、これに水を混合することにより、スズ酸化物を含むゲルを生成する。次に、このゲルをナノパーティクルポリスチレンと混合した後、240℃以上に加熱してナノパーティクルポリスチレンを分解することにより、低密度スズ体が得られる。
あるいは、上記と同様にゲルを生成し、このゲルを乾燥させることにより低密度スズ体を製造することもできる。
この低密度スズ体を陰極として、リチウムイオンを含む溶液を電気分解する。これにより、この溶液中のリチウムイオンが上記空隙内のスズの表面において還元され、リチウムが析出する。こうして、低密度スズ体の空隙にリチウム又はリチウム化合物が充填された極端紫外光源用ターゲットを得ることができる。
電気分解を用いたこの製造方法によれば、低密度スズ体の表面から奥深くまでリチウム溶液が浸入するため、そのような奥深いところにある空隙にもリチウム又はリチウム化合物を充填することができる。
この製造方法において、上記と同様の理由により、低密度スズ体には、それが含有するスズの密度が結晶密度の0.5%〜80%であるものを用いることが望ましい。
本発明の第2の態様の極端紫外光源用ターゲットは、スズを含有するスズ含有体の表面にリチウムを蒸着して、表面にリチウム膜を形成することにより製造することができる。
本発明に係る極端紫外光源は、上記本発明に係る極端紫外光源用ターゲットと、このターゲットにレーザ光を照射するレーザ光源により構成される。このレーザ光源には、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ光源又はエキシマレーザ光源を好適に用いることができる。照射するレーザ光は、これらのレーザ光源が発する基本波のみならず、高調波であってもよい。
本発明の実施例を図2〜図7を用いて説明する。
図2(a)は、第1の態様の極端紫外光源用ターゲット10aを示す模式図(縦断面図)である。酸化スズから成る低密度スズ体11の内部の空孔(空隙)内に単体のリチウム12が充填されている。図2(b)及び(c)は、第2の態様の極端紫外光源用ターゲット10b及び10cを示す模式図(縦断面図)である。
図2(b)の極端紫外光源用ターゲット10bは、空孔(空隙)13を有する板状の低密度スズ体11の表面に単体のリチウムから成るリチウム膜14を形成したものである。図2(c)の極端紫外光源用ターゲット10cは、金属スズ15の表面にリチウム膜14を形成したものである。
図3(a)〜(e)に、カプセル状又はビーズ状の極端紫外光ターゲットの例を縦断面図で示す。
極端紫外光源用ターゲット16aは、内部に空洞17が形成された殻状の低密度スズ体11’の空孔内に単体のリチウム12’を充填したものである。極端紫外光源用ターゲット16bは、中実の球形に成形された低密度スズ体11’’の空孔内に単体のリチウム12’’を充填したものである。極端紫外光源用ターゲット16c及び16dは、殻状の低密度スズ体11’(ターゲット16cの場合)、あるいは中実の球形に成形された低密度スズ体11’’(ターゲット16dの場合)の表面に単体のリチウムから成るリチウム膜14’を形成したものである。なお、ターゲット16c及び16dにおける低密度スズ体11’及び11’’内の空孔13’及び13’’にはリチウムは充填されていない。極端紫外光源用ターゲット10hは、中実の球形に成形された金属スズ15’の表面にリチウム膜14’を形成したものである。
第1の態様の極端紫外光源用ターゲット10aの製造方法を、図4を用いて説明する。
まず、四塩化スズ(SnCl4)1.0gと脱水メタノール20.0gを混合し攪拌して、脱塩化水素反応によりスズ(IV)メトキシドのメタノール溶液を得る。次に、この溶液に純水50mlを混合してスズ(IV)メトキシドを加水分解させ、酸化スズを含むゲル21を得る。次に、粒径約0.5μmの微小なポリスチレンの粒子から成るナノパーティクルポリスチレン22を容器23に充填し、そこに酸化スズ含有ゲル21を加える((a), (b))。酸化スズ含有ゲル21とナノパーティクルポリスチレン22の混合物を240℃に加熱してナノパーティクルポリスチレン22を気化させることにより、酸化スズのみが残存し内部に空隙24を有する低密度スズ体25を得る(c)。なお、低密度スズ体25は酸化スズ含有ゲル21をそのまま乾燥させてゾル化させることにより作製することもできる。
次に、リチウムパークロレート(Lithium perchlorate, LiClO4)をプロピオンカーボネートに溶解させた溶液26を水槽27に入れ、このリチウムパークロレートプロピオンカーボネート溶液26に、白金から成る陽極281、低密度スズ体25から成る陰極282及びリチウムから成る参照極283を浸漬する(d)。参照極283を基準とした陰極282の電位が-3Vとなるように、陽極281と陰極282の間に電界を20分間印加することにより、リチウムパークロレート水溶液26を電気分解する。これにより、陰極282側に単体のリチウムが析出する。このとき、リチウムパークロレートプロピオンカーボネート溶液26は陰極281である低密度スズ体25において空隙24内に浸入するため、空隙24内にもリチウム29が析出する。こうして、第1の態様の極端紫外光源用ターゲット10aが得られる(e)。
この製造方法により得られた第1の態様の極端紫外光源用ターゲット10aの表面の電子顕微鏡写真を図5(a)及び(b)に示す。なお、(b)は(a)の破線部分を拡大したものである。この写真には蜂の巣状の模様が写し出されている。蜂の巣の壁に相当するものは低密度スズ体31であり、蜂の巣の穴に相当する部分に充填されているものはリチウム32である。
第2の態様の極端紫外光源用ターゲット10bは、上記の方法により低密度スズ体11を作製し、その表面に、通常の蒸着法により単体のリチウムを蒸着してリチウム膜14を形成することにより製造することができる。極端紫外光源用ターゲット10cも同様に、金属スズ15の表面に通常の蒸着法により単体のリチウムを蒸着してリチウム膜14を形成することにより製造することができる。
極端紫外光源用ターゲット16a〜16dは、カプセル状若しくはビーズ状の低密度スズ体の空隙に上記と同様の方法によりリチウムを充填するか、又はそれらカプセル若しくはビーズの表面にリチウム膜を蒸着することにより製造することができる。ここで、カプセル状若しくはビーズ状の低密度スズ体は上記特願2005-045005号出願において説明されている方法により作製することができる。極端紫外光源用ターゲット16eは中実のビーズ状の金属スズ15’の表面にリチウム膜を蒸着することにより製造することができる。
次に、極端紫外光源用ターゲット10cを用いて極端紫外光を発光させる実験について説明する。
実験に用いたターゲットの金属スズ15の厚さは50nm、リチウム膜14の厚さは20nmである。このターゲットにリチウム膜14側から波長1064nmのレーザ光を照射することにより、波長13.5nmの極端紫外光を得た。その実験結果を図6(a)に示す。
比較例として、上記と同じ方法により作製し、リチウムの蒸着を行わなかった、厚さ50nmの金属スズを極端紫外光源用ターゲットとして、同様の実験を行った。その実験結果を図6(b)に示す。
図6(a)及び(b)の横軸は極端紫外光の波長を、縦軸はその強度を表す。なお、(a)、(b)の縦軸の強度は共に任意単位で表したが、両者は同一の単位を用いており、両強度を直接比較することができる。
ピークトップ33の波長は本実施例、比較例共に13.5nmであるが、その強度は本実施例の方が比較例より強い。また、ピーク幅は本実施例の方が比較例よりも狭い。
次に、本発明に係る極端紫外光源用ターゲットの連続運転が可能な使用方法の例を、図7を用いて説明する。
図7(a)は、テープ状に成形した極端紫外光源用ターゲット41の使用方法を示す断面図である。テープ状極端紫外光源用ターゲット41は、例えばポリエチレンテレフタラートから成るテープ状の基体の表面に酸化スズ含有ゲルを塗布し、それを乾燥させてゾル化し、その酸化スズ含有ゾルの上にリチウムを蒸着することにより作製することができる。テープ状極端紫外光源用ターゲット41をリール42に巻き付け、そのターゲット41をリール42から連続的に引き出し、引き出されたターゲット41にレーザ光43を照射する。これにより、レーザ光照射位置に常に新しいターゲットを供給することができ、光源を連続的に運転することができる。
図7(b)は、膜状に成形した極端紫外光源用ターゲット44の使用方法を示す斜視図である。極端紫外光源用ターゲット44を円筒形のターゲットホルダ45に巻き付けて保持し、ターゲット44の表面にレーザ光46を照射する。その際、ターゲットホルダ45をその中心軸を中心として回転させつつ、ターゲットホルダ45又は/及びパルスレーザ光34を上記中心軸の方向に移動させる。これにより、レーザ光46はターゲット44の表面に螺旋状の軌跡を描くように照射され、レーザ光照射位置に常に新しいターゲットを供給することができると共に、ターゲット44の全体を無駄なく使用することができる。
図7(c)は、膜状に成形した極端紫外光源用ターゲット44の別の使用方法を示す斜視図である。ターゲット44’を板状のターゲットホルダ47に載置して保持し、ターゲットホルダ47の盤面に垂直な軸を中心としてターゲットホルダ47を回転させつつ、ターゲットホルダ47又は/及びレーザ光48を盤面に平行に移動させる。これにより、ターゲット44’の表面には渦巻き状の軌跡でレーザ光48が照射され、円筒ホルダを用いた場合と同様に、レーザ光照射位置に常に新しいターゲットを供給することができると共に、ターゲット44’の全体を無駄なく使用することができる。
極端紫外光の発生原理を説明するための図。 本発明に係る第1及び第2の態様の極端紫外光源用ターゲットを示す模式図(縦断面図)。 カプセル状又はビーズ状の極端紫外光源用ターゲットを示す模式図(縦断面図)。 第1の態様の極端紫外光源用ターゲットの製造方法の一実施例を示す図。 図4に示した実施例により作製された極端紫外光源用ターゲットの電子顕微鏡写真。 本実施例(図2(c))の極端紫外光源用ターゲット(a)及び比較例の極端紫外光源用ターゲット(b)から得られた極端紫外光の強度を示すグラフ。 本発明の極端紫外光源用ターゲットの使用方法の例を示す断面図(a)及び斜視図(b), (c)。
符号の説明
10a、10b、41、44、44’…極端紫外光源用ターゲット
11、24、31…低密度スズ体
12、29、32…リチウム
13、25…空孔(空隙)
14…リチウム膜
15…金属スズ
21…酸化スズ含有ゲル
22…ナノパーティクルポリスチレン
23…容器
26…リチウムパークロレートプロピオンカーボネート溶液
27…水槽
281…陽極
282…陰極(低密度スズ体)
283…参照極
33…ピークトップ
42…リール
43、46、48…レーザ光
45、47…ターゲットホルダ
51…レーザ吸収領域
52…極端紫外光発光領域
55…ターゲット表面
58、59…分布曲線

Claims (9)

  1. レーザ光が照射されることにより極端紫外光を発光するターゲットであって、スズ及びリチウムを含有し、スズを含有する部分とリチウムを含有する部分が分離されており、スズ又はスズ化合物から成り内部に空隙を有する低密度スズ体の空隙部に、リチウム又はリチウム化合物が充填されて成ることを特徴とする極端紫外光源用ターゲット。
  2. 前記低密度スズ体におけるスズの密度が結晶密度の0.5%〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光源用ターゲット。
  3. レーザ光が照射されることにより極端紫外光を発光するターゲットであって、スズ及びリチウムを含有し、スズを含有する部分とリチウムを含有する部分が分離されており、スズ又はスズ化合物を含有するスズ含有部分の表面にリチウム又はリチウム化合物を含有するリチウム含有膜が配置された構造を有し、前記スズ含有部分が内部に空隙を有する低密度スズ体であることを特徴とする極端紫外光源用ターゲット。
  4. 前記スズ含有部分におけるスズの密度が結晶密度の0.5%〜80%であることを特徴とする請求項3に記載の極端紫外光源用ターゲット。
  5. 前記リチウム含有膜におけるリチウムの密度が結晶密度の10%以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載の極端紫外光源用ターゲット。
  6. 1個につき、レーザ光が所定の出力で所定の時間照射されることにより消費されるだけの量のスズ及びリチウムを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の極端紫外光源用ターゲット。
  7. 前記低密度スズ体又は前記スズ含有部分を中空又は中実のカプセル状に成形したことを特徴とする請求項6に記載の極端紫外光源用ターゲット。
  8. スズ又はスズ化合物から成り内部に空隙を有する低密度スズ体を陰極とし、リチウムイオンを含む溶液を電気分解することにより、該空隙にリチウム又はリチウム化合物を充填することを特徴とする極端紫外光源用ターゲットの製造方法。
  9. 前記低密度スズ体におけるスズの密度が結晶密度の0.5%〜80%であることを特徴とする請求項8に記載の極端紫外光源用ターゲットの製造方法。
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