JPH0750151A - エキシマ放電ランプ - Google Patents

エキシマ放電ランプ

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JPH0750151A
JPH0750151A JP21000193A JP21000193A JPH0750151A JP H0750151 A JPH0750151 A JP H0750151A JP 21000193 A JP21000193 A JP 21000193A JP 21000193 A JP21000193 A JP 21000193A JP H0750151 A JPH0750151 A JP H0750151A
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JP
Japan
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light
excimer
discharge
electrodes
lamp
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP21000193A
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English (en)
Inventor
Tatsumi Hiramoto
立躬 平本
Yukihiro Morimoto
幸裕 森本
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的に点状光源とみなすことができて集光
効率が高く、高い放射輝度で真空紫外光を放射すること
ができ、放射光束維持率が高くて寿命の長い真空紫外光
用ランプを提供すること。 【構成】 少なくとも一対の電極が配置された放電容器
内に、Ar、KrおよびXeからなる群より選ばれた少
なくとも一種が主エキシマ発光成分のガスとして封入さ
れ、封入ガス圧が25℃で0.2×105 Pa以上であ
り、電極間の距離をL、電極間中央部のアーク軸に垂直
な放電容器の内断面の有効径をDとするとき、(D/
L)>0.5の関係式を満足し、放電容器の少なくとも
光を取り出す部分が、アルカリ金属のフッ化物またはア
ルカリ土類金属のフッ化物(主エキシマ発光成分のガス
がXeである場合には更にサファイアまたは特殊石英ガ
ラス)から構成され、エキシマ光を放射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エキシマ放電ランプに
関する。
【0002】
【従来の技術】波長領域が200nm以下の紫外光(以
下「真空紫外光」という)を得るための光源として、従
来、次のようなランプが知られている。
【0003】 水素放電ランプ・重水素放電ランプ このランプは、一対の電極が配置された放電容器内に、
水素(H2 )または重水素(D2 )を封入し、直流放電
によって水素または重水素を励起する放電ランプであ
る。 低圧水銀ランプ このランプは、一対の電極が配置された放電容器内に、
低圧の水銀蒸気を含む希ガスを封入し、直流、交流、高
周波などの放電によって水銀を励起するランプであり、
185nmの共鳴線が放射される。 誘電体バリヤ放電ランプ 放電容器の一部または全体が誘電体で構成され、この放
電容器内に希ガスを封入し、誘電体を通して交流放電に
よって希ガスを励起する無声放電ランプである。このラ
ンプはエキシマ光を放射することができ、フラッド放射
のときの放射照度が高いランプである。 希ガスマイクロ波放電ランプ キセノン、クリプトン、アルゴンなどの希ガスを封入し
た放電容器をマイクロ波中に置き、希ガスを励起して、
特有のエキシマ光を放射させるランプである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えばリソグラフィ露
光装置により半導体の超微細加工を行うに際して、真空
紫外光のような波長の短い光を用いることによって解像
度を高くすることができる。また、真空紫外光が有する
より大きな光子エネルギーによって、通常の紫外光には
感光しない物質に対しても光化学反応を起こさせること
ができ、フォトレジストとして使用できる物質の範囲も
拡大する。そこで、真空紫外光を放射するランプを、リ
ソグラフィ露光装置の光源など、平行光束を利用する用
途、あるいは、焦点を結ばせる集束光を利用する用途に
用いることが望まれる。
【0005】また、最近において、光ファイバーによる
光の伝送が行われているが、実用化されている光ファイ
バー伝送手段によって伝送されている光は、専ら可視光
やレーザ光であり、上記のような真空紫外光を光ファイ
バーによって伝送することは行われていない。ここに、
真空紫外光について、光ファイバーによる伝送が行われ
るならば、光ファイバーの利点を、真空紫外光という短
波長領域にまで拡大することができる。そこで、真空紫
外光を放射するランプを、光ファイバー伝送用の光源と
して用いることが望まれる。
【0006】しかしながら、従来公知の真空紫外光用ラ
ンプは、(1) 集光効率が低いこと、(2) 放射輝度が低い
こと、(3) 放射光束維持率が低いこと、等の問題がある
ため、リソグラフィ露光装置の光源や光ファイバー伝送
用の光源などとして実用的に用いることはできない。
【0007】(1)集光効率 光ファイバー伝送用の光源においては、この光源からの
放射光が、レンズやミラー等の光学系によって高い集光
効率で焦点に集光されることが必要である。また、リソ
グラフィ露光装置の光源においては、この光源からの放
射光が平行光束に近い形に整形されることが必要であ
る。
【0008】しかし、従来公知の真空紫外光用ランプ
は、放電部分の体積が大きいために光学系による集光効
率が低くく、専ら広い面積を照射する用途に使用されて
いる。例えば前記に示す誘電体バリヤ放電ランプはフ
ラッド放射のときの放射照度は高いものの、光学系によ
って集光する際の集光効率が極めて低く、平行光束に近
い形に整形することも困難であるため、光ファイバー伝
送用の光源やリソグラフィ露光装置の光源として利用す
ることはできない。
【0009】(2)放射輝度 真空紫外光用ランプからの放射光を集光させたり、平行
光束に近い形に整形させたりする際においては、当該真
空紫外光用ランプの放射輝度がある程度高くなければな
らない。
【0010】しかし、従来公知の真空紫外光用ランプに
おいては、放射輝度が概して低く、集光させても放射光
束密度を高いものとすることはできない。従って、従来
公知の真空紫外光用ランプからの光を光ファイバーを利
用して伝送したとしても、光利用効率は極端に低くな
り、実用的ではない。また、放射輝度に概略的に比例し
て放射照度も低くなるため、例えばリソグラフィ露光装
置の光源として用いる場合に、フォトレジスト面への放
射照度が低く、露光時間が長くなって実用的ではない。
このため、解像度の向上やレジスト物質の拡大等、真空
紫外光を利用することによる特長を十分に発揮させるこ
とができない。
【0011】一方、ある程度高い放射輝度で、真空紫外
光を放射させることができる光源として、一対の電極を
有する放電空間内で、陰極側から陽極側に向けてアルゴ
ンガス等の希ガスを高速で流し、直流放電によって希ガ
スを励起する希ガスアークジェットランプが知られてい
るが、膨大な量の希ガスを必要とし、ランニングコスト
が高くなるため実用的なものではない。
【0012】(3)放射光束維持率 真空紫外光は、通常の光源と同様に高温下における発光
により得られることが多い。また、水素やフッ素の発光
を利用する場合には、ランプの点灯時においては、放電
容器を含めたランプ全体の温度が極めて高くなり、この
状態での点灯を続けると、ランプ材料の化学反応と電極
物質が蒸散によって放電容器の内壁に付着し(以下「黒
化現象」という)、この付着物によって、放電容器外周
への放射光の透過が遮られ、初期の光量を長時間維持す
ることができない。更にランプ材料から放出された不純
物ガスがエキシマ生成プロセスにおいてその生成効率を
著しく低下させてしまうことが知られている。
【0013】本発明は以上のような事情に基づいてなさ
れたものである。本発明の目的は、実質的に点状光源と
みなすことができて光学系によって集光する際の集光効
率が高く、高い放射輝度で真空紫外光を放射することが
でき、放射光束維持率が高くて寿命の長い真空紫外光用
ランプを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のエキシマ放電ラ
ンプは、少なくとも一対の電極が配置された放電容器内
に、アルゴン、クリプトンおよびキセノンからなる群よ
り選ばれた少なくとも一種が主エキシマ発光成分のガス
として封入され、封入ガス圧が25℃で0.2×105
Pa以上であり、電極間の距離をL、電極間中央部のア
ーク軸に垂直な放電容器の内断面の有効径をDとすると
き、(D/L)>0.5の関係式を満足し、放電容器の
少なくとも光を取り出す部分が、アルカリ金属のフッ化
物またはアルカリ土類金属のフッ化物から構成され、エ
キシマ光を放射させることを特徴とする。そして、放電
容器の光を取り出す部分の最高温度は光透過率を高く維
持できる600℃以下に制御して点灯されることが好ま
しい。
【0015】本発明のエキシマ放電ランプは、少なくと
も一対の電極が配置された放電容器内に、主エキシマ発
光成分のガスとしてキセノンが封入され、封入ガス圧が
25℃で0.2×105 Pa以上であり、電極間の距離
をL、電極間中央部のアーク軸に垂直な放電容器の内断
面の有効径をDとするとき、(D/L)>0.5の関係
式を満足し、放電容器の少なくとも光を取り出す部分が
サファイアから構成され、エキシマ光を放射させること
を特徴とする。そして、放電容器の光を取り出す部分の
最高温度は光透過率を高く維持できる800℃以下に制
御して点灯されることが好ましい。
【0016】本発明のエキシマ放電ランプは、少なくと
も一対の電極が配置された放電容器内に、主エキシマ発
光成分のガスとしてキセノンが封入され、封入ガス圧が
25℃で0.2×105 Pa以上であり、電極間の距離
をL、電極間中央部のアーク軸に垂直な放電容器の内断
面の有効径をDとするとき、(D/L)>0.5の関係
式を満足し、放電容器の少なくとも光を取り出す部分が
特殊石英ガラスから構成され、エキシマ光を放射させる
ことを特徴とする。そして、放電容器の光を取り出す部
分の最高温度は光透過率を高く維持できる600℃以下
に制御して点灯されることが好ましい。
【0017】本発明のエキシマ放電ランプは、主エキシ
マ発光成分のガスとしてのキセノンとともに、アルゴン
およびクリプトンの少なくとも一種が放電容器内に混入
されていることを特徴とする。
【0018】また、本発明のエキシマ放電ランプは、放
電電流が1アンペア以上で点灯するよう設計されている
ことが好ましい。
【0019】
【作用】
(1)本発明のランプは、比較的低い温度によって発光
するエキシマ発光を利用して真空紫外光を得るものであ
るので、目的とする真空紫外光を少ない電力で得ること
ができる。しかも、本発明のランプは、実質的に点状光
源とみなされ高い集光効率を得ることができる。すなわ
ち、電極間中央部のアーク軸に垂直な放電容器の内断面
の有効径Dの電極間の距離Lに対する比(D/L)が
0.5より大きいものであるので、放電部分の体積が集
光ミラーの大きさに対して相対的に「点」とみなされる
ほど小さいからである。従って、光ファイバー伝送用の
光源、リソグラフィ露光装置の光源等の集光、発散、あ
るいは平行光束を利用する用途のための光源として好適
に使用することができる。
【0020】(2)本発明のランプにおいては、 封
入ガスの種類、封入ガス圧、D/Lの値が、エキシマ発
光の発光条件として好適なものとなるように制御され、
さらに、 封入された希ガスに固有なエキシマ光の発
光スペクトルを考慮して、放電容器の少なくとも光を取
り出す部分の材質が選択されているので、エキシマ発光
による光を効率よく取り出すことができ、従って、エキ
シマ発光を利用した真空紫外光を高い放射輝度で放射す
ることができる。
【0021】(3)本発明のランプは、希ガスを発光種
として封入しているので発光管、電極との反応がない。
また封入ガスの液化の心配もないのでランプ全体の温度
を低く制御することができ、黒化現象が生じにくい。ま
た、本発明のランプでは、発光種として封入される希ガ
スの圧力が比較的高く、ランプ材料から放出される不純
物ガスの影響を受けにくいので長期間安定な放電が維持
できる。従って、本発明のランプは、初期の光量を長時
間維持することができ、放射光束維持率が高くて寿命の
長いランプである。
【0022】
【実施例】以下、本発明について具体的に説明する。図
1は本発明のエキシマ放電ランプの一例を示す断面図で
ある。同図に示すランプにおいては、発光管10の中央
の膨出部11内に、それぞれタングステン製の陽極20
および陰極30が対向するように配置されている。同図
において、40は内部リード棒、41はモリブデン箔、
42は外部リード棒である。発光管10内にはエキシマ
発光成分として希ガスが封入され、その封入圧は25℃
で0.2×105 Pa以上とされる。
【0023】本発明のランプは、エキシマ発光を利用し
たエキシマ放電ランプである。ここで、エキシマ発光の
メカニズムを、発光成分としてキセノンを用いた場合に
ついて説明する。なお、以下において、「Xe」は基底
状態のキセノン原子、「Xe+ 」はキセノンイオン、
「Xe* 」は励起状態のキセノン原子、「e- 」は電子
を示す。
【0024】先ず、アークの中心部において熱電離によ
りキセノンイオンの生成反応が起こり、キセノンイオン
(Xe+ )が生成される(下記の反応式)。このキセ
ノンイオンは、自然対流や拡散によってアークの中心部
よりわずかに低温の部分へ移動し、そこで電子(e-
と再結合して励起状態のキセノン原子(Xe* )が生成
される(下記の反応式)。次いで、下記の反応式を
経て、下記の反応式によって、約160〜190nm
の波長領域において、170nm前後にピークを有する
エキシマ光が放射される。
【0025】 (反応式) Xe+e- →Xe+ または 光+Xe→Xe+ +e- … Xe+ +e- →Xe* … Xe* +Xe+Xe→Xe* 2 +Xe … Xe* 2 → Xe+Xe+hν(エキシマ光) …
【0026】しかして、上記の各反応の中では、励起さ
れたキセノン原子の生成反応である反応式に示す反応
が律速段階となるので、エキシマ光の強さ、すなわち放
射輝度は、キセノンイオンの密度〔Xe+ 〕と電子の密
度〔e- 〕との積にほぼ比例することになる。そして、
このような反応機構は、クリプトン(Kr)およびアル
ゴン(Ar)についても同様であり、封入する希ガスの
種類に関わらず、エキシマ光の強さはイオンの密度と電
子の密度との積にほぼ比例する。
【0027】本発明のランプは、希ガスの封入圧が、2
5℃で0.2×105 Pa以上と比較的高いものであ
る。これにより、上記の反応式によって生成されるイ
オンの密度が大きくなるため、エキシマ光の強さ、すな
わち放射輝度が大きいものとなる。
【0028】図1に示すランプにおいては、陽極20と
陰極30との間の距離Lに対する、発光管10の膨出部
11の内断面の有効径Dの比、すなわち、電極間距離L
に対する、電極間中央部のアーク軸に垂直な放電容器の
内断面の有効径Dの比(D/L)が0.5より大きいも
のとされる。これにより、膨出部11の内断面の半径方
向における急峻な温度勾配が実現され、律速段階である
上記反応式の反応が起こりやすくなり、エキシマ光の
強さ、すなわち放射輝度が大きいものとなる。
【0029】また、D/Lの値が大きい場合には、放電
部分の体積が相対的に小さくなって実質的に点状光源と
みなされるので、集光効率の向上を図ることができる。
【0030】ここで、「電極間中央部のアーク軸に垂直
な放電容器の内断面の有効径D」とは、当該内断面の面
積をS、内断面の内壁沿面距離をdとするとき、「D=
(S/d)×4」で求められる径をいうものとする。
【0031】放電電流としては直流、交流、高周波など
特に限定されなが、その大きさは1アンペア以上である
ことが好ましい。これにより、アークの中心部の近傍に
存在する電子の密度〔e- 〕が大きくなるので、エキシ
マ光の強さは更に大きいものとなる。また、アーク長も
特に限定されないが、高い集光効率を得る等の観点から
12mm以下であることが好ましい。
【0032】本発明においては、主エキシマ発光成分と
して封入される希ガスの種類によって、放電容器の光を
取り出す部分の材質が選択される。これにより、エキシ
マ発光による光を効率よく取り出すことができ、エキシ
マ発光を利用した真空紫外光を高い放射輝度で放射する
ことができる。
【0033】主エキシマ発光成分として、アルゴンまた
はクリプトンが封入されている場合には、放電容器の光
を取り出す部分の材質として、アルカリ金属のフッ化物
またはアルカリ土類金属のフッ化物が選択される。図4
の(イ)は、アルゴンによるエキシマ発光スペクトル分
布の一例を示す曲線図であり、126nmに最大強度を
有するピークが認められる。また、図4の(ロ)は、ク
リプトンによるエキシマ発光スペクトル分布を示す曲線
図であり、146nmに最大強度を有するピークが認め
られる。しかして、アルカリ金属のフッ化物およびアル
カリ土類金属のフッ化物は、それぞれ、100〜200
nmの波長領域の真空紫外光の透過率が概して高いもの
である。このような化合物によって光の取出し部分を構
成することにより、アルゴンによるエキシマ光およびク
リプトンによるエキシマ光を効率よく取り出すことがで
きる。ここで、光を取り出す部分の材質として好適なア
ルカリ金属のフッ化物およびアルカリ土類金属のフッ化
物としては、例えばフッ化リチウム、フッ化ストロンチ
ウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグ
ネシウムなどを挙げることができる。
【0034】主エキシマ発光成分としてキセノンが封入
されている場合において、放電容器の光を取り出す部分
の材質としては、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土
類金属のフッ化物、特殊石英ガラスおよびサファイアの
中から選択される。図4の(ハ)は、キセノンによるエ
キシマ発光スペクトル分布の一例を示す曲線図であり、
約170nmに最大強度を有するピークが認められる。
しかして、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金属
のフッ化物、特殊石英ガラスおよびサファイアは、それ
ぞれ、150〜200nmの波長領域の真空紫外光の透
過率が概して高いものである。このような材質によって
光の取出し部分を構成することにより、キセノンによる
エキシマ光を効率よく取り出すことができる。ここで、
「特殊石英ガラス」とは、水酸基の含有割合が重量で5
ppm以上であること、水素原子または水素分子の含有
量が1×1013個/cm3 以上であること、ハロゲン元
素の含有量が1×1013個/cm3 以上であること、S
i以外の金属、半金属、非金属の元素を2×1018個以
上含まないこと、のいずれかの条件を満足する石英ガラ
スをいうものとする。
【0035】図2は本発明のエキシマ放電ランプの具体
的構成の他の例を示す断面図である。同図に示すランプ
においては、放電容器50内に、それぞれタングステン
製の陽極60および陰極70が対向するよう配置されて
いる。この放電容器50は、例えば鉄−ニッケル合金か
らなりその内面が鏡面加工されてなる容器本体51と、
この容器本体51にインジウムによりシールされた状態
で装着された光取出し窓52とから構成されている。ま
た、この放電容器50内には、0.2×105Pa(2
5℃)以上の封入圧で希ガスが封入されている。点灯時
において、電極間に形成されるアークからの放射光は、
放電容器50の光取出し窓52を通過して外部に取り出
される。なお、同図において、81はリード棒、82は
アルミナ製の封止部材、90は、光取出し窓52を冷却
するために設けられた水冷管である。このランプにおい
ても、電極間中央部のアーク軸に垂直な放電容器の内断
面の有効径Dの電極間距離Lに対する比(D/L)は
0.5より大きいものとされ、また、光取出し窓52の
材質は、主エキシマ発光成分として封入される希ガスの
種類によって選択される。
【0036】〔実施例1〕図1に示すような構成のラン
プであって、発光管10が特殊石英ガラス「viosi
l−F」〔信越石英(株)製〕から構成され、陽極20
と陰極30との間の電極間距離Lが2mmであり、膨出
部11の内断面の有効径Dが30mmであり(D/L=
15)、25℃で106 Paとなる封入圧でキセノンガ
スが封入されているランプを作製した。発光管10の最
高温度を280℃に制御し、放電電流を15アンペアと
して点灯させたところ、図3の実線で示すような、17
0nm付近に最大強度を有し、半値幅が14nm程度の
真空紫外光(エキシマ光)のスペクトル曲線が得られ
た。なお、図3の破線で示される曲線は、発光管の材質
を通常の石英ガラス(SiOHの含有割合が重量で3p
pmと極端に少なく、Feが5×1015個/cm3、A
lが1×1018個/cm3 含まれる石英ガラス)に代え
て構成されたランプにおけるスペクトル曲線である。こ
の図3から理解されるように、通常の石英ガラスの場合
には、このエキシマ発光により得られる真空紫外光を効
率よく取り出すことができないことが理解される。この
ランプからの全放射エネルギーは約10W、放射輝度
は、アーク全体の平均値として約10W/ steradian・
cm2 であった。また、このランプの集光効率は通常の
光学用ショートアーク型キセノンランプの集光効率と同
程度であった。更に、1000時間点灯時における放射
光束の低下率は約15%であり、これは例えば重水素放
電ランプの半分程度である。なお、特殊石英ガラスの動
作温度が600℃を越えるとキセノンエキシマ光の強度
が低下する。従って、特殊石英ガラスの動作温度は60
0℃を越えない温度にすることが好ましい。
【0037】〔実施例2〕図2に示すような構成のラン
プであって、陽極60と陰極70との間の電極間距離L
が5mmであり、電極間中央部のアーク軸に垂直な放電
容器50の内断面の有効径Dが12.5mmであり(D
/L=2.5)、光取出し窓52がアルカリ金属のフッ
化物であるフッ化リチウムから構成され、25℃で5×
105 Paとなる封入圧でアルゴンガスが封入されてい
るランプを作製した。ここに、光取出し窓52を構成す
るフッ化リチウムは、126nm(Ar* 2 エキシマ光
のピーク波長)の光に対して70〜80%の透過率を有
し、アルゴンによるエキシマ光を高い効率で透過させる
結晶である。なお、エキシマ光の吸収は600℃の窓温
度の状態で大きくなる。従って、この温度を越えないよ
うに窓の設計をすることが好ましい。水冷管90内に水
を循環させて光取出し窓52の最高温度を95℃に制御
し、放電電流を50アンペアとして点灯させた。このラ
ンプからの全放射エネルギーは約3W、放射照度は、光
取出し窓52から1m離れた位置において6.5μW/
cm2 であった。また、このランプの集光効率は、同一
光学系を用いたときの通常の光学用ショートアーク型キ
セノンランプの集光効率と同程度であった。更に、10
00時間点灯時における放射光束の低下率は約30%で
あった。
【0038】〔実施例3〕図2に示すような構成のラン
プであって、電極間距離Lが2mmであり、電極間中央
部のアーク軸に垂直な放電容器50の内断面の有効径D
が15mmであり(D/L=7.5)、光取出し窓52
がサファイアから構成され、25℃で106 Paとなる
封入圧でキセノンガスが封入されているランプを作製し
た。ここに、光取出し窓52を構成するサファイアは、
キセノンによるエキシマ光を高い効率で透過させる結晶
である。水冷管90内に水を循環させて光取出し窓52
の最高温度を500℃に制御し、放電電流を15アンペ
アとして点灯させた。このランプからの全放射エネルギ
ーは約8W、放射照度は、光取出し窓52から1m離れ
た位置において75μmW/cm2 であった。また、こ
のランプの集光効率は、同一光学系を用いたときの通常
の光学用ショートアーク型キセノンランプの集光効率と
同程度であった。更に、1000時間点灯時における放
射光束の低下率は約25%であった。なお、サファイア
窓の温度を800℃を越える温度にすると、エキシマ光
の強度は急激に低下した。この場合を含め、一般にサフ
ァイア窓をキセノンエキシマ光の取出し窓に使用する場
合の動作温度は800℃以下であることが好ましい。
【0039】〔実施例4〕図2に示すような構成のラン
プであって、電極間距離Lが2mmであり、電極間中央
部のアーク軸に垂直な放電容器50の内断面の有効径D
が30mmであり(D/L=15)、光取出し窓52が
アルカリ土類金属であるフッ化マグネシウムから構成さ
れ、25℃で106 Paとなる封入圧でクリプトンガス
が封入されているランプを作製した。ここに、光取出し
窓52を構成するフッ化マグネシウムは、クリプトンに
よるエキシマ光を高い効率で透過させる結晶である。水
冷管90内に水を循環させて光取出し窓52の最高温度
を150℃に制御し、放電電流を15アンペアとして点
灯させた。このランプからの全放射エネルギーは約5
W、放射照度は、光取出し窓52から1m離れた位置に
おいて30μW/cm2 であった。また、このランプの
集光効率は通常の光学用ショートアーク型キセノンラン
プの集光効率と同程度であった。更に、1000時間点
灯時における放射光束の低下率は約20%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明のエキシマ放電ランプによれば、
高い放射輝度で目的とする真空紫外光を得ることがで
き、しかも、実質的に点状光源とみなされ高い集光効率
を得ることができる。また、本発明のランプは封入圧力
が高く、かつ点灯時における発熱量も少ないため、放射
光束維持率が高くて寿命の長いランプである。
【0041】本発明のエキシマ放電ランプは、上記のよ
うな優れた特性を有するものであるから、精密光学系を
はじめとして種々の光学系にそのまま適用することがで
き、特に、光ファイバー伝送用の光源およびリソグラフ
ィ露光装置の光源として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエキシマ放電ランプの一例を示す断面
図である。
【図2】本発明のエキシマ放電ランプの具体的構成の他
の例を示す断面図である。
【図3】実施例1のランプよりの放射光のスペクトル曲
線である。
【図4】アルゴン、クリプトン、キセノンによるエキシ
マ発光スペクトル分布の一例を示す曲線図である。
【符号の説明】
10 発光管 11 膨出部 20 陽極 30 陰極 40 内部リード棒 41 モリブデン箔 42 外部リード棒 50 放電容器 51 容器本体 52 光取出し窓 60 陽極 70 陰極 81 リード棒 82 封止部材 90 水冷管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の電極が配置された放電
    容器内に、アルゴン、クリプトンおよびキセノンからな
    る群より選ばれた少なくとも一種が主エキシマ発光成分
    のガスとして封入され、 封入ガス圧が25℃で0.2×105 Pa以上であり、 電極間の距離をL、電極間中央部のアーク軸に垂直な放
    電容器の内断面の有効径をDとするとき、(D/L)>
    0.5の関係式を満足し、 放電容器の少なくとも光を取り出す部分が、アルカリ金
    属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物から構
    成され、エキシマ光を放射させることを特徴とするエキ
    シマ放電ランプ。
  2. 【請求項2】 少なくとも一対の電極が配置された放電
    容器内に、主エキシマ発光成分のガスとしてキセノンが
    封入され、 封入ガス圧が25℃で0.2×105 Pa以上であり、 電極間の距離をL、電極間中央部のアーク軸に垂直な放
    電容器の内断面の有効径をDとするとき、(D/L)>
    0.5の関係式を満足し、 放電容器の少なくとも光を取り出す部分がサファイアか
    ら構成され、エキシマ光を放射させることを特徴とする
    エキシマ放電ランプ。
  3. 【請求項3】 少なくとも一対の電極が配置された放電
    容器内に、主エキシマ発光成分のガスとしてキセノンが
    封入され、 封入ガス圧が25℃で0.2×105 Pa以上であり、 電極間の距離をL、電極間中央部のアーク軸に垂直な放
    電容器の内断面の有効径をDとするとき、(D/L)>
    0.5の関係式を満足し、 放電容器の少なくとも光を取り出す部分が特殊石英ガラ
    スから構成され、エキシマ光を放射させることを特徴と
    するエキシマ放電ランプ。
  4. 【請求項4】 アルゴンおよびクリプトンの少なくとも
    一種が放電容器内に混入されていることを特徴とする請
    求項2または請求項3に記載のエキシマ放電ランプ。
  5. 【請求項5】 放電電流が1アンペア以上で点灯するよ
    う設計されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載のエキシマ放電ランプ。
  6. 【請求項6】 放電容器の光を取り出す部分の最高温度
    を600℃以下に制御して点灯されることを特徴とする
    請求項1に記載のエキシマ放電ランプ。
  7. 【請求項7】 放電容器の光を取り出す部分の最高温度
    を800℃以下に制御して点灯されることを特徴とする
    請求項2に記載のエキシマ放電ランプ。
  8. 【請求項8】 放電容器の光を取り出す部分の最高温度
    を600℃以下に制御して点灯されることを特徴とする
    請求項3に記載のエキシマ放電ランプ。
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