(実施例1)
以下、図1を参照して、実施例1の画像形成装置について説明する。
〔画像形成装置の概略全体断面図〕
図1は、イエロー(以下Yと記述する)、マゼンタ(以下Mと記述する)、シアン(以下Cと記述する)、ブラック(以下Kと記述する)の4色の可視像形成手段(レーザ露光ユニット2a、2b、2c、2d)を備えたカラー画像形成装置1を示すものである。
まず、不図示のスキャナー部によって原稿が読み取られることによって得られた画像情報や、ホストコンピュータ等から送信されてきた画像情報(印刷データ)に基づいて、各露光部3によりレーザビーム発光、即ちレーザビーム露光が行われる。
そして、各露光部3は、送られた画像情報に応じて露光を行い、各電動モータ4により駆動される像担持体である各感光ドラム5(a、b、c、dは各々Y、M、C、K用を示す)上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像に基づき、不図示の現像器から供給されるトナーにより可視像が現像される。感光ドラム5(5a、5b、5c、5d)は電動モータ4(4a、4b、4c、4d)により駆動力を受け、不図示のピニオンギア等を介して接続されている。
LED15(15a、15b、15c、15d)は光を照射し、濃度検出センサ10(10a、10b、10c、10d)は、感光ドラム5からの反射光を受光する。詳細な構成については後述の図3にて説明する。
また、記録材が載置されている記録材カセット6から記録材Sは搬送手段7によって、感光ドラム上に可視像が形成されるタイミングと合うように順次搬送され、転写手段8において可視像を転写される。なお、搬送手段7は、記録材Sを搬送するものであれば良いので、ベルト状のものや、ローラ等を用いても良い。
同図においては、Y、M、C、Kの順に順次画像形成される。その後、記録材Sは搬送手段7から分離され、定着器9により熱定着され可視像が記録材S上に熱定着され、外部へ排出される。
〔画像形成装置の機能ブロック図〕
画像形成装置の機能ブロック図を図2に示す。
テストパターン形成を司るパターン生成部11は、濃度変動量の検出を行うパターンであるテストパターン12の情報を生成する。なお、ここでの濃度とは、後述の濃度検出部17にて説明するように、実質的にはテストパターンから検出される反射光に対応する。従って、濃度信号や、濃度変動及び濃度ムラなどは、テストパターン12から検出される反射光の信号や、反射光の変動及び反射光のムラと、置きかえ読むことができる。このことは何れの実施例でも同様とする。
実行判定部22は、画像形成装置1の状態に応じて、電動モータ制御定数の変更を実行するかどうかを判定する。例えば、画像形成装置1の電源起動時や、画像形成装置1の使用環境変動量が閾値を超えたときや、累積印字枚数が閾値を超えたときや、画像形成装置1の累積通電時間が閾値を超えた時に、実行判定部22は、電動モータ制御定数の変更設定を必要と判定する。また、記録剤(トナー)を収納したカートリッジを用いる形態が一般的に知られているが、実行判定部22により、カートリッジが交換されたか否かを判定し、交換されたと判定した場合に、電動モータ制御定数の変更設定を必要と判定するようにしても良い。
電動モータの制御定数設定を司るモータ制御定数設定部13は、通常プリント画像形成時に感光ドラム5を駆動する電動モータ4の制御定数を設定することができる。また、モータ制御定数設定部13は、電動モータ制御定数を変更し、複数通り設定できるよう構成されている。なお、通常プリント画像形成とは、この場合には、例えば、図5に示されたテストパターン12の画像形成を指すのでは無く、外部のホストコンピュータ等から入力された画像情報(印刷データ)に基づく画像形成を意味する。
ここで電動モータ制御定数とは、電動モータ4を所定回転数(速度)で回転させるための目標値と、モータの実際の回転数(速度)との差分に係数を乗じて、モータFB(FEED BACK)制御を行う場合における制御係数のことである。例えば、比例制御の場合は、電動モータ制御定数は比例ゲインに相当し、PID制御の場合は、電動モータ制御定数が積分ゲイン、微分ゲインに相当する。
モータ速度制御部14は、予めCPU20に設定された電動モータ4を所定回転数(速度)で回転させるための目標値と、電動モータ4から得た速度情報とにより速度制御量を演算する。このときの演算は、上記の電動モータ制御定数に基づいている。そして演算された速度演算量に基づき電動モータ4が目標の所定回転数(速度)に近づくように駆動制御を行う。また、モータ速度制御部14は、モータ制御定数設定部13からの指示に従い、実際に用いられる電動モータ制御定数を変更可能(切替可能)に構成されている。
なお、ここでのモータ制御定数設定部14による速度制御量の演算とは、CPU20が予め設定された計算処理のプログラムを実行することで実現される。また、演算回路としてのIC(integated circuit)やASIC(application specific integrated circuit)集積回路により速度制御量の演算を行うようにしても良い。
電動モータ制御定数が変更された後、露光部3はテストパターン12の情報を基に、感光ドラム5上に一定間隔で静電潜像を形成し、不図示の現像部により可視像のテストパターン12が形成される。形成されたテストパターン12は濃度検出センサ10R,10L、LED15及びI−V変換回路16から構成される濃度検出部17により濃度信号としての電気信号として出力される。
図3に濃度検出センサの一例を示す。この図3の濃度検出センサによれば、LED15を発光させ、LED15から発光された光が、テストパターン12に向けて照射される。テストパターン12へ照射された光は反射し、その反射光は濃度検出センサ10R,10Lによって受光される。濃度検出センサ10R,10Lからテストパターン12の濃度に対応した電流が検出され、I−V変換回路16によって、電圧に変換される。
なお、この図3に示される濃度検出センサは、上で説明したように、テストパターン12に光を照射した際の反射光特性を検出するものであり、光学特性検出センサや、光検出センサや、光学センサなどと呼ぶこともできる。また、本実施例でいう濃度信号とは、テストパターン12からの反射光特性をあらわす信号であり、特定の濃度換算方法に従う濃度をあらわすものに限定されない。また、このことは以後の何れの実施例についてもいえることである。
そして濃度検出部17により得られたテストパターン12の濃度信号は、テストパターン12の代表濃度(直流成分)に、電動モータ4の回転速度ムラ、モータ軸の振れによるドラム回転速度ムラ等の、正弦波状の信号を重ね合わせた電気信号となっている。
検出されたテストパターン12の濃度信号から、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を得るには、濃度変動量演算部18が、濃度信号から電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を演算し、抽出することで実現できる。
抽出について、より具体的には、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量はサンプリング定理により抽出する。電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を抽出するには、モータが1回転する周期の少なくとも2倍以上のサンプリング周期が必要となる。そしてより確実に、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を得るためには、電動モータ4の1回転周期の5倍以上のサンプリングを行えば良い。例えば電動モータ4の回転数の周波数が50Hzの場合、サンプリング周波数は500Hz以上で、テストパターン12の濃度信号をサンプリングする。
濃度変動量比較部19は、濃度変動量演算部18により得られた電動モータ4の1回転周期の濃度変動量をCPU(ワンチップマイクロコンピュータ)20内のメモリ21に記憶させる。なお、このメモリ21は揮発性記憶部としても機能するし、不揮発性記憶部としても機能するものとする。メモリ21内には複数通りのモータ制御定数に対応した濃度変動量の情報が記憶されている。この複数の濃度変動量の情報は、複数通りのモータ制御定数によって形成されたテストパターンにより得られた、各モータ制御定数に対応した電動モータ4の1回転周期の濃度変動量である。
そして、これらの各濃度変動量の情報の大小が、濃度変動量比較部19により比較される。この比較結果によって、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量が最も小さいテストパターンのモータ制御定数が、モータ制御定数設定部13により、通常プリント画像形成用の電動モータ制御定数として設定される。
〔モータ制御定数と濃度ムラとの関係〕
図4は実際に複数の異なるモータ制御定数を設定して、テストパターン12を作成し、濃度検出部17によって得られた測定情報をもとに、濃度変動量演算部18によりFFT解析を行い、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を演算し比較したものである。なお、FFT(Fast Fourier Transform)解析とは高速フーリエ変換のことである。
図4(a)、(b)は電動モータ4として各々別のモータを用いて計測した結果である。横軸のモータ制御定数とは、モータの速度制御を行うための制御定数を表す。また、縦軸の単位は電圧値であり、この電圧値は電動モータ4の1回転周期の濃度ムラを表す。このように、本実施例では、如何に電動モータ制御定数を設定するかによって、個体差がある個々の電動モータ4の1回転周期の濃度ムラに与える影響に対応することができる。また、1つの電動モータ4に着眼した場合にも、経時的にその特性は変動し得るものであり、本実施例においては、そのような場合にも対応できる。
なお、以下ではFFT解析を行なうものとして説明を行なっていくが、よりシステムを簡易化するために別の手法も考えられる。例えば、濃度変動量演算部18に、サンプリングにより得られた濃度信号から電動モータ4の1回転周期の濃度ムラを抽出する為のソフトフィルタリング演算処理を行なわせても可能である。或いは、濃度変動量演算部18に対して、電動モータ4の1回転周期の濃度信号を抽出するためのバンドパスフィルタ回路を組み込み、該バンドパスフィルタ回路の出力を基に電動モータ4の1回転周期の濃度ムラを求めるようにしても良い。
〔テストパターンの形成様子〕
図5は、テストパターン12の具体的な構成を示したものである。同一階調の複数のテストパターン12からなる。
濃度変動量を検出する為のテストパターン12は、各感光ドラム5を駆動する電動モータ4毎に制御定数の調整を行うために、各色のパターンが含まれている。図5では、パターン12y(Y)、12m(M)が示されているが、Y、Mのパターンのみではなく、実際にはC、Kのパッチもテストパターン12に含まれている。なお、感光ドラムを駆動する電動モータが、複数の感光ドラムで共通化されている場合には、パッチは電動モータ毎に対応していれば良い。たとえばC、M、Yの感光ドラムの電動モータが共通であれば、テストパターン12には、C、M、Yのいずれか1色のパッチ、Kのパッチが、含まれていれば良い。また、このことは後述する図14についても同様である。
本実施例では、パターン生成部11がテストパターン12を感光ドラム5上に形成し、回転方向に対しての両端に濃度検出センサ10R、10Lを設け、感光ドラム5上でテストパターン12を検出する場合について説明する。
〔モータ制御定数設定のフローチャート〕
図6は本実施例のモータ制御定数を設定するまでの流れをフローチャートに示す。この図6のフローチャートは各色の感光ドラム毎に実行されるものとする。
まず画像形成装置1の電源を入力する(S101)。次に、画像形成装置1の状態に応じて、モータ制御定数の変更をするか否かを実行判定部22が判定する(S102)。実行判定部22のモータ制御定数の変更要否判定については、図2の画像形成装置1の機能ブロック図にて説明した通りである。なお、このことは、後述のフローチャートでも同様とする。
実行判定部22が電動モータ制御定数の変更をしないと判定した場合、モータ制御定数を決定する動作が終了する(S111)。
一方、実行判定部22が電動モータ制御定数を変更すると判定した場合は、パターン生成部11がテストパターン12の情報を生成する(S103)。
次にモータ制御定数設定部13により、モータ速度制御部14のモータ速度制御定数を設定する(S104)。このステップS104では、互いに異なる複数のモータ制御定数が順次設定される。より詳細には、モータ制御定数は、次のパッチを形成するタイミングに合わせてモータ制御定数を順次変更していく。
そして、モータ速度制御部14は、モータ制御定数設定部13の設定に従うモータ制御定数によって電動モータ4の駆動を制御し、電動モータ4により感光ドラム5を駆動する(S105)。
このステップS105で、あるモータ制御定数が設定されている状態で、パターン生成部11により生成されたテストパターン12の画像情報が露光部3に送られ、テストパターン12の静電潜像が感光ドラム5上に形成される。そして、不図示の現像器によりテストパターン12の可視像が形成される(S106)。
なお、ステップS105及びステップS106の処理は、ステップS104で設定された互いに異なる複数のモータ制御定数毎に実行されるとする。
一方、第1番目のテストパターン12以前の感光ドラム5面からの反射光の読み込みを行えるタイミングまで待つ。濃度検出センサ10R、10Lの読み込みタイミングはパターン形成タイミングからCPU20によって算出し、制御する。感光ドラム5面からの反射光読み込みを行えるタイミングが来たら、LED15を発光させ、感光ドラム5からの反射光を濃度検出センサ10R,10Lで受光する(S107)。
濃度検出センサ10R,10Lからの検出電流は、I−V変換によって電圧に変換される。その電圧は図2に記載のCPU20に入力される。感光ドラム5を電動モータ4により回転駆動させ、テストパターン12の濃度信号の検出を行う(S107)。
濃度変動量演算部18は、検出された濃度信号をもとにFFT解析を行い、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を演算する(S108)。
CPU20(濃度変動量非各部19)は、メモリ21に記憶した各モータ制御定数に対応する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を比較する(S109)。
そして、最も濃度変動量が小さいパターンに対応した電動モータ制御定数を、感光ドラム5のプリント画像形成時の電動モータ制御定数として設定する(S110)。
なお、図6によるS110の説明では、実際に設定された電動モータ制御定数のうち、最も濃度変動量の小さい電動モータ制御定数を設定するよう説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。図4の(a)を例に説明すると、別の方法として、実際に図4のグラフ上にプロットされた計測点を基にN次関数で近似を行い、その近似曲線に基づき最も濃度ムラが小さくなると予測される電動モータ制御定数を設定しても良い。この方法によれば、より理想的な電動モータ制御定数を設定することが可能となる。なお、実際に設定された電動モータ制御定数のうち、最も濃度変動量の小さい電動モータ制御定数を設定することに限定されないことは、他の実施例についても同様とする。ただし、説明上では、実際に設定された電動モータ制御定数のうち、最も濃度変動量の小さい電動モータ制御定数を設定するものとする。このことは、後述のS211、S311、S411、S504、S611についても同様のことがいえる。
以上の動作によって、モータ制御定数の設定が終了する(S111)。
このように実施例1では、各電動モータ4、各電動モータ制御定数毎にテストパターンを描画し、濃度検出センサ10R,10Lによって得られたパターンの濃度信号をFFT解析することで、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を抽出する。そして、抽出された各電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を比較して、濃度変動量が最も小さいテストパターンを形成した時の電動モータ制御定数を、感光ドラム5が通常プリント画像形成を行うときの設定とする。
このように、実施例1によれば、従来の構成のまま、電動モータ4の1回転周期の回転変動、モータ軸の軸ブレ、ピニオンギアの偏心等によって発生する電動モータ4の1回転周期の濃度変動を抑制することができる。従って、電動モータの1回転周期のムラに起因する画質低下を、安価に改善することができる。また、電動モータ4の制御に、エンコーダ等の部品を設ける必要もなく、コストを安価にでき、また装置のサイズを大きくすることもなく、電動モータ4の1回転周期の濃度ムラを抑制できる。
また、実施例1ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像形成手段を備えたカラー画像形成装置について説明したが、本発明は、この4色に限定されず、例えば白黒の画像形成装置であっても良い。また、感光ドラムが一つのカラー画像形成方式の4サイクル方式の画像形成装置であってもよい。
(実施例2)
本実施例の画像形成装置を図7に示す。本実施例の発明の構成、機構、形状それらの相対配置などについて、上記の実施例1と共通する説明を省略し、実施例1と異なる点について説明する。
本実施例は上記の実施例1とは異なり、感光ドラム5上で形成されたテストパターン12を転写する転写手段8と搬送手段7は、転写手段8まで記録材Sを搬送する可動搬送体としての搬送ベルト23を有するものである。
図8のフローチャートに示すように、濃度変動量を検出するためのテストパターン12を、搬送ベルト23上に転写し、可動搬送体上である搬送ベルト23上で濃度信号を検出するものについて説明する。
なお、濃度検出センサ10R、10L及びLED15は搬送ベルト23上で濃度信号を検出できる箇所に配置するものとする。
〔モータ制御定数設定のフローチャート〕
図8は本実施例の動作のフローチャートを示す。この図8のフローチャートは各色の感光ドラム毎に実行されるものとする。
まず画像形成装置1の電源を入力する(S201)。次に、画像形成装置1の状態に応じて、モータ制御定数の調整をするか否かを実行判定部22が判定する(S202)。
実行判定部22が電動モータ制御定数の変更をしないと判定した場合、モータ制御定数を決定する動作が終了する(S212)。
実行判定部22が電動モータ制御定数を変更すると判定した場合は、パターン生成部11がテストパターン12の情報を生成する(S203)。
次にモータ制御定数設定部13により、モータ速度制御部14のモータ速度制御定数を設定する(S204)。このステップS204では、互いに異なる複数のモータ制御定数が順次設定される。より詳細には、モータ制御定数は、次のパッチを形成するタイミングに合わせてモータ制御定数を順次変更していく。
そして、モータ速度制御部14は、モータ制御定数設定部13の設定に従うモータ制御定数によって電動モータ4の駆動を制御し、電動モータ4により感光ドラム5を駆動する(S205)。
このステップS205で、あるモータ制御定数が設定されている状態で、パターン生成部11により生成されたテストパターン12の画像情報が露光部3に送られ、テストパターン12の静電潜像が感光ドラム5上に形成される。そして、不図示の現像器によりテストパターン12の可視像が形成される(S206)。
なお、ステップS205及びステップS206の処理は、ステップS204で設定された互いに異なる複数のモータ制御定数毎に実行されるとする。
そして、記録材を担持し搬送する可動搬送体である搬送ベルト23を駆動する電動モータ24により搬送ベルト23が駆動され、転写手段8により、ステップS206で搬送ベルト23上に感光ドラム5に形成されたテストパターン12が転写される(S207)。
そして、搬送ベルト23面からの反射光読み込みを行えるタイミングが来たら、LED15を発光させ、搬送ベルト23からの反射光を濃度検出センサ10R、10Lで受光し、テストパターン12に含まれる各パッチの濃度信号の検出を行う(S208)。
検出された濃度信号をもとにFFT解析を行い、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を演算する(S209)。
CPU20(濃度変動量非各部19)は、メモリ21に記憶した各モータ制御定数に対応する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を比較する(S210)。
そして、最も濃度変動量が小さいパターンに対応したモータ制御定数を、感光ドラム5の画像形成時のモータ制御定数として設定する(S211)。
以上の動作によって、モータ制御定数の設定が終了する(S212)。
本実施例では、可動搬送体として、搬送ベルトを挙げたが、これに限られず、記録材を担持でき、転写手段を通り、可動搬送体上にテストパターンを転写することが可能なものであれば良い。
(実施例3)
本実施例の画像形成装置の構成を図9に示す。発明の構成、機構、形状それらの相対配置などについて、上記の実施例1と共通する説明を省略し、実施例1と異なる点について説明する。
本実施例は感光ドラム5上に形成された可視像を担持することが可能な可動像担持体にテストパターン12を形成し、可動像担持体上で濃度信号を検出するものである。
本実施例は上述の実施例と異なり、可動像担持体としての中間転写ベルト25と、感光ドラム5上に形成された可視像を中間転写ベルト25に転写する第1転写手段8aと可視像を記録材Sに転写する第2転写手段8bを有する。
上記の構成により、感光ドラム5で形成されたテストパターン12を中間転写ベルト25上に転写し、中間転写ベルト25上で濃度信号を検出する。このとき、濃度検出センサ10R、10L及びLED15は中間転写ベルト25上で濃度信号を検出できる箇所に配置するものとする。
図10のフローチャートに示すように、濃度変動量を検出するためのテストパターン12を、中間転写ベルト25上に形成し、中間転写ベルト25上でテストパターン12を検出する場合について以下説明する。
〔モータ制御定数設定のフローチャート〕
まず画像形成装置1の電源を入力する(S301)。次に、画像形成装置1の状態に応じて、モータ制御定数の調整をするか否かを実行判定部22が判定する(S302)。
実行判定部22が電動モータ制御定数の変更をしないと判定した場合、モータ制御定数を決定する動作が終了する(S312)。
一方、実行判定部22が電動モータ制御定数を変更すると判定した場合は、パターン生成部11がテストパターン12の情報を生成する(S303)。
次にモータ制御定数設定部13により、モータ速度制御部14のモータ速度制御定数を設定する(S304)。このステップS304では、互いに異なる複数のモータ制御定数が順次設定される。より詳細には、モータ制御定数は、次のパッチを形成するタイミングに合わせてモータ制御定数を順次変更していく。
そして、モータ速度制御部14は、モータ制御定数設定部13の設定に従うモータ制御定数によって電動モータ4の駆動を制御し、電動モータ4により感光ドラム5を駆動する(S305)。
このステップS305で、あるモータ制御定数が設定されている状態で、パターン生成部11により生成されたテストパターン12の画像情報が露光部3に送られ、テストパターン12の静電潜像が感光ドラム5上に形成される。そして、不図示の現像器によりテストパターン12の可視像が形成される(S306)。
なお、ステップS305及びステップS306の処理は、ステップS104で設定された互いに異なる複数のモータ制御定数毎に実行されるとする。
一方、不図示の駆動モータにより中間転写ベルト25が駆動され、第1転写手段8aにより、中間転写ベルト25上に感光ドラム5に形成されたテストパターン12が転写される(S307)。
そして、中間転写ベルト25面からの反射光読み込みを行えるタイミングが来たら、LED15を発光させ、中間転写ベルト25からの反射光を濃度検出センサ10R,10Lで受光し、テストパターン12の濃度信号の検出を行う(S308)。
濃度変動量演算部18は、検出された濃度信号をもとにFFT解析を行い、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を演算する(S309)。
CPU20(濃度変動量非各部19)は、メモリ21に記憶した各モータ制御定数に対応する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を比較する(S310)。
そして、最も濃度変動量が小さいパターンに対応したモータ制御定数を、感光ドラム5の画像形成時のモータ制御定数として設定する(S311)。
以上の動作によって、モータ制御定数の設定が終了する(S312)。
(実施例4)
本実施例は、図5や図7に示したような画像形成装置において、記録材Sが上記実施例2の搬送ベルト23、または実施例3の搬送手段7により転写手段8まで搬送され、記録材S上にテストパターン12を転写され、記録材S上で濃度信号を検出する場合である。
本実施例の発明の構成、機構、形状それらの相対配置などについて、上記の実施例と共通する説明を省略し、実施例と異なる点について説明する。本実施例は上記の実施例1とは異なり、濃度検出センサ10R、10L及びLED15は記録材S上で濃度信号を検出できる箇所に配置するものとする。
〔モータ制御定数設定のフローチャート〕
図11のフローチャートに示したように、以下説明していく。
まず画像形成装置1の電源を入力する(S401)。次に、画像形成装置1の状態に応じて、モータ制御定数の調整をするか否かを実行判定部22が判定する(S402)。
実行判定部22が電動モータ制御定数の変更をしないと判定した場合、モータ制御定数を決定する動作が終了する(S412)。
一方、実行判定部22が電動モータ制御定数を変更すると判定した場合は、パターン生成部11がテストパターン12の情報を生成する(S403)。
次にモータ制御定数設定部13により、モータ速度制御部14のモータ速度制御定数を設定する(S404)。このステップS404では、互いに異なる複数のモータ制御定数が順次設定される。より詳細には、モータ制御定数は、次のパッチを形成するタイミングに合わせてモータ制御定数を順次変更していく。
そして、モータ速度制御部14は、モータ制御定数設定部13の設定に従うモータ制御定数によって電動モータ4の駆動を制御し、電動モータ4により感光ドラム5を駆動する(S405)。
このステップS405で、あるモータ制御定数が設定されている状態で、パターン生成部11により生成されたテストパターン12の画像情報が露光部3に送られ、テストパターン12の静電潜像が感光ドラム5上に形成される。そして、不図示の現像器によりテストパターン12の可視像が形成される(S406)。
なお、ステップS405及びステップS406の処理は、ステップS104で設定された互いに異なる複数のモータ制御定数毎に実行されるとする。
一方、搬送手段7により記録材Sが転写手段8へと搬送され、記録材S上に感光ドラム5に形成されたテストパターン12が転写される(S407)。
記録材S面からの反射光読み込みを行えるタイミングが来たら、LED15を発光させ、記録材Sからの反射光を濃度検出センサ10R、10Lで受光し、テストパターン12の濃度信号の検出を行う(S408)。
濃度変動量演算部18は、検出された濃度信号をもとにFFT解析を行い、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を演算する(S409)。
CPU20(濃度変動量非各部19)は、メモリ21に記憶した各モータ制御定数に対応する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を比較する(S410)。
そして、最も濃度変動量が小さいパターンに対応したモータ制御定数を、感光ドラム5の画像形成時のモータ制御定数と設定する(S411)。
以上の動作によって、モータ制御定数の設定が終了する(S412)。
なお、テストパターン12の副走査方向の長さは、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を抽出するために、電動モータ4の1回転当り、記録材Sが移動する距離よりも長くする必要がある。この点は、上述の各実施例の何れにおいても同様とする。
(実施例5)
本実施例では、図12のフローチャートに示したように、画像形成プロセス速度(画像形成モード)毎に独立した電動モータ制御定数の設定を行う動作について説明する。ここで、画像形成プロセス速度とは、厚紙印刷において、搬送手段の搬送速度、転写手段の転写速度、定着器の定着速度を低速にすること等が相当する。この画像形成プロセス速度切換を行うこと自体は既に良く知られたことであるので、詳しい説明は省略する。
発明の構成、機構、形状それらの相対配置などについて、上記に挙げた実施例と共通する説明を省略し、異なる点について説明する。
〔モータ制御定数設定のフローチャート〕
まず画像形成装置1の電源を入力する(S501)。
次に、画像形成装置1の状態に応じて、モータ制御定数の変更をするか否かを実行判定部22が判定する(S502)。
実行判定部22が電動モータ制御定数の変更をしないと判定した場合、モータ制御定数を決定する動作が終了する(S506)。
一方、実行判定部22が電動モータ制御定数を変更すると判定した場合は、実施例1〜4の如く、最も濃度変動量が小さいテストパターン12に対応したモータ制御定数を、感光ドラム5の通常プリント画像形成時の電動モータ制御定数と設定する(S503)。このステップS503では、例えば、図6で説明した、ステップS103〜S110の処理や、他のフローチャートにおける通常プリント画像形成時の電動モータ制御定数設定の処理が行われる。なお、画像形成プロセス速度は、不図示の画像形成プロセス切換部により行われるものとする。
モータ速度制御部14の制御定数切換部26は、各画像形成プロセス速度に対する電動モータ制御定数を設定するべく、画像形成プロセス速度毎にS503を繰り返す(S504)。
そして、最終的には、画像形成プロセス速度、電動モータ4毎にモータの制御定数を設定する(S505)。
以上の動作によって、モータ制御定数の設定が終了する(S506)。
画像形成プロセス速度毎に各電動モータ制御定数を設定することで、更に感光ドラム5を駆動する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を抑制することができる。電動モータ4の1回転周期に起因する濃度ムラの発生具合は、感光ドラム5を駆動する電動モータ4のメカ精度の個体差に加え、電動モータ4がどのような回転速度で駆動するかにもかかわってくる。画像形成装置では、例えば厚紙印刷の場合に、感光ドラムを低速回転させ、画像形成プロセス速度を低速にするなどの制御を行なうときがあるが、本実施例でもそのような場合に対応するようにしても良い。
(実施例6)
実施例6は、実施例1で示した画像形成装置において、本実施例のテストパターン27の濃度変動量に対して、さらに平均値演算を行い、階調補正テーブルを作成し、画像階調制御を行うことで、安定した画像を得るものである。なお、ここでの平均値演算の方法としては、単純平均、重み付け平均等の様々な平均手法を用いるものであっても良い。
発明の構成、機構、形状それらの相対配置などについて、上記に挙げた実施例と共通する説明を省略し、異なる点について説明する。
〔画像形成装置の機能ブロック図〕
画像形成装置の本実施例の構成を図13に示す。
実施例1と異なり、更に、濃度平均値演算部28、濃度変動量百分率演算部29、画像階調制御部30を備えており、それ以外の構成は、実施例1と同様のものを用いている。なお、濃度平均値演算部28による演算は、テストパターン27の検出反射光から得られる濃度信号の平均値(直流成分値)を演算するものである。従って、濃度変動量演算部18による演算を第1演算とし、この濃度平均値演算部28による演算を第2演算とし区別することができる。
また、濃度変動量百分率演算部29は正規化の処理を司り、電動モータ4の濃度変動量の濃度信号平均値に対する割合を演算する。また、画像階調制御部30は従来から知られている階調度の入出力制御、所謂、濃度制御を行う部位である。
〔テストパターンの形成様子〕
本実施例のテストパターン27の具体的な構成を、図14を用いて説明する。パターン27は各感光ドラム5を駆動する電動モータ4毎に制御定数調整、及び画像階調制御を同時に行うためのもので、感光ドラム5上のテストパターン27y(Y)、27m(M)が含まれている。勿論、テストパターン27は、上に説明した図5と同様、イエローとマゼンタのパッチのみを含むテストパターンに限定されない。適宜必要な色のパッチを含めることができる。
電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を検出するために、実施例1と同様に、例えばモータ回転数の周波数が50Hzの場合、サンプリング定理から濃度検出のサンプリング周波数は500Hz以上にする必要がある。また、パターン長は、電動モータ4の1回転当り、感光ドラム5が移動する距離よりも長くする必要がある。
また、同じパターンを用いてモータ制御定数の設定と画像階調制御を行うため、パターンは色毎にモータ制御定数、及び濃度階調度(画像印字率)を9段階に変化させて、合計36個形成される。ここでは、YとMのテストパターン27y,27m各テストパターン27の階調度(印字率)は、10%から90%まで10%刻みで、計9段階に設定されている。また、C、Kも同様のパターンを描く。
濃度平均値演算部28では画像階調制御を行うために、検出されたテストパターン27の濃度平均値信号を算出する。画像階調制御部30は画像階調制御を行う際に、目標階調特性を得るために、階調補正テーブルを求めるためのものであり、図15を用いて説明する。
本実施例で使用するテストパターン27は、モータ速度制御と同時に画像階調制御も行っている。そのため、テストパターン27毎に階調度が異なるので、感光ドラム5の速度変動が同じであっても、濃度検出センサ10から得られる電動モータ4の1回転周期の濃度変動量(大きさ)は異なるものになってしまう。
このようは背景のもと、本実施例では、各モータ制御定数に対応する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量をそのまま比較しない。本実施例では、各テストパターン27の検出濃度としての濃度平均値信号に対する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量の割合を求め(正規化を行い)、階調度が異なっていても影響を受けない値によって比較を行う。
濃度変動量比較部19は、濃度平均値演算部28で得られたの濃度平均値信号に対する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量の割合を、モータ制御定数毎に求め、CPU20内のメモリ21に記憶させる。そして各モータ制御定数に対応して正規化後の値を相対比較し、それらの中で濃度変動量の割合が最も小さいテストパターン27を判別する。
画像階調制御部30は画像階調制御を行う際に、目標階調特性を得るために、階調補正テーブルを求めるためのものであり、図15を用いて説明する。なお、ここではYの階調補正についてのみ説明するものの、M、C、Kに関しても同様の方法で補正が行われる。
図15において、横軸は画像情報の階調度を、縦軸は、濃度検出部17の濃度信号そのもの、或いは検出結果を特定の濃度換算方法で換算した濃度値を示す。また、図中の◆印は、テストパターン27の濃度信号を、濃度平均値演算部28で、平均値演算を行いプロットしたものである。
直線Tは画像濃度制御の目標となる濃度階調特性を表す。本実施例では、画像情報と濃度の関係が比例関係になるように目標濃度階調特性Tを定めた。曲線γは画像濃度制御を実施していない状態での濃度階調特性を表している。なお、テストパターン27を形成していない階調の濃度については原点及び◆印を通るようにスプライン補間を行い算出している。
曲線Dは、本制御で算出される階調補正テーブルを表しており、補正前の階調特性γの目標階調特性Tに対する対象ポイントを求めることにより算出され、階調補正テーブルDを用いることで、目標階調特性を得ることができる。
本実施例のアルゴリズムを図14のフローチャートを用いて説明する。本実施例の特徴は、同じテストパターン27を用いて、最も小さい濃度変動量に対応したモータ制御定数の判別を行うとともに、画像階調制御(濃度制御)を実行する点にある。
〔モータ制御定数設定のフローチャート〕
以下図16のフローチャートに従って説明していく。
まず画像形成装置1の電源を入力する(S601)。次に、画像形成装置1の状態に応じて、モータ制御定数の調整をするか否かを実行判定部22が判定する(S602)。
実行判定部22が電動モータ制御定数の変更をしないと判定した場合、モータ制御定数を決定する動作が終了する(S612)。
実行判定部22が電動モータ制御定数を変更すると判定した場合は、パターン生成部11がテストパターン27の情報を生成する(S603)。
次にモータ制御定数設定部13により電動モータ制御定数をテストパターン27中の各階調度毎に変更するよう、モータ制御定数の設定を行う(S604)。例えば、10%間隔で100%、90%・・・10%というように各階調のパッチを含むテストパターンが形成される場合には、夫々の階調に対して、異なるモータ制御定数の設定が順次行われる。
そして、モータ速度制御部14は、モータ制御定数設定部13の設定に従うモータ制御定数によって電動モータ4の駆動を制御し、電動モータ4により感光ドラム5を駆動する(S605)。
このステップS605で、あるモータ制御定数が設定されている状態で、パターン生成部11により生成されたテストパターン12の画像情報が露光部3に送られる。そして、テストパターン27の静電潜像が感光ドラム5上に形成され、不図示の現像器によりテストパターン27の可視像が形成される(S606)。
なお、ステップS605及びステップS606の処理は、ステップS604で設定された互いに異なる複数のモータ制御定数毎に実行されるとする。
第1番目のテストパターン27以前の感光ドラム5面からの反射光の読み込みを行えるタイミングまで待つ。濃度検出センサ10R,10Lの読み込みタイミングはパターン形成タイミングからCPU20によって算出し、制御する。感光ドラム5面からの反射光読み込みを行えるタイミングが来たら、LED15を発光させ、感光ドラム5からの反射光を濃度検出センサ10R,10Lで受光する。
濃度検出センサ10R,10Lからの検出電流は、I−V変換によって電圧に変換される。その電圧は図2に記載のCPU20に入力される。
感光ドラム5を電動モータ4により回転駆動させ、テストパターン27の濃度信号の検出を行う(S607)。
濃度変動量演算部18は、検出された濃度信号にFFT解析を行い、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を演算し、濃度平均値演算部28でテストパターン27の濃度平均値信号(直流成分)を演算する(S608)。
濃度変動量百分率演算部29では、濃度平均値演算部28で得られたテストパターン27の濃度平均値信号に対する濃度変動量の割合を求める。CPU20に濃度変動量の割合を記憶させると共に、求められた濃度平均値信号をプロットして得た、濃度階調特性γと、目標濃度階調特性Tを比較し、画像階調制御部30で階調補正テーブルDを作成し、CPU20のメモリ21に記憶する(S609)。
CPU20(濃度変動量比較部19)は、メモリ21に記憶した各モータ制御定数に対応する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量の割合を比較する(S610)。そして、最も濃度変動量の割合が小さいテストパターン27に対応したモータ制御定数を、感光ドラム5の画像形成時のモータ制御定数として設定する(S611)。
以上の動作によって、モータ制御定数の設定が終了する(S612)。
このように実施例6では、各モータ制御定数、及び階調度を変化させながら断続的にパターン27を描画し、濃度検出センサ10R,10Lによって、濃度信号を検出し、テストパターン27の濃度平均値信号と電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を算出する。
そして、各テストパターン27から算出された濃度平均値信号に対する電動モータ4の1回転周期の濃度変動の割合を相対比較することで、電動モータ4の1回転周期の濃度変動が最も小さいモータ制御定数を判別できる。
本実施例では濃度が変動した量を示す濃度電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を検出するものであるが、テストパターン27により電動モータ4の1回転周期の濃度自体を検出するものであっても良い。
テストパターン27により電動モータ4の1回転周期の濃度自体を検出するものであっても濃度変動量を検出する場合と同様に実施することができる。
なお、テストパターン27の副走査方向の長さは、電動モータ4の1回転周期の濃度変動量を抽出するために、電動モータ4の1回転当り、感光ドラム5が移動する距離よりも長くする必要がある。
また、本実施例では、感光ドラム5上に形成されたテストパターン27を感光ドラム5上で濃度検出センサ10R,10Lにより濃度信号を検出するものとしたが、これに限られることなく、実施例1〜4に示したような濃度信号の検出方法を用いてもよい。
また、実施例5の画像形成プロセス速度毎に電動モータ4のモータ制御定数の設定を行う動作を合わせて行うことで、画像情報を画像形成プロセス速度毎に階調補正テーブルDで補正することにより、目標階調特性を得ることができる。
さらに各パターンの濃度平均値信号から得られる画像階調制御を行っていない濃度階調特性γと、目標濃度階調特性Tを比較することで、階調補正テーブルを作成する。
また、上の説明では、階調補正テーブルDを補正することで濃度制御を行うよう説明を行ってきたが、代わりに、現像バイアスや帯電バイアスなどを補正することでも濃度制御を行え、濃度変動を抑えた高画質なカラー画像を得ることができる。
実施例6では、テストパターン27の濃度変動量に対して平均値演算を行うことで、異なる画像階調度であっても、その影響を受けない比較を行うために正規化を行った。
より具体的には濃度平均値演算部28でテストパターン27の濃度平均値信号を求め、濃度変動量百分率演算部29でテストパターン27の濃度平均値信号に対する濃度変動量の割合を求め正規化を行なう。そして、正規化後の値を比較することに基づき、最適な電動モータ4のモータ制御定数を設定する。
しかしなら、正規化を行なう上での濃度平均値演算部28の処理を、ローパスフィルタを用いる等のフィルタ処理に替えることもできる。即ち、電動モータ4の1回転周期の濃度ムラを十分に減衰させるような周波数特性をもったローパスフィルタを適用することができる。
また、テストパターン27の形状は本実施例では長方形であるが、副走査及び主走査方向のテストパターン幅がLED15のスポット径よりも大きく、テストパターン27の濃度が検出できるものであれば、どのような形状でも良い。また、異なる階調度毎にテストパターン27を別々に分けても良い。
また、図14の例では、異なる階調度の各テストパターン27を切り離した形で形成するよう示したが、例えば各テストパターン27間に隙間を空けることなく、グラデーションのように連続して一つのテストパターン27に成するようにしても良い。
また、テストパターン27の副走査方向幅が、電動モータ4の複数回転分に対応するものであれば、次のような応用例が考えられる。具体的には、テストパターン27に割り振られる電動モータ制御定数をm個として、最初のテストパターン27をn個の電動モータ制御定数を変更させて形成し、次のテストパターン27については残りの(m−n)個の電動モータ制御定数を変更させ形成すればよい。このように形成されたテストパターンに対して上記の電動モータ制御定数決定処理を行なったとしても、同様の効果が得られることは当業者であれば明らかであろう。
このように、実施例6によれば、最適な電動モータ4の制御定数の決定を、従前から良く知られている画像の階調制御(画像濃度制御)と共に実行でき、電動モータ制御定数を決定するのみのキャリブレーション処理を不要とできる。即ち、画像形成装置のダウンタイムを必要以上に長くすることなくユーザビリティーを向上させることができる。
(実施例7)
実施例1乃至6では電動モータ4の1回転周期における濃度変動量(濃度ムラ振幅)で説明したが、電動モータ4の1回転周期に対応する濃度成分を抽出する為には、この濃度変動量に限定されるものではない。例えば、ある電動モータ制御定数に対応する電動モータ4の1回転周期に生じる濃度ピーク値の平均値を求め、そのピーク平均値を第1乃至6の濃度変動量の替わりとしても同様の効果を得ることができる。
この場合、第1乃至6における濃度変動量の最小値を求める処理は、ピーク平均値の最小値を求める処理とすることができる。また、実施例6における濃度平均値信号に対する電動モータ4の1回転周期の濃度変動量の割合を求め処理は、濃度平均値信号に対する電動モータ4の1回転周期のピーク平均値の割合を求め処理に置きかえることができる。
つまり、本発明においては、電動モータ4の1回転周期の濃度ムラの影響を抽出することができればよく、その濃度ムラを抽出するために、どのような濃度成分を用いるかについては、様々な場合が適用可能となっている。
(実施例8)
上述の実施例1乃至7においては、電動モータとして、感光ドラム5を駆動する為の電動モータ4を例に説明を行ってきた。しかし、本発明は、感光ドラム5を駆動する為の電動モータ4に限定されるものではない。例えば、搬送ベルト23や、中間転写ベルト25を駆動する電動モータなどに適用することもできる。また、感光ドラム5及び中間転写ベルト25との双方に適用することもできる。
この場合には、上記第1乃至7の実施形態の処理に加えて、テストパターンを搬送ベルト23や中間転写ベルト25に転写する際の電動モータ制御定数を可変に設定すれば良い。このように、本発明は、感光ドラムに限定されず、様々な像担持体(第1像担持体、第2像担持体・・・)に適用することができる。