JP5172268B2 - 車両用成形内装材の表皮層 - Google Patents

車両用成形内装材の表皮層 Download PDF

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Description

本発明は、不織布を使用して、低コストで且つ高級感を備えた内装材の表皮層に関し、特に、成形天井、成形ドアトリム、成形リヤパッケージトレイ、成形トノボード、ピラートリム等の車両用の成形内装材の表皮層に関する。
従来より、車両用成形内装材としては、例えば熱硬化性内装材の代表として、成形天井材を構成するものとして硬質ウレタン等を基材層として、その両側にガラス繊維等の繊維補強層を設け、両補強層の外側にそれぞれ表皮層、裏面層を設けたものが知られている。
特に最近では、基材や必要に応じて使われる繊維補強材に対して、予め基材を成形した後表皮材を別に重ねて一体にするのではなく、これ等の素材に表皮材を重ねて、一度にコールドプレス或いはホットプレスして、一体に接合して成形天井等の車両用成形内装材を製作することが知られている。
また車両用ピラー内装材のように、基材と表皮を一体成型出来ないものは、予め樹脂などを成形して形状を作っておき、その表面に接着剤で表皮を貼り付けて内装材を製作するものが知られている。
このような車両用成形内装材の表皮層としては、トリコット(織物)や不織布が知られている。
トリコットからなる表皮層では、トリコット自体が非常に薄いために、これを単独で使用することができず、トリコットの裏側にスラブウレタン等のウレタン系クッション材を積層して使用するようになっている。例えば成形天井の場合、硬質発泡ポリウレタンからなる基材の両側にガラス繊維補強材をイソシアネート系接着剤で接合して、その裏側に裏面材を、その表側に表皮材を積層して、ホットプレス成形するものであって、表皮材としてトリコット表皮と軟質ポリウレタンフォームを積層したものが知られている(特許文献1)。特許文献1のように、トリコットを使用した表皮層では、大幅なコストアップとなるため、通常では高級或いは上級グレードの車両に使われている。
また、不織布からなる表皮層としては、綿状の繊維をニードル等により絡ませて布状にしたものが一般的であり、低コストで得られるので、比較的に低級グレードの車両に普及している。このような一般的な不織布では、図6に示すように、粗密状態が極めて目立たつために、170g/ 度以上の目付け量を必要としている。それでも、部分的には粗密状態が観察されてきめ細かさに欠けるために、肌触りや光沢感等の商品性としては不十分であり、高級感に欠けている(特許文献2)
特開2003−245969号公報 実開昭61−12854号公報
不織布を表皮層に使ったものにおいて、織物調にして高級感を出す試みとして、マリフリース不織布やステッチボンド不織布等の工夫をしたものが知られている。
マリフリース不織布とは、図7に見られるように、不織布の下側繊維を針で引っ掛けて表側に引っ張り出して、ニット(織物)調の編目を作ったものである。図8・図9は、マリフリース不織布を、それぞれ表側・裏側から見た25倍の写真である。図8及び図9に見られるように、表側では、マリフリース処理した部分が貫通穴になり、貫通穴が目立つ状態となっている。それ以外でも本来不織布が持つ「部分的な粗密状態」が見られ、表面の均質的な感触に欠ける結果となっている。マリフリース不織布は、一般の不織布に比べ編目状にするためのコストアップ程度で抑えられるが、高級感という状態からは程遠く、あまり普及してない。
ステッチボンド不織布とは、不織布をミシンで縫って、織物調にしたものであり、マリフリースよりはより織物に近い感触ではある。図10は不織布をミシンで縫ってステッチボンド不織布としたものを表側から見た25倍の写真であって、図11・図12は、このステッチボンド不織布を、表側・裏側からそれぞれ見た50倍の写真である。表側にミシン糸があることによって織物調になるが、ミシン糸で縫うために、表側ではミシン糸が交差する部分で貫通穴になっており、この貫通穴は裏側から見ると糸が2本重なった部分になっている。この貫通穴がかなり大きくて一際目立つ状態になっており、高級感に欠ける表皮となっている。また特に硬質ウレタンを基材とする内装材の場合、その両側にあるガラス繊維等の繊維補強材に使用する接着剤が、成形時に貫通穴を通って表面側に出てくる可能性が高く、接着剤の使用量をシビアに管理しても完全にその傾向を解決することが出来ない。特に、イソシアネート系等の熱硬化性接着剤を使用すると、この接着剤が硬化後黄変するため、表面の見映えを著しく損なう結果となり、商品性が無くなるので、その対策のために繊維補強材と表皮間にフィルム層を設けて接着剤が表面に出てくるのを防止し、更にフィルム層と表皮を接合するためにホットメルトフィルムを使うなど、非常にコスト高になるばかりではなく、基材ウレタンの最大の特徴の一つである吸音性能に著しいダメージを与える。ステッチボンド不織布は、コスト的にはマリフリース不織布に対して多少アップする程度と良いと考えられるが、上記の対策で益々コスト高になると共に、高級感という点では満足できるものではなかった。
以上説明したように、一般的な不織布、マリフリース不織布、ステッチボンド不織布等の不織布のみの表皮層では、高級感を持たせることに限界がある。しかし、表皮材としての不織布はトリコットを使用するものに比較してコスト的に大幅に有利であり、不織布を用いて高級感をかもし出すようにして欲しいという要求は強いものがあった。
そのために、本発明では、内装材の表皮層として不織布を使用して低コスト化を図りつつ、且つ不織布のみでは得られない高級感ある編目調をかもし出した表皮層を得ることを目的とする。
本発明者らは、不織布に対して編目調の高級感をかもし出すために、各種の研究を重ねている中で、マリフリースやステッチボンド等のように不織布に貫通穴が発生するような対応を行うのではなく、別の方法で編目調をかもし出すことができないかという観点で更に研究を重ねていった。この観点で研究開発を進めていく中で、通常は表皮に使用されてないハーフトリコットを表皮に使うとどうなるかという新たな発想で研究を行った。即ち、ハーフトリコットは1方向に編物になった状態のものであり、編物の網目と次の編目との間には、編目でない糸で連結されている構成であり、部分的には隙間或いは微細な凹凸が見られるものである。それに対して、通常表皮に使用されているトリコット(フルトリコット)は縦横の編目状の糸で織物状態になったものであり、目の詰まったシート状になっている。そのため、表皮としては、通常ではトリコットを表皮に使用するといったら、隙間無く織物調に織ったもの(即ち織物調になったフルトリコット)が使用されるが、ハーフトリコットは表皮材としては使われず、裏面材、内部材(内部で隠れる部分)等に使用されている。
本発明では、このハーフトリコットのラフな編目に着目して、元々表面に凹凸があり、部分的に粗密が存在する不織布と重ねたら表皮材としてどのようなものが得られるかを試みた。その結果、両者を重ねてプレス成形すると、ハーフトリコットの編目が表面に見られるので編目調の表皮感(高級感)を得ることができただけでなく、ハーフトリコットのラフな編目が、不織布の部分的な粗密感をカモフラージュすると共に、不織布のみでは得られない滑らかさと深みのある商品性ある表皮を得ることができた。
また、不織布とハーフトリコットの染色を変えて組み合わせると、従来どの表皮にもなかったユニークな雰囲気が実現でき、商品性に大きく貢献できることも見出した。
即ち、本発明では、不織布の外側(表皮側)にハーフトリコットを重ねてプレス加工することで、不織布の部分的な粗密感をカモフラージュし、且つ深みと高級感をかもし出した表皮材としたことを特徴とする。
具体的には、請求項1の発明は、基材の表皮側に表皮層が被覆される車両用成形内装材の表皮層であって、上記車両用成形内装材が、該基材と、該基材の外側の繊維補強材と、該繊維補強材の外側の該表皮材とを積層してホットプレス成形又はコールドプレス成形して、該基材層、該繊維補強層及び該表皮層が接合されて得られる車両用成形内装材からなり、該表皮層が、基材側不織布層及び表皮側ハーフトリコット層からなる積層体からなることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項に記載の車両用成形内装材の表皮層において、不織布層及びハーフトリコット層がプレス接合されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用成形内装材の表皮層において、不織布層及びハーフトリコット層が接着剤で接合されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の車両用成形内装材の表皮層において、接着剤がホットメルトであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の車両用成形内装材の表皮層において、ホットメルトが反応型ホットメルトであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の車両用成形内装材の表皮層において、ホットメルトの目付け量が、10g/m〜60g/mであることを特徴とする
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかつに記載の車両用成形内装材の表皮層において、上記車両用成形内装材が、該基材の裏面側に別の繊維補強層、更に外側に裏面層を備える車両の成形天井であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1ないしのいずれかつに記載の車両用成形内装材の表皮層において、ハーフトリコットがナイロンハーフからなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、低コストで、且つ編目調を備え、不織布の粗密感を紛らわした表皮層とすることで高級感をかもし出した表皮層を得ることができる。特に、基材、繊維補強材と表皮材とを重ねて一度にプレス成形して得られる成形内装材に好適に採用して、低コストで且つ高級感に溢れる表皮を得られると共に、通気性に優れた表皮を得られ、発泡ポリウレタン基材などの熱硬化性基材からなるものに対して好適であり、或いは、オレフィン径ポリプロピレン発泡体等の熱可塑性基材のように、基材自体では剛性が不足する熱可塑性基材からなるものに対して好適である。
請求項2の発明によれば、不織布とハーフトリコットが確実に接着され、不織布の粗密感をより紛らわした表皮層とすることで、更に高級感をかもし出した表皮層を得ることができる。
請求項3の発明によれば、接着剤を使用して接着することで不織布とハーフトリコットが確実に接着されると共に、両者の密着性が向上することによって、ハーフトリコットの編目糸によって不織布の部分的な粗密感が更に紛らわされて、表面的に粗密感を弱め、深みのある表皮をかもし出していると予想される。
請求項4の発明によれば、コールドプレスでもホットプレスであっても、確実に不織布とハーフトリコットが接着される。さらに、不織布とハーフトリコットを接着剤で接着しても、表皮層の通気性を確保できる。さらに、通気性(吸音性能)も優れたものが得られる。
請求項5の発明によれば、不織布とハーフトリコットの接着性と表皮層の通気性をバランスよく確実に確保できる。
請求項6の発明によれば、不織布とハーフトリコットとの接着性と通気性とをバランスよく達成した成形材を得られる
請求項7の発明によれば、低コストで且つ高級感溢れ、通気性を確保した車両の成形天井を得ることができる。
請求項8の発明によれば、耐汚染性及び耐久性に優れた表皮材を得られる。
本発明においては、表皮材に使用するハーフトリコットとしては、内装材の表皮として使用できる合成繊維のハーフトリコットであればどんなものでも良い。特に、ラフな編目調であれば良く、具体的には1方向のみの編目を備え、1条の編目と次の編目間がラフな糸目で連結されているようなハーフトリコットが好ましく、特にナイロンハーフやポリエステルハーフ等が好ましい。特にナイロンハーフは、耐汚染性や耐傷性に優れ、清掃して汚れを除去しやすいので、例え表面が汚れた際にでも汚れを簡単に取り除くことができ、取り除いた痕がきれいになっている。したがって、例えば、加工工程、検査工程、物流工程、組立工程などの生産工程や使用中において、傷になり難く、また例え表面が汚れた際にでも汚れを簡単に取り除くことができる。したがって、上記のような生産工程等において汚れがナイロンハーフの表面に付着しても、清掃して簡単に除去できクリーンな表面を再生できるので、再度使用できるメリットを有する。
ハーフトリコットの編目のデニール数は、得られる編目調としてどのような編目調を期待するか、表皮材を使用する内装材の種別、不織布の目付け量などによって、適切に選定すればよく、特に限定しない。
また、不織布のみの表皮では、通常伸びが大きいために、必要に応じて樹脂加工によるバッキング(裏ラテックス)処理を行って伸びを抑制したり、伸び抑制と耐磨耗性を兼ねて表面に樹脂加工を行うことが通常取られている。しかし、ハーフトリコットとの接合を行うことによって、この伸び抑制のためのバッキング処理は何ら制限を受けることはなく、通常の不織布と同じような処理が可能である。また、ナイロンハーフを使用する場合には、ナイロン素材が耐磨耗性を有するので、耐磨耗性のための処理が不要となる場合が多い。
不織布の層厚さは、ハーフトリコットの効果で厚みを減ずることは可能であるが、ウレタン基材成形天井の場合、接着剤の表面への浸み出しの恐れがあるので、不織布としては100g/m以上の厚さが必要であり、上限はなく利用状況や実用性に応じて設定すれば良い。なお、実際には、接着剤の浸み出し防止の観点からは、不織布のみに場合には通常170g/m以上の厚さを必要としたが、ハーフトリコットを重ねたことによって、100g/mの限界まで目付け量を下げも問題なかった。即ち、不織布単体よりも薄くすることも可能である。
不織布とハーフトリコット表皮との接合は、どのような接合でも良いが、プレス成形や加温成形などの成形条件だけで接合するよりも接着剤で接着することが簡単で確実であり好ましい。その場合接着剤としては、硬化後にもハーフトリコットの隙間にある接着剤が外表面から見える可能性があるので、イソシアネート系等の熱硬化性接着剤のように黄変するものではなく、硬化後も透明であることが好ましい。特に、ホットプレス成形で使用する場合には、ホットプレス時の加熱温度が、熱硬化性樹脂製内装材の場合には150℃程度、熱可塑性樹脂製内装材の場合には200℃程度になるので、この高温状態になっても再軟化或いは再溶融せず、十分な接着性を保持できる接着剤を使用することが好ましい。そのような接着剤としては、反応型ホットメルトが好ましく、例えば、ウレタン系ホットメルト、オレフィン系ホットメルト、アミド系ホットメルト、ポリエステル系ホットメルト等がある。
また、内装材が車両の成形天井で現在主流になっているウレタン基材天井の場合には、通気性(吸音性)を保つことが必要であるので、通気性を保って不織布とハーフトリコットとを接合できる接着剤とすることが好ましく、この点からは反応型ホットメルト、特にウレタン系反応型ホットメルトが好ましい。
該接着剤の目付け量は、少なすぎると接着力が不足し、多すぎると表面に染み出し、通気性を悪化させるので、10g/m〜60g/m、特に20g/m〜40g/mが好ましい。
また、車両用成形内装材を成形天井材として使用する際には、基材層であるウレタンフォームはシート状であってよく、その厚さは、3〜12mmのものが使用される。繊維補強層としては、基材の補強と表皮/裏面との接着強度を得るためにウレタン系樹脂(例えば、イソシアネート系樹脂)等の熱硬化性樹脂からなる接着剤を塗布(含浸)させたガラスマット等を基材の両側にサンドイッチ状に設けたものが好適である。表皮材側の繊維補強層の目付量は、少ないと補強層としての強度が不足し、目付け量が多いと成形後に繊維補強層に起因するシワが目立つようになり、製品として成り立たなくなるので、50g/m〜150g/mとすることが好ましく、特に80g/m〜120g/mとすることが好ましい。ウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂からなる接着剤の目付け量は、少ないと補強層としての強度が不足し、目付け量が多いと成形時に表皮に浸み出し、製品として成り立たなくなるので、繊維補強層の10重量%〜50重量%とすることが好ましく、特に10g/m〜25g/mとすることが好ましい。また、裏面材側に使用するガラス繊維等の繊維補強層の目付量は、少ないと補強層としての強度が不足し、目付量を多くするとしても取り扱い可能な目付量としてはせいぜい250g/m程度までであり、50g/m〜250g/mとすることが好ましく、特に80g/m〜200g/mとすることが好ましい。ウレタン系樹脂等の熱硬化性接着剤の目付量は、少ないと補強層としての強度が不足し、目付量を多くするとしても取り扱い可能な厚さで限界があり、該繊維補強層の10重量%〜50重量%とすることが好ましく、10g/m〜40g/mとすることが好ましい。
また、繊維補強層としては、ガラス繊維が補強性能的に優れるが、バサルト繊維でもよく、コスト的に許容できれば、ガラス繊維に代えてカーボン繊維とすることも可能である。なお、補強層のガラス繊維やカーボン繊維については、必要最小限の量に低減して、サイザル、竹繊維などの天然植物繊維を混在させた補強層としても良い。
表皮材の成形方法としては、例えば、不織布シートとハーフトリコットのシートの一方に接着剤を塗付して、他方を重ねてプレス成形する。または、不織布シート、ハーフトリコットのシートの一方のシートを製作する際に接着剤を含浸させて製造するようにしても良い。また、成形天井などのような成形内装材の製造方法としては、ウレタンフォーム、ガラス繊維層にウレタン系樹脂の接着剤を塗布したガラス繊維補強材シート、不織布にウレタン系液状ホットメルトを塗布してハーフトリコットを貼り合せた表皮材を用意し、ウレタンフォームの両側にガラス繊維補強材シートを積層し、裏面側のガラス繊維補強材シートの上に裏面材を積層し、表面側のガラス繊維補強材シートの上に表皮材を積層し、しかる後、この積層体を加熱した成形型内に配置して加熱加圧(ホットプレス)により一体成形する。また、ウレタンフォームの裏面側又は表面側に、ウレタン系樹脂の接着剤を塗布(例えば、スプレー塗布)し、補強材用ガラス繊維を散布するようにしてガラス繊維補強層を設けるようにしても良い。
本発明では、ハーフトリコットに不織布とは異なった着色を行うことによって、好みに合った着色表皮が得らようにしても良く、このようにすることで、表皮の商品性を向上できる。また、不織布は無着色の白綿のままでも良く、コスト低減できる。
ハーフトリコットの編目の粗さを種々変えることによって、好みに合わせた感触の表皮を得ることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
以下、本発明の実施形態に基づいて、本発明を具体的に説明する。
実施形態1は、本発明を車両の成形天井に適用した例を示す。図1は、本発明の実施形態1に係わる成形天井の部分図を示す。図2は、図1の実施形態1に使用する成形天井材の積層状態を説明する図である。なお、図1中、左側が車両のフロント側であり、右側が車両のリヤ側である。
成形天井1のフロント側の両側には、サンバイザー用の凹部2(片方のみ図示)が形成され、その中間位置にオーバーヘッドコンソール用の開口部3が形成されている。この部分の断面は、図示を省略するが、通常の平面から大きく窪んで形成されている。4は、両側部に設けられるアシストグリップの位置を示し、5はルームランプの位置を示す。
図2に示すように、発泡ウレタンからなる基材層11の裏面側には、ガラス繊維補強層14、その外側に裏面材15が積層され、基材層11の表皮側には、ガラス繊維補強層12、更にその外側に表皮層13が積層されている構造である。表皮層13は、内側(基材側)に不織布層16及び外側(表皮側)にハーフトリコット層17が積層されて形成されている。
次に、実施形態1の成形天井材の製造方法について説明する。
単位面積重量180g/mの連続気泡を有する熱成形可能な硬質ウレタンフォームシート(1200mm×1600mm×厚さ5.5mm)を用意する。直径0.5mm以下、長さ30〜50mmのガラス繊維束を約100g/mの目付で均一に散布し、バインダ−で互いに接着したガラス繊維補強材を用意する。ガラス繊維補強材にはウレタン系樹脂の接着剤を15g/mの目付けで塗布する。さらに、裏面材として裏面紙を用意する。表皮材として不織布150g/mと15デニールのナイロンハーフをウレタン系反応型ホットメルトからなる接着剤40g/mで接合した積層体を用意する。
特に、表皮材の製造方法を図3により説明する。不織布シート21をローラで送りながら、ウレタン系反応型ホットメルト等の接着剤22をローラで供給して、不織布シート21の上に塗布する。この状態で更にローラで送り、ナイロンハーフ等のハーフトリコットシート23を上に重ねて、ローラで押圧して不織布とハーフトリコットを接着する。
なお、表皮材の製造方法は、この実施形態に限られるものではなく、不織布のシート材とハーフトリコットのシート材とを接着剤で接合できる方法であれば良く、他の製造方法でも良い。
上記のように用意した各素材を、成形型内に表皮材−ガラス繊維補強材−発泡ウレタンフォームシート−ガラス繊維補強材−裏面材の順で配置して積層する。成形型内でホットプレス成形するとともに、互いを接着させる。成形接着後、成形品を成形型から取り出し、幅:1200mm×1600mm、そして天井を形成する全ての材料を含めた総厚が7.5mmとなった成形天井を製造した。
図4及び図5は、実施形態1の表皮層13を、表側から見た25倍及び50倍の写真である。なお、裏側から見た写真は、図6の不織布単体の場合と同じであり、省略した。図4及び図5に見られるように、表皮層13の表側にはハーフトリコット17が見られる。このハーフトリコット17の各編目は所定間隔を空けて1方向に形成され、各編目間は、編目を形成している糸でラフに連結されている。この連結部分(図5のX字部分)では、裏側の不織布層16の不織布が透けて見えるが、マリフリース不織布やステッチボンド不織布のような貫通穴が存在するものではないので、表面の品質感で優れる。特に、表面にハーフトリコットの編目状があるという点で高級感をかもし出すことができるだけでなく、1方向の編目や各編目間の糸の連結部分が表面に存在することで、即ちラフな編目調が不織布の表面に存在することで、本来不織布が有する「部分的な粗密」の感じが紛れて見えることとなり、表面上には目立たなくなっており、高級感をより強くかもし出すことに寄与している。
上記のように、実施形態1では、マリフリース不織布やステッチボンド不織布に比較して、コスト的に大幅にアップすることなく、各段に商品性が優れたものが得られた。
さらに、実施形態1では、表皮材の表側にナイロンハーフを使用したので、傷が付きにくく、汚れても清掃により汚れを除去しやすい点で優れる。例えば、生産工程中や使用中に表面が汚れた場合でも、汚れを簡単に取り除くことができ、再生できる。
また、不織布のみの表皮では、通常伸びが大きいが、ハーフトリコットを接着することによって、不織布単体の伸び抑制を行うことができる。なお、それでも更に、伸びを抑制したい場合には、通常の樹脂加工によるバッキング(裏ラテックス)処理等を追加しても良い。
(テスト)
実施形態1及び比較例1について、通気性テストを行った。比較例1としては、実施形態1と比較するために、表皮材として不織布単体のみのものとした。
通気性テストは、実施形態1及び比較例1とも、実施形態1で示す成形方法で成形天井を成形し、裏面材及び裏面材側のガラス繊維補強層を剥がして、基材層、ガラス繊維補強層、表皮層が接合された状態のものにして、この状態のものについて、実施形態1と比較例1との通気性を測定した。
実施形態1 3.98cc/cm /sec
比較例1 4.11cc/cm /sec
実施形態1では、比較例1に対して、通気性が僅かに劣るが、実用上では問題ない範囲であり、実施形態1でも通気性を満足するものが得られ、吸音性能を阻害しないことを示す。上記実施形態は車両の成形天井であるが、本発明は、不織布を使用することで低コスト性を維持し、且つ不織布では得られない高級感のなる表皮を得るために、ハーフトリコットを重ねて加圧成形したものであって、不織布を表皮として使用している内装材の表皮層であれば適用できるものであって、上記実施形態に限られるものではない。
本発明の内装材の表皮層は、表皮層を表面に使用して、表皮層がそのまま表皮側に露出している内装材であれば良く、一般の内装材の表皮層に適用できるものである。特に、自動車用成形内装材、例えば成形天井、成形ドアトリム、成形リヤパッケージトレイ、成形トノボード等の車両用成形内装材の表皮層に使用できる。
本発明の実施形態1に係わり、自動車の成形天井の部分図を示す。 図1に使用する成形天井材の積層状態を説明する図である。 実施形態1の表皮層の製造ラインを説明する概略図を示す。 実施形態1に係わり、表皮層を表側から見た25倍の写真を示す。 実施形態1に係わり、表皮層を表側から見た50倍の写真を示す。 従来の不織布単体の表皮層について、表側から見た25倍の写真を示す。 従来のマリフリース不織布の概略を説明する説明図を示す。 従来のマリフリース不織布の表皮層について、表側から見た25倍の写真を示す。 図8の表皮層について、裏側から見た25倍の写真を示す。 従来のステッチボンド不織布の表皮層について、表側から見た25倍の写真を示す。 図10の表皮層について、表側から見た50倍の写真を示す。 図10の表皮層について、裏側から見た50倍の写真を示す。
1 成形天井
11 基材層
12 繊維補強層
13 表皮層
16 不織布層
17 ハーフトリコット層

Claims (8)

  1. 基材の表皮側に表皮層が被覆される車両用成形内装材の表皮層であって、
    上記車両用成形内装材が、該基材と、該基材の外側の繊維補強材と、該繊維補強材の外側の該表皮材とを積層してホットプレス成形又はコールドプレス成形して、該基材層、該繊維補強層及び該表皮層が接合されて得られる車両用成形内装材からなり、
    該表皮層が、基材側不織布層及び表皮側ハーフトリコット層からなる積層体からなることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
  2. 請求項に記載の車両用成形内装材の表皮層において、
    不織布層及びハーフトリコット層がプレス接合されていることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
  3. 請求項2に記載の車両用成形内装材の表皮層において、
    不織布層及びハーフトリコット層が接着剤で接合されていることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
  4. 請求項3に記載の車両用成形内装材の表皮層において、
    接着剤がホットメルトであることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
  5. 請求項4に記載の車両用成形内装材の表皮層において、
    ホットメルトが反応型ホットメルトであることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
  6. 請求項4又は5に記載の車両用成形内装材の表皮層において、
    ホットメルトの目付け量が、10g/m〜60g/mであることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
  7. 請求項1ないし6のいずれかつに記載の車両用成形内装材の表皮層において、
    上記車両用成形内装材が、該基材の裏面側に別の繊維補強層、更に外側に裏面層を備える車両の成形天井であることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
  8. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用成形内装材の表皮層において、
    ハーフトリコットがナイロンハーフからなることを特徴とする車両用成形内装材の表皮層。
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