JP2005305721A - 不織布積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】表皮層と積層する基材層とを一体化させる際に、ニードルパンチ加工を少なくする又は無くすことができ、さらには、意匠性の付与も容易な不織布積層体(車両用床材)を提供すること。
【解決手段】表皮層12と基材層14とを備えた不織布積層体10。表皮層12と基材層14の間に、実質的に接着用繊維(低融ポリマー繊維又は低融点/高融点ポリマー複合繊維:以下同じ)からなる不織布構造の接着層16を有する。そして、接着層16の接着用繊維が、表皮層1及び基材層に母材繊維(マトリックス繊維)と絡合(ニードルロッキング)/融着結合されている。
【選択図】図1
【解決手段】表皮層12と基材層14とを備えた不織布積層体10。表皮層12と基材層14の間に、実質的に接着用繊維(低融ポリマー繊維又は低融点/高融点ポリマー複合繊維:以下同じ)からなる不織布構造の接着層16を有する。そして、接着層16の接着用繊維が、表皮層1及び基材層に母材繊維(マトリックス繊維)と絡合(ニードルロッキング)/融着結合されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、不織布積層体に関し、特に、耐久性、吸音性とともに意匠性も要求される車両用床材(車両用床マット)として好適な不織布積層体に関する。ここでは、車両用床材を例に採り説明する。
自動車等における車両床材は、共に不織布(類)構造とされた表皮層と基材層とを備えた積層構造のものが一般的である(例えば、特許文献1等参照)。
上記表皮層は、不織布やタフテッドカーペットなどで形成され、通常、該表皮層の裏面は、裏打ち(バッキング)加工が施されている。該裏打ち加工には、裏打ち剤として、ポリエチレン樹脂や、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等の合成樹脂に炭酸カルシウムを添加した樹脂組成物が用いられている。炭酸カルシウムを添加するのは、遮音の見地からである。
上記基材層としては、雑綿フェルト、反毛フェルトなどの不織布(類)で形成されたものが一般的に使用されている。
そして、上記表皮層と基材層とは、積層した後に加熱処理(適宜加圧して)により、両層を接着や融着させて一体化して積層構造を有する床材としていた。
このような積層構造の床材は、基材に不織布類を使用するため、吸音効果が高く、また、表面にパイルを形成して高級感も得られるので多くの車に使用されるようになってきている。
そして、上記のような接着や融着作用を得るためには接着剤や低融点ポリマーからなるフィルムなどを介在させる必要があった。このような接着剤やフィルムの使用は、材料費とともに余分な工程が必要となり生産原価上昇の一因となる。
このため、表皮層と基材層の積層・一体化には、その手段としてニードルパンチ(刺し縫い)加工を施してニードルロッキングにより一体化することが考えられる。
そして、表面にパイルを有する表皮層と基材層とをニードルパンチ加工するには、加工し易いように表皮層側から基材層の方向にニードルパンチ加工を施すことが一般的である。
しかし、表皮層から基材層に向けてニードルパンチ加工を施すと、高級感を付与するために表皮層表面に形成されたパイルを損傷し、表皮層表面の外観を阻害するおそれがあった。
なお、該基材層の不織布には、絡合繊維を固着させるために、通常、母材繊維(マトリックス繊維)に接着用繊維(バインダー繊維)を混合させたものを使用していた。
接着用繊維は成型加工により一定の形を付与した床材の保形作用のみで、表皮層と基材層とを一体化させる作用はほとんどなく、やはりニードルパンチ加工を充分に行って、表皮層と基材層とを一体化させる必要があった。
接着用繊維は成型加工により一定の形を付与した床材の保形作用のみで、表皮層と基材層とを一体化させる作用はほとんどなく、やはりニードルパンチ加工を充分に行って、表皮層と基材層とを一体化させる必要があった。
このように、一体化を強固なものにするには、ニードルパンチ加工を充分に行う必要があるが、ニードルパンチ加工を行えば行うほど表面パイルの損傷は大きくなる。
また、本発明の発明性に影響を与えるものではないが、基材層を不織布層とし、表面層を樹脂層とする自動車用床マットが、特許文献2に記載されている。
特開2002−219989号公報
特開2002−283904号公報
本発明の課題(目的)は、上記にかんがみて、表皮層と基材層とを積層一体化させるに際して、ニードルパンチ加工を少なくする又は無くすことができ、さらには、意匠性の付与も容易な不織布積層体(車両用床材)及び不織布積層体の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を下記構成により解決するものである。
共に不織布構造とされた表皮層と基材層とを備えた不織布積層体であって、
表皮層と基材層の間に、実質的に接着用繊維(低融点ポリマー繊維又は低融点/高融点ポリマー複合繊維:以下同じ)からなる不織布構造の接着層が形成され、
接着用繊維が、表皮層及び基材層に母材繊維(マトリックス繊維)と絡合(ニードルロッキング)/融着結合されていることを特徴とする。
共に不織布構造とされた表皮層と基材層とを備えた不織布積層体であって、
表皮層と基材層の間に、実質的に接着用繊維(低融点ポリマー繊維又は低融点/高融点ポリマー複合繊維:以下同じ)からなる不織布構造の接着層が形成され、
接着用繊維が、表皮層及び基材層に母材繊維(マトリックス繊維)と絡合(ニードルロッキング)/融着結合されていることを特徴とする。
本発明では、接着層を形成する接着用繊維が、表皮層及び基材層の母材繊維と咬合/融着されているため、両層間結合のためのニードルパンチ加工を少なくする又は無くすことができる。したがって、表皮層がパイルを有する場合であっても、パイルを損傷させることなく高品位の不織布積層体(車両用床材)が得られる。
そして、上記構成において、表皮層形成繊維(高融点ポリマー繊維)と、接着層を形成する接着用繊維とを異色(通常、前者:濃色系、後者淡色系)とすることにより、表面に模様を形成することができ、意匠性を向上させることができる。
上記において、表皮層と接着層との繊維合計量に対する接着用繊維の含有率は、15〜50質量%の範囲で適宜選定する。
また、基材層は、母材繊維(高融点ポリマー繊維)とともに接着用繊維を含有する構成とすれば、基材層の表皮層に対する接着層を介しての結合強度が増大する。
上記において基材層における母材繊維と接着用繊維との繊維合計量に対する接着用繊維の含有率は、15〜50質量%の範囲で適宜選定する。
また、上記各構成において、表皮層をニードルパンチ加工により形成されるパイルを備えた構成とすれば、表皮層の意匠性を向上(高級感の付与)できる。
上記接着用繊維は、加熱処理温度で溶融する低融点ポリマーと溶融しない高融点ポリマーからなる複合繊維とすれば、表皮層におけるさらなる意匠性の向上が期待できる。接着用繊維の非溶融部で模様形成ができるためである。
そして、本発明の不織布積層体で車両用床材(車両用カーペット)を形成すれば、該不織布積層体の特性(意匠性、吸音性、耐久性等)を最大限に生かすことができる。
そして、本発明の不織布積層体は、例えば、下記の工程を有する不織布積層体の製造方法により製造する。
(1)別体に層形成した表皮層形成繊維からなる表皮層と、接着用繊維からなる接着層とを積層後、ニードルパンチ(刺し縫い)加工により両層を一体化して接着層裏打ち表皮層を調製する工程。
(2)母材繊維と接着用繊維とをランダム混合して層形成後、ニードルパンチ加工により基材層を調製する工程。
(3)表皮層裏打ち表皮層と基材層とを積層して熱処理を行って両者を熱融着させる熱処理工程。
上記製造方法の二層結合工程において、両面からニードルパンチ加工を行うことが、二層結合性を増大できる。
上記二層結合工程において、先に表皮層側から第1ニードルパンチ加工を行い、その後に接着層側から第2ニードルパンチ加工を行って、該両ニードルパンチ加工によりパイルを形成することとすれば、特別なパイル形成工程が不要となるとともにパイルの損傷が発生しない。
以下、本発明の最良の形態における内の一形態について詳細に説明する。ここでは、車両用床材に適用する場合を想定して、説明してある。このため、車両用床材以外の他の用途に適用する場合は、要求特性に対応させて、不織布積層体の各層を形成する繊維の仕様、目付け量、パンチ密度、さらには、厚み等も、適宜設計変更することができる。
本実施形態の車両用床材(不織布積層体)10は、基本的には、共に不織布(類)構造とされた表皮層12と基材層14とを備えた構造を有するものである(図1(C)参照)。そして、表皮層12と基材層14との間に、実質的に接着用繊維(低融点ポリマー繊維又は低融点/高融点ポリマー複合繊維:以下同じ)からなる接着層16が形成されている。そして、接着層の接着用繊維が、表皮層12及び基材層14の各形成繊維と絡合(ニードルロッキング)/融着結合されている。
必然的ではないが、表皮層12は表面にニードルパンチ加工により形成されるパイル12aを備えている。
ここで、不織布積層体10の合計厚み:5〜20mmで、各層の製品厚み(仕上げ厚み)は、表皮層:1〜5mm、接着層:0.5〜1mm、基材層:3.5〜15mmとする。また、目付け量の範囲は、積層体全体で800〜1500g/m2となるものとする。
表皮層12の形成繊維としては、その繊度:3.3〜11dtex、繊維長:51〜76mmの仕様のものを好適に使用できる。該繊維の種類は、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、レーヨン、ポリエチレン(PE)、ビニロン、アクリル、ビニリデンなどの人造繊維(合成繊維)が意匠性の見地から好適であるが、用途に応じて、綿、羊毛、絹、麻、ケナフ、サイザルなどの天然繊維を組み合わせて使用できる。これらのうちで、ポリエステル(特にPET)が望ましい。床マットとした場合の耐久性も有するとともに、後述の如く、再資源化した場合の物性低下が小さいためである。
該表皮層12の形成繊維は、通常、黒、濃茶、濃グレーなどの濃色系の着色繊維とするが、特に制限はされず、白色や淡色系であってもよい。該着色繊維には、通常、着色用のカーボンや顔料などがブレンドされたポリマーを用いた原着繊維を用いる。
接着層16の形成繊維である接着用繊維は、成型加熱(熱処理)温度で、溶融する低融点ポリマーで少なくとも表面側を形成したものである。この接着用繊維の繊度や繊維長は、上記表皮層の母材繊維(形成繊維)と同様とする。
ここで、低融点ポリマーとは、高融点ポリマーに対して使用される相対的な用語で、通常、両者の温度差が約30℃以上を有する場合を意味する。
低融点ポリマーとしては、通常、変性ポリエステル、PE、PP等の融点約150℃以下、望ましくは約120℃以下のものを使用する。
接着用繊維は、通常、低融点ポリマーを表面に有する複合繊維を使用する(低融点ポリマーのみからなるものであってよい。)。複合繊維としては、断面構造が、鞘−芯型(シース・コア型)のものが望ましいが、バイメタル型、キドニー型、マトリックス型等任意である。このときの繊度や繊維長は、上記表面層の汎用繊維と同様とする。
ここで、表皮層12と接着層16との繊維合計量に対する接着用繊維含有率は、15〜50質量%、望ましくは20〜40%とする。
ここで、表皮層12は、接着層16とのニードルパンチ結合前においては、通常、接着用繊維レスであるため、両層の質量比率が接着用繊維の含有比率となる。
すなわち、表皮層12(着色繊維)85〜50質量%(望ましくは80〜60質量%)、接着層16(接着用繊維)15〜50質量%(望ましくは20〜40質量%)とする。
該接着用繊維含有率が過少であると、接着用繊維による融着の効果が得難く、逆に、接着用繊維含有率が過多であると、低融点ポリマーの溶融により空隙率が低下して、吸音性、クッション性等を低下させるおそれがある。
また、基材層14の形成繊維は、母材繊維(高融点ポリマー繊維)とともに接着用繊維を含有するものを使用する。そして、基材層12の形成繊維合計量に対する接着用繊維の含有率は、15〜50質量%、望ましくは20〜40質量%とする。含有率過少では、基材層14の接着層16を介しての表皮層12に対する結合力の増大効果を奏し難く、過多では、低融点ポリマーの溶融により空隙率が低下して、吸音性、クッション性等を低下させるおそれがある。
なお、基材層14の母材繊維及び接着用繊維は、それぞれ表皮層12及び接着層16に使用するものを適宜組み合わせて使用可能である。この場合、繊維形成ポリマーは、同系のものを使用することが、分別の必要がなくなって、リサイクルが容易となる。特に、再資源化した場合の物性低下が少ないPETが望ましい。
なお、上記において、表皮層12の形成繊維は、上記の如く着色繊維(高融点ポリマー繊維)ばかりでなく若干(例えば、10%以内)の接着用繊維を含有させてもよい。また、接着層16の形成繊維は、逆に、接着用繊維ばかりでなく若干(例えば、10%以内)の着色繊維(高融点ポリマー繊維)を含有させてもよい。
次に、上記構成の車両用床材(不織布積層体)の製造方法について説明をする。本発明の不織布積層体の製造方法は、下記工程を含むものである。
(1)別体に層形成した表皮層形成繊維からなる表皮層12と、接着用繊維からなる接着層14とを積層後、ニードルパンチ(刺し縫い)加工により両層を一体化して接着層裏打ち表皮層13を調製する工程(図1(A))。
具体的には、下記の如く行う。
表皮層12の形成繊維(着色繊維)と接着層14の形成繊維(接着用繊維)とを各々別々にカード工程に供給し、次いで、クロスレイヤー工程に通過させて表皮層(着色繊維層)12と接着層(接着用繊維層)16とを各々作成し、該表皮層12の上に接着層16を積層させるか、又は、その逆に接着層16の上に表皮層12を積層させるか、して積層構造とすることができる。
そして、接着層裏打ち表皮層13の積層構造は、ニードルパンチ加工して両層の繊維を相互に絡合(ニードルロッキング)させることにより、該両層が剥がれないようにして形成する。
すなわち、表皮層12と接着層16とを積層した後、接着層16の側から表皮層12の方向にニードルパンチ加工を施して、表皮層形成12の表面側(外側面)にパイル12aを形成する。こうして、接着層16の側からニードルパンチ加工を施すことにより表皮層12は、着色繊維と接着用繊維が絡合した部分を有する構造が得られるとともに、パイル12aも着色繊維と接着用繊維とが入り混じって形成される。
また、接着層16側ばかりでなく表皮層12の側からもニードルパンチ加工を施してもよい。接着層16にも着色繊維と接着用繊維が相互に絡合した部分を有する構造ができて、接着層裏打ち表皮層13の積層構造を強固なものとすることができる。
このように両側(両面)からニードルパンチ加工を行う場合には、先に表皮層12の側から(第1)ニードルパンチ加工を行い、その後に接着層16側から(第2)ニードルパンチ加工を行って、表皮層12の表面にパイル12aを形成する。ニードルパンチによりパイル12aを損傷させないためである。
ここで、パイル長(パイル高さ)は、5〜10mmの範囲が好ましい。パイル長が短すぎると、パイル効果(意匠効果、ソフト感)を得難くなり、また、長すぎるとソフト感が出すぎて、床材としての使用に適しないおそれがある。
(2)基材層を形成する母材繊維と接着用繊維とをランダム混合して層形成後、ニードルパンチ加工して基材層を調製する基材層調製工程。
また、基材層14は、母材繊維(マトリックス繊維)と接着用繊維とをランダムにブレンドしてニードルパンチ加工により形成する。なお、不織布積層体の用途によっては、ニードルパンチ加工は必然的ではない。接着用繊維による母材繊維の融着結合が可能なためである。
このマトリックス繊維と接着用繊維とをランダムブレンドする方法は、マトリックス繊維と接着用繊維とを混綿機で混合した後、カード工程に供給してウェブを形成し、次いで、クロスレイヤーで積層させるか、又は、エアー・レイ法によりマトリックス繊維と接着用繊維をランダムに積層させることができる。
(3)接着層裏打ち表皮層と基材層とを積層して熱処理を行って両者を熱融着させる加熱(熱処理)工程。
上記基材層14の上に基材層裏打ち表皮層13を積層(重ね合わせ)後、該積層体の熱処理を行う。
該熱処理には、熱風供給口から供給された高温の空気を吸引する吸気口を有する装置(熱風炉)を使用し、該熱風供給口と吸気口の間を、積層体を通過させることにより熱処理を行うものが好ましい。このときの熱処理条件は、使用する接着用繊維(低融点ポリマー繊維)及び高融点ポリマー繊維のポリマー種により異なるが、例えば、前者:融点110℃、後者:230℃以上のポリエステル繊維場合、150〜180℃×1〜4minとする。
このように製造した本実施形態の車両用床材(不織布積層体)10についての作用を説明する。
表皮層1は、主として着色繊維から構成されているが、ニードルパンチ加工を施しており、この部分には、着色繊維と接着用繊維と及び接着用繊維相互が絡合した部分を有している。さらに、熱処理によってそれらの咬合部分が熱融着されて、表皮層12が強固な繊維集合体となっている。したがって、当該表皮層1は、剛性などの物理特性を向上させ、また、積層構造としての一体感を増加させることができる。
さらに、接着層16は、主として接着用繊維から構成されているが、ニードルパンチ加工により着色繊維が絡合している場合があり(表皮層側からニードルパンチ加工を施した場合)、しかも該絡合部分は、接着用繊維の融着により該着色繊維を強固に固定する効果を有し、車両用床材としてのより高度な要求物性に対応することができる。
一方、基材層2は、マトリックス繊維と接着用繊維がランダムに混合(ブレンド)されたものであるため、熱処理により母材繊維と接着用繊維及び接着用繊維相互が融着する。こうして、該マトリックス繊維同士が繋がって(固着して)、基材層が強固な繊維集合体に形成される。
さらに、該表皮層1と基材層2の積層構造において、表皮層12と基材層14との中間に接着用繊維からなる接着層16が挟まれるように配置されているため、熱処理により接着層12が融着する。こうして、表皮層12と基材層14とが繋がって(結合して)、従来のニードルパンチ加工によって結合する場合に比して、強固な不織布積層体に形成される。そして、ニードルパンチ加工によって結合する(繋ぐ)ものではないので、パイル13を損傷することもない。また、該パイル12aも着色繊維と接着用繊維が入り混じっているので、熱処理によりパイル12aもその一部が熱融着されて、該パイル繊維に床材に求められる適度の硬さや腰の強さなどの物理的特性を付与することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
本実施例では、着色繊維及び接着用繊維は下記の仕様ものを使用した。何れも市販品である。
本実施例では、着色繊維及び接着用繊維は下記の仕様ものを使用した。何れも市販品である。
着色繊維A:高融点ポリエステル(融点230℃以上)からなる黒色の原着繊維(繊度:6.6dtex、カット長:64mm)
着色繊維B:高融点ポリエステル(融点230℃以上)からなる灰色の原着繊維(繊度:11dtex、カット長:64mm)
接着用繊維:鞘部が低融点ポリエステル(融点110℃)とされ、芯部が高融点ポリエステル(融点230℃以上)とされた白色の芯/鞘型複合繊維(繊度:4.4dtex、カット長:44mm)
1)接着層裏打ち表皮層の調製工程:
上記着色繊維A及び上記接着用繊維を別々にカード工程に供給してウェブを作成し、製造ラインの上流側より接着用繊維、次いで、着色繊維の順にレイヤーにて、表皮層12/接着層16(質量比)=70/30となるようにして積層させる。
着色繊維B:高融点ポリエステル(融点230℃以上)からなる灰色の原着繊維(繊度:11dtex、カット長:64mm)
接着用繊維:鞘部が低融点ポリエステル(融点110℃)とされ、芯部が高融点ポリエステル(融点230℃以上)とされた白色の芯/鞘型複合繊維(繊度:4.4dtex、カット長:44mm)
1)接着層裏打ち表皮層の調製工程:
上記着色繊維A及び上記接着用繊維を別々にカード工程に供給してウェブを作成し、製造ラインの上流側より接着用繊維、次いで、着色繊維の順にレイヤーにて、表皮層12/接着層16(質量比)=70/30となるようにして積層させる。
該積層物に対して、表皮層12側からニードルパンチ加工を施し、さらに、パイル形成用のニードル針を使用して接着層16側からニードルパンチ加工を施して、表皮層12側表面にパイル12aを有する接着層裏打ち表皮層13を調製した。
なお、上記各ニードルパンチ加工は、ニードルピッチ:6.5mm、針深度:11mm、パンチタイプ:4250本/mの条件で行った。
2)基材層の調製工程:
着色繊維B(母材繊維)及び接着用繊維を、前者/後者(質量比)=70/30となるように、両繊維を調合機に供給して開綿・混合させた後、該混合ブレンドした繊維をエアー・レイ装置により堆積させた後、ニードルパンチ加工を施して基材層16を調製した。
着色繊維B(母材繊維)及び接着用繊維を、前者/後者(質量比)=70/30となるように、両繊維を調合機に供給して開綿・混合させた後、該混合ブレンドした繊維をエアー・レイ装置により堆積させた後、ニードルパンチ加工を施して基材層16を調製した。
なお、上記ニードルパンチ加工は、ニードルピッチ:12mm、針深度:15mm、パンチタイプ:3000本/mの条件で行った。
3)熱処理工程
上記1)及び2)でそれぞれ調製した接着層裏打ち表皮層13と基材層14とを積層させ、熱風処理機( (有)鳳機械製作所社製)を使用して熱処理(条件:160℃×2min)を行った。
上記1)及び2)でそれぞれ調製した接着層裏打ち表皮層13と基材層14とを積層させ、熱風処理機( (有)鳳機械製作所社製)を使用して熱処理(条件:160℃×2min)を行った。
こうして、接着用繊維の低融点ポリマー成分を溶融させて、実施例の不織布積層体を製造した。
実施例の不織布積層体と従来例の不織布積層体(現行ニードルパンチ加工を施して、表皮層と基材層を一体化した市販品:略同一肉厚)とを、不織布の表面風合いについて下記方法により、官能相対比較をした。
ここで表面風合いとは、5名の検査官により比較例(0点)を基準として風合い判定を実施し、1名あたり、風合いが優れている=+1点、同レベル=0点、劣っている=−1点として、加算点により判定した。
判定の結果は、実施例:4点と、実施例の不織布積層体は、非常に優れた表面風合いを有する事が確認できた。
本発明は、上記車両用床材ばかりでなく、他の車両用内装材や建築用内装材としての用途も期待できるものである。
10 不織布積層体(車両用床材)
12 表皮層
12a パイル
13 接着層裏打ち表皮層
14 基材層
16 接着層
12 表皮層
12a パイル
13 接着層裏打ち表皮層
14 基材層
16 接着層
Claims (11)
- 共に不織布構造とされた表皮層と基材層とを備えた不織布積層体であって、
前記表皮層と前記基材層との間に、実質的に接着用繊維(低融点ポリマー繊維又は低融点/高融点ポリマー複合繊維:以下同じ)からなる不織布構造の接着層が形成され、
前記接着層の接着用繊維が、前記表皮層及び前記基材層の各形成繊維と絡合(ニードルロッキング)/融着結合されていることを特徴とする不織布積層体。 - 前記表皮層の形成繊維(高融点ポリマー繊維)と前記接着層を形成する接着用繊維が異色であることを特徴とする請求項1記載の不織布積層体。
- 前記表皮層と前記接着層との繊維合計量に対する前記接着用繊維の含有率が15〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の不織布積層体。
- 前記基材層の形成繊維が、母材繊維(高融点ポリマー繊維)とともに接着用繊維を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布積層体。
- 前記基材層の形成繊維合計量に対する接着用繊維の含有率が15〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不織布積層体。
- 前記表皮層がニードルパンチ加工により形成されるパイルを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不織布積層体。
- 前記接着用繊維が、高融点/低融点複合繊維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の不織布積層体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の不織布積層体で形成されてなることを特徴とする車両用床材。
- 下記工程を有することを特徴とする不織布積層体の製造方法。
(1)別体に層形成した表皮層形成繊維からなる表皮層と接着用繊維からなる接着層とを積層後、ニードルパンチ(刺し縫い)加工により両層を一体化して接着層裏打ち表皮層を調製する工程。
(2)母材繊維と接着用繊維とをランダム混合して層形成後、ニードルパンチ加工して基材層を調製する工程。
(3)前記接着層裏打ち表皮層と基材層とを積層して熱処理を行って両者を熱融着させる熱処理工程。 - 前記接着層裏打ち表皮層を調製する工程において、両面からニードルパンチ加工を行うことを特徴とする請求項9記載の不織布積層体の製造方法。
- 前記接着層裏打ち表皮層を調製する工程において、先に表皮層側から第1ニードルパンチ加工を行い、その後に接着層側から第2ニードルパンチ加工を行って、該両ニードルパンチ加工によりパイルを形成することを特徴とする請求項10記載の不織布積層体の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011168923A (ja) * | 2010-02-19 | 2011-09-01 | Toyobo Co Ltd | ウレタン発泡成形用補強材 |
KR101480975B1 (ko) * | 2012-02-13 | 2015-01-21 | 주식회사 금호 엔.티 | 재활용이 가능한 친환경 부직포 및 그 제조방법 |
KR20180009918A (ko) * | 2016-07-20 | 2018-01-30 | 박성탁 | 차량용 언더플로워 및 그의 제조방법 |
WO2021177274A1 (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-10 | 三菱ケミカル株式会社 | 吸音/遮音材用繊維成型体 |
-
2004
- 2004-04-19 JP JP2004123378A patent/JP2005305721A/ja not_active Withdrawn
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