JPH08224158A - パイル状敷物およびその製造方法 - Google Patents
パイル状敷物およびその製造方法Info
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Abstract
側に熱融着性重合体粒子を分散含有する液状の接着剤を
施し、接着剤を施した一次基布の裏面側に更に二次基布
を配置して、熱融着処理を行って一次基布と二次基布と
の接着を行ってパイル状敷物を製造する方法、及びそれ
により得られたパイル状敷物。 【効果】 本発明による場合は、軽量で、ソフトな風合
を有し、形態安定性、弾力性、耐久性、外観等の特性に
優れるパイル状敷物を簡単な工程で製造することがで
き、特にパイル状敷物を構成するパイル糸、一次基布、
二次基布、熱融着性重合体粒子及び液状の接着剤として
熱可塑性の重合体から主として形成されたものを用いた
場合には再生利用が可能である。
Description
の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、軽量性
に優れ、ソフトな風合を有し、形態安定性、弾力性、耐
久性などの特性に優れるパイル状敷物を、簡単な工程で
円滑に製造する方法、およびそれにより得られるパイル
状敷物に関するものであり、特にパイル状敷物を構成す
る各種素材が熱溶融性の材料から形成されている本発明
のパイル状敷物は、加熱溶融や再成形などによって再生
利用が可能である。
レン繊維、ポリエステル繊維などを用いて製造された織
物や不織布からなる一次基布にパイル糸をタフティング
した後、一次基布の裏面にゴムラテックスなどのゴム系
接着剤を施し、更に二次基布としてジュート織物または
塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ゴムなどのシートを重ね合わせて、前記したゴム系
接着剤によってパイル糸の一次基布への固定および一次
基布と二次基布との接着一体化を行って製造されてい
る。そしてかかる従来のタフトカーペットでは、一次基
布と二次基布との間の剥離強度を増加させてその形態安
定性を高めたり、パイル糸の抜けを防止するために、ゴ
ム系接着剤層の厚さを厚くしたり、二次基布を厚くした
り重くすることが一般に行われている。
は、厚く、且つ重量が大きいので、運搬時や敷設時など
の作業時の取り扱い性に劣っており、しかもソフトさに
欠けるという欠点を有している。そして、そのような従
来のタフトカーペットの厚みや重量を低減させるために
二次基布を省略することが試みられているが、その場合
には、カーペットの形態安定性が失われて、皺になった
り、伸び易くなり、しかも耐久性に劣ったものとなる。
また、かかる従来のタフトカーペットは、合成樹脂、ゴ
ム、天然繊維などの異種の素材を組み合わせて製造され
ているため、使用済みになった際に、その再生利用が困
難であり、その大半が、そのまま、または切断して、或
いは焼却して廃棄処分されており、各自治体などでは粗
大ごみとしてその取り扱いに苦慮しているのが現状であ
る。
いるタフトカーペットは、一次基布にパイル糸をタフテ
ィングした後に、一次基布の裏面に塩化ビニル樹脂、石
油系ピッチ、ゴムなどの層をカレンダー加工などによっ
て厚く成形して裏打層として施し、その裏打層によって
パイル糸の固定を行うと共に裏打層をそのまま二次基布
として機能させて、形態安定性をカーペットに付与して
いる。しかしながら、そのような従来のタイルカーペッ
トでは、一次基布の裏面に塩化ビニル樹脂、石油系ピッ
チ、ゴムなどの厚い成形層(裏打層)が形成されている
ために、形態安定性はある程度有しているものの、その
反面、重量が重く、運搬や敷設などの作業を行う際にそ
の取り扱いに多大の労力を要し、取り扱い性に劣ってお
り、しかも弾力性に欠ける。そして、そのような従来の
タイルカーペットにおいても、裏打ち材料としてゴムな
どを用いた場合には、互いに性質が大きく異なる異種の
素材からカーペットが形成されているために、使用後に
再生利用が極めて困難である。
り扱い性に優れ、しかも形態安定性、耐久性、弾力性な
どにも優れ、その上再生利用が可能なタフトカーペット
を得ることを目的として検討を続けてきた。そして、再
生利用が可能なパイル状敷物を得るためには、ゴムラテ
ックス系の接着剤を使用せずに、加熱すると溶融したり
可塑化して再生利用できる熱可塑性の重合体からなる接
着剤を用いるのが望ましく、しかもパイル糸を一次基布
に強固に接着固定するためには接着剤は液状であるのが
望ましいということに想い到って、かかる観点に立っ
て、熱可塑性ポリエステル樹脂などの熱可塑性重合体の
水溶液または水性分散液を用いて、一次基布へのパイル
糸の固定および一次基布と二次基布との接着を行うこと
を試みた。
着剤を用いた場合には一次基布へのパイル糸の接着固定
はある程度強固に行われてパイル糸の耐引き抜き性は良
好であるものの、弾力性を有している二次基布が一次基
布に強固に接着されず、通常のテンター式のドライヤー
を用いて接着操作を行っても上方からの圧力がかからな
いために一次基布と二次基布との密着および接着が不充
分であった。そこで、テンター式のドライヤーを出た直
後にマングルロールなどによって圧着したり、また別工
程で熱プレスによって上方より圧力を加えて一次基布と
二次基布を接着させるべく試みたところ、それでも一次
基布と二次基布との間の接着強度は充分ではなく、マン
グルロールや熱プレスなどによって高い圧力をかけたこ
とによってパイルの斜向や倒れが生じてしまい、弾力性
が失われ、しかも外観的にも不良なパイル状敷物となっ
た。
合体接着剤を用いる上記の接着力不足などを解消するた
めに、二次基布として熱融着性ポリエステル系繊維など
の熱融着性バインダー繊維を混紡した糸から得られた布
帛を用いて、該バインダー繊維が熱融着する温度で5k
g/cm2以上の高い圧力をかけて一次基布と二次基布
との接着を行ってパイル状敷物を製造することを試み
た。しかしながら、この場合にも、パイルの斜向や倒れ
が生じて、弾力性が失われ、且つ外観的にも不良なパイ
ル状敷物となった。この原因は、二次基布が嵩高で弾力
性に富んでいて界面の間隙が大きく、接着に要する熱融
着性バインダー繊維の有効面積が少ないために、高い圧
力を加えることによりはじめて接着有効面積が増すため
であるものと推測される。
して、パイル糸をタフティングした一次基布の裏面にポ
リエステル樹脂の水性溶液または水性分散液からなる接
着剤を塗り、また二次基布としてその接着面に熱融着性
ポリエステル系バインダー繊維を含有している不織布を
準備し、一次基布の裏面に塗った前記ポリエステル樹脂
の接着剤層と、二次基布との間に、熱をかけると溶融す
る熱融着性ポリエステルバインダー不織布を別途介在さ
せて、それらを積層一体化してタイルカーペットを製造
することを試みた。しかし、この方法による場合は、熱
融着性ポリエステルバインダー不織布を別途余分に使用
する必要があり、しかも一次基布の裏面に塗布した接着
剤を乾燥した後に該熱融着性ポリエステルバインダー不
織布を一次基布と二次基布との間に別途挿入する操作が
必要であるため、多数の材料を要し且つ工程的にも複雑
であって、手間や経費がかかるという問題があり、改良
の余地があること、しかも一次基布と二次基布との間の
接着強度がそれほど高くならないことが判明した。
を有し、形態安定性、弾力性、耐久性などの特性に優
れ、加熱溶融や再成形などによる再生利用が可能で、し
かも簡単な工程で製造することのできるタフトカーペッ
トなどのパイル状敷物を開発することを目的として、更
に色々検討を重ねた。その結果、一次基布にタフティン
グしたパイル糸の固定および一次基布と二次基布と接着
を行うための接着剤として、液状の接着剤をそのまま用
いずに、液状の接着剤中に更に熱融着性重合体粒子を分
散含有させたものを用いると、熱融着性ポリエステルバ
インダー不織布を別途一次基布の裏面側と二次基布との
間に挿入して介在させなくても、パイル糸の一次基布へ
の接着固定、および一次基布と二次基布との間の接着
が、高い圧力をかけなくても極めて強固に且つ簡単に達
成できて、パイル糸の斜向や倒れなどの発生を防止しな
がら、軽量性に優れていて、ソフトな風合を有し、パイ
ル糸の耐抜け性が大きく、一次基布と二次基布との剥離
強度が大きくて、形態安定性、弾力性、外観、耐久性、
風合などの諸特性に優れるパイル状敷物を極めて簡単な
工程で円滑に製造できることを見出した。更に、本発明
者らは、その際に、パイル糸、一次基布、二次基布、熱
融着性重合体粒子および接着剤のそれぞれを熱可塑性樹
脂などの熱可塑性重合体、特に熱可塑性ポリエステル樹
脂から主として形成しておくと、それにより得られるパ
イル状敷物は、その全体が熱溶融、再成形などが可能
で、再生利用できることを見出し、それらの知見に基づ
いて本発明を完成した。
ングした一次基布の裏面側に熱融着性重合体粒子を分散
含有する液状の接着剤を施し、接着剤を施した一次基布
の裏面側に更に二次基布を配置して、熱融着処理を行っ
て一次基布と二次基布との接着を行うことを特徴とする
パイル状敷物の製造方法である。更に、本発明は、前記
の方法により得られたパイル状敷物である。
糸、一次基布、二次基布、熱融着性重合体粒子および接
着剤のそれぞれが主として熱可塑性樹脂などの熱可塑性
重合体が形成されているのが好ましく、特に熱可塑性の
ポリエステル系樹脂から形成されているのが好ましく、
その場合には再生可能なパイル状敷物を得ることができ
る。
定されるものではないが、本発明のパイル状敷物の厚さ
方向の基本的な断面構造の典型例を図1に示すと、本発
明のパイル状敷物では、パイル糸1が一次基布2にタフ
ティングされていて、そのパイル糸1が一次基布2の裏
面側に施した熱融着性重合体粒子を分散含有する液状の
接着剤3によって一次基布2に抜けないように強固に固
定されており、更にその接着剤3の層を介して一次基布
2の裏側に二次基布4が強固に熱融着されている。
の一次基布2への接着固定、および一次基布2と二次基
布4との接着のために、熱融着性重合体粒子を分散させ
た液状の接着剤3を用いた点に大きな特徴があり、その
ような接着剤3を用いることによって、一次基布2にパ
イル糸1が強固に接着固定され、且つ一次基布2と二次
基布4との間が強固に接着されていて、パイル糸1の抜
けや、一次基布2と二次基布4との間の剥離がなく、軽
量性、形態安定性、弾力性、外観、耐久性に優れ、ソフ
トな風合を有する本発明のパイル状敷物を、高い押圧力
を施すことなく簡単に製造することができるのである。
物において、パイル糸1の素材の種類はパイル状敷物の
用途や使用形態などに応じて選択することができ、綿、
羊毛、麻、絹などの天然繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維、ポリオレフィン繊維、塩化ビニル系重合体
繊維、塩化ビニリデン系重合体繊維、アクリル繊維、ビ
ニロンなどの各種合成繊維を挙げることができる。それ
らのうちでも、パイル糸1が熱可塑性ポリエステル、ポ
リアミド、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、塩化
ビニル系重合体、塩化ビニリデン系重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性重合体繊維から形成
されているのが再生利用可能なパイル状敷物を得ること
ができる点から好ましい。特に、パイル糸1が熱可塑性
ポリエステル繊維から形成されているのが、パイル状敷
物の再生利用性、耐久性、風合などの点から一層好まし
い。
ト糸、タスラン加工糸、捲縮加工糸、交絡糸、撚糸、無
撚糸などのいずれの形態であってもよい。パイル糸の太
さも特に限定されず、パイル状敷物の用途や使用態様な
どに応じて選択することができるが、一般に、一本のパ
イル糸の太さを約1000〜5000デニール程度とし
ておくのが、一次基布への植設の容易性、得られるパイ
ル状敷物の耐久性、風合、軽量性などの点から好まし
い。
の形態になっているが、それに限定されるものではな
く、カットパイルの形態であっても、ループパイルの形
態であっても、またはカットパイルとループパイルの両
方が存在する形態であってもよい。更に、パイル糸1の
毛足(長さ)も特に制限されず、それぞれの用途や使用
態様に応じて適宜選択することができる。また、一枚の
パイル状敷物において、パイル糸の長さはすべて同じで
あっても、また場合によっては長さの異なるパイル糸が
存在するようにしてあってもよい。
基布2は、敷物としての使用に耐え得る基布であればい
ずれも使用でき、例えば綿、麻、ウールなどの天然繊
維、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリオ
レフィン、ビニロン、アクリル、レーヨンなどの合成繊
維または半合成繊維などの繊維、糸、テープヤーンなど
を用いて製造された織編物、不織布などを挙げることが
できるが、熱可塑性重合体繊維、それよりなる糸、熱可
塑性重合体よりなるテープヤーンから形成された織編物
や不織布からなる一次基布を用いると、加熱溶融によっ
て再生利用が可能なパイル状敷物を得ることができるの
で望ましい。そのうちでも、特に熱可塑性ポリエステル
繊維または熱可塑性ポリエステルテープヤーンから主と
して形成された織物または不織布から一次基布を形成す
るのが、パイル状敷物の再生利用性、耐久性、形態安定
性などの点から好ましい。
80g/m3程度としておくのが好ましい。一次基布2
の目付が90g/m3よりも小さいと一次基布にパイル
糸をタフティング(植設)する際に一次基布のパイル糸
の把持力が不足して均一なタフト生機が得られにくくな
り、一方180g/m3を超えるとパイル糸の把持力は
良好になるものの、タフティング時のニードル貫通抵抗
が高くなってニードルの寿命が短くなり、しかも得られ
るパイル状敷物の重量が重くなり易い。
法は何ら制限されず、パイル状敷物において従来から使
用されているタフティング方法のいずれもが使用でき
る。一次基布2へのパイル糸のタフティング密度も特に
制限されず、パイル状敷物の用途などに応じて選択する
ことができるが、一般に、ゲージ間隔が1/16〜5/
32(インチ)の範囲、ステッチが5〜15本/インチ
であるのが好ましい。
る二次基布4は、従来この種のパイル状敷物で二次基布
として用いられているのと同種の素材が使用でき、例え
ば綿、麻などの天然繊維、ポリエステル、ナイロン、ポ
リ塩化ビニル、ポリオレフィン、ビニロン、アクリル、
レーヨンなどの合成繊維または半合成繊維などの繊維、
糸、テープヤーンなどを用いて製造された織編物、不織
布などを挙げることができるが、熱可塑性重合体繊維、
それよりなる糸、熱可塑性重合体よりなるテープヤーン
から形成された織編物や不織布からなる二次基布を用い
ると、加熱溶融によって再生利用が可能なパイル状敷物
を得ることができるので望ましい。そのうちでも、特に
熱可塑性ポリエステル繊維または熱可塑性ポリエステル
テープヤーンから主として形成された織物または不織布
を二次基布4として用いるのが、パイル状敷物の再生利
用性、耐久性、形態安定性などの点から好ましい。特
に、二次基布4として、見かけ密度が0.03〜0.2
g/cm3で厚みが0.3〜1.0cmの熱可塑性ポリ
エステル系繊維から本質的になる不織布を使用した場合
には、柔らかすぎず且つ硬すぎず、適度の柔軟性や硬さ
を有し、しかも弾力性に富むパイル状敷物を得ることが
できるので、一層望ましい。
質的になる布帛を二次基布4として用いる場合に、二次
基布4における、少なくとも一次基布2と積層させる面
の側に熱融着性ポリエステル系バインダー繊維を混綿
(存在)させた二次基布を用いると、一次基布2と二次
基布4とをその間に施した熱融着性重合体粒子を分散含
有する液状の接着剤を熱融着させて接着させる際に、二
次基布4中に含まれる熱融着性ポリエステル系バインダ
ー繊維も熱融着接着剤(バインダー)として機能して、
一次基布2に二次基布4が一層強固に接着固定されて、
耐久性および形態安定性に一層優れるパイル状敷物を得
ることができる。
インダー繊維を混綿(存在)させた二次基布4の製法な
どは特に制限されないが、例えば、(i)単繊維繊度が
5〜20デニール程度の汎用のポリエステル繊維に、単
繊維繊度が2〜10デニール程度の熱融着性ポリエステ
ル系バインダー繊維を好ましくは20%以上混合してカ
ードウエッブをつくり、このカードウエッブを所定厚さ
に複数枚積層した後ニードリングする方法、(ii)汎用
のポリエステル繊維またはポリエステルテープヤーンな
どから通常のパイル状敷物用の二次基布をつくり、その
一方または両方の面に、熱融着性ポリエステル系バイン
ダー繊維を混合して得られた上記の(i)のカードウエ
ッブを積層した後、ニードリングなどによって繊維同士
を絡ませる方法などによって製造することができる。そ
して、特に前記(ii)の方法による場合は、形態安定性
のある二次基布を得ることができる。
エステル系バインダー繊維は、従来から種々知られてい
るが、本発明では、パイル状敷物の形態安定性を良好な
ものとし且つパイル状敷物における一次基布と二次基布
との接着を強固に行うために、熱融着性ポリエステル系
バインダー繊維として、低融点のポリエステル単独から
なるバインダー繊維を用いるよりも、低融点のポリエス
テルと高融点のポリエステルとがサイドバイサイド型ま
たは芯鞘型に複合している複合繊維を用いるのが好まし
い。限定されるものではないが、そのような複合繊維と
しては、エチレンテレフタレート単位および/またはブ
チレンテレフタレート単位に対してエチレンイソフター
ト単位が20〜50モル%の割合で共重合している低融
点ポリエステル共重合体と高融点のポリエチレンテレフ
タレートまたはポリブチレンテレフタレートとがサイド
バイサイド型または芯鞘型(低融点ポリエステル共重合
体が鞘部分)の複合繊維などを上げることができる。
00g/m3程度としておくのが好ましい。二次基布4
の目付が90g/m3よりも小さいと、パイル状敷物の
形態安定性、耐久性などが低下し易くなり、一方500
g/m3を超えるとパイル状敷物の重量が重くなって運
搬や敷設時などの作業時における取り扱い性が不良にな
り易い。
ィングした一次基布2の裏面側に、熱融着性重合体粒子
を分散含有する液状の接着剤3を施す。液状の接着剤3
は、樹脂などの重合体成分からなる固形分を溶媒や分散
媒に溶解または分散させたものであり、その際に重合体
成分として熱可塑性や熱溶融性の重合体、特に熱可塑性
樹脂を用いると、それにより得られるパイル状敷物が加
熱溶融や再成形などにより再生利用が可能になるので好
ましい。また液状の接着剤3における溶媒または分散媒
としては、水、熱可塑性重合体粒子を溶解しない有機溶
媒、それらの混合溶媒などを使用することができるが、
安全性、人体への無害性、環境汚染の防止などの点から
水を用いるのが好ましい。
次基布2を構成する素材、二次基布4の素材などに応じ
て、それらの素材に対してより大きな接着力などを発揮
するものを選択して使用するのが好ましい。特に、パイ
ル糸1、一次基布2および二次基布3のそれぞれが熱可
塑性ポリエステル系重合体から主として形成されている
場合は、接着剤3としてポリエステル系樹脂接着剤を用
いるのが好ましく、例えばエポキシ系ポリエステル樹脂
接着剤、ジカルボン酸成分としてフタル酸を用いたポリ
エステル樹脂接着剤、ジオール成分としてエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどを
用いて得られたポリエステル樹脂接着剤などを挙げるこ
とができ、これらのポリエステル系接着剤は従来既に知
られており販売されている。また、パイル糸1、一次基
布2および/または二次基布4がポリオレフィン系重合
体から形成されている場合は、接着剤3としてエチレン
/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体
などのエチレン共重合体系の接着剤が、更にパイル糸
1、一次基布2および/または二次基布4がポリアミド
系重合体から形成されている場合は、接着剤3としてポ
リアミド系の接着剤が好ましく用いられる。
剤3が更に熱融着性重合体粒子が分散含有していること
が重要である。その場合の熱融着性重合体粒子として
は、パイル糸1をタフティングした一次基布2および二
次基布4を熱融着処理して接着(積層一体化)する際の
加熱温度で溶融して、パイル糸1の一次基布2への接着
固定、一次基布2と二次基布4との接着固定および熱融
着性重合体粒子間の熱融着を円滑に行うことが可能な比
較的低融点の熱溶融性重合粒子を用いることが必要であ
り、一般に、融点が約100〜200℃、好ましくは1
00〜180℃の範囲のものを用いるのがよい。
次基布4のそれぞれが同種または異種のポリエステル系
重合体から主として形成されている場合は、熱融着性重
合体粒子として、パイル糸1、一次基布2および二次基
布4を構成するポリエステルよりも低融点の熱可塑性ポ
リエステルからなる粒子を用いるとよい。特に、パイル
糸1、一次基布2および二次基布4がポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートなどの汎用の
ポリエステル繊維から形成されている場合は、該ポリエ
ステル系繊維の融点よりも約80〜150℃程度低い融
点を有する熱融着性ポリエステル系重合体粒子を用いる
のが好ましく、そのような熱融着性ポリエステル粒子の
例としては、限定されるものではないが、エチレンイソ
フタレート単位を20〜50モル%の割合で共重合させ
たエチレンテレフタレートおよび/またはブチレンテレ
フタレート系のポリエステル重合体からなる粒子を挙げ
ることができる。
たは二次基布4が、ポリオレフィン系重合体から主とし
て形成されている場合は、それらを構成しているポリオ
レフィン系重合体よりも低い融点を有するオレフィン系
重合体(例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン/アクリル酸共重合体)の粒子を用いるのが、更にパ
イル糸1、一次基布2および/または二次基布4がポリ
アミド系重合体から主として形成されている場合は、そ
れらを構成しているポリアミド系重合体よりも融点の低
いポリアミド系重合体の粒子などが用いられる。しかし
ながら、勿論、熱融着性重合体粒子の種類は上記のもの
に限定されず、特に一次基布2と二次基布4との間の接
着が強固に行われる限りは、一次基布2および/または
二次基布4を構成している素材(重合体)の種類とは異
なる熱融着性重合体粒子を用いてもよい。
着性重合体粒子の粒径は、液状の接着剤3の一次基布2
の裏面への施し方、一次基布2および/または二次基布
4の目の粗さ(目付)などに応じて調節するのがよい。
例えば、液状の接着剤3を予め起泡させた状態にしてパ
イル糸1をタフティングした一次基布2の裏面に施す場
合は、起泡が行われ易いように、熱融着性重合体粒子の
粒径を50メッシュ以下にしておくのが好ましく、10
0メッシュ以下であるのがより好ましい。この場合に、
熱融着性重合体粒子の粒径が50メッシュよりも大きい
と、熱融着性重合体粒子が液体部分から分離して均一な
起泡物が得られない。一方、起泡を行わないで例えば通
常のローラー塗工、流延塗工、カレンダー塗工などによ
って一次基布2の裏面に施す場合は、熱融着性重合体粒
子の粒径は20メッシュ以下、好ましくは30メッシュ
以下であればよい。
粒子の含有割合は、接着剤3の重合体成分(熱融着性重
合体粒子以外の重合体固形分)、液体媒体および熱融着
性重合体粒子をも含めた液状の接着剤3の全重量に基づ
いて、約5〜50重量%であるのが、接着強度、接着剤
の一次基布2の裏面への塗工の均一性や塗工作業の行い
易さなどの点から好ましく、10〜40重量%であるの
が好ましい。また、液状の接着剤3中における、熱融着
性重合体粒子:それ以外の接着剤成分(液体媒体および
熱融着性重合体粒子以外の重合体固形分)の割合は、重
量比で5:95〜60:40であるのが、接着剤の一次
基布2への施し易さ、接着強度などの点から好ましい。
面積当たりの塗工量について見ると、一次基布2からパ
イル糸1が抜けるのを防止し、且つ一次基布2と二次基
布4との接着を強固にするために、一次基布2の裏面1
m2に対して、接着剤成分(液体媒体および熱融着性重
合体粒子以外の重合体固形分)の塗工量が20〜300
g、好ましくは40〜250gであり、熱融着性重合体
粒子の塗工量が30〜250gであるのが好ましい。接
着剤成分および熱融着性重合体粒子の塗工量が上記の範
囲よりも少ないと、パイル糸1の抜け防止および一次基
布2と二次基布4との間の充分な接着が達成されにくく
なり、一方上記の範囲よりも多いと、パイル状敷物が硬
くなって風合が損なわれ、しかも経済的ではない。
次基布2の裏面に対して熱融着性重合体粒子を分散含有
する液状の接着剤3を上記のようにして施した後に、二
次基布4を一次基布2の接着剤3を施した面(裏面)に
重ね合わせて配置し、次いで接着剤3中の熱融着性重合
体粒子の熱融着温度以上の温度(二次基布が熱融着性バ
インダー繊維を含む場合は熱融着性重合体粒子および熱
融着性バインダー繊維の熱融着温度以上の温度)に加熱
して、熱融着性重合体粒子の溶融、および場合によって
はそれ以外の接着剤成分の溶融や反応、熱融着性バイン
ダー繊維の熱融着なども行わせて、一次基布2と二次基
布4とを接着させて積層一体化して、本発明のパイル状
敷物を製造する。
2の裏面への二次基布4の配置(重ね合わせ)は、接着
剤3が乾燥する前に直接そのまま行っても、または一次
基布2の裏面に施した接着剤3の層をそこに含まれる熱
融着性重合体粒子の熱融着が生じないような温度で乾燥
処理して接着剤中の水などの媒体を除去する乾燥処理を
行ってからであってもよく、特に乾燥処理を経てから行
う後者の方法を採用した場合には、一次基布2と二次基
布4とを膨れなどを生ずることなく、強固に且つ円滑に
接着させることができるので望ましい。
パイル糸1の一次基布2への接着固定は、一次基布2の
裏面に熱融着性重合体粒子を分散含有させた液状の接着
剤3を塗工した際に行っても、一次基布2の裏面に塗工
した接着剤3を乾燥処理する際に行っても、熱融着性重
合体粒子を加熱溶融して一次基布2と二次基布4とを熱
融着一体化する際に行っても、またはそれらの一連の工
程を通して徐々に行ってもよいが、熱融着性重合体粒子
を加熱溶融して一次基布2と二次基布4とを熱融着一体
化する際にパイル糸1の一次基布2への接着固定を同時
に行うのがパイル糸1を一次基布2に接着固定するため
の特別の熱処理工程を必要としないので望ましい。
は、熱融着性重合体粒子の熱融着作用によって、また二
次基布4が熱融着性バインダー繊維を含んでいる場合は
熱融着性重合体粒子の熱融着性作用と該熱融着性バイン
ダー繊維の熱融着作用の両方によって行われるが、それ
らの熱融着処理は、重ね合わせた一次基布2と二次基布
4を、熱融着性重合体粒子および熱融着性バインダー繊
維の熱融着温度以上の温度に加熱した加熱装置を用い
て、連続的にまたはバッチ式に行うことができる。前記
の加熱装置の例として、テンター式ドライヤー、シュリ
ンクサーファーなどを挙げることができ、特にテンター
式ドライヤーを使用した場合には、一次基布2および二
次基布4を縦および横方向から軽く引っ張って平坦さを
保ちながら加熱、積層処理を連続的に行うことができる
ので、一次基布2と二次基布4をその全面に亙って均一
に接着させることができる。
装置によって一次基布2と二次基布4との間に介在する
熱融着性重合体粒子などを熱融着した積層体は、加熱装
置から出た直後に、例えばマングルロールやその他の押
圧手段を通して、パイル糸1の斜向や倒れなどが生じな
いようにしながら、重ね合わせた一次基布2と二次基布
4に適当な圧力をかけて両者を圧着してその接着をより
強固なものにするのが好ましい。
どの処理条件は、液状の接着剤3中の接着成分(重合体
固形分)の種類、接着剤3中に分散させた熱融着性重合
体粒子、二次基布4中に含まれる熱融着性バインダー繊
維の内容、パイル糸1、一次基布2、二次基布4の素材
の種類などに応じて選択調節することが必要であるが、
一般に、110〜180℃の温度で5〜20分の熱処理
条件で行うようにするのが好ましい。また、加熱装置を
出た後のマングルロールの間隙(押圧力)、他の押圧手
段の圧力なども、パイル糸1の斜向や倒れなどが生じな
いように調節することが必要である。
など)またはパイル状敷物を製造した後の染色などによ
って任意の色調に染色したり、模様付けしておくことが
できる。また必要に応じて、帯電防止剤、湿潤剤、難燃
剤、防黴剤、殺菌・殺虫剤、光安定剤、酸化防止剤など
の任意の剤をパイル糸、一次基布、二次基布などを構成
する材料中に予め含有させておいても、またはパイル状
敷物の製造後にそれらの剤を用いて処理を行ってもよ
い。
性、形態安定性、弾力性、耐久性、ソフトな風合、外観
などの特性を活かして、室内用のカーペット、玄関マッ
ト、部屋の入り口用マット、浴室用マット、台所用マッ
ト、廊下用マットなどの家庭や各種の建物内で使用する
ことができ、更に自動車、鉄道車両、航空機などの種々
の分野でも有効に使用することができる。
説明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の
例中、一次基布と二次基布との間の剥離強度、パイル糸
の引き抜き強度およびカーペットの風合は、それぞれ下
記のようにして測定または評価した。
が2cmのサンプルを用いて、JIS L−1021の
「6.14 裏張り材のはく離強さ測定法」に準拠して
測定した。
021の「6.13 パイル糸引抜き強さ測定法」に準
拠して測定した。
触れてみて、ソフトで底つき感のない風合である場合を
○(良好)、一方粗硬な風合である場合を×(不良)と
して評価した。
繊維(ポリエチレンテレフタレート短繊維;単繊維繊度
8デニール、繊維長131mm)を用いてセミ梳毛方式
によってポリエステル紡績糸(番手W−1/4)を製造
し、これをパイル糸として用いた(以下単にポリエステ
ル繊維という場合はポリエチレンテレフタレート繊維を
表す)。 (2) 上記(1)で得られたパイル糸を、ポリエステ
ル繊維不織布よりなる一次基布(目付120g/m2)
に、パイル部の目付が700g/m2(毛足の長さ:約
7mm)となるようにゲージ間隔1/10(インチ)、
ステッチ10本/インチの条件でタフティングした。
芯成分がポリエチレンテレフタレートからなり鞘成分が
イソフタール酸単位を45モル%の割合で共重合させた
エチレンテレフタレート系共重合体(芯:鞘の重量比=
1:1、単繊維繊度=3デニール、繊維長=64mm)
からなる芯鞘型複合繊維を準備し、この複合繊維の10
0重量部を、ポリエステル繊維[単繊維繊度4デニール
と単繊維繊度6デニールのポリエステル繊維の50:5
0(重量比)混合物、繊維長=64mm]100重量部
とを混合して、目付200g/m2の繊維ウエブを形成
し、この繊維ウエブを、ポリエステル繊維織布からなる
芯基布(目付120g/m2)の両面にそれぞれ重ねて
ニードリングして、二次基布を製造した。
接着剤[吉村油化学(株)製「ユカレジンPES−10
2」;樹脂固形分30重量%]100重量部に、熱融着
性重合体粒子としてポリエステル共重合体粒子(イソフ
タル酸単位を45モル%の割合で共重合させたエチレン
テレフタレート系共重合体粒子;熱融着温度110℃、
粒径100メッシュ)30重量部を加えてよく混合して
分散させ、熱融着性ポリエステル共重合体粒子を分散含
有する水分散型ポリエステル樹脂接着剤を調製した(こ
の接着剤中における熱融着性ポリエステル共重合体子:
それ以外のポリエステル樹脂接着剤固形分の重量比=
1:1)。
イル糸をタフティングした一次基布の裏面に、上記
(4)で調製した熱融着性ポリエステル共重合体粒子を
分散含有する水分散型ポリエステル樹脂接着剤を、熱融
着性ポリエステル共重合体粒子の目付が200g/
m2、それ以外のポリエステル樹脂接着剤固形分の目付
が200g/m2になるようにして手作業で塗布した
後、100℃の温度で5分間乾燥室内で乾燥して、中間
製品を得た。 (6) 次いで、上記(5)で得られた中間製品の裏面
側に上記(3)で製造した二次基布を重ね合わせた後、
テンター式乾燥機(大栄科学機器製作所製「ピンタンタ
ー型ベーキング試験装置」)中で150℃の温度で15
分間熱処理し、乾燥機から出た直後にマングルロール
(ロール間隙=2mm)を通過させて圧着して、本発明
のパイル状敷物(パイル状カーペット)を製造した。そ
の結果得られたパイル状カーペットについて、一次基布
と二次基布との間の剥離強度、パイル糸の引き抜き強度
および風合を上記した方法で測定または評価したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。
(5)において、パイル糸をタフティングした一次基布
の裏面に工程(4)で調製した熱融着性の共重合ポリエ
ステル樹脂粒子を分散含有する水分散型ポリエステル樹
脂接着剤を塗工する際に、熱融着性共重合ポリエステル
樹脂粒子の目付が50g/m2、それ以外のポリエステ
ル樹脂接着剤固形分の目付が50g/m2になるように
その塗工量を変えた以外は実施例1と全く同様にして、
本発明の本発明のパイル状カーペットを製造した。その
結果得られたパイル状カーペットについて、一次基布と
二次基布との間の剥離強度、パイル糸の引き抜き強度お
よび風合を上記した方法で測定または評価したところ、
下記の表1に示すとおりであった。
合したエチレンテレフタレート系共重合体をスパンポン
ド法で溶融紡糸して単繊維繊度が3デニールの共重合ポ
リエステル繊維を製造し、この繊維を用いてニードルパ
ンチ法によってサンドイッチ用バインダー不織布(目付
50g/m2)を製造した。 (2) 一方、実施例1における工程(5)において、
熱融着性ポリエステル共重合体粒子を含有しない水分散
型ポリエステル樹脂接着剤[吉村油化学(株)製「ユカ
レジンPES−102」;樹脂固形分30重量%]をそ
のまま接着剤として用いて、この接着剤を実施例1の工
程(5)におけるのと同様にして、実施例1の工程
(2)で得られたのと同じパイル糸をタフティングした
一次基布の裏面に、ポリエステル樹脂接着剤固形分の目
付が200g/m2になるようにして手作業で塗布した
後、100℃の温度で5分間乾燥室内で乾燥して、中間
製品を得た。
間製品の裏面側と、実施例1における工程(3)で得ら
れたのと同じ二次基布との間に、上記(1)で得られた
サンドイッチ用バインダー不織布を挟んで、実施例1の
工程(6)で用いたのと同じテンター式乾燥機中で15
0℃の温度で15分間熱処理し、乾燥機から出た直後に
マングルロール(ロール間隙=2mm)を通過させて圧
着して、パイル状カーペットを製造した。その結果得ら
れたパイル状カーペットについて、一次基布と二次基布
との間の剥離強度、パイル糸の引き抜き強度および風合
を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表
1に示すとおりであった。
いて、サンドイッチ用バインダー不織布を挟まなかった
以外は比較例1と同様にしてパイル状カーペットを製造
し、得られたパイル状カーペットについて、一次基布と
二次基布との間の剥離強度、パイル糸の引き抜き強度ま
たは風合を上記した方法で測定および評価したところ、
下記の表1に示すとおりであった。
られたのと同じパイル糸をタフティングした一次基布の
裏面に、ゴムラテックスを、ゴム固形分の目付が800
g/m2になるようにして塗布した後、これに二次基布
としてジュート織布(目付100g/m2)を重ね合わ
せて、実施例1の工程(6)で用いたのと同じテンター
式乾燥機中で130℃の温度で15分間熱処理してパイ
ル状カーペットを製造した。その結果得られたパイル状
カーペットについて、一次基布と二次基布との間の剥離
強度、パイル糸の引き抜き強度または風合を上記した方
法で測定および評価したところ、下記の表1に示すとお
りであった。
られた、パイル糸をタフティングした一次基布の裏面
に、180℃の温度に加熱溶融した塩化ビニル樹脂をカ
レンダーロールを用いて塩化ビニル樹脂の目付が220
0g/m2になるようにして積層成形して、塩化ビニル
樹脂層がそのまま裏打層(二次基布)を兼用するパイル
状カーペットを製造した。その結果得られたパイル状カ
ーペットにおける一次基布と二次基布(塩化ビニル樹脂
裏打層)との間の剥離強度、パイル糸の引き抜き強度お
よび風合を上記した方法で測定および評価したところ、
下記の表1に示すとおりであった。
ィングした一次基布の裏面と二次基布との間に、熱融着
性重合体粒子(熱融着性ポリエステル共重合体粒子)を
分散含有させた液状の接着剤(水分散型ポリエステル樹
脂接着剤)を施して、一次基布へのパイル糸の接着固定
および一次基布と二次基布との接着を行ったパイル状カ
ーペットを製造している本発明の実施例1および実施例
2の場合には、得られるパイル状カーペットは、その全
体の目付が小さく軽量であるにも拘わらず(特に比較例
4のカーペットに比べて)、一次基布と二次基布との間
の剥離強度が大きくて形態安定性および耐久性に優れて
おり、パイル糸の抜けがなく、しかも風合も良好である
ことがわかる。
着性ポリエステル共重合体粒子)を含まない水分散型ポ
リエステル樹脂接着剤を用いてる比較例1では、一次基
布と二次基布との間に熱融着性バインダー不織布を挿入
して一次基布と二次基布との接着を行っているにも拘わ
らず、一次基布と二次基布との間の剥離強度が実施例1
および実施例2のカーペットに比べて大幅に小さくて、
形態安定性おより耐久性に劣っていることがわかる。そ
して、比較例1と同様に熱融着性重合体粒子(熱融着性
ポリエステル共重合体粒子)を含まない水分散型ポリエ
ステル接着剤のみを使用し熱融着性バインダー不織布を
挿入しないカーペットを製造している比較例2の場合
は、そこで得られたパイル状カーペットにおいて、一次
基布と二次基布との間の剥離強度が実施例1および実施
例2のカーペットに比べて著しく劣っており、形態安定
性おより耐久性がほとんどないことがわかる。
布の裏面にゴムラテックスを施して一次基布へのパイル
糸の接着固定および一次基布と二次基布(ジュート織
布)接着を行っている比較例3で得られたパイル状カー
ペットは、軽量ではあるものの、やはり一次基布と二次
基布との間の剥離強度が実施例1および実施例2のカー
ペットに比べて大幅に劣っており、形態安定性および耐
久性が不良であることがわかる。そして、パイル糸をタ
フティングした一次基布の裏面に塩化ビニル樹脂をその
まま接着剤兼二次基布として成形して積層している比較
例4で得られたパイル状カーペットは、その重量(目
付)が極めて大きくて取り扱い性に劣っており、しかも
その重量が実施例1のカーペットの約1.7倍もあるに
も拘わらず、一次基布と二次基布との間の剥離強度が、
実施例1のカーペットの約6割程度でしかないことがわ
かる。
れ、ソフトな風合を有し、形態安定性、弾力性、耐久
性、外観などの特性に優れるパイル状敷物を、極めて簡
単な工程で円滑に製造することができる。そして、本発
明のパイル状敷物は、軽量であることによって取り扱い
性に優れ、運搬や敷設などの作業時の労力の負担を大幅
に軽減することができる。更に、本発明において、パイ
ル状敷物を構成するパイル糸、一次基布、二次基布、熱
融着性重合体粒子および液状の接着剤として、熱可塑性
の重合体から主として形成されたものを用いた場合に
は、パイル状敷物の使用が済んだあとに、加熱溶融した
り、再成形などを行って、簡単に再生利用することがで
き、従来大型の粗大ごみとしてその取り扱いが苦慮され
てきた、パイル状敷物の有効利用を達成することができ
る。特に、本発明において、パイル状敷物を構成するパ
イル糸、一次基布、二次基布、熱融着性重合体粒子およ
び液状の接着剤のそれぞれとして、同種または異種の熱
可塑性ポリエステル系重合体で形成されたものを使用し
た場合には、パイル状敷物の軽量性、耐久性、弾力性、
形態安定性などの上記した特性が一層優れたものとな
り、しかもパイル状敷物を構成する各種の材料を熱可塑
性ポリエステル系重合体に統一してあるので、その再生
処理を極めて簡単に且つ円滑に行うことができる。
例を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 パイル糸をタフティングした一次基布の
裏面側に熱融着性重合体粒子を分散含有する液状の接着
剤を施し、接着剤を施した一次基布の裏面側に更に二次
基布を配置して、熱融着処理を行って一次基布と二次基
布との接着を行うことを特徴とするパイル状敷物の製造
方法。 - 【請求項2】 液状の接着剤が、樹脂接着剤の溶液また
は分散液であって、前記の樹脂接着剤の溶液または分散
液中に熱融着性重合体粒子が分散している、請求項1の
製造方法。 - 【請求項3】 液状の接着剤中における、熱融着性重合
体粒子:樹脂接着剤の重量比が5:95〜60:40で
ある請求項2の方法。 - 【請求項4】 積層一体化のための熱融着処理が熱圧着
処理である請求項1〜3のいずれか1項の製造方法。 - 【請求項5】 パイル糸、一次基布、二次基布、熱融着
性重合体粒子および接着剤が、いずれも熱可塑性重合体
から主として形成されている請求項1〜4のいずれか1
項の製造方法。 - 【請求項6】 パイル糸、一次基布、二次基布、熱融着
性重合体粒子および接着剤が、いずれも熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂から主として形成されている請求項5の製
造方法。 - 【請求項7】 二次基布が、熱融着性ポリエステル系樹
脂バインダー繊維を20重量%以上の割合で含有する、
密度0.03〜0.20g/cm3および厚さ0.3〜
1.0cmの不織布である請求項6の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項の方法によ
り得られたパイル状敷物。
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