JP5171098B2 - 石英ガラス製品の製造方法、それに用いるシリカ顆粒とその生成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石英ガラス製品を低コストで高精度に製造する石英ガラス製品の製造方法と、それに用いるシリカ顆粒とその生成方法に関する。
石英ガラスは、一般のガラスに比して、透明性、耐熱性、耐久性などに優れていることから液晶プロジェクタのバックライト光源ユニットの凹面反射鏡など、様々な製品への応用が試みられている。
例えば、硬質ガラスで凹面反射鏡を製造する場合、硼珪酸ガラスを溶融釜で1250℃程度に加熱して溶解し、その溶融したガラスを溶融釜から巻き取る事で取り出し、プレス成形型にて反射鏡基体形状の石英ガラス成形品を得ている。
この場合、高温で溶融した材料を加工するので、約1250℃のガラスに接触する成形金型の損耗は著しいだけでなく、ガラス中に含まれる成分材料が蒸発して金型表面へ付着することもあり、そのため転写性が悪くなり加工精度が著しく劣るものが混在するという問題があった。
特に、最近ではUSBフラッシュメモリ(補助記憶装置の一種)をプロジェクタ装置に差し込むだけで駆動する携帯型液晶プロジェクタが開発され、光源ユニットに用いられる反射鏡も小型軽量化・高反射効率が求められており、加工精度の劣るものは不良品とせざるを得ないため生産効率が低下する。
更に、その硬質ガラスの耐熱性もせいぜい600℃程度であり、それ以上の温度では、ランプ点灯中の熱応力や、熱履歴のために高温部からクラックが入り、壊れてしまう恐れがあるので、小型で大容量ランプとの光源ユニットには使用できなかった。
このため、より耐熱性の高い石英ガラスで製造することが試みられているが、この種の凹面反射鏡を石英ガラスで製造する場合は、その成形工程で、石英をより高温の2000℃程度に加熱溶融して所望の形状に固める必要があり、そのような高温条件下において工業的に使用可能な耐熱性・耐久性を有する型は存在しない。
また、加工温度が約2000℃と著しく高温であるため、エネルギーの消費量が多く、ひいては地球温暖化ガスであるCOの大量発生につながるという懸念がある。
そこで本出願人は、球状シリカにバインダを添加し、これを顆粒状に造粒したシリカ顆粒を金型に入れて乾式プレス成形することにより焼結用成形体を作成し、この成形体を大気中の酸化性雰囲気または還元性雰囲気で加熱焼結して石英ガラス製品を製造する乾式プレス成形法を提案した。
特開2006−199522
これによれば、任意の形状の石英ガラス製品を製造する場合に、熟練を必要とせず、量産しても寸法制度が確保されるため、製造コストを格段に低減できるし、焼結温度も比較的低温で済むので、エネルギーの消費量が少なくて済み、その分、COの発生も抑制することができるというメリットがある。
しかしながら、開口径(円形開口の粒径又は方形開口の一辺の長さ)50mm程度の小型凹面反射鏡を作製する場合には、シリカ顆粒を高い圧力でプレスしても設計値通りの面形状が得られない問題があった。
また、従来のシリカ顆粒を用いて厚さが4〜6mm程度の凹面反射鏡を製造する際に、石英ガラスを緻密化させ透光性を得るためには焼結時間を長くする必要があり、その結果、反射鏡の表面にクリストバライト結晶相ができてランプの点灯消灯の繰り返しによる熱応力で反射鏡にクラックが発生するものがあった。
そこで本発明は、小型プロジェクタの光源ユニットに用いられる小型凹面反射鏡のように使用条件・設計条件が厳しくても、その条件を満足する程度の耐熱性を有し、加工精度が極めて高く、しかも緻密で透光性の高い石英ガラス成形品を製造できるようにすることを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明は、シリカ顆粒を成形用金型に充填して乾式プレス成形することにより得られた焼結用成形体を加熱焼結する石英ガラス製品の製造方法であって、体積平均粒径0.1〜2μmのシリカマイクロビーズに対し、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズを混合したものを有機系バインダの水溶液に均一分散させて混合スラリとし、該混合スラリを噴霧乾燥することにより前記有機系バインダを介してシリカマイクロビーズ及びシリカナノビーズを凝集させてなる顆粒を前記シリカ顆粒として用いることを特徴としている。
また、それに使用するシリカ顆粒は、体積平均粒径0.1〜2.0μmのシリカマイクロビーズと、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズが有機系バインダを介して凝集されたことを特徴としている。
さらに、そのシリカ顆粒の生成方法は、体積平均粒径0.1〜2.0μmのシリカマイクロビーズに対し、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズを混合したものを有機系バインダの水溶液に均一分散させて混合スラリとし、該混合スラリを噴霧乾燥させて形成することを特徴としている。
本発明によれば、体積平均粒径0.1〜2.0μmの大きなシリカマイクロビーズと、その隙間に入る小径のシリカナノビーズがバインダを介して凝集されたシリカ顆粒を用いて、これを成形用金型に充填して乾式プレス成形することにより所望の焼結用成形体を成形する。
このとき、シリカナノビーズは、シリカマイクロビーズを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定されているので、焼結用成形体を乾式プレス成形によりシリカマイクロビーズが互いに接する程度に最密充填されたときでも、シリカナノビーズはその隙間を埋めるように充填されることとなり、シリカマイクロビーズの最密充填を阻害することがない。
しかも、シリカナノビーズはその非表面積(BET値)が30〜500m/gに選定されているので、吸着性に優れ、周囲のシリカマイクロビーズ同士を吸着される役割も果たす。
このようにして成形された焼結用成形体を加熱すると、粒子間の接触面積の増大により緻密化して焼結が起こるが、シリカナノビーズは粒径が小さくBET値が大きいため、シリカマイクロビーズと比較して低温度・短時間で表面拡散から粘性流動に至り焼結の駆動力を高める。
したがって、シリカマイクロビーズ間に液相が生成し拡散を高め、次いで毛細管力によりシリカマイクロビーズを引き寄せて粒子間の中心距離を接近させるので全体として融点が降下して低温・短時間で焼結が起こる。
しかも、シリカマイクロビーズ間の隙間に、シリカナノビーズによる液相が形成されて焼結されるので、焼結時に型崩れが起きたり、内部気泡が生じたりすることもなく、極めて緻密で、透明度の高い石英ガラス製品が得られる。
本例では、小型プロジェクタの光源ユニットに用いられる小型凹面反射鏡のように使用条件・設計条件が厳しくても、その条件を満足する程度の耐熱性を有し、加工精度が極めて高く、しかも緻密で外表面に気泡が無く、透光性の高い石英ガラス成形品を製造するという目的を達成するために、体積平均粒径0.1〜2.0μmのシリカマイクロビーズに対し、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズを混合したものを有機系バインダの水溶液に均一分散させて混合スラリとし、該混合スラリを噴霧乾燥することにより前記有機系バインダを介してシリカマイクロビーズ及びシリカナノビーズを凝集させてなるシリカ顆粒を生成し、このシリカ顆粒を成形用金型に充填して乾式プレス成形することにより得られた焼結用成形体を加熱焼結するようにした。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係るシリカ顆粒を示す拡大模式図、図2はその製造方法を示す説明図、図3は石英ガラス製品の製造方法を示す説明図、図4はシリカマイクロビーズの熱変化を示す模式図である。
[シリカ顆粒とその生成方法]
本例に係るシリカ顆粒1は、図1に示すように、体積平均粒径0.1〜2.0μmのシリカマイクロビーズ2Mと、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズ2Nが有機系バインダ3を介して凝集されて顆粒状に形成されている。
このシリカ顆粒1は、有機系バインダ3の水溶液中に、シリカマイクロビーズ2M…とシリカナノビーズ2N…を均一分散させて混合スラリとし、該混合スラリを噴霧乾燥することにより有機系バインダ3を介してシリカマイクロビーズ2M…及びシリカナノビーズ2N…を凝集させて成る。
具体的には、図2に示すように、VCM法により生成されたシリカ微粒子を分級して、シリカマイクロビーズ2Mとシリカナノビーズ2Nを生成し、これらを有機系バインダ3の水溶液に入れて混合スラリ化し、これを噴霧乾燥して生成される。
VCM法は、金属粉末を酸素の気流中に分散させ、着火することで酸化させ、その反応熱で金属を蒸気化または液化させ、これを冷却することで、サブミクロン〜ミクロンオーダの微細な真球状微粒子を生成するものである。
本例では、金属粉末として、金属シリコン粉末を用いている。
そして、このように生成されたシリカ微粒子を精密分級器により分級して、体積平均粒径0.1〜2.0μm(100〜2000nm)のシリカマイクロビーズ2Mと、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズ2Nを生成する。
一般に、比表面積(BET値)Sと粒径dには、以下の関係がある。
=2730/d
:比表面積(m/g)
d :シリカ一次粒子径(nm)
したがって、この式によれば、シリカナノビーズ2Nの粒径は、概ね5〜90nm程度ということになる。
なお、直径Dのシリカマイクロビーズ2Mが正四面体状に最密充填されたとすると、その隙間に入るシリカナノビーズ2Nの直径dは単純計算で約0.15Dとなるから、d≦0.15Dであることが望ましい。
実際には、シリカマイクロビーズ2M及びシリカナノビーズ2Nの粒径は精密分級しても一定にはなり得ず、体積平均粒径にピークのあるガウシアン分布を呈するため、体積平均粒径Dのシリカマイクロビーズ2Mに対し、比表面積(BET値)30〜500m/g、体積平均粒径d≦0.15Dのシリカナノビーズ2Nを用いている。
なお、シリカマイクロビーズ2Mは、真球度が優れていることから、VCM法により製造されたアドマファイン(アドマテックス社の商品名)SO−E2又はSO−C2を用いた。
また、シリカナノビーズ2Nの添加量は、その体積平均粒径により異なる。
体積平均粒径が比較的小さければ、より高密度に充填できるため、多量に添加可能であるが、体積平均粒径が比較的大きい場合に、多量に添加すると、シリカマイクロビーズ2Mの隙間にシリカマイクロビーズ2Nが入りきらないため、シリカマイクロビーズ2Mが最密充填できなくなる。
モデルを単純化し、シリカマイクロビーズ2Mが正四面体状に最密充填されたときのシリカマイクロビーズ2Mの個数をK、その四つのシリカマイクロビーズ2M…の中央に形成される隙間の数をkとすると、k=K−3の関係にあるから、多数のシリカマイクロビーズ2Mが正四面体状に連続して充填されたときにK=∞となるから、その隙間の数k=Kとなる。
この隙間に、シリカナノビーズ2Nが一つずつ充填されると考えると、シリカナノビーズ2Nの個数は隙間の数kに等しく、ひいては、シリカマイクロビーズ2Mの数に等しくなる。
一方、シリカの比重ρとすると、シリカマイクロビーズ2Mの一個あたりの重量Wは、
W=ρπD/6
となり、同様に、シリカマイクロビーズ2Nの一個あたりの重量wは、
w=ρπd/6
となる。
ここで、シリカナノビーズ2Nの直径d=0.15Dのとき、その重量比w/Wの最適値は、
w/W=d/D=0.003=0.3重量%
となり、また、d<0.15Dの場合は、シリカマイクロビーズ2Mに対するシリカナノビーズ2Nの個数比が1:1より大きくなるので、重量比の最適値もこれより大きい。
ただし、前述したように、シリカマイクロビーズ2M及びシリカナノビーズ2Nの粒径は体積平均粒径にピークのあるガウシアン分布を呈するため、単純化されたモデルで算出した通りにはならない。
また、シリカマイクロビーズ2M及びシリカナノビーズ2Nの重量比が最適値よりも小さくても、シリカマイクロビーズ2Mのみを用いる場合よりは、その隙間が少なくなるので十分に効果は期待できる。
本例では、シリカマイクロビーズ2Mに対しシリカナノビーズ2Nを0.1〜10重量%の比率で混合したものを用いた。
次いで、有機系バインダ3の水溶液中に、シリカマイクロビーズ2M…及びシリカナノビース2N…を均一分散させて混合スラリとする。
この場合、シリカビーズ2M、2Nを大気中に放置すると、凝集粒子を作りやすいので、所定量のシリカビーズ2M、2Nを予め個別に水に分散させてスラリ化させておく。
有機系バインダ3は、混合するシリカビーズ2M及び2Nの総重量に対して約1.5〜3.0重量%となるように混合され、本例では、ファインセラミックの成形助剤となるパラフィン系バインダを0.6重量%(融点=55℃)及びステアリン酸系バインダを0.2重量%(融点=100℃)、ポリエーテルを0.4重量%(熱分解温度=250〜300℃)、アクリル樹脂を1.3重量%(熱分解温度=350〜400℃)とし、その総量をシリカビーズ2M及び2Nの約2.5重量%となるように添加した。
そして、その有機系バインダ3の水溶液に、スラリ状態のシリカビーズ2M、2Nを夫々混合し、最終的に、粘性値10〜20mPa・sとなるように純水を加えて、水分率約70〜100%に調整した後、メッシュの個々の開口が縦横38μmに設計されたフィルタにより異物を除去して混合スラリ(懸濁液)を得る。
このように得られた混合スラリに含まれるシリカビーズ2M及び2Nの粒径分布は、シリカマイクロビーズ2Mの体積平均粒径と、シリカナノビーズ2Nの体積平均粒径の二箇所の粒径にピークを有する。
次いで、噴霧乾燥機を用いて、その熱風中に混合スラリを噴霧すると、混合スラリ中の水分が飛ばされて乾燥される過程で、有機系バインダ3が析出し、このバインダ3を介在してシリカマイクロビーズ2M…とシリカナノビーズ2N…が凝集され、直径50μm程度のシリカ顆粒1が生成される。
図1はこのように製造したシリカ顆粒1の模式図であって、シリカマイクロビーズ2…が有機系バインダ3を介して凝集している様子がわかる。
[石英ガラス製品の製造方法]
図3はこのように生成したシリカ顆粒1を用いて、透明石英ガラス製品(ガラス焼結品)を製造する方法を示す説明図である。
まず、シリカ顆粒1を胴型11を構成するダイ12,固定パンチ13,インナーパンチ14に擦切り充填し(図3(a))、上パンチ15を降下させ、その挿通孔15aに胴型11の中心にあるコアロッド16を挿入させながら多軸プレス機を用いて、上パンチ15とインナーパンチ14を圧力制御して、反射鏡成形体Fのどの部位に対しても0.5〜1.0t/cm以上となるように加圧して焼結用成形体Fを成形する(図3(b))。
その後、上パンチ15を引き上げて、ダイ12を下降させながらインナーパンチ14を上昇させ、金型から焼結用成形体Fを抜き出す(図3(c))。
このようにして作成した焼結用成形体Fを伏せて焼成炉18に入れ、雰囲気操作を行わない大気中で1200〜1300℃程度まで昇温して焼結させた(図3(d))。
この場合に、400℃以上の所定温度に維持することにより有機系バインダを除去する予備加熱を行った後、さらに昇温を行い、1000℃を超え焼結温度TMAXに至るまでの昇温速度を90〜130℃/hrとし、焼結温度で所定時間維持した後、冷却過程において少なくとも焼結温度から1000℃までを−500〜−600℃/hrの降温速度で急冷する。
このとき、乾式プレス成形により得られた焼結用成形体Fは室温では、図4(a)に示すように、シリカマイクロビーズ2Mの隙間にシリカナノビーズ2Nが充填されて、有機系バインダ3により互いに結合された状態にある。
そして、焼成炉18の炉内温度が徐々に上昇していき400℃程度に達するまでに、図4(b)に示すように、成形体の表面側から有機系バインダ3が熱分解が開始され、熱分解された有機系バインダ3はガス化されて外部に排出される。その部分は空洞4となるため外層側から多孔質化されていき、その空洞4の部分は内部に酸素を供給する流路になると同時に、その酸素により成形体Fの内側にある有機系バインダ3が熱分解されたときに発生する分解ガスの流路となって、順次、内側の有機系バインダ3が熱分解されていく。
次いで、焼成炉が500℃程度に達すると、図4(c)に示すように、成形体Fの外層側から粒子間が接近し、昇温時間の経過と共に、外部空間と連通していた個々の空洞4が独立して外部空間から鎖されていく。
さらに温度が上昇され、1100℃程度に達すると、シリカマイクロビーズ2M、シリカナノビーズ2Nで表面拡散が生じ、図4(d)に示すように、シリカマイクロビーズ2M…、シリカナノビーズ2N…同士が付着する。さらに1200℃を超えると体積拡散と粘性流動により焼結が進行するが、図4(e)に示すように、シリカナノビーズ2Nが先に粘性流動を起こし焼結を加速する。
そして、最終的には図4(f)に示すように気泡がなく、透明で吸湿性のない緻密な非晶質の石英ガラスとなる。
また、シリカマイクロビーズ2Mに比して、格段に粒径が小さくBET値が大きいシリカナノビーズ2Nを用いており、このシリカナノビーズ2Nは、低温度・短時間で表面拡散から粘性流動に至り焼結の駆動力を高める。したがって、シリカマイクロビーズ2M間にシリカナノビーズ2Nから生じた液相が焼成し拡散を高め、次いで毛細管力によりシリカマイクロビーズを引き寄せて粒子間の中心距離を接近させるので全体として融点が降下し焼結時間を1〜2時間短縮することができ、その結果、反射鏡表面のクリストバライト結晶相の形成を抑えることができ、耐熱衝撃性に優れた反射鏡が作製できた。
本例で用いた有機系バインダ3に含まれる成分中、パラフィン系バインダ及びステアリン酸系バインダは65〜100℃で液化され、ポリエーテルは250〜300℃で熱分解され、アクリル樹脂は350〜400℃で熱分解されるため、成形体Fの内部空間が外部から鎖される前に液化・熱分解され、十分な酸素存在下でガス化させて除去することができる。
したがって、これらの炭素やナトリウム成分が残存してクリストバライト化することもなく、非晶質の透明石英ガラス製品を製造することができた。
そして、焼成炉18の炉内温度が室温まで冷却されると、焼結用成形体Fはガラス化されて透明石英ガラス製品である反射鏡基体Mが得られた。
この反射鏡基体Mの表面を数千倍の顕微鏡で観察したが、どこを観察しても粗面となる部分が見当たらず、凹凸がなく極めて緻密で良好な透明石英ガラス製品を製造することができた。
次いで、その内面に多層反射膜を形成して反射鏡を形成し、定格150Wの高圧水銀蒸気放電ランプと組み合わせた光源ユニットを作成したところ、熟練者が作成した同じ形状寸法の試作反射鏡と組み合わせた光源ユニットに比して同等の明るさが得られた。
上述したように、シリカマイクロビーズ2Mにシリカナノビーズ2Nを添加すると、プレス加圧段階でシリカ粒子が反射面全域にわたり均一に最密度充填されるため、焼結後に歪の発生がなく面精度が向上する。
反射鏡の内面形状を三次元計測機を用いて調査したところ、設計値からのズレが10μm以下に抑えられており、優れた反射特性が得られた。
また、シリカマイクロビーズ2M…を最密充填したときに、その隙間に充填される比表面積30〜500m/gのシリカナノビーズ2N…の存在により融点が降下するため、焼結温度を低下することができ、焼結時間も短縮できるため、消費エネルギーが少なく大量生産にも適し、地球環境保全に優れる。
さらに、その反射鏡の強度は、ランプに封入した水銀蒸気圧が、安定点当時には凡そ20MPaにもなると言われる超高圧水銀放電ランプの、万が一の破裂時の衝撃に充分耐え得ることから、実用化レベルの最密な反射面を作ることができた。
本発明は、透明石英ガラス製品を、高精度且つ低コストで量産する用途に適用し得る。
本発明に係るシリカ顆粒を示す拡大模式図。 その製造方法を示す説明図。 ガラス焼結品の製造方法を示す説明図。 シリカマイクロビーズの熱変化を示す模式図。
符号の説明
1 シリカ顆粒
2M シリカマイクロビーズ
2N シリカナノビーズ
3 有機系バインダ


Claims (7)

  1. シリカ顆粒を成形用金型に充填して乾式プレス成形することにより得られた焼結用成形体を加熱焼結する石英ガラス製品の製造方法であって、
    体積平均粒径0.1〜2.0μmのシリカマイクロビーズに対し、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズを混合したものを有機系バインダの水溶液に均一分散させて混合スラリとし、該混合スラリを噴霧乾燥することにより前記有機系バインダを介してシリカマイクロビーズ及びシリカナノビーズを凝集させてなる顆粒を前記シリカ顆粒として用いることを特徴とする石英ガラス製品の製造方法。
  2. 前記シリカ顆粒は、シリカマイクロビーズに対しシリカナノビーズが0.1〜10重量%の比率で混合されてなる請求項1記載の石英ガラス製品の製造方法。
  3. 前記石英ガラス製品が凹面反射鏡基体である請求項1又は2記載の石英ガラス製品の製造方法。
  4. 成形用金型に充填して乾式プレス成形することにより得られた焼結用成形体を焼結して石英ガラス製品を製造する際に使用するシリカ顆粒であって、
    体積平均粒径0.1〜2.0μmのシリカマイクロビーズと、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズが有機系バインダを介して凝集されたことを特徴とするシリカ顆粒。
  5. シリカマイクロビーズに対しシリカナノビーズが0.1〜10重量%の比率で混合されてなる請求項4記載のシリカ顆粒。
  6. 成形用金型に充填して乾式プレス成形することにより得られた焼結用成形体を焼結して石英ガラス製品を製造するシリカ顆粒の生成方法であって、
    体積平均粒径0.1〜2.0μmのシリカマイクロビーズに対し、これを加圧充填したときにその隙間に入る粒径及び量に選定された比表面積(BET値)30〜500m/gのシリカナノビーズを混合したものを有機系バインダの水溶液に均一分散させて混合スラリとし、該混合スラリを噴霧乾燥させて形成することを特徴とするシリカ顆粒の生成方法。
  7. シリカマイクロビーズに対しシリカナノビーズが0.1〜10重量%の比率で混合されてなる請求項6記載のシリカ顆粒の生成方法

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