JP6744172B2 - 鋳造品を製造するための成形品モデルの積層体の製造方法及びこの成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法 - Google Patents

鋳造品を製造するための成形品モデルの積層体の製造方法及びこの成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋳造品をロストワックス法で製造するための熱可塑性樹脂からなる成形品モデルの積層体を製造する方法と、この成形品モデルの積層体を用いて鋳造品を製造する方法に関するものである。
従来、光硬化樹脂からなり被鋳造物と略同一形状の消失性模型の表面に耐火物を被覆して鋳型の前駆体を形成し、光硬化樹脂の分解温度以上の温度で前駆体の内部に酸素含有気体を吹込んで消失性模型を燃焼除去する精密鋳造用鋳型の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この精密鋳造用鋳型の製造方法では、消失性模型を光造形法により作製する。この光造形法は、被鋳造物の3次元形状データをコンピュータに入力し、この値に基づいて光硬化樹脂液の所定位置に光(レーザ、紫外線等)を照射し、樹脂を硬化させて行われる。そして、硬化した部分を高さ方向に移動させ、未硬化の樹脂液に対して同様に光を照射することにより、樹脂液を順次高さ方向に硬化させて樹脂模型を作製する。光造形法を用いた場合、3次元形状データから直接模型が作製されるため、複雑な形状や薄肉を有する模型を高い精度で、容易に作製することができ、鋳型の生産効率も向上できる。また、被鋳造物と同一形状の中空状の消失性模型を作製する。ここで、消失性模型を中空にすると、樹脂の使用量が減り、樹脂の燃焼時間を短縮できる。更に、鋳型の前駆体の内部に酸素含有気体を吹込む方法としては、湯口に吹込みノズルの先端を対向させ、このノズルから酸素含有気体を吹込むことができる。酸素含有気体としては、空気を用いることができるが、酸素の富化されたガスを用いてもよい。
このように構成された精密鋳造用鋳型の製造方法では、樹脂を燃焼させる際に十分な酸素を供給することができ、樹脂の燃焼に伴って周囲の酸素濃度が低下するのを抑制することができるので、樹脂の燃焼が促進され、樹脂の大部分は短時間に一気に燃焼除去される。このため、樹脂の熱膨張による鋳型への応力負荷が低減され、鋳型の破壊を防止できる。そして、樹脂の大部分が除去されれば、樹脂の熱膨張による鋳型への影響は無視できるので、その後、十分な時間をかけて鋳型内部の残渣(スート)を完全に燃焼除去できる。
一方、骨材成分の合計質量を基準としてジルコンサンド80〜25質量%とジルコンフラワー0〜45質量%を含み、上記ジルコンサンド及びジルコンフラワーの合計が骨材成分の合計の52〜80質量%であり、骨材成分の合計質量を基準として溶融シリカ10〜25質量%とケイセキ0〜15質量%を含み、上記溶融シリカ及びケイセキの合計が骨材成分の合計の10〜40質量%であり、骨材成分の合計質量を基準としてミルドファイバ8〜15質量%を含み、更に骨材成分の合計質量1kgを基準としてエチルシリケート加水分解液200〜400cm3と硬化剤0.5〜3cm3を含む光硬化樹脂消失モデル用鋳型材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この光硬化樹脂消失モデル用鋳型材料では、ミルドファイバは、ガラス繊維を粉砕した粉末状又は綿状の外観を有するものであり、その平均繊維長は30〜300μmであり、その平均径は8〜15μm程度であり、その断面の平均径と長さとの比(アスペクト比)は2.0〜40程度である。
このように構成された光硬化樹脂消失モデル用鋳型材料を用いて消失モデルを作製するには、先ず、コンピュータ上でCADにより鋳型模型を厚さ数十〜数百μm単位の複数層に平行スライスしたときの各断面パターンのデータを作成する。次に、このデータを、光造形装置の制御装置に入力し、光硬化樹脂の溶液を貯留した造形槽内に配置した昇降台座を液面から上記スライスした一層分の厚みに相当する深さに設定し、この液面にXY−スキャナ付きのレーザヘッドから発せられるレーザビームを最下層の断面パターンに沿って照射することにより、この断面パターン形状の光硬化樹脂層を形成する。更に、昇降台座を上記一層分の厚みだけ下降させ、リコータにて光硬化樹脂層上に溶液を行き渡らせ、同様にレーザビームを照射して第二層の断面パターンに対応する光硬化樹脂層を形成し、以降同様にして順次一層分ずつ昇降台座を下降させてレーザビームを照射することにより、最終的に平行スライスした全ての断面パターンに対応する光硬化樹脂層を積層した消失モデルを作製する。
このように製造された消失モデルを用いて鋳型を作製すると、消失モデルの熱膨張に耐え、寸法精度が高く、鋳型の破損が少なく、更に強度のある鋳型を製造できる。また、この鋳型を用いて鋳造品を作製すると、優れた寸法精度、鋳肌を有する鋳造品を効率良く製造できる。
特開2000−254759号公報(請求項1、段落[0010]、[0012]、[0015]、[0025]、[0026]、図1) 特開2006−247685号公報(請求項1、段落[0022]、[0026]、[0028])
しかし、上記従来の特許文献1に示された精密鋳造用鋳型の製造方法では、光造形法により作製された消失性模型が硬化後に架橋構造になるため、この消失性模型は加熱しても溶けず、消失性模型が鋳型内で燃焼したときに膨張することにより鋳型が損傷してしまう不具合があった。また、上記従来の特許文献1に示された精密鋳造用鋳型の製造方法では、消失性模型が光造形法によって作製されているため、消失性模型の表面に一定ピッチでの凹凸が存在し、それを元に作成された鋳型のキャビティ表面にも凹凸が形成されるため鋳造品の表面粗さが大きくなる問題点があった。更に、上記従来の特許文献1に示された精密鋳造用鋳型の製造方法では、鋳型の前駆体の内部に酸素含有気体を吹込むために、鋳型の前駆体の湯口に吹込みノズルの先端を対向させる工夫をしなければならず、既存の鋳造設備をそのまま用いることができない問題点もあった。
一方、上記従来の特許文献2に示された光硬化樹脂消失モデル用鋳型材料により作製した消失モデルでは、光造形装置により作製された消失モデルが硬化後に架橋構造になるため、この消失モデルは加熱しても溶けず、消失モデルが鋳型内で燃焼し、ガス化するまで膨張を続けることにより鋳型が損傷してしまう問題点があった。また、上記従来の特許文献2に示された光硬化樹脂消失モデル用鋳型材料により作製した消失モデルでは、消失モデルが光造形装置によって作製されているため、消失モデルの表面に一定ピッチでの凹凸が存在し、それを元に作成された鋳型のキャビティ表面にも凹凸が形成されるため鋳造品の表面粗さが大きくなる問題点があった。更に、上記従来の特許文献2に示された光硬化樹脂消失モデル用鋳型材料により作製した消失モデルでは、この消失モデルを用いて鋳型を作製した後に加熱することにより消失モデルを燃焼し消失させるけれども、鋳型材料に含まれていたミドルファイバ(粉砕されたガラス繊維)が鋳型内に残存するため、この鋳型を用いて作製された成形品の表面粗さが大きくなる問題点もあった。
本発明の第1の目的は、硬化後に架橋しない熱可塑性樹脂からなる成形品モデルの積層体を用い、この成形品モデルの積層体が加熱したときに溶けることにより、燃焼し、ガス化するまでの膨張負荷が鋳型にかかりにくく、鋳型を損傷させない、鋳造品を製造するための成形品モデルの積層体の製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、成形品モデルの積層体の表面粗さを小さくすることにより、この成形品モデルの積層体を用いて作製された鋳型の内面の面粗さを小さくして、この鋳型を用いて作製された鋳造品の表面粗さを小さくすることができる、鋳造品を製造するための成形品モデルの積層体の製造方法及びこの成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法を提供することにある。本発明の第3の目的は、ワックスツリーを燃焼し消失させるために、ワックスツリーが加熱されたときに、ワックスツリーが速やかに軟化して溶融することにより、ワックスツリーの熱膨張による鋳型の損傷を防止できる、成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法を提供することにある。本発明の第4の目的は、ワックスツリーを燃焼し消失させるときに発生するガス等をスムーズに排出できる、成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法を提供することにある。本発明の第5の目的は、ワックスツリーを燃焼させるために必要な空気をスムーズに導入でき、鋳造品を既存の鋳造設備をそのまま用いて製造できる、成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法を提供することにある。本発明の第6の目的は、ワックスツリーの燃焼後に不燃残渣が鋳型内に残らず、この鋳型を用いて表面が滑らかな鋳造品を製造できる、成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1及び図2に示すように、鋳造品11をロストワックス法で製造するために3次元プリンタ13を用いた熱溶解積層法により熱可塑性樹脂からなる成形品モデルの積層体12を中空状に積層造形する工程と、この成形品モデルの積層体12の表面にパラフィン系ワックス又はカルナバワックスをコーティングする工程とを含む鋳造品11を製造するための成形品モデル12の積層体の製造方法であって、成形品モデルの積層体12内部に空隙が形成され、この成形品モデルの積層体12の壁の厚さが少なくとも0.4mmに形成され、上記空隙の割合が成形品モデルの積層体12の壁の体積を除いた成形品モデルの積層体内部の体積を100%とするとき20%以上であることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、図2及び図3に示すように、第1の観点に記載の方法で製造された成形品モデルの積層体12に、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のゲートモデル17を介して、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のスプルーモデル18を接着してワックスツリー19を作製する工程と、このワックスツリー19の表面に鋳型15を作製してこの鋳型15内のワックスツリー19を燃焼して消失させるとともに鋳型15を焼成する工程と、この焼成された鋳型15内に溶融金属を流し込んで冷却した後に鋳型15を除去してゲート22及びスプルー23付きの鋳造品11を取出す工程と、ゲート22及びスプルー23付きの鋳造品11からゲート22及びスプルー23を切り離して鋳造品11を得る工程とを含む成形品モデルの積層体12を用いた鋳造品11の製造方法であって、中空状のスプルーモデル18がパラフィン系ワックス又はカルナバワックスからなるとき、この中空状のスプルーモデル18の壁の厚さが1mm〜20mmであり、中空状のゲートモデル17がパラフィン系ワックス又はカルナバワックスからなるとき、この中空状のゲートモデル17の壁の厚さが1mm〜20mmであることを特徴とする。
本発明の第1の観点の成形品モデルの積層体の製造方法では、3次元プリンタを用いた熱溶解積層法により熱可塑性樹脂からなる成形品モデルの積層体を中空状に積層造形したので、高価な金型を用いずに複雑な形状の成形品モデルの積層体を容易に作製できる。また、成形品モデルの積層体を硬化後に架橋しない熱可塑性樹脂により形成したので、この成形品モデルの積層体が加熱したときに溶けることにより、燃焼し、ガス化するまでの膨張負荷が鋳型にかかりにくい。この結果、鋳型を損傷させることはない。また、成形品モデルの積層体の表面にパラフィン系ワックス又はカルナバワックスをコーティングしたので、成形品モデルの積層体の表面に生じた上記積層造形による積層段差がパラフィン系ワックス又はカルナバワックスにより埋められ、成形品モデルの積層体の表面粗さを小さくすることができる。この結果、成形品モデルの積層体を用いて作製された鋳型の内面の面粗さが小さくなるので、この鋳型を用いて作製された鋳造品の表面粗さを小さくすることができ、表面が滑らかな鋳造品を得ることができる。
本発明の第2の観点の成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法では、上記成形品モデルの積層体に、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のゲートモデルを介して、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のスプルーモデルを接着してワックスツリーを作製し、このワックスツリーの表面に鋳型を作製してこの鋳型内のワックスツリーを燃焼して消失させるとともに鋳型を焼成したので、鋳型及びワックスツリーを比較的速い昇温速度で加熱すると、可塑化温度が存在する熱可塑性樹脂やパラフィン系ワックス等により大部分が構成されたワックスツリーは熱膨張する前又は熱膨張すると略同時に軟化して溶融する。この結果、ワックスツリーの熱膨張により鋳型が損傷するのを防止できる。また、溶融したワックスツリーは燃焼して二酸化炭素や水蒸気などのガス等が発生するけれども、これらのガス等は、ワックスツリーの溶融により連通した煙突状の鋳型内を通ってスムーズに排出される。具体的には、鋳型のキャビティ(鋳造品を製造する部分)で発生したガス等は、ゲート及びスプルーを通って鋳型外にスムーズに排出される。
また、上記ワックスツリーを燃焼させるための空気は、ワックスツリーの溶融により連通した煙突状の鋳型内を通ってスムーズに導入される。具体的には、キャビティで溶融した成形品モデルの積層体を燃焼させるための空気は、スプルー及びゲートを通って上記キャビティにスムーズに導入される。この結果、鋳型の前駆体の湯口に酸素含有気体を吹込むための吹込みノズルの先端を対向させる工夫が必要があり、既存の鋳造設備をそのまま用いることができない従来の精密鋳造用鋳型の製造方法と比較して、本発明では、鋳型内に酸素含有気体を吹込むための吹込みノズルを用いなくても、上述のように鋳型内に空気をスムーズに導入できるので、鋳造品を既存の鋳造設備をそのまま用いて製造できる。また、ワックスツリーが熱可塑性樹脂及びパラフィン系ワックス又はカルナバワックスのみで形成されているので、このワックスツリーが鋳型内で燃焼したときに、ワックスツリーの殆ど全てが二酸化炭素や水蒸気などのガス等になって排出され、鋳型内に不燃残渣が残らず、鋳型内面に不燃残渣が付着することはない。この結果、上記鋳型を用いて製造された鋳造品の表面粗さが不燃残渣により大きくなることはないので、表面が滑らかな鋳造品を得ることができる。更に、上記成形品モデルを作製した後の工程は、既存のロストワックス法による鋳造設備をそのまま用いて実施できるので、専用又は新規の鋳造設備を構築する必要がなく、製造コストを低減できる。
本発明実施形態の鋳造品を製造するための成形品モデルの積層体を製造する手順を示す要部斜視図である。 その成形品モデルの積層体を用いてワックスツリーを作製する手順を示す断面構成図である。 そのワックスツリーを用いて鋳型を作製した後にこの鋳型を用いて鋳造品を作製する手順を示す断面構成図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお、[本発明の実施の形態]及び[実施例]において、鋳造品をロストワックス法で製造するために3次元プリンタを用いた熱溶解積層法により中空状に積層造形された熱可塑性樹脂からなる成形品モデルの積層体を、単に「成形品モデル」という。図1に示すように、鋳造品11を製造するための成形品モデル12を製造するには、先ず、鋳造品11をロストワックス法で製造するために3次元プリンタ13を用いた熱溶解積層法により熱可塑性樹脂からなる成形品モデル12を中空状に積層造形する。上記鋳造品11は、この実施の形態では、金属により直方体状に形成された物品である。この鋳造品11を構成する金属としては、金、銀、プラチナなどの貴金属や鉄をベースとした合金や、銅合金、アルミ合金、チタン合金などロストワックス法(精密鋳造法)で扱える種々の金属が挙げられる。なお、この実施の形態では、鋳造品を立方体状の物品としたが、直方体状、球体状、円錐体状、多角錐体状、楕円体状、又は一般的な金属の射出成型法では成形できない複雑な形状の物品でもよい。
ここで、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling法:FDM法)は、米国ストラタシス社によって開発された造形法であり、フィラメントと呼ばれる熱可塑性樹脂の巻線を200℃程度の温度で溶解しながら、押出して積層することによって成形体を造形する方法であり、3次元プリンタ13を用いた熱溶解積層法は、加熱して溶解した熱可塑性樹脂を3次元プリンタ13のノズル13aから押出して積層することにより成形体を造形する方法である。また、上記熱可塑性樹脂としては、ポリ乳酸(Poly Lactic Acid:PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene:ABS)、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアセタール等の樹脂が挙げられる。
具体的な成形品モデル12の積層造形の手順を図1及び図2に基づいて説明する。先ず、ベッド16上に熱可塑性樹脂からなるフィラメント12aを、3次元プリンタ13のノズル13aから押出し互いに平行になるように並べて底壁12bを造形した後に、この底壁12bの1辺に沿って3次元プリンタ13のノズル13aからフィラメント12aを押出し積重ねて側壁12cを立設する(図1(a))。次いで、底壁12bの他の3辺についても上記と同様にフィラメント12aを積重ねて3つの側壁12cを立設することにより、底壁12bの4辺が4枚の側壁12cにより囲まれて上面が開放された箱が造形される(図1(b))。次に、この上面が開放された箱の上面に沿って3次元プリンタ13のノズル13aからフィラメント12aを押出して四角枠を形成し、この四角枠の内面に接するように3次元プリンタ13のノズル13aからフィラメント12aを押出して更に四角枠を形成し、この工程を連続的に繰返してフィラメント12aの渦巻き体を形成することにより、箱の上面を閉止する上壁12dを造形して中空の立方体状の成形品モデル12を造形する(図1(c)、図1(d)及び図2(a))。
次に、上記成形品モデル12の表面に、パラフィン系ワックス又はカルナバワックスをコーティングしてワックス層12eを形成する(図1(e)及び図2(b))。パラフィン系ワックスとしては、パラフィンワックスや、パラフィンにポリメタクリル酸メチルの粒子、アガローズの粒子等を分散させたフィラーワックスなどが挙げられる。また、成形品モデル12内部に空隙が形成される。そして、成形品モデル12の壁の厚さは、少なくとも0.4mmに形成されることが好ましく、かつ上記空隙の割合は成形品モデル12の壁の体積を除いた成形品モデル内部の体積を100%とするとき20%以上であることが好ましい。成形体モデル12内部に天井を保持するための柱を立てない場合は、空隙の割合は100%となり、成形体モデル12内部に天井を保持するための柱(図示せず)を立てる場合は、空隙の割合は100%未満となる。例えば、成形体モデル12内部にこの成形品モデル内部の体積の半分を占める柱を立てる場合は、空隙の割合は50%となる。上記柱としては、平面視でS字状に形成された柱等が挙げられる。ここで、成形品モデル12の壁の厚さを少なくとも0.4mmに限定したのは、0.4mm未満では成形品モデル12が損傷するおそれがあるからである。即ち、壁の厚さが0.4mmあれば、構造上十分な強度が得られるからである。このため、成形品モデル12の壁の厚さの上限値は、特に限定されず、0.5mm又は0.6mm程度でよい。また、成形品モデル12内部に形成される空隙の割合を20%以上に限定したのは、20%未満ではワックスツリーの燃焼・消失時に鋳型がワックスツリーの熱膨張により損傷してしまうからである。なお、成形品モデル12内部に形成される空隙の割合は、成形品モデル12の大きさに拘らず壁の厚さが略一定であるため、成形品モデル12が大きくなるに従って大きくなる。
このように製造された成形品モデル12では、高価な金型を用いずに複雑な形状の成形品モデル12を容易に作製できる。また、成形品モデル12の表面に、パラフィン系ワックス又はカルナバワックスをコーティングしてワックス層12eを形成したので、成形品モデル12の表面に生じた上記積層造形による積層段差がパラフィン系ワックス又はカルナバワックスにより埋められ、成形品モデル12の表面粗さを小さくすることができる。この結果、成形品モデル12を用いて作製された鋳型15の内面の面粗さが小さくなるので、この鋳型15を用いて作製された鋳造品11の表面粗さを小さくすることができ、表面が滑らかな鋳造品11を得ることができる。
次に、上記成形品モデル12を用いてロストワックス法により鋳造品11を製造する方法を図2及び図3に基づいて説明する。先ず、成形品モデル12に、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のゲートモデル17を介して、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のスプルーモデル18を接着してワックスツリー19を作製する(図2(c)及び図3(a))。上記パラフィン系ワックスとしては、上記ワックス層12eと同様のワックスが挙げられ、上記熱可塑性樹脂としては、上記成形品モデル12と同様の樹脂が挙げられる。ゲートモデル17は、溶融金属を鋳型のキャビティ(鋳造品となる部分)15aに流し込む入口となるゲート15bを造形するためのモデルである。また、スプルーモデル18は、溶融金属を鋳型15に流し込むときの最初の通路であるスプルー15cを造形するためのモデルである。パラフィン系ワックスやカルナバワックスからなるゲートモデル17及びスプルーモデル18は、金型を作製して射出成形により中空状に形成されることが好ましい。また、熱可塑性樹脂からなるゲートモデル17及びスプルーモデル18は、成形品モデル12と同様に、3次元プリンタ13を用いた熱溶解積層法により中空状に積層造形することができる。上記パラフィン系ワックスやカルナバワックスからなる中空状のスプルーモデル18の壁の厚さは、1mm〜20mmであることが好ましく、3〜5mmであることが更に好ましい。また、パラフィン系ワックスやカルナバワックスからなる中空状のゲートモデル17の壁の厚さは、1mm〜20mmであることが好ましく、3〜5mmであることが更に好ましい。更に、3次元プリンタを用いた熱溶解積層法により中空状に積層造形され熱可塑性樹脂からなるゲートモデル17及びスプルーモデル18の壁の厚さは、0.4mm以上であることが好ましい。
ここで、パラフィン系ワックスやカルナバワックスからなる中空状のスプルーモデル18の壁の厚さを1mm〜20mmの範囲内に限定したのは、1mm未満ではスプルーモデル18の壁の厚さが薄くなり過ぎてスプルーモデル18の強度が不足してしまい、20mmを超えるとスプルーモデル18の燃焼消失に必要なエネルギ及び時間が必要以上に増大するとともに、スプルーモデル18内、ゲートモデル17内及び成形品モデル12内にその燃焼に必要な空気を十分に供給できず、成形品モデル12の燃焼により発生したガス等を鋳型15内からスムーズに排出できず、更にスプルーモデル18の加熱時の熱膨張により鋳型15を損傷するおそれがあるからである。また、パラフィン系ワックスやカルナバワックスからなる中空状のゲートモデル17の壁の厚さを1mm〜20mmの範囲内に限定したのは、1mm未満ではゲートモデル17の壁の厚さが薄くなり過ぎてゲートモデル17の強度が不足してしまい、20mmを超えるとゲートモデル17の燃焼消失に必要なエネルギ及び時間が必要以上に増大するとともに、ゲートモデル17内及び成形品モデル12内にその燃焼に必要な空気を十分に供給できず、成形品モデル12の燃焼により発生したガス等を鋳型15内からスムーズに排出できず、更にゲートモデル17の加熱時の熱膨張により鋳型15を損傷するおそれがあるからである。更に、3次元プリンタを用いた熱溶解積層法により中空状に積層造形され熱可塑性樹脂からなるゲートモデル17及びスプルーモデル18の壁の厚さを0.4mm以上の範囲に限定したのは、0.4mm未満ではゲートモデル17及びスプルーモデル18が損傷するおそれがあるからである。即ち、壁の厚さが0.4mmあれば、構造上十分な強度が得られるからである。
次いで、ワックスツリー19の表面に鋳型15を作製した後に(図3(b))、この鋳型15内のワックスツリー19を燃焼して消失させるとともに鋳型15を焼成する(図3(c))。焼成前の鋳型15、即ち生型は、ワックスツリー19の表面に泥漿をコーティングし、このコーティング層が乾燥する前にその表面に砂をまぶして乾燥するという工程を複数回繰り返して形成される。泥漿は、セラミック粒子を液状バインダに分散させたスラリーであり、このスラリーは、耐火材、バインダ及びバインダを固化させるための硬化剤から構成される。耐火材としては、平均粒径20μm〜100μmのシリカ、アルミナ、ケイ酸ジルコニウム等のセラミック粉末が挙げられ、バインダとしては、コロイダルシリカ、エチルシリケート等が挙げられる。また、砂としては、平均粒径0.1mm〜3mmのシリカ、アルミナ、ケイ酸ジルコニウム等の砂粒(セラミック粉末)が挙げられる。なお、上記スラリーは乾燥させるだけで成形できるため、硬化剤は不要である。
ワックスツリー19を燃焼させるために鋳型15及びワックスツリー19を比較的速い昇温速度で加熱すると、可塑化温度が存在する熱可塑性樹脂により大部分が構成されたワックスツリー19は熱膨張する前又は熱膨張すると略同時に軟化して溶融する。この結果、ワックスツリー19の熱膨張により鋳型15が損傷するのを防止できる。また、溶融したワックスツリー19は燃焼して二酸化炭素や水蒸気などのガス等が発生するけれども、これらのガス等は、ワックスツリー19の溶融により連通した煙突状の鋳型15内を通ってスムーズに排出される。具体的には、鋳型15のキャビティ15aで発生したガス等は、ゲート15b及びスプルー15cを通って鋳型15外にスムーズに排出される。更に、上記ワックスツリー19を燃焼させるための空気は、ワックスツリー19の溶融により連通した煙突状の鋳型25内を通ってスムーズに導入される。具体的には、鋳型15のキャビティ15aで溶融した成形品モデル12を燃焼させるための空気は、スプルー15c及びゲート15bを通って上記キャビティ15aにスムーズに導入される。この結果、鋳型15内に空気を吹込むための吹込みノズルを用いなくても、上述のように鋳型15内に空気をスムーズに導入できるので、鋳造品11を既存の鋳造設備をそのまま用いて製造できる。なお、上記鋳型15の焼成温度は、700℃以上であることが好ましく、1000〜1100℃の範囲内であることが更に好ましい。
次に、上記焼成された鋳型15内に溶融金属を流し込む(図3(d))。これにより溶融金属は、鋳型15のスプルー15c及びゲート15bを通ってキャビティ15aに流入する。そして、溶融金属を流し込んだ鋳型15を冷却した後に、この鋳型15を割って除去し、ゲート22及びスプルー23付きの鋳造品11を取出す(図3(e))。更に、ゲート22及びスプルー23付きの鋳造品11からゲート22及びスプルー23を切り離すことにより、鋳造品11が得られる(図3(f))。なお、上記成形品モデル12を作製した後の工程は、既存のロストワックス法による鋳造設備をそのまま用いて実施できるので、専用又は新規の鋳造設備を構築する必要がなく、製造コストを低減できる。
このように製造された鋳造品11では、ワックスツリー19が熱可塑性樹脂及びパラフィン系ワックス又はカルナバワックスのみで形成されているので、このワックスツリー19が鋳型15内で燃焼したときに、ワックスツリー19の殆ど全てが二酸化炭素や水蒸気などのガス等になって排出され、鋳型15内に不燃残渣が残らず、鋳型15内面に不燃残渣が付着することはない。この結果、上記鋳型15を用いて製造された鋳造品11の表面粗さが不燃残渣により大きくなることはないので、表面が滑らかな鋳造品11を得ることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、3次元プリンタ13を用いてポリ乳酸(PLA:熱可塑性樹脂)製の中空の立方体状の成形品モデル12を造形した(図1(c)、図1(d)及び図2(a))。次に、この成形品モデル12の表面に、パラフィンワックスをコーティングしてワックス層12eを形成した(図1(e)及び図2(b))。ここで、成形品モデル12の縦、横及び高さは、それぞれ50mm、50mm及び50mmであった。また、中空の成形品モデル12の壁の厚さは0.4mmであり、中空の成形品モデル12内部の空隙の割合は成形品モデル12の壁の体積を除いた成形品モデル内部の体積を100%とするとき20%であった。
上記成形品モデル12を用いてロストワックス法により鋳造品11を製造した。具体的には、先ず、成形品モデル12にパラフィンワックスからなる中空状のゲートモデル17を介してパラフィンワックスからなる中空状のスプルーモデル18を接着してワックスツリー19を作製した(図2(c)及び図3(a))。ここで、中空状のスプルーモデル18の外径及び長さはそれぞれ30mm及び300mmであり、壁の厚さは1.0mmであった。また、中空状のゲートモデル17の外径及び長さはそれぞれ20mm及び20mmであり、壁の厚さは1.0mmであった。次いで、ワックスツリー19の表面に鋳型15を作製した後に(図3(b))、この鋳型15内のワックスツリー19を燃焼して消失させるとともに鋳型15を焼成した(図3(c))。ここで、焼成前の鋳型15、即ち生型は、ワックスツリー19の表面に泥漿をコーティングし、このコーティング層が乾燥する前にその表面に砂をまぶして乾燥するという工程を複数回繰り返して形成した。また、上記鋳型15の焼成温度は1100℃であった。次に、上記焼成された鋳型15内に溶融金属を流し込んだ(図3(d))。これにより溶融金属は、鋳型15のスプルー15c及びゲート15bを通ってキャビティ15aに流入した。そして、溶融金属を流し込んだ鋳型15を冷却した後に、この鋳型15を割って除去し、ゲート22及びスプルー23付きの鋳造品11を取出した(図3(e))。更に、ゲート22及びスプルー23付きの鋳造品11からゲート22及びスプルー23を切り離すことにより、鋳造品11が得られた(図3(f))。
<実施例2〜7及び比較例1〜2>
実施例2〜7及び比較例1〜2の鋳造品を、表1に示すような条件で作製した。なお、表1に示した条件以外の条件は、実施例1に記載した条件と同一とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜7及び比較例1〜2において、ワックスツリーの表面に鋳型を作製しているときに成形品モデルが割れたか否かを目視により観察した。また、実施例1〜7及び比較例1〜2において、鋳型の焼成時に鋳型が割れたか否かを目視により観察した。その結果を表1に示す。
Figure 0006744172
表1から明らかなように、中空の成形品モデルの壁の厚さが0.2mm及び0.3mmと薄すぎた比較例1及び2では、成形品モデルが鋳型作製中に割れてしまったのに対し、中空の成形品モデルの壁の厚さが0.4mm〜0.7mmと適正な範囲(0.4mm以上)にあった実施例1〜4では、成形品モデルは鋳型作製中に割れなかった。なお、実施例1〜4では、鋳型も焼成時に割れなかった。一方、立方体状の成形品モデルの一辺を100mm及び200mmに変更しかつ中空の成形品モデルの壁の厚さが0.4mmと適正な範囲(0.4mm以上)にあった実施例5〜6や、直方体状の成形品モデルの縦、横及び高さをそれぞれ200mm、200mm及び300mmに変更しかつ中空の成形品モデルの壁の厚さが0.4mmと適正な範囲(0.4mm以上)にあった実施例7では、成形品モデルは鋳型作製中に割れず、鋳型も焼成時に割れなかった。
<実施例8〜14及び比較例3〜4>
実施例8〜14及び比較例3〜4の鋳造品を、表2に示すような条件で作製した。なお、表2に示した条件以外の条件は、実施例1に記載した条件と同一とした。
<比較試験2及び評価>
実施例1、実施例8〜14及び比較例3〜4において、ワックスツリーの表面に鋳型を作製しているときに成形品モデルが割れたか否かを目視により観察した。また、実施例1、実施例8〜14及び比較例3〜4において、鋳型の焼成時に鋳型が割れたか否かを目視により観察した。その結果を表2に示す。
Figure 0006744172
表2から明らかなように、中空の成形品モデルの空隙の割合が10%及び15%と少なすぎた比較例3及び4では、鋳型が焼成時に割れてしまったのに対し、中空の成形品モデルの空隙の割合が20%〜100%と適正な範囲(20%以上)にあった実施例1及び8〜13では、鋳型は焼成時に割れなかった。なお、実施例1、実施例8〜13及び比較例3〜4では、成形品モデルが鋳型作製中に割れなかった。また、直方体状の成形品モデルの縦、横及び高さをそれぞれ200mm、200mm及び300mmに変更しかつ中空の成形品モデルの空隙の割合が100%と適正な範囲(20%以上)にあった実施例14では、成形品モデルは鋳型作製中に割れず、鋳型も焼成時に割れなかった。
<実施例15〜19及び比較例5〜7>
実施例15〜19及び比較例5〜7の鋳造品を、表3に示すような条件で作製した。なお、表3に示した条件以外の条件は、実施例1に記載した条件と同一とした。
<比較試験3及び評価>
実施例1、実施例15〜19及び比較例5〜7において、ワックスツリーの表面に鋳型を作製しているときにスプルーモデルが割れたか否かを目視により観察した。また、実施例15〜20及び比較例5〜7において、鋳型の焼成時に鋳型が割れたか否かを目視により観察した。その結果を表3に示す。
Figure 0006744172
表3から明らかなように、中空のスプルーモデルの壁の厚さが0.5mmと薄すぎた比較例5では、スプルーモデルが鋳型作製中に割れてしまったのに対し、中空のスプルーモデルの壁の厚さが1.0mm〜2.0mmと適正な範囲(1mm〜20mmの範囲内の下限値近傍)にあった実施例1及び15〜16では、スプルーモデルは鋳型作製中に割れなかった。なお、実施例1及び15〜16では、鋳型も焼成時に割れなかった。一方、中空のスプルーモデルの壁の厚さが20.5mm及び21.0mmと厚すぎた比較例6〜7では、鋳型が焼成時に割れてしまったのに対し、中空のスプルーモデルの壁の厚さが19.0mm〜20.0mmと適正な範囲(1mm〜20mmの範囲内の上限値近傍)にあった実施例17〜19では、鋳型は焼成時に割れなかった。なお、実施例17〜19及び比較例6〜7では、スプルーモデルは鋳型作製中に割れなかった。
<実施例20〜24及び比較例8〜10>
実施例20〜24及び比較例8〜10の鋳造品を、表4に示すような条件で作製した。なお、表4に示した条件以外の条件は、実施例1に記載した条件と同一とした。
<比較試験4及び評価>
実施例1、実施例20〜24及び比較例8〜10において、ワックスツリーの表面に鋳型を作製しているときにゲートモデルが割れたか否かを目視により観察した。また、実施例1、実施例20〜24及び比較例8〜10において、鋳型の焼成時に鋳型が割れたか否かを目視により観察した。その結果を表4に示す。
Figure 0006744172
表4から明らかなように、中空のゲートモデルの壁の厚さが0.5mmと薄すぎた比較例8では、ゲートモデルが鋳型作製中に割れてしまったのに対し、中空のゲートモデルの壁の厚さが1.0mm〜2.0mmと適正な範囲(1mm〜20mmの範囲内の下限値近傍)にあった実施例1及び20〜21では、ゲートモデルは鋳型作製中に割れなかった。なお、実施例1及び20〜21では、鋳型も焼成時に割れなかった。一方、中空のゲートモデルの壁の厚さが20.5mm及び21.0mmと厚すぎた比較例9〜10では、鋳型が焼成時に割れてしまったのに対し、中空のゲートモデルの壁の厚さが19.0mm〜20.0mmと適正な範囲(1mm〜20mmの範囲内の上限値近傍)にあった実施例22〜24では、鋳型は焼成時に割れなかった。なお、実施例22〜24及び比較例9〜10では、ゲートモデルは鋳型作製中に割れなかった。
11 鋳造品
12 成形品モデルの積層体
13 3次元プリンタ
15 鋳型
17 ゲートモデル
18 スプルーモデル
19 ワックスツリー
22 ゲート
23 スプルー

Claims (2)

  1. 鋳造品をロストワックス法で製造するために3次元プリンタを用いた熱溶解積層法により熱可塑性樹脂からなる成形品モデルの積層体を中空状に積層造形する工程と、
    前記成形品モデルの積層体の表面にパラフィン系ワックス又はカルナバワックスをコーティングする工程と
    を含む鋳造品を製造するための成形品モデルの積層体の製造方法であって、
    前記成形品モデルの積層体内部に空隙が形成され、前記成形品モデルの積層体の壁の厚さが少なくとも0.4mmに形成され、かつ前記空隙の割合が前記成形品モデルの積層体の壁の体積を除いた前記成形品モデルの積層体内部の体積を100%とするとき20%以上であることを特徴とする鋳造品を製造するための成形品モデルの積層体の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法で製造された成形品モデルの積層体に、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のゲートモデルを介して、パラフィン系ワックス、カルナバワックス又は熱可塑性樹脂からなる中空状のスプルーモデルを接着して熱可塑性樹脂からなるワックスツリーを作製する工程と、
    前記ワックスツリーの表面に鋳型を作製してこの鋳型内の前記ワックスツリーを燃焼して消失させるとともに前記鋳型を焼成する工程と、
    前記焼成された鋳型内に溶融金属を流し込んで冷却した後に前記鋳型を除去してゲート及びスプルー付きの鋳造品を取出す工程と、
    前記ゲート及びスプルー付きの鋳造品から前記ゲート及びスプルーを切り離して前記鋳造品を得る工程と
    を含む成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法であって、
    前記中空状のスプルーモデルがパラフィン系ワックス又はカルナバワックスからなるとき、この中空状のスプルーモデルの肉厚が1mm〜20mmであり、
    前記中空状のゲートモデルがパラフィン系ワックス又はカルナバワックスからなるとき、この中空状のゲートモデルの肉厚が1mm〜20mmである
    ことを特徴とする成形品モデルの積層体を用いた鋳造品の製造方法。
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