JP4446448B2 - 透明シリカガラス製品の製造方法 - Google Patents

透明シリカガラス製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4446448B2
JP4446448B2 JP2005046451A JP2005046451A JP4446448B2 JP 4446448 B2 JP4446448 B2 JP 4446448B2 JP 2005046451 A JP2005046451 A JP 2005046451A JP 2005046451 A JP2005046451 A JP 2005046451A JP 4446448 B2 JP4446448 B2 JP 4446448B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica glass
producing
slurry
transparent silica
product according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005046451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006232582A (ja
Inventor
司 坂口
朗 藤ノ木
博行 渡辺
孝之 今泉
博之 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Quartz Products Co Ltd filed Critical Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Priority to JP2005046451A priority Critical patent/JP4446448B2/ja
Priority to PCT/EP2006/001671 priority patent/WO2006089754A1/en
Publication of JP2006232582A publication Critical patent/JP2006232582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4446448B2 publication Critical patent/JP4446448B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/06Other methods of shaping glass by sintering, e.g. by cold isostatic pressing of powders and subsequent sintering, by hot pressing of powders, by sintering slurries or dispersions not undergoing a liquid phase reaction
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/06Other methods of shaping glass by sintering, e.g. by cold isostatic pressing of powders and subsequent sintering, by hot pressing of powders, by sintering slurries or dispersions not undergoing a liquid phase reaction
    • C03B19/066Other methods of shaping glass by sintering, e.g. by cold isostatic pressing of powders and subsequent sintering, by hot pressing of powders, by sintering slurries or dispersions not undergoing a liquid phase reaction for the production of quartz or fused silica articles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B20/00Processes specially adapted for the production of quartz or fused silica articles, not otherwise provided for

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Description

本発明は、光学機器産業、照明用ランプ産業、理化学機器産業などの分野で使用されるシリカガラス製品、更に詳しくはリフレクタ等比較的複雑な形状をした透明シリカガラス製品の製造方法に関する。
従来シリカガラスからなる比較的複雑な形状をした透明シリカガラス製品の製造においては、単純な形状の部材を火加工により溶接し組み立てる方法、シリカガラスバルク体を機械加工技術を用いて加工する方法、加熱プレス成形法を用いて成形する方法などが採られてきた。前記溶接による組み立て方法では工程のほとんどが手作業で行われ非常な熟練と時間とを要し、さらに火加工時に発生する高熱のため端部にだれが発生し外観を損ねるなどの問題があった。また、機械加工技術では砥石等を用いた切削加工が行われるがシリカガラスが硬度の高い脆性材料であることから切削に非常に時間がかかる上に、チッピング等のカケなども頻繁に生じ、投入するエネルギーが膨大なものとなる問題があった。さらに、加熱プレス成形法による成形では石英ガラスが2000℃においてもlogηが5以上と高い粘度を示すことから使用する装置が高価となる上に、高温プレスに耐えうる型が実用的にほとんど存在せず、一般的に使われているカーボン質材料を用いても高温でシリカガラスと反応しその消耗が激しく頻繁に取り替える必要があり、さらに、得られた製品の表面状態が悪く相当量を切削加工で除去しなければならず製造コストを高いものにする問題があった。
上記問題点を解消し安価に、かつ生産性よく透明シリカガラス製品を製造する方法としては、シリカガラス粉末を溶液中に分散したスラリーを型に入れて成形する、いわゆる鋳込み成形方法が提案された。従来のシリカガラス製品の鋳込み成型法として、例えば特許文献1に示すように、10〜500nmのシリカ微粉末を用い、それを水と混ぜ乾燥し、次いで熱処理して粒径が0.5〜数10μmのシリカガラス粒子とし、再度水に分散しスラリー状としたのち成形型内に鋳込み、焼成する方法。特許文献2に示すように、2段階でシリカ粉末と水とのスラリーを作製し、乾燥して1mm未満のシリカ粒子を製造し、それを型に鋳込む方法、或いは特許文献3に示すように、粒径の揃った単分散粒子をバインダーを添加した水或は有機溶媒に分散させスラリーとし、それを遠心鋳込み成形法で成形する方法などが提案されている。しかし、前記特許文献1の製造方法では、スラリーの粘性が低く、単純な形状をした製品が製造できるにとどまる上に、大型の製品が製造できない欠点があった。また、特許文献2の製造方法では、スラリー化する工程毎にシリカ粉末を添加することからスラリーの粘性を十分に高いものにできず成形型に流し込んでも型漏れを起こし良好な製品、特に比較的複雑な形状をしたシリカガラス製品の製造ができない欠点があった。更に、特許文献3の製造方法では、バインダー等に有機物を使用することからシリカガラス製品に不純物や泡が多く含まれの透明なシリカガラス製品の製造を困難にするなどの欠点があった。
特開昭64-56331号公報 特開平8-59222号公報 特開平5-124828号公報
こうした現状に鑑み、本発明者等は鋭意研究を続けた結果、1μm以下のシリカガラス1次粒子と水とを混合し、乾燥してシリカガラス顆粒を作製し焼結した後に、それを水と混ぜ粉砕混合した後乾燥することにより80〜85質量%の高濃度スラリーとしたのち成形型に鋳込み、ガラス化することで、安価に、生産性よく、比較的複雑な形状の透明シリカガラス製品が容易に製造できることを見出して本発明を完成したものである。すなわち、
本発明は、高純度の透明シリカガラス製品を安価に、かつ生産性よく製造できる方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、比較的複雑な形状の高純度の透明シリカガラス製品を容易に製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、(A)1μm以下のシリカガラス1次粒子と水とを混合し、乾燥してシリカガラス顆粒を作成する工程、(B)シリカガラス顆粒を焼結処理して焼結粉とする工程、(C)焼結粉を水と混合し、粉砕して70〜78質量%のスラリーとした後、乾燥してシリカガラス粒子の濃度が80〜85質量%の高濃度スラリーとする工程、(D)高濃度スラリーを成型型に鋳込む工程、及び(E)成形体を成形型から取り出し、乾燥、純化処理し、さらにガラス化処理する工程、の各工程からなることを特徴とする透明シリカガラス製品の製造方法に係る。
本発明の原料として1μm以下のシリカガラス1次粒子を使用するが、このシリカガラス1次粒子は珪酸エチルを用いたゾルーゲル法、廃シリコン微粒子を熱酸化する方法、四塩化珪素を加水分解する方法などで製造される。いずれの製造方法によってもシリカガラス1次粒子中のナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、チタン、銅、ニッケル、ホウ素の各元素は1ppm以下がよい。また、シリカガラス1次粒子と混合する水としては10μs未満の電気伝導度をもつ水が好適である。
本発明の製造方法では、高純度のシリカガラス1次粒子を用い、それを有機バインダーなどの不純物混合材料を用いることなく、水と混合し高濃度スラリーを作製したのち、成形型に鋳込みガラス化することで、透明シリカガラス製品を安価に、生産性よく、かつ比較的複雑な形状の透明シリカガラス製品を製造できる。
本発明の製造方法では、上述のとおり1μm以下のシリカガラス1次粒子と水とを、前記シリカガラス1次粒子の濃度が60〜70質量%となるように給排気が可能な回転式円筒形容器内に導入し、さらにシリカガラスボールもシリカガラス1次粒子の40重量%以下導入し、回転式円筒形容器を10〜20rpmの速度で回転しつつ撹拌し、乾燥してシリカガラス顆粒を作製する。前記撹拌においてシリカガラス1次粒子の濃度が60質量%未満では処理時間が長くかかり好ましくなく、70質量%を越えるとスラリーの抵抗が非常に大きくなり撹拌が不可能となり高価な設備を要する上に、pH調整剤である酸なども加える必要が生じ後処理が大変になる。また、シリカガラスボールを混合することでシリカガラス顆粒の粒度分布が狭くなり次工程以降の作業時間が短縮できるばかりでなく、撹拌羽の磨耗による異物や不純物の混入を少なく出来る。前記シリカガラス顆粒の乾燥においては、回転式円筒容器に100〜150℃に暖められた空気を10〜20m3/minの割合で送風して行われるが、最終的なスラリーの水分量を5質量%以下、シリカガラス顆粒の粒径を0.5〜100μmの範囲にするのがよい。スラリーの水分量が5質量%を越えると焼結工程前に乾燥工程を別途必要としコスト高となる。また、シリカガラス顆粒範囲が前記範囲を超えるとスラリー作成に時間がかかり、前記範囲未満では強度のある顆粒が得られない。
上記シリカガラス顆粒に適切な顆粒骨格強度を持たせるため、さらにpHの影響をなくすために熱処理を施し焼結粉にする。この熱処理なしでは顆粒骨格強度が弱いため次工程で成形品に割れやクラックが発生する。また、熱処理のコストを低くするため大気雰囲気中で行われるが、その際、るつぼ等のシリカガラス容器を用いシリカガラス顆粒をその中に充填し石英ガラス板で蓋をする。シリカガラス顆粒の充填密度は0.6g/cm3以上の見かけ密度となるよう充填することが重要である。特に充填に当たり振とうするのがよい。充填密度の不均一又は前記充填密度未満では焼結状態が不均一となり均質な高濃度スラリーが得られない。焼結のための加熱温度は、大気雰囲気中で1220〜1250℃の範囲がよい。焼結温度が前記温度範囲を超えると容器内壁にシリカガラス顆粒が融着し、その解砕に時間がかかり作業効率が悪くなる。さらに、シリカガラス顆粒が非常に硬くなり容器内壁が削られ、異物や汚染物質がスラリー中に混入することが起こる。その一方、温度が低すぎると顆粒骨格強度が低くなり製品にクラックや割れが生じ易くなる。
上記工程で得られた焼結粉は次いで水とさらに必要に応じてシリカガラスボールとともに回転円筒形密閉容器に導入される。前記焼結粉の割合は70〜78質量%がよい。また、使用する回転円筒形密閉容器の内壁は高純度のポリウレタンやシリカガラスなどのライニング材で覆い不純物の混入を防ぐのがよい。前記回転円筒形密閉容器の回転速度は10〜100rpmに調整される。回転円筒形密閉容器の作業時間はシリカガラス焼結粉の作製量によって異なるが約1〜7日間が採られる。回転円筒形密閉容器に導入されるシリカガラスボールは焼結粉の100重量%以下がよく、直径20〜25mmのシリカガラスボールと直径25〜35mmのシリカガラスボールとを質量比で1:2の割合で混合するのがよい。シリカガラスボールが焼結粉の100質量%を越えるとライニング層に傷がつき不純物の混入が起こる。
上記作業によりシリカガラス顆粒濃度70〜78質量%スラリーにする。前記スラリー中にシリカガラスボールが存在したままにしておくと、スラリーがその近辺で固化してしまうため、それらを取り除き、次いで中心軸に対し10°〜60°の角度に傾斜した開放型回転容器内に導入し、室温〜50℃の清浄雰囲気中で加温し乾燥させ、さらに高濃度スラリーとする。前記乾燥での水分蒸発速度は初期には1kg当たり50g/時間以下、終期には5g/時間以下と勾配をつけて乾燥するのがよい。水分除去速度が最後まで速いとスラリーの表面近傍で固化が進み不均一なスラリーが形成される。また、最初から遅い場合には所定の水分量に達するまで非常に時間がかかり作業効率が悪い。この乾燥によりスラリー中のシリカガラス粒子濃度が80〜85質量%の高濃度スラリーとなり、シリカガラス粒子の粒度分布は、1〜6μmと15〜40μmに肩を持ち6〜15μmの範囲にピークをもつ図1に示す粒度分布となる。この粒度分布を有することで高濃度スラリーは流動性を保持でき成形型への重力鋳込みが可能となり複雑な形状の製品を精度よく製造できる。しかし、シリカガラス粒子の粒度分布が図2に示すような単純な1峰型になると鋳込み時に離型が困難であったり割れや泡が生じ精度の高い製品を得ることが難しい。前記乾燥中の開放型回転容器の回転速度は5rpm以下にし、泡の巻き込みを少なくするのがよい。また、開放型回転容器が前記の傾斜を有することで傾きによる応力が高濃度スラリーに付与され、高粘度である高濃度スラリーの流動性が保持され均一なスラリーができる。
シリカガラス粒子濃度が80〜85質量%の高濃度スラリーは次いで成形型に鋳込まれるが、本発明で使用する成形型としては複雑な形状の製品が成形できるように外型と中型を備えた成形型とする。また、成形型は一体型に製作される。離型の容易さを考慮すると2分割以上の分割型が好ましいが成形後に分割跡が残り、製品の外観を損ねることから好ましくない。成形型の外型には吸湿性のある素材が選ばれる。吸湿性のある材質としてセラミックス、石膏、多孔性樹脂等が使用できるが、型材料の気孔径、ハンドリング、コストなどから石膏が好適である。中型には気孔が存在しない材料が選ばれる。気孔が存在すると出来た成形体の表面状態が悪くなる上に中型が吸水し収縮が起こり、割れが発生することがある。実質的に気孔が存在しない材料としては金属、プラスチック、セラミックス等が挙げられるが型の製作費用や日数、量産性、離型性のよさからシリコーンゴムなどのゴム弾性体がよい。硬度の高い材料であると、スラリーが中型に付着し離型に時間がかかる上に、割れが発生することがあり製品の歩留まりが低下する。また、前記成形型の外型には肉厚が変化する部分、形状変化が大きい部分、または微細な部分に圧縮空気吐出口を設け、そこに圧縮空気を送るエアーラインを設けるのがよい。
上記高濃度スラリーは非常に高粘度でダイラタンシー特性を持つことでシリカガラス粒子の沈降による密度のバラツキを抑え最密充填に近い成形体を得ることができる。この高濃度スラリーの成形型への鋳込み工程では、重力鋳込みとする。これにより比較的複雑な形状をもった型内の微細な部分までスラリーの充填が図られ、硬質な転写性のよい成形体が作成でき、精度の高い透明シリカガラス製品が製造できる。しかし、従来から用いられている圧力鋳込み法では、中型に成形型がくいついてしまい中型から成形体を外すのが困難となる上に、中型がゴム弾性体からなるとで加圧中に中型が変形し形状が変わり凹凸のある複雑な部分に割れが発生することが起こる。これはいわゆるスプリングバックと呼ばれる現象で成形圧力を取り除く際に弾性体が元の形状に戻ろうとするために発生する現象である。
成形型から離型した成形体は室温〜200℃まで50℃上昇毎に4時間ずつ静置し乾燥される。このとき雰囲気はコストを勘案し大気雰囲気でよい。得られた成形体は好ましくは、純化処理されるが、その条件はHCl含有ガスを0.5L/分以上流すとともに温度を900〜1200℃とする。これにより不純物が特に表層から除去されクラックの発生が防止された製品が得られる。
乾燥された成形体は温度1200〜1550℃の範囲に加熱されガラス化されるが、1200℃〜1400℃までは10Pa以下の減圧雰囲気で、100℃上昇毎に1〜5時間保持しするのがよい。この保持が行われることにより最終的に透明なシリカガラス体を長時間かけずに得ることができる。また、1400〜1550℃の範囲では不活性ガス下、2×105Pa以下の圧力下で加熱される。不活性ガスとしてはHe、N2、Arなどが用いられる。
上記本発明の透明シリカガラス製品の製造方法の概略プロセスフローを図3に示す。
以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
四塩化珪素を加水分解して得た平均粒径が100nmのシリカガラス1次粒子130kgと5μsの電気伝導度をもつ水70kgとを、内面が高純度ポリウレタンでライニングされ給排気を備えた回転円筒形容器に導入し、さらにシリカガラスボール45kgを導入し撹拌した。撹拌開始から1時間後に、HEPAフィルターを通した清浄で130℃に暖められた空気10m3/minを流し水分を徐々に蒸発した。約30時間後、水分が0.5質量%、粒径範囲が1〜80μmのシリカガラス顆粒を得た。
シリカガラス顆粒を直径300mmの複数のシリカガラス製るつぼ中に充填し、大気雰囲気炉内に設置した。充填に当たっては振とう機を用いるつぼを振とうしながら充填密度を0.65g/cm3とした。得られた充填シリカガラス顆粒を1225℃で、10時間加熱し焼結した。そのシリカガラス焼結粉100kgとイオン交換水33kgとを、高純度ポリウレタンでライニングした直径500mm長さ1000mmの回転円筒形密閉容器に入れ、さらにシリカガラスボール80kgを導入し回転数18rpmで5日間操業し、シリカガラス粒子をおよそ75質量%含むスラリーを製造した。シリカガラス粒子の粒度分布は、レーザー回折式の粒度分布測定機器を用いて測定したところ図1に示すように1〜6μmと15〜40μmに肩をもち6μm〜15μmの範囲にピークをもっていた。次にシリカガラスボールを取り除き開放型回転容器にスラリーを移し、そこでさらに25℃の清浄空気中で乾燥し、シリカガラス粒子濃度82質量%の固形分をもつ高濃度スラリーとした。前記回転円筒形密閉容器はその内側が高純度のポリウレタンで被覆され、中心軸が垂直軸に対し45°の傾斜をなしていた。前記乾燥は、水分除去が1kgあたりの初期には40g/時間、終期には4g/時間の勾配をもって乾燥し、この時の回転円筒形密閉容器の回転速度を1rpmとした。次に前記高濃度スラリーをお椀形状のリフレクターを作製するため型に導入した。鋳込みは鋳込み口に漏斗を装着し、そこから自然に流し込み充填した後、そのまま1時間放置し、外型に設けられたエアー導入口より圧搾空気を吹き込み離型した。得られた成形体を室温〜200℃まで50℃上昇毎に4時間静置し乾燥した。乾燥した成形体にHCl含有ガスを1.5L/分で流し、1200℃で1時間熱処理し、純化を行った。次いで10Paの減圧雰囲気で1200〜1400℃まで100℃上昇毎に2時間保持し、さらに1×105Paの不活性ガス雰囲気下で1400〜1500℃に加熱後1500℃で10分保持しガラス化した。得られたリフレクターは透明で、形状も良好であった。
実施例2
実施例1においてシリカガラス粒子を84質量%含有する高濃度スラリーを用い微細な振動を与えながら型に鋳込んだ以外は実施例1と同様にして透明で、形状のよいリフレクターを製造した。
比較例1
廃シリコン微粒子を熱酸化して得られた平均粒径が3μmのシリカガラス1次粒子130kgと5μsの電気伝導度をもつ水70kgとを内面が高純度ポリウレタンでライニングされ給排気を備えた回転円筒形容器に入れ、更にシリカガラスボール45kgを導入し撹拌した。撹拌開始から1時間後に、130℃に暖められた空気を10m3/minを流し水分を徐々に蒸発した。約30時間後に含有水分が1質量%、粒径範囲が1〜100μmのシリカガラス顆粒を得た。このシリカガラス顆粒を直径300mmの複数のシリカガラス製るつぼ中に振とうしながら120kg充填した。シリカガラス顆粒の充填密度は0.6g/cm3であった。シリカガラス顆粒を充填したるつぼを大気炉内に設置し加熱した。加熱処理は1300℃、10時間保持の条件で行った。次いで得られたシリカガラス焼結粉100kgとイオン交換水33kg、及びシリカガラスボール80kgを高純度ポリウレタンでライニングされ、直径500mm長さ1000mmの回転円筒形密閉容器に入れ、回転数18rpmで5日間操業し、シリカガラス粒子をおよそ75質量%含むスラリーを製造した。このスラリー中のシリカガラス粒子の粒度分布は図2に示す1峰型であった。得られたスラリーを開放型回転容器内で25℃の空気中で加温しつつシリカガラス粒子濃度83質量%の固形分をもつ高濃度スラリーとした。前記水分除去は初期には1kgあたり40g/時間、終期には4g/時間と勾配を持って行った。またこの時の開放型回転容器の回転速度は1rpmであった。
次に高濃度スラリーをお椀形状のリフレクターを作製するため型に導入した。この時外型の材料として石膏を用い、1時間経過後に4kg/cm2の圧縮空気を用いて離型した。高濃度スラリーの成形型への付着が強く離型が困難であった。無理に離型した製品にはクラックが多く発生していた。
比較例2
高濃度スラリーの固形分を75質量%とした以外、実施例1と同様にしてリフレクターを製造した。高純度スラリーの成形型への付着が大きく離型が困難であった。乾燥、ガラス化処理後の製品にはクラックが多くみられた。
本発明の製造方法は、光学機器産業、照明用ランプ産業、理化学機器産業などの分野で使用される比較的複雑な形状の透明シリカガラス製品を安価に、かつ生産性よく製造し、その価値は工業的に高いものがある。
本発明の高濃度スラリー中のシリカガラス粒子の粒度分布を示す。 比較例の高濃度スラリー中のシリカガラス粒子の粒度分布を示す。 本発明のプロセスフロー図である。

Claims (13)

  1. (A)1μm以下のシリカガラス1次粒子と水とを混合し、乾燥してシリカガラス顆粒を作成する工程、(B)シリカガラス顆粒を焼結処理して焼結粉とする工程、(C)焼結粉を水と混合し、粉砕して70〜78質量%のスラリーとした後、乾燥してシリカガラス粒子の濃度が80〜85質量%の高濃度スラリーとする工程、(D)高濃度スラリーを成型に鋳込む工程、及び(E)成形体を成形型から取り出し、乾燥、純化処理し、さらにガラス化処理する工程、の各工程からなることを特徴とする透明シリカガラス製品の製造方法。
  2. シリカガラス1次粒子の粒径が10〜500nmであることを特徴とする請求項1記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  3. (A)工程において、シリカガラス顆粒の水分濃度を5質量%以下、粒径を0.5〜100μmの範囲の顆粒とすることを特徴とする請求項1記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  4. (B)工程において、シリカガラス顆粒を充填密度0.6g/cm3以上に石英ガラス製容器に充填し、大気雰囲気下、温度1220〜1250℃で焼結処理することを特徴とする請求項1記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  5. (C)工程において、焼結粉と水とに加えてさらにシリカガラスボールを混合し、粉砕して70〜78質量%のスラリーとした後、スラリーからシリカガラスボールを取り除き、乾燥することを特徴とする請求項1記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  6. 上記乾燥を室温〜50℃の清浄雰囲気で初期の水分蒸発速度が1kgあたり50g/時間以下、終期の水分蒸発速度が5g/時間以下の勾配ある乾燥を行い、終期にシリカガラス粒子濃度80〜85質量%とすることを特徴とする請求項5記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  7. 高濃度スラリー中のシリカガラス粒子の粒度分布が1〜6μm及び15〜40μmに肩をもち、6〜15μmにピークをもつことを特徴とする請求項5又は6記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  8. (C)工程の高濃度スラリー化において内側が高純度のポリウレタン又はシリカガラスで被覆され、中心軸が垂直軸に対し30°〜60°の傾斜をもち、かつ回転速度が1〜100rpmの開放型回転円筒形容器内で行うことを特徴とする請求項1記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  9. (D)工程において、鋳込みを重力鋳込みで行うことを特徴とする請求項1に記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  10. 重力鋳込み時に振動を与えることを特徴とする請求項9記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  11. 成形型が一体成形の外型と中型からなり、外型が石膏であり、中型が気泡のないゴム弾性体からなることを特徴とする請求項1記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  12. (E)工程の純化処理が、HCl含有ガスを流量0.5L/分以上で流す容器内で、温度900〜1200℃に加熱する処理であることを特徴とする請求項1に記載の透明シリカガラス製品の製造方法。
  13. (E)工程のガラス化処理において、該処理を1200〜1550℃で行い、最初の1200〜1400℃までの処理を10Pa未満の減圧雰囲気下で、かつ100℃上昇毎に1〜5時間その温度に保持する処理で、最後の1400〜1550℃の処理を不活性ガス雰囲気下で圧力2×105Pa以下で行うことを特徴とする請求項1記載の透明シリカガラス製品の製造方法。





JP2005046451A 2005-02-23 2005-02-23 透明シリカガラス製品の製造方法 Expired - Fee Related JP4446448B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005046451A JP4446448B2 (ja) 2005-02-23 2005-02-23 透明シリカガラス製品の製造方法
PCT/EP2006/001671 WO2006089754A1 (en) 2005-02-23 2006-02-23 Method for the manufacture of a silica glass product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005046451A JP4446448B2 (ja) 2005-02-23 2005-02-23 透明シリカガラス製品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006232582A JP2006232582A (ja) 2006-09-07
JP4446448B2 true JP4446448B2 (ja) 2010-04-07

Family

ID=37040650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005046451A Expired - Fee Related JP4446448B2 (ja) 2005-02-23 2005-02-23 透明シリカガラス製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4446448B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210057220A (ko) 2016-06-01 2021-05-20 신에쯔 세끼에이 가부시키가이샤 자외선smd형 led소자의 기밀봉지용 석영유리 부재 및 자외선led용 석영유리 부재의 제조방법

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4484748B2 (ja) * 2005-04-08 2010-06-16 信越石英株式会社 シリカガラス製品の製造方法
DE102006060561C5 (de) * 2006-12-21 2015-09-10 Schott Ag Verfahren zur Herstellung eines Quarzglasformkörpers
US10407334B2 (en) 2009-07-08 2019-09-10 Kyushu University Composite shaped body and silica glass, and method for producing the same
JP6666621B2 (ja) * 2015-03-04 2020-03-18 国立大学法人九州大学 シリカガラス前駆体製造方法、シリカガラス前駆体、シリカガラス製造方法、及びシリカガラス
CN107487985B (zh) * 2017-08-30 2023-06-09 嘉善冠得光学玻璃有限公司 光学玻璃材料浇铸车

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210057220A (ko) 2016-06-01 2021-05-20 신에쯔 세끼에이 가부시키가이샤 자외선smd형 led소자의 기밀봉지용 석영유리 부재 및 자외선led용 석영유리 부재의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006232582A (ja) 2006-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1066696C (zh) 高二氧化硅含量的成形体及其制造方法
JP4446448B2 (ja) 透明シリカガラス製品の製造方法
JP5801407B2 (ja) 合成石英ガラス顆粒の製造方法
JP6129293B2 (ja) 電気溶融された合成石英ガラスから成形体を製造する方法
US9556073B2 (en) Process for sintering silicon carbide
CN109551382B (zh) 一种微晶玻璃陶瓷结合剂及用其制备cbn砂轮的方法
CN107417071B (zh) 制造含孔隙的不透明石英玻璃的方法
JP2004131378A (ja) 不透明石英ガラス材の製造方法
WO1987005287A1 (en) Process for manufacturing glass
US20150001766A1 (en) Process for sintering silicon carbide
JP4484748B2 (ja) シリカガラス製品の製造方法
JP2001089125A (ja) 多孔質シリカ顆粒、その製造方法及び該多孔質シリカ顆粒を用いた合成石英ガラス粉の製造方法
JPH0940434A (ja) 高純度石英ガラス及びその製造方法
CA2478657A1 (en) Method of producing silicon carbide sintered body jig, and silicon carbide sintered body jig obtained by the production method
JP5108803B2 (ja) シリカ容器の製造方法
JP4966527B2 (ja) 透明シリカ焼結体とその製造方法
JP4498173B2 (ja) シリカガラス製品の製造方法
WO2017189998A1 (en) Process for sintering silicon carbide
WO2006089754A1 (en) Method for the manufacture of a silica glass product
CN109909898B (zh) 一种半导体材料研磨用CeO2磨盘及其制备工艺
JPH0647479A (ja) 人工鋳物砂およびその製造方法
JPH03275527A (ja) 多孔質シリカガラス粉末
RU2170715C2 (ru) Способ получения изделий из спеченного стеклокристаллического материала литийалюмосиликатного состава
JP4504036B2 (ja) 非晶質シリカ成形体およびその製造方法
JP4838591B2 (ja) シリコン凝固用鋳型及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070817

AA91 Notification of revocation by ex officio

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971091

Effective date: 20080311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4446448

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140129

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees