JP5128162B2 - 不透明石英ガラス製品の製造方法、それに用いるシリカ顆粒とその生成方法 - Google Patents

不透明石英ガラス製品の製造方法、それに用いるシリカ顆粒とその生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、無気泡の不透明石英ガラス製品を低コストで高精度に製造する不透明石英ガラス製品の製造方法と、それに用いる焼結用シリカ顆粒とその生成方法に関する。
石英ガラスは、一般のガラスに比して耐熱性、耐久性などに優れていることから液晶プロジェクタのバックライト光源ユニットの反射鏡など、様々な製品への応用が試みられている。
その成形工程では、石英を2000℃程度に加熱溶融して所望の形状に固めなければならないため、反射鏡のような複雑な形状に石英ガラスを加工する場合は、溶融石英を流し込む型が必要となるが、そのような高温条件下において工業的に使用可能な耐熱性・耐久性を有する型は存在しない。
また、加工温度が約2000℃と著しく高温であるため、エネルギーの消費量が多く、ひいては地球温暖化ガスであるCOの大量発生につながるという懸念がある。
そこで本出願人は、球状シリカにバインダを添加し、これを顆粒状に造粒したシリカ顆粒を金型に入れてプレス成形することにより焼結用成形体を作成し、この成形体を大気中の酸化性雰囲気または還元性雰囲気で加熱焼結して石英ガラス製品を製造するプレス成形法を提案した。
特開2006−199522号公報
これによれば、任意の形状の石英ガラス製品を製造する場合に、熟練を必要とせず、量産しても寸法精度が確保されるため、製造コストを格段に低減できるし、焼結温度も1300℃程度と比較的低温で済むので、エネルギーの消費量が少なくて済み、その分、COの発生も抑制することができるというメリットがある。
そして、例えば図6に示すように、ランプ51のソケット52側封止部51aを挿通支持する筒状部53を反射面54の底部に一体成形した反射鏡55を製造する場合、上述した手順で透明石英ガラスからなる反射鏡基体56を製造した後、その内面に多層反射膜57を形成することとなる。
しかしながら、この場合に、反射膜57は、筒状部53に連通する底面開口部58の淵までしか形成できないので、ランプ51から照射された光の一部が、反射膜57の形成されていない筒状部53の内面側から反射鏡基体56を透過し、漏れ光Bとなって背面側に照射されてしまうという問題があった。
特に、小型化したプロジェクタの光源として使用する場合に、背面側の排気孔などから、その眩しい漏れ光Bが直接眼に入ってしまうと画面が見にくくなるだけでなく、眼にも悪影響を与えるおそれがある。
このため、反射鏡基体56を不透明化する要請は高い。
一般に不透明石英ガラスを成形する方法として、(1)良質のケイ石を溶融して固めたり、(2)気泡を混入させて不透明にする方法が知られている(特許文献2)。
特開2001−180955号公報
ケイ石を用いる場合は、溶融して固めた後、削り出して荒っぽく作成して、これを研磨することで反射鏡形状に形成することは可能である。
しかし、その加工費及び材料費が遥かに高価なため、実験室レベルで1個試作する程度であり、工業製品として量産することはできない。
また、ケイ石を砕いて微粉末とし、これをプレス成形して反射鏡形状に成形することを試みたが、この微粉末は不定形であり球状にはならないので、サイズ合せをしても、プレスの際に微粉末が金型面を滑らず、成形が極めて困難で、且つ、最密充填もできない。
その結果、焼結したときに、表面に微細な凹凸が形成され、金型から抜けにくく、仮に抜けたとしても、表面が穴だらけで平滑な反射面が得られないという問題がある。
さらに、このケイ石の微粉末は形状が不定形であることから、石英を溶かす温度(1700〜2000℃)まで加熱しなければ焼結できず、通常のプレス成形法の焼結温度(1300℃)に比して温度がはるかに高く、製造コストが嵩むという問題がある。
さらに、気泡を混入させて不透明にする方法は、窒素元素又は炭素元素を含有する気泡材と石英粉とを混合し、これを加熱溶融することにより製造されるものであるが、この場合は、表面にも気孔が形成されてしまうため、反射鏡を形成しようとしても平滑な反射面が得られないという問題が生ずる。
なお、本出願人は表面コートなどにより平滑化を試みたが、気孔により形成される表面の凹凸を解消できなかった(特許文献3)。
特開2005−029401号公報
また、この技術をプレス成形法に応用して、シリカ顆粒に気泡材を混合してプレス成形した焼結用成形体を焼結しようとしても、焼結時に気泡が膨らんでしまい、所望の形状に成形することが困難なだけでなく、場合によっては成形体がバラバラに崩壊することもあった。
ところで、本発明者が、プレス成形法により透明石英ガラス反射鏡を製造する実験を繰り返すうちに、乳白で非晶質の不透明石英ガラスが混ざることがあった。
当初はその原因を掴みかねていたが、その原因を究明すべく、実験データを解析したところ、乳白の不透明石英ガラスには従来では非晶質状態での焼結が不可能とされている程度(100ppm以上)にまで誤ってアルミが大量に混合されていることがわかった。
また、焼結不可能な程度までアルミが含まれているにもかかわらず、石英ガラスとして焼結した原因も不明であったが、シリカ顆粒を生成する際に使用するバインダとしてたまたま従来とは異なるものを使用していたことが判明した。
そして、さらに実験を重ねた結果、シリカ顆粒を生成する際に使用するシリカマイクロビーズ中にアルミ単体で100〜500ppmの範囲で混合されており、且つ、バインダとして400℃以下の温度で液化又は熱分解するものを用いれば無気泡の不透明石英ガラスを焼結できることが判明した。
アルミはおそらく焼結時に失透核となって石英ガラス全体を不透明化するものであるが、100ppmより少ないと条件によって不透明に成ったり透明になったりするため必ずしも失透核として機能せず、100ppm以上であれば略確実に不透明化されることから失透核として機能していることがわかった。
また、500ppmを超えると、現時点では、焼結してもきれいな石英ガラスとならない場合があり、500ppm以下であれば略確実にきれいな石英ガラスにすることができた。
また、従来、バインダとしては、パラフィン系バインダ、ステアリン酸系バインダ、ポリエーテル及びPVA(ポリビニルアルコール)を混合して使用していたが、不透明石英ガラスが製造された際に用いたシリカ顆粒には、バインダとしてPVAに変えてアクリル樹脂を使用していたことが判明した。
そして、アクリル樹脂を用いたことによりガラス化に成功したのは、焼結時における温度に対するシリカとバインダの挙動に関係することがわかってきた。
すなわち、シリカ顆粒をプレス成形した成形体を焼結する場合に、温度を徐々に上昇させていくと、400〜500℃でシリカマイクロビーズの界面が活性化されて、成形体の外部から内部へと有機バインダの熱分解が進む。
有機バインダの熱分解により成形体は外部から多孔質化してくるため熱分解により生じた分解ガスは拡散により成形体から除外され、さらに加熱されて1000℃を超える頃から内部拡散が生じてシリカの緻密化が進行していく。
ここで、成形体が多孔質状態となり、内部空間が外部と連通している初期の段階で、バインダが液化・熱分解すればガス状となり、ガラス基体内に閉じ込められることなく完全に外部に排出されるが、内部空間が外部から鎖される段階までバインダが熱分解されずに残留していると、そのガラス基体の内部空間に閉じ込められたままシリカの緻密化が進行するので、さらに温度が上昇したときにこれが結晶核となってクリストバライト化するものと思われる。
特に、アルミ含有率が高い場合、高い焼結温度で焼結する必要があるため、クリストバライト化されやすく、不純物として炭素やナトリウムなどの灰分が含まれている場合には顕著である。
現に、従来使用していたバインダ組成中、パラフィン系バインダ及びステアリン酸系バインダは65〜100℃で液化され、ポリエーテルも250〜300℃で熱分解されるため外部に排出されるが、PVA(ポリビニルアルコール)はその熱分解温度が500〜600℃と高いため、内部空間に炭素として残留しやすい。また、PVAは熱分解物としてナトリウムが残留するため、緻密化が進行する過程でクリストバライト化しやすい事が判った。
これに対し、アクリル樹脂はその熱分解温度が350〜400℃であるため、シリカの内部空間が外部から鎖される前に、酸素が十分存在する条件下で熱分解することができるため成形体内部から分解ガスとして除去することができる。このため、高い焼結温度で焼結させた場合でもクリストバライト化することなく、非晶質のガラスができたものと推測される。
実際、バインダの種類を替えて実験してみたところ、その熱分解温度が400℃を超えると条件によってはクリストバライト(結晶質)化されるものもあり、その熱分解温度が400℃以下のバインダを用いた場合は、ほとんどがクリストバライト化されることがなく、略確実に非晶質の不透明石英ガラスを生成することができた。
そこで本発明は、発明者のこのような知見に基づきなされたもので、プレス成形法により、無気泡で、且つ、クリストバライト化されていない非晶質の不透明石英ガラス成形品を比較的低温で焼結できるようにすることを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明は、シリカ顆粒を成形用金型に充填してプレス成形することにより得られた焼結用成形体を加熱焼結する不透明石英ガラス製品の製造方法であって、
室温以上400℃以下で液化あるいは熱分解する有機系バインダの水溶液中に、アルミ元素を失透核としてドープした球形のシリカマイクロビーズを均一分散させてスラリとし、該スラリを噴霧乾燥することにより前記有機系バインダを介してシリカマイクロビーズを凝集させた顆粒を前記シリカ顆粒として用いたことを特徴としている。
本発明によれば、有機系バインダを介してシリカマイクロビーズを凝集させたシリカ顆粒を用いて、これを成形用金型に充填してプレス成形することにより得られた焼結用成形体を加熱焼結している。
このとき、有機系バインダは室温以上400℃以下で液化あるいは熱分解するので、シリカの緻密化が開始される前に、内部空間が外部と連通している初期の段階で熱分解が開始され、十分な酸素存在下でガス化させて除去することができるため、クリストバライト化されていない非晶質の石英ガラス成形品が得られる。
シリカ顆粒には気泡材も混合されていないので、表面が平滑化され、反射鏡基体として使用する場合も、その反射面にきれいな反射膜を形成することができる。
また、シリカ顆粒を構成するシリカマイクロビーズには失透核として機能するアルミがドープされているので、焼結過程において、石英ガラス中に溶け込んだアルミニウム含有シリカが点在的に析出して、失透核を作り不透明石英ガラスとなる。
したがって、反射鏡として使用する場合に、反射膜が形成されていない部分から光が漏れることがない。
本例では、シリカ顆粒を成形用金型に充填してプレス成形することにより得られた焼結用成形体を加熱焼結することにより、無気泡で、且つ、クリストバライト化されていない非晶質の不透明石英ガラス成形品を比較的低温で製造するという課題を解決するために、室温以上400℃以下で液化あるいは熱分解する有機系バインダの水溶液中に、アルミ元素を失透核としてドープした球形のシリカマイクロビーズを均一分散させてスラリとし、該スラリを噴霧乾燥することにより前記有機系バインダを介してシリカマイクロビーズを凝集させたシリカ顆粒を用いた。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るシリカ顆粒を示す説明図、図2はその製造方法を示す説明図、図3は不透明石英ガラス製品である反射鏡基体の製造方法を示す説明図、図4は焼結時の温度−時間曲線、図5はシリカマイクロビーズの熱変化を示す模式図である。
[シリカ顆粒とその生成方法]
本例に係るシリカ顆粒1は、図1に示すように、アルミ元素を失透核としてドープした球形のシリカマイクロビーズ2…が、室温以上400℃以下で液化あるいは熱分解する有機系バインダ3を介して凝集されて顆粒状に形成されている。
このシリカ顆粒1は、有機系バインダ3の水溶液中に、シリカマイクロビーズ2…を均一分散させてスラリとし、該スラリを噴霧乾燥することにより有機系バインダ3を介してシリカマイクロビーズ2…を凝集させている。
具体的には、図2に示すように、VCM法により生成されたシリカマイクロビーズ2…を、有機系バインダ3の水溶液に入れてスラリー化し、これを噴霧乾燥してなる。
VCM法は、金属粉末を酸素の気流中に分散させ、着火することで酸化させ、その反応熱で金属を蒸気化または液化させ、これを冷却することで、サブミクロン〜ミクロンオーダの微細な真球状微粒子を生成するものである。
本例では、金属粉末として、金属シリコン粉末とアルミ粉末(アルミあるいはアルミ化合物を粉末状にしたもの)を混合したものを用いているが、この混合率によりアルミ元素の濃度が決定され、アルミ元素の濃度が100〜500ppmになる割合で金属シリコン粉末とアルミ粉末を混合した。
そして、このように生成されたシリカマイクロビーズ2…を精密分級器により分級して、その粒径をコントロールする。
本例では、平均粒径が0.05〜1.5μmに選別されたシリカマイクロビーズ2を用いた。
シリカマイクロビーズ2の平均粒径が0.05μm未満の場合は、焼結温度である1360〜1380℃の温度付近で急激に焼結が進行して軟化し、反射面の精度を維持して緻密に焼結させるための適正焼結温度幅が狭いという欠点がある。このため、実験室レベルの小型炉で1個ずつ焼成する場合は問題なく焼結可能であるが、量産を意図した焼結炉では温度幅があるため過焼などで反射曲面が崩れ精度の高い反射鏡が得られない問題が発生する。
また、シリカマイクロビーズ2の平均粒径が1.5μmを超えると、1450℃超の温度でも緻密に焼結することはできなかった。
次いで、有機系バインダ3の水溶液中に、シリカマイクロビーズ2…を均一分散させてスラリとし、これを噴霧乾燥することによりシリカ顆粒1を生成する。
有機バインダ3は、混合するシリカマイクロビーズに対して約1.5〜3.0重量%となるように混合され、本例では、ファインセラミックの成形助剤となるパラフィン系バインダを0.6重量%(融点=55℃)及びステアリン酸系バインダを0.2重量%(融点=100℃)、ポリエーテルを0.4重量%(熱分解温度=250〜300℃)、アクリル樹脂を1.3重量%(熱分解温度=350〜400℃)とし、その総量をシリカマイクロビーズ2の約2.5重量%となるように添加した。
具体的には、シリカマイクロビーズ2に対して前記有機系バインダ3を約2.5重量%混合し、粘性値10〜20mPa・sとなるように純水を加え、水分率約60%に調整した後、メッシュの個々の開口が縦横38μmに設計されたフィルタにより異物を除去してスラリ(懸濁液)を得る。
次いで、噴霧乾燥機を用いて、その熱風中にスラリを噴霧すると、スラリ中の水分が飛ばされてシリカマイクロビーズ2が乾燥される過程で、有機系バインダ3が析出し、このバインダ3を介在してシリカマイクロビーズ2…が互いに溶着され、直径50μm程度のシリカ顆粒1が生成される。
図1はこのように製造したシリカ顆粒1の顆粒の模式図であって、シリカマイクロビーズ2…が有機系バインダ3を介して凝集している様子がわかる。
[不透明石英ガラス製品の製造方法]
図3はこのように生成したシリカ顆粒1を用いて、不透明石英ガラス製品(ガラス焼結品)を製造する方法を示す説明図である。
まず、シリカ顆粒1を胴型11を構成するダイ12,固定パンチ13,インナーパンチ14に擦切り充填し(図3(a))、上パンチ15を降下させ、その挿通孔15aに胴型11の中心にあるコアロッド16を挿入させながら多軸プレス機を用いて、上パンチ15とインナーパンチ14を圧力制御して、反射鏡成形体Fのどの部位に対しても0.5〜1.0t/cm以上となるように加圧して焼結用成形体Fを成形する(図3(b))。
その後、上パンチ15を引き上げて、ダイ12を下降させながらインナーパンチ14を上昇させ、金型から焼結用成形体Fを抜き出す(図3(c))。
このようにして作成した焼結用成形体Fを伏せて焼成炉18に入れ、雰囲気操作を行わない大気中で焼結させた(図3(d))。
焼結用成形体Fを加熱焼結する際に、400℃以上の所定温度に維持することにより有機系バインダを除去する予備加熱を行った後、さらに昇温を行い、1000℃を超え焼結温度TMAXに至るまでの昇温速度を90〜130℃/hrとし、焼結温度で所定時間維持した後、冷却過程において少なくとも焼結温度から1000℃までを−500〜−600℃/hrの降温速度で急冷する。
本例では、図4に示すように、室温から加熱開始して焼結温度に達した後、冷却するまで、ステージSTG1〜STG6の昇温操作と、ステージSTG7〜STG8の降温操作が行われる。
昇温操作は、第一ステージSTG1で室温から600℃まで昇温し、第二ステージSTG2で600℃で2時間保持する予備加熱を行い、さらに、第三ステージSTG3で1000℃まで昇温し、第四ステージSTG4では1000℃で1時間保持した後、第5ステージSTG5において90〜130℃/hrの昇温速度で焼結温度(1380℃)まで昇温し、第六ステージSTG6で焼結温度に30分維持した。
次いで、冷却操作に移行し、第七ステージSTG7で焼結温度から1000℃まで500〜600℃/hrの降温速度で冷却し、1000℃まで冷却された後、第八ステージSTG8で室温まで徐冷した。
このとき、乾式プレス成形により得られた焼結用成形体Fは室温では、図5(a)に示すように、各シリカマイクロビーズ2…はその隙間に介在された有機系バインダ3により結合された状態にある。
そして、図5(b)に示すように、焼成炉18の炉内温度が徐々に上昇していき400℃程度に達するまでに、まず、成形体の表面側から有機系バインダ3が熱分解が開始され、熱分解された有機系バインダ3はガス化されて外部に排出される。その部分は空洞4となるため外層側から多孔質化されていき、その空洞4の部分は内部に酸素を供給する流路になると同時に、その酸素により成形体Fの内側にある有機系バインダ3が熱分解されたときに発生する分解ガスの流路となって、順次、内側の有機系バインダ3が熱分解されていく。
次いで、焼成炉が500℃程度に達すると、図5(c)に示すように、成形体Fの外層側から粒子間が接近し、昇温時間の経過と共に、外部空間と連通していた個々の空洞4が独立して外部空間から鎖されていく。
さらに温度が上昇され、1200℃程度に達すると、シリカマイクロビーズ2で表面拡散が生じ、図5(d)に示すように、ビーズ2…同士が付着してその接触点が溶解し、さらに1300℃を超えると体積拡散と粘性流動により焼結が進行し、最終的に図5(e)に示すように気泡のない緻密な非晶質の石英ガラスとなる。
本例で用いた有機系バインダ3に含まれる成分中、パラフィン系バインダ及びステアリン酸系バインダは65〜100℃で液化され、ポリエーテルは250〜300℃で熱分解され、アクリル樹脂は350〜400℃で熱分解されるため、成形体Fの内部空間が外部から鎖される前に液化・熱分解され、十分な酸素存在下でガス化させて除去することができる。
したがって、高い焼結温度で焼結させた場合でもクリストバライト化することがなく、非晶質の石英ガラス製品を製造することができた。
しかも、シリカマイクロビーズ2には、アルミ元素が100〜500ppmドープされているので、焼結により生成される石英ガラス中に、アルミニウムを含有したシリカが点在的に析出して、これが失透核となって成長し、石英ガラス全体が乳白色に不透明化される。
そして、焼成炉18の炉内温度が室温まで冷却されると、焼結用成形体Fはガラス化されて不透明石英ガラス製品である反射鏡基体Mが得られた。
この反射鏡基体Mの表面を数千倍の顕微鏡で観察したが、どこを観察しても粗面となる部分が見当たらず、凹凸がなく極めて緻密で良好な石英ガラス製品を製造することができた。
この反射鏡基体Mの可視光領域の光の直線透過率を測定したところ2%以下となり、プロジェクタ装置の反射鏡として使用した場合でも、漏れ光が気にならない程度まで低減することができた。
そして、その内面に多層反射膜を形成して反射鏡を形成し、定格150Wの高圧水銀蒸気放電ランプと組み合わせた光源ユニットを作成したところ、熟練者が作成した同じ形状寸法の試作反射鏡と組み合わせた光源ユニットに比して同等の明るさが得られ、且つ、背面へ漏れ光の強度を2%以下に低減することができた。
本発明は、無気泡の不透明石英ガラス製品を、高精度且つ低コストで量産する用途に適用し得る。
本発明に係るシリカ顆粒を示す拡大模式図。 その製造方法を示す説明図。 ガラス焼結品の製造方法を示す説明図。 焼結温度の推移を示すグラフ。 シリカマイクロビーズの熱変化を示す模式図。 反射鏡の背面への漏れ光を示す説明図。
符号の説明
1 シリカ顆粒
2 シリカマイクロビーズ
3 有機系バインダ

Claims (11)

  1. シリカ顆粒を成形用金型に充填してプレス成形することにより得られた焼結用成形体を加熱焼結する不透明石英ガラス製品の製造方法であって、
    室温以上400℃以下で液化あるいは熱分解する有機系バインダの水溶液中に、アルミ元素を失透核としてドープした球形のシリカマイクロビーズを均一分散させてスラリとし、該スラリを噴霧乾燥することにより前記有機系バインダを介してシリカマイクロビーズを凝集させた顆粒を前記シリカ顆粒として用いたことを特徴とする不透明石英ガラス製品の製造方法。
  2. 焼結用成形体を加熱焼結する際に、400℃以上の所定温度に維持することにより有機系バインダを除去する予備加熱を行った後、さらに昇温を行い、
    1000℃を超え焼結温度に至るまでの昇温速度を90〜130℃/hrとし、
    焼結温度で所定時間維持した後、冷却過程において少なくとも焼結温度から1000℃までを−500〜−600℃/hrの降温速度で急冷する請求項1記載の不透明石英ガラス製品の製造方法。
  3. 前記シリカマイクロビーズにドープされたアルミ元素の濃度が、100〜500ppmである請求項1又は2記載の不透明石英ガラス製品の製造方法。
  4. 前記シリカマイクロビーズの平均粒径が0.05〜1.5μmに選別された請求項1〜3いずれか記載の不透明石英ガラス製品の製造方法。
  5. 前記不透明石英ガラス製品が反射鏡基体である請求項1〜4いずれか記載の不透明石英ガラス製品の製造方法。
  6. 成形用金型に充填してプレス成形することにより得られた焼結用成形体を焼結して不透明石英ガラス製品を製造するシリカ顆粒であって、
    アルミ元素を失透核としてドープした球形のシリカマイクロビーズが、室温以上400℃以下で液化あるいは熱分解する有機系バインダを介して凝集されて成ることを特徴とするシリカ顆粒。
  7. 前記シリカマイクロビーズにドープされたアルミ元素の濃度が、100〜500ppmである請求項6記載のシリカ顆粒。
  8. 前記シリカマイクロビーズの平均粒径が0.05〜1.5μmに選別された請求項6又は7記載のシリカ顆粒。
  9. 成形用金型に充填してプレス成形することにより得られた焼結用成形体を焼結して不透明石英ガラス製品を製造するシリカ顆粒の生成方法であって、
    室温以上400℃以下で液化あるいは熱分解する有機系バインダの水溶液中に、アルミ元素を失透核としてドープした球形のシリカマイクロビーズを均一分散させてスラリとし、該スラリを噴霧乾燥することにより前記有機系バインダを介してシリカマイクロビーズを凝集させることを特徴とするシリカ顆粒の生成方法。
  10. 前記シリカマイクロビーズにドープされたアルミ元素の濃度が、100〜500ppmである請求項8記載のシリカ顆粒の生成方法。
  11. 前記シリカマイクロビーズの平均粒径が0.05〜1.5μmに選別された請求項8又は9記載のシリカ顆粒の生成方法。
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