JP5170955B2 - 電磁波測定方法および電磁波測定装置 - Google Patents

電磁波測定方法および電磁波測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器からの不要電磁波輻射を測定するための電磁波測定方法および電磁波測定装置に関するものである。
近年、各種の電子機器から発生する不要電磁波輻射(放射)による通信妨害を最小限に抑えるために、多くの国で電子機器からの不要電磁波輻射に対する規制が設けられており、例えば海外では、FCC(アメリカ連邦通信委員会)、CISPR(国際無線障害特別委員会)、VDE(ドイツ電気技術者協会)等の規格が設けられている。我国でも、VCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)の自主規制規格が決められ、電子機器製造メーカにおいて、各種の電子機器から発生する不要電磁波輻射を抑える対策を行うようになってきている。
これらの不要電磁波輻射の規制は、一般に、30MHzから1GHzの広範囲にわたって周波数別に制定されている。また、その測定方法は、不要電磁波輻射の発生源である電子機器から所定の距離を隔てた位置での電界強度を測定するもので、測定環境や測定器は特殊なものになるため、その測定技術はかなりの専門技術を必要とする。
そこで、最近では、電子機器のプリント基板回路および同様な回路装置から放射される近傍電磁界強度を測定するための電磁波測定装置が用いられ、計測工程における時間の削減とコストの低減が図られている。
このような不要電磁波輻射を含む電磁波測定のための電磁波測定装置の従来例1(例えば、特許文献1を参照)として、例えば、電子機器の近傍を電界あるいは磁界センサを用いて、電界あるいは磁界強度を測定し、その電磁界強度の最大値による周波数スペクトラムを作成し、その最大値周波数スペクトラムで強度の強い周波数の電磁界強度分布を作成し、この電磁界強度分布を基に、放射ノイズ源の探索、放射ノイズ発生メカニズムの解析、それらへの対策およびその効果の確認などを行うことが知られている。
また、従来例2(例えば、特許文献2を参照)として、被測定物から任意の距離離れた位置で磁界センサを用いて測定した磁界分布から、被測定物内を流れる電流分布を求め、その電流分布から所望の距離における電界強度を求める方法が知られている。
また、従来例3(例えば、特許文献3を参照)として、表面に凹凸のある被測定物に対しては、被測定物と電磁界センサとの距離を測定する距離センサを併用して、電磁界センサを用いて測定した電磁界強度に対して、被測定物と電磁界センサとの距離に応じた距離補正を行うものが知られている。
特開2002−372558号公報 特開2003−279611号公報 特開2000−230954号公報
しかしながら、上記のような従来の電磁波測定装置では、被測定物からの不要電磁波輻射の発生源である電流源の推定において、被測定物上の各測定点の機構、構造、材料等の多様性から、単一の電磁界から電流源を推定する方法では、各測定点での電流推定精度にばらつきが生じるため、測定エリア内で同一に評価することができない。
また、被測定物からの不要電磁波輻射を含む電磁波に対して電磁界分布を測定する際に、被測定物から一定の距離離れた平面内を移動測定する場合、凹凸のある被測定物に対しては、各測定点で被測定物と電磁界センサとの距離が異なるため、測定平面内での電磁界強度が等しい点でも、被測定物と電磁界センサの距離が異なれば、被測定物から放射される電磁波による実際の電磁界強度には差異が出てくる。
これに対しては、被測定物表面の凹凸に沿って電磁界センサを移動させて測定するという方法、あるいは、距離センサを併用して電磁界センサと測定点との距離を測定し、各測定点に対して放射される電磁波の電磁界強度を距離補正するという方法があるが、これらの方法では測定に長時間を要する。
以上のため、複雑な表面構造の被測定物に対しては、被測定物からの不要電磁波輻射を正確に検出するために多くの時間がかかり、そのような不要電磁波輻射の要因となる被測定物の不具合箇所を確実に把握するのには、多くの時間と費用がかかるという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、複雑な表面構造の被測定物に対しても、被測定物からの不要電磁波輻射を短時間で正確に検出することができ、不要電磁波輻射の要因となる被測定物の不具合箇所を確実にかつ低コストに把握することができる電磁波測定方法および電磁波測定装置を提供する。
また、本発明の請求項1に記載の電磁波測定方法は、被測定物に対して、複数の電磁界センサを一列に配置させ、前記被測定物の基準面から一定距離はなれた水平な測定面内を同時に移動させて電磁界強度を測定するとともに、電流源が導体の場合と、マイクロストリップ線路の場合とで、それぞれに応じた前記電磁界強度から電流値を推定する複数の電流推定式を準備し、前記被測定物の表面構造を示す設計データに対応する前記電流推定式を前記測定面内の各範囲ごとに選択し、前記設計データから前記被測定物内の測定点と前記電磁界センサとの距離を前記測定面内の各座標点ごとに算出し、前記測定した電磁界強度と、前記選択した電流推定式及び前記算出した距離を基に、電流強度を前記測定面内の各範囲ごとに推定し、その推定された電流強度を基に、測定点から特定距離離れた点の電磁界強度を計算することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の電磁波測定装置は、被測定物からの電磁界を受信する複数の受信アンテナプローブを一列に配置させた電磁界センサと、前記電磁界センサの複数の受信アンテナプローブを前記被測定物の基準面から一定距離はなれた水平な測定面内で同時に移動させる走査手段と、前記走査手段により移動する前記電磁界センサで受信した前記電磁界強度を測定処理する受信処理手段と、電流源が導体の場合と、マイクロストリップ線路の場合とで、それぞれに応じた前記電磁界強度から電流値を推定する複数の電流推定式を準備し、前記被測定物の表面構造を示す設計データに対応する電流推定式を前記測定面内の各範囲ごとに選択し、前記設計データから前記被測定物内の測定点と前記電磁界センサとの距離を前記測定面内の各座標点ごとに算出し、前記測定した電磁界強度と、前記選択した電流推定式及び前記算出した距離を基に、電流強度を前記測定面内の各範囲ごとに推定し、その推定された電流強度を基に、測定点から特定距離離れた点の電磁界強度を計算する演算処理手段とを備えたことを特徴とする。
以上のように本発明によれば、被測定物に対して、その電磁波放射を、電磁界センサを用いて被測定物の近傍の測定面内を移動測定するとき、被測定物の設計データとして、電磁界強度の決定要因となる被測定物の仕様情報、あるいは被測定物内の測定点と電磁界センサとの距離を算出するための被測定物の構造情報を利用することにより、複雑な表面構造の被測定物に対しても、測定面内の各座標点ごとに、被測定物の構造上の差異を考慮した電流強度推定あるいは電磁界強度測定を、簡易にかつ高精度に実現することができる。
そのため、複雑な表面構造の被測定物に対しても、被測定物からの不要電磁波輻射を短時間で正確に検出することができ、不要電磁波輻射の要因となる被測定物の不具合箇所を確実にかつ低コストに把握することができる。
また、被測定物の設計データを用いることにより、電磁界センサ以外のセンシング機能が不要となり、装置の低コスト化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を示す電磁波測定方法および電磁波測定装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の具体例であって特許請求の範囲を限定するものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の電磁波測定方法および電磁波測定装置を説明する。
図1は本実施の形態1の電磁波測定方法および電磁波測定装置を示すブロック斜視図である。図2は本実施の形態1の他の構成例を示すブロック斜視図である。本実施の形態の電磁波測定装置は、基本的に、設計データに基づいて形成された被測定物に対して、電磁界センサを前記被測定物から一定距離はなれた測定面内を移動させながら、前記測定面内の各座標点での電磁界強度を測定するものであり、図1に示すように、被測定物1からの電磁波成分を受信する電磁界センサとしての受信アンテナプローブ2と、受信アンテナプローブ2が受信した電磁波成分を受けて受信処理する受信処理手段としての広帯域受信部4と、受信アンテナプローブ2と被測定物1とをXYZの各座標軸方向に相対移動させる走査手段としてのXYZ駆動部5と、広帯域受信部4により受信処理された受信電磁波成分から不要電磁波成分をデータ処理して計測する計測制御部6と、計測制御部6により計測された不要電磁波成分に対して、被測定物1の設計データ(例えば、CADデータ等)から抽出して得た被測定物1の仕様情報(例えば、表面の凸凹情報や構造情報や材質情報などの機構基板情報等)を用いて、電流推定する演算処理を実行する演算処理手段としての演算処理部8と、演算処理部8により演算処理された各種結果を表示する表示部7とを備えたものとする。
以上のように構成された電磁波測定装置では、図1、図2に示すように、電子機器などの電磁波を発生する被測定物1に対して、その発生電磁波を、受信アンテナプローブ2と被測定物1との相対位置を変化させながら、増幅器やミキサーなどを有する広帯域受信部4および計測制御部6などで構成された電磁波測定装置3により測定する場合を考える。
なお、受信アンテナプローブ2としては、ループアンテナ、微小ダイポールアンテナなどがあるが、これらに限られることはない。また、受信アンテナプローブ2と被測定物1との相対位置を変化させる手段としては、図1に示すように、XYZ駆動部5を受信アンテナプローブ2側に取り付け、そのXYZ駆動部5を用いて受信アンテナプローブ2を移動させても良いし、図2に示すように、XYZ駆動部5を被測定物1側に取り付け、そのXYZ駆動部5を用いて被測定物1を移動させても良い。
また、電磁波測定装置3は、被測定物1に関するCADデータ等の設計データから、必要な仕様情報を抽出し、その情報に基づき受信された電磁界強度を演算することを特徴とする。この演算では、被測定物1の仕様情報を基にして得られた電磁波の発生源の仕様情報、例えば、表面の凸凹情報や構造情報や材質情報などの機構基板情報等を用いて、それらの仕様情報に対応する適切な電流推定式を選択する。なお、電流推定式は、後述するが、予め複数の仕様情報に対応させて数パターン用意しておくとよい。
情報としては、例えばプリント基板のパターン情報や材料情報、シールドなどの金属物の機構情報などを用いる。
例えば、磁界を測定した場合の一例を、図3を用いて説明する。
図3(a)に示すように、電流源が導体9の場合は、アンペールの法則より、電流値I(A)の電流源から距離d(m)離れた位置における磁界強度H(A/m)は、(式1)で表せる。これより電流源の電流値I(A)は、測定した磁界強度H(A/m)と、測定点と受信アンテナプローブ2との距離d(m)を用いて、(式2)の電流推定式から推定できる。
一方、図3(b)に示すように、電流源が、基板を挟んで、基板表面の所定位置に形成された導体(例えば銅箔)からなる信号線11と、基板裏面の所定範囲に形成された導体(例えば銅箔)からなるグランド12とを有するマイクロストリップ線路10の場合は、図3(c)(図3(b)においてA方向から見た場合の図)に示すように、電流源により生じる磁界強度H(A/m)は、マイクロストリップ線路10の信号線11上の電流Iが作る磁界に加えて、マイクロストリップ線路10のグランド12の表面から裏面側へ基板の厚みに相当する距離t(m)離れた鏡像の位置に流れる帰路電流I’(鏡像電流と呼び、大きさは電流Iと同じ)が作る磁界との合成で表現されるため、(式3)で表せる。
従って、電流源がマイクロストリップ線路10の場合は、電流源の電流値I(A)は、測定した磁界強度H(A/m)と、測定点と受信アンテナプローブ2との距離d(m)と、さらにマイクロストリップ線路10を形成する基板の厚みt(m)を用いて、(式4)の電流推定式から推定される。
ここで、上記の(式2)および(式4)の電流推定式において、測定点と受信アンテナプローブ2との距離d(m)、およびマイクロストリップ線路10を形成する基板の厚みt(m)は、演算処理部8が、例えば、被測定物1のCADデータ等から抽出して得た表面の凸凹情報や構造情報などの機構基板情報等に基づいて、演算処理することにより求められる。
Figure 0005170955
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これらはあくまで一例であり、被測定物がプリント基板なのかあるいは導体(筐体やシールドケースなど)なのかによって、用意する電流推定式は異なる。
このように測定点の情報から用いる電流推定式を使い分けることで、測定エリア内で高精度な電流推定が可能となる。
例えば、図4(a)に示すように、マイクロストリップ線路10の近傍磁界を磁界測定用受信アンテナプローブ13で測定した場合、受信アンテナプローブ13が受信する磁界強度の周波数特性を図4(b)に示す。
まず、理論計算としてマクスウェルの方程式を用いた有限要素法によりシミュレーションした結果SIMを図4(b)の点線で示す。一方、(式2)を用いて計算した結果は図4(b)の細線、(式4)を用いて計算した結果は図4(b)の太線のようになる。
このように、被測定物がマイクロストリップ線路10の場合、(式4)つまりマイクロストリップ線路10を想定した計算式を選択することで、より理論計算式に近い高精度な推定が行えることがわかる。
一方、電流推定において用いる各測定点とアンテナプローブとの距離dをCADデータから抽出する方法を図6を用いて説明する。
先ず、図6(a)に示すように、被測定物1の基準点Pstを決める。この場合、基準点Pstとしては被測定物1の中で最も突起した点が望ましい。次に、実際に磁界強度を測定する水平平面として、基準点PstからZ座標軸の方向に基準測定距離dstだけ離れた位置を通るXY平面を決める。ここで、図6(b)に示すように、CADデータなどの設計データから抽出した被測定物1の凹凸情報を用いて、各測定点Pijの基準点Pstからの相対距離Dijを取得しておく。ここで、各測定点Pijは部品の場合はその上面、導体配線の場合は導体の中心、基板上の配線パターンの場合は、パターン面状の点を選択する。
これにより、基準測定距離dstと各測定点Pijの相対距離Dijを用いて、各測定点Pijの受信アンテナプローブ2との距離dijは、(式5)で表せる。
Figure 0005170955
以上のように本実施の形態によれば、被測定物がプリント基板なのかあるいは導体(筐体やシールドケースなど)なのかの種類によって、選択する電流推定式は異なるため、被測定物の仕様情報を基に、被測定物の種類に適合した電流推定式を自動的に選択するとともに、例えば、電流源が導体9の場合あるいはマイクロストリップ線路10の場合に応じて、測定点と受信アンテナプローブ2との距離d(m)や、マイクロストリップ線路10を形成する基板の厚みt(m)などを求め、選択した電流推定式を基に距離d(m)や厚みt(m)を用いて、電流源の電流値I(A)を算出することにより、電流源の電流値を精度良く推定することができる。
前記高精度に推定された測定面内の各座標点における電流値により、被測定物内での電流の流れを可視化することにより、電磁波(ノイズ)発生源(対策を施す不具合箇所)を確実にかつ低コストに把握し、さらには対策を施すことができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の電磁波測定方法および電磁波測定装置を説明する。
図5は本実施の形態2の電磁波測定方法および電磁波測定装置を示すブロック斜視図である。本実施の形態の電磁波測定装置は、基本的に、設計データに基づいて形成された被測定物に対して、電磁界センサを前記被測定物から一定距離はなれた測定面内を移動させながら、前記測定面内の各座標点での電磁界強度を測定するものであり、図5に示すように、被測定物1からの電磁波成分を受信する電磁界センサとしての受信アンテナプローブ2と、受信アンテナプローブ2が受信した電磁波成分を受けて受信処理する受信処理手段としての広帯域受信部4と、受信アンテナプローブ2と被測定物1とをXYZの各座標軸方向に相対移動させる走査手段としてのXYZ駆動部5と、広帯域受信部4により受信処理された受信電磁波成分から不要電磁波成分をデータ処理して計測する計測制御部6と、計測制御部6により計測された不要電磁波成分に対して、被測定物1の設計データ(CADデータ等)から算出して得た被測定物1内の測定点と受信アンテナプローブ2との距離を用いて、所定の一定距離での電磁界分布へ補正する演算処理を実行する演算処理手段としての演算処理部8と、演算処理部8により演算処理された各種結果を表示する表示部7とを備えたものとする。
以上のように構成された電磁波測定装置では、図5示すように、電子機器などの電磁波を発生する被測定物1に対して、その発生電磁波を、受信アンテナプローブ2により被測定物1近傍のXY平面(例えば、点線による網目で示す)上を移動して受信することにより、被測定物1からの発生電磁波による電磁界強度を高速に測定する場合を考える。
この場合、各測定点Pijで測定距離dijが異なるため、受信した電磁界強度を同一の基準では評価することはできない。
これに対しても、被測定物1のCADデータ等による設計データを利用し、設計データから抽出して得られた被測定物1の表面上における凹凸情報から、各測定点Pijと受信アンテナプローブ2との距離dij(求め方は前述のためここでは省略)を取得し、予め規定した補正式(後述する)と、測定した電磁界強度と、各測定点Pijと受信アンテナプローブとの距離dijの関係を用いて、各測定点Pijで受信した電磁界強度を、各測定点Pijから等しく離れた位置を想定した場合の電磁界強度へ補正する。
これにより、各測定点Pijと受信アンテナプローブ2との距離dijの差異を解消し、距離dijが異なる場合の電磁界に対する受信強度を補正することができ、高精度に電流分布あるいは電磁界強度分布を取得することができる。
まず、各測定点の受信アンテナプローブ2との距離を用いて、各測定点に対する電磁界強度が補正できることを、図7を用いて以下に説明する。ここでは、図7(a)に示すように、凹凸のある導体9からZ座標軸の方向にある距離だけ離れたXY平面上で、磁界強度を測定してその磁界強度分布を求めた場合を例に挙げる。
図7(b)に示す磁界強度分布は、電流源である導体9の測定点から受信アンテナプローブ2までの距離dijによる距離補正無しで測定された磁界強度分布を、横軸に測定面内の測定位置、縦軸に受信アンテナプローブ2により受信される磁界強度で表した結果である。
このように、電磁波の発生源である電流源から受信アンテナプローブ2までの距離dijに応じて測定される磁界強度分布は変化するため、同等の電流源を測定した場合でも、電流源である導体の凹凸に応じて歪んだ磁界強度分布が出力される。
これに対し、図7(c)に示す磁界強度分布は、演算処理部8が、(式5)に従って各測定点の受信アンテナプローブ2との距離dijを求め、さらに距離dijを基に比例関係で磁界強度に対する補正係数K(K∝dij)を求め、この補正係数Kを用いて図7(b)の磁界強度分布に対して距離補正した磁界強度で表した結果である。ここで、距離dijと補正係数Kとの比例関係(K∝dij)については、予め決定した比例関係式を使用し、求めた距離dijに応じて補正係数Kを算出するものとする。
このように磁界強度分布に対して距離補正することにより、図7(b)に示すような磁界強度分布の歪は解消され、各測定点で一定した同一の磁界強度を示す結果が得られる。これは最も単純な例であるが、さらに複雑な凹凸形状の被測定物に対して適応することで、被測定物の凹凸形状に依存しない電磁界強度が得られる。
前記補正された電磁界強度により、被測定物内での電磁界(ノイズ)強度を一定の基準で評価することができるため、被測定物内で電磁界(ノイズ)を最も発生している箇所を特定することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の電磁波測定方法および電磁波測定装置を説明する。
図8は本実施の形態3の電磁波測定方法および電磁波測定装置を示すブロック斜視図である。本実施の形態の電磁波測定装置は、基本的に、設計データに基づいて形成された被測定物に対して、電磁界センサを前記被測定物から一定距離はなれた測定面内を移動させながら、前記測定面内の各座標点での電磁界強度を測定するものであり、図8に示すように、被測定物1からの電磁波成分を受信する電磁界センサとしての受信アンテナプローブ2と、受信アンテナプローブ2が受信した電磁波成分を受けて受信処理する受信処理手段としての広帯域受信部4と、受信アンテナプローブ2と被測定物1とをXYZの各座標軸方向に相対移動させる走査手段としてのXYZ駆動部5と、広帯域受信部4により受信処理された受信電磁波成分から不要電磁波成分をデータ処理して計測する計測制御部6と、計測制御部6により計測された不要電磁波成分に対して、被測定物1の設計データ(CADデータ等)から抽出して得た被測定物1の仕様情報(表面の凸凹情報や構造情報や材質情報などの機構基板情報等)を用いて、実施の形態1で説明した方法により電流推定する演算処理、および前記推定された各測定点での電流値から、特定距離はなれた電磁界強度を計算する演算処理を、実行する演算処理手段としての演算処理部8と、演算処理部8により演算処理された各種結果を表示する表示部7とを備えたものとする。
以上のように構成された電磁波測定装置においては、実施の形態1で示した被測定物の構造上の違いを考慮した電流推定式を用いて電流値を推定し、さらにその電流値を用いて被測定物から特定の距離はなれた電磁界強度を計算する。
すなわち、本実施の形態の電磁波測定装置では、演算処理部8により、測定面内の各座標点ごとに、被測定物1の設計データ(CADデータ等)から電磁界強度の決定要因となる被測定物1の仕様情報(表面の凸凹情報や構造情報や材質情報などの機構基板情報等)を抽出し、これらの仕様情報を基に、実施の形態1で説明した方法により、仕様情報に対して成立する電流推定式を選択するとともに、被測定物1の設計データ(CADデータ等)から被測定物1内の測定点と受信アンテナプローブ2との距離を算出し、高精度に電流値を推定するとともに、本推定式を用いて被測定物から一定距離離れた電磁強度を計算する。
このようにして演算処理部8の演算処理の結果得られた各種情報を、必要に応じて表示部7に表示する。
以上のように上記の各実施の形態によれば、被測定物1に対して、その電磁波放射を、受信アンテナプローブ2を用いて被測定物1の近傍の測定面内を移動測定するとき、被測定物1の設計データとして、電磁界強度の決定要因となる被測定物1の仕様情報、あるいは被測定物1内の測定点と受信アンテナプローブ2との距離を算出するための被測定物1の構造情報を利用することにより、複雑な表面構造の被測定物1に対しても、測定面内の各座標点ごとに、被測定物の構造上の差異を考慮した電流強度推定あるいは電磁界強度測定を、簡易にかつ高精度に実現することができる。
そのため、複雑な表面構造の被測定物に対しても、被測定物からの不要電磁波輻射を短時間で正確に検出することができ、不要電磁波輻射の要因となる被測定物の不具合箇所を確実にかつ低コストに把握することができる。
なお、上記の各実施の形態においては、電磁界センサとして1つの受信アンテナプローブ2を用い、この受信アンテナプローブ2を、XYZ駆動部5によりXYの各座標軸方向の各座標上を水平移動させることにより、測定面内の全域をカバーして、測定面内の各座標点ごとに被測定物からの電磁界強度を測定するように構成したが、図9に示すように、電磁界センサとして複数の受信アンテナプローブ2を例えばX座標軸方向の各座標上に配列し、すべての受信アンテナプローブ2をXYZ駆動部5により同時にY座標軸方向の各座標上を移動させるように構成した場合も想定できる。
この場合には、被測定物の凹凸に沿って受信アンテナプローブ2をZ方向に移動させて電磁界強度を測定する従来例では、X方向の各座標上の凹凸には対応することができず、不具合を生じるが、この場合に対しても、上記の各実施の形態で説明した電磁波測定方法によれば、同一水平面内でY座標軸方向の各座標上を水平移動させるだけで、測定面内の全域をカバーして、測定面内の各座標点ごとに被測定物からの電磁界強度を測定することが可能であり、上記の各実施の形態の場合に比べて、電磁界強度測定のための所要時間をさらに短縮することができる。
本発明の電磁波測定方法および電磁波測定装置は、複雑な表面構造の被測定物に対しても、被測定物からの不要電磁波輻射を短時間で正確に検出することができ、不要電磁波輻射の要因となる被測定物の不具合箇所を確実にかつ低コストに把握することができるもので、電子機器からの不要電磁波輻射の測定技術に適用できる。
本発明の実施の形態1の電磁波測定方法および電磁波測定装置を示すブロック斜視図 同実施の形態1の他の構成例を示すブロック斜視図 同実施の形態1の電流源の構造による電流推定式の違いを説明する図 同実施の形態1のマイクロストリップ線路を磁界測定用の受信アンテナプローブで測定した場合を示す図 本発明の実施の形態2の電磁波測定方法および電磁波測定装置を示すブロック斜視図 同実施の形態2の被測定物の凹凸情報から各測定点と受信アンテナプローブとの距離を求める方法を示す図 同実施の形態2の距離補正による効果を示す図 本発明の実施の形態3の電磁波測定方法および電磁波測定装置を示すブロック斜視図 本発明の各実施の形態において複数の受信アンテナプローブを用いた場合の構成例を示すブロック斜視図
符号の説明
1 被測定物
2 受信アンテナプローブ
3 電磁波測定装置
4 広帯域受信部
5 XYZ駆動部
6 計測制御部
7 表示部
8 演算処理部
9 (被測定物である)導体
10 (被測定物である)マイクロストリップ線路
11 (マイクロストリップ線路の)信号線
12 (マイクロストリップ線路の)グランド面
13 磁界測定用受信アンテナプローブ

Claims (2)

  1. 被測定物に対して、複数の電磁界センサを一列に配置させ、前記被測定物の基準面から一定距離はなれた水平な測定面内を同時に移動させて電磁界強度を測定するとともに、
    電流源が導体の場合と、マイクロストリップ線路の場合とで、それぞれに応じた前記電磁界強度から電流値を推定する複数の電流推定式を準備し、
    前記被測定物の表面構造を示す設計データに対応する前記電流推定式を前記測定面内の各範囲ごとに選択し、
    前記設計データから前記被測定物内の測定点と前記電磁界センサとの距離を前記測定面内の各座標点ごとに算出し、
    前記測定した電磁界強度と、前記選択した電流推定式及び前記算出した距離を基に、電流強度を前記測定面内の各範囲ごとに推定し、その推定された電流強度を基に、測定点から特定距離離れた点の電磁界強度を計算する
    ことを特徴とする電磁波測定方法。
  2. 被測定物からの電磁界を受信する複数の受信アンテナプローブを一列に配置させた電磁界センサと、
    前記電磁界センサの複数の受信アンテナプローブを前記被測定物の基準面から一定距離はなれた水平な測定面内で同時に移動させる走査手段と、
    前記走査手段により移動する前記電磁界センサで受信した前記電磁界強度を測定処理する受信処理手段と、
    電流源が導体の場合と、マイクロストリップ線路の場合とで、それぞれに応じた前記電磁界強度から電流値を推定する複数の電流推定式を準備し、前記被測定物の表面構造を示す設計データに対応する電流推定式を前記測定面内の各範囲ごとに選択し、前記設計データから前記被測定物内の測定点と前記電磁界センサとの距離を前記測定面内の各座標点ごとに算出し、前記測定した電磁界強度と、前記選択した電流推定式及び前記算出した距離を基に、電流強度を前記測定面内の各範囲ごとに推定し、その推定された電流強度を基に、測定点から特定距離離れた点の電磁界強度を計算する演算処理手段と
    を備えたことを特徴とする電磁波測定装置。
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