JPH1114671A - 電流推定装置 - Google Patents

電流推定装置

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JPH1114671A
JPH1114671A JP9166086A JP16608697A JPH1114671A JP H1114671 A JPH1114671 A JP H1114671A JP 9166086 A JP9166086 A JP 9166086A JP 16608697 A JP16608697 A JP 16608697A JP H1114671 A JPH1114671 A JP H1114671A
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current density
distribution
magnetic field
model
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JP9166086A
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Norio Masuda
則夫 増田
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント配線板上を流れる電流の分布を高い
信頼性で求めることのできる電流推定装置を実現するこ
と。 【解決手段】 プリント配線板上の1方向以上の磁界成
分の分布を検出電流に基づいて測定する磁界分布測定手
段と、電流密度モデルを記憶するデータベースと、 前
記データベースに記憶される電流密度モデルから放射磁
界パターンを生成する放射磁界パターン生成器と、前記
磁界分布測定手段による検出電流と前記データベースに
記憶される電流密度モデルからプリント配線板上の面内
の電流密度モデルの配列を生成する電流密度モデル配列
生成器と、前記電流密度モデル配列生成器により生成さ
れた電流密度モデルの配列と前記放射磁界パターン生成
器により生成された放射磁界パターンを用いて電流密度
分布を求める電流密度計算器とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板上
の電流分布を推定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所定領域の電流分布を推定する従来技術
として、特開平4−236942号公報に生体内の活動
電流についての解析法が開示されている。また、特開平
4−98159号公報には電荷のまわりの電磁界分布の
可視化推定の方法が開示されている。特開平4−236
942号公報では、微小区間の仮想電流源を仮定して最
適化する手法を採っている。しかし、この手法は初期値
の設定によってはかなり多くの試行錯誤を行うため、最
適化された電流分布を求めるために多くの試行錯誤回数
を要する。また、プリント配線板上には非常に多くの電
子部品やプリント配線パターンがあるので、複数の仮想
電流を仮定して求めなければならない。従って特開平4
−236942号公報に開示される方法は、磁界分布の
形状が比較的単純で、活動電流源が数本以内であるよう
な場合には有効であるが、コンピュータ機器や通信装置
等のプリント配線板のような複雑な電流源を持ち、磁界
分布の形状も複雑となる場合には推定精度が悪くなる。
【0003】特開平4−98159号公報に開示される
電界分布を求める手法では、プリント配線板上、あるい
は、その周辺の電磁界分布に含まれている電界成分は磁
界成分に比べて非常に少なく、電界成分を用いて電流成
分を推定することは精度面からみて不利である。上述の
ように、従来技術では、プリント配線板上の電流分布及
び電流密度ベクトルを求めることが困難であった。プリ
ント配線板上の電流分布を推定する場合、上記の技術を
そのまま適用することが困難なため、プリント配線板に
非常に近い測定距離(数mm程度)で測定した磁界分布
をその測定点における電流分布にほぼ等しいものとして
いた。マックスウェルの電磁界の式より電流密度と磁界
分布は直接関係づけられるため、電流を推定する際には
磁界分布を利用するのが一般的である。
【0004】図10は一般によく使用される測定装置の
構成を示すブロック図である。制御器1002は磁界測
定器1001を制御情報によって制御することにより測
定データを得、得られた測定データに基づいて磁界分布
を示す表示データを生成し、磁界分布表示器(もしくは
電流分布表示器)1003に表示させる。図11は図1
0に示した測定装置の測定系の構成を示す図である。磁
界測定器としてループプローブ1101を使用してプリ
ント配線板1102上の磁界分布をプリント配線板11
02上面から数mm程度の距離で測定する。ループプロ
ーブ1101はX方向およびY方向に走査され、各位置
における磁界強度を求める。この手法はプリント配線板
1102に非常に近い距離で磁界を測定すれば、ほとん
ど電流の分布に等しいと見なせるという仮定のもとに行
われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電流測
定はプリント配線板非常に近い距離(数mm)で磁界を
測定することが前提となるが、プリント配線板上にはL
SIやコネクタ等の部品が実装されており、測定距離を
30mm以上にしなければならない場合も少なからず発
生する。このように測定距離が大きくなると磁界分布が
電流分布にほぼ等しいと見なすことはできず、測定結果
の信頼性が低くなるという問題点がある。また、磁界の
強度しか分からないため、電流の流れる向きをベクトル
量として求めることができないという問題点がある。本
発明は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑み
てなされたものであって、プリント配線板上を流れる電
流の分布を高い信頼性で求めることのできる電流推定装
置を実現することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電流推定装置
は、プリント配線板上の1方向以上の磁界成分の分布を
検出電流に基づいて測定する磁界分布測定手段と、電流
密度モデルを記憶するデータベースと、前記データベー
スに記憶される電流密度モデルから放射磁界パターンを
生成する放射磁界パターン生成器と、前記磁界分布測定
手段による検出電流と前記データベースに記憶される電
流密度モデルからプリント配線板上の面内の電流密度モ
デルの配列を生成する電流密度モデル配列生成器と、前
記電流密度モデル配列生成器により生成された電流密度
モデルの配列と前記放射磁界パターン生成器により生成
された放射磁界パターンを用いて電流密度分布を求める
電流密度計算器とを有する。
【0007】この場合、電流密度計算器により求められ
た電流密度分布を用いて電流密度ベクトル分布を求める
電流ベクトル計算器を有することとしてもよい。また、
電流密度計算器または電流ベクトル計算器により求めら
れた電流密度分布または電流密度ベクトル分布に2次元
のウェーブレット変換を行いウェーブレットスペクトラ
ムを求めるウェーブレット変換器と、前記ウェーブレッ
ト変換器により求められたウェーブレットスペクトラム
の一部を抽出するフィルタリング操作器と、前記フィル
タリング操作器により抽出されたウェーブレットスペク
トラムを逆ウェーブレット変換して電流密度分布を求め
る逆ウェーブレット変換器とを有するとしてもよい。
【0008】また、フィルタリング操作器は複数のフィ
ルタを用いてウェーブレットスペクトラムの一部を複数
抽出し、逆ウェーブレット変換器は、フィルタリング操
作器により抽出されたウェーブレットスペクトラムの一
部のそれぞれについて電流密度分布または電流密度ベク
トル分布を求め、前記逆ウェーブレット変換器にて求め
られた電流密度分布または電流密度ベクトル分布のそれ
ぞれについて磁界分布を求める磁界分布計算器と、磁界
測定器により測定された磁界分布のデータと前記磁界分
布計算器にて求められた各磁界分布との間の相関係数を
それぞれ求める相関関数計算器と、前記相関関数計算器
にて求められた各相関係数を比較してその大小により前
記逆ウェーブレット変換器にて求められた電流密度分布
または電流密度ベクトル分布の順位を決定する相関関数
比較器と有することとしてもよい。
【0009】さらに、電流密度モデルの代わりに、既知
のモデルまたは実機を用いてあらかじめ測定された磁界
パターンと電流密度分布データベースを使って解析を行
うこととしてもよい。 「作用」上記のように構成される本発明において求めら
れる電流密度分布は、データベースに記憶されている電
流密度モデルに基づいたものとなり、測定の際に、誤差
要因(距離、ノイズ等)によって異常な値が検出された
としても電流密度モデルに適わない場合には採用されな
いこととなり、誤差要因による悪影響を帽子することが
でき、電流推定値の信頼性が向上する。フィルタリング
およびウェーブレット変換を行う場合にはノイズ成分を
除去することができ、電流推定値の信頼性がさらに向上
する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例の構成
を示すブロック図である。本実施例は電流推定装置10
1、データベース102、磁界測定器103、制御器1
04および表示器105から構成されている。磁界測定
器103、制御器104および表示器105のそれぞれ
は図10に示した従来例における磁界測定器1001、
制御器1002および表示器1003に相当するもの
で、本実施例においてはこれに加えて電流推定装置10
1とデータベース102とが設けられている。制御器1
04は磁界測定器103を制御情報によって制御するこ
とにより測定データを得る。制御器104は不図示の入
力装置からの入力を受け付けており、該入力に示される
電流密度分布や電流ベクトル分布の解析モードを得られ
た測定データとともに電流推定装置101へ送出する。
電流推定装置101は解析モードに応じてデータベース
102の格納内容を参照し、電流密度分布や電流ベクト
ル分布を示す表示データを生成し、表示器105に表示
させる。
【0011】本実施例における解析モードとしては、
(1)電流密度分布、(2)電流ベクトル分布、(3)
所定のフィルタによるフィルタリング後の電流密度分
布、(4)所定のフィルタによるフィルタリング後の電
流ベクトル分布、(5)複数のデータにより最適化を行
った後の電流ベクトル分布、が挙げられる。図2は、上
記のような解析が行われる電流推定装置101およびデ
ータベース102の内部構成を詳細に示すブロック図で
あり、以下に図2を参照して本実施例における解析動作
について説明する。図2において、実測データベース2
01、電流モデルデータベース202およびフィルタデ
ータベース210は図1におけるデータベース102を
構成するもので、実測データベース201は磁界分布デ
ータ201、電流データ201を格納し、電流モデ
ルデータベース202は電流モデル202を格納して
いる。また、図1に示した電流推定装置101は、電流
密度モデル配列生成器204、磁界放射パターン20
5、電流密度計算器206、電流ベクトル計算器20
7、ウェーブレット変換器208、フィルタリング操作
器209、逆ウェーブレット変換器211、磁界分布計
算器212、相関関数計算器213および相関関数比較
器214から構成されている。
【0012】以下に、本実施例の動作について、実際の
磁界測定に則して説明する。本実施例においても、磁界
測定器103としては図11に示したループプローブ1
101を使用して磁界を測定する。このときのループプ
ローブ1101の制御と磁界の測定データの採取は制御
器104により行う。ループプローブ1101は円形の
導体が存在するループ面と呼ばれる面に垂直な方向に磁
界が存在する場合に、磁界が円の中央部を鎖交するよう
に通ることにより導体内に電流が発生し、この電流がル
ーププローブ1101の負荷で電圧に変換されて磁界強
度を示す値として出力する。このループプローブ110
1をXY平面上で走査させながら各区間における磁界強
度を測定することによりXY平面上の1方向の分布が得
られ、XY平面上にプリント配線板が設置されていれば
そのプリント配線板の面に平行な面内の磁界分布が得ら
れる。ループプローブ1101のループ面をXYZの各
軸に向けて走査して測定すると、磁界の3方向成分が得
られる。これらのうちから1方向以上の分布を選び出し
て解析を行うための磁界分布データとする。このときの
ループプローブ1101の制御と磁界の測定データの採
取は制御器104にて行う。
【0013】まず、解析のために必要となるデータベー
スについて説明する。上述したように実測データベース
201は磁界分布データ201、電流データ201
を格納し、電流モデルデータベース202は電流モデル
202を格納している。電流モデル202には物理
的に意味のあるループ電流密度モデルが記憶されてい
る。電流密度モデルについて、一例として、図3に示す
ようなループ電流密度モデルから発生する1方向の磁界
分布を使用して解析する場合について説明する。ある平
面導体に分布する電流密度J(ベクトル)を平面導体上
の磁界H(ベクトル)を測定することによってループ電
流の電流密度Jは磁界Hと次式で関係づけられる。
【0014】▽×H=J…(1) 従って、電流密度Jは必ず次の関係を満足しなければな
らない。 ▽・▽×H=▽・J=0…(2) (2)式の関係はキルヒホッフの節点則と等価であり、
電流密度を面積について積分したある点に流入する電流
iは流出電流と等しいことを意味する。(2)式を自動
的に満足する電流の一例として環状に循環するループ電
流iがあり、これがループ電流密度モデルと呼ばれ、電
流モデル202に記憶されているものである。また、
ループ電流密度モデルを生成するための検出電流は実測
データベース201内の電流データ201に記憶され
る。磁界分布データ201には磁界分布が記憶されて
いる。図4はループ電流iが与えるz軸方向の磁界Hを
示す図であり、この磁界Hは電磁界の計算により求める
ことが可能である。この計算式は近似方法や基礎となる
理論式によるいくつかのよく知られている計算式があ
る。このような計算式から磁界分布を計算して、この磁
界分布を参照データベースとして以下の解析に使用する
ものである。
【0015】上記のような手順で、放射磁界パターン生
成器205により、電流モデル202より与えられる
磁界分布を計算して電流密度計算器206に計算パラメ
ータとして入力する。ここでは1方向、すなわちZ軸方
向の成分しか計算させていないが、XYZのうちから2
方向あるいは3方向の成分を選択してベクトル合成し、
平面や空間でベクトル成分をもった磁界分布をデータベ
ースとして使うこともできる。なお、フィルタデータベ
ース210には推定手法の1つとして行われるウェーブ
レット変換に必要となる複数のフィルタが記憶されてい
る。なお、上記の物理モデルの代わりに実際に測定され
たデータを使用することもできる。一例として、プリン
ト配線板上にあるループパターンや回路、部品の1方向
以上の磁界分布をあらかじめ計測し、これを参照データ
ベースとして電流密度計算器に入力するパラメータとす
ることもできる。この場合にはあらかじめループパター
ン等を流れている電流密度Jも計測するかあるいは電流
源等で制御して求める必要がある。そして、これらの電
流密度分布と放射磁界パターンを使用して解析する。
【0016】次に、本実施例における主な構成要素につ
いて説明する。放射磁界パターン生成器205は電流モ
デル202を参照し、放射磁界パターンを生成し、電
流密度計算器206へ出力する。電流密度モデル配列生
成器204は電流モデル202、電流データ201
を参照し、プリント配線板上の面内の電流密度モデルの
配列を生成する。電流密度モデル配列生成器204にお
けるプリント配線板上の面内の電流密度モデルの配列の
生成は以下のように行われる。電流密度Jによりプリン
ト配線板を微小ループ電流モデル等で分割する。プリン
ト配線板上には電流が分布するプリント配線パターンが
存在するので、図5に示すように微小長方形に分割し、
分割された微小長方形の中に電流ループを仮定する。具
体的には図5に示す微小長方形内を循環する電流を同図
中に示す円形ループで置き換える。プリント配線板全体
の磁界分布の解析を行う場合には、プリント配線板全体
をn×m個の領域に分割することとなる。n=1,2,
3,…、m=1,2,3,…と変えながら分割領域の変
更を行い、各分割領域毎に推定を行う。
【0017】本実施例では以上説明した電流密度パター
ン、放射磁界パターン、電流密度モデル配列を用いて、
上述した(1)電流密度分布、(2)電流ベクトル分
布、(3)所定のフィルタによるフィルタリング後の電
流密度分布、(4)所定のフィルタによるフィルタリン
グ後の電流ベクトル分布、(5)複数のデータにより最
適化を行った後の電流ベクトル分布を推定するもので、
以下に本実施例における各分布の推定動作について説明
する。(1)電流密度分布 電流密度計算器206内部では、電流密度パターン、放
射磁界パターン、電流密度モデル配列と積分方程式の理
論式を使って電流密度計算に必要なシステムマトリック
スを生成する。このシステムマトリックスは分割された
パターンごとに電流密度を計算し、それらの和によって
全体の電流分布を求める。このシステムマトリックスと
測定された磁界分布のデータを使って電流密度分布を計
算して出力した結果の一例を図6に示す。この結果が推
定結果(1)電流密度分布として表示器105に表示さ
れる。
【0018】(2)電流ベクトル分布 電流密度分布を使って、電流密度ベクトル計算器207
で電流密度ベクトルが求められる。電流密度ベクトルは
各微小区間の値とそれに隣り合う区間の値から2次元の
電流密度ベクトルを求め、求めたベクトルの大きさを矢
印や色等で段階別に分けたもので、この結果が推定結果
(2)電流ベクトル分布として表示器105に表示され
る。図7に計算結果の一例を示す。矢印の大きさと方向
で電流の大きさと向きが示されているため、プリント配
線板上のどの領域にループ電流が存在するのか探査する
ことが可能となる。このような情報を使ってプリント配
線板上の電流を制御する回路設計を行ったり、部品の実
装方法や配線パターンの形状を変更して、回路特性やノ
イズ特性を改善するための設計に役に立つ情報を提供す
ることができるものとなっている。
【0019】(3)所定のフィルタによるフィルタリン
グ後の電流密度分布および(4)所定のフィルタによる
フィルタリング後の電流ベクトル分布 ウェーブレット変換器208は、電流ベクトル計算器2
06からの電流密度および電流ベクトル計算器からの電
流密度ベクトル分布を入力し、これらをウェーブレット
変換器208に入力し、離散値系ウェーブレット変換を
行い、ウェーブレッ卜レベルと呼ばれるウェーブレッ卜
変換後のスぺク卜ラムを求める。ここでフィルタデータ
ベース210から適切なフィルタの特性を選び出し、ウ
ェーブレッ卜スペク卜ラムに対してフィルタリングを行
う。このフィルタの機能としては、設定されたしきい値
以下のスペク卜ルをノイズとして除去してしまうもの
や、マザーウェーブレッ卜と呼ばれる特殊なウェーブレ
ットスペクトラムを抽出する機能を有するものなどがあ
る。このフィルタの特性値をフィルタデータベース21
0を参照し、フィルタリング操作器209でフィルタ操
作を行い、特徴的な成分のみを抽出する。フィルタリン
グ操作器209の出力は逆ウェーブレット変換器211
により逆ウェーブレット変換され、再び電流密度および
電流密度ベクトルに戻される。この結果が推定結果
(3)所定のフィルタによるフィルタリング後の電流密
度分布、推定結果(4)所定のフィルタによるフィルタ
リング後の電流ベクトル分布として表示器105に表示
される。
【0020】図8に計算により求められた電流密度ベク
トルを示し、図9にウェーブレット変換器208とフィ
ルタリング操作による電流密度ベクトルの主要な成分の
抽出結果を示す。図8に示される計算により求められた
電流密度ベクトルでは電流ベクトルの大きさがかなり近
寄っているため、どの位置の電流分布がもっとも大きな
成分なのかわかりにくく、ノイズ成分もかなり含まれて
いる。図9に示される電流密度ベクトルでは、ウェーブ
レット変換とフィルタリングが施されたことにより、図
8に示した電流密度ベクトルからノイズが除去され、も
っとも支配的な成分のみが抽出されているのが明確に分
かる。矢印の大きさが相対的に大きくなっててることが
わかる。これによりどの部分の電流分布が支配的である
かがわかり、回路やプリント配線板の設計に有用な情報
を与える。以上の場合では電流ベクトルをウェーブレッ
ト変換器208に入力として与えた場合について述べた
が、このウェーブレット変換器208への入力を電流密
度とすれば、電流密度の特徴的な成分を抽出することも
可能となる。
【0021】(5)複数のデータにより最適化を行った
後の電流ベクトル分布 以上説明したような処理を行って電流ベクトルや電流密
度を推定するのであるが、その結果が正しいかどうかと
いう判断基準が必要である。そのために、複数のフィル
タ、及び、複数の電流密度モデルを使って逆ウェーブレ
ット変換器211により複数の電流密度ベクトル分布を
求め、磁界分布計算器212に出力する。この磁界分布
計算器212では、与えられた電流密度ベクトルからプ
リント配線板上の磁界分布を計算して出力する。この結
果を相関係数計算器213に入力する。この相関係数計
算器213では磁界測定器103により測定された磁界
分布のデータと磁界分布計算器212にて電流密度ベク
トルから計算された磁界分布との相関係数の計算を行
う。この計算結果を相関係数比較器214に入力して相
関係数が大きい順番に電流密度ベクトル分布の計算結果
を配列し、その順番で出力する。ここで相関係数が最大
の電流密度ベクトルを推定結果(5)複数のデータによ
り最適化を行った後の電流ベクトル分布として出力す
る。この順番づけられた出力により、どの推定結果が最
も精度が高く、実際に近いかというこどがわかる。
【0022】なお以上の説明では磁界分布計算器212
は電流密度分布ベクトルにより磁界分布を求めることと
して説明したが、電流密度分布により磁界分布を求める
こととしてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。 (1)磁界測定器とプリント配線板の距離が大きくなっ
ても直接電流の分布を計算でき、電流密度の推定が可能
となる。 (2)電流密度分布のデータベースにプリント配線板上
の放射モデルに則した複数の電流モデルをあらかじめ備
えておくことにより電流分布の推定精度が向上する。ま
た、実際のプリント配線板の分布データを備えておくこ
とができるのでモデルだけでなく実際に近い状態で解析
し、電流密度分布を推定することが可能となる。
【0024】(3)相関係数の計算機能により複数のモ
デルを仮定した際に最も確度の高い計算結果を選択でき
る指標を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1中の電流推定装置101およびデータベー
ス102の内部構成を詳細に示すブロック図である。
【図3】本発明により解析されるループ電流密度モデル
を示す図である。
【図4】ループ電流iが与えるz軸方向の磁界Hを示す
図である。
【図5】微小ループ電流モデルでプリント配線板を分割
する状態を示す図である。
【図6】システムマトリックスと測定された磁界分布の
データを使って電流密度分布を計算して出力した結果の
一例を示す図である。
【図7】計算により求められた電流ベクトル分布の一例
を示す図である。
【図8】計算により求められた電流密度ベクトルを示す
図である。
【図9】ウェーブレット変換とフィルタリング操作によ
る電流密度ベクトルの主要な成分の抽出結果を示す図で
ある。
【図10】従来例の構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示した測定装置の測定系の構成を示
す図である。
【符号の説明】
101 電流推定装置 102 データベース 103 磁界測定器 104 制御器 105 表示器 201 実測データベース 201 磁界分布データ 201 電流データ 202 電流モデルデータベース 202 電流モデル 204 電流密度モデル配列生成器 205 放射磁界パターン生成器 206 電流密度計算器 207 電流ベクトル計算器 208 ウェーブレット変換器 209 フィルタリング操作器 210 フィルタデータベース 211 逆ウェーブレット変換器 212 磁界分布計算器 213 相関関数計算器 214 相関関数比較器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント配線板上の1方向以上の磁界成
    分の分布を検出電流に基づいて測定する磁界分布測定手
    段と、 電流密度モデルを記憶するデータベースと、 前記データベースに記憶される電流密度モデルから放射
    磁界パターンを生成する放射磁界パターン生成器と、 前記磁界分布測定手段による検出電流と前記データベー
    スに記憶される電流密度モデルからプリント配線板上の
    面内の電流密度モデルの配列を生成する電流密度モデル
    配列生成器と、 前記電流密度モデル配列生成器により生成された電流密
    度モデルの配列と前記放射磁界パターン生成器により生
    成された放射磁界パターンを用いて電流密度分布を求め
    る電流密度計算器とを有する電流推定装置。
  2. 【請求項2】 請求頃1記載の電流推定装置において、 電流密度計算器により求められた電流密度分布を用いて
    電流密度ベクトル分布を求める電流ベクトル計算器を有
    する電流推定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電流推定装置において、 電流密度計算器により求められた電流密度分布に2次元
    のウェーブレット変換を行いウェーブレットスペクトラ
    ムを求めるウェーブレット変換器と、 前記ウェーブレット変換器により求められたウェーブレ
    ットスペクトラムの一部を抽出するフィルタリング操作
    器と、 前記フィルタリング操作器により抽出されたウェーブレ
    ットスペクトラムを逆ウェーブレット変換して電流密度
    分布を求める逆ウェーブレット変換器とを有する電流推
    定装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の電流推定装置において、 電流ベクトル計算器により求められた電流密度ベクトル
    分布に2次元のウェーブレット変換を行いウェーブレッ
    トスペクトラムを求めるウェーブレット変換器と、 前記ウェーブレット変換器により求められたウェーブレ
    ットスペクトラムの一部をフィルタを用いて抽出するフ
    ィルタリング操作器と、 前記フィルタリング操作器により抽出されたウェーブレ
    ットスペクトラムの一部を逆ウェーブレット変換して電
    流密度ベクトル分布を求める逆ウェーブレット変換器と
    を有する電流推定装置。
  5. 【請求項5】 請求頃3または請求項4記載の電流推定
    装置において、 フィルタリング操作器は複数のフィルタを用いてウェー
    ブレットスペクトラムの一部を複数抽出し、 逆ウェーブレット変換器は、フィルタリング操作器によ
    り抽出されたウェーブレットスペクトラムの一部のそれ
    ぞれについて電流密度分布または電流密度ベクトル分布
    を求め、 前記逆ウェーブレット変換器にて求められた電流密度分
    布または電流密度ベクトル分布のそれぞれについて磁界
    分布を求める磁界分布計算器と、 磁界測定器により測定された磁界分布のデータと前記磁
    界分布計算器にて求められた各磁界分布との間の相関係
    数をそれぞれ求める相関関数計算器と、 前記相関関数計算器にて求められた各相関係数を比較し
    てその大小により前記逆ウェーブレット変換器にて求め
    られた電流密度分布または電流密度ベクトル分布の順位
    を決定する相関関数比較器と有する電流推定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電流推定装置において、 電流密度モデルの代わりに、既知のモデルまたは実機を
    用いてあらかじめ測定された磁界パターンと電流密度分
    布データベースを使って解析を行う電流推定装置。
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