JP5170645B2 - 浴室用洗い場床の製造方法及び浴室用洗い場床 - Google Patents

浴室用洗い場床の製造方法及び浴室用洗い場床 Download PDF

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Description

本発明は、浴室用洗い場床の製造方法及び浴室用洗い場床に関する。
従来より、浴室の洗い場床にクッション性を付与する構造が提案されている。例えば、特許文献1には、FRP等の樹脂材料からなる基材に対して、発泡層と、熱可塑性エラストマーからなる軟質材とを順に積層し一体化した浴室洗い場床が開示されている。また、特許文献1には、軟質材からなる表面層を真空成形によりバックアップ基材と積層一体化させることが開示されている。
特開2001−245814号公報
複層構造の洗い場床において、各層を真空圧着させて一体構造とする場合には、各層接着面に空気溜まりが形成されやすく、各層間の密着が不十分となってしまうことが懸念される。各層間に空気が残っていると、剥がれの要因となるとともに、空気溜まり部分が膨れることになるため、意匠的に商品価値を大きく低下させることにもなる。また、床面上の膨れは、洗い場床表面における排水性能を悪化させる要因ともなり得る。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、空気溜まりの形成を抑制しつつクッション性を有する層を形成可能な浴室用洗い場床の製造方法及び浴室用洗い場床を提供する。
本発明の一態様によれば、縦断面視で凹状に形成される凹部と、前記凹部より外側であって且つ前記凹部の底面より高い位置に上面が設けられた縁部とを有する基材に対して、前記凹部を覆うように前記縁部の前記上面に可撓性を有する表面材を接着固定する(a)工程と、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した注入孔から液状のエラストマー系樹脂を注入するとともに、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した空気抜き孔を介して前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内から押し出された空気を前記空間外に排気して、前記空間内を前記エラストマー系樹脂で充填する(b)工程と、前記空間内に充填された液状の前記エラストマー系樹脂を硬化させる(c)工程と、前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールする(d)工程と、を有することを特徴とする浴室用洗い場床の製造方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、基材の底面部上に環状のスペーサーを接着固定することによって形成された縦断面視で凹状の凹部を覆うように前記スペーサーの上に可撓性を有する表面材を接着固定する(a)工程と、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した注入孔から液状のエラストマー系樹脂を注入するとともに、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した空気抜き孔を介して前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内から押し出された空気を前記空間外に排気して、前記空間内を前記エラストマー系樹脂で充填する(b)工程と、前記空間内に充填された液状の前記エラストマー系樹脂を硬化させる(c)工程と、前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールする(d)工程と、を有することを特徴とする浴室用洗い場床の製造方法が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、縦断面視で凹状に形成される凹部と、前記凹部より外側であって且つ前記凹部の底面より高い位置に上面が設けられた縁部とを有する基材と、前記凹部を覆うように前記縁部の前記上面に接着固定された可撓性を有する表面材と、前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内に充填されたエラストマー系樹脂層と、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通して形成され、前記エラストマー系樹脂層に通じる貫通孔と、前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールするシーリング材と、を備えたことを特徴とする浴室用洗い場床が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、基材と、前記基材の底面部上に接着固定された環状のスペーサーと、前記スペーサーの内周部と前記基材の底面部とに囲まれて形成された縦断面視で凹状の凹部を覆うように前記スペーサーの上に接着固定された可撓性を有する表面材と、前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内に充填されたエラストマー系樹脂層と、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通して形成され、前記エラストマー系樹脂層に通じる貫通孔と、前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールするシーリング材と、を備えたことを特徴とする浴室用洗い場床が提供される。
本発明によれば、空気溜まりの形成を抑制しつつクッション性を有する層を形成可能な浴室用洗い場床の製造方法及び浴室用洗い場床が提供される。
浴室の洗い場床に柔らかさを付与するために、弾性変形可能なクッション性を有する材料で洗い場床を構成することが考えられるが、クッション性を有する材料は、耐水性、耐薬品性、耐衝撃性など、洗い場床として求められる基本性能に優れないことが多く、クッション性を有する材料だけで構成した洗い場床は商品として提供しにくい。
したがって、洗い場床にクッション材を用いた場合、浴室内側に露出する表面には、耐久性(耐水性、耐薬品性などのユニットバスの基本性能)を満足する材料からなる表面材が別途必要になる。
また、前述したような特性を満足する表面材やクッション材は荷重を支えるのに十分な強度を確保しにくく、これらとは別に、表面材やクッション材より荷重を支えるための強度の大きな基材が必要となる。すなわち、洗い場床に柔らかさを付与しつつ、浴室における洗い場床として求められる最低限の基本性能を確保するためには少なくとも基材、クッション材、表面材を組み合わせた構造にすることが望ましい。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る浴室用洗い場床の模式断面斜視図である。
本実施形態に係る洗い場床は、基材11の底面部12と、表面材19との間にエラストマー系樹脂層18を後述する方法にて充填形成した構造を有する。
基材11は、浴室外に湯水を漏出させない防水性、および壁パネル、天井パネル、風呂椅子、洗面器などの静荷重、使用者の動荷重を受けても撓んだり破損しない十分な強度を有し、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastic)等の熱硬化性樹脂、あるいはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂に補強を施したものから形成されている。
基材11は段付きのパン形状に形成され、その底面部12の周縁部には環状のスペーサー16が接着固定されている。スペーサー16の内周部と基材11の底面部12とに囲まれて縦断面視で凹状の凹部13が形成されている。基材11において底面部12より外方側には底面部12よりも一段高くされた縁部14がフランジ状に設けられている。縁部14のさらに外側には、上方に立ち上がった水返し壁として機能する側壁部15が設けられている。
図3(a)は、スペーサー16が設けられた状態の基材11の上面図を示す。
基材11の上面視において凹部13は大部分の面積を占める。基材11の底面部12における縁部14寄りの一部分には排水用開口21が形成されている。スペーサー16は、凹部13と排水用開口21との間も含む凹部13の全周を囲むように設けられている。縁部14及び側壁部15は排水用開口21のさらに外方側に形成されている。
また、基材11の底面部12には、基材11の裏面から凹部13に至るまで貫通した貫通孔として注入孔22と空気抜き孔23が形成されている。図3(a)に示す例では、底面部12の中央部分に1つの注入孔22が配置され、底面部12の四隅近傍に4つの空気抜き孔23が配置されている。
基材11の底面部12を裏面側から見た図2に示すように、底面部12の裏面には例えば円筒状のボス部24、25が設けられている。ボス部24の内部に注入孔22が、ボス部25の内部に空気抜き孔23が、それぞれ表面側の凹部13に通じる貫通孔として形成されている。このような注入孔22及び空気抜き孔23が形成されていることによって、後述するように、空気溜まりを生じさせることなくエラストマー系樹脂層18の充填形成が可能となる。基材11の底面部12に形成された貫通孔のうち、排水用開口21以外の注入孔22及び空気抜き孔23は、後述するようにエラストマー系樹脂層18の凹部13への充填後、塞がれる。
基材11は硬質材(例えばFRP)を熱間成型することにより一体成形され、したがって、縁部14、側壁部15およびボス部24、25は一体に形成される。
図1及び図3(b)に示すように、凹部13を覆うようにスペーサー16の上に表面材19の周縁部19aが接着固定されている。表面材19の平面サイズは、凹部13の平面サイズより大きく(縦横ともに長く形成されている)、表面材19において凹部13からはみ出る周縁部19aがスペーサー16の上面に接着固定されている。また、表面材19の平面サイズは、基材11全体の平面サイズより小さい(縦横ともに短く形成されている)。
表面材19の表面は浴室内に露出し、使用者が触れたり、湯水にさらされる面となる。表面材19は、耐水性、耐薬品性、耐衝撃性などを有すると共に、凹部13に充填形成されるエラストマー系樹脂層18の弾性変形に追従可能な可撓性を有する。表面材19は基材11よりも軟質ではあるが、エラストマー系樹脂層18よりはクッション性(鉛直方向の変形量)が小さく、表面材19は、例えば、基材11に用いるFRPよりも軟質なFRPを用いることができる。また、表面材19はエラストマー系樹脂層18よりも薄い。
凹部13と表面材19との間に形成された空間内には、後述する方法にて充填されたエラストマー系樹脂層18が設けられている。エラストマー系樹脂層18は、鉛直方向に弾性変形可能なクッション性を有し、例えば比較的低発泡・低高度の樹脂系材料や、ゴムなどを用いることができるが、ゴム臭のない樹脂系材料の方が気密性の高い浴室の洗い場床として利用するには好ましい。
図1に示すように、表面材19における最も外側の端部と、基材11との間の隙間を水密的にシールするシーリング材8が設けられている。シーリング材8は、例えばシリコン等のコーキング材や目地部材である。これにより、表面材19の裏側に湯水が浸入することを防止でき、エラストマー系樹脂層18に湯水が入り込むことによるカビの発生やクッション性の低下などの不具合を防げる。
本実施形態に係る洗い場床はクッション層として機能するエラストマー系樹脂層18を備えるので、使用者がひざをついても痛くないやわらかな感触が得られる。また、床が足になじみ、濡れた足でも滑りにくくできる。さらに、例えば洗面器を床に落としても音が響かない。さらに、使用者が冷たさを感じにくい。
ここで、スペーサー16として、鉛直方向にほとんど変位しない比較的硬質のものを使えば、シーリング材8が設けられた表面材19の周縁部19aは、柔らかなエラストマー系樹脂層18を介さずに、そのスペーサー16の上に接着固定されることになるため、表面材19の周縁部19aに荷重がかかっても鉛直方向に大きく撓むことがなく、また撓むことがないため、撓んだ(沈み込んだ)状態から上方に大きく復元することもない。すなわち、表面材19の周縁部19aが上下に大きく変動することがない。したがって、その周縁部19aに設けられたシーリング材8を引っ張ったり、浮き上がらせるような大きな応力が作用せず、シーリング材8が切れたり、外れたりすることがない。この結果、シール性及び見栄えを損ねない。
あるいは、使用者が踏んだときにスペーサー16がまったく鉛直下方に変位しないと、表面材19においてエラストマー系樹脂層18の上の部分とスペーサー16の上の部分とで、踏んだときに得られる感覚が大きく異なることによる違和感を生じさせる可能性もある。そこで、シール切れを起こすような大きな鉛直下方への変位を生じさせるほどではない若干の軟質性を有するスペーサー16を用いることで、シール切れを回避しつつ使用者にそれほど違和感を感じさせないようにできる。
次に、本実施形態に係る洗い場床の製造方法について説明する。
例えばFRPの熱間成型によって得られた基材11の底面部12に、図3(a)に示すように前述したスペーサー16を接着固定させる。スペーサー16としては、例えばポリスチレン、EPDM(ethylene propylene diene monomer)などを用いることができる。
次に、スペーサー16の上に表面材19の周縁部19aを接着固定し、表面材19によって凹部13を覆う。これにより、図4に示すように、凹部13と表面材19との間に空間20が形成される。注入孔22及び空気抜き孔23は、その空間20に通じている。排水用開口21は、図3(a)に示すように凹部13及びスペーサー16よりも外方側に形成されているため空間20に通じていない。
次に、図5(a)に示すように、基材11の裏面を上に向けて表面材19を支持台30上に支持させる。支持台30の上面は平坦に形成され、その平坦な面上に、表面材19における空間20に面する側とは反対側の面(浴室内側への露出面)を接触させる。これにより、次工程で行うエラストマー系樹脂の空間20内への注入時に、表面材19が空間20とは反対側(図5(a)において下方)に膨れるのを防ぐことができる。
この図5(a)の状態で、注入孔22から液状のエラストマー系樹脂を注入するとともに、真空ポンプを用いて空気抜き孔23から真空吸引を行うことで、樹脂注入により空間20内から押し出された空気を空間20外に強制的に排気して、空間20内をエラストマー系樹脂で充填する。
注入孔22と空気抜き孔23の配置レイアウトの一例を図6(a)〜(d)に示す。これら(a)〜(d)の各図において矢印は、注入孔22から上記空間20内に注入されたエラストマー系樹脂が面方向に広がっていく方向を示す。
図6(a)では、基材11の底面部12の中央部分に1つの注入孔22を配置し、底面部12の四隅近傍に4つの空気抜き孔23を配置している。
図6(b)では、基材11の底面部12の四隅のうちの1つの隅部近傍に1つの注入孔22を配置し、他の3つの隅部近傍に3つの空気抜き孔23を配置している。
図6(c)では、基材11の底面部12の中央部分に1つの注入孔22を配置し、底面部12の四隅近傍に4つの空気抜き孔23を配置し、さらに四隅の間の中間部分にも4つの空気抜き孔23を配置している。
図6(d)では、基材11の底面部12における四隅近傍に4つの空気抜き孔23が配置され、さらにこれに加えて1つの空気抜き孔23が、図において下側の2つの隅部の間の中間部分に配置されている。この隅部の中間部分に配置された空気抜き孔23に対向する位置であって図において上側の2つの隅部の間の中間部分に、1つの注入孔22が配置されている。
図6(a)〜(d)のいずれの場合も、1つの注入孔22に対して、複数の空気抜き孔23を基材11の底面部12の面方向で偏ることなくバランスよく分散配置することで、注入孔22から注入されたエラストマー系樹脂を効率よく空間20内に行き渡らせることができる。
なお、注入孔22及び空気抜き孔23の数や配置レイアウトは図6に示す形態に限らず、任意に設計可能である。
前述した空間20内へのエラストマー系樹脂の注入後、液状のエラストマー系樹脂を硬化させる工程を行う。これは、基材11や表面材19が変形、変質しない程度の例えば140℃以下の熱を炉の中で加えて液状のエラストマー系樹脂を熱硬化させる。なお、液状のエラストマー系樹脂を硬化させるにあたっては常温で硬化させてもよいが、常温よりも高温の熱を加えることで、液状のエラストマー系樹脂の硬化を促進してより短時間で硬化でき、製造効率向上の点で望ましい。
このエラストマー系樹脂の熱硬化により、図5(b)に示すように、空間20内に弾性変形可能であり洗い場床にやわらかさを与えるクッション層として機能するエラストマー系樹脂層18が充填形成される。例えば、エラストマー系樹脂層18は注入孔22及び空気抜き孔23の途中の高さまで充填される。
前述したように本実施形態では空間20内へのエラストマー系樹脂の注入時には、空気抜き孔23を介して空間20内空気の排気を行っているため、注入時にエラストマー系樹脂が気泡を含んだり、基材11とエラストマー系樹脂層18との界面や、エラストマー系樹脂層18と表面材19との界面に空気溜まりが形成されるのを抑制することができる。
この結果、エラストマー系樹脂層18のクッション性が損なわれたり、各部材間が剥離してしまうことを防止できる。また、意匠性や排水性を損ねることになる表面材19の膨れを防げるため、商品価値や排水性を低下させることもない。
なお、前述した実施形態では、空気抜き孔23から真空吸引を行うことによって空間20内の空気を強制的に排気したが、真空吸引を行わなくても、単に空間20内を空間20外に連通させる空気抜き孔23が形成されていることだけでも、空間20内に充填されていくエラストマー系樹脂に押し出されるようにして空間20内空気を空間20外に排気することは可能となる。ただし、真空吸引を行えば、効率よく且つ確実に空間20内空気の排気を行え、製造効率や製品品質を高める点で好ましい。
上記エラストマー系樹脂層18の硬化後、注入孔22及び空気抜き孔23を塞ぐ。注入孔22及び空気抜き孔23を塞がなくても、前述したシーリング材8によって表面材19の裏側には水が入り込まないようになっているため、注入孔22や空気抜き孔23から水が建物側に漏出する心配はない。
しかし、エラストマー系樹脂層18において注入孔22や空気抜き孔23の上に位置する部分は下に何も支えがない状態であるので、エラストマー系樹脂層18に鉛直下方の荷重が加わると、その支えがない部分の樹脂が、注入孔22や空気抜き孔23内を下方へと押し出されるように移動し、これに応じてその部分の上に対応する表面材19の表面上に他の部分よりも下方への変位量が大きな局所的なへこみが発生し、使用者が違和感を感じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、洗い場床を設置面上に据え置く際の支持脚31を使って注入孔22及び空気抜き孔23を塞ぐ。なお、図7には、注入孔22が支持脚31によって塞がれた部分しか示さないが、空気抜き孔23も図7と同様の構造にて支持脚31によって塞がれる。
支持脚31は、ロケット部材32と、ボルト部材33とを有する。ロケット部材32は、例えば円錐の頂部を切り取った形状に形成され、その径が小さい先端側部分の軸中心にはねじ孔34が形成されている。ロケット部材32において径が大きな根元部分の軸中心には、円筒状の中空孔35が形成されている。ねじ孔34と中空孔35とはつながっておらず、それらの間には蓋部36が設けられている。
中空孔35の内部にボス部24が嵌り込むことでロケット部材32は基材11の裏面に対して取り付けられる。このとき蓋部36が注入孔22の内部に入り込み、注入孔22を塞ぐ。これにより、表面材19の上方からエラストマー系樹脂層18に対して鉛直下方への荷重が加わっても、注入孔22からエラストマー系樹脂層18が押し出されるのを防止し、洗い場床表面に局所的に大きなへこみが生じるのを防ぐことができる。
ボルト部材33は、ロケット部材32の先端側に形成されたねじ孔34内に螺合され、ボルト部材33を回すことでボルト部材33の突出量を調整できる。これにより、洗い場床の設置高さ調整や水平レベル調整を行うことができる。
なお、注入孔22や空気抜き孔23は、支持脚31を取り付けるためのボス部に形成することに限らず、ボス部以外の平坦な箇所に上記空間20内に通じる貫通孔として形成してもよい。
また、注入孔22や空気抜き孔23を塞ぐ部材も支持脚31に限らず、別途設けたキャップを用いてもよく、あるいは注入孔22や空気抜き孔23内に接着剤やシリコンなどの封止材を注入することで注入孔22や空気抜き孔23を塞いでもよい。
最後に、表面材19における最も外側の端部と、基材11との間の隙間を水密的にシールするシーリング材8を形成して、洗い場床表面側から層間内部及び裏面側への湯水の浸入防止を図る。
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施形態に係る浴室用洗い場床の模式断面斜視図である。なお、上記第1の実施形態と同じ構成部分には同一の符号を付している。
本実施形態に係る洗い場床も、基材11の底面部12と、表面材19との間に、第1の実施形態と同様な方法にて、エラストマー系樹脂層18を充填形成した構造を有する。
基材11は段付きのパン形状に形成され、その底面部12より外方側には底面部12よりも一段高くされた縁部14がフランジ状に設けられている。底面部12と縁部14との間には、底面部12の周縁部から縁部14に向けて上方に立ち上がった内壁部9が一体に設けられている。この内壁部9と底面部12とに囲まれて、縦断面視で凹状の凹部43が形成されている。
図9(a)に示す本実施形態における基材11の上面視において、凹部43は大部分の面積を占める。縁部14は、排水用開口21の周りも含む凹部43の全周を囲むように設けられている。
また、本実施形態においても、基材11の底面部12に、基材11の裏面から凹部43に至るまで貫通した貫通孔として注入孔22と空気抜き孔23が形成されている。
図8及び図9(b)に示すように、凹部43を覆うように縁部14の上面に表面材19の周縁部が接着固定されている。表面材19の平面サイズは、凹部43の平面サイズより大きく(縦横ともに長く形成されている)、表面材19において凹部43からはみ出る周縁部が縁部14の上面に接着固定されている。また、表面材19の平面サイズは、基材11全体の平面サイズより小さい(縦横ともに短く形成されている)。
まず、縁部14の上面に表面材19の周縁部を接着固定し、表面材19によって凹部43を覆う。これにより、凹部43と表面材19との間に図10(a)に示すように空間50が形成される。注入孔22及び空気抜き孔23は、その空間50に通じている。排水用開口21は、図9(a)に示すように、凹部43よりも外方側に形成されているため空間50に通じていない。
次に、図10(a)に示すように、基材11の裏面を上に向けて表面材19を支持台30上に支持させる。支持台30の上面は平坦に形成され、その平坦な面上に、表面材19における空間50に面する側とは反対側の面(浴室内側への露出面)を接触させる。これにより、次工程で行うエラストマー系樹脂の空間50内への注入時に、表面材19が空間50とは反対側(図10(a)において下方)に膨れるのを防ぐことができる。
この状態で、注入孔22から液状のエラストマー系樹脂を注入するとともに、真空ポンプを用いて空気抜き孔23から真空吸引を行うことで、樹脂注入により空間50内から押し出された空気を空間50外に強制的に排気して、空間50内をエラストマー系樹脂で充填する。
空間50内へのエラストマー系樹脂の注入後、液状のエラストマー系樹脂を硬化させる工程を行う。これは、基材11や表面材19が変形、変質しない程度の例えば140℃以下の熱を炉の中で加えて液状のエラストマー系樹脂を熱硬化させる。
このエラストマー系樹脂の熱硬化により、図10(b)に示すように、空間50内に弾性変形可能であり洗い場床にやわらかさを与えるクッション層として機能するエラストマー系樹脂層18が充填形成される。例えば、エラストマー系樹脂層18は注入孔22及び空気抜き孔23の途中の高さまで充填される。
本実施形態においても、空間50内へのエラストマー系樹脂の注入時には、空気抜き孔23を介して空間50内空気の排気を行っているため、注入時にエラストマー系樹脂が気泡を含んだり、基材11とエラストマー系樹脂層18との界面や、エラストマー系樹脂層18と表面材19との界面に空気溜まりが形成されるのを抑制することができる。
この結果、エラストマー系樹脂層18のクッション性が損なわれたり、各部材間が剥離してしまうことを防止できる。また、意匠性や排水性を損ねることになる表面材19の膨れを防げるため、商品価値や排水性を低下させることもない。
エラストマー系樹脂層18の硬化後、本実施形態においても上記第1の実施形態と同様、支持脚31によって注入孔22及び空気抜き孔23を塞ぐ。これにより、表面材19の上方からエラストマー系樹脂層18に対して鉛直下方への荷重が加わっても、注入孔22や空気抜き孔23からエラストマー系樹脂層18が押し出されるのを防止し、洗い場床表面に局所的に大きなへこみが生じるのを防ぐことができる。
最後に、図8に示すように、表面材19における最も外側の端部と、基材11の縁部14との間の隙間を水密的にシールするシーリング材8を形成して、洗い場床表面側から層間内部及び裏面側への湯水の浸入防止を図る。
本実施形態においても、洗い場床はクッション層として機能するエラストマー系樹脂層18を備えるので、使用者がひざをついても痛くないやわらかな感触が得られる。また、床が足になじみ、濡れた足でも滑りにくくできる。さらに、例えば洗面器を床に落としても音が響かない。さらに、使用者が冷たさを感じにくい。
また、シーリング材8が設けられた表面材19の周縁部は、柔らかなエラストマー系樹脂層18を介さずに、硬質の縁部14の上面に接着固定されるため、表面材19の周縁部に荷重がかかっても鉛直方向に撓むことがなく、また撓むことがないため、撓んだ(沈み込んだ)状態から上方に大きく復元することもない。すなわち、表面材19の周縁部が上下に大きく変動することがない。したがって、その周縁部に設けられたシーリング材8を引っ張ったり、浮き上がらせるような大きな応力が作用せず、シーリング材8が切れたり、外れたりすることがない。この結果、シール性及び見栄えを損ねない。
本発明の第1の実施形態に係る浴室用洗い場床の模式断面斜視図。 同洗い場床の基材を裏面側から見た模式斜視図。 同洗い場床において、(a)はスペーサーが設けられた状態の基材の上面図であり、(b)はスペーサーの上に表面材が接着固定された状態の上面図。 同洗い場床において、スペーサーの上に表面材が接着固定され、基材底面部と表面材との間の空間にエラストマー系樹脂層を充填する前の状態を示す模式図。 表面材を支持台上に支持させ、図4に示す上記空間内にエラストマー系樹脂層を注入する工程を示す模式図。 本発明の実施形態に係る洗い場床において、基材底面部に形成される注入孔と空気抜き孔の配置レイアウトを例示する模式図。 本発明の実施形態に係る洗い場床において、注入孔及び空気抜き孔を支持脚で塞いだ状態を示す模式図。 本発明の第2の実施形態に係る浴室用洗い場床の模式断面斜視図。 同第2の実施形態に係る洗い場床において、(a)は基材の上面図であり、(b)は基材縁部の上面に表面材が接着固定された状態の上面図。 同第2の実施形態に係る洗い場床において、エラストマー系樹脂層の充填形成工程を示す模式図。
符号の説明
8…シーリング材、11…基材、12…底面部、13,43…凹部、14…縁部、16…スペーサー、18…エラストマー系樹脂層、19…表面材、20,50…空間、21…排水用開口、22…注入孔、23…空気抜き孔、30…支持台、31…支持脚、32…ロケット部材、33…ボルト部材

Claims (10)

  1. 縦断面視で凹状に形成される凹部と、前記凹部より外側であって且つ前記凹部の底面より高い位置に上面が設けられた縁部とを有する基材に対して、前記凹部を覆うように前記縁部の前記上面に可撓性を有する表面材を接着固定する(a)工程と、
    前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した注入孔から液状のエラストマー系樹脂を注入するとともに、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した空気抜き孔を介して前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内から押し出された空気を前記空間外に排気して、前記空間内を前記エラストマー系樹脂で充填する(b)工程と、
    前記空間内に充填された液状の前記エラストマー系樹脂を硬化させる(c)工程と、
    前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールする(d)工程と、
    を有することを特徴とする浴室用洗い場床の製造方法。
  2. 基材の底面部上に環状のスペーサーを接着固定することによって形成された縦断面視で凹状の凹部を覆うように前記スペーサーの上に可撓性を有する表面材を接着固定する(a)工程と、
    前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した注入孔から液状のエラストマー系樹脂を注入するとともに、前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通した空気抜き孔を介して前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内から押し出された空気を前記空間外に排気して、前記空間内を前記エラストマー系樹脂で充填する(b)工程と、
    前記空間内に充填された液状の前記エラストマー系樹脂を硬化させる(c)工程と、
    前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールする(d)工程と、
    を有することを特徴とする浴室用洗い場床の製造方法。
  3. 前記表面材を支持台上に支持した状態で前記(b)工程を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の浴室用洗い場床の製造方法。
  4. 前記(b)工程において、前記空気抜き孔から真空吸引を行うことで、前記凹部と前記表面材との間に形成された前記空間内の空気を強制的に前記空間外に排気することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴室用洗い場床の製造方法。
  5. 前記(c)工程の後に、前記注入孔及び前記空気抜き孔を塞ぐ(e)工程を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用洗い場床の製造方法。
  6. 前記(e)工程において、前記注入孔及び前記空気抜き孔を支持脚で塞ぐことを特徴とする請求項5記載の浴室用洗い場床の製造方法。
  7. 縦断面視で凹状に形成される凹部と、前記凹部より外側であって且つ前記凹部の底面より高い位置に上面が設けられた縁部とを有する基材と、
    前記凹部を覆うように前記縁部の前記上面に接着固定された可撓性を有する表面材と、
    前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内に充填されたエラストマー系樹脂層と、
    前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通して形成され、前記エラストマー系樹脂層に通じる貫通孔と、
    前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールするシーリング材と、
    を備えたことを特徴とする浴室用洗い場床。
  8. 基材と、
    前記基材の底面部上に接着固定された環状のスペーサーと、
    前記スペーサーの内周部と前記基材の底面部とに囲まれて形成された縦断面視で凹状の凹部を覆うように前記スペーサーの上に接着固定された可撓性を有する表面材と、
    前記凹部と前記表面材との間に形成された空間内に充填されたエラストマー系樹脂層と、
    前記基材の裏面から前記凹部に至るまで貫通して形成され、前記エラストマー系樹脂層に通じる貫通孔と、
    前記表面材の端部と前記基材との間の隙間を水密的にシールするシーリング材と、
    を備えたことを特徴とする浴室用洗い場床。
  9. 前記貫通孔は塞がれていることを特徴とする請求項7または8に記載の浴室用洗い場床。
  10. 前記貫通孔は支持脚で塞がれていることを特徴とする請求項9記載の浴室用洗い場床。
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