JP5168337B2 - 反射材組成物、反射体及び半導体発光装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、特定の熱硬化樹脂及び無機部材を含有するコーティング部材を所定部にコーティングして光の反射を高めるパッケージ成形体が提案されている。
また、短波長の紫外光には殺菌や消臭という効果や、様々な色の蛍光体との組み合わせにより照明やテレビ等の演色性を高めることが期待されており、紫外光の反射率をも向上させる必要がある。酸化チタンを白色顔料又は無機部材として用いた場合はルチル結晶では411nm付近、アナターゼ結晶においても波長387nm付近にて光の吸収が起こるため光の反射を阻害する。また光触媒作用に伴い樹脂の劣化を促進してしまうことがあり実用的ではない。
[2] 酸化チタンを実質的に含有しない[1]に記載の反射材組成物。
[3] 前記耐熱性バインダーがシリコーン樹脂又はノルボルネン重合体である[1]又は[2]に記載の反射材組成物。
[4] 含有する前記メラミンシアヌレート粒子の平均粒径が0.5〜2.5μmである[1]〜[3]のいずれかに記載の反射材組成物。
[5] 前記メラミンシアヌレート粒子の含有量が、前記耐熱性バインダー100質量部に対し、5〜180質量部である[1]〜[4]のいずれかに記載の反射材組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の反射材組成物を硬化してなる反射体。
[7] 光半導体素子と、前記光半導体素子の周りに設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させる反射体とを基板上に有し、前記反射体の光反射面の少なくとも一部が[1]〜[5]のいずれかに記載の反射体組成物の硬化物である半導体発光装置。
本発明の反射材組成物は、メラミンシアヌレート粒子と耐熱性バインダーとを含んでなる。メラミンシアヌレート粒子の存在により波長400nm以下の紫外光、より好ましくは波長250〜400nmの範囲の紫外光の反射率を高い状態とすることができる。そして、このメラミンシアヌレート粒子を耐熱性バインダー中に含有させることで、比較的高温の使用領域でも上記特性を良好に維持できるため。その結果、照明器具やテレビ等の反射体に適用することで演色性を高めることができる。また、メラミンシアヌレート粒子自体は高温下でも耐熱性バインダーの劣化等を促進することがないため、反射材組成物の耐用性の低下を抑えることができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びアミノ変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの疎水化処理剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、「酸化チタン粒子を実質的に含有しない」とは、反射材組成物の作製時に酸化チタン材料を配合しないことを意味し、具体的には反射材組成物中の酸化チタンの含有量が0質量%であることを意味する。
熱硬化性樹脂としてはシリコーン樹脂(シリコーン変性樹脂を含む)が好ましく、熱可塑性樹脂としてはノルボルネン重合体であることが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない限り、種々の添加剤を含有させることができる。例えば、樹脂組成物の性質を改善する目的で種々のウィスカー、シリコーンパウダー、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、脂肪酸エステル、グリセリン酸エステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の内部離型剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の反射体は、既述の本発明の反射材組成物を硬化してなる。
当該反射体は、後述する半導体発光装置と組み合わせて用いてよいし、他の材料からなる半導体発光装置(LED実装用基板)と組み合わせて用いてもよい。
本発明の反射体は、主として、半導体発光装置のLED素子からの光をレンズ(出光部)の方へ反射させる作用を有する。反射体の詳細については、本発明の半導体発光装置に適用される反射体(後述する反射体12)と同じであるためここでは省略する。
本発明の半導体発光装置は、図1に例示するように、光半導体素子(例えばLED素子)10と、この光半導体素子10の周りに設けられ、光半導体素子10からの光を所定方向に反射させる反射体12とを基板14上に有してなる。そして、反射体12の光反射面の少なくとも一部(図1の場合は全部)が既述の本発明の反射体組成物の硬化物で構成されてなる。
なお、反射体12の内面は、光半導体素子10からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられていてもよい(図1参照)。
また、反射体12は、レンズ18側の端部を、当該レンズ18の形状に応じた形に加工された場合には、レンズホルダーとしても機能させることができる。
まず、上記本発明の反射材樹脂組成物を、所定形状のキャビティ空間を備える金型を用いたトランスファー成形、圧縮成形、射出成形等により、所定形状の反射体12を成形する。その後、別途、準備した光半導体素子10、電極及びリード線16を、接着剤又は接合部材により基板14に固定し、さらに反射体12に基板14上に固定する。次いで、基板14及び反射体12により形成された凹部に、シリコーン樹脂等を含む透明封止剤組成物を注入し、加熱、乾燥等により硬化させて透明封止部とする。その後、透明封止部上にレンズ18を配設して、図1に示す半導体発光装置が得られる。
なお、透明封止剤組成物が未硬化の状態でレンズ18を載置してから、組成物を硬化させてもよい。
・熱硬化性樹脂:シリコーン樹脂(OE−6336A及びOE−6336Bを質量比1:1で混合したもの:いずれも東レ・ダウコーニング(株)製)
・熱可塑性樹脂:ノルボルネン重合体(ZEONOR 1600:日本ゼオン(株)製)
(3)メラミンシアヌレート粒子B:MC−4000(日産化学(株)製 、平均粒径14μm)
(4)酸化チタン粒子:PFC−107(石原産業(株)製 ルチル型構造 平均粒径0.25μm)
(5)酸化亜鉛粒子:LP−ZINC2(堺化学工業(株)製 平均粒径2μm)
(6)酸化マグネシウム粒子:酸化マグネシウム(和光純薬工業(株)製 平均粒径0.2μm)
(7)水酸化マグネシウム粒子:マグシーズN−6(神島化学(株)製 平均粒径1.1μm)
(8)炭酸カルシウム粒子:WS−2200(竹原化学工業(株)製 平均粒径1.3μm)
(9)タルク粒子:ハイミクロンHE5(竹原化学工業(株)製 平均粒径1.6μm)
(10)硫酸バリウム粒子:硫酸バリウムW−1(竹原化学工業(株)製 平均粒径1.5μm)
表1〜3に示す配合において、耐熱性バインダーおよび各種粒子を配合、混練し、反射材組成物を得た。なお、配合には各種粒子の体積分率が一定になるように調整し、混練はロールで行った。
この成形体について下記諸特性を測定した。結果を下記表1〜3に示す。
成形体を150℃で24時間放置する前と放置した後で、表面の色の変化を目視で観察した。放置前の白色を保っていれば良好な耐熱性を有することになる。
成形体(150℃で24時間放置する前と放置した後)の波長230〜780nmにおける光反射率を分光光度計UV−2550(島津製作所製)を使用して測定した。表1〜3には、波長450nm及び波長380nmの場合の結果を示す。また、実施例1及び2の成形体の光反射率と波長との関係を図3に示し、比較例1〜4の成形体の光反射率と波長との関係を図4に示し、比較例5〜7の成形体の光反射率と波長との関係を図5に示す(いずれも「150℃で24時間放置」する前)。
Claims (6)
- メラミンシアヌレート粒子と耐熱性バインダーとを含み、前記耐熱性バインダーがシリコーン樹脂又はノルボルネン重合体である反射材組成物。
- 酸化チタンを実質的に含有しない請求項1に記載の反射材組成物。
- 含有する前記メラミンシアヌレート粒子の平均粒径が0.5〜4.0μmである請求項1又は2に記載の反射材組成物。
- 前記メラミンシアヌレート粒子の含有量が、前記耐熱性バインダー100質量部に対し、5〜180質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射材組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射材組成物を硬化してなる反射体。
- 光半導体素子と、前記光半導体素子の周りに設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させる反射体とを基板上に有し、
前記反射体の光反射面の少なくとも一部が請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射体組成物の硬化物である半導体発光装置。
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