JP6102413B2 - 電子線硬化性樹脂組成物、リフレクター用樹脂フレーム、リフレクター、半導体発光装置、及び成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、LED素子の発光時の温度上昇においても反射率が低下しないことも要求されることとなる。
さらに、リフレクターを構成する材質には、上記特性とともに、生産性を高くするためリフレクターへの加工がしやすいとの性質、すなわち、成形性が高いことも要求される。
[7] 分散剤が配合されてなる[1]〜[6]のいずれかに記載の電子線硬化性樹脂組成物。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。
[9] 厚さが0.1〜3.0mmである[8]に記載のリフレクター用樹脂フレーム。
[10] 下記条件を満たす電子線硬化性樹脂組成物の硬化物が用いられたリフレクター。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。
前記リフレクターの光反射面の少なくとも一部が下記条件を満たす電子線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる半導体発光装置。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。
[12] 下記条件を満たす電子線硬化性樹脂組成物に対し、射出温度200〜400℃、金型温度20〜150℃で射出成形する射出成形工程と、射出成形工程の前又は後に、電子線照射処理を施す電子線照射工程を含む成形体の製造方法。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、オレフィン樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。
本発明の電子線硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と無機材料を含んでなる。
ことができる。
飽和もしくは不飽和の環構造としては、シクロ環、ヘテロ環、芳香環等が挙げられる。環構造を形成する原子の数は、3〜12であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。
また、環構造の数は1〜3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
上記のような架橋処理剤であれば、加工時に流動性に優れるため、熱可塑性樹脂の加工温度を低下させ熱負荷を軽減したり、加工時の摩擦を軽減したり、無機成分の充填量を増やすことができる。
さらに本発明に係る架橋処理剤は、下記式(1)又は(2)で表されることが好ましい。
上記式(2)で表される架橋処理剤としてはオルトフタル酸のジアリルエステル、イソフタル酸のジアリルエステル等が挙げられる。
4−メチルペンテン−1の単独重合体の分子量はゲルパーミッションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが1000以上、特に5000以上が好ましい。
で、リフレクター等の用途に供することができる。
具体的には、シリカ粒子、ガラス繊維等が挙げられる。このような電子線硬化性樹脂組成物は、特にリフレクター用に好適である。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザン;環状シラザン;トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、トリメトキシシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びビニルトリアセトキシシラン等のアルキルシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;等が挙げられる。
なお、成形性を損なわない限りは、電子線照射による架橋反応は成形前に行うことができる。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
本発明のリフレクター用樹脂フレームは既述の本発明の電子線硬化性樹脂組成物を成形した硬化物が用いられている。具体的には、本発明の電子線硬化性樹脂組成物をペレットとし、射出成形により所望の形状の樹脂フレームとすることで、本発明のリフレクター用樹脂フレームが製造される。リフレクター用樹脂フレームの厚さは0.1〜3.0mmであること
が好ましく、0.1〜1.0mmであることがより好ましく、0.1〜0.8mmであることがさらに好ましい。
本発明のリフレクターは、既述の本発明の電子線硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物が用いられている。
当該リフレクターは、後述する半導体発光装置と組み合わせて用いてよいし、他の材料からなる半導体発光装置(LED実装用基板)と組み合わせて用いてもよい。
本発明のリフレクターは、主として、半導体発光装置のLED素子からの光をレンズ(出光部)の方へ反射させる作用を有する。リフレクターの詳細については、本発明の半導体発光装置に適用されるリフレクター(後述するリフレクター12)と同じであるためここでは省略する。
本発明の半導体発光装置は、図1に例示するように、光半導体素子(例えばLED素子)10と、この光半導体素子10の周りに設けられ、光半導体素子10からの光を所定方向に反射させるリフレクター12とを基板14上に有してなる。そして、リフレクター12の光反射面の少なくとも一部(図1の場合は全部)が既述の電子線硬化性樹脂組成物の硬化物で構成されてなる。
角形、円形、楕円形等の筒状又は輪状である。図1の概略断面図においては、リフレクター12は、筒状体(輪状体)であり、リフレクター12のすべての端面が基板14の表面に接触、固定されている。
なお、リフレクター12の内面は、光半導体素子10からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられていてもよい(図1参照)。
また、リフレクター12は、レンズ18側の端部を、当該レンズ18の形状に応じた形に加工された場合には、レンズホルダーとしても機能させることができる。
まず、記述の電子線硬化性樹脂組成物を、所定形状のキャビティ空間を備える金型を用いたトランスファー成形、圧縮成形、射出成形等により、所定形状のリフレクター12を成形する。その後、別途、準備した光半導体素子10、電極及びリード線16を、接着剤又は接合部材により基板14に固定し、さらにリフレクター12に基板14上に固定する。次いで、基板14及びリフレクター12により形成された凹部に、シリコーン樹脂等を含む透明封止剤組成物を注入し、加熱、乾燥等により硬化させて透明封止部とする。その後、透明封止部上にレンズ18を配設して、図1に示す半導体発光装置が得られる。
なお、透明封止剤組成物が未硬化の状態でレンズ18を載置してから、組成物を硬化させてもよい。
なお、本実施例1〜5及び比較例1〜3において使用した材料は下記の通りである。
・樹脂(1)
ポリメチルペンテン:TPX RT18(三井化学(株)製)
架橋処理剤については下記の通りである。また、下記架橋処理剤の構造については、下記表1及び化学式に示す。
TAIC(トリアリルイソシアヌレート) 日本化成社製
・酸化チタン粒子 :PF−691(石原産業(株)製 ルチル型構造 平均粒径0.21μm)
・ガラス繊維:PF70E−001(日東紡(株)製、繊維長70μm)
・シランカップリング剤:KBM−3063(信越化学(株)製)
・離型剤 :SZ−2000(堺化学(株)製)
・1次酸化防止剤 :IRGANOX1010(BASF・ジャパン(株)製)
・2次酸化防止剤(1) :IRGAFOS168(BASF・ジャパン(株)製)
・2次酸化防止剤(2) :PEP−36(アデカ(株)製)
なお、樹脂組成物は、各種材料を配合し、押出機(日本プラコン(株) MAX30:ダイス径3.0mm)とペレタイザー((株)東洋精機製作所 MPETC1)を用いて行い、樹脂組成物を得た。
・反射率
成形体(1)の試料を、200℃で50時間放置する前と放置した後で、波長230〜780nmにおける光反射率を反射率測定装置MCPD−9800(大塚電子(株))を使用して測定した。200℃で50時間放置する前の測定結果を初期反射率(「初期」)とし、200℃で50時間放置した後の測定結果を「200℃50時間」として表2−1〜表2−4には、波長450nmの結果を示す。
・割れ(外観)
リフレクター用樹脂基板成形体(2)を、ダイシング装置(DISCO社製 DAD3350)を用いてリフレクター個ごとに切断加工したのち目視で外観を観察した。10個確認して、一つでもリフレクターに割れが生じているものを×、一つもリフレクターに割れが生じていないものを○として評価した。表2−1〜表2−4に評価の結果を示す。
以上から、本発明の電子線硬化性樹脂組成物は、リフレクターや半導体発光装置用の反射材に有用であるといえる。
12・・・リフレクター
14・・・基板
16・・・リード線
18・・・レンズ
Claims (12)
- 熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含む、
電子線硬化性樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂がオレフィン樹脂であり、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である電子線硬化性樹脂組成物。 - 前記架橋処理剤の1つの環を形成する原子のうち少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、前記アリル系置換基と結合してなる請求項1に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 前記架橋処理剤の環が6員環であり当該環を形成する原子のうちの少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、前記アリル系置換基と結合してなり、1つのアリル系置換基が結合した原子に対して、他のアリル系置換基がメタ位の原子に結合してなる請求項2に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 前記無機材料がシリカ粒子、及び/又はガラス繊維である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 分散剤が配合されてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 下記条件を満たす電子線硬化性樹脂組成物の硬化物が用いられたリフレクター用樹脂フレーム。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。 - 厚さが0.1〜3.0mmである請求項8に記載のリフレクター用樹脂フレーム。
- 下記条件を満たす電子線硬化性樹脂組成物の硬化物が用いられたリフレクター。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。 - 光半導体素子と、該光半導体素子の周りに設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを基板上に有し、
前記リフレクターの光反射面の少なくとも一部が下記条件を満たす電子線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる半導体発光装置。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。 - 下記条件を満たす電子線硬化性樹脂組成物に対し、射出温度200〜400℃、金型温度20〜150℃で射出成形する射出成形工程と、射出成形工程の前又は後に、電子線照射処理を施す電子線照射工程を含む成形体の製造方法。
前記電子線硬化性樹脂組成物は、オレフィン樹脂と架橋処理剤と白色顔料と前記白色顔料以外の無機材料とを含み、
前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
前記白色顔料の含有量が、20体積%以上40体積%以下であり、
前記無機材料の含有量が、10体積%以上30体積%以下であり、
白色顔料の含有量および無機材料の含有量の和が25体積%以上50体積%以下である。
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