以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図26を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図26参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、遊技球を上皿部材5に払い出すための遊技球払出装置109が、裏機構盤102に配設されている(図26を参照)。
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図28参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図28参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図27参照)及び演出ボタン基板228(図28参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」とが配置されている(図1を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
発射ハンドル9は、その後方の発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、遊技領域11に発射するためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27と、第1の可動演出装置25Rと、第2の可動演出装置25Lとを備えている。また、図7に示すように、遊技盤本体10Aの略中央部には、開口形状が略矩形の貫通孔10Kが形成され、取付部材21は、この貫通孔10Kを用いて領域形成部10Bに装着されている。つまり、取付部材21は略箱形状に構成され、正面形状が略矩形とされる背板21Aと、背板21Aの周縁部より立ち上げられた周壁部21Bと、周壁部21Bの突端から屈曲状に突出する取付代21Cと、を備えている。そして、取付部材21は開口部21Dを前方に向けた状態にて遊技盤本体10Aにビス止め固定されている。
すなわち、遊技盤本体10Aの前方から貫通孔10Kに背板21A、周壁部21Bの順に挿入し、取付代21Cを「遊技盤本体10Aの前面部のうちで、貫通孔10Kの周囲に位置する部位」に当接させる。更に、取付代21Cを遊技盤本体10Aの前面部にビス止め固定することで、取付部材21は遊技盤本体10Aに固定されている。そして、図4に示すように、この取付部材21は、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を占めている。
図7に示すように、背板21Aには正面視で略矩形状の窓部形成孔21dが設けられ、表示窓21eを構成している。そして、この表示窓21eと、背板21Aの背後に配設される表示画面27aとが前後に位置合わせされ、遊技機1の前方から表示画面27aが視認可能とされている。また、背板21Aの前面部のうちで、表示窓21eの右側方に位置する部位が、後述する「第1の可動演出装置25R」の取付部位(以下、「第1の取付部21f」と称する。)を構成し、表示窓21eの右側方に位置する部位が、後述する「第2の可動演出装置25L」の取付部位(以下、「第2の取付部21g」と称する。)を構成している。
図4に示すように、取付部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、内側レール13に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、取付部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。更に、左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する右下表示装置60と同様に、特別図柄の変動表示及び停止表示を行う。但し、この演出表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(図柄変動表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を表示するための表示装置を構成し、演出表示装置27が疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を表示する。なお、演出表示装置27は演出装置の具体例を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。このには、図5(b)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。
この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景図柄と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出表示」が実現される。
次に、第1の可動演出装置25R及び第2の可動演出装置25Lの機械的な構造について、図7〜図25を用いて簡単に説明する。ここで、図7に示すように、第1の可動演出装置25Rは、第1の取付部21fに取り付けれることで、表示画面27aの右側に配設され、第2の可動演出装置25Lは、第2の取付部21gに取り付けられることで、表示画面27aの左側に配設されている。但し、第1の可動演出装置25R及び第2の可動演出装置25Lは相互に鏡面対称となることを除き、同様な構成を備えるため、以下、第1の可動演出装置25Rを中心に説明する。
第1の可動演出装置25Rは、図8及び図9に示すように、取付部21fに取り付けられる取付ベース部25Bと、取付ベース25Bに対して傾動可能な状態に配設される部分構造体70と、可動演出装置25Rの駆動源を構成するモータ80とを備えている。ここで、部分構造体70は、部分造形物の具体例を構成している。
取付ベース部25Bは、図9及び図10に示すように、略矩形の開口部を備える略容器形状に構成され、略矩形の正面形状を備える基板部25aと、略矩形の枠形状とされつつ基板部25aの外周縁から後方に向かって突出する周壁部25bとを備えている。そして、周壁部25bの突端面を取付部21fに当接(つまり、取付ベース部25Bの開口部を取付部21fに当接)させた状態で、取付ベース部25Bは取付部21fに取り付けられている(図11等を参照)。なお、取付ベース部25Bの取付部21fへの取り付けに際しては、接着、ビス止め、カシメ、嵌合、係合等の種々の手法を用いることができる。
図10及び図11に示すように、基板部25aの上端側は、後方に向かって段差状に陥没する陥没部25cとされており、この陥没部25cには略円弧状の案内孔25dが設けられている。この案内孔25dは、基板部25aをその肉厚方向に貫通する状態に設けられるとともに、その略円弧状経路の曲率中心を斜め下方(後述する部分造形物本体部73が傾動したときに、その傾斜方向に沿った斜め下方である。)に配設している。また、基板部25aにおいては、陥没部25cよりも下方の位置には、回転支持部25eと、駆動軸挿通孔25fとを、この順に上下に設けている。なお、回転支持部25eは、基板部25aの後面部から後方に突出する略円筒形状に構成され、その内部空間は、基板部25aをその肉厚方向に貫通する円形孔25gによって基板部25aの前方に開放されている。また、駆動軸挿通孔25fは、基板部25aをその肉厚方向に貫通する状態に設けられている。
図10及び図11に示すように、基板部25aにおいては、陥没部25cとその他の部分(以下、非陥没部という。)25hとの境界が段差状となるため(図11を参照)、基板部25aの裏面側では、陥没部25cと非陥没部25hの境界部に、下方側を向いた壁面部25jが設けられる。この壁面部25jの左右方向中間部は、上方に向かって略円弧状に凹む凹壁部25kとされ(図10を参照)、凹壁部25kの側方(前方から見て右側)は、後述する第2の従動ギア84の駆動範囲を規制するための規制部25mとされている。なお、凹壁部25kの曲率中心が回転支持部25eの軸心と一致しているとともに、凹壁部25kと、回転支持部25eの外周部との間には所定の距離が設けられている。
図10に示すように、非陥没部25hにおいて、凹壁部25kと回転支持部25eとの間の部位には、略円弧状の経路を描く通過孔25nが設けられている。この通過孔25nは非陥没部25hを貫通する状態に設けられるとともに、その曲率中心が回転支持部25eの軸心と一致している。
図8に示すように、基板部25aの前面部下端側には、第1の可動演出装置25Rの駆動源を構成するモータ80がブラケット80bを用いて取着されている。また、図11に示すように、このモータ80の駆動軸80aは、その軸心を前後に向けつつ駆動軸挿通孔25fに挿通され、基板部25aの後方に突出している。更に、このモータ80は、ステッピングモータであり、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されている。そして、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220(後述する。)から送信される制御信号を用いて制御される。なお、モータ80は「傾動手段」の具体例を構成する。
図11に示すように、モータ80の駆動軸80aは駆動軸挿通孔25fを通じて、基板部25aの後方に突出する。そして、この基板部25aの後方に突出する駆動軸80aには、駆動歯車部材81Gが一体回転可能な状態に装着されている。つまり、図13に示すように、駆動軸80aの突端側が異形断面(非真円形の断面、例えば、外周部の周方向に沿った一部に面取りを施して伝達面とした断面であり、以下、同様な断面を単に「異形断面」という。)とされ、駆動歯車部材81Gの回転中心を貫通する貫通孔81Kに対して、駆動軸80aの突端側が嵌入可能とされている(開口形状が異形断面と同一形状・同一サイズ)。このため、駆動歯車部材81Gは駆動軸80aと一体で回転可能とされている。なお、図11に示すように、駆動歯車部材81Gの前面部と基板部25aの後面部との間にはスペーサS1が装着され、駆動軸80aの後端部には、駆動歯車部材81Gが駆動軸80aより抜け出ることを防止するための抜け止め部材N1が装着されている。
図13に示すように、駆動歯車部材81Gは、2つの歯車とインデックス部材とを一体化した構成を備えている。つまり、駆動歯車部材81Gは、略円板状のフランジ部81Fと、フランジ部81Fの前面側に配置される第1の駆動歯車部81と、フランジ部81Fの後面側に配置される第2の駆動歯車部82と、第2の駆動歯車部82の前面部に一体化された被検出体(インデックス部材)81Jとを備える。このため、基板部25aの後方では、基板部25aに近い位置から順に、被検出体(インデックス部材)81Jと、第1の駆動歯車部81と、第2の駆動歯車部82とが並んだ状態となる。なお、フランジ部81Fと、第1の駆動歯車部81と、第2の駆動歯車部82が、何れも軸心を同心状に並べた略円板形状を備えている。
図9及び図10に示すように、基板部25aの後方には、駆動軸80aの回転位置を検出するための位置検出用センサ80dが配設されている。この位置検出用センサ80dは、光学センサを用いて構成されるとともに、位置検出基板226Aを介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されている(図28を参照)。なお、モータ80を駆動せず、その駆動軸80aを「基準回転位置」に維持すると、第1の可動演出装置25R及び第2の可動演出装置25Lが演出動作を行う前の状態(部分構造体70が演出姿勢となる前の状態)に保持される。また、本実施例では、モータ80の駆動軸80aの回転位置と、回転方向を以下のように称する。つまり、「部分造形物70に傾動を施して、部分造形物70を演出姿勢とするための駆動軸80aの回転方向」を「正回転方向」と称し、「傾動した部分造形物70を傾動前の状態に戻すための駆動軸80aの回転方向」を「逆回転方向」と称する。
本実施例においては、モータ80の駆動軸80aが「基準回転位置」にあるときに、被検出体(インデックス部材)81Jが位置検出用センサ80dの検出範囲に到達する(図9を参照)。このとき、位置検出用センサ(光学センサ)80dから検出信号が出力され、この検出信号は位置検出基板226Aに送信されるため、サブ制御基板220は駆動軸80aの回転位置を把握することができる。但し、本実施例では、モータ80としてステッピングモータを使用するため、サブ制御基板220は、モータ80に供給する駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによっても、駆動軸80aの回転位置を把握することができる。
図13及び図14に示すように、第1の駆動歯車部81と第2の駆動歯車部82は、何れも、周方向に沿った一部に欠歯部81b、82bを配設した欠歯歯車部である。但し、第1の駆動歯車部81の欠歯部81bと、第2の駆動歯車部82の欠歯部82bは異なる位相(駆動軸80aの回転位置を基準とする位相)に設けられている。つまり、基準回転位置の駆動軸80aを、正回転方向(一の回転方向)に第1の回転角度(N1)だけ回転させる間は、第1の駆動歯車部81の歯部81aが第1の駆動歯車部81の上端側に位置し、第2の駆動歯車部82の欠歯部82bが第2の駆動歯車部82の上端側に位置する状態とされる。この後、駆動軸80aを正回転方向に向かって、更に第2の回転角度(N2)だけ回転量を増加させる間は、第1の駆動歯車部81の欠歯部81bが第1の駆動歯車部81の上端側に位置し、第2の駆動歯車部82の歯部82aが第2の駆動歯車部82の上端側に位置する状態とされる。なお、本実施例では、第1の回転角度(N1)と第2の回転角度(N2)との和(N1+N2)は「180度未満」とされる。
図8、図9及び図12を用いて示されるように、部分構造体70は、「ブローバック方式の拳銃」の一部を模した構造物である。この部分構造体70は、前面側に配置されて意匠面を構成する本体部71と、本体部71の裏面部に装着された2枚の支持体72、73と、本体部71に対してスライド可能に装着されたスライド部76と、撃鉄部77とを備える。また、本体部71は、拳銃のグリップを模したグリップ部71aと、拳銃の安全金を模した安全金部71bと、拳銃の引金を模した引き金部71cと、拳銃の銃身部の後半側(銃口部と離間する側)を模した部分(以下、「銃身後半部」という。)71dとを備える。そして、この部分構造体70は「部分構造物」の具体例を構成する。また、この部分構造体70は、後述する「部分構造画像70G」とともに、「拳銃を模した装飾用造形物」を完成させる。
図12及び図13に示すように、支持体72、73は、グリップ部71aの裏面部に対して上下に装着されている。このうち、図13に示すように、グリップ部71aの裏面部上方に装着される支持体(以下、「第1の支持体」という。)72は略板状に構成され、グリップ部71aの裏面部に当接する状態で装着されている。また、グリップ部71aの裏面部下方に装着される支持体(以下、「第2の支持体」という。)73は、折り曲げ線を上下に向けた屈曲板で構成される支持板部73aと、支持板部73aの表面部(グリップ部71aの裏面部方向を向いた面)から突出して、突端部をグリップ部71aの裏面部に当接させた状態とされるリブ73bと、を備えている。
なお、図13に示すように、支持板部73aは、グリップ部71aの裏面部と略平行に配置される第1の板状部73cと、この裏面部に対して鋭角をなす状態に配置される第2の板状部73dとを備える。そして、第2の板状部73dは、取付ベース部25Bの基板部25aの前面部に略平行に配設されるため、部分構造体70は基板部25aの前面部に対して傾斜した状態に配設される。つまり、部分構造体70の前面部と表示画面27aは、ともに略鉛直方向に立設された状態となりつつも、部分構造体70の前面部が、水平な面内において表示画面27aの側に傾斜する状態となる。つまり、部分構造体70の前面部を、表示画面27a側に延長した仮想面(略垂直な面)を想定すると、この仮想面と表示画面27aとは鈍角(但し、遊技機1の上方から目視して、仮想面を起点に表示画面27aに向かって時計回転に計測する角度)を形成しつつ交差した状態となる。そして、基準回転位置の駆動軸80aを、正回転方向に第1の回転角度(N1)だけ回転させると、この仮想面内において、部分構造体70は、図8の破線に示すように、銃身後半部71dの前端部71Fの位置が下方に移行するように傾動して(つまり、略垂直な面内で傾動して)演出姿勢となる。なお、銃身後半部71dの前端部71Fは、「演出姿勢とされる部分造形体(部分造形物)70の表示画面27a側端部」の具体例を構成する。また、後述する部分構造画像70Gは、図35に示すように、表示画面27aにおいて、この前端部71Fの延長上に該当する部位に、この前端部71Fに続いて奥側に向かうように遠近法によって描写される。
図13及び図15に示すように、支持板部73a(第2の板状部73d)の裏面部(基板部25aの前面部を向いた面)の上端側からは、案内突起73eが略垂直に突出している。この案内突起73eは略円筒形状に構成されるとともに、その突端側が外径を段差状に縮小した小径部73fとされている。また、支持板部73a(第1の板状部73c及び第2の板状部73dの境界部)の裏面部の下端側からは、軸体保持部73hが略垂直に突出している。この軸体保持部73hは略筒形状に構成され、内部空間を後方に開放している。また、軸体保持部73hの内部空間の断面(軸心に垂直な断面)は異形断面とされている。つまり、その内部空間は「円柱形状の外周部の周方向に沿った一部に面取りを施したような空間形状」とされている(図15を参照)。また、図13に示すように、支持板部73a(第2の板状部73d)の上下方向中間部には、スライド孔73jが肉厚方向に貫通する状態に設けられている。このスライド孔73jは長手方向を上下に向けた略長円形状に構成されている。
本実施例では、図16及び図17に示すように、第2の支持体73を軸体78、ブッシュ79等を用いて、取付ベース部25Bに回転可能な状態に支持することで、部分構造体70が取付ベース部25Bに対して傾動可能とされている。
ここで、図15に示すように、軸体78は異形断面を備え(外周部の周方向に沿った一部に面取り部を設けて伝達面とする。)、その前端部78a側が軸体保持部73hに嵌合されている(図16を参照)。そして、軸体78は軸体保持部73hの内部空間と凹凸が略反転した外形を備えるため、軸体保持部73hにその前端部78a側を嵌合することで、第2の支持体73と一体回転可能とされている。
ブッシュ79は、図16及び図17に示すように、略円筒状の本体部79aと、本体部79aの一端部に設けられたフランジ部79bとを備える。また、基板部25aの前面部にフランジ部79bを配置する状態で、その本体部79aを回転支持部25eに挿通している。そして、軸体78の軸心方向中間部がブッシュ79に挿通されているため、軸体78は取付ベース部25Bに対して回転可能な状態に支持されている。このため、部分構造体70は取付ベース部25Bに対して回転可能な状態とされている。なお、本体部79aは回転支持部25eにその前方から嵌入され、フランジ部79bは基板部25aの前面部に当接する状態とされる。但し、図16に示すように、本体部79aの軸心長は回転支持部25eの軸心長よりも短くされているため、本体部79aを回転支持部25eに挿入しても、回転支持部25eの内部空間のうちの後方側は空き空間(以下、「後方空き空間25p」という。)となる。
本実施例では、図11に示すように、支持板部73aの裏面部から突出する案内突起73eの小径部73fが、基板部25aの略円弧状の案内孔25dに挿通されているため、部分構造体70の回転範囲は一定範囲に限定される。つまり、案内突起73eの小径部73fは、基板部25aの前方から案内孔25dに挿通されるとともに、基板部25aの裏面側で、小径部73fに対して抜け止め部材73mが装着されている。この抜け止め部材73mは、案内孔25dの曲率半径方向に沿った幅よりも径が大きな部材(ネジ、ピン等)によって構成され、小径部73fが案内孔25dから抜け出ることを防止する(図9を参照)。
本実施例では、第1の可動演出装置25R及び第2の可動演出装置25Lが演出姿勢となる前の状態(部分構造体70が傾動を行う前の状態)では、小径部73fは案内孔25dの上端側に配置され、部分造形物70が傾動して演出姿勢になると、小径部73fは案内孔25dの下端側に配置される。このように、本実施例の第1の可動演出装置25R及び第2の可動演出装置25Lにおいては、部分造形物70の傾動を、「案内突起73e」の作用で補助するため、この傾動を円滑に行うことができる。
図11、図16及び図17に示すように、本実施例では、軸体78と同心状に配置される部材として、第1の従動ギア83と、第2の従動ギア84と、伝達ギア85とを備える。つまり、基板部25aの前方には、伝達ギア85が軸体78の軸心回りに回転可能な状態に配置され、軸体78の後端部78b側には、第1の従動ギア83が一体回転可能な状態に装着されている。また、基板部25aの後方であって、第1の従動ギア83の装着部位よりも前方に位置する部位には、第2の従動ギア84が軸体78の軸心回りに回転可能な状態に配置されている。なお、第2の従動ギア84と基板部25aの後面部との間、及び、第1の従動ギア83及び第2の従動ギア84の間にはスペーサS2、S3が装着されている。ここで、第1の従動ギア83によって、「第1の駆動力伝達機構」の具体例を構成し、第2の従動ギア84は、後述する伝達ギア85、スライド片86、連動バー87、揺動アーム部材88とともに「第2の駆動力伝達機構」の具体例を構成する。
図13に示すように、第1の従動ギア83は扇型歯車によって構成され、軸孔83bに軸体78の後端部78b側を嵌入し、軸体78と一体回転可能とされている。つまり、軸孔83bの断面を異形断面に形成することで、軸体78と一体回転可能とされている。但し、図16及び図17に示すように、第1の従動ギア83の前面部において軸孔83bの周縁に位置する部位からは、円筒部(ボス)83tが突出している。そして、図16に示すように、円筒部(ボス)83tが後方空き空間25pに摺動可能な状態で挿入され、第1の従動ギア83を軸体78と一体に回転させると、第1の従動ギア83は、回転支持部25eにも支持されつつ回転する(円筒部83tを、回転支持部25eに摺動させつつ回転する。)。
第1の従動ギア83は、図13に示すように、略円弧状に配設される歯部83cを下方に配置し、第1の駆動歯車部81の歯部81aと噛合可能としている。そして、第1の駆動歯車部81の歯部81aと噛合している範囲で、駆動軸80aの回転を、軸体78及び部分構造体70に伝達可能とされている。また、第1の従動ギア83の歯部83cの時計回転方向側(但し、前方から見た状態を基準とする。)の側方(軸体78の回転方向に沿った側方)には欠歯部83dが設けられている。この欠歯部83dは、歯部83cの歯溝を結ぶ仮想的な円弧を延長した仮想円(歯底円)よりも、軸孔83b方向に円弧状に凹む凹部によって構成されている。なお、軸体78の後端部78bを軸孔83bに接着したり、図16に示すように、後端部78bに抜け止め部材(Cリング等の止め輪)78vを装着することで、後端部78bの軸孔83bから抜け止めを図ることができる。
第2の従動ギア84は、図11、図16及び図17に示すように、基板部25aと第1の従動ギア83との間において、回転支持部25eに対して回転可能な状態に支持されている。この第2の従動ギア84も、図15及び図16に示すように、扇型歯車によって構成され、円形の軸孔84bに回転支持部25eを摺動可能な状態で挿通し、回転支持部25e(軸体78)の軸心周りに回転可能とされている。また、略円弧状に配設される歯部84cを下方に配置し、第2の駆動歯車部82の歯部82aと噛合可能としている。そして、第2の駆動歯車部82の歯部82aと噛合している範囲で回転可能とされている(図16を参照)。
図15に示すように、第2の従動ギア84の歯部84cの反時計回転方向側(但し、前方から見た状態を基準とする。)の側方(軸体78の回転方向に沿った側方)には欠歯部84dが設けられている。この欠歯部84dは、歯部84cの歯溝を結ぶ仮想的な円弧を延長した仮想円(歯底円)よりも、軸孔84b方向に円弧状に凹む凹部によって構成される。また、第2の従動ギア84の前面部からは一対の連結突起84eが突出している。なお、両連結突起84eは軸孔84bの中心部を曲率中心とする仮想円弧上に並んでいる。
伝達ギア85は、図11、図16及び図17に示すように、基板部25aと支持板部73aとの間において、軸体保持部73hに対して回転可能な状態に支持されている。つまり、この伝達ギア85は、図16及び図17に示すように、その軸孔85cに対して軸体保持部73hを摺動可能な状態で挿通することで、軸体保持部73hに対して回転可能されている。なお、伝達ギア85の後面部(基板部25aに近接する面)には、背面視で略リング状とされる凹部85pが設けられている。この凹部85pは軸孔85cと同心状に設けられている。そして、この凹部85pには、ブッシュ79のフランジ部79bが配設される。
この伝達ギア85は、図15に示すように、後方(支持板部73aから遠ざかる方向)に配置される連結部85aと、前方(支持板部73aに近接する方向)に配置されるギア本体85bと、を備える。また、連結部85aは、リング状部分85Rと、リング状部分85Rの外周部から突出する円弧状部分85Eとを備え、円弧状部分85Eには、2個の連結孔85dが肉厚方向(前後)を貫通する状態に設けられている。なお、両連結孔85dは、軸孔85cの中心部を曲率中心とする仮想円弧上に並んでいる。
図15に示すように、ギア本体85bは略リング状に構成され、リング状部分85Rと同心状とされつつリング状部分85Rの前面部に一体化されている。そして、軸孔85cは、ギア本体85b及びリング状部分85Rの軸心位置を貫通する状態に形成されている。また、ギア本体85bの外径は、リング状部分85Rの外径よりも小さくされるとともに、ギア本体85bの外周部には歯部85eが円弧状に形成されている。
伝達ギア85と、第2の従動ギア84は基板部25aを挟んで配設されつつ、連結部材(ビス等)85fを用いて連結され、一体回転可能とされる(図11、図15、図17を参照)。つまり、通過孔25n(図10を参照)が描く円弧状の経路と、両連結突起84eが並ぶ仮想円弧と、両連結孔85dが並ぶ仮想円弧は同心状とされる(何れも、軸体78の軸心を曲率中心とする)とともに、何れも同一の曲率半径を備える。そして、両連結突起84eが通過孔25nに挿通され、一方の連結突起84eの突端部が一方の連結孔85dに嵌合され、他方の連結突起84eの突端部が他方の連結孔85dに嵌合されるとともに、前方から連結突起84eに連結部材(ビス等)85fを装着することで、伝達ギア85及び第2の従動ギア84が一体化されている。
そして、両連結突起84eが描く仮想円弧の円弧長と、両連結突起84eが描く仮想円弧の円弧長は等しくされるが、これらは、通過孔25nの円弧状の経路長よりも短くされている。このため、伝達ギア85及び第2の従動ギア84の一体物は、連結突起84eが通過孔25n内を移動可能な範囲で回転可能とされている。
部分構造体70を構成する本体部71には、図18及び図19に示すように、スライド部76がスライド可能に装着されるとともに、撃鉄部77が傾動可能な状態に装着されている。つまり、本体部71の裏面部であって、銃身後半部71dの後方に位置するとともにグリップ部71aの上方に位置する部位からは、スライドレール71fが突出している(図9も参照)。このスライドレール71fは、銃身後半部71d(軸心方向)に沿って(水平方向に向かって)長尺に形成されている。なお、本体部71の上端部であって、銃身後半部71dの後方に位置する部位には、略水平に構成される支持板部71gが設けられている(図19を参照)。
スライド部76は、拳銃のブローバック部をあしらった部材であり、図9及び図19に示すように、上板部76aと、前板部76bと、背板部76cと、中板部76dとを備える。そして、前板部76bと中板部76dとの間に本体部71の上端側であって後端側の部位を挟み込んだ状態で、スライド可能に配設されている。つまり、上板部76aは、略矩形の平面形状を備えつつ支持板部71gの上面部上に摺動可能に配置とされ、前板部71bは、略矩形の正面形状を備えつつ上板部76aの前端縁から垂下して本体部71の前方に配置されている。
背板部76cは、後方に湾曲する板形状に構成されつつ、「本体部71の上端側であって後端側の部位」の後方に配置されている。また、背板部76cの幅方向に沿った中間部には、背板部76cを肉厚方向に貫通しつつ、背板部76cの下端部で開口する切り欠き部76fが設けられている(図8を参照)。この切り欠き部76fは、撃鉄部77が進入可能なサイズとされている。
図18及び図19に示すように、中板部76dは、上板部76aの前後方向中間部から下方に向かって突出している。この中板部76dは、前板部76bとの間に所定の距離を設けつつ、前板部76bと略平行な状態とされている。また、中板部76dにおいて、前板部76bと対向する面からは、一対のスライド突起76e、76eが突出している。このスライド突起76e、76eは、前板部76bから略直角に突出する板状体によって構成されるとともに、銃身後半部71dの軸心方向に沿って(水平方向に向かって)長尺に形成されている。また、両スライド突起76e、76eは上下に略平行な状態に配置されている。そして、両スライド突起76e、76e間の隙間(溝)に、前述のスライドレール71fを摺動可能な状態で受け入れ可能されている。また、図18に示すように、中板部76dの後面部であって、両スライド突起76e、76eの後方に位置する部位からは押圧突起76gが突出している。
スライド部76は、両スライド突起76e、76e間にスライドレール71fを挿入するとともに、上板部76aを支持板部71gの上面部上に設置した状態で、本体部71の上端側であって後端側の部位に装着されている。そして、スライドレール71f及び支持板部71gに案内されつつ銃身後半部71dの軸心方向に沿ってスライド可能とされている。
撃鉄部77は、図18に示すように、正面視で略三角形状の略板状体で構成される本体部77aと、本体部77aの下端部77bに対して「略くの字状(略クランク状)」に突出する突出部77cと、を備える。この撃鉄部77は、その本体部77aを構成する下端部77bが回転可能な状態に支持されている。つまり、下端部77bが、「部分構造体70を構成する本体部71の裏面部から後方に突出する支持軸71h」によって回転可能な状態に支持されている。また、部分構造体70を構成する本体部71の裏面部であって、支持軸71hの突出部位の下方には係止部71jが設けられている。そして、突出部77cの下端側の係止部77dと、本体部71の係止部71jとの間には付勢手段(コイルバネ)77eが装着され、突出部77cの係止部77dを下方に押し下げる(引っ張る)ような付勢力(図示の矢印Aに示す回転方向に向かう付勢力)が、撃鉄部77に負荷されている。
この撃鉄部77は、その本体部77aを切り欠き部76fに挿通させた状態で配置され(図8を参照)、この本体部77aの被押圧面77fを押圧突起76gに対してその後方から当接する状態とされる。そして、図18(a)に示すように、スライド部76を後方にスライドさせない場合においては、付勢手段77eの付勢力を用いて、被押圧面77fが押圧突起76gに対して圧接された状態となる。なお、スライド部76を後方にスライドさせない場合における撃鉄部77の姿勢を「基本姿勢」という。
一方、図18(b)に示すように、スライド部76を後方にスライドさせると、被押圧面77fが押圧突起76gによって後方に押圧されるため、撃鉄部77は、その係止部77dを上方に押し上げるような方向(図示の矢印Aとは逆の回転方向)に傾動する。なお、スライド部76を後方にスライドさせた場合における撃鉄部77の姿勢を「傾動姿勢」という。また、撃鉄部77が傾動姿勢となると、撃鉄部77が基本姿勢である場合に比べて、付勢手段77eから撃鉄部77に負荷される付勢力が拡大する。
次に、図20に示すように、伝達ギア85からに伝達される駆動力は、スライド片86と、連動バー87と、揺動アーム部材88とを用いて、スライド部76に伝達される。このうち、スライド片86は、第2の支持体73の裏面部に設けられた支持機構(図示を省略)を用いて上下動可能な状態に支持されている。このスライド片86は、図15に示すように、上下に長尺な本体部86aと、本体部86aの側面上端側から板状に突出する連結部86bとを備える。また、本体部86aと連結部86bとは屈曲する状態に連続しており、本体部86a及び連結部86b間の屈曲角は、第1の板状部73c及び第2の板状部73d間の屈曲角と略等しくされている。そして、本体部86aは、第1の板状部73cに略平行に配設され、連結部86bは第2の板状部73dに略平行に配設される。
図15に示すように、本体部86aの前面部からはスライド突起86cが突出し、本体部86aの後面部にはラック部86dが設けられている。そして、スライド突起86cは支持板部73a(第2の板状部73d)のスライド孔73jに摺動可能な状態に挿入されている。そして、スライド片86を上下動させると、スライド突起86cはスライド孔73j内を摺動するため、スライド片86のスライド方向とスライド量が規制される。
図20に示すように、ラック部86dにおいて、上下に配設される歯部86eは伝達ギア85の歯部85eに噛合している。つまり、ラック部86dとギア本体85bはラックとピニオンの関係にあり、スライド片86は伝達ギア85の回動に伴って上下動する。また、連結部86bにはその肉厚方向を貫通する状態に連結孔86fが形成されている。この連結孔86fは横方向(連結部86bの突出方向)を長手方向とした長円形状に構成されている。
図9及び図20に示すように、連動バー87は、上下に長尺な略四角柱形に構成され、第1の支持体72の裏面部に設けられた支持部材72a、72bを用いて傾斜方向に摺動可能な状態に支持されている。つまり、連動バー87は、その前面部を第1の支持体72及び第1の板状部73cの後面部に接触させ、後面部を上下の支持部材72a、72bに接触させ、一方の側面部(前方から見て左側に配置される側面部)を上方の支持部材72aに接触させた状態で、摺動可能な状態に支持されている。
図20に示すように、連動バー87の他方の側面部(前方から見て左側に配置される側面部)の上端側には歯部87eが設けられている。つまり、連動バー87はラックのような構成とされている。また、連動バー87の他方の側面部の下端部側は、後方に向かって段差状に凹む連結部87fとされている(図12を参照)。そして、この連結部87fとスライド片86の連結部86bとが連結ピン87gで連結され、リンク機構を構成している。
つまり、連結部87fの前面に、スライド片86の連結部86bを当接させた状態で、連結部87fに回転可能な状態に装着された連結ピン87gが、連結部86bの連結孔86fに対して挿入され、連結部87f及び連結部86bが相対回転可能な状態に連結されている。すなわち、連結ピン87gは連結孔86f内を移動可能であるとともに、連結ピン87gの連結孔86fからの抜け止めが図られている。
図20に示すように、揺動アーム部材88は揺動状態となりつつ、連動バー87から伝達される駆動力をスライド部76に伝達するためのアーム部材であり、一端側に歯車部88aを配置し、他端側に連結部88bを配置している。このうち、歯車部88aは略円板形状に構成され、中心部が、第1の支持体72の裏面部から突出する支持軸72cをよって回転可能な状態に支持されている。また、歯車部88aの外周の一部には、連動バー87の歯部87eと噛合する歯部88dが形成されている。
図20に示すように、連結部88bは、揺動アーム部材88の軸心方向に沿って長尺な長円形状に構成されるとともに、連結孔88eを肉厚方向に貫通する状態に備える。また、この連結孔88eは、揺動アーム部材88の軸心方向に長尺な長円形状に構成されており、連結ピン88fの軸部を連結孔88eに挿通し、この軸部の突端部を中板部76dの裏面部に嵌合(若しくは螺合)固定することで、連結部88bが中板部76dに一体化されている。つまり、連結ピン88fは、連結孔88eの短手幅よりも小さな外径を備える軸部を連結孔88eに挿通し、連結孔88eの短手幅よりも大きな外径を備える頭部を連結孔88eの後方に配置しつつ、軸部の突端部を中板部76dに一体化している。
連動バー87が斜め上方に移動する前においては、図20(a)に示すように、揺動アーム部材88が、その軸心を前方に上がり傾斜とする姿勢(以下、「前傾姿勢」という。)とされる。そして、連動バー87が支持部材72a、72bに沿って斜め上方に移動すると、図20(b)に示すように、歯車部88aが支持軸72cを支点及び回転中心にして、矢印Bの方向に回転するため、揺動アーム部材88が、その軸心を後方に上がり傾斜とする姿勢(以下、「後傾姿勢」という。)とされる。
揺動アーム部材88の姿勢が後傾姿勢に変更されると、この揺動アーム部材88に連結ピン88fを用いて連結されたスライド部76は、スライドレール71f及び支持板部71gに案内されつつ銃身後半部71dの軸心方向に沿って後方にスライドする(つまり、後退動作を行う。)。また、このように、揺動アーム部材88の姿勢が後傾姿勢に変更されると、撃鉄部77の被押圧面77fが、後退するスライド部76の押圧突起76gによって後方に押圧されるため、付勢手段77eの付勢力に対抗しつつ、「傾動姿勢」となる。つまり、後退するスライド部76と、撃鉄部77によって、所謂「ブローバック」が実行される。
次に、図7、図8、図12、図20〜図24を用いて、第1の可動演出装置25R及び第2の可動演出装置25Lの駆動態様について簡単に説明する。まず、モータ80の駆動軸80aが基準回転位置にあるとき(位置検出用センサ80dから検出信号が出力されているとき)には、図12に示すように、部分構造体70は傾動前の姿勢(以下、「基本姿勢」という。)に維持される(図8の実線を参照)。すなわち、図7に示すように、部分構造体70は基本姿勢となりつつ、軸心J1、J2を表示画面27aに向けた状態とされる。より具体的には、銃身後半部71dは、その軸心J1、J2を「略水平な面内」において表示画面27aの方向に向けて傾斜させた状態とされる。
なお、本実施例では、図8に示すように、各可動演出装置25R、25Lにおいて、部分構造体70が基本姿勢にあるときも、銃身後半部71dの前端部71Fが表示画面27aの正面前方に位置する状態とされる。但し、部分構造体70が基本姿勢にあるときには、銃身後半部71dの前端部71Fを、表示画面27aの正面前方から外れる位置(図7に示す表示画面27aの外縁部27Gよりも外側の正面前方の位置)に配置され、部分構造体70が傾動することで、銃身後半部71dの前端部71Fが表示画面27aの正面前方に位置する状態とされてもよい。
部分構造体70の姿勢が「基本姿勢」であるときに、駆動軸80aを正回転方向(一の回転方向)に第1の回転角度(N1)だけ回転させると、図21に示すように、部分構造体70は傾動して、演出姿勢となる(図8の破線を参照)。つまり、表示画面27aと交差しつつ略垂直(水平面に対して垂直)に立設される仮想的な面内において傾動し、その姿勢を演出姿勢とする。
つまり、図23(a)及び図24(a)に示す「基準回転位置の駆動軸80a」を、図23(b)及び図24(b)に示すように、正回転方向に回転させると、第1の駆動歯車部81及び第2の駆動歯車部82は何れも正回転方向に回転する。但し、駆動軸80aの回転角度が第1の回転角度(N1)になるまでの間は、第1の駆動歯車部81の歯部81aと第1の従動ギア83の歯部83cとが噛合するが、第2の駆動歯車部82の歯部82aと第2の従動ギア84の歯部84cとは噛合しない(歯部82aと欠歯部84dとが接触する)。そして、軸体78の回転に伴い、部分構造体70が傾動して、駆動軸80aの回転角度が第1の回転角度(N1)になると、部分構造体70が傾動を完了して、演出姿勢となる。なお、以下の説明において、回転角度が第1の回転角度(N1)となったときの「駆動軸80aの回転位置」を「傾動回転位置」と称することがある。
駆動軸80aの回転角度が第1の回転角度(N1)になるまでの間(傾動回転位置になるまでの間)、第1の従動ギア83と軸体78とが一体で回転するが第2の従動ギア84は回転しない。なお、図24(a)及び(b)に示すように、駆動軸80aの回転位置を、基準回転位置から傾動回転位置にするまでの間、第2の駆動歯車部82の欠歯部82bに対して、第2の従動ギア84の欠歯部84dが摺接する。つまり、上方に凹む円弧状に形成される欠歯部82bに、凹凸が略反転した円弧状の欠歯部84dが摺接するため、回転する第2の駆動歯車部82の駆動力は第2の従動ギア84に伝達されない。
本実施例では、図24(a)及び(b)に示すように、欠歯部84dが欠歯部82bに摺接する間、第2の駆動歯車部82が「図中の矢印X2方向」に回転しようとする挙動を示すように、第2の駆動歯車部82の重心位置を定めている。つまり、駆動軸80aの回転位置を、基準回転位置から傾動回転位置にするまでの間は、欠歯部84dが欠歯部82bを押圧するようにしつつ、欠歯部82bに摺接(当接)するため、第2の従動ギア84が、「図中の矢印X2方向とは反対方向に回転して、第2の駆動歯車部82から離間すること」が防止される。
図23(b)及び図24(b)に示す「傾動回転位置の駆動軸80a」を、図23(c)及び図24(c)に示すように、更に正回転方向に回転させ、駆動軸80aの回転角度を、更に第2の回転角度(N2)だけ増加させる間は、第2の駆動歯車部82の歯部82aと第2の従動ギア84の歯部84cとが噛合するが、第1の駆動歯車部81の歯部81aと第1の従動ギア83の歯部83cとは噛合しない状態となる(歯部81aと欠歯部83dとが接触する)。このため、軸体78は回転を停止するが、第2の従動ギア84は回転支持部25eに支持されつつ回転する。そして、この第2の従動ギア84の回転に伴って伝達ギア85が回転するためスライド片86が上昇し、これに伴って、連動バー87が上昇し傾斜方向に移動するとともに、揺動アーム部材88がその姿勢を「後傾姿勢」に変更するように揺動する。これにより、スライド部76が後退する(つまり、後退動作を行う。)とともに、撃鉄部77が「傾動姿勢」となる。なお、以下の説明において、回転角度を、更に第2の回転角度(N2)だけ増加させたときの「駆動軸80aの回転位置」を、「ブローバック回転位置」と称することがある。
このように、駆動軸80aの回転角度を第2の回転角度(N2)だけ増加させる間(回転位置がブローバック回転位置になるまでの間)、第2の従動ギア84は回転するが第1の従動ギア83は回転しない。ここで、図23(a)及び(b)に示すように、駆動軸80aの回転位置が、「傾動回転位置」から「ブローバック回転位置」になるまでの間、第1の駆動歯車部81の欠歯部81bに対して、第1の従動ギア83の欠歯部83dが摺接する。つまり、上方に凹む円弧状に形成される欠歯部83dに、凹凸が略反転した円弧状の欠歯部83dが摺接するため、回転する第1の駆動歯車部81の駆動力は第2の従動ギア83に伝達されない。
本実施例では、図23(b)及び(c)に示すように、欠歯部83dが欠歯部81bに摺接する間、第1の駆動歯車部81が「図中の矢印X1方向」に回転しようとする挙動を示すように、第1の駆動歯車部81の重心位置を定めている。つまり、駆動軸80aの回転位置を、傾動回転位置からブローバック回転位置にするまでの間は、欠歯部83dが欠歯部81bを押圧するようにしつつ、欠歯部82bに摺接(当接)するため、第2の従動ギア84が、「図中の矢印X1方向とは反対方向に回転して、第2の駆動歯車部82から離間すること」が防止される。
駆動軸80aの回転角度が「N1+N2(180度未満)」となると、駆動軸80aの回転方向を反転する。そして、駆動軸80aの回転位置が、「傾動回転位置」に戻るまでの間、第2の従動ギア84も逆転するため、上昇していたスライド片86が下降し、これに伴って、上昇していた連動バー87が下り傾斜方向に移動するとともに、揺動アーム部材88が、その姿勢を「前傾姿勢」に戻すように揺動する。これにより、スライド部76が後退前の位置(以下、「原点位置」という。)に返還される(つまり、復帰動作を行う。)とともに、撃鉄部77が「基本姿勢」に戻される。なお、付勢手段77eからスライド部76に対して、スライド部76の位置を「原点位置」に復帰させるような付勢力が負荷されるため、スライド部76の「原点位置」への復帰動作は円滑に行われる。
本実施例では、駆動軸80aの回転角度を、「N1」と「N1+N2」との間で繰り返して変化させることで、スライド部76の前後へのスライドと、撃鉄部77の姿勢変更とを反復して行うことができる。つまり、スライド部76のスライドと、撃鉄部77の姿勢変更とを反復して行うことで、拳銃による連射を表現することができる。
なお、本実施例では、各可動演出装置25R、25Lにおいて、部分構造体70が傾動状態にあるとき、図25に示すように、銃身後半部71dの前端部71F(演出姿勢とされる部分構造体70の表示画面27a側端部)は、表示画面27aの側縁部27Hよりも、表示画面27aの内側に向かって距離Vdにある部位の正面前方に配置される。ここで、表示画面27aの横幅を「V」とする場合、「Vd」を、例えば、「V/20」〜「V/2」の範囲内で選択することができる。また、本実施例と異なり、銃身後半部71dの前端部71Fを、表示画面27aの上縁部27Jや下縁部27Kの近傍における表示画面27aの正面前方に配置する態様も例示できる。例えば、上縁部27Jや下縁部27Kよりも表示画面27aの内側に向かって距離Wdにある部位の正面前方に配置する態様を例示できる。この場合、表示画面27aの上下幅を「W」とする場合、「Wd」を、例えば、「W/20」〜「W/2」の範囲内で選択することができる。
図4に戻り、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図27参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sにより遊技球が検出されることを前提に「普通図柄の変動開始条件(普通図柄の抽選実行条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口側部分に普通電動役物17dを備えている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図27参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図27参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される。
下部装置30は始動入賞装置17の下方に配設されるとともに、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。そして、可変入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図27参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図27参照)と、を備えている。この可変入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図6(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部62において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機1の起動時)の遊技状態(遊技モード)を表示するために用いられる。具体的には、LEDを消灯させることで「遊技状態が通常遊技状態(通常モード)である」旨が表示され、LEDを点灯させることで「遊技状態が確変遊技状態(高確率モード)である」旨が表示される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技モードが高確率モードとなっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄の当否判定の結果として「大当り」が得られると、以後、遊技状態表示部55のLEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間)に遊技状態が確変モードになったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯することはない。ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モード(遊技状態)が「通常モード」から「高確率モード」になると、確変手段(当否抽選判定で大当り判定がなされる確率を通常に比べ高い確率に設定する手段)と、変動時間短縮手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を通常(変動時間短縮手段の非作動時)に比べ短い時間に設定される可能性を高くする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17dの開放時間を通常に比べ長い時間に設定したり、開放回数を通常に比べ多い回数に設定する手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが「高確率モード」から「時短モード」になると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を継続し、確変手段のみが作動を停止する。更に、遊技機1の遊技モードが「時短モード」から「通常モード」に戻されると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を停止する。
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図6(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、図5(a)に示すように、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。そして、この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄の当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止表示(確定表示)が実行される。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成され、主に、「特別図柄の当否判定の結果が当選(大当り)である場合、それに基づいて発生する大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とされる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。
図6(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図6(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図27参照)が配設されている。
図4に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図26を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図26において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図27〜図29を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。なお、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、「演出制御手段」の具体例を構成する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図27〜図29中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図27においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。
このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図28に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、図28に示すように、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
また、演出ボタンSWは演出ボタン基板228を介してサブ制御基板220に接続されているため、この演出ボタンSWから出力される信号は演出ボタン基板228を介してサブ制御基板220に入力される。なお、サブ制御基板220のCPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信された表示制御コマンドに基づいて、ボタン操作演出(演出ボタンSWの操作を反映する演出)を実行可能なタイミングであると判断すると、演出ボタンSWの操作を有効化する。そして、演出ボタンSWの操作が有効化された期間内(操作有効期間中)に、演出ボタンSWが操作されたことを示す信号(以下、「操作信号」という。)を受信すると、「操作演出信号(操作演出の実行を指示する信号)」を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
演出表示制御基板222には、図29に示すように、CPU222aと、制御ROM222bと、制御RAM222cと、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)222dと、ワークRAM222eと、表示用ROM(キャラクタROM)222gと、ビデオRAM222hとが搭載されている。また、VDP222dには演出表示装置27が電気的に接続されている。
CPU222aは、サブ制御基板220から送信された各種表示制御用の信号(コマンド)を受信すると共に制御ROM222bに記憶されたプログラムに従って受信した信号(コマンド)を解析する。そして、CPU222aは、その解析結果を反映した演出制御信号(コマンド)をVDP222dに送信する。尚、制御ROM222bには遊技機1の遊技状態等に応じた各種の画像表示制御用のプログラムが記憶され、制御RAM222cには各種のデータを一時的に記憶する記憶領域や作業領域等が設けられている。また、表示用ROM222gには、演出表示装置27の表示画面27aに表示される各種演出図柄の表示に関するデータ(変動表示される疑似図柄のデータ、ボタン演出のためのボタン演出表示データ等)が記憶されている。
ここで、CPU222aがサブ制御基板220から受信する表示制御用の信号(コマンド)には、「操作演出信号」も含まれる。そして、CPU222aが「操作演出信号」を受信すると、VDP222dに対して、合成画像データの生成及び画像合成を指示するコマンド(以下、「合成コマンド」という。)が、上記演出制御信号(コマンド)に含まれる。つまり、「操作演出を行うための合成画像データの生成及び画像合成を指示するコマンド」が含まれる。
VDP222dは、CPU222aから送信される上記演出制御信号(コマンド)に基づいて、演出表示ROM222gに記憶されたデータを読み出し、この読み出したデータに基づいてワークRAM222eで画像データを生成し、ビデオRAM222hに一時的に記憶させる。この後、送信部222kから、ビデオRAM222hに記憶された画像データを信号(RGB画像信号)に載せて演出表示装置27に送信する。なお、本実施例の演出表示装置27では、表示画面27a上で多数のフレーム画像を切り替えて表示することで、「各種の表示(図柄変動表示、デモ表示、図柄の停止表示)を構成する動画」が表示される。例えば、演出表示装置27は、「順次、受信する画像データ(1フレーム分毎の画像データ)により特定されるフレーム画像(1フレーム分毎の画像)」を、表示画面27a上で1秒間に24個(30個でもよい。なお、早送り再生の場合、更に多数)連続表示することで、「各種表示を構成する動画」が表示される。
ここで、VDP222dでは、例えば、図30に示すような表示レイヤR1、R2、R3…Rn(nは自然数であり、nの数値が小さいほど、上層のレイヤであることを示す。)の表示・非表示を選択する等の手法を用いつつ、画像データを生成し、演出表示装置27に送信することができる。つまり、「デモ表示中(後述する。)」でない場合、以下のように画像データを生成して演出表示装置27に送信することができる。すなわち、サブ制御基板220が「操作演出信号」を受信しない場合(以下、「一般演出時」という。)においては、「背景図柄を表示するための表示レイヤR3」と「特別図柄(変動表示若しくは確定表示)を表示するための表示レイヤR2」とを表示状態とし、「付加演出画像(部分構造物画像、ボタン操作演出時画像等であって後述する。)を表示するための表示レイヤR3」を非表示状態(透明な状態)としつつ、「画像データ」を1フレーム毎に生成し、演出表示装置27に送信することができる。
付加演出画像の表示(部分構造物画像等の表示)を行う場合には、「背景図柄を表示するための表示レイヤR3」と「特別図柄(変動表示若しくは確定表示)を表示するための表示レイヤR2」と、「付加演出画像を表示するための表示レイヤR1」とを表示状態としつつ、「画像データ」を1フレーム毎に生成し、演出表示装置27に送信する。なお、部分構造画像の詳細については後述する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。そして、装飾駆動基板226にはモータ80が接続されており、サブ制御基板220は、モータ80に駆動信号(駆動パルス)を供給する。
また、サブ制御基板220Aには、位置検出基板226Aを介して位置検出用センサ(光学センサ)80dが接続されている。そして、前述のように、モータ80の駆動軸80aが基準回転位置にあるときに、被検出体(インデックス部材)80gが位置検出用センサ80dの検出範囲に到達するため、位置検出用センサ(光学センサ)80dから検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、この検出信号を受信することで、駆動軸80aが基準回転位置にあることを把握することができる。
払出制御部240Aには、図27に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4Gの駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h、4G等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果を示す確定表示(停止表示)と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は「本図柄」である(図20を参照)。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄を用いたリーチ表示などの図柄変動演出表示(変動遊技)を行う場合、その図柄変動演出表示は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。
また、本遊技機1では、低確率モード(通常確率モード)において、始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われると、この大当りを示す判定結果が導出される確率が約「1/315」とされる。そして、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技実行手段が作動を開始し、本遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。これにより、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cを駆動し、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、閉鎖状態とされていた大入賞口31aを開放状態に変化させ、大当り遊技が開始される。この開放状態とされた大入賞口31aは、大入賞口31aに所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数の遊技球が入球しなくても所定時間が経過すると、閉鎖状態に戻され、1ラウンドが終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると、大当り遊技を終了する。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容等について簡単に説明する。
i)本図柄での大当り表示
始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図31に示すように、大当りの態様(種類)が「通常大当り」、「第1の確変大当り」及び「第2の確変大当り」のうちの何れかに定められる。なお、「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。
ここで、「通常大当り」を生ずると、賞球払出の実行可能性が極めて高くなる第1の大当り遊技を実行するとともに、この第1の大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。また、第1の大当り遊技は、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ15回(15ラウンド)繰り返されるタイプの大当り遊技(以下、「第1の大当り遊技」という。)である。このとき、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第1の開放時間)は「25秒」とされている。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる遊技状態が、「低確率モード(低確率状態)」である。また、「通常大当りを示す本図柄(停止図柄)」は、図31(b)中欄に示すように、2個のLEDを点灯させて表示される。なお、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、確率変動手段が作動することはないが、特別図柄の変動回数が「100回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
「第1の確変大当り」を生ずると、第1の大当り遊技を実行するとともに、実行した第1の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率(通常確率の約5倍の当選確率)とされる遊技状態が、「高確率モード(高確率状態)」である。なお、「第1の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図31(c)中欄に示すように、3個のLEDを点灯させて表示される。
「第2の確変大当り」を生ずると、第2の大当り遊技を実行するとともに、この第2の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。但し、「第2の確変大当り」に起因する第2の大当り遊技としては、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ2回(2ラウンド)繰り返される。そして、この第2の大当り遊技においては、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第2の開放時間)は「0.2秒」とされている。なお、「第2の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図31(d)中欄に示すように、4個のLEDを点灯させて表示される。また、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
ii)本図柄での外れ表示
本図柄の停止表示(確定表示)を、図31(a)中欄に示すように、「特別図柄表示部62」の1個のLEDを点灯させて行う。この1個のLEDの点灯により表示される停止図柄(確定図柄)が、特別図柄の当否抽選の結果が「外れ」であることを示す「外れ図柄」となる。この場合、大当り遊技実行手段が作動することない。
iii)疑似図柄(演出図柄)
演出表示装置27においても、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示(図柄変動演出表示)を開始する。そして、この変動表示の期間(つまり、所定時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示も前述の本図柄の停止図柄と同様に、当否抽選の結果を表示する。
演出表示装置27の表示画面27aにおいては、図31(b)に示すように、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景図柄を表示したり、この背景画面と共にキャラクタ図柄を表示したりすることができる。
疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される確定図柄には、図31(a)〜(c)の右欄に示す態様がある。即ち、図31(a)右欄の「外れを示す停止図柄」と、図31(b)及び(c)の各右欄に示す「大当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの「数字」を3つ並べて構成される(3桁同一数字)。但し、この「大当り」が「通常大当り」である場合には偶数数字が揃えられ(例えば、「222」)、「確変大当り」である場合には奇数の数字が揃えられる(例えば、「777」)。
(4)図柄変動演出表示の概要
本遊技機1では、図柄変動演出表示を、「操作有効期間を設けずに完了する場合(以下、有効期間非設定型演出という。)」と、「操作有効期間を演出表示途中に設けて行う場合(以下、有効期間設定型演出という。)」とがある。以下、「有効期間非設定型演出」と「有効期間設定型演出」とに分けて説明する。
a.有効期間非設定型演出の概要
「有効期間非設定型演出」は、図30(a)に示すように、「背景図柄を表示するための表示レイヤR3」と「特別図柄(変動表示若しくは確定表示)を表示するための表示レイヤR2」とを表示状態とし、「付加演出画像(部分構造画像、操作ボタンの画像、ボタン操作時の画像)」を表示するための表示レイヤR1」を非表示状態(透明な状態)として生成される「画像データ」を用いて行われる。そして、始動入賞を生じ、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立すると、図6(b)に示した右下表示装置60の特別図柄表示部62(LED62a〜62g)で点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、図32(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。
そして、所定時間が経過した後、特別図柄表示部62(LED62a〜62g)において本図柄の停止図柄が確定表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が確定表示される。尚、図32(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図32(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」である。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(演出表示)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄が同一の図柄であると、大当り表示が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させて、遊技機において「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す表示を指す。
図32(c)に示すように、「特別図柄(疑似図柄)の停止図柄」を用いて、当否判定の結果が当選(大当り)である」旨の停止表示(確定表示、大当り表示)が行われる場合には、特別図柄(疑似図柄)の図柄変動演出表示(変動表示)途中に「リーチ表示」が行われた後に、この確定表示が行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が大当り状態に移行し、大当り遊技を開始する。
b.有効期間設定型演出の概要
次に、図33〜図35を用いて、「有効期間設定型演出」について説明する。この「有効期間設定型演出」においても、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62(LED62a〜62g)で点灯表示(本図柄の変動表示)を開始する。同時に、図33に示すように、疑似図柄表示部27b〜27d(表示画面27a)においても、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する(a1)。この場合も、「背景図柄を表示するための表示レイヤR3」と「特別図柄(変動表示若しくは確定表示)を表示するための表示レイヤR2」とを表示状態とし、「付加演出画像(部分構造画像、操作ボタンの画像、ボタン操作時の画像)を表示するための表示レイヤR1」を非表示状態(透明な状態)として生成される「画像データ」を用いて、図柄変動演出表示が開始される。
そして、図柄変動演出表示を開始した後、所定時間が経過すると、モータ80の駆動を開始させ、表示画面27aの両側方に位置する部分構造体70の傾動を開始させるとともに、表示レイヤR1を表示状態として表示画面27aにおいて「部分構造物画像70G」の表示を開始する(a2)。ここで、図35に示すように、「部分構造物画像70G」は、「拳銃のうちで、部分構造体70を用いて具現されていない部分」を遠近法によって描写した画像である。つまり、前述のように、本実施例の部分構造体70は、「拳銃のうちで、銃身の前半部を除く部位」によって構成されている。このため、表示画面27aにおいて、「銃身の前半部を模した画像」を「部分構造物画像70G」として表示する。
なお、本実施例では、図35に示すように、集約点(消失点)Oが、表示画面27aの後方に存在する遠近透視法(1点透視法)で、部分構造物画像70Gを描写している(図8も参照)。つまり、部分構造物画像70Gの先端部70S側(銃口に近接する側)に向かって、幅(上下幅)が狭くなるように、部分構造物画像70Gを描写する。つまり、対象画像(銃身の前半側部分)を、集約点(消失点)Oに近づくに従って小さくなるように表示することで、遠近感のある表示がなされる。また、本実施例では、部分構造体70の傾動量の変化に従って、集約点(消失点)Oが下方へ移動し、部分構造物画像70Gの態様が変化する。つまり、傾動量が少ない部分構造体70の場合には、「傾動量が少ない銃身を表現するための部分構造物画像70G」が描写され、傾動量が多い部分構造体70の場合には、「傾動量が多い銃身を表現するための部分構造物画像70G」が描写される。
駆動軸80aの回転角度(正回転方向への回転角度)が第1の回転角度(N1)になると(駆動軸80aの回転位置が前述の傾動回転位置になると)、部分構造体70の傾動が完了して、部分構造体70は演出姿勢となり、それに伴い、図33に示すように、表示画面27aに「演出ボタンSWを示す図形」の表示がなされ(a3)、「操作有効期間」が開始される。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dを小型化して表示画面27aの周縁部側で特別図柄(疑似図柄)の変動表示を行うとともに、表示画面27aの何れかの部位に「演出ボタンを示す図形」が表示される(a3)。なお、本実施例では、「演出ボタンを示す図形」を、「付加演出画像を表示するための表示レイヤR1」を用いて表示する。
この操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されると(図中の符号Pは、演出ボタンSWが操作されたことを示す。)、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(a4)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が有効に受け付けられた」こと及び「演出ボタンSWの操作有効期間が終了した」ことが報知される。そして、図33及び図34に示すように、図柄変動演出表示の変動時間が経過するまでの間、表示画面27aにおいて、操作演出を実行する(a4〜a8)。具体的には、「拳銃をあしらった部分構造体70」が発砲動作を複数回(例えば、5回)繰り返すとともに、表示画面27aにおいて発砲動作に連動した発砲画像を表示する(a4、a5)。
ここで、部分構造体70行う「1回の発砲動作」は、駆動軸80aの回転位置を「傾動回転位置(基準回転位置から正回転方向に第1の回転角度回転させた位置)」から「ブローバック回転位置(傾動回転位置から正回転方向に、更に第2の回転角度回転させた位置)」とし、再び、「傾動回転位置」に戻すことで行われる。これにより、「スライド部76が後退動作を行いつつ撃鉄部77の姿勢が傾動姿勢とされた後、スライド部76が復帰動作を行いつつ撃鉄部77の姿勢が基本姿勢に戻されることを内容とする発砲動作」が行われる(a4、a5)。そして、スライド部76が復帰動作を完了すること(1回の発砲動作を完了すること)に連動して、「銃身の前半側を描写している部分構造物画像70G」が「当該部分構造物画像70Gが銃弾を発砲する画像」に変化する。
この「発砲動作」と「銃弾を発砲する画像表示」とが複数回(5回)繰り返されると、図34に示すように、「銃弾に直撃されたガラス」の如く、「銃弾で表示画面27aが破壊されることを示す画像」が表示される(a6、a7)。そして、部分構造画像70Gを消去した後、駆動軸80aの回転位置を「傾動回転位置」から「基準回転位置」に戻し、部分構造体70の姿勢を基本姿勢に戻す。この後、図柄変動演出表示の変動時間が経過すると、疑似図柄表示部27b〜27dが変動開始時のサイズに戻された後、図柄変動演出表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示される(a8)。なお、部分構造画像70Gを消去するタイミングは本実施例に限定されず、例えば、部分構造体70の姿勢が基本姿勢に戻される途中や、基本姿勢に戻された後に消去することとしてもよい。
一方、図示を省略するが、操作有効期間が開始され、「演出ボタンSWを示す図形」が表示されても、操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されない場合には、操作有効期間の経過を待って「演出ボタンSWを示す図形」が消去される。そして、図柄変動演出表示の変動時間が経過すると、図柄変動演出表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示される。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「変動演出表示(図柄変動演出表示)」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図36(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図36(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドともいい、以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、演出パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図37は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図37のS80〜S700の処理を実行するように構成されている。つまり、図37のS80〜S700の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等)などの状態を検出する処理などが行われる。そして、図37に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、大当り遊技処理(S700)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図37のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。但し、図37に図示する遊技制御処理を構成する各処理のうちで、大当り遊技処理(S700)についての詳細な説明を省略する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動入賞検出スイッチ17s、17t若しくは入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。なお、遊技球払出装置109は「払出装置」の具体例を構成する。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sによる遊技球の検出(遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過したことの検出)を契機として、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図37の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図37の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)であるのか、或いは、作動させる図柄でないのか(普通図柄の外れ図柄)を判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)を作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物17dの開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の3秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図37の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図37の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中でなく、普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図38は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図37の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中であるか否か(第2の始動入賞部17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2の始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動時間(第2の始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは3秒、通常開放モードでは0.5秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了する。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放中に、第2の始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させ(S206)、普通電動役物17d遊技処理を終了させる。また、本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の一対の翼片部が外側に回動して、第2の始動入賞部17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理
次に、図39〜図44を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図31に示すように、先ず、始動入賞装置17に遊技球が入賞したか否かが判断される(S302)。そして、S302の処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(S302;NO)、そのままS308以降の処理に移行する。一方、始動入賞装置17に遊技球が入賞したと判断されると(S302;YES)、「特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304)。このS304の処理において、所定個数未満と判断されると(S304;YES)、始動入賞装置17への入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「特別図柄の保留数」が「+1」される(S306)。
ここで、S306の処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して実行される当否判定(大当りを生じさせるか否かについての判定)に際して用いる抽選用乱数、(b)特別図柄表示部62に停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図1図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。
S308の処理では、大当り遊技を実行中であるか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図32のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM203に格納されている。)」が作動中であることを示すものである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図37の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314)。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でないことである。そして、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」である場合(S314;YES)特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図37の遊技制御処理に復帰する。一方、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306で取得したもの)を読み出し(S316)、当否判定処理を行う(S320b)。この当否判定処理(S320)においては、図41に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2の始動入賞部17b(普通電動役物17d)の開放延長機能を作動させる場合と、変動短縮機能及び開放延長機能を作動させない場合がある(後述する。)。
S324またはS326の処理で行われる当否判定が大当りである場合(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。また、当否判定の結果が外れである場合(S330;NO)、「外れフラグ(大当り生じなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。
図柄変動開始処理(S500)においては、図42に示すように、先ず、当否判定処理(S320)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S306の処理(図31を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、特別図柄表示部62に停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、「決定された大当り図柄の態様と、遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される演出パターンテーブル(変動パターンテーブル)」を用いて、乱数抽選によって演出パターン(変動パターン)を設定(決定)する処理を行う。
つまり、決定された大当り図柄が、「通常大当りを示す大当り図柄」若しくは「第1の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図43(a)〜(c)のうちの何れかの演出パターンテーブルを選択し、演出パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図43(c)の演出パターンテーブル(高確率短縮演出パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図43(b)の演出パターンテーブル(低確率短縮演出パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図43(a)の演出パターンテーブル(低確率通常演出パターンテーブル)を選択する。
また、決定された大当り図柄が、「第2の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図43(d)〜(f)のうちの何れかの演出パターンテーブルを選択し、演出パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図43(f)の演出パターンテーブル(高確率短縮演出パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図43(e)の演出パターンテーブル(低確率短縮演出パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図43(d)の演出パターンテーブル(低確率通常演出パターンテーブル)を選択する。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される演出パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって演出パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306の処理(図39を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
つまり、CPU201は、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図44(c)のうちの「リーチなし用の演出パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図44(c)のうちの「リーチあり用の演出パターンテーブル」を選択する。また、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図44(b)のうちの「リーチなし用の演出パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図44(b)のうちの「リーチあり用の演出パターンテーブル」を選択する。更に、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図44(a)のうちの「リーチなし用の演出パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図44(a)のうちの「リーチあり用の演出パターンテーブル」を選択する。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード」及び「通常確率開放延長モード」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、図43及び図44に示す演出パターンテーブルには「乱数の値」に対応付けて複数の演出パターンが記憶され、乱数抽選に基づき、「図柄変動に用いる演出パターン」が何れかのものに決定される。また、図43及び図44には説明の便宜のため、少数の演出パターンを記憶した演出パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの演出パターンテーブルは多数の演出パターン(例えば、20種、50種、100種)を記憶している。
ここで、図44に示すように、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮演出パターン(短縮変動パターン)によって特定される変動時間」は、「通常演出パターン(通常変動パターン)によって特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、演出パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する演出パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、演出パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する演出パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される演出パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される演出パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。
そして、図43及び図44においては、「25秒を超える変動時間を特定する演出パターン(図中、丸印を付記した演出パターン)」が、操作演出(操作有効期間を開始可能)な演出パターンであり、この場合、図柄変動演出表示中に「操作有効期間」を開始する。なお、本実施例で述べる各「演出パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は、特別図柄表示部62にて特別図柄の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって「演出パターン指定コマンド(演出パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図37の遊技制御処理に復帰する。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図39参照)で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の演出パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は演出パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図37に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図37に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図32のS352)。
S352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)に、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(確変大当りであるのか否かなど)」や「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグなど)であり、S354の処理においては、これらのフラグが「ONに設定」されているか、「OFFに設定」されているかが、セットされる。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)として機能する。
このS354の処理に続いてS356以降の処理に移行し、発生した大当りの態様に応じて「大当り遊技」の態様を振り分けることを行う。先ず、発生した「大当りが、「第2の確変大当り(2R大当り)」である場合(S372;YES)、「第2の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S374)、S378の処理に移行し、発生した大当りが「通常大当り若しくは第1の確変大当り」である場合(S372;NO)、「第1の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S376)、S378の処理に移行する。
S378の処理においては、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理が行われる。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)ことになるが、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能(変動時間短縮機能)、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S378の処理の後にS380以降の一連の処理を経て特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S378の処理において、「大当り遊技フラグ」を設定したら、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図37の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図37の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図37の遊技制御処理に復帰すると、大当り遊技処理(S700)が開始され、前述の大当り遊技(第1の大当り遊技若しくは第2の大当り遊技)が実行される。
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図40のS354を参照)」を参照することによって、「今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)」の種類(通常大当り図柄、第1の確変大当り図柄、第2の確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モード等を設定する処理を行う。つまり、「今回の大当り図柄」が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、通常大当りに係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄(第1の確変大当り図柄若しくは第2の確変大当り図柄)」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」に係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが、「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
次に、図39のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、特別図柄表示部62において停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない場合(S398;NO)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「高確率通常変動モード」である場合、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図37の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図37の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図37の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
(7)演出制御処理
図45を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222のCPU222a)と協働して行う「演出制御処理」の概要について説明する。なお、図45には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要なもののみを図示している。この演出制御処理では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると(S950;YES)、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間(S2300で肯定判断されるまでの間)、図柄変動演出処理(S1100)、演出装置駆動処理(S1300)、大当り遊技演出処理(S1400)などの主要な処理が繰り返し実行される。ここで、本実施例のサブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、電源投入後、2msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図45のS1100〜S2300の処理を実行するように構成されている。つまり、図45のS110〜S2300の処理は、2msec毎に繰り返し実行される。以下、図45のフロー図に従って演出制御処理について説明する。なお、図45の演出制御処理を構成する各処理のうちで、「大当り遊技演出処理」についての説明は省略する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、図柄変動演出処理(S1100)においては、図45に示すように、サブ制御部220Aが「図柄変動開始時コマンド」を受信すると(S1105;YES)、S1110の処理が実行される。ここで、「図柄変動開始時コマンド」は、特別図柄の図柄変動を開始する際に、主制御部200Aからサブ制御部220Aに送信されるコマンドであり、演出パターン指定コマンド(CHP)と、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)が、このコマンドに該当する。
S1110の処理において、サブ制御部220AのCPU220aは、「S1005の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果が大当り(当選)であるか否かを判断する(S1110)。そして、大当りであると判断される場合(S1110;YES)、受信した「演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド)」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1115)、S1125の処理に移行する。一方、当否判定の結果が外れ(落選)であると判断される場合(S1110;NO)、受信した「演出パターン指定コマンド(演出パターン指定コマンド)」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1120)、S1125の処理に移行する。
S1125の処理において、サブ制御部220Aは、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送するとともに、S1115又はS1120で決定した「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1125)。つまり、演出表示制御部222Aでは、演出表示制御基板222に搭載されたCPU222aが、演出パターン指定コマンド(CHP)と、「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンドの受信に基づいて、表示画面27aにおける図柄変動演出表示を開始させる(S1125)。
S1125の処理に続いて、サブ制御部220Aは、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)に基づいて、「ボタン操作演出の実行の有無」を判断する(S1130)。つまり、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)により特定される演出パターンが、パターンA2、C2、N1、P1若しくはT2のうちの何れかであると、ボタン操作演出(つまり、操作演出)の対象となり、その他のパターンであると、ボタン操作演出の対象とならない(図43,44を参照)。なお、本明細書において、「ボタン操作演出」とは、前述の「有効期間設定型演出」を意味している。
S1130の処理において否定的な判断がなされる場合(S1130;NO)、サブ制御部220Aは、演出表示装置27において、「演出ボタン操作を有効化しない場合の演出(有効期間非設定型演出)」を行う。そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1280;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1285)。
一方、S1130の処理において肯定的な判断がなされる場合(S1130;YES)においては、図47に示す「ボタン操作演出処理(S1200)」に移行する。このボタン操作演出処理(S1200)では、部分構造物画像70Gの表示タイミング(部分構造体70の傾動開始タイミングと一致)が到来すると(S1205)、表示画面27aにおいて、部分構造物画像70Gの表示を開始する(S1210)。このとき、部分構造体70は傾動して演出姿勢となる。そして、「演出ボタン操作を有効化するタイミング」が到来すると(S1215;YES)、演出ボタンSWを有効化する処理(S1220)と、「演出ボタンSWが有効化された旨の表示」を演出表示装置27の表示画面27aにおいて行うための処理(S1225)とを行う。
なお、この「部分構造物画像70Gの表示タイミング」は演出表示(疑似図柄の変動表示)を開始するのと同時に到来してもよいし、演出表示の開始後、所定時間(例えば、5秒とか、10秒)が経過した後に到来してもよいし、演出表示中に表示態様が変更するとき(例えば、リーチ表示が開始されるとき)に到来してもよい。更に、S1130の処理において肯定判断される毎に乱数抽選等を用いて開始タイミングを決定してもよい。
また、S1220の処理により、「遊技者が演出ボタンSWに施す操作を、演出表示装置27において実行される演出に反映させることができる期間」、つまり、「操作有効期間」が開始される。また、S1220の処理により、表示画面27aに「演出ボタンSWの図形の表示」がなされる(図33を参照)。
そして、サブ制御部220Aが、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作を確認しない場合(S1230;NO)においては、演出ボタンSWを無効化するタイミングが到来(操作有効期間が経過)すると(S1255)、演出ボタンSWを無効化する処理と表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理とを行う(S1260)。そして、部分構造物画像70Gの表示を停止(消去)し、ボタン操作演出処理(S1200)を終了すると、図46の図柄変動演出処理(S1100)に復帰する。この後、サブ制御部220Aは、演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1280;YES)、この受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1285)。
一方、サブ制御部220Aは、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作を確認すると(S1230;YES)、演出ボタンSWを無効化する処理と表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理とを行う(S1235)とともに、操作演出指定コマンドを演出表示制御部222Aに送信し、演出表示装置27において、ボタン操作演出(つまり、操作演出)を開始させる(S12400)。これにより、演出表示装置27において、「拳銃の銃口から銃弾が発射される画像(以下、「発砲表示」という。)が、「部分構造体70の発砲動作(後述する。)」に連動して表示される(図34を参照)。
そして、「発砲表示(ボタン演出)」の終了タイミングが到来すると(S1245;YES)、表示画面27aにおいて、部分構造物画像70Gの表示を消去して、ボタン操作演出処理(S1200)を終了し、図46の図柄変動演出処理(S1100)に復帰する。ここで、「発砲表示(ボタン演出)」の終了タイミングは「発砲表示」が複数回(例えば、5回)繰り返して行われると到来する。なお、この複数回(例えば、5回)の発砲表示は、「部分構造体70の発砲動作(後述する。)」が複数回(例えば、5回)繰り返して行われることに連動して行われる。
この後、サブ制御部220Aは、演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1280;YES)、この受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1285)。
c.演出装置駆動処理(S1300)
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、「ボタン操作演出処理(S1200)」に連動して、演出装置駆動処理(S1300)を行う。この演出装置駆動処理(S1300)では、部分構造体70の傾動開始タイミング(部分構造物画像70Gの表示タイミングと一致)が到来すると(S1305)、部分構造体70の傾動を行う(S1310)。つまり、サブ制御基板220は、モータ80の駆動軸80aを「基準回転位置」から「傾動回転位置」に回転させる。
そして、サブ制御部220Aが、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作を確認しない場合(S1330;NO)においては、傾動状態の部分構造体70を基本姿勢に戻した後(S1365)、演出装置駆動処理(S1300)を終了する。つまり、サブ制御基板220は、モータ80の駆動軸80aを「傾動回転位置」から「基準回転位置」に回転させた後、演出装置駆動処理(S1300)を終了する。
一方、サブ制御部220Aは、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作を確認すると(S1330;YES)、部分構造体70によって発砲動作を実行する(S1340)。つまり、サブ制御基板220は、モータ80の駆動軸80aを、「傾動回転位置」から「ブローバック回転位置」に回転させた後、再び、「傾動回転位置」に戻すことを、複数回(5回)繰り返す。これにより、「スライド部76を後退しつつ撃鉄部77の姿勢を傾動姿勢にした後、スライド部76を元に戻しつつ撃鉄部77の姿勢を基本姿勢に戻すことを内容とする発砲動作」が複数回(5回)繰り返される。なお、前述のように、スライド部76が後退した位置から戻ること(1回の発砲動作を完了すること)に連動して、「銃身の前半側を描写している部分構造物画像70G」が「当該部分構造物画像70Gが銃弾を発砲する画像」に変化する。
この「発砲動作」が複数回(5回)繰り返されると、発砲動作を終了する(S1345;YES)。そして、「発砲動作」を終了すると(S1345;YES)、傾動状態の部分構造体70を基本姿勢に戻した後(S1365)、演出装置駆動処理(S1300)を終了する。つまり、サブ制御基板220は、モータ80の駆動軸80aを「傾動回転位置」から「基準回転位置」に回転させた後、演出装置駆動処理(S1300)を終了する。
(8)実施例の効果
本実施例の遊技機1によると、表示画面27a側に傾斜して配置される部分構造体70と、遠近法によって表示画面に描写された部分構造物画像70Gとの組み合わせにより、表示画面27a側を向いた一の装飾用構造物を表現する。つまり、「部分構造物70の傾斜配置」と、「遠近法によって描写された部分の構造物画像70G」との組み合わせによって、奥行き感のある遊技演出を実現できる。すなわち、傾斜状態の部分構造物70と、これを補完する構造物画像70Gとの組み合わせによって、「遊技盤10の前後幅の制約等を超えた奥行き感のある遊技演出」を実現できる。従って、本実施例の遊技機1によると、「クオリティの高い演出」や「リアリティのある演出」を実現できる。
また、本実施例では、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aが、部分構造体70の傾動に連動して部分構造物画像70Gを表示するため、部分構造体70の動作と、表示画面27aの表示画像(部分構造物画像70G)とを関連付けて、よりクオリティが高く、よりリアリティのある演出を実現することができる。また、本実施例では、部分構造物画像70Gを利用して、長尺な銃身部を表現することができるため、銃器を模した造形物を用いた演出を、更に一層、クオリティが高く、リアリティがある状態で実現できる。しかも、本実施例では、銃弾を発砲する画像(発砲表示)と、スライド部76のスライドとを連動させるため、更により一層、リアリティの高い演出を実現される。