(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図4を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、図4に示すように、外枠2は、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図5を参照)と、裏機構盤102(図25を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図25参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、遊技球を上皿部材5に払い出すための遊技球払出装置109が、裏機構盤102に配設されている(図25を参照)。
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図5参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図27参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図27参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図26参照)及び演出ボタン基板228(図27参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」とが配置されている(図1を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
本体枠3の前面部であって、遊技盤10よりも下方に位置するとともに、左端側に位置する部位には、発射装置ユニット(図示を省略)が配設されている。そして、発射ハンドル9は、この発射装置ユニットに接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
なお、本遊技機1は、図4に示すように、パチンコホールの島設備Sにおいて、他の遊技機1と背面側を向かい合わせの状態で配置される。そして、本遊技機1及び他の遊技機1(背面を向かい合わせた他の遊技機)においては、何れも、裏機構盤102を後方に突出する状態に備えるため、両遊技機1、1の背面間の距離は短くされている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図5等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、装飾部材(化粧板)21と、演出装置70とを備えている。また、図6に示すように、遊技盤本体10Aの略中央部には、開口形状が略矩形の貫通孔10Kが形成され、装飾部材21は、この貫通孔10Kを用いて領域形成部10Bに装着されている。つまり、装飾部材21は略箱形状に構成され、正面形状が略矩形板によって構成される部材本体21Aと、部材本体21A周縁部より立ち上げられた周壁部21Bと、周壁部21Bの突端から屈曲状に突出する取付代21Cと、を備えている。そして、部材本体21Aを後方に配置し、周壁部21Bを貫通孔10Kに挿入した状態で遊技盤本体10Aにビス止め固定されている。
すなわち、遊技盤本体10Aの前方から貫通孔10Kに部材本体21A、周壁部21Bの順に挿入し、取付代21Cを「遊技盤本体10Aの前面部のうちで、貫通孔10Kの周囲に位置する部位」に当接させる。更に、取付代21Cを遊技盤本体10Aの前面部にビス止め固定することで、装飾部材21は遊技盤本体10Aに固定されている。そして、図5に示すように、この装飾部材21は、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を占めている。
図6に示すように、部材本体21Aの背後には、演出装置70が配設されている。つまり、演出装置70は複数の取付部材(ブラケット、ステー等)T1〜T3を用いて、遊技盤本体10Aの裏面部(後面部)に固定されている。なお、演出装置70の詳細については後述する。
図5及び図6に示すように、装飾部材21を構成する部材本体21Aの下方側には、正面視で略矩形状の窓部形成孔21dが設けられ、表示窓21eを構成している。そして、この表示窓21eと、部材本体21Aの背後に配設される反射面77c(後述する。)とが前後に位置合わせされ、遊技機1の前方から反射面77cが視認可能とされている。
図5に示すように、装飾部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、内側レール13に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、装飾部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、装飾部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。更に、左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
演出装置70は、図6に示すように、収納ボックス71と、表示面形成ユニット75と、第1の表示装置ユニット78と、第2の表示装置ユニット80と、可動ユニット85と、を備える。このうち、収納ボックス71は、図7及び図8に示すように、演出装置70の外郭を構成する部材であり、外形が略直方体とされつつ、後面部を開口部71aとする略容器形状を備えている。また、収納ボックス71を構成する前板部71bの下方側には、開口形状が略矩形の表示窓71cが設けられ、この表示窓71cと表示窓21eが、後述する反射面77cと前後に位置合わせされる。更に、収納ボックス71を構成する天板部71dには、開口形状が略長孔形状の逃がし孔71eが設けられ、この逃がし孔71eには、軸体89e(後述する。)の端部側を挿通する。更に、収納ボックス71の内壁面71gは黒色に着色されている。
図8に示すように、この収納ボックス71の内部には、表示面形成ユニット75と、第2の表示装置ユニット80と、可動ユニット85とを下方から上方にこの順で積み重ねた状態で収納されている。また、第1の表示装置ユニット78は、表示面形成ユニット75の背面部に略当接する状態で、収納ボックス71の内部に納められている。なお、第2の表示装置ユニット80の両端はブラケットB5、B6を用いて、収納ボックス71の内壁面71gに固定され、可動ユニット85の両端はブラケットB7、B8を用いて、収納ボックス71の内壁面71gに固定されている。また、表示面形成ユニット75は、図示しないビスを用いて、収納ボックス71の底板部に固定されている。
表示面形成ユニット75は、図8に示すように、支持体76と、ハーフミラー部材77とを備える。また、支持体76は、ハーフミラー部材77を傾斜状態で支持するための部材であり、略矩形の平板を組み合わせた構成を備える。つまり、支持体76は、図9に示すように、平面形状が略矩形とされつつ底部を構成する底板部76aと、底板部76aの左側縁から立ち上げた左支持板部76bと、底板部76aの右側縁から立ち上げた右支持板部76cと、背面右端側を左支持板部76bの前端面と一体としつつ立設配置された左前板部76dと、背面左端側を右支持板部76cの前端面と一体としつつ立設配置された右前板部76eとを備えている。
図9及び図10に示すように、左支持板部76bと右支持板部76cは、底板部76aの横幅分だけの距離を隔てて略平行に立設されており、平行に向かい合う面(以下、「支持面」という。)761b、761cには、装着溝M1、M2が設けられている。これらの装着溝M1、M2は、支持面761b、761cの奥側上方の頂点から、手前側下方の頂点に向かって、下り傾斜状(略45度の傾斜角)に設けられている。また、左側の装着溝M1は、左支持板部76bの後端面と、支持面761bとで開口し、右側の装着溝M2は、右支持板部76cの後端面と、支持面761cとで開口している。更に、両装着溝M1、M2は、略平行なりつつ左右に対向した状態となっている。
ハーフミラー部材77は、「透光性反射部材」の具体例を構成するものであり、図10(b)に示すように、平面形状が略矩形の板状体で構成された基材部(ガラス、透明な樹脂等で構成)77aと、基材部77aの前面に設けられた金属膜77bとを備えている。この金属膜77bは、基材部77aの前面に、クロム等の金属を蒸着したり、クロム等の金属のメッキ層を形成したり、誘電多層膜を形成することで設けることができる。そして、ハーフミラー部材77の前面(つまり、金属膜77bが形成された面)によって、反射面77cを構成する。なお、この「ハーフミラー部材」の光透過率は、約50%(反射率:透過率が50:50)とされている。
このハーフミラー部材77は、図8及び図10(b)に示すように、支持体76の後方斜め上方から支持体76に装着され、支持されている。つまり、ハーフミラー部材77は、反射面(前面)77cを前方に向け、反射面77cの裏側の面(つまり、後面)77dを後方に向けつつ、反射面77cが前方に向かって下り傾斜となるような状態で、支持体76に装着される。すなわち、反射面77cを上方に向け、後面77dを下方に向けた状態で、ハーフミラー部材77の左端縁側を左側の装着溝M1にスライド状に嵌合すると同時に、ハーフミラー部材77の右端縁側を右側の装着溝M2にスライド状に嵌合することで、ハーフミラー部材77は支持体76に支持される。これにより、ハーフミラー部材77は略45度の傾斜角と支持された状態となる。つまり、反射面(前面)77cは、上方を向きつつ、奥側(遊技機1の後方)に向かって、略45度の傾斜角で上がり傾斜となる傾斜面とされている。ここで、本実施例では、ハーフミラー部材77の傾斜面77cと、遊技機1の前方の遊技者が前後方向に対向するとともに、傾斜面77cと、「後述する第2の表示装置ユニット80(特に、その表示部)及び可動ユニット85(特に、その可動部材88、88B)」と、が上下方向に対向する。
第1の表示装置ユニット78は、ドットマトリクス式のLED表示装置である。この第1の表示装置ユニット78は、図8及び図11に示すように、正面形状が略矩形の背板部(駆動回路が搭載された基板によって構成されている。)78aと、背板部(基板)78aの前面部の中央寄りに設けられた「第1の表示装置78b」とを備えている。この第1の表示装置78bは、多数のLED(単色の発光ダイオードあっても、フルカラーの発光ダイオードであってもよい。)をマトリクス状に備え、所定の制御回路(サブ制御基板220)に接続されている。この制御回路(サブ制御基板220)は、個々のLEDのそれぞれについて、ON(点灯)、OFF(消灯)を別個に制御して、発光するLEDの組み合わせによって所定の図柄(本実施例では「背景図柄」)を表示する。なお、第1の表示装置78bは、その前面部によって「第1の表示装置の表示部」の具体例を構成する。
第2の表示装置ユニット80は、図12〜図14を用いて示されるように、固定部材81と、第2の表示装置82と、駆動部材83a、83bと、を備えている。このうち、固定部材81は、第2の表示装置ユニット80の外郭を構成する部材であり、平面形状が略矩形の略筒状体によって構成されている。但し、固定部材81の下面部のうちで、左右の各左端側に位置する部位と左端側に位置する部位には、略矩形板状の目隠し部81c、81dが設けられている(図13を参照)。このため、固定部材81の上面部は略全域に渡って開口部81eとされているが、固定部材81の下面部においては、その両端側を除く部位が、開口部81fとされている。つまり、この固定部材81の下面部においては、その両端側に位置する部位のみに、略矩形板状の底板(目隠し部81c、81d)が設けられ、この底板(目隠し部81c、81d)に挟まれた部位が、開口部81fとされている。
図14に示すように、固定部材81の前壁81gの上下方向中間部には、2個のガイド孔G1、G2が左右に設けられている。これらのガイド孔G1、G2は、前壁81gを前後に貫通しているとともに、左右に長尺な長孔形状を備えている。また、固定部材81の後壁81hの上下方向中間部にも、2個のガイド孔G3、G4が左右に設けられている。これらのガイド孔G3、G4は、後壁81hを前後に貫通しているとともに、左右に長尺な長孔形状を備えている。そして、前壁81gの一方のガイド孔G1と後壁81hの一方のガイド孔G2は、同一形状、サイズとされつつ、前後に対向しており、前壁81gの他方のガイド孔G2と後壁81hの他方のガイド孔G4も、同一形状、サイズとされつつ、前後に対向している。
図13に示すように、固定部材81の左側壁81j及び右側壁81kには、後述する駆動部材83a、83bを取り付けるための取付孔81m、81nが設けられている。これらの取付孔81m、81nは、同一形状、サイズとされつつ、左右に対向している。
第2の表示装置82は、図13及び図14に示すように、固定部材81の内部に配置されるとともに、3個の7セグメント表示器82A〜82Cによって下方に向かって表示を行うものである。
この第2の表示装置82は、図13に示すように、基体部82aと、基体部82aの下面に装着された7セグメント表示器82A〜82Cとを備える。このうち、基体部82aは平面形状が略矩形とするとともに、上面部は略面一としている。また、基体部82aを左右方向に略三等分した場合に中央に位置する部分が、下方に向かって肉厚が段差状に厚くなる厚肉部82bとされている。そして、基体部82aの下面のうちで、厚肉部82bの左側に位置する部位と、厚肉部82bの下面に相当する部位と、厚肉部82bの右側に位置する部位とに、各々、7セグメント表示器82A〜82Cが1個ずつ装着されている。
図13に示すように、この第2の表示装置82は、左右方向中間部において、左側表示装置部82Lと、右側表示装置部82Rとに分割可能とされている。つまり、厚肉部82b及びその下面に装着された7セグメント表示器82Bを左右に2分割する位置で、左側表示装置部82Lと、右側表示装置部82Rとに分割可能とされている{図15(b)を参照}。ここで、第2の表示装置82が、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割されることで、基体部82a及び7セグメント表示器82Bが左右に2分割される。以下の説明において、基体部82aにおいて、分割後に左側に位置する部分を左基体部分82Vと称し、右側に位置する部分を右基体部分82Wと称することがある。また、7セグメント表示器82Bにおいて、分割後に左側に位置する部分を左分割セグメント部BLと称し、右側に位置する部分を右分割セグメント部BRと称することがある。
図13に示すように、左基体部分82Vの前面部の左右に所定の間隔をおいた部位からは、支持軸J、Jが前方に向かって突出している。また、図示を省略するが、左基体部分82Vの後面部の左右に所定の間隔をおいた部位からも、同様な支持軸J、Jが後方に向かって突出している。そして、左基体部分82Vの前面部及び後面部の支持軸J、Jは、左基体部分82Vの前後方向に位置合わせされる部位に設けられている。
図14に示すように、この左基体部分82Vの4個の支持軸Jの各々には、各々、フランジ91a付きの車輪91と、フランジ92a付きで円板型のスペーサ92とが回転可能に装着されている。つまり、図16(a)に示すように、左基体部分82Vの前面部と固定部材81の前壁81gとの間には、支持軸Jに回転可能な状態に装着されたスペーサ92が、そのフランジ92aを前壁81gの後面部に摺動可能な状態に配置される。また、支持軸Jに回転可能な状態に装着された車輪91は、そのフランジ91aを前壁81gの前面部に摺動させる状態としつつ、その外周面(踏面)91bが、ガイド孔G1内を転動可能な状態とされる。
図16(b)に示すように、左基体部分82Vの後面部と固定部材81の後壁81hとの間にも、支持軸Jに回転可能な状態に装着されたスペーサ92が、そのフランジ92aを後壁81hの前面部に摺動可能な状態に配置される。また、支持軸Jに回転可能な状態に装着された車輪91は、そのフランジ91aを後壁81hの後面部に摺動させる状態としつつ、その外周面(踏面)91bが、ガイド孔G2内を転動可能な状態とされる。そして、ガイド孔G1、G3が左右に長尺な長孔であるため、左基体部分82Vは、ガイド孔G1、G3の左右幅に規制される範囲内において、固定部材81内を左右に移動可能な状態とされている(図15を参照)。
図示を省略するが、右基体部分82Wの前面部の左右に所定の間隔をおいた部位からも、支持軸J、Jが前方に向かって突出し、右基体部分82Wの後面部の左右に所定の間隔をおいた部位からも、支持軸J、Jが後方に向かって突出している。そして、右基体部分82Wの前面部及び後面部の支持軸J、Jも、右基体部分82Wの前後方向に位置合わせされる部位に設けられている。
図16(a)及び(b)に示すように、この右基体部分82Wの4個の支持軸Jの各々にも、各々、フランジ91a付きの車輪91と、フランジ92a付きで円板型のスペーサ92とが回転可能に装着されている。つまり、図16(a)に示すように、右基体部分82Wの前面部と固定部材81の前壁81gとの間にも、支持軸Jに回転可能な状態に装着されたスペーサ92が、そのフランジ92aを前壁81gの後面部に摺動可能な状態に配置され、支持軸Jに回転可能な状態に装着された車輪91は、そのフランジ91aを前壁81gの前面部に摺動させる状態としつつ、その外周面(踏面)91bが、ガイド孔G2内を転動可能な状態とされる。
図16(b)に示すように、右基体部分82Wの後面部と固定部材81の後壁81hとの間にも、支持軸Jに回転可能な状態に装着されたスペーサ92が、そのフランジ92aを後壁81hの前面部に摺動可能な状態に配置され、支持軸Jに回転可能な状態に装着された車輪91は、そのフランジ91aを後壁81hの後面部に摺動させる状態としつつ、その外周面(踏面)91bが、ガイド孔G4内を転動可能な状態とされる。そして、ガイド孔G2、G4も、左右に長尺な長孔であるため、右基体部分82Wは、ガイド孔G2、G4の左右幅に規制される範囲内において、固定部材81内を左右に移動可能な状態とされている{図15(b)を参照}。
駆動部材83a、83bは、図13に示すように、ソレノイドによって構成されており、ケース部83tと、ケース部83t内の軸受(図示を省略)によって前後にスライド可能に支持されたプランジャ83pと、プランジャ83pの外周位置に配置されたソレノイドコイル(図示を省略)と、復帰手段(復帰バネであって、図示を省略)と、を備えている。そして、ソレノイドコイルへの通電を行わないとき、プランジャ83pは復帰手段(復帰バネ)の付勢力により、プランジャ83pのケース部83tからの突出量を多くし、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ソレノイドコイルからプランジャ83pへ、電流に比例した大きさの牽引力を生ずるため、プランジャ83pは復帰手段(復帰バネ)の付勢力に対抗しつつ、プランジャ83pのケース部83tからの突出量を少なくする。
一方の駆動部材83aは、図13に示すように、固定部材81の左側壁81jの取付孔81mに装着されるとともに、そのプランジャ83pの突端部を「左基体部分82Vの左側面」に一体化している。また、他方の駆動部材83bは、固定部材81の右側壁81kの取付孔81nに装着されるとともに、そのプランジャ83pの突端部を「右基体部分82Wの右側面」に一体化している。
本実施例では、両駆動部材83a、83bのソレノイドコイルへの通電を行わないとき、左基体部分82Vの右側面と、右基体部分82Wの左側面が最接近(本実施例では当接)し、第2の表示装置82は「左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割しない状態」となる{図13、図14、図15(a)を参照}。この際、7セグメント表示器82Bにおいては、左分割セグメント部BLと右分割セグメント部BRとが一体化された状態となる。また、全ての7セグメント表示器82A〜82Bの全域が、開口部81fを通じて固定部材81の直下から視認可能となる。
両駆動部材83a、83bのソレノイドコイルへの通電を行うとき、図15(b)に示すように、左基体部分82V及び右基体部分82Wが対応するプランジャ83pに引っ張られるため、左基体部分82Vの右側面と、右基体部分82Wの左側面と離間した状態となる。つまり、第2の表示装置82は、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割された状態となり、両者間には空間部82Kが形成される。この際、7セグメント表示器82Bにおいては、左分割セグメント部BLと右分割セグメント部BRとが、空間部82Kを挟んで離れた状態となる。同時に、7セグメント表示器82Bの左側の7セグメント表示器82Aの左半部が、左側の目隠し部81cの鉛直上方に到達し、7セグメント表示器82Bの右側の7セグメント表示器82Cの右半部が、右側の目隠し部81dの鉛直上方に到達する。このため、7セグメント表示器82Aの左半部と、7セグメント表示器82Bの右半部とを、開口部81fを通じて固定部材81の直下から視認することができなくなる。
第2の表示装置ユニット80を構成する「3個の7セグメント表示器82A〜82C」は、所定の制御回路(サブ制御基板220)に接続されている。この制御回路(サブ制御基板220)は、個々の単位セグメント(各7セグメント表示器を構成する7個の単位セグメント)を構成するLEDのそれぞれについて、ON(点灯)、OFF(消灯)を別個に制御して、発光するLEDの組み合わせによって所定の図柄(本実施例では「特別図柄」を構成する算用数字)を表示する。但し、本実施例では、遊技者に対して、反射面77cに映る虚像(鏡像)を用いて、図柄(算用数字)を表示する。このため、表示器82A〜82Cは、反射面77cに映る虚像(鏡像)によって、目的の図柄(算用数字)を正しく表示可能な態様(虚像で「ひっくり返っていない、正しい算用数字」を表示可能な態様)で、表示器82A〜82Cを発光させる。
なお、本実施例では、第1の表示装置ユニット78を構成する表示装置(第1の表示装置78b)を、ドットマトリクス式のLED表示装置で構成し、第2の表示装置ユニット80を構成する表示装置(第2の表示装置82)を7セグメント式LED表示装置で構成する態様を例示したが、第1の表示装置及び第2の表示装置の種類は、これに限定されない。例えば、第1の表示装置を、7セグメント式LED表示装置、液晶表示装置(液晶ディプレイ)、プラズマディプレイ、CRTディプレイ等で構成してもよいし、第2の表示装置を、ドットマトリクス式のLED表示装置、液晶表示装置(液晶ディプレイ)、プラズマディプレイ、CRTディプレイ等で構成してもよい。
可動ユニット85は、図12に示すように、固定部材86と、可動ベース体87と、可動部材88、88B(図18を参照)と、個々の可動部材88、88Nを駆動するために別個に設けられた駆動機構89、89とを備える。このうち、固定部材86は、可動ユニット85の外郭を構成する部材であり、平面形状が略矩形で、下方に開口する容器状体によって構成されている。また、固定部材86の下端側は、外周及び内周が段差状に小さくされた挿入部86aとされている。そして、この挿入部86aを、第2の表示装置ユニット80を構成する固定部材81の上方の開口部81eに挿入(嵌入)することで、固定部材86を固定部材81の上方に連結可能とされている。
固定部材86の上壁部86bの前後方向中間部には、左右に長尺な逃がし孔(長孔)86cが設けられている。また、図17に示すように、固定部材86の前壁86gの上下方向中間部には、ガイド孔G5が左右に設けられ、このガイド孔G5は、前壁86gを前後に貫通しているとともに、左右に長尺な長孔形状を備えている。また、固定部材86の後壁86hの上下方向中間部にも、ガイド孔G6が左右に設けられている。このガイド孔G6は、後壁86hを前後に貫通しているとともに、左右に長尺な長孔形状を備えている。そして、前壁86gのガイド孔G5と後壁86hのガイド孔G6は、同一形状、サイズとされつつ、前後に対向している。更に、固定部材86の左側壁86jには、後続する可動ベース体87を駆動するための駆動部材83cを取り付けるための取付孔86mが設けられている。
可動ベース体87は、支持部材の具体例を構成するものであり、図17及び図18に示すように、平面形状が略矩形の板状体を用いて構成されており、裏面部には、2種類の装飾物87b、87cが装着されている。つまり、「可動ベース体87における左側の略半分の部分」を構成する左領域部R1の裏面には、ハイビスカスの花を形取った装飾物87bが設けられ、「可動ベース体87における右側の略半分の部分」を構成する右領域部R2の裏面には、チューリップの花を形取った装飾物87cが設けられている。また、図17に示すように、左領域部R1の中心部と装飾物87bとを上下に貫通する状態の貫通孔87dが設けられ、この貫通孔87dには、軸受部材87eが装着されている(図12等を参照)。また、右領域部R2の中心部と装飾物87cとを上下に貫通する状態の貫通孔87fも設けられ、この貫通孔87fにも、軸受部材87gが装着されている。
図示を省略するが、この可動ベース体87の前面部の左右に所定の間隔をおいた部位からは、前述の支持軸J、Jと同様な支持軸J、Jが前方に向かって突出している。また、同様に図示を省略するが、可動ベース体87の前面部の左右の後面部の左右に所定の間隔をおいた部位からも、同様な支持軸J、Jが後方に向かって突出している。そして、可動ベース体87の前面部及び後面部の支持軸J、Jは、可動ベース体87の前後方向に位置合わせされる部位に設けられている。
図17に示すように、この可動ベース体87の4個の支持軸Jの各々には、前述の車輪91と同様な「フランジ91a付きの車輪91」と、前述のスペーサ92と同様な「フランジ92a付きで円板型のスペーサ92」とが回転可能に装着されている。つまり、可動ベース体87の前面部と固定部材86の前壁86gとの間には、支持軸Jに回転可能な状態に装着されたスペーサ92が、そのフランジ92aを前壁86gの後面部に摺動可能な状態に配置される。また、支持軸Jに回転可能な状態に装着された車輪91は、そのフランジ91aを前壁86gの前面部に摺動させる状態としつつ、その外周面(踏面)91bが、ガイド孔G5内を転動可能な状態とされる(図16を参照)。
可動ベース体87の後面部と固定部材86の後壁86hとの間にも、支持軸Jに回転可能な状態に装着されたスペーサ92が、そのフランジ92aを後壁86hの前面部に摺動可能な状態に配置される。また、支持軸Jに回転可能な状態に装着された車輪91は、そのフランジ91aを後壁86hの後面部に摺動させる状態としつつ、その外周面(踏面)91bが、ガイド孔G6内を転動可能な状態とされる。そして、ガイド孔G5、G6が左右に長尺な長孔であるため、可動ベース体87は、ガイド孔G5、G6の左右幅に規制される範囲内において、固定部材86内を左右に移動可能な状態とされている(図16を参照)。
可動ベース体87を駆動するための駆動部材83cも、前述の駆動部材83a、83bと同様なソレノイドによって構成されている。つまり、図17に示すように、ケース部83tと、プランジャ83pと、ソレノイドコイル(図示を省略)と、復帰手段(復帰バネであって、図示を省略)と、を備え、ソレノイドコイルへの通電を行わないとき、プランジャ83pのケース部83tからの突出量を多くし、ソレノイドコイルへの通電を行うと、プランジャ83pのケース部83tからの突出量を少なくする。
駆動部材83cは、固定部材86の左側壁86jの取付孔86mに装着されるとともに、そのプランジャ83pの突端部を「可動ベース体87の左側面」に一体化している。そして、駆動部材83cのソレノイドコイルへの通電を行わないとき、左領域部R1(ハイビスカスの花を形取った装飾物87b)が、中央の7セグメント表示器82Bの鉛直上方に位置合わせされる{図15(b)を参照}。このとき、第2の表示装置82が、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割されると、両者間の空間部82Kの中心部と、左領域部R1から垂下する可動部材88とが鉛直上下方向に位置合わせされる。
一方、図19(a)に示すように、駆動部材83cのソレノイドコイルへの通電を行うと、固定部材86は、駆動部材83cのプランジャ83pに引っ張られるため、固定部材86は左方向に移動する。これにより、右領域部R2(チューリップの花を形取った装飾物87c)が、中央の7セグメント表示器82Bの鉛直上方に位置合わせされる。このとき、図19(b)に示すように、第2の表示装置82が、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割されると、両者間の空間部82Kの中心部と、右領域部R2から垂下する可動部材88Bとが鉛直上下方向に位置合わせされる。
可動ユニット85は、図18に示すように、2個の可動部材88、88Bを垂下する状態に備えている。また、個々の可動部材88、88B毎に、別々の駆動機構89、89を備えている。なお、両可動部材88、88Bは形状が異なる造形物(左領域部R1から垂下する可動部材88が略球形で、右領域部R2から垂下する可動部材88Bは略立方体形状)で構成されているが、両駆動機構89、89は同一の構成を備えている。このため、以下においては、左領域部R1に配設される一方の駆動機構89を中心に説明する。
何れの駆動機構89も、図20に示すように、可動ベース体87の上面部に装着されたブラケット89aを用いて可動ベース体87の上方に配設されたモータ(ステッピングモータ)89bと、モータ89bの駆動軸89cに装着された歯車(ピニオン)89dと、上下方向に沿った中間部にラック89fが設けられた軸体89eと、軸体89eを上方に付勢する付勢手段(コイルスプリング等であって、図示を省略)と、を備える。また、軸体89eの横断面は「真円形以外の形状(例えば、「矩形」、「外周面がキーを突出させた真円形」若しくは「真円形の周方向に沿った一部に面取りを施した形状」等)とされるとともに、下端側の部位が、軸受部材87eに挿通されている。但し、軸受部材87eに、真円形以外の形状の横断面を備える軸体89eを、摺動状態で上下動可能に支持されるもの(軸体89eの横断面と凹凸を反転させた開口形状を備えるもの)であるため、軸受部材87eで支持された軸体89eは、その軸心回りに回転することができない。なお、左領域部R1から垂下する可動部材88の上下を行うモータ89bを第1モータ89b1と表記し、右領域部R2から垂下する可動部材88の上下を行うモータ89bを第2モータ89b2と表記として区別することがある(図27を参照)。
軸体89eの下端部は、可動ベース体87及び装飾物87b(87c)の下方に到達しているとともに、可動部材88A(88B)を一体的に垂下させている。そして、ラック89fと、歯車(ピニオン)89dとが噛合しているため、モータ89bの駆動軸89cが正逆何れかの方向に回転すると、軸体89e及び可動部材88(88B)が上下方向に動作する。なお、駆動軸89cには、略円板形のインデックス部材89mが一体回転可能な状態に装着され、インデックス部材89mの周囲には、駆動軸89cの回転位置を検出するための位置検出用センサ89nが配設されている。この位置検出用センサ89nは、光学センサ(フォトセンサ等)を用いて構成されるとともに、位置検出基板226Aを介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されている(図27を参照)。
そして、駆動軸89cが「基準回転位置」にあるときに、インデックス部材89mの切り欠き部89pが位置検出用センサ89nの検出範囲に到達する。このとき、位置検出用センサ(光学センサ)89nから検出信号が出力され、この検出信号は位置検出基板226Aに送信されるため、サブ制御基板220は駆動軸80aの回転位置を把握することができる。但し、本実施例では、モータ89bとしてステッピングモータを使用するため、サブ制御基板220は、モータ89bに供給する駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによっても、駆動軸89cの回転位置を把握することができる。なお、本実施例では、可動部材88(88B)が下降する前の状態にあるとき(図6の状態にあるとき)、駆動軸89cが「基準回転位置」になる。
第2の表示装置82が一体化されている場合、図21(a)に示すように、遊技者は、第1の表示装置78bの表示内容を、ハーフミラー部材77を透過して視認可能である。また、7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容を、ハーフミラー部材77の反射面77cに映る像(虚像)を用いて視認可能である。但し、この場合、可動部材88は、第2の表示装置82に遮られるため、遊技者は視認することができない。
第2の表示装置82が左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割されている場合も、図21(b)に示すように、遊技者は、第1の表示装置78bの表示内容を、ハーフミラー部材77を透過して視認可能である。また、中央部で破断した7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容を、ハーフミラー部材77の反射面77cに映る像(虚像)を用いて視認可能である。この場合、可動部材88は、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとの空間部82Kを通じて、反射面77cと対向するため、反射面77cに映る像(虚像)を用いて視認可能である。その際、可動部材88が上下動すると、反射面77cに映る像(虚像)は大きくなったり、小さくなったりするため、遊技者は、奥行き感を感ずることができる。
図22(b)に示すように、ハーフミラー部材77の反射面77cにおいては、後述する右下表示装置60と同様、特別図柄の変動表示及び停止表示が行われる。但し、反射面77cにおいては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(図柄変動表示)が実行される。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を表示するための表示装置を構成し、反射面77cが疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を表示する。
この際、反射面77cの正面の遊技者は、図23に示すように、「第1の表示装置78bにおける表示内容の実像B1〜B3」と、「7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容の虚像D1〜D3」とを重畳して視認する。このとき、第1の表示装置78bによって、「背景図柄(実像B1〜B3)」が表示され、「7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容の虚像D1〜D3」によって「3桁の算用数字(疑似図柄)」が示されるが、遊技者には反射面77c上で、「背景図柄」と、「疑似図柄」とが重畳的な表示として視認される。なお、「疑似図柄」は、3桁の算用数字が横方向に並んで表示される。
図5に戻り、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図26参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sにより遊技球が検出されることを前提に「普通図柄の変動開始条件(普通図柄の抽選実行条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口側部分に普通電動役物17dを備えている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図26参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞口入賞球検出スイッチ17s(図26参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞口入賞球検出スイッチ17sによって検出される。
下部装置30は始動入賞装置17の下方に配設されるとともに、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を、表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。そして、可変入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図26参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞球検出スイッチ31s(図26参照)と、を備えている。この可変入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図24(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部62において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機1の起動時)の遊技状態(遊技モード)を表示するために用いられる。具体的には、LEDを消灯させることで「遊技状態が通常遊技状態(通常モード)である」旨が表示され、LEDを点灯させることで「遊技状態が確変遊技状態(高確率モード)である」旨が表示される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技モードが高確率モードとなっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄の当否判定の結果として「大当り」が得られると、以後、遊技状態表示部55のLEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間)に遊技状態が確変モードになったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯することはない。ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モード(遊技状態)が「通常モード」から「高確率モード」になると、確変手段(当否抽選判定で大当り判定がなされる確率を通常に比べ高い確率に設定する手段)と、変動時間短縮手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を通常(変動時間短縮手段の非作動時)に比べ短い時間に設定される可能性を高くする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17dの開放時間を通常に比べ長い時間に設定したり、開放回数を通常に比べ多い回数に設定する手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが「高確率モード」から「時短モード」になると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を継続し、確変手段のみが作動を停止する。更に、遊技機1の遊技モードが「時短モード」から「通常モード」に戻されると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を停止する。
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図24(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、図22(a)に示すように、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。そして、この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄の当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止表示(確定表示)が実行される。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成され、主に、「特別図柄の当否判定の結果が当選(大当り)である場合、それに基づいて発生する大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とされる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。
図24(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図24(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図26参照)が配設されている。
図5に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図25を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図25において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図22及び図23を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222A」と、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図26及び図27中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図22においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、中大入賞口入賞検出スイッチ31s、右大入賞口入賞検出スイッチ35s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、中大入賞口ソレノイド31c、右大入賞口ソレノイド35c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、「始動入賞に起因して大当りか否かを当否判定する当否判定手段」と、「大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段」として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図26に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、図27に示すように、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、図26に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)第1の表示装置78b及び第2の表示装置82(7セグメント表示器82A〜82C)での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、第1の表示装置78b及び第2の表示装置82(7セグメント表示器82A〜82C)の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、第1の表示装置78b、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、装飾駆動基板226介して、各駆動部材(ソレノイド)83a〜83cに接続され、各駆動部材(ソレノイド)83a〜83cの通電及びその停止を制御する。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、装飾駆動基板226介して、第1モータ89b1及び第2モータ89b2に接続され、その駆動を制御する。更に、位置検出用センサ89nは、位置検出基板226Aを介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されている。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4Gの駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h、4G等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果を示す確定表示(停止表示)と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は「本図柄」である(図20を参照)。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、演出装置70の反射面77cを用いて視認される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄を用いたリーチ表示などの図柄変動演出表示(変動遊技)を行う場合、その図柄変動演出表示は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。
また、本遊技機1では、低確率モード(通常確率モード)において、始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われると、この大当りを示す判定結果が導出される確率が約「1/315」とされる。そして、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技実行手段が作動を開始し、本遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。これにより、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cを駆動し、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、閉鎖状態とされていた大入賞口31aを開放状態に変化させ、大当り遊技が開始される。この開放状態とされた大入賞口31aは、大入賞口31aに所定数(例えば、8個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数の遊技球が入球しなくても所定時間が経過すると、閉鎖状態に戻され、1ラウンドが終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると、大当り遊技を終了する。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容等について簡単に説明する。
i)本図柄での大当り表示
始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図28に示すように、大当りの態様(種類)が「通常大当り」、「第1の確変大当り」及び「第2の確変大当り」のうちの何れかに定められる。なお、「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。
ここで、「通常大当り」を生ずると、賞球払出の実行可能性が極めて高くなる第1の大当り遊技を実行するとともに、この第1の大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。また、第1の大当り遊技は、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ15回(15ラウンド)繰り返されるタイプの大当り遊技(以下、「第1の大当り遊技」という。)である。このとき、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第1の開放時間)は「25秒」とされている。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる遊技状態が、「低確率モード(低確率状態)」である。また、「通常大当りを示す本図柄(停止図柄)」は、図28(b)中欄に示すように、2個のLEDを点灯させて表示される。なお、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、確率変動手段が作動することはないが、特別図柄の変動回数が「100回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
「第1の確変大当り」を生ずると、第1の大当り遊技を実行するとともに、実行した第1の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率(通常確率の約5倍の当選確率)とされる遊技状態が、「高確率モード(高確率状態)」である。なお、「第1の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図28(c)中欄に示すように、3個のLEDを点灯させて表示される。
「第2の確変大当り」を生ずると、第2の大当り遊技を実行するとともに、この第2の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。但し、「第2の確変大当り」に起因する第2の大当り遊技としては、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ2回(2ラウンド)繰り返される。そして、この第2の大当り遊技においては、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第2の開放時間)は「0.2秒」とされている。なお、「第2の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図28(d)中欄に示すように、4個のLEDを点灯させて表示される。また、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
ii)本図柄での外れ表示
本図柄の停止表示(確定表示)を、図28(a)中欄に示すように、「特別図柄表示部62」の1個のLEDを点灯させて行う。この1個のLEDの点灯により表示される停止図柄(確定図柄)が、特別図柄の当否抽選の結果が「外れ」であることを示す「外れ図柄」となる。この場合、大当り遊技実行手段が作動することない。
iii)疑似図柄(演出図柄)
演出表示装置27においても、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示(図柄変動演出表示)を開始する。そして、この変動表示の期間(つまり、所定時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示も前述の本図柄の停止図柄と同様に、当否抽選の結果を表示する。
演出装置70の反射面77cにおいては、図22(b)に示すように、疑似図柄の変動表示を開始する際に、「7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容の虚像D1〜D3を用いた3桁の疑似図柄」が出現し、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄が変動表示を開始するときには、反射面77cにおいて、「第1の表示装置78bにおける表示内容の実像B1〜B3」が、背景図柄として重畳的に視認される。また、可動部材88が視認されることもある。
「7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容の虚像D1〜D3を用いた3桁の疑似図柄」によって確定表示される確定図柄には、図28(a)〜(c)の中欄に示す態様がある。即ち、図28(a)の中欄の「外れを示す停止図柄」と、図28(b)及び(c)の各中欄に示す「大当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの「数字」を3つ並べて構成される(3桁同一数字)。但し、この「大当り」が「通常大当り」である場合には偶数数字が揃えられ(例えば、「222」)、「確変大当り」である場合には奇数の数字が揃えられる(例えば、「777」)。
(4)図柄変動演出表示の概要
本遊技機1では、反射面77cにおいて視認される図柄変動演出表示を、第2の表示装置ユニット80及び可動ユニット85の駆動を伴わずに行う場合(以下、「通常演出」という。)」と、駆動を伴って行う場合(以下、「特別演出」という。)」とがある。以下、「通常演出」と「特別演出」とに分けて説明する。
a.通常演出の概要
始動入賞を生じ、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立すると、図24(b)に示した右下表示装置60の特別図柄表示部62(LED62a〜62g)で点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、図29(a)〜(c)に示すように、反射面77cにおいて、疑似図柄を用いた図柄変動演出の表示を開始する。
そして、所定時間が経過した後、特別図柄表示部62(LED62a〜62g)において本図柄の停止図柄が確定表示されるとともに、反射面77cにおいて疑似図柄の停止図柄が確定表示される。尚、図29(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図29(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」である。
ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(演出表示)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄が同一の図柄であると、大当り表示が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させて、遊技機において「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す表示を指す。なお、このリーチ表示を開始すると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクタを登場させたりするなど色々な表示態様を採るのが一般的である。
本実施例では、図30に示すように、「7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容の虚像D1〜D3」のうちで、「左端の虚像D1で示される疑似図柄」と「右端の虚像D3で示される疑似図柄」を停止させ、「中央の虚像D2で示される疑似図柄」を変動中の状態(矢印は疑似図柄が変動中であることを示す。)として、リーチ表示を行う。つまり、「中央の虚像D2で示される疑似図柄」が特定図柄で停止すると、大当り表示がなされる可能性がある場合に、リーチ表示が完成する。なお、通常演出においては、このリーチ表示中においても、第1の表示装置78bによって、「背景図柄(実像B1〜B3)」が重畳的な表示として視認される。
図29(c)に示すように、「特別図柄(疑似図柄)の停止図柄」を用いて、当否判定の結果が当選(大当り)である」旨の停止表示(確定表示、大当り表示)が行われる場合には、特別図柄(疑似図柄)の図柄変動演出表示(変動表示)途中に「リーチ表示」が行われた後に、この確定表示が行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が大当り状態に移行し、大当り遊技を開始する。
b.特別演出の概要
次に、図31及び図32を用いて「特別演出」について説明する。この「特別演出」は、特別図柄の変動中にリーチ表示を行うとともに、特別図柄の変動時間が特定時間以上(第2の表示装置ユニット80及び可動ユニット85の駆動を行うのに、十分な時間)に設定される場合になされる演出である。この特別演出においても、リーチ表示がなされるまでの演出内容は、通常演出と同様であるため、リーチ表示を行った後の演出内容について説明する。
この特別演出において、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、遊技者に反射面77cを介してリーチ表示を視認させた後、駆動部材83a、83bを構成するソレノイドコイルへの通電を行い、第2の表示装置82を、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割する。これにより、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとの間に空間部82Kが形成されるため、遊技者は反射面77cを介して、空間部82Kの鉛直上方の装飾物87bの虚像Eと、可動部材88の虚像Fとを視認する(a1)。この際、「左端の虚像D1で示される疑似図柄」の左半分と、「右端の虚像D3で示される疑似図柄」の右半分とが視認不可能となるとともに、「中央の虚像D2で示される疑似図柄」が、空間部82Kを挟み左右に分割された状態となる。
なお、特別演出が、「変動パターンとして、第2の特定変動パターン(後述する。)が選択されることに起因して実行される特別演出(以下、「特定の特別演出」という。)」である場合、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、駆動部材83a、83bを構成するソレノイドコイルへの通電を行う前に、駆動部材83cを構成するソレノイドコイルへの通電を行う。この場合、第2の表示装置82が、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割したとき、遊技者は反射面77cを介して、他の装飾物87cの虚像と、その下方に垂下する可動部材88の虚像とを視認することになる。
この後、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、駆動軸89cが、「第1の回転方向」に「第1の回転量」回転した後、「第1の回転方向とは反対の方向」に、「第1の回転量」回転するように、モータ(ステッピングモータ)89bの駆動を制御する。つまり、特別演出が「特定の特別演出」でない場合には、「左領域部R1から垂下する可動部材88の上下を行う第1モータ89b1」の駆動を制御し、特別演出が「特定の特別演出」である場合には、「右領域部R2から垂下する可動部材88の上下を行う第2モータ89b2」の駆動を制御する。これにより、装飾物87b(若しくは87c)から垂下している可動部材88が、下降動作(反射面77cに接近する動作)と、上昇動作(下降動作前の位置に戻る動作)とを、この順に行うことになる。
この下降動作(反射面77cに接近する動作)と上昇動作(下降動作前の位置に戻る動作)とを行うと、反射面77cに映る可動部材88の虚像Fが、徐々に大きくなった後(a2、a3)、徐々に小さくなる(a4〜a6)ため、遊技者は、反射面77cを介して視認する表示に奥行き感を感ずることになる。
この後、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、駆動部材83a、83bを構成するソレノイドコイルへの通電を停止し、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとを一体化する。これにより、空間部82Kが消滅するため、遊技者は反射面77cを介して、装飾物87bの虚像Eと可動部材88の虚像Fとを視認ことができなくなるとともに、「左端の虚像D1で示される疑似図柄」と「右端の虚像D3で示される疑似図柄」の全体が視認可能となり、「中央の虚像D2で示される疑似図柄」が分割前の状態となる(a7)。なお、前述の「特定の特別演出」である場合、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとを一体化した後、駆動部材83cを構成するソレノイドコイルへの通電を停止する。
そして、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとが一体化された後、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示(確定表示)される(a8)。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「変動演出表示(図柄変動演出表示)」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図33(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図33(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドともいい、以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、演出パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図34は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図34のS80〜S700の処理を実行するように構成されている。つまり、図34のS80〜S700の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞口入賞球検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等)などの状態を検出する処理などが行われる。そして、図34に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S700)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図34のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。但し、図34に図示する遊技制御処理を構成する各処理のうちで、大当り遊技処理(S700)についての詳細な説明を省略する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動入賞口入賞球検出スイッチ17s、17t若しくは入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。なお、遊技球払出装置109は「払出装置」の具体例を構成する。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sによる遊技球の検出(遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過したことの検出)を契機として、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図34の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図34の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)であるのか、或いは、作動させる図柄でないのか(普通図柄の外れ図柄)を判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)を作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物17dの開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中でなく、普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図35は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図34の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中であるか否か(第2の始動入賞部17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2の始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動時間(第2の始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは3秒、通常開放モードでは0.5秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了する。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放中に、第2の始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させ(S206)、普通電動役物17d遊技処理を終了させる。また、本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の一対の翼片部が外側に回動して、第2の始動入賞部17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理
次に、図36〜図41を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図36に示すように、先ず、始動入賞装置17に遊技球が入賞したか否かが判断される(S302)。そして、S302の処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(S302;NO)、そのままS308以降の処理に移行する。一方、始動入賞装置17に遊技球が入賞したと判断されると(S302;YES)、「特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304)。このS304の処理において、所定個数未満と判断されると(S304;YES)、始動入賞装置17への入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「特別図柄の保留数」が「+1」される(S306)。
ここで、S306の処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して実行される当否判定(大当りを生じさせるか否かについての判定)に際して用いる抽選用乱数、(b)特別図柄表示部62に停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「図柄決定乱数」という。)、(c)反射面77cを介して視認(表示)される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。
S308の処理では、大当り遊技を実行中であるか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図37のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM203に格納されている。)」が作動中であることを示すものである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314)。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でないことである。そして、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」である場合(S314;YES)特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306で取得したもの)を読み出し(S316)、当否判定処理を行う(S320b)。この当否判定処理(S320)においては、図38に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2の始動入賞部17b(普通電動役物17d)の開放延長機能を作動させる。
S324またはS326の処理で行われる当否判定が大当りである場合(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。また、当否判定の結果が外れである場合(S330;NO)、「外れフラグ(大当り生じなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。
図柄変動開始処理(S500)においては、図39に示すように、先ず、当否判定処理(S320)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S306の処理(図36を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、特別図柄表示部62に停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、「決定された大当り図柄の態様と、遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
つまり、決定された大当り図柄が、「通常大当りを示す大当り図柄」若しくは「第1の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図40(a)〜(c)のうちの何れかの変動パターンテーブルを選択し、変動パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図40(c)の変動パターンテーブル(高確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図40(b)の変動パターンテーブル(低確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図40(a)の変動パターンテーブル(低確率通常変動パターンテーブル)を選択する。
また、決定された大当り図柄が、「第2の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図40(d)〜(f)のうちの何れかの変動パターンテーブルを選択し、変動パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図40(f)の変動パターンテーブル(高確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図40(e)の変動パターンテーブル(低確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図40(d)の変動パターンテーブル(低確率通常変動パターンテーブル)を選択する。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306の処理(図39を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
つまり、CPU201は、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図41(c)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図41(c)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。また、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図41(b)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図41(b)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。更に、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図41(a)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図41(a)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード」及び「通常確率開放延長モード」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、図40及び図41に示す変動パターンテーブルには「乱数の値」に対応付けて複数の変動パターンが記憶され、乱数抽選に基づき、「図柄変動に用いる変動パターン」が何れかのものに決定される。また、図40及び図41には説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルは多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)を記憶している。
ここで、図41に示すように、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動パターン(短縮変動パターン)によって特定される変動時間」は、「通常変動パターン(通常変動パターン)によって特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。
図40及び図41においては、リーチ表示を伴う図柄変動の変動時間を特定する変動パターンのうちで、20秒を超える変動時間を特定するもの(図中、「三角印」、「丸印」若しくは「2重丸印」を付記した変動パターン)」が、特別演出の実行契機となる「特定変動パターン」である。そして、実施例1では、「特定の変動パターン」のうちで、25秒未満の変動時間を特定するもの(図中、「三角印」を付記した変動パターン)が、駆動部材83cの作動契機とならない「第1の特定変動パターン」であり、25秒以上の変動時間を特定するもの(図中、「丸印」若しくは「2重丸印」を付記した変動パターン)が、駆動部材83cの作動契機となる「第2の特定変動パターン」である。なお、本実施例で述べる各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は、特別図柄表示部62にて特別図柄の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図39参照)で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図34に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図34に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図37のS352)。
S352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)に、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(確変大当りであるのか否かなど)」や「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグなど)であり、S354の処理においては、これらのフラグが「ONに設定」されているか、「OFFに設定」されているかが、セットされる。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)として機能する。
このS354の処理に続いてS356以降の処理に移行し、発生した大当りの態様に応じて「大当り遊技」の態様を振り分けることを行う。先ず、発生した「大当りが、「第2の確変大当り(2R大当り)」である場合(S372;YES)、「第2の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S374)、S378の処理に移行し、発生した大当りが「通常大当り若しくは第1の確変大当り」である場合(S372;NO)、「第1の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S376)、S378の処理に移行する。
S378の処理においては、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理が行われる。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)ことになるが、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能(変動時間短縮機能)、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S378の処理の後にS380以降の一連の処理を経て特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S378の処理において、「大当り遊技フラグ」を設定したら、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図34の遊技制御処理に復帰すると、大当り遊技処理(S700)が開始され、前述の大当り遊技(第1の大当り遊技若しくは第2の大当り遊技)が実行される。
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図37のS354を参照)」を参照することによって、「今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)」の種類(通常大当り図柄、第1の確変大当り図柄、第2の確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モード等を設定する処理を行う。つまり、「今回の大当り図柄」が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、通常大当りに係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄(第1の確変大当り図柄若しくは第2の確変大当り図柄)」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」に係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが、「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
次に、図39のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、特別図柄表示部62において停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない場合(S398;NO)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「高確率通常変動モード」である場合、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
(7)演出制御処理
図42を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222のCPU222a)と協働して行う「演出制御処理」の概要について説明する。なお、図42には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要なもののみを図示している。この演出制御処理では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると(S950;YES)、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間(S2300で肯定判断されるまでの間)、図柄変動演出処理(S1100)、表示装置駆動処理(S1300)、役物駆動処理(S1400)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。ここで、本実施例のサブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、電源投入後、2msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図42のS1100〜S2300の処理を実行するように構成されている。つまり、図42のS1100〜S2300の処理は、2msec毎に繰り返し実行される。以下、図42のフロー図に従って演出制御処理について説明する。なお、図42の演出制御処理を構成する各処理のうちで、「大当り遊技演出処理」についての説明は省略する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、図柄変動演出処理(S1100)においては、図43に示すように、サブ制御部220Aが「図柄変動開始時コマンド」を受信すると(S1105;YES)、S1110の処理が実行される。ここで、「図柄変動開始時コマンド」は、特別図柄の図柄変動を開始する際に、主制御部200Aからサブ制御部220Aに送信されるコマンドであり、変動パターン指定コマンド(CHP)と、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)が、このコマンドに該当する。
S1110の処理において、サブ制御部220AのCPU220aは、「S1005の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果が大当り(当選)であるか否かを判断する(S1110)。そして、大当りであると判断される場合(S1110;YES)、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、「演出表示の実行態様(反射面77cを介して遊技者に視認させる疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1115)、S1160の処理に移行する。一方、当否判定の結果が外れ(落選)であると判断される場合(S1110;NO)、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、「演出表示の実行態様(反射面77cを介して遊技者に視認させる疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1120)、S1160の処理に移行する。
S1125の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド(CHP)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送するとともに、S1115又はS1120で決定した「演出表示の実行態様」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、第1の表示装置78b及び第2の表示装置82において表示を開始する。これにより、遊技者は、反射面77cを介して、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を視認可能となる(S1160)。
そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1165;YES)、サブ制御部220Aは、受信した図柄停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、「第1の表示装置78b及び第2の表示装置82における特別の変動表示のための表示」を停止させる。これにより、遊技者は、反射面77cを介して、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の停止図柄(確定表示)を視認する(S1170)。
b.演出装置駆動処理(S1300)
次に、図44〜図46を用いて、演出装置駆動処理(S1300)について説明する。ここで、図44及び図45における「分割ソレノイド」とは、第2の表示装置82を分割するためのソレノイド、つまり、駆動部材83a及び駆動部材83bを示している。また、「変更ソレノイド」とは、可動ベース体87を移動するためのソレノイド、つまり、駆動部材83cを示している。更に、前述のように、「第1モータ89b1」は、左領域部R1から垂下する可動部材88の上下を行うモータ89を示し、「第2モータ89b2」は右領域部R2から垂下する可動部材88Bの上下を行うモータ89を示している。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、演出装置駆動処理(S1300)においては、図46に示すように、「図柄変動開始時コマンド」を受信すると(S1305;YES)、S1310の処理が実行される。このS1310の処理では、S1305の処理で受信した変動パターン指定コマンドが、特定変動パターンを指定するコマンドであるか否かを判断する。そして、特定変動パターンを指定するコマンドでなければ(S1310;NO)、S1315以降の処理を行うことなく、演出装置駆動処理(S1300)を終了して、図42の演出制御処理に復帰する。
CPU220aは、S1305で受信した変動パターン指定コマンドが、特定変動パターンを指定するコマンドであると判断すると(S1310;YES)、第2の表示装置82を分割するタイミングを待って、第2の表示装置82を分割する処理を行う(S1315;YES、S1320)。つまり、CPU220aは、反射面77cの前方の遊技者に対し、反射面77cに映る「7セグメント表示器82A〜82Cの表示内容の虚像D1〜D3」を用いてリーチ表示を視認させた後(例えば、1〜2秒後に)、分割するタイミングが到来したと判断して(S1315;YES)、駆動部材83a、83bを構成するソレノイドコイルへの通電を開始させ、第2の表示装置82が、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとに分割する(S1320、図44及び図45を参照)。
CPU220aは、図42の演出制御処理を繰り返すうちに、第2の表示装置82の分割を終了するタイミングが到来したと判断すると(S1325;YES)、駆動部材83a、83bを構成するソレノイドコイルへの通電を終了させ、左側表示装置部82Lと右側表示装置部82Rとを一体化して(S1330)、演出装置駆動処理(S1300)を終了する。なお、図44及び図45に示すように、第2の表示装置82の分割を終了するタイミングは、S1305の処理で受信した変動パターン指定コマンドが特定する変動時間が終了する前に到来する(例えば、3〜5秒前に到来する。)。
c.役物駆動処理(S1500)
次に、図44、図45及び図47を用いて、役物駆動処理(S1500)について説明する。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、役物駆動処理(S1500)においても、図47に示すように、サブ制御部220Aが「図柄変動開始時コマンド」を受信すると(S1505;YES)、S1510の処理が実行される。このS1510の処理では、S1505の処理で受信した変動パターン指定コマンドが、特定変動パターンを指定するコマンドであるか否かを判断する。そして、特定変動パターンを指定するコマンドでなければ(S1510;NO)、S1515以降の処理を行うことなく、役物駆動処理(S1500)を終了して、図42の演出制御処理に復帰する。
CPU220aは、S1505で受信した変動パターン指定コマンドが、特定変動パターンを指定するコマンドであると判断すると(S1510;YES)、この特定変動パターンが「第1の特定変動パターン(図40及び図41において「三角印」を付記した変動パターン)」であるか否かを判断する(S1515)、そして、S1505で受信した変動パターン指定コマンドが、第1の特定変動パターン(図40及び図41において「三角印」を付記した変動パターン)」である場合(S1515;YES)、そのままS1525の処理に移行する。
一方、S1505で受信した変動パターン指定コマンドが、第2の特定変動パターン(図40及び図41において「丸印」若しくは「二重丸印」を付記した変動パターン)」である場合(S1515;NO)、可動ベース体87を移動する処理を行った後(S1520)、S1525の処理に移行する。つまり、駆動部材(変更ソレノイド)83bを構成するソレノイドコイルへの通電を開始して、可動ベース体87を移動する処理を行った後、S1525の処理に移行する。なお、S1515の処理で否定的な判断がなされる場合において、可動ベース体87を移動するタイミングは、「特別図柄のリーチ表示がなされた後であって、しかも、第2の表示装置82を分割するタイミングとなる前の時点」に到来する。
S1525の処理では、可動部材88を動作させるタイミングが到来したか否かを判断し(S1525)、到来していなければ(S1525;NO)、一旦、役物駆動処理(S1500)を終了して、図42の演出制御処理に復帰する。ここで、図44及び図45に示すように、可動部材88を動作させるタイミングは、第2の表示装置82を分割するタイミングとした後の時点に到来する。
CPU220aは、可動部材88の動作タイミングが到来したと判断すると(S1525;YES)、可動部材88(88B)を鉛直下方に下降させた後、上昇させて元の位置に戻すことを行う。つまり、S1515の処理で肯定的な判断を経た場合、CPU220aは、「第1モータ89b1の駆動軸89c」を「第1の回転方向」に「第1の回転量」回転させた後、「第1の回転方向とは反対の方向」に、「第1の回転量」回転させるように、第1モータ89b1の駆動を制御する(図44を参照)。これにより、左領域部R1から垂下する可動部材88が下降して上昇する動作を行う。また、S1515の処理で否定的な判断を経た場合、CPU220aは、「第2モータ89b2の駆動軸89c」を「第1の回転方向」に「第1の回転量」回転させた後、「第1の回転方向とは反対の方向」に、「第1の回転量」回転させるように、第2モータ89b2の駆動を制御する(図45を参照)。これにより、右領域部R2から垂下する可動部材88が下降して上昇する動作を行う。なお、何れの場合も、CPU220aは、可動部材88(88B)の動作を、第2の表示装置82が一体化する前の時点に終了させる。
CPU220aは、可動部材88の動作を終了すると、可動ベース体87が移動済みの状態になっているか否かを判断し(S1545)、移動済みの状態になっていない場合(S1545;NO)には、そのまま役物駆動処理(S1500)を終了する。つまり、S1515の処理で肯定的な判断を経た場合、可動ベース体87の移動を行っていないので、CPU220aは、そのまま役物駆動処理(S1500)を終了する。
一方、S1515の処理で否定的な判断を経た場合は、S1520の処理において、可動ベース体87の移動を行っているので、S1545の肯定的な判断を経て、S1550の処理に移行する。そして、CPU220aは、S1550の処理で、可動ベース体87を元の位置に復帰させるタイミングが到来したと判断すると(S1550;YES)、駆動部材(変更ソレノイド)83bを構成するソレノイドコイルへの通電を停止して、可動ベース体87を元の位置に復帰させた後(S1555)、役物駆動処理(S1500)を終了する。ここで、可動ベース体87を元の位置に復帰させるタイミングは、第2の表示装置82が一体化した後であって、しかも、特別図柄の変動時間が経過する前に到来する。
(8)実施例の効果
本実施例の遊技機1によると、遊技者は、第1の表示装置78bの表示内容を、ハーフミラー部材77を透過して視認可能であるとともに、上下動する可動部材88と第2の表示装置82の表示内容とを、ハーフミラー部材77の反射面77cに映る像(虚像)を用いて視認可能である。つまり、実施例1の発明の演出装置70では、遊技者に対して、表示装置78b、82の表示内容ばかりか、反射面77cに近接したり、離間する可動部材88の像(大きくなったり、小さくなる可動部材88の像)を視認可能とするため、遊技者に奥行き感を感じさせることができる。
しかも、本実施例の遊技機1によると、2個の表示装置78b、82の表示内容と、上下動する可動部材88とを、遊技者が反射面77cを介して重畳的に視認する表示態様を採用することで、より奥行き感を感じさせる効果的な演出を実現することができる。
また、本実施例の遊技機1では、装置や部材の配置スペースを確保し易い「遊技機1の裏面側における上下方向」に、「遊技者に奥行き感を感じさせるための可動部材88」を配設する。つまり、実施例1の遊技機1では、遊技機1の裏面側の上下方向スペースを有効活用することで、前後方向に沿った厚みの増加を抑制しつつ、「遊技者に奥行き感を感じさせる演出表示」を実行することができる。