スロットマシンの正面図である。
前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。
前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。
前面扉の背面図である。
筐体内部の正面図である。
各リールを構成する帯状のリールテープの展開図である。
セレクタの正面図である。
3枚賭け専用スロットマシンの正面図である。
スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
補助表示装置の分解斜視図である。
補助表示装置の正面図である。
図11におけるX−X線断面図である。
本体部の正面図である。
本体部の背面図である。
本体部の平面図である。
本体部の分解斜視図である。
右演出役物及び左演出役物の斜視図である。
右可動部及び左可動部が収納位置にある状態を示す正面図である。
右可動部及び左可動部が収納位置から合体位置へ移動する途中の状態を示す正面図である。
右可動部及び左可動部が収納位置から合体位置へ移動する途中の状態を示す正面図である。
右可動部及び左可動部が収納位置から合体位置へ移動する途中の状態を示す正面図である。
右可動部及び左可動部が合体位置にある状態を示す正面図である。
以下、遊技機の一種であるスロットマシンの基本構成の形態について図面に基づいて説明し、その後、本発明の遊技機の技術的特徴部分である可動役物装置をスロットマシンに適用した場合の一実施形態を詳細に説明する。
図1はスロットマシンの正面図、図2はスロットマシンの前面扉を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図、図4は前面扉の背面図、図5は筐体内部の正面図である。なお、以下、スロットマシンの説明において、前面扉が配置されている側を前面側又は前方、その反対側を背面側又は後方とし、上下左右の方向については、島設備に設置したスロットマシンを前面扉に対向して視認した状態を基準として表現する。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、図3及び図5に示すように、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。
以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、図5に示すように、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、図4に示すように、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、図1に示すように、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、図1、図3及び図4に示すように、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。
連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の係止金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と係止金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1及び図2に示すように、遊技者に遊技状態を報知する表示パネル30が設けられている。表示パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。さらに表示パネル30の左右には裏面側から照らされて明るく表示されることで、遊技者の興趣を向上させる演出等を行うための絵柄等が描かれている。
この表示パネル30の裏面には、表示パネルの各表示窓31L,31M,31Rから後述するリールの絵柄を視認することができるよう、その中央部が開口するほぼ矩形枠形のパネルユニット201が固定されている(図3、図4参照)。
表示パネルの裏面側にはランプ、7セグメント表示、LED、液晶表示等を行う各種表示装置が配置されており、各種表示装置のほとんどは、各々所定のプリント基板(表示パネル用基盤)上にLED(光源)等が一体的に取り付けられて形成されている。そして各種表示装置を配したプリント基板が枠体に固定されることで各種表示装置が表示パネルの裏面に配置されてパネルユニット(裏面側部材)が構成される。
図3に示すように、筐体11は分割横板40によりその内部が上下2分割されており、分割横板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状に構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。
各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがモータプレート(図示せず)に固定されたリール駆動モータ(ステッピングモータ)61L,61M,61R(図9参照)に連結されており、各リール駆動モータの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
各リール42L,42M,42Rは、円筒状の枠体を形成するリール枠(図示せず)と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のリールテープとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、リールテープの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介してリール枠に貼付されている。前記リールテープの外周面には、識別情報としての絵柄が等間隔ごとに多数印刷されている。
また、リールユニット41には、リールインデックスセンサ55L,55M,55R(図9参照)が設置されている。各リールインデックスセンサ55L,55M,55Rとしては、例えば、発光素子と受光素子とが所定間隔をおいて保持された透過型フォトセンサ等を採用することができる。そして、各リールインデックスセンサ55L,55M,55Rは、各リール42L,42M,42Rがほぼ1周するごとに図示しないセンサカットバンが両素子間を通過するのを検出し、その都度、後述する主制御装置131に対し検出信号を出力する。主制御装置131(図9参照)は、この検出信号に基づいて各リール42L,42M,42Rの回転位置をほぼ1周するごとに確認し補正できる。
例えば、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rの各リールテープ上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の絵柄が描かれ、ステッピングモータ61L,61M,61Rは504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されている。従って、所定の位置においてある絵柄から次の絵柄へ切り替えるにはリール駆動モータ61L,61M,61Rが24パルス(=504パルス÷21絵柄)を生成する。そのためリールインデックスセンサ55L,55M,55R(図9参照)の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの絵柄が表示窓31(31L,31M,31R)から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の絵柄をリール表示窓31から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された絵柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な絵柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の絵柄が遊技者に視認可能な状態となる。
表示パネル30には、図1に示すように、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に絵柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
次に、各リール42L,42M,42Rに付される絵柄について説明する。
図6には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるリールテープに描かれた絵柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の絵柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
絵柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別絵柄としての「7」絵柄(例えば、左リールテープ第20番目)と「青年」絵柄(例えば、左リールテープ19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別絵柄としての「BAR」絵柄(例えば、左リールテープ第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別絵柄としての「リプレイ」絵柄(例えば、左リールテープ第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役絵柄としての「スイカ」絵柄(例えば、左リールテープ第9番目)、「ベル」絵柄(例えば、左リールテープ第8番目)、「チェリー」絵柄(例えば、左リールテープ第4番目)がある。そして、各リール42L,42M,42Rに巻かれるリールテープにおいて、各種絵柄の数や配置順序は全く異なっている。
ここで、入賞となった場合の各絵柄に関する払出枚数について説明する。小役絵柄に関し、「スイカ」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」絵柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」絵柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」絵柄に限っては、他の絵柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」絵柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の絵柄に関しては、第1特別絵柄(ビッグボーナス絵柄)の組合せである「7」絵柄又は「青年」絵柄が同一絵柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別絵柄(レギュラーボーナス絵柄)の組合せである「BAR」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」絵柄と「チェリー」絵柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別絵柄の組合せである「リプレイ」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」絵柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一絵柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
表示パネル30の下方左側には、図1に示すように、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、各リール42L,42M,42Rが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、図3及び図4に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ83によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。セレクタ83には、後述するメダル通路切替部材84が設けられ、そのメダル通路切替部材84の状態に応じてメダルの通過方向が排出用通路82側か、貯留用通路81側かで切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返却される。
図7は、セレクタ83の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ83には、メダル投入口75から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ83を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
メダル通路切替部材84は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片84aと、この通路切替片84aを動作させるためのソレノイド84b(図9参照)とを有している。ソレノイド84bの非励磁時には案内通路85内に通路切替片84aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイド84bの励磁時には案内通路85外に通路切替片84aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
通路切替片84aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材84のソレノイド84bの非励磁時には、メダルは案内通路84の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材84のソレノイド84bの励磁時には、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が順次検出される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、図3及び図5に示すように、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とを備える。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている(図1参照)。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
図3および図5に示した筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、図5に示すように、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。
図1に示すように、表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
表示パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ83により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15及び本発明の特徴であり遊技状況に応じて動作する可動役物装置2000を備えた補助表示装置1000とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。可動役物装置2000は、通常時には遊技者から視認できないようにそれぞれ補助表示部15の左側方前面側と右側方前面側に収納され、動作時には補助表示部15の前面側に出現して合体し、その後元の位置に戻る右可動部500及び左可動部600(図10,11参照)を有する。補助表示装置1000の背面には、上部ランプ13、補助表示装置1000及びスピーカ14を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。補助表示装置1000は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示と考えることができることから、本実施形態では補助表示装置1000と称している。補助表示装置1000の詳細については後述する。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
以上に説明したスロットマシンはいわゆる1枚賭の機種であるが、スロットマシンにはその他にも図8に正面図で示した機種のようないわゆる3枚賭専用のものもある。このスロットマシンでは上記した組合せラインは付されているものの、図1のスロットマシンのように有効ライン表示部は設けられていない。そしてその代わりにこの部分(表示窓31Lの左側)には、その上半分のスペースにキャラクタなどの絵柄52aが描かれ、下半分のスペースには「左」「中」「右」の文字が書かれた3つの表示領域である指示表示部51L,51M,51Rが設けられている。この指示表示部51L,51M,51Rは遊技者に対して当選した役を揃えるための指示を与えるための表示であり、ストップスイッチ72,73,74の押し順をガイドすべく所定の順番で明るく表示されるようになっている。また表示窓31Rの右側の領域には遊技者の興趣を向上させるための絵柄52bが描かれており、この絵柄も遊技中所定のタイミングで明るく表示されるようになっている。なおこのスロットマシン10は3枚賭専用の機種であるため、図1等に示した第2クレジット投入スイッチ78や第3クレジット投入スイッチ79は設けられておらず、第1クレジット投入スイッチ77のみが設けられている。
そして、実際のメダル3枚が投入されるかクレジットされた仮想メダルが3枚分投入されて初めて、スタートレバー71の操作により各リール42L,42M,42Rが回転を開始するようになっている。ここで3枚賭専用の機種であっても当然、通常のスロットマシンでメダルを3枚投入した時と同様に、中央ライン、上ライン、下ライン、一対の斜めラインの合計5本の組合せラインの全てが有効ラインとなっている。それ以外の点については通常のスロットマシンと3枚賭専用スロットマシンとで特に大きく異なる点はない。
なお上述のように3枚賭専用のスロットマシンでは、第2クレジット投入スイッチや第3クレジット投入スイッチがその外装には設けられていないが、その内部構造としては各スイッチに対応可能となっているため、必要に応じて操作パネル59の交換や一部改変などによりスイッチを設けてやることができるようになっている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基板としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42L,42M,42Rの回転位置を個別に検出するリールインデックスセンサ55L,55M,55R、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセット操作を検出するリセット検出センサ640、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a、前面扉12の開放を検出するための開放検知スイッチ820(図4参照)等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151に出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、その上流部において、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81の上流部には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。なお、電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。この例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電圧が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより所定の停電時処理が実行される。
電源部161aからは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61L,61M,61R、セレクタ83に設けられたメダル通路切替ソレノイド84b、ホッパ装置91、表示制御装置111、遊技ホールのホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示装置1000を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示装置1000を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基板となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設けることにより、メイン基板の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。また、上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示装置1000のうちのいずれか1つ以上を主制御装置131が直接駆動する構成としてもよく、例えば表示制御装置111を設けない構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴うNMI割込み処理が即座に実行される。
従って、遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセット操作を行いつつ電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。リセット操作は、リセット検出センサ640が検出し、主制御装置131に対し検出信号を出力する。主制御装置131は、この検出信号に基づいて、リセット操作があったことを把握することができる。これにより、例えばホッパーエラー等のエラー状態のリセットを、前面扉12を開放することなく行うことも可能となる。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
次に、本発明の特徴である補助表示装置1000について図面を参照して詳細に説明する。図10は補助表示装置1000の可動部材が動作していない通常時の状態を示す分解斜視図であり、正面側右斜め上方から視認した状態を示す。図11は補助表示装置1000の可動部材が動作していない通常時の状態を示す正面図である。
図10、図11に示すように、補助表示装置1000は、前面側中央部に矩形の表示画面15aを有する液晶表示器である補助表示部15と、補助表示部15の周縁部を囲むように装飾する略矩形の枠状体である可動役物装置2000とから成る。補助表示部15は、その下側部分を可動役物装置2000(後述するベース部2100)の背面側中央部上寄りに画成された空間である収納部(図示せず)に嵌め込まれ、ネジ止めにより固設されている。可動役物装置2000は、補助表示部15の表示画面15aに対向する部分が略開口しており、可動部材(右可動部500及び左可動部600等)が動作していない通常時には、補助表示部15の表示画面15aの略全面が遊技者から視認可能となるように構成されている。
可動役物装置2000は、図10に示すように、右可動部500及び左可動部600とこれらを左右方向へスライド移動させる駆動部400とを有する本体部2400と、本体部2400を支持し、本体部2400の背面部及び周縁部を保護するようにその背面側に取り付けられるベース部2100と、本体部2400の駆動部400を保護するようにその前面側に取り付けられるカバー部2200と、カバー部2200、本体部2400及びベース部2100の前面側に装飾のために取り付けられる複数の部材から成る装飾部2300を備えている。本体部2400の詳細については後述するが、左可動部600及び右可動部500は、通常時において補助表示部15の表示画面15aの中心を通る垂線に関して略線対称な左右位置に配置されている。また、右可動部500、左可動部600は、それぞれ右スライダ510、左スライダ610(詳細は後述)を有し、各上端部にはそれぞれ、先端が後方に折れ曲がった上方に突出する突起片511、突起片611が形成されている。右可動部500、左可動部600は、遊技状況に応じて駆動する駆動部400により、図11に仮想線で示すように、補助表示部15の表示画面15a前面側中央部で合体して1つの意匠を構成し、その後再び分かれて元の収納位置に戻る。
ベース部2100は、補助表示部15の表示画面15aに対向する部分が略開口するように形成された合成樹脂製の略矩形の枠状体であり、前面側には左縁、右縁及び下縁から前方に突出するように延設された左壁180x、右壁180y及び下壁180zから成る収納スペース180が設けられている。また、ベース部2100の上縁には前方に張り出した平面視略矩形の庇部190が形成されている。ベース部2100の収納スペース180内には本体部2400の背面側が収納され、ベース部2100の下部前面側に本体部2400の駆動部400がネジ止め固定されている。また、カバー部2200及び装飾部2300は、本体部2400又はベース部2100の前面側にネジ止め固定されているが、その詳細については省略する。
装飾部2300は、ベース部2100の庇部190前面に前方に突出するように取り付けられる左右方向に長尺な平面視略矩形の板状の部材である上部レンズ310と、通常時に右可動部500及び左可動部600が遊技者から視認できないように、それぞれ、右可動部500、左可動部600の前方側に取り付けられる右造形物320、左造形物330と、カバー部2200の前面を覆う下部造形物340とから成る。右造形物320の背面には合成樹脂の発泡体であるシート状のクッション材(図示せず)が貼着されている。このクッション材は、搬送時の揺れにより背面側に収納される右可動部500の表面に擦れ傷がついてしまうのを防止するためのもので、島設備に設置後に右可動部500が動作する際には接触することのないような厚さとなっている。なお、補助表示装置1000は、上部レンズ310は、上述した上部ランプ13の下側に位置するように、スロットマシン10の前面扉12に取り付けられ、また、ベース部2100、左造形物330は、それぞれ独立又は関連して動作可能な可動部材A,B、可動部材C,Dを有するが、その詳細については省略する。
図12は図11におけるX−X線断面図である。なお、図12においては、便宜上、ベース部2100、上部レンズ310、右可動部500(突起片511)及び左可動部600(突起片611)のみを表示している。
ここで、本体部2400の詳細について説明する前に、右可動部500及び左可動部600の上端側の支持機構について説明する。図12に示すように、ベース部2100の庇部190の前面には、後方に向かって切り欠くように設けられた矩形状の凹部191が、庇部190の前面の中心を通る垂線に対して線対称な左右位置に2つ設けられている。これらの凹部191の前面側には、背面側が直線状である上部レンズ310が取り付けられ、ベース部2100と上部レンズ310との間に直線状の空間であるガイド溝Zが2つ形成される。上述した右可動部500の突起片511と左可動部600の突起片611は、ガイド溝Zによってその前面側及び背面側が挟み込まれるように支持されている。また、図示しないが、庇部190の凹部191上方には、左右方向に延びる長溝が形成されており、突起片511、突起片611の、後方に曲折した先端(図10参照)が滑動可能に嵌め込まれる。つまり、右可動部500及び左可動部600の上端側は、このガイド溝Z及び長溝により左右方向へのスライド移動が案内される。また、ガイド溝Zの外側端部Zaや中央側(内側)端部Zbは、それぞれ、右可動部500及び左可動部600が収納位置や合体位置へ移動する際のストッパの役目をしている。
図13は本体部2400の正面図であり、図14は本体部2400の背面図であり、図15は本体部2400の平面図である。図16は本体部2400の分解斜視図であり、前面側斜め上方から視認した状態を示す。図17は本体部2400の右演出役物を背面側斜め下方から視認した状態を示す斜視図であり、(b)は左演出役物を背面側斜め下方から視認した状態を示す斜視図である。なお、これらの図面は、駆動部400が動作していない通常時の状態、つまり、右可動部500及び左可動部600が収納された状態を示すものである。
以下、本体部2400について図面を参照して詳細に説明する。本体部2400は、右可動部500及び左可動部600とこれらを左右方向へスライド移動させる駆動部400とを備えている。
駆動部400は、横長形状に形成された合成樹脂製の略板部材であるサブベース板410と、サブベース板410の背面側に取り付けられた駆動源であるモータ420と、サブベース板410の背面下部に取り付けられたガイドシャフト430と、サブベース板410の前面側でありガイドシャフト430の右端部の上方に取り付けられ、モータ420により駆動される駆動プーリ440と、サブベース板410の前面側でありガイドシャフト430の左端部の上方に取り付けられた被動プーリ450と、駆動プーリ440及び被動プーリ450に掛けられた無端状のベルト460と、を有する。
サブベース板410は、その前面下部の左右端部及び中央部に前方に突出するように固定部411が形成され、棒状のガイドシャフト430が左右方向に延在するように嵌め込まれている。
サブベース板410の前面上部右側には2つの右孔412及び出力軸孔414が形成されている(図14参照)。2つの右孔412には背面側から駆動源であるモータ420がネジaによって固設され、出力軸孔414にはモータ420の出力軸421がサブベース板410の前面側に突出するように挿通されている(図16参照)。出力軸孔421は、サブベース板410の前面側において略円筒の歯車形状の回動体である駆動プーリ440に固着されており、モータ420の駆動力が伝達される。
サブベース板410の前面上部左側には3つの左孔413及びプーリ軸孔415が形成されている(図16参照)。3つの左孔413には、サブベース板410の背面側からプーリホルダ470がネジbによって固設され、プーリ軸孔415には、プーリホルダ470の前面に前方に突出するように形成された円筒状の保持突起471が、サブベース板410の前面側に突出するように挿入されている。保持突起471の中心軸部分には貫通する保持孔471xが形成されており、略円柱状のプーリ軸472が挿通され、その後端部はサブベース板410の背面側において略C字形状の係止具c及びベルトバネdによって回動可能に保持されている。プーリ軸472は、サブベース板410の前面側において略円筒の歯車形状の回動体である被動プーリ450に固着されており、被動プーリ450はサブベース板410に回動可能に保持される。ここで、回動とは、軸を中心として正転方向(時計回り)及び逆転方向(反時計回り)の両方向に円運動することであり、回動の動作の途中に円運動を停止することがあってもよい。
駆動プーリ440と被動プーリ450には、環状(無端状)で横断面が略矩形状のベルト460が架設されている。また、ベルト460が外れることのないように、駆動プーリ440及び被動プーリ450の背面側にはフランジ441,451が形成されており、各フランジ441,451に対向するように略円形板状のプーリカバ442,452が取り付けられている。このように、駆動部400は、モータ420を駆動源として、駆動プーリ440及び被動プーリ450に掛けられたベルト460が正転方向及び逆転方向に移動するように構成されている。なお、ベルト460の内周面の一部には被動プーリ450の側壁面と噛み合うように凹凸部460xが形成されている。
サブベース板410には、後述する右可動部500の右アーム530、左可動部600の左アーム630を上下動させるための、右側に形成された右カム孔416と左側に形成された左カム孔417とが横並びに設けられている。
右カム孔416は、滑らかに連続する左上がりに形成された左右方向に長尺な湾曲した長孔であって、サブベース板410の右端側の略水平直線状の収納位置側直線部分416aと、サブベース板410の中央側の略水平直線状の合体位置側直線部分416cと、収納位置側直線部分416aと合体位置側直線部分416cの間に位置し、これらと滑らかに連続するように形成され、左下方に凸状に湾曲した略円弧状の曲線部分416bとから成る(図18参照)。また、収納位置側直線部分416a及び合体位置側直線部分416cは緩やかに左上がりに傾斜しており、曲線部分416bは、その略中央部分が収納位置側直線部分416a及び合体位置側直線部分416cよりも急な左上がりの傾斜となっており、両端側に向かって徐々に傾斜が緩くなっている。
左カム孔417は、滑らかに連続する左上がりに形成された左右方向に長尺な湾曲した長孔であって、サブベース板410の左端側の略水平直線状の収納位置側直線部分417aと、サブベース板410の中央側の略水平直線状の合体位置側直線部分417cと、収納位置側直線部分417aと合体位置側直線部分417cの間に位置し、これらと滑らかに連続するように形成され、右上方に凸状に湾曲した略円弧状の曲線部分417bとから成る(図18参照)。また、収納位置側直線部分417a及び合体位置側直線部分417cは緩やかに左上がりに傾斜しており、曲線部分417bは、その略中央部分が収納位置側直線部分417a及び合体位置側直線部分417cよりも急な左上がりの傾斜となっており、両端側に向かって徐々に傾斜が緩くなっている。なお、合体位置側直線部分416c、合体位置側直線部分417cは、他の部分と比べて、その水平方向の長さが短くなるように形成されている。
右可動部500、左可動部600は、駆動部400が動作していない通常時には、それぞれ、補助表示部15の右側方前面側に配置される右造形物320の後側の空間、補助表示部15の左側方前面側に配置される左造形物330の後側の空間に、遊技者から視認できないように収納されている(図10,11参照)。駆動部400が動作すると、右可動部500は左方向に、左可動部600は右方向に移動して、補助表示部15の表示画面15aの前面側に現れ、表示画面15aの中央部前面側で合体して1つの意匠を構成する(図11参照)。その後、駆動部400が動作により、右可動部500、左可動部600は合体した時の動きと逆に動きで離反し元の位置に戻る。以下、適宜、通常時に右可動部500、左可動部600が収納されている位置を収納位置、右可動部500、左可動部600が合体する位置を合体位置という。
右可動部500は、駆動部400のベルト460及びガイドシャフト430に左右方向にスライド移動可能に取り付けられる右スライダ510と、右スライダ510に上下動可能に取り付けられ、サブベース板410の右カム孔416に沿って上下動する右アーム530と、右スライダ510の略中央部左端部に軸支され、右アーム530の上下動に伴って回動する右演出役物550を有する。
右スライダ510は、サブベース板410の前面側に配設される略L字形の縦長形状に形成された合成樹脂製の板状部材であり、下端側がガイドシャフト430により、上端側が上述したガイド溝Z等により、左右方向の移動可能に支持されるとともに、周回するように設けられたベルト460に固着されている。具体的には、右スライダ510の下部には、背面側からガイドシャフト430を嵌め入れるために、後方に突出するように形成された横断面が略コの字状の背面側が開口した嵌込溝512が設けられており、前面側から取り付けられる押え部材513及びそれを固定するネジeにより、左右方向へのスライド移動可能にガイドシャフト430に取り付けられている。
右スライダ510の下端部前面側には、左側方及び右側方に配置された駆動プーリ440及び被動プーリ450に掛けられたベルト460が上下方向に対面するように配設されている。右スライダ510の前面の嵌込溝512の上方にはベルト460を固定するための、左右方向に延びる対面する上下の壁面により画成された空間fが形成され、上側に位置するベルト460の一部分が嵌め込まれ、固定ネジ514によって外れることのないように固着されている。つまり、右スライダ510は、長溝、ガイド溝Z及びガイドシャフト430により案内されつつ、モータ420の駆動力を伝達するベルト460の移動により、左右方向へスライド移動する。
右スライダ510の略中央左端部には、左方に膨出する左方凸部515と右方に凹んだ右方凹部518とが上下に並ぶように形成されており、左方凸部515には前方に突出する円筒状の軸支部516が設けられている。軸支部516の中心軸部分には前後に貫通する軸孔516xが形成されており、略円柱状の回動軸517が、先端側が軸孔516xの前面側から突出するように、背面側から挿通され、その後端部は略C字形状の係止具gによって回動可能に保持されている。回動軸517の先端側には右演出役物550(詳細は後述)が取り付けられる。また、右スライダ510の中央部には、この軸支部516を中心として中心角が略90度の円弧状の長孔であるガイド孔519が、軸支部516を通り左右に延びる直線が線対称の軸となるようにして形成されている。
右スライダ510の前面側には、収納位置において右演出役物550と重なる箇所の上端側及び下端側に、それぞれ、前方に突出する突起520,521が設けられている。収納した際の衝撃により前後に揺れる右演出役物550を、背面側から支えることにより早期に揺れを収めることができる。なお、突起520,521の突出高さは、通常時の右スライダ510と右演出役物550との間隔よりも僅かに小さく、回動する右演出役物550に接触しないような大きさとなっている。
右スライダ510の右端側下部には、右方に突出する矩形状の検出突部522が設けられると共に、サブベース板410の右端側にはフォトセンサ525が搭載されており(図16参照)、右スライダ510が起点位置にあることを検出できるようになっている。また、右スライダ510の背面には、右演出役物550の右役物基板553(図17参照、詳細は後述)に接続される右中継基板527がネジhにより固定されているがその詳細は省略する。
右アーム530は、右スライダ510とサブベース板410との間に配設される略I字形の縦長形状に形成された合成樹脂製の板状部材であり、その下端部背面側には後方に突出する円筒状の突起である駆動突起531が形成されている。駆動突起531は、サブベース板410の右側部分に形成された右カム孔416にサブベース板410の前面側から挿入され、サブベース板410の背面側から駆動突起531の外周に嵌め込まれる円筒状の保護部材である軸受532とネジiとにより、右カム孔416に沿って移動可能に取り付けられている。
また、右アーム530は、その上部に上下方向に長い長孔である上支持孔533が、下部に上下方向に長い長孔である下支持孔534が設けられており、それぞれ背面側から挿通され右スライダ510に固着される上支持ネジ523、下支持ネジ524によって、上下移動可能に右スライダ510に支持されている。さらに、右アーム530は、その中央部に左右方向に長い長孔である作動孔535が形成されている。つまり、右アーム530は、上下移動可能に右スライダ510に支持されており、右スライダ510の左右方向の移動に連動して左右方向へ移動するとともに、右カム孔416に沿って駆動突起531が上下方向に移動して、作動孔535を上下方向に移動させる。
なお、上支持孔533及び下支持孔534の鉛直方向の長さは、右カム孔416の孔全体の鉛直方向の長さと略同じであり、作動孔535の左右方向の長さは、右カム孔416等により回動する作動突起557(図17参照、詳細は後述)の動きを妨げない長さになっている。
また、左可動体600にも同様に、左アーム630に上支持孔633、下支持孔634が形成され、左スライダ610に固着される上支持ネジ623、下支持ネジ624が設けられているが、右スライダ510の下支持ネジ524、右アーム530の下支持孔534は、他と異なっている。具体的には、下支持ネジ524にのみ、軸部に円筒状の保護部材524xが取り付けられおり、それに合わせて下支持孔534は他より幅広く形成されている。
右演出役物550は、「笑」の文字を図案化した右役物部511と、右役物部511の背面内側にネジ止めされる右役物基板553と、右役物基板553の背面内側にネジ止めされ、右役物部511及び右役物基板553を支持する略板状の右カバー部555とを有する(図13,17参照)。
右役物部551は、「笑」の文字と「口」の形状とを上下に組み合わせてデザイン化した1つの略円形の意匠を、その中心よりも下方で水平方向に分割した上側の略半円形状の板状体であり、「笑」の文字をデザイン化した部分である。分割面(合体位置において左演出役物650に対向する面)である右役物部551の側面551xは、収納位置において正面から視認して、上側部分が略S字状に、下側部分が略逆S字状に湾曲するように形成されており、中央を通る水平線に対して線対称な凹凸面となっている。右役物部551の背面内側には凹みが形成されており、LED(光源)等が一体的に取り付けられた右役物基板553が嵌着され、その背面側に右カバー部555が取り付けられている。
右カバー部555は、中央左端部の背面側(後方から視認すると中央右端部)に後方に突出する円筒状の連結軸部556が形成されている。右カバー部555は、この連結軸部556が側面551xの中央後方に位置するように、右役物部551に取り付けられている。連結軸部556は上述した右スライダ510の軸支部516と連通するように配設され、略円柱状の回動軸517が右スライダ510の背面側から軸支部516に挿通されて、連結軸部556に挿着されている。つまり、右役物部551(右演出役物550)は、後方に連結軸部556が形成されている側面551xの中央部(以下、回動点Pという)を中心点として右スライダ510に回動可能に軸支されている(図13参照)。
また、右カバー部555は、その背面側に、連結軸部556に対して右斜め45度下方(後方から視認すると左斜め45度下方)の位置に、後方に突出する基部にフランジ557xが設けられた円筒状の作動突起557が形成されている。作動突起557は、右スライダ510のガイド孔519を介して、右アーム530の作動孔535に挿入され、右アーム530の後方側から作動ピン558が固着されており、ガイド孔519内及び作動孔535内を移動可能に係止されている。つまり、作動突起557が右アーム530の作動孔535の上下動(段落0096参照)に連動して鉛直方向の位置を変えることにより、右演出役物550は回動点Pを中心として回動する。具体的には、収納位置において「笑」の右側部分を下にした横臥状態であった右演出役物550は、スライド移動しながら逆転方向に略90度回転し、合体位置において側面551xを下側に向けた起立姿勢となる(図19〜23参照)。なお、ガイド孔519の中心軸(軸支部516)方向の幅は作動突起557の直径よりも大きく、右演出役物550の回動には直接関係していない。
右カバー部555には、連結軸部556に近い位置に略等脚台形状の挿入孔559が形成されており、右中継基板527と右役物基板553とを接続する図示しないワイヤーハーネス(配線部材)の一端側のコネクタがこの挿入孔559に挿入されて、右役物基板553の接続部553xに取り付けられる。右役物基板553と右カバー部555の間の空間にワイヤーハーネスを挟み込むことにより移動を抑制して、ワイヤーハーネスの擦れを防止することができる。
左可動部600は、駆動部400のベルト460及びガイドシャフト430に左右方向にスライド移動可能に取り付けられる左スライダ610と、左スライダ610に上下動可能に取り付けられ、サブベース板410の左カム孔417に沿って上下動する左アーム630と、左スライダ610の略中央部左端部に軸支され、左アーム630の上下動に伴って回動する左演出役物650を有する。なお、左可動部600は右可動部500の各部材と移動方向等が異なるが、基本的な構成は略同じである。
左スライダ610は、サブベース板410の前面側に配設される略逆L字形の縦長形状に形成された合成樹脂製の板部材であり、下端側がガイドシャフト430により、上端側が上述したガイド溝Z等により、左右方向の移動可能に支持されるとともに、周回するように設けられたベルト460に固着されている。具体的には、左スライダ610の下部には、背面側からガイドシャフト430を嵌め入れるために、後方に突出するように形成された横断面が略逆コの字状の背面側が開口した嵌込溝612が設けられており、前面側から取り付けられる押え部材613及びそれを固定するネジmにより、左右方向へのスライド移動可能にガイドシャフト430に取り付けられている。
左スライダ610の下端部前面側には、左側方及び右側方に配置された駆動プーリ440及び被動プーリ450に掛けられたベルト460が上下方向に対面するように配設されている。左スライダ610の前面の嵌込溝612の上方にはベルト460を固定するための、左右方向に延びる対面する上下の壁面により画成された空間nが形成され、下側に位置するベルト460の一部分が嵌め込まれ、固定ネジ614によって外れることのないように固着されている。つまり、左スライダ610は、長溝、ガイド溝Z及びガイドシャフト430により案内されつつ、モータ420の駆動力を伝達するベルト460の移動により、左右方向へスライド移動する。
左スライダ610の略中央右端部には、左方に凹んだ左方凹部618と右方に膨出する右方凸部615とが上下に並ぶように形成されており、右方凸部615には前方に突出する円筒状の軸支部616が設けられている。軸支部616の中心軸部分には前後に貫通する軸孔616xが形成されており、略円柱状の回動軸617が、先端側が軸孔616xの前面側から突出するように、背面側から挿通され、その後端部は略C字形状の係止具oによって回動可能に保持されている。回動軸617の先端側には左演出役物650(詳細は後述)が取り付けられる。また、左スライダ610の中央部には、この軸支部616を中心として中心角が略90度の円弧状の長孔であるガイド孔619が、軸支部616を通り左右に延びる直線が線対称の軸となるようにして形成されている。
左スライダ610の前面側には、収納位置において左演出役物650と重なる箇所の上端側及び下端側に、それぞれ、前方に突出する突起620,621が設けられている。収納した際の衝撃により、前後に揺れる左演出役物650を背面側から支えることにより、早期に揺れを収めることができる。なお、突起620,621の突出する高さは、通常時の左スライダ610と左演出役物650との間隔よりも僅かに小さく、回動する左演出役物650に接触しないような大きさとなっている。また、左スライダ610の背面には、左演出役物650の左役物基板653に接続される左中継基板627(図17参照、詳細は後述)がネジpにより固定されているがその詳細は省略する。
左アーム630は、左スライダ610とサブベース板410との間に配設される略I字形の縦長形状に形成された合成樹脂製の板部材であり、その下端部背面側には後方に突出する円筒状の突起である駆動突起631が形成されている。駆動突起631は、サブベース板410の左側部分に形成された左カム孔417にサブベース板410の前面側から挿入され、サブベース板410の背面側から駆動突起631の外周に嵌め込まれる円筒状の保護部材である軸受632とネジqとにより、左カム孔417に沿って移動可能に取り付けられている。
また、左アーム630は、その上部に上下方向に長い長孔である上支持孔633が、下部に上下方向に長い長孔である下支持孔634が設けられており、それぞれ背面側から挿通され左スライダ610に固着される上支持ネジ623、下支持ネジ624によって、上下移動可能に左スライダ610に支持されている。さらに、左アーム630は、その中央部に左右方向に長い長孔である作動孔635が形成されている。つまり、左アーム630は、上下移動可能に左スライダ610に支持されており、左スライダ610の左右方向の移動に連動して左右方向へ移動するとともに、左カム孔417に沿って駆動突起631が上下方向に移動して、作動孔635を上下方向に移動させる。
なお、上支持孔633及び下支持孔634の鉛直方向の長さは、左カム孔417の孔全体の鉛直方向の長さと略同じであり、作動孔635の左右方向の長さは、左カム孔417等により回動する作動突起657(図17参照、詳細は後述)の動きを妨げない長さになっている。
左演出役物650は、「口」の形状を装飾化した左役物部651と、左役物部651の背面側にネジ止めされる左役物基板653と、左役物基板653を覆うように左役物部611の背面内側にネジ止めされ、左役物部611及び左役物基板653を支持する略板状の左カバー部655とを有する(図13,17参照)。
左役物部651は、「笑」の文字と「口」の形状とを上下に組み合わせてデザイン化した1つの略円形の意匠を、その中心よりも下方で水平方向に分割した下側の略半円形状の板状体であり、「口」の形状をデザイン化した部分である。分割面(合体位置において右演出役物550に対向する面)である左役物部651の側面651xは、収納位置において正面から視認して、上側部分が略S字状に、下側部分が略逆S字状に湾曲するように形成されており、中央を通る水平線に対して線対称な凹凸面となっている。左役物部651の背面内側には凹みが形成されており、LED(光源)等が一体的に取り付けられた左役物基板653が嵌着され、その背面側に左カバー部655が取り付けられている。なお、合体位置において、側面651xの凹凸は上述した右役物部551の側面551xの凹凸に入り込むような形状となっており、右演出役物550と左演出役物650との隙間が小さくなるように形成されている。
左カバー部655は、中央右端部の背面側(後方から視認すると中央左端部)に後方に突出する円筒状の連結軸部656が形成されている。左カバー部555は、この連結軸部656が側面651xの中央後方に位置するように、左役物部651に取り付けられている。連結軸部656は上述した左スライダ610の軸支部616と連通するように配設され、略円柱状の回動軸617が左スライダ610の背面側から軸支部616に挿通されて、連結軸部656に挿着されている。つまり、左役物部651(左演出役物650)は、後方に連結軸部656が形成されている側面651xの中央部(以下、回動点Qという)を中心点として左スライダ610に回動可能に軸支されている。
また、左カバー部655は、その背面側に、連結軸部656に対して左斜め45度上方(後方から視認すると右斜め45度上方)の位置に、後方に突出する基部にフランジ657xが設けられた円筒状の作動突起657が形成されている。作動突起557は、左スライダ610のガイド孔619を介して、左アーム630の作動孔635に挿入され、左アーム630の後方側から作動ピン558が固着されており、ガイド孔619内及び作動孔635内を移動可能に係止されている。つまり、作動突起657が左アーム630の作動孔635の上下動(段落109参照)に連動して鉛直方向の位置を変えることにより、左演出役物650は回動点Qを中心として回動する。具体的には、収納位置において口の一端部分を下にした横臥状態であった左演出役物650は、スライド移動しながら逆転方向に略90度回転し、合体位置において側面651xを上側として本来の姿勢(口の左端部分と右端部分が水平方向に位置した姿勢、以下通常姿勢という)となる(図19〜23参照)。なお、ガイド孔619の中心軸(軸支部616)方向の幅は作動突起657の直径よりも大きく、左演出役物650の回動には直接関係していない。
左カバー部655には、連結軸部656に近い位置に略等脚台形状の挿入孔659が形成されており、左中継基板627と左役物基板653とを接続する図示しないワイヤーハーネス(配線部材)の一端側のコネクタがこの挿入孔659に挿入されて、左役物基板653の接続部653xに取り付けられる。左役物基板653と左カバー部655の間の空間にワイヤーハーネスを挟み込むことにより移動を抑制して、ワイヤーハーネスの擦れを防止することができる。
上述のように、右可動部500の右スライダ510は周回するように移動するベルト460の上側部分に、左可動部600の左スライダ610は周回するように移動するベルト460の下側部分にそれぞれ固着されているので、ベルト460の動きに連動して、右可動部500及び左可動部600が左右異なる方向へスライド移動する。具体的には、右可動部500及び左可動部600が収納位置にある状態から、ベルト460がその全体の長さの略四分の一の長さ分逆転方向に移動することによって、右可動部500(右スライダ510)は右側方から中央の合体位置に、左可動部600(左スライダ610)は左側方から中央の合体位置にスライド移動する。また、右可動部500及び左可動部600が合体位置にある状態から、ベルト460がその全体の長さの略四分の一の長さ分正転方向に移動することによって、右可動部500(右スライダ510)は右方向に戻り、左可動部600(左スライダ610)は左方向に戻って、それぞれの収納位置に納まる。つまり、ベルト460はその全体の長さの略四分の一の長さ分正逆回転するように、モータ420(駆動プーリ440)により駆動され、上述したベルト460の凹凸部460xは、被動プーリ450と噛み合う部分にのみ設けられている。
図18は、右可動部500及び左可動部600が収納位置にある状態を示す正面図である。図19〜図21は、右可動部500及び左可動部600が収納位置から合体位置へ移動する途中の状態を示す正面図であり、図19は、右アーム530が収納位置側直線部分416aと曲線部分416bの境目に、左アーム630が収納位置側直線部417aと曲線部分417bの境目にある状態を、図20は、右アーム530、左アーム630が、それぞれ曲線部分416b、曲線部分417bにある状態を、図21は右アーム530が曲線部分416bと合体位置側直線部分416cの境目に、左アーム630が曲線部分417bと合体位置側直線部分417cの境目にある状態を示す。図22は、右可動部500及び左可動部600が合体位置にある状態を示す正面図である。なお、図18〜図22は、便宜上、サブベース板410、右アーム530、左アーム630、右スライダ510、左スライダ610、右演出役物550、左演出役物650と、止めネジ等の部材523,524,623,624のみを模式的に示してある。以下、図18〜図22を参照して、右可動部500及び左可動部600の動きについて、詳細に説明する。
まず、右可動部500の動きについて説明する。
ベルト460に固着された右スライダ510は、ベルト460の動きに連動して中央の合体位置に向って水平移動する。この右スライダ510には上支持ネジ523及び下支持ネジ524が固定されており、これらにより右アーム530が収納位置において上方向へ移動可能に支持されている。具体的には、収納位置において、図18に示すように、右アーム530は最も下方に位置し、右スライダ510の上支持ネジ523及び下支持ネジ524は右アーム530の上支持孔533及び下支持孔534の最上端部に位置している。右スライダ510の背面側下端部に形成された駆動突起531は、サブベース板410の右カム孔416に挿入されており、右アーム530は、右スライダ510の中央への移動に連動して中央へ移動するとともに、駆動突起531が右カム孔416の下側内壁面に当接して、図19〜図21に示すように、徐々に上方向に押し上げられる。そして、図22に示すように、合体位置において、右アーム530は最も上方に移動する。なお、このとき、右スライダ510の上支持ネジ523及び下支持ネジ524は右アーム530の上支持孔533及び下支持孔534の最下端部に位置している。
右アーム530の中央部には作動孔535が形成されており、右スライダ510のガイド孔519を介して右演出役物550の作動突起557が挿入されている。また、右演出役物550は、スライダ510の略中央左端部(軸支部516)に連結軸部556が回動可能に軸支されている。右アーム530の作動孔535の上方向のへ移動により、右演出役物550の作動突起557は連結軸部556(回動点P)を中心として、逆転方向に回転する。具体的には、図18,19に示すように、収納位置において横臥状態となっていた右演出役物550は、駆動突起531が右カム孔416の収納位置側直線部分416aと曲線部分416bの境目に位置するまで、僅かな角度逆転方向に回転するだけで略水平方向にスライドして、補助表示部15の表示画面15a前方に出現する。その後、図20に示すように、駆動突起531が右カム孔416の曲線部416bを通る間に、遊技者が視認できる位置において左にスライド移動しながら右演出役物550はダイナミックに側面551xが下側となるように逆転方向に回転し、図22に示すように、駆動突起531が右カム孔416の曲線部分416bと合体位置側直線部分416cの境目に位置するときには、右演出役物550はその回転動作を略終え、右演出役物550の側面551xが略水平となる。そして、図23に示すように、合体位置まで移動する際に駆動突起531が左にスライド移動しながら僅かに上方へ動くことにより、右演出役物550はさらに僅かに回転して側面551xが水平である起立姿勢となる。なお、合体位置から収納位置に戻る際には、駆動突起531は右カム孔416の上側内壁面に当設して徐々に下方向に押し下げられて、上述した動作と逆に動くが、その詳細については省略する。
次に左可動部600の動きについて説明する。なお、左可動部600は、右可動部500と異なり合体位置において側面651xが上側となるように回転する構成となっているが、基本的な動作機構は同じである。
ベルト460に固着された左スライダ610は、ベルト460の動きに連動して中央の合体位置に向って水平移動する。この左スライダ610には上支持ネジ623及び下支持ネジ624が固定されており、これらにより左アーム630が収納位置において下方向へ移動可能に支持されている。具体的には、収納位置において、図18に示すように、左アーム630は最も上方に位置し、左スライダ610の上支持ネジ623及び下支持ネジ624は左アーム630の上支持孔633及び下支持孔634の最下端部に位置している。左スライダ610の背面側下端部に形成された駆動突起631は、サブベース板410の左カム孔417に挿入されており、左アーム630は、左スライダ610の中央への移動に連動して中央へ移動するとともに、駆動突起631が左カム孔417の上側内壁面に当接して、図19〜図21に示すように、徐々に下方向に押し下げられる。そして、図22に示すように、合体位置において、左アーム630は最も下方に移動する。なお、このとき、左スライダ610の上支持ネジ623及び下支持ネジ624は左アーム630の上支持孔633及び下支持孔634の最上端部に位置している。
左アーム630の中央部には作動孔635が形成されており、左スライダ610のガイド孔619を介して左演出役物650の作動突起657が挿入されている。また、左演出役物650は、スライダ610の略中央右端部(軸支部616)に連結軸部656が回動可能に軸支されている。左アーム630の作動孔635の下方向への移動により、左演出役物650の作動突起657は連結軸部656(回動点Q)を中心として、逆転方向に回転する。具体的には、図18,19に示すように、収納位置において横臥状態となっていた左演出役物650は、駆動突起631が左カム孔417の収納位置側直線部分417aと曲線部分417bの境目に位置するまで、僅かな角度逆転方向に回転するだけで略水平方向にスライドして、補助表示部15の表示画面15a前方に出現する。その後、図20に示すように、駆動突起631が左カム孔417の曲線部417bを通る間に、遊技者が視認できる位置において左演出役物650は右にスライド移動しながらダイナミックに側面651xが上側となるように逆転方向に回転し、図21に示すように、駆動突起631が左カム孔417の曲線部分417bと合体位置側直線部分417cの境目に位置するときには、左演出役物650はその回転動作を略終え、左演出役物650の側面651xが略水平となる。そして、図22に示すように、合体位置まで移動する際に駆動突起631が僅かに下方へ動くことにより、左演出役物650は右にスライド移動しながらさらに僅かに回転して側面651xが水平である通常姿勢となる。なお、合体位置から収納位置に戻る際には、駆動突起631は左カム孔417の下側内壁面に当設して徐々に上方向に押し上げられて、上述した動作と逆に動くが、その詳細については省略する。
このように、駆動突起531、駆動突起631が、それぞれ、右カム孔412の略直線状の収納位置側直線部分416a、左カム孔417の略直線状の収納位置側直線部分417aを移動することにより、右可動部500、左可動部600は、表示画面15aの右側方、左側方に設けられた収納位置から略横臥状態で遊技者が視認できる位置に出現する。そして、右可動部500、左可動部600は、駆動突起531、駆動突起631が、それぞれ曲線部分416b、曲線部分417bを移動することにより、遊技者の目の前で中央方向にスライド移動しながらダイナミックに略80度逆回転して、右可動部500の側面551xの凸部が左可動部600の側面651xの凹部に、左可動部600の側面651xの凸部が右可動部500の側面551xの凹部に入り込むような位置まで移動する。さらに駆動突起531、駆動突起631が、それぞれ合体位置側直線部分416c、合体位置側直線部分417cを移動することにより、右可動部500、左可動部600は、スライド移動しながら僅かに逆回転して、側面551x及び側面651xの凹凸の形状に合わせて、傾斜に略沿うように合体位置まで移動する。合体位置において、右可動部500、左可動部600はスライド移動動作、回転移動動作を終え、それぞれ起立姿勢、通常姿勢となって表示画面15aの中央で合体し、1つのデザインの演出物となる。
なお、合体位置に移動した際には、右スライダ510の左方凸部515が左スライダ610の右方凹部618に、左スライダ610の左方凸部615が右スライダ510の右方凹部518に入り込むようにして、右スライダ510の左側面と左スライダ610の右側面とが当接するように構成されている(図14,22参照)。また、ガイド溝Zをスライド移動する右スライダ510の突起片511及び左スライダ610の突起片611は、ガイド溝Zの中央側の端部Zb(図12参照)に当接して停止する。
本発明の補助表示装置1000によれば、1つの演出物を略水平方向に延びる分割面(側面551x,651x)で2つに分割し、各分割体(右役物部551、左役物部651)を、通常時には遊技者から視認できないように補助表示部15の表示画面15aの左右側方に横臥姿勢で収納し、遊技状況に応じて、表示画面15aの前方で合体させ、再び元の収納位置に戻すことができる。本発明の場合、演出物が文字と口の形とを上下に組み合わせたものであるので、垂直方向に分割すると文字自体も口の形も切断されてしまい美感性が損なわれてしまうため、略水平方向で分割している。分割した2つの部材を補助表示部15の表示画面15aの左右側方に横臥状態で収納するので、スロットマシン10内のスペースを有効に使用することができる。また、通常時には遊技者から視認できない位置にあり、遊技状況に応じて出没するので、遊技者に高揚感を与えることができる。
右演出役物550及び左演出役物650は、合体位置に移動する際に同じ逆転方向に回転するので互いに干渉することなく補助表示部15の前方で合体させることができる。また、右演出役物550、左演出役物650を略半円形状として、その中心点付近に回動点P,Qを設けることによって、右演出役物550及び左演出役物650を周囲の部材にぶつかることのない大きな部材として迫力のある動きとすることができる。
右役物部551、左役物部651の分割面(側面551x,651x)は正面視において互いに入り込むような凹凸が形成されている。そのため、右役物部551、左役物部651を単に水平方向のスライド移動によって組み合わせるとすると、両部材がぶつからないように側面551xと側面651xの間の隙間を広く取る必要があり、一体感に欠けてしまう。本発明の補助表示装置1000によれば、スライド移動と回転移動により、右役物部551、左役物部651を、側面551x,651xの一方の凹凸が他方の凹凸に入り込む略直前の位置まで移動させ、その後凹凸部分の形状に合わせて、傾斜に沿うように斜め方向に動かして合体させるので、右役物部551と左役物部651との隙間を狭くして一体感のある1つのデザインとすることができる。側面551x,651xの凹凸の形状に合わせて、カム孔416,417の形状を調節するだけで、右役物部551と左役物部651とをずれないように合体させることができる。合体位置に移動する寸前までに回転運動を略終わらせ、最後に右役物部551、左役物部651の凹凸部分の突出幅(凹み幅)に合わせて、スライド移動させながら僅かに回転させることによって、凹凸が上手く入り込むように合体させることができる。
本発明の補助表示装置1000によれば、曲線部分416b,417bの水平方向の長さを長く、合体位置側直線部分416c,417cの水平方向の長さを短くすることにより、遊技者の目の前で、右役物部551、左役物部651を略横臥状態から略起立姿勢、略通常姿勢となるようにダイナミックに回転させ、最後にピタリと合体させることができるので、遊技者に驚きを与えることができる。また、略直線状である部分416a,416c,417a,417cを設けることにより、合体位置、収納位置で停止させる際に回転移動等による振動や衝撃を緩和させることができる。
また、合体位置において、右スライダ510と左スライダ610とが上述のように互いに当接し、また、その上端側がベース部材2100の中央部に当接することによって、右可動部500及び左可動部600の位置が定まり、右演出役物550と左演出役物650とがきれいに組み合わさった状態で合体させることができる。さらに、収納位置から合体位置への移動による振動や衝撃を吸収し、部材のぐらつきを早期に収めることができる。
回動する右演出役物550、左演出役物650は、略同じ重量であり、合体位置において、回動点P,Qに対して外側に対向するように設けられている。そのため、右可動部500が合体位置に移動する際には、右演出役物550を重力に逆らい持ち上げる持ち上げ動作となり、収納位置に戻る際には、重力に従い下げる下げ動作となる。反対に、左可動部600が合体位置に移動する際には、左演出役物650を重力に従い下げる下げ動作となり、収納位置に戻る際には、重力に逆らい持ち上げる持ち上げ動作となる。モータ420やベルト460に掛かる負荷は、持ち上げ動作では大きく下げ動作では小さくなるが、右可動部500と左可動部600とで動作が逆になっているので、負荷を分散させることができ、全体の移動動作の中でモータ420等に掛かる負荷を均等にすることができる。なお、右演出役物550、左演出役物650が異なる重さであっても、回動点P,Qと作動突起との長さを変化させることによって、ベルト460に掛かる負荷を調節することが可能である。
右スライダ510の下支持ネジ524には、上述したようにその軸部に円筒状の保護部材524xが取り付けられている(段落0097参照)。右アーム530の作動孔535には、左演出役物650よりも大きな部材である右演出役物550の作動突起557が挿入されており、重力に逆らう持ち上げ動作がなされる際には、右アーム530の下支持孔534に挿通された下支持ネジ524は、回動点P及び作動突起557から離れた位置に移動している(図20,21参照)。また、右アーム530の下支持孔534は、駆動突起531に近い位置にあるため、右演出役物550の回転動作等による振動や衝撃の影響を受け易く、下支持ネジ524との摩擦により内壁面が磨耗してしまう。これを防ぐために、下支持ネジ524には、保護部材524xを挿着して軸部の曲率を小さくするとともに、下支持孔534との接触面の摩擦係数を小さくしている。
なお、補助表示装置1000の各部材の形状、大きさ、構成等は、上述した実施例に限られず、本実施例の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる。例えば、右演出役物550の側面551x、左演出役物650の側面651xの凹凸の形状、右カム孔416、左カム孔417の形状は上述したものに限らない。右カム孔416、左カム孔417は、右演出役物550及び左演出役物650を、右演出役物550の側面551xの凹凸と左演出役物650の側面651xの凹凸とが入り込む略直前の位置までスライド移動及び回転移動させて、その後凹凸の傾斜に沿って動かすように構成されていればよい。右演出役物550の右役物部551、左演出役物650の左役物部651の形状も上述したものに限らず、合体位置において回動点P,Qを中心として略対向するように設けられていればよい。
補助表示装置1000は補助表示部15を備えた構成としており、表示画像を可動役物装置2000と関連付けたものとすることが望ましいが、補助表示部15は必ずしも必要な構成ではない。
補助表示装置1000においては、サブベース板410をベース部2100と別部材としたが、一体としても、3つ以上の部材からなるものとしてもよく、右可動部500及び左可動部600をスライド移動可能に支持するように構成されていればよい。駆動部400も上述した構成に限らず、右可動部500及び左可動部600をスライド移動可能に支持し、右カム孔416及び左カム孔417により、上述のように凹凸のある側面551x,651xを有する演出役物551,651を干渉しないように合体することができればよい。右可動部500及び左可動部600の上端側の支持機構についても、スライダ510,610の突起片511,611がスライド移動可能に案内される構成であればよい。また、本実施例においては、右可動部500及び左可動部600が水平方向にスライド移動するように、可動役物装置2000をスロットマシン10に配設しているがこれに限らず、例えば、斜め方向や上下方向にスライド移動するように配設することも可能である。
最後に確認事項として上述した実施の形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
[遊技機1]
遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、該遊技状況検出手段が検出した遊技状況に応じて、1つの演出物を2分割するようにして形成した第1の演出役物及び前記第2の演出役物を組み合わせて一つのデザインが構成されるように動作する可動役物装置とを備えた遊技機であって、前記可動役物装置は、前記遊技機に取り付けられる略矩形の窓枠状の支持部と、該支持部にスライド移動可能に支持される第1の可動部及び第2の可動部と、を備え、 前記第1の可動部は、スライド移動する第1のスライダと、該第1のスライダに回動可能に軸支された前記第1の演出役物と、該第1のスライダのスライド移動に伴い該第1の演出役物を回動させる第1のアーム部と、を有し、前記第2の可動部は、スライド移動する第2のスライダと、該第2のスライダに回動可能に軸支された前記第2の演出役物と、該第2のスライダのスライド移動に伴い該第2の演出役物を回動させる第2のアーム部と、を有し、前記支持部は、前記第1のスライダ及び前記第2のスライダを逆方向にスライド移動させるとともに、前記第1の演出役物と前記第2の演出役物とを同じ回転方向に回動させる駆動機構を有し、前記第1の演出役物及び前記第2の演出役物は、前記演出物を前記スライド移動の方向と略平行に分割するようにして形成され、収納時には両分割面が対向するように、前記支持部の一端側及び他端側の収納位置にそれぞれ収納され、作動時には該収納位置から回転しながら該支持部の略中央の合体位置へスライド移動して、該演出物のデザインを構成するように組み合わされる、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、遊技機内のスペースを有効利用して、第1の演出役物と第2の演出役物をコンパクトに収納することができ、第1の演出役物と第2の演出役物を大きな部材としてダイナミックに回転させることができるので、迫力のある動きで遊技者の興趣を高めることができる。
[遊技機2]
上記遊技機1において、前記支持部には、一端側が上方に他端側が下方に位置するように略同じ方向に傾斜した長孔である第1のカム孔と第2のカム孔が横並びに形成され、前記第1のアーム部は、前記第1のカム孔に係合される第1の駆動突起と、前記第1の演出役物を回動させるための第1の作動孔と、を有し、前記第2のアーム部は、前記第2のカム孔に係合される第2の駆動突起と、前記第2の演出役物を回動させるための第2の作動孔と、を有し、前記第1の演出役物は、前記第1の作動孔に係合される第1の作動突起を有し、前記第2の演出役物は、前記第2の作動孔に係合される第2の作動突起を有し、前記第1のアーム部は、前記第1のスライダに上下動可能に支持され、前記第1のスライダのスライド移動に連動してスライド移動するとともに、前記第1の駆動突起が前記第1のカム孔に沿って移動することにより上下動し、前記第1演出役物は、前記第1のアーム部の第1の作動孔が上下動することにより、該第1の作動孔に係合された第1の作動突起が上下動して、前記第1のスライダに軸支された第1の軸支部を中心として回動し、前記第2のアーム部は、前記第2のスライダに上下動可能に支持され、前記第2のスライダのスライド移動に連動してスライド移動するとともに、前記第2の駆動突起が前記第2のカム孔に沿って移動することにより上下動し、前記第2演出役物は、前記第2のアーム部の第2の作動孔が上下動することにより、該第2の作動孔に係合された第2の作動突起が上下動して、前記第2のスライダに軸支された第2の軸支部を中心として回動する、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、第1のカム孔、第2のカム孔の形状を調節することにより、第1の演出役物、第2の演出役物の回転角度や回転速度を容易にコントロールすることができる。
[遊技機3]
上記遊技機2において、前記第1の演出役物及び前記第2の演出役物の前記分割面には、合体した際に互いに入り込むような凹凸が形成されており、前記第1のカム孔及び前記第2のカム孔は、前記合体位置側に前記収納位置側によりも傾斜の緩やかな略直線状の部分である合体位置側直線部分を設けられ、前記合体位置側直線部分に到達するまでに、該第1の演出役物及び該第2の演出役物を、一方の凹凸が他方の凹凸に入り込む略直前の位置まで早い速度で回転させて回転移動を略終え、該合体位置側直線部分の移動により僅かに回転移動させて該凹凸部の傾斜に略沿うように斜め方向に移動させて合体するように構成した、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、第1の演出役物及び第2の演出役物の分割面に、合体した際に互いに入り込むような凹凸が形成されていても、それらを干渉させることなく僅かな隙間で合体させることができる。
[遊技機4]
上記遊技機2又は3において、前記駆動機構は、水平方向に配設された駆動プーリ及び被動プーリと、これらプーリに掛装された無端状のベルトと、該駆動プーリを回転駆動する駆動手段と、を有し、前記第1のスライダは、正面視において前記ベルトの上側部分と下側部分とのどちらか一方に固設されており、前記第2のスライダは、正面視において前記ベルトの上側部分と下側部分とのどちらか他方に固設されている、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、ベルトの正転回転、逆転回転により、第1の可動部と第2の可動部とを連動するように移動させることができる。また、第1の演出役物を持ち上げるように回転させる際には、第2の演出役物は重力に従うように回転し、第2の演出役物を持ち上げるように回転させる際には、第1の演出役物は重力に従うように回転させるので、ベルトや駆動手段にかかる負担を分散するとすることができる。
[遊技機5]
上記遊技機2乃至4において、前記第1スライダ又は/及び第2スライダの前面側には、正面視において収納位置に収納される前記第1の演出役物、前記第2の演出役物と重なる上端側又は/及び下端側に、前方に突出する突起が設けられている、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、収納位置に収納した際の衝撃により前後に揺れる第1の演出役物又は/及び第2の演出役物を、背面側から支えることにより早期に揺れを収めることができる。
以上のようにこれらの遊技機1〜5では、上述のように一つの演出物を分割して横臥状態で収納するので、第1の演出役物と第2の演出役物を大きな部材としてダイナミックに回転させることができ、迫力のある動きで遊技者の興趣を高めることができる。
また、上記実施の形態とは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機いわゆるパチンコ機等に本発明を適応してもよい。例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機として本発明を実施するようにしても良い。
さらに、弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機として本発明を実施するようにしても良い。具体的には以下の通りである。
本発明は遊技機1〜5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
本発明は上記遊技機1〜5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
本発明は遊技機1〜5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。