以下、まず遊技機の一種であるスロットマシンの基本構成の形態について図面に基づいて詳細に説明し、その後、本発明の遊技機の技術的特徴部分である演出体ユニットの実施形態について説明する。
図1はスロットマシンの正面図、図2はスロットマシンの前面扉を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図、図4は前面扉の背面図、図5は筐体内部の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、図3及び図5に示すように、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。
以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、図5に示すように、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、図4に示すように、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、図1に示すように、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、図1、図3及び図4に示すように、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の係止金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と係止金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1及び図2に示すように、遊技者に遊技状態を報知する表示パネル(「装飾体」と表現することもある。)30が設けられている。表示パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。さらに表示パネル30の左右には裏面側から照らされて明るく表示されることで、遊技者の興趣を向上させる演出等を行うための絵柄等が描かれている。
この表示パネル30の裏面には、表示パネルの各表示窓31L,31M,31Rから後述するリールの絵柄を視認することができるよう、その中央部が開口するほぼ矩形枠形のパネルユニット201が固定されている(図3、図4参照)。
表示パネル30の裏面側にはランプ、7セグメント表示、LED、液晶表示等を行う各種表示装置が配置されており、各種表示装置のほとんどは、各々所定のプリント基板(表示パネル用基板220(220R,220M,220L))上にLED(光源)等が一体的に取り付けられて形成されている。そして各種表示装置を配したプリント基板がパネルユニットの枠型に固定されることで各種表示装置が表示パネルの裏面に配置されてパネルユニットが構成される。
図6にパネルユニットの分解斜視図を示した。このパネルユニット201は、中央部を開口するほぼ矩形枠形の枠型体303と、各種表示装置(図示せず)などが配置された表示パネル用基板220から構成され、表示パネル用基板220は枠型体303の裏面側に固定されている。
この枠型体303は複数の各種表示装置の台座となるものであるが、各表示装置の光が他の表示領域に漏れないようにするための機能も有している。図で示したスロットマシン用のパネルユニット201では、表示パネルに描かれた絵柄に対応するように、枠型体303の左右の部分のランプハウジング205が6つの区画Sに分割されている。各区画には裏面側から取り付けられた表示パネル用基板220上の表示装置(図示せず)がそれぞれ配置されるようになっている。ここで、この区画は照射された絵柄に隣接する絵柄には光が届かないように仕切り板(壁面)によって仕切られて形成されている。
そしてスロットマシン等の機種変更や表示パネルに傷がついたり破損した場合などに、筐体や前面扉ごと交換することなくその表示パネルのみを簡単に交換出来るように、表示パネルは前面扉に対して着脱自在に構成されている。
図3等に示すように、筐体11は分割横板40によりその内部が上下2分割されており、分割横板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状に構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。
各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール2L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがモータプレート53に固定されたリール駆動モータ(ステッピングモータ)61L,61M,61R(図8参照)に連結されており、各リール駆動モータの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
各リール42L,42M,42Rは、円筒状の枠を形成するリール枠50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のリールテープとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、リールテープの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介してリール枠50に貼付されている。前記リールテープの外周面には、識別情報としての絵柄が等間隔ごとに多数印刷されている。
各リール42L,42M,42Rの各リールテープ上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の絵柄が描かれている。従って、所定の位置においてある絵柄から次の絵柄へ切り替えるにはリール駆動モータ61L,61M,61Rが24パルス(=504パルス÷21絵柄)を生成する。そのためリールインデックスセンサ55(図7、図8参照)の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの絵柄が表示窓31(31L,31M,31R)から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の絵柄をリール表示窓31から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された絵柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な絵柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の絵柄が遊技者に視認可能な状態となる。
また、各リール42L,42M,42Rには、リールテープを内側から照らすバックライト装置100L,100M,100Rが、図7〜図9に示すように、各リール42L,42M,42Rの内側面側に配置され、所定のモータプレート53(53L,53M,53R)にネジ106により固定されている。
バックライト装置100L,100M,100Rは、図7〜図9に示すように、各リール42L,42M,42Rと1対1に対応させて取り付けられており、左バックライト装置100L、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rから構成される。各バックライト装置100L,100M,100Rは、リールユニット41内において、前述したように、各リール42L,42M,42Rに対応させて配置されたモータプレート53の側面の表示パネル側に取り付けられている。そして、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されている。
図10は左バックライト装置100Lの正面図である。なお各バックライト装置100L,100M,100Rがいずれも同一構造であるため、左バックライト装置100Lを代表として描いている。
図10に示すように、左バックライト装置100Lは、前方側が開放された箱形状であって上下方向の長さ及び左右方向の長さが表示窓31L(図1)とほぼ同じ長さであるベース101Lを備えている。ベース101Lは、その開口領域を区切る隔壁が等間隔に上下に2個形成されていることにより、第1開口領域102L、第2開口領域103L及び第3開口領域104Lが上・中・下段に並ぶ構成となっている。そして、前面扉12を閉じた状態においては、各開口領域102L,103L,104Lはそれぞれ表示窓31Lの上・中・下段に対応した位置の後方に位置することとなる。具体的には、第1開口領域102Lは表示窓31Lの上段付近の後方に位置し、第2開口領域103Lは表示窓31Lの中段付近の後方に位置し、第3開口領域104Lは表示窓31Lの下段付近の後方に位置する。また、第1開口領域102Lの開口前面は若干上方を向いており、第3開口領域104Lの開口前面は若干下方をむいている。従って、ベース101Lの側面は表示パネル30側に向けて膨らんだ円弧状となっている。
これら各開口領域102L,103L,104Lには、LEDからなる4個ずつのバックライト105が前方に向けて起立するように配設されている。そして、各開口領域102L,103L,104Lにおけるバックライト105は、所定間隔を隔てて上下2列に分けて2個ずつ配置されており、各列のバックライト105は所定間隔を隔てて水平となるように並んでいる。即ち、左バックライト装置100Lには、第1開口領域102Lの上の列である第1ラインL1及び下の列である第2ラインL2並びに第2開口領域103Lの上の列である第3ラインL3及び下の列である第4ラインL4並びに第3開口領域104Lの上の列である第5ラインL5及び下の列である第6ラインL6というように、隔壁を挟んで上下方向に合計6列のバックライト105のラインが存在することとなる。そして、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにも合計6列のバックライト105のラインが存在しており、上述したように、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されているので、各バックライト装置100L,100M,100Rの各ラインL1〜L6は、それぞれ同一ライン上に位置することなる。即ち、ラインL1は、各バックライト装置100L,100M,100Rの第1開口領域102L,102M,102Rの上の列に配設された合計6個のバックライト105を水平に結んだラインということになる。他の各ラインL2〜L6についても同様である。また、各バックライト105は、ラインL1〜L6ごとに制御される。従って、ラインL1〜L6ごとにバックライト105の点灯及び消灯が行われる。
各ラインL1〜L6上のバックライト105が点灯することにより、各リール42L,42M,42Rのリールテープのそれぞれ異なる位置が後方から赤色に照らされることとなる。なお、上述したように、各ベース101L,101M,101Rが隔壁により3つの開口領域102〜104に区分されている。従って、第1ラインL1及び第2ラインL2上のバックライト105が点灯した場合には、表示窓31L,31M,31Rの上段に対応した位置付近のリールテープの内側面のみが照らされ、表示窓31L,31M,31Rの中段及び下段に対応した位置付近のリールテープの内側面は照らされない。これは他のラインL3〜L6上のバックライト105が点灯した場合も同様である。上述したように、リールテープは照射された光をある程度透過することができる材質の材料により形成されているので、バックライト105によってリールテープが後方から照らされると、リールテープを透過した光が表示窓31L,31M,31Rを介して遊技者に視認される。これにより、遊技者に当該光が照射されている部分のリールテープの外側面が、赤くなっていることを視認させることができ、リールテープの光が照射されている部分に付されている絵柄を他の部分に付されている絵柄よりも強調することができる。例えば、ラインL1及びラインL2上のバックライト105が点灯することにより、表示窓31L,31M,31Rの上段に対応した位置付近のリールテープが赤くなり、表示窓31L,31M,31Rの上段に対応した位置付近のリールテープに付されている絵柄を強調することができる。また、各リール42L,42M,42Rが回転しているときは、点灯しているバックライト105の前方を通過するリールテープに付された絵柄が強調されることとなる。なお、各バックライト装置100L,100M,100Rのバックライト105は、後述する同期変動が行われる際に所定のパターンで点灯され、同期変動が行われない際は基本的に消灯している。この同期変動が行われていない間の各リール42L,42M,42Rのリールテープに付された絵柄を照らす光源として、図示しないフロントライトが前面扉12の背面側であって表示窓31L,31M,31Rの上方に配設されている。また各バックライト装置100L,100M,100Rのバックライト105の代わりに、たとえば液晶装置を光源として用いることによって、リールテープに付されている絵柄を後ろ側から照らしてこれを強調してやることもできる。
表示パネル30には、図1に示すように、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に絵柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
次に、各リール42L,42M,42Rに付される絵柄について説明する。
図11には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるリールテープに描かれた絵柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の絵柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
絵柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別絵柄としての「7」絵柄(例えば、左リールテープ第20番目)と「青年」絵柄(例えば、左リールテープ19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別絵柄としての「BAR」絵柄(例えば、左リールテープ第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別絵柄としての「リプレイ」絵柄(例えば、左リールテープ第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役絵柄としての「スイカ」絵柄(例えば、左リールテープ第9番目)、「ベル」絵柄(例えば、左リールテープ第8番目)、「チェリー」絵柄(例えば、左リールテープ第4番目)がある。そして、各リール42L,42M,42Rに巻かれるリールテープにおいて、各種絵柄の数や配置順序は全く異なっている。
ここで、入賞となった場合の各絵柄に関する払出枚数について説明する。小役絵柄に関し、「スイカ」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」絵柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」絵柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」絵柄に限っては、他の絵柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」絵柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の絵柄に関しては、第1特別絵柄(ビッグボーナス絵柄)の組合せである「7」絵柄又は「青年」絵柄が同一絵柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別絵柄(レギュラーボーナス絵柄)の組合せである「BAR」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」絵柄と「チェリー」絵柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別絵柄の組合せである「リプレイ」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」絵柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一絵柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
表示パネル30の下方左側には、図1に示すように、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、各リール42L,42M,42Rが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、図3及び図4に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ83によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。セレクタ83には、後述するメダル通路切替部材84が設けられ、そのメダル通路切替部材84の状態に応じてメダルの通過方向が排出用通路82側か、貯留用通路81側かで切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返却される。
図12は、セレクタ83の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ83には、メダル投入口75から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ83を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
メダル通路切替部材84は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片84aと、この通路切替片84aを動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路85内に通路切替片84aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路85外に通路切替片84aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
通路切替片84aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材84のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路84の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材84のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が順次検出される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、図3及び図5に示すように、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている(図1参照)。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
図3および図5に示した筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、図5に示すように、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。
図1に示すように、表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
表示パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ83により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に例えば映像などの演出効果向上のための各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示装置(液晶パネル)によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示装置を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って表示による演出を実行するためのものである。そして、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部と称している。補助表示部15の表示は表示パネル30の表示窓31L,31M,31Rと同程度の面積を有する矩形状をしており、補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
以上に説明したスロットマシンはいわゆる1枚賭の機種であるが、スロットマシンにはその他にも図13に正面図で示した機種のようないわゆる3枚賭専用のものもある。このスロットマシンでは上記した組合せラインは付されているものの、図1のスロットマシンのように有効ライン表示部は設けられていない。そしてその代わりにこの部分(表示窓31Lの左側)には、その上半分のスペースにキャラクタなどの絵柄52aが描かれ、下半分のスペースには「左」「中」「右」の文字が書かれた3つの表示領域である指示表示部51L,51M,51Rが設けられている。この指示表示部51L,51M,51Rは遊技者に対して当選した役を揃えるための指示を与えるための表示であり、ストップスイッチ72,73,74の押し順をガイドすべく所定の順番で明るく表示されるようになっている。また表示窓31Rの右側の領域には遊技者の興趣を向上させるための絵柄52bが描かれており、この絵柄も遊技中所定のタイミングで明るく表示されるようになっている。なおこのスロットマシン10は3枚賭専用の機種であるため、図1等に示した第2クレジット投入スイッチ78や第3クレジット投入スイッチ79は設けられておらず、第1クレジット投入スイッチ77のみが設けられている。
そして、実際のメダル3枚が投入されるかクレジットされた仮想メダルが3枚分投入されて初めて、スタートレバー71の操作により各リール42L,42M,42Rが回転を開始するようになっている。ここで3枚賭専用の機種であっても当然、通常のスロットマシンでメダルを3枚投入した時と同様に、中央ライン、上ライン、下ライン、一対の斜めラインの合計5本の組合せラインの全てが有効ラインとなっている。それ以外の点については通常のスロットマシンと3枚賭専用スロットマシンとで特に大きく異なる点はない。
なお上述のように3枚賭専用のスロットマシンでは、第2クレジット投入スイッチや第3クレジット投入スイッチがその外装には設けられていないが、その内部構造としては各スイッチに対応可能となっているため、必要に応じて操作パネル59の交換や一部改変などによりスイッチを設けてやることができるようになっている。
本発明は、図1や図13で説明したような基本構造のスロットマシン10などの遊技機に、後述する演出体ユニットを用いて独立演出体により今までにない新たな演出効果を付与して遊技の興趣をさらに高めることができるようにしたこと、およびそれに伴いその独立演出体の動作の完了を補償・補完するための機構を備えたことにその特徴がある。
すなわち本発明は、遊技機本体側(演出体を除く遊技機本体部分のことであり、実際には後述する枠体部分(本体部)を意味する)との電気的接続なしに独立して演出動作を行う役物などの演出体(独立演出体)を動かしたり独立演出体の付属物の発光や動きを制御することを可能とし、また、見栄えの悪い配線を排除してキャラクタなどの独立演出体の動きの制約をなくして、独立演出体が視認領域内であたかも浮いているようにこれを動かすことができるようにしたことおよび万が一独立演出体が意に反して所定の演出動作を完了できないときなどであっても、独立演出体を所定の待機位置まで移動させる移動手段を備えたことをその技術的特長としている。
以下、独立演出体に所定の動作をさせるための演出体ユニットの構造について説明したあとに、本願発明の特徴的部分である演出体ユニットおよび演出体ユニットの一部を構成し、独立演出体の動作の完了を補償・補完する機構である移動手段等について詳細に説明する。
[実施例1]
図14乃至図16に遊技機の正面に取り付けられる演出体ユニット500の斜視図を示した。なおこの演出体ユニット500には補助表示装置15となる液晶表示装置やその他の付属物が後ろ側から取り付けられて、そのあとに遊技機の前面扉12に取り付けられるが、本説明で用いた各図では液晶表示装置等は省略して表現している。
この演出体ユニット500は、遊技機正面の液晶表示装置と、その画面を覆うように取り付けられる本体部510と、本体部上で演出動作を行う独立演出体550とから構成されている。
演出体ユニット500の本体部510は、中央部に開口を有し演出体ユニットの外形をなす枠体512と、枠体の開口部に取り付けられるガイド板514と、ガイド板との間に一定の隙間空間を形成するように間隔をあけて枠体に取り付けられるカバー板516と、ガイド板を枠体に対してスライド移動させるための切換装置518と、独立演出体550を所定の位置まで移動させるための移動手段600および移動手段を移動させるための駆動機構610等を備えている。
ガイド板514は液晶表示装置の矩形の画面よりも一回り程度大きな大きさで5mm程度の厚みの無色透明の樹脂製の略矩形平板であり、液晶表示装置の画面と僅かな隙間をあけて画面を覆うことができるように枠体の開口部部分に取り付けられている。そして液晶表示装置の画面と対面する面の裏面には、左右に横断する上中下段の3条のレール溝522(522a,522b,522c)(ガイド部)が形成されている。このレール溝522は後述する独立演出体550をこれに沿って動かすためのガイドとなるもので、その幅及び深さは共に3mm程度となっている。そして上中下段の3条のレール溝522は、それぞれが交差することなく、その左右両端部が1cmづつ離れて平行(水平)に並ぶ一方、その中央部が、上段のレール溝522aは上向きに湾曲し、中段のレール溝522bは一直線に伸び、下段のレール溝522cは下向きに湾曲して形成されている。なおレール溝522の数や道筋は上記に限られるものではなく、独立演出体550を動かしたい任意の道筋に形成することができ、例えば4条以上のレール溝を形成したり、レール溝の道筋を交差させたりすることも可能である。
またガイド板514の右側辺の下側には後述する切換装置518の歯車519とラック−ピニオン式に噛み合う凹凸歯515が形成されている。そして独立演出体550は切換装置518による切り換え動作により、演出の種類によってこれらのレール溝522(522a,522b,522c)のいずれかを選択的にたどることができるようになっている。
カバー板516は枠体の大きさより一回り小さな無色透明のガラス製の矩形平板であり、ガイド板との間に1cm程度の幅の空間が形成されるように間隔をあけて枠体512の前面側に取り付けられており、枠体にカバー板が取り付けられることで演出体ユニット500の前面が構成される。
なお遊技機10の前面扉にその裏側から演出ユニット500が取り付けられると液晶表示装置の画面部分のみが前面パネル(前面扉の上部前面を構成する意匠パネル)の窓から表出しその他の部分は前面パネルの絵柄等の後ろに隠れるようになっているため、後述する切換装置518や待機位置にある時の独立演出体550などが遊技者から見えることはない。
枠体512は、液晶表示装置の矩形の画面を見ることができるように画面と同じ大きさの開口部が形成された有色の矩形枠であり、枠体を構成する上下左右4辺のうち左右の2辺は幅が広く、上下辺はそれに比して幅が少し狭く形成されている。またこの枠体512の左右の辺には開口部を覆うようにして上記ガイド板514を上下に滑らかにスライド移動可能な状態で嵌め込むための差込み溝(図示せず)がその縦方向に形成されている。そしてこの枠体512の左右2辺の前面中央部には、それぞれ幅方向(水平方向)に伸びる1本のレール溝522’が刻まれている。このレール溝522’は枠体の右下に設けられた下記の切換装置518を用いてガイド板514を上下動させることで、上記ガイド板の3条のレール溝522(522a,522b,522c)のうちのいずれかと一連するように滑らかに段差なくつながって一本のレール溝をなすようになっている。
さらに枠体512の左辺のレール溝522’の左端近傍には、あとで説明する独立演出体550に電力を供給し指令信号を伝達するための接続端子台524が設けられている。
またこの枠体512の上辺部分には後述する移動手段600およびこれを動かすための駆動機構610が設けられている。
図17に拡大して斜視図で示した切換装置518は、制御装置(後述する図21を参照)からの電力の供給により駆動する切換用モータ520と切換用モータの軸に取り付けられた歯車519等から構成されて枠体512の右辺下部に組み込まれており、上記ガイド板514の右側辺下側の凹凸歯515と噛み合わせた歯車519が回転することで、図の状態からガイド板を下側に2cmの範囲でスライド移動させることができるようになっている。したがってガイド板514が一番下まで下がった状態では枠体512の左右の辺に形成されたレール溝522’はガイド板の上段のレール溝522aとつながり、ガイド板が1cmせり上がった状態では枠体の左右の辺に形成されたレール溝はガイド板の中段のレール溝522bとつながり、ガイド板が一番上まで上がった状態(2cmせり上がった状態)では枠体の左右の辺に形成されたレール溝はガイド板の下段のレール溝522cとつながって一本のレール溝をなすこととなる。
図18(a)に独立演出体550を底面側から見た斜視図を、図18(b)に独立演出体の内部構造を説明するための図を示した。この独立演出体550は高さが1cm程度で全長5cm程度、全幅2cm程度の大きさを有する略直方体形状をした車両のような形状をしたいわゆる演出用役物であり、底面556側に4つの主車輪552が同一方向を向けて取り付けられている。そして独立演出体550の天面554は底面556と平行する平板となっており、そこにはキャラクタの絵柄などが描かれている(図示せず)。また独立演出体550の底面556には下方に4mm程度の長さで伸びる突起部558が独立演出体の長手方向に所定間隔をあけた2箇所に並んで設けられており、図19に示したように、これらの突起部558が上記ガイド板のレール溝522および枠体のレール溝522’に落とし込まれることで、独立演出体はレール溝に沿って動くようになっている。
ここで独立演出体550は、ガイド板514とカバー板516との間に形成された空間内で、その主車輪552がガイド板514と接触しながら回転し、またその天面554がカバー板516と接触して摺動することで、両板に挟まれながらレール溝522,522’に沿って滑らかに動くことができる。そのためこの突起部558の先端は球体のごとき形状となっており、レール溝522,522’との摩擦抵抗ができるだけ少なくなるようになっている。なおこの突起部558をレール溝522,522’内で溝方向に回転する車輪などにしてやってもよい。さらに独立演出体550の天面554に従車輪を設け、カバー板516と天面とが直接接触しないようにしてやることも好ましい(図示せず)。
また図18に示したように、この独立演出体550の天面554と底面556の間には、主車輪552を回転させるモータ562(演出実行部)、モータに電力を供給する充電池564(充電部)、モータの回転等の演出動作を制御するための記憶装置を包含した中央処理装置566(演出制御部)などが設けられており、また、この独立演出体が枠体512の左辺のレール溝522’の左端位置(この位置を「待機位置」という。)に来た際に、上記接続端子台524の接点と接触して遊技機本体側と独立演出体とを電気的に接続する接続端子572(電力供給部および指令信号伝達部)が設けられている。すなわち図20に斜視図で示したように、枠体512の接続端子台524と独立演出体550の接続端子572とは、独立演出体が待機位置まで移動した際に、接地線(グランド線)、プラス線、指令信号線の3つの接点が接触することで電気的接続が行われるようになっている。
そして図21の演出体ユニットの回路図で示したように、独立演出体550が待機位置にあるときにはその接続端子572が遊技機本体側の接続端子台524に接触し、遊技機本体側の接地線およびプラス線が独立演出体の充電池564と電気的に接続されることで回路が形成され、これにより充電池への充電が行われる。また独立演出体550が待機位置にあるときには、遊技機本体側の接地線と指令信号線が独立演出体の中央処理装置566と電気的に接続されることで回路が形成され、遊技機本体側から独立演出体のモータ562の回転を制御するための指令信号が中央処理装置に伝達されて一時的に記憶される。この指令信号は、モータ562の回転速度および回転方向を時間と関連付けたプログラムデータであり、中央処理装置566の制御によって、独立演出体550に所定のタイミングおよび所定の速度で、レール溝522,522’に沿って前進や後進による演出動作を行わせることができる。
遊技機本体側には電源基板582および電源基板に接続されて電力の供給を受けるサブ制御基板584が備えられ、このサブ制御基板から伸びた配線が枠体512の接続端子台524につながれている。なおサブ制御基板584には接続端子台524に独立演出体550の接続端子572が接触して通電状態にあるか否かを判断するためのセンサ586が設けられており、このセンサによって独立演出体が待機位置にあり遊技機本体側と独立演出体との電気的接触がなされているときのみ、独立演出体の充電池564に電力を供給しまた指令信号を伝達するようになっている。
なお中央処理装置566の記憶装置に独立演出体550を所望の動作で動かすための様々な制御パターンをプリセットして記憶させておくことで、指令信号線を通じて独立演出体の中央処理装置に伝達する指令信号をプリセットした制御パターンのいずれか一つを選択するための単なるトリガー信号とすることもできる。この場合、トリガー信号を受信した中央処理装置566は、これをきっかけに所定の制御パターンを中央処理装置566の記憶装置から呼び出し、その制御パターンにしたがって主車輪552を回転させて独立演出体550に演出動作をさせることとなる。
また詳細な説明は省略するが、他の演出実行部として、独立演出体550の天面554などにLEDなどの光源を設けたり、独立演出体の天面部分全体や独立演出体に取り付けた可動小物を回転や振動させる他のモータを設けたりして、これを上記モータ562の制御と同様に、独立演出体が待機位置にあるときに指令信号を遊技機本体側から中央処理装置に伝達して一時的に記憶させ、これを基にした制御によって光源を所定のタイミングで点灯・点滅させたり、他のモータを所定の方向に回転や振動等させたりすることもできる。もちろん光源の点滅パターンや他のモータの制御パターンをプリセットしておくことで、指令信号を単なるトリガー信号とすることができることも上記と同様である。
なお上記では遊技機本体側の接続端子台524と独立演出体550の接続端子572とが離隔して独立演出体と遊技機本体との物理的接触による電力供給が遮断された状態で、充電池からの電力供給により独立演出体に演出動作を行わせるものであるが、例えば近年電化製品にも採用されることがある電磁誘導方式や磁気共鳴方式による送電の原理を応用し、遊技機本体側に1次コイル、独立演出体に2次コイルを備え電磁誘導や磁気共鳴による起電力を2次コイルに発生させることで、遊技機本体側から独立演出体に非接触で電力を供給するようにすることも可能である。この場合には、待機位置における端子接触による充電池への電力供給機構を不要としたり、供給した電力により独立演出体に設けたモータやLEDなどを直接動作させることができるのであれば充電部自体をなくしたりすることも可能となる。
また図14乃至図16に示したように、この枠体512の上辺部分には、次に説明する移動手段600を枠体の左右方向にスライド移動させる駆動機構610が設けられている。この駆動機構610は枠体上辺の左右にそれぞれ取り付けられた滑車610a、この滑車間に掛け渡された環状のベルト610b、このベルトの直下に位置し移動手段の左右方向へスライド移動させるために枠体の左右方向に伸長する丸棒であるガイドレール610c、右側の滑車を回転させるための動力となるドライブモータ610d等から構成されている。このドライブモータ610dの駆動は主制御装置131からの電力の供給により行われ、このドライブモータの回転軸に取り付けられた右側の滑車610aが回転することで、左右の滑車間に架け渡したベルト610bが周方向にドライブするようになっている。
移動手段600はその上端部が左右の滑車610a間に架け渡した環状のベルト610bのうちの上側のベルトを把持するように取り付けられ、また下側のベルトをくぐるように越えてガイドレール610cにスライド可能に取り付けられた基台部600aと、独立演出体が走行するガイド板514とカバー板516との間の空間内で基台部から伸びて枠体512下辺近傍まで伸長する幅が1cm程度の透明な平板棒である掃出部600bから構成されている。そのためドライブモータ610dを回転させることでベルト610bをドライブさせると、基台部600aから伸長する掃出部600bをガイドレール610cに沿って左右方向にスライド移動させることができる。
以上のように構成された演出体ユニット500では、独立演出体550が待機位置にあるときには常時その充電池564に充電が行われており、また例えばリーチアクションなどの演出において独立演出体を動作させようとする場合には、指令信号線を通じて指令信号を独立演出体の中央処理装置566に伝達してその記憶装置に所望の演出動作を行わせるため制御パターンを一時的に記憶させた後に、独立演出体のモータ562をその制御パターンに基づき駆動させることで、独立演出体は待機位置を離れて独立走行を始める。
ここで枠体512に設けた切換装置518の制御を独立演出体550の走行開始前に行い、ガイド板514を上下方向にスライドさせることで、独立演出体が走行する道筋となる上中下段のいずれかのレール溝522(522a,522b,522c)の選択が行われる。なお独立演出体550は枠体512の左側の待機位置からガイド板514を横断して枠体の右側に走行し、それから再びガイド板を横断して枠体左側の待機位置に戻る往復動作を行うが、その往路と復路は同じレール溝522を通って同じ道筋を辿ってもよいし、独立演出体が枠体の右側位置にあるときに切換装置518によってガイド板を上下方向いずれかにスライド移動させることで、往路と復路で異なるレール溝を通って異なる道筋を辿るようにしてやってもよい。
なお独立演出体550は遊技機10の表面の視覚領域であればどの位置で動かしてやってもよいが、本実施例のように液晶表示装置の画面の前側で動くようにし、例えば画面に表示されたアニメーションと関連付けて独立演出体を動作させることで、その特徴を最大限活用して遊技の興趣をより一層高めることができる。
また独立演出体550と遊技機本体とを接続する配線を排除すれば、当然配線に曲げ伸ばしの繰り返しの屈曲ストレスや他の部分と接触して擦れることによる断線や破断が発生することはない。
上記のように独立演出体550は、搭載した充電池564からの電力供給を中央処理装置566による制御に基づいて行い、モータ562の回転を調整することで自走による演出動作を行う。
ここで例えば充電池564への充電が不十分でありモータ562への電力供給が演出動作の途中で途絶えてしまったり、独立演出体550の主車輪552が演出動作の途中で空転してしまったりすることが原因で、遊技者の視認領域等で独立演出体が停止してしまう可能性も0ではない。そのためこのような事態が発生した場合をも想定して、演出途中で停止してしまった独立演出体550をその待機位置まで戻してやる必要がある。
すなわち本発明の目的は、独立演出体550に遊技機本体側から離隔して電気的接続なしに自走による演出動作をさせる場合に、不測の事態等により演出動作の途中で停止してしまった独立演出体の演出動作の完了を補償・補完することにあり、具体的には何らかの事情により待機位置まで戻ってこなかった独立演出体を強制的に待機位置まで押し戻してやることにある。
そのため例えば、独立演出体550が予定された演出動作を終了して待機位置まで戻ってくる時間が過ぎた時点で、毎回駆動機構610のドライブモータ610dを回転させてベルト610bをドライブさせ、基台部600aから下方に伸長する掃出部600bを枠体512の右辺側から左辺側に移動させることで、仮に独立演出体が演出動作の途中で停止してしまった場合であってもこれを掃出部により押し出して枠体左辺の待機位置まで戻してやることができる。なお掃出部600bはその後駆動機構610のドライブモータ610dを逆回転させることで枠体512の右辺側まで移動して停止し、次の独立演出体550の演出動作に備えて待機することとなる。
または独立演出体550の演出動作終了時に、サブ制御基板584が枠体512の接続端子台524が独立演出体550の接続端子572と接触して通電状態にあるか否かをセンサ586により確認し、このセンサによって独立演出体が待機位置にあり遊技機本体側と独立演出体との電気的接触がなされていることが確認できない場合にのみ駆動機構610のドライブモータ610dを回転させて掃出部600bを移動させるようにしてやってもよい。もちろん駆動機構610の稼働を、演出動作終了時に必ず実施するようにしたり、電源投入時やリセット時に必ず実施するようにしてやってもよい。
なお掃出部600bは透明な平板棒であるため遊技者の目障りにはあまりなるものではないが、この掃出部に絵柄や光源などを備えてやることで積極的に遊技者の視覚を刺激するような演出物としてやることも勿論可能である。またこの例では移動手段600が独立演出体500を押し出すようにして待機位置までこれを戻しているが、移動手段としてはその他にも独立演出体をカギ状のフックで引っ掛けたり磁石で引き付けたりして待機位置まで引き戻すようにしたり、独立演出体を風圧を利用して待機位置まで移動させるようにしてやってもよい。
このように本実施の演出体ユニット500を用いた遊技機10によれば、キャラクタなどの独立演出体550を遊技機本体側との配線接続なしで所望の動作をさせて遊技の興趣を高めることが可能となるが、独立演出体が不測の事態等により演出動作の途中で停止してしまった場合(もちろん意図的に遊技者の視認領域で独立演出体が停止するようにその動作をプログラムしておくことも可能である。)であってもその演出動作の完了を補償・補完することで、独立演出体を次回の演出動作のために待機位置で待機させることができる。
また本実施例の変形例として独立演出体550が充電部564を備えず、例えば配線がプリントされた導電性ガラスを利用して外部(遊技機本体側)からの電源供給により自走による演出動作を行わせる仕組みの演出体ユニットにおいて、中央処理装置に一時的に記憶された独立演出体550の演出動作を司る指令信号が何らかの理由によって途絶えたり暴走してしまい、独立演出体が所定の演出動作を完了せず待機位置まで戻ってこない場合等であっても、駆動機構610の駆動により掃出部600bを移動させることで独立演出体を押し出して待機位置まで強制的に戻してやることができ、独立演出体を次回の演出動作のために待機させることができる。
なお電源供給を(独立)演出体と遊技機本体側とをつなぐ実配線によって行う場合であっても、移動手段を用いて演出動作の完了を補償・補完するようにすることも勿論可能である。
[実施例2]
上記実施例1では独立演出体550はガイド板514に形成したレール溝522をたどるようにして動くものであるが、本実施例では独立演出体の動く道筋のバリエーションをより多様化すべく、独立演出体自体に舵取り機能を持たせたものである。したがって枠体512に切換装置518を設けることやレール溝522’を形成すること、ガイド板514にレール溝522や切換装置の歯車519と噛み合う凹凸歯515を形成してやることは必要なく、ガイド板が上下にスライド移動可能となっている必要もない。すなわちガイド板514およびカバー板516は1cm程度の隙間を空けた状態で共に枠体512に固定されており、その隙間内において独立演出体550が所定の範囲で自由に動くことができるようになっている。
図22に遊技機の正面に取り付けられる本実施例の演出体ユニット500を正面側から見た斜視図を示した。
独立演出体550が走行することができる所定の範囲は枠体512により規制されており、枠体の左辺部分を除きほぼ枠体の外周縁近傍まで自由に走行することができる一方、枠体の左辺部分では独立演出体が左方へ走行すると枠体左辺中央部分に設けた接続端子台524に強制的に導かれるように走行できる範囲が接続端子台に向かってテーパー状に狭まっている。すなわち枠体の左辺部分では独立演出体550の主車輪552が越えることができない段差592が接続端子台524に向かってテーパー状に形成されている。そのため独立演出体550が枠体512の左辺左端まで走行してきた際には、独立演出体が待機位置に自然に導かれてその接続端子572が接続端子台524と電気的に接続されることとなる。なお待機位置にある独立演出体550は振動等の影響でその接続端子が接続端子台から外れてしまうことのないよう、安定した状態で静置できるようになっている。
ここで上記実施例1では1つのモータ562を制御することで主車輪552を駆動して独立演出体550の前進後進のみを制御するものであったが、本実施例の独立演出体は主車輪の左右の前輪(または後輪)用にそれぞれ独立してモータを設け、その2つのモータの回転を制御することで独立演出体を舵取り制御可能となっている。なお2つのモータ552を設ける以外にも、独立演出体550にステアリング機構を設け、その舵角を制御するようにしてやってもよい。またこの独立演出体550には、実施例1のもののような突起部は設けられていない。
また重複した説明は省略するが、この演出体ユニット500には実施例1と同様の構造の駆動機構610および移動手段600が設けられている。そのため何らかの理由により独立演出体550が演出動作の途中で停止してしまったり暴走してしまったりし演出動作を完了せず待機位置まで戻ってこない場合等であっても、駆動機構610を駆動して移動手段600を移動させることで独立演出体を押し出して待機位置まで強制的に戻してやることができる。ここで枠体512の左辺部分は上述したように、独立演出体550が左方へ走行すると枠体左辺中央部分に設けた接続端子台524に強制的に導かれるように走行できる範囲(空間)が接続端子台に向かってテーパー状に狭まっている。そのため、移動手段600により左側に押し出された独立演出体550は枠体のテーパー部分に沿って接続端子台524に自然に導かれることとなる。なお移動手段600により導かれた独立演出体550の接続端子572が遊技機本体側の接続端子台524と確実に接続することができるよう、必要に応じて独立演出体の各所(例えば前後両端)に接続端子を設けてやることも好ましい。
この演出体ユニット500でも実施例1と同様に独立演出体550が待機位置にあるときに、その充電池564への充電と中央処理装置566への指令信号の伝達が行われる。この指令信号は左右の車輪用の各モータ562の回転速度および回転方向を時間と関連付けたもので中央処理装置566に一時的に記憶してもよいし、または左右の車輪用の各モータについてプリセットした所望の制御パターン(回転速度および回転方向を時間と関連付けたもの)を呼び出すためのトリガー信号であってもよいことも上記と同様である。
さらに独立演出体550にLEDなどの光源を設けたり、独立演出体の天面自体や独立演出体に設けた可動小物を回転や振動させる他のモータを設けたりして演出効果をさらに高めることが好ましいことも上記と同様である。
本実施例の演出体ユニット500によれば、ガイド板514とカバー板516との間に挟まれた独立演出体550を、レール溝522を用いることなく制御パターンにしたがって自由に走行させることができるため、多種多様な道筋でこれを走行させることで今までにない新たな演出効果を付与して遊技の興趣をさらに高めることが可能となるが、独立演出体が仮に不測の事態等により演出動作の途中で停止してしまった場合であってもその演出動作の完了を補償・補完することで、独立演出体を次回の演出動作のために待機位置で待機させることができる。
[実施例3]
上記実施例1および2では独立演出体はミニカーのごとき演出物に自走による演出動作を行わせるものであったが、本実施例の独立演出体(の演出物)には泡(気体)が用いられる。
図23に遊技機の正面に取り付けられる本実施例の演出体ユニット500を正面側から見た斜視図を示した。本実施例の演出体ユニット500は、遊技機正面の補助表示部15(液晶表示装置)と、その画面を覆うように取り付けられる本体部510と、本体部上で演出動作を行う独立演出体550である泡を発生させる泡発生機構630とから構成されている。なお本説明で用いた図では液晶表示装置等は省略して表現している。
演出体ユニット500の本体部510は、中央部に開口部を有し演出体ユニットの外形をなす枠体512と、枠体の開口部に取り付けられた液体を溜め置くための水槽620と、水槽の壁面に付着した演出物たる泡を拭い去るための移動手段600および移動手段を移動させるための駆動機構610等を備えている。なおハッチングは水槽620内に満たされている液体を表している。
枠体512は、液晶表示装置の矩形の画面を見ることができるように画面と同じ大きさの開口部が形成された有色の矩形枠であり、枠体を構成する上下左右4辺のうち左右の2辺は幅が広く、上下辺はそれに比して幅が少し狭く形成されている。またこの枠体512には、次に説明する水槽620をその開口部手前側に保持することができるようになっている。
枠体512の開口部に取り付けられ液体を溜め置くための水槽620は、上面を開放する枠体の開口部の大きさより一回り大きな無色透明な樹脂製の容器であり、その内部空間の厚みが1cm程度の薄い直方体となっている。そしてこの水槽620の底部には水槽内部に泡を送り出すための複数の小穴630aが一列に形成され、左端を閉口し右端を外部と連通する管である導入パイプ630bが横たわっている。この導入パイプ630bの右端は水密を保ちつつ水槽620外に1cm程度飛び出してこれが接続口をなしている。この導入パイプ630bおよびこれに形成された複数の小穴630aは後述する泡発生機構630の一部を構成する。
駆動機構610は上記実施例1で説明したものと同様であり、次の移動手段を枠体の左右方向にスライド移動させるための滑車、ベルト、ガイドレール、ドライブモータ等から構成されている。
移動手段600も上記実施例1で説明したものとほぼ同様のものであるが、基台部600aから水槽620内にその底部まで伸長する掃出部600bは、透明な平板棒の側壁に刷毛601を伸長方向に一列に設けたものとなっている。この掃出部600bの刷毛601は、駆動機構610の駆動による移動手段600の左右の移動に伴い水槽620内部の前後の壁面と接触しながらスライド移動することとなる。
演出体ユニット500の泡発生機構630は、前述の導入パイプ630bおよび小穴630a、モータの動力により稼働する小型ポンプ630c、水槽620右下側面の接続口に接続された送気パイプ630dから構成される。
そして小型ポンプ630cのモータがサブ制御基板584からの制御された電力の供給により回転することで、送気パイプ630dを通じて水槽620内の導入パイプ630bに空気を送り出すようになっている。すなわち遊技機10の演出を制御するサブ制御基板584による制御によって、小型ポンプ630により液体が満たされた水槽620内に独立演出体550の演出物たる泡を発生させることができるため、液体中を浮上する泡を液晶表示装置の画面表示の前で発生させる演出により、遊技の興趣をより一層高めることができる。なお水槽620に満たされる液体は蒸発や揮発しにくく、また、ほとんど泡立たない低界面活性のものが用いられる。
しかし、このように演出の一環として水槽620内に独立演出体550たる泡を発生させて浮上させた場合、水槽620の壁面に小さな気泡が付着してしまうことがある。水槽620の壁面に気泡が付着すると、液晶表示装置の画面表示を遊技者が見る際に目障りとなり遊技の興趣を削ぐこととなる。そのため例えば水槽620内に泡を発生させる所定の演出動作の終了時に、毎回駆動機構610を駆動して移動手段600を移動させて水槽620の壁面を移動手段の掃出部600bの刷毛601によって掃くようにしてやれば、壁面に付着した気泡を除去してやることができる。
なお掃出部600bは透明な平板棒に刷毛601を一列に設けたもので遊技者の目障りにはあまりなるものではないが、この掃出部に絵柄や光源などを備えてやることで積極的に遊技者の視覚を刺激するような演出物としてやることも勿論可能である。
このように本実施の演出体ユニット500を用いた遊技機10によれば、キャラクタなどの独立演出体550(の演出物)に泡を用いて演出を行う場合にも、水槽620の壁面に気泡が付着したま放置される状況を回避して演出動作の完了を補償・補完することができる。
なお、上記実施例では独立演出体550の演出物に泡を用いたが、それ以外にも水槽620内の液体と混ざらない比重の異なる他の液体や、金属粉やビーズなどの固体を用いることができる。その場合、他の液体や固体は、水槽620内に設けた羽根車の回転によって発生させた水勢や水槽の外部から加えた磁力等を用いて液体中を浮遊させる演出動作を行わせるようにしてやることが好ましい。そして独立演出体550による演出動作の終了時には、移動手段600により浮遊する演出物を枠体512の左右いずれか側に掃き集め、遊技者から見えない枠体の裏側でその演出物が自然に沈降又は浮上させるようにしてやるのがよい。この場合には移動手段の移動は往復動作ではなく片道動作であることが好ましい。ここで移動手段600を自動車ワイパーのごとく軸回動するものとしてやれば、水槽を密閉してやることが可能となるため便宜である。
以上に説明した本発明の本実施形態の各構成は前述したものに限るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができるのは勿論である。例えば独立演出体550に自走機構を設けず、独立演出体をカバー板516中央に固定し、また枠体512側が障子が開くようにして独立演出体から離隔することで、独立演出体が遊技機本体側との電気的接続がない状態で、演出実行部としてのLEDなどの光源を所定のタイミングで点灯・点滅させたり、独立演出体自体やこれに搭載した可動小物を回転や振動させたりするようにすることもできる。また本発明は、以上に説明したスロットマシン以外にも、パチンコ機、パロット機などの遊技機全般に利用することができる。
以下、上述した実施の形態の基礎となりうる技術から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
[遊技機1A]
電力を蓄える充電部と、遊技機本体の所定の待機位置において電力の供給を受け前記充電部に電力を送る電力供給部と、充電部からの電力供給により遊技者の視覚に訴える演出を行うことが可能な演出実行部と、該演出実行部による演出動作の制御を行う演出制御部と、を備えた独立演出体を有し、前記電力供給部が遊技機本体側の所定の待機位置から離隔した状態で、前記演出実行部が前記充電部からの電力供給により演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
[遊技機1A’]
この遊技機は遊技機1Aに改変を加えたものであり、上記では遊技機本体からの電力供給が遮断された状態で、望ましくは遊技機本体との電気的接続がない状態で独立演出体に自走や遊泳などによる演出動作を行わせるものであるが、本遊技機は電磁誘導方式や磁気共鳴方式による送電の原理を応用し、独立演出体に遊技機本体側から非接触で電力を供給することを特徴としたものである。
[遊技機2A]
遊技者の視覚に訴える演出を行うことが可能な演出実行部と、該演出実行部による演出動作の制御を行う演出制御部と、遊技機本体の所定の待機位置において遊技機本体側から前記演出制御部に指令信号を伝達するための指令信号伝達部と、を備えた独立演出体を有し、前記指令信号伝達部が遊技機本体側の所定の待機位置から離隔した状態で、前記制御部が離隔前に受信した指令信号に基づき前記演出実行部の制御を行う、ことを特徴とする遊技機。
[遊技機2A’]
この遊技機は遊技機2Aに改変を加えたものであり、上記では遊技機本体からの指令信号が遮断された状態で、望ましくは遊技機本体との電気的接続がない状態で予め記憶させた制御により独立演出体に自走や遊泳などによる演出動作を行わせるものであるが、本遊技機は電波や音波、赤外線などの無線による通信手段を用いることで、遊技機本体から独立演出体が離隔した状態においても遊技機本体側から指令信号を送信しこれを独立演出体に非接触で受信させて演出動作の制御を行うことを特徴としたものである。なおこの場合、無線送信した指令信号により独立演出体の動作を直接的に制御できるのであれば、制御信号を記憶しておくための記憶装置をなくしたりすることも可能となる。
これらの遊技機1A〜2A’によれば、独立演出体が遊技機本体側の所定の待機位置から離隔して、遊技機本体側との物理的・電気的接続がない状態であっても演出動作を行うことができるため、従来必要であった遊技機本体との配線を(少)なくして、独立演出体に今までにない新たな演出効果の付与を可能とすることができる。また独立演出体と遊技機本体側との電気的接続を行う配線が(少)なくなるため断線や破断の虞も低減することができる。
[遊技機3A]
上記遊技機1A〜2A’において、前記独立演出体には自走機構が備えられており、独立演出体が遊技機本体側との電気的接続なしに遊技者の視認可能な領域において自走による演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
独立演出体が遊技機本体側と単に離隔するだけではなく、独立演出体を電気的接続なしに自走させることで、さらに効果的に遊技の興趣を高めることができる。なお独立演出体には配線がつながれていないため、その自走動作の制限もほとんどない。
[遊技機4A]
上記遊技機3Aにおいて、前記独立演出体は透明又は半透明な平板材の表面に形成されたガイド部に沿って演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
独立演出体をガイド部に沿って走行させることで、簡易かつ確実に独立演出体に所望の走行動作をさせることができる。
[遊技機5A]
上記遊技機3Aにおいて、前記独立演出体は空隙を設けて向かい合わせた透明又は半透明な2枚の平板材によって形成された空間内においてこれらに挟まれた状態で演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
独立演出体を透明又は半透明な2枚の平板材の間に挟まれた状態で自走による演出動作を行うことようにすることで、上記遊技機4Aのようなガイド部を平板材に形成しなくとも、独立演出体自体の舵取り操作によって自由な道筋で独立演出体を自走させることができる。
[遊技機6A]
上記遊技機3A乃至5Aのいずれかにおいて、前記独立演出体は遊技機本体に設けられた液晶表示部の前側において演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
独立演出体を液晶表示装置の画面の前側で動くようにし、例えば画面に表示されたアニメーションと関連付けて独立演出体を動作させることで、遊技の興趣を飛躍的に高めることができる。
[遊技機7A]
上記遊技機1A乃至6Aのいずれかにおいて、前記独立演出体は演出動作終了が終了すると遊技機本体側の所定の待機位置に戻るように制御される、ことを特徴とする遊技機。
演出動作が終了した独立演出体を待機位置に戻るように制御することで、充電部への充電や次の指令信号の受信に備えることができる。
以下に、本発明の背景技術および本発明が解決しようとする課題についてあらためて確認のため記載する。
例えばリールユニットを備えている遊技機の一種として、円筒の外周に複数の絵柄(図柄)が描かれている複数のリールをそれぞれ回転させるスロットマシンがある。
このスロットマシンでは、遊技者がメダルを投入して遊技開始時にスタートレバーを操作すると、リールユニットの左リール、中リール及び右リールが回転し始め、その後、適当なタイミングで左リール停止ボタン、中リール停止ボタン及び右リール停止ボタンを任意の順に押すことにより各リールを停止させる。そのときに各リールの絵柄の組み合わせに応じて、所定枚数のメダルを払い出したり遊技者にとって有利な遊技状態に移行したりする。
このようなスロットマシンの本体は、前面が開口する筐体とその前面開口に開閉自在に設けられる前面扉とから構成されており、その前面扉の前面中央部には、スロットマシン内部のリールの絵柄を目視するためのリール表示窓が形成され、また例えば装飾模様等が描画された表示パネルなどの装飾体(以下、「装飾体」を「表示パネル」と表現することが多い。)が設けられている。
この表示パネルの裏面側にはランプ、7セグメント表示、LED、液晶表示等を行う各種表示装置が配置された裏面側部材(パネルユニット)が取り付けられており、これらの各種表示装置は、表示パネルの裏面側から表示パネルを照らし表示パネルを透過させた光を目視させることで、遊技者の遊技の興趣を向上させる演出を行ったりスロットマシンの内部情報を表示したりするようになっている。
また、例えば表示パネルの上側、すなわち前面扉の前面上部には補助表示部としての液晶表示装置(液晶パネル)が設けられており、この補助表示部に表示される動画などを遊技者に目視させることで、リール表示窓から見える各リールの絵柄の組み合わせや表示パネルの装飾模様の点灯・点滅等だけでなく、補助表示部に表示される動画による多様な演出によっても遊技の興趣を高めるようにした機種も多数存在する。
ここで例えば下記特許文献(特開2005−000540号公報)の「遊技台」のように、遊技機の演出の一つとして機種によってはこの補助表示部の前にスライド式の扉が設けこれを動かすことで画面を遮蔽したり、補助表示部の前にキャラクタなどの可動物が登場することで、遊技者の注意を喚起したり遊技性能を向上させる演出体を設けたものなどもある。しかし扉により画面を遮蔽したり補助表示部の前にキャラクタなどの可動物が登場させたりするだけでは遊技者に対してインパクトが少ないため、扉や可動物などの演出体にLED等の光源を載せたり、演出体の上で動く可動小物を載せたりすることで遊技の興趣をより高める工夫をしたものなどもあった。
しかしながらスライド扉や可動物を補助表示部の前で動かしたり、これら演出体に載せたLED光源を発光させたり可動小物を動かしたりするだけでは未だ十分なインパクトに欠けるため、さらに遊技の興趣を高めるための演出効果が模索されていた。
またスライド扉や可動物などの演出体を動かしたり、これらに設けたLED光源を発光させたり可動小物を動かしたりするためには、ハーネス(配線)を用いてこれらに遊技機本体側(遊技機のうち演出体以外の部分を指す)側から電力を供給してやる必要があるが、スライド扉や可動物などの演出体が動く際の配線の曲げ伸ばしの繰り返しの屈曲ストレスによる配線の断線や破断、配線が他の部分と接触して擦れることによる断線や破断が発生する可能性が高いといった問題があった。また可動小物を動かすためのハーネスは見栄えが悪いといった問題もあった。
そのため本願出願人は、例えば演出を行う役物などの演出体と遊技機本体側との電気的接続なしに独立して演出体(独立演出体)を動かしたり、独立演出体に載せたLED光源を発光させたり可動小物を動かしたりすることを可能として今までにない新たな演出効果を付与して遊技の興趣をさらに高め、また、独立演出体と遊技機本体側とをつなぐ配線をなくすことで独立演出体の動作の制約を低減すると同時に屈曲ストレスや擦れによる配線の断線や破断も少なくすることができ、また見栄えもよくすることなどができる遊技機を発案した。
しかしながら遊技機本体側との電気的接続なし自走による演出動作を行う独立演出体を採用した場合、何らかの理由によって演出体が好ましくない位置に停止してしまう虞があった。
またこのような演出体以外にも例えば容器内に満たした液体中を浮上、沈降又は浮遊させるように構成した気体(気泡)、液体(混ざらないもの)又は固体(中空体も含む)からなる演出体などを採用し、その浮上等の動作による演出を行う場合にも、演出体が液体中の好ましくない位置に停止してしまう虞があった。
本発明はこのような問題などを解決するために発案されたものであり、例えば、独立して演出動作を行う役物などの演出体の動作の完了を補償・補完するための機構を備えた遊技機を提供するものである。
最後に確認事項として上述した実施の形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
[遊技機1]
電力を蓄える充電部と、遊技機本体の所定の待機位置において電力の供給を受け前記充電部に電力を送る電力供給部と、充電部からの電力供給により遊技者の視覚に訴える演出を行うことが可能な演出実行部と、該演出実行部による演出動作の制御を行う演出制御部と、を備えた独立演出体と、該独立演出体を移動させるための移動手段と、を有し、前記独立演出体は、前記電力供給部が遊技機本体側の所定の待機位置から離隔して遊技機本体側からの電力供給が遮断された状態で、前記演出実行部が前記充電部からの電力供給により遊技者の視認可能な領域において演出動作を行い、前記移動手段は、演出動作終了後の前記独立演出体を必要に応じて所定の待機位置まで移動させる、ことを特徴とする遊技機。
[遊技機2]
遊技者の視覚に訴える演出を行うことが可能な演出実行部と、該演出実行部による演出動作の制御を行う演出制御部と、遊技機本体の所定の待機位置において遊技機本体側から前記演出制御部に指令信号を伝達するための指令信号伝達部と、を備えた独立演出体と、該独立演出体を移動させるための移動手段と、を有し、前記独立演出体は、前記指令信号伝達部が遊技機本体側の所定の待機位置から離隔して遊技機本体からの指令信号の伝達が遮断された状態で、前記演出制御部が離隔前に受信した指令信号に基づく制御により遊技者の視認可能な領域において演出動作を行い、前記移動手段は、演出動作終了後の前記独立演出体を必要に応じて所定の待機位置まで移動させる、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機1又は2によれば、独立演出体に遊技機本体側からの電力供給および/又は指令信号の伝達が遮断された状態での自走による演出動作を行わせるようにして独立演出体に今までにない新たな演出効果の付与した場合に、何らかの理由によって独立演出体が演出動作の途中で停止したり暴走してしまった場合(もちろん意図的に遊技者の視認領域で独立演出体が停止するようにその動作をプログラムしておくことも可能である。)であっても、移動手段により独立演出体を押し出して待機位置まで強制的に戻してやることができ、独立演出体を次回の演出動作のために待機させることができる。
[遊技機3]
上記遊技機1又は2において、前記独立演出体は透明又は半透明な平板材の表面に形成されたガイド部に沿って演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
独立演出体をガイド部に沿って走行させることで、簡易かつ確実に独立演出体に所望の走行動作をさせることができる。
[遊技機4]
上記遊技機1又は2において、前記独立演出体は空隙を設けて向かい合わせた透明又は半透明な2枚の平板材によって形成された空間内においてこれらに挟まれた状態で演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
独立演出体を透明又は半透明な2枚の平板材の間に挟まれた状態で自走による演出動作を行うことようにすることで、上記遊技機4のようなガイド部を平板材に形成しなくとも、独立演出体自体の舵取り操作によって自由な道筋で独立演出体を自走させることができる。
[遊技機5]
遊技者の視認可能な領域に設けられた透明又は半透明な容器内に充填した液体中に導入され、その浮上、沈降又は浮遊によって演出を行うための気体、他の液体又は固体を用いた独立演出体と、該独立演出体を移動させるための移動手段と、を有し、該移動手段は、演出動作終了後の前記独立演出体を必要に応じて容器内の所定位置まで移動させる、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機5によれば、液体を充填した水槽内に導入され、その浮上、沈降又は浮遊によって演出を行う気体、他の液体又は固体を独立演出体に用いた場合においても、その演出動作の完了時に移動手段によりこの独立演出体を所定位置に移動させることができ、これにより独立演出体を次回の演出動作のために待機させることができる。
[遊技機6]
上記遊技機1乃至5のいずれかにおいて、前記独立演出体は、遊技機本体に設けられた液晶表示部の前側において演出動作を行う、ことを特徴とする遊技機。
独立演出体を液晶表示装置の画面の前側で動くようにし、例えば画面に表示されたアニメーションと関連付けて独立演出体を動作させることで、遊技の興趣を飛躍的に高めることができる。
以上のようにこれらの遊技機1〜6では、従来技術の特許文献の例で説明した遊技機等にはない新たな演出効果を付与して遊技の興趣をより一層高めることができるだけでなく、その演出動作の完了を補償・補完してやることが可能となる。
また、上記形態とは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機いわゆるパチンコ機等に本発明を適応してもよい。例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機として本発明を実施するようにしても良い。
さらに、弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機として本発明を実施するようにしても良い。具体的には以下の通りである。
本発明は遊技機1〜6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
本発明は上記遊技機1〜6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
本発明は遊技機1〜6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。