以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置(図示略)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。センター飾り8の略中央には、開口部8Aが形成されている。開口部8Aの下部には、透明な板状部材18が前側から覆うように設けられる。センター飾り8は、表示装置28及び演出装置200を主に備える。表示装置28は表示面28Aを有する。表示面28Aは、センター飾り8の開口部8Aから前方に露出する。表示面28Aは、例えばLCD等によって構成され、前面の全ての領域を表示領域として、様々な映像を表示可能である。表示面28Aは、例えば、大当り判定の結果を報知する演出図柄を表示する。
演出装置200は、センター飾り8の左部において、表示面28Aの前側に配置されている。演出装置200は、後述する腕部95、上顎部110、及び下顎部170を、表示面28A及びスピーカ48等と連動しながら動作させ、様々な演出を行う。遊技者は、パチンコ機1の前面側から、表示面28Aに表示される各種画像と、演出装置200が動作させる腕部95等を、同時に視認可能である。
センター飾り8の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14の下方には、第二大入賞口17が設けられている。センター飾り8の右斜め下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられている。普通図柄作動ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15の左斜め下方には、第一大入賞口16が設けられている。第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17は、それぞれ開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放された場合にのみ、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17のそれぞれに入賞することができる。
遊技盤2の後面側には、主基板(図示外)、サブ基板(図示外)等が設けられている。主基板はパチンコ機1の主制御を司る。主基板には、各種の演算処理を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、および制御プログラム等を記憶したROMが設けられている。サブ基板は、主基板と電気的に接続されている。サブ基板は、主基板と同様に、CPU、RAM、およびROMが設けられている。サブ基板は、主基板から送信されるコマンドに従って、演出装置200等を動作させ、演出に関する総合的な制御を実行する。
図3〜図12を参照し、演出装置200について説明する。はじめに、図3を参照し、演出装置200の概略について説明する。演出装置200は、モータ82,88,腕部95、上顎部110、及び下顎部170を備える。腕部95、上顎部110、及び下顎部170は、いずれも、装飾体の一例である。腕部95と上顎部110は、後方から前方へ並ぶ。また、下顎部170は、上顎部110の下側に配置される。演出装置200は、モータ82を駆動することで腕部95を回転させ、モータ88を駆動することで上顎部110と下顎部170を連動して回転させる。腕部95、上顎部110、及び下顎部170は、それぞれ、正面視で視認不能な位置と、正面視で視認可能となる位置との間を移動する(図2、図11(a)参照)。また、下顎部170は、正面視で視認可能となる位置にて、直線移動から回転移動に動作を切り替えることができる(図11(b)、(c)参照)。
図3〜図7を参照し、演出装置200の詳細構造について説明する。図3に示すように、演出装置200は、支持体70を備える。支持体70は、センター飾り8(図2参照)の下部及び左部に後側から固定された板状体であり、正面視で略L字状に形成される。支持体70は、腕部95、上顎部110、及び下顎部170等の各種部材を支持する。支持体70は、下支持部71と上支持部72とを備える。下支持部71は左右方向に延びる略矩形状であり、上支持部72は下支持部71の左部から上方に延びる略矩形状である。
図4に示すように、上支持部72の右部には、軸部材92が設けられる。軸部材92は、上支持部72から後方に突出する。以下、軸部材92の軸線を「軸線92A」という。軸線92Aは前後方向に延びる。軸部材92には、腕部95が回転可能に支持される。腕部95は、キャラクタの腕を模った装飾体である。腕部95は、装飾部材95Aと基板95Bとを有する。装飾部材95Aは、軸部材92から、軸線92Aを基準とした径方向(以下、「第一方向」という)へ延びる。装飾部材95Aは、透光性を有する板状部材であり、基板95Bを前側から覆う。基板95Bの前面には、LED等の発光体が設けられる。発光体は、装飾部材95Aによって前方から覆われる。
図5に示すように、装飾部材95Aは、前面95Cを備える。前面95Cの第一方向側の部位は、前方に向かって湾曲している。以下、前面95Cのうちで、最も前側にある部位を、「先頭部95D」という。
図4に示すように、腕部95は、複数のギヤを介して、モータ82(図3参照)に連結する。モータ82は、上支持部72の左部の前面に設けられる。モータ82の出力軸は、上支持部72を前後方向に貫通する。出力軸の後端部に固定されたモータギヤ82Aは、
上支持部72の後方に位置し、他のギヤを介して腕部95と連結する。従って、腕部95は、モータ82の駆動に伴って、腕退避位置(図10(a)参照)と腕演出位置(図12参照)との間を、軸線92Aを中心に回転可能である。腕退避位置は、軸部材92から略上方に延びる腕部95の回転位置である。腕退避位置にある腕部95は、センター飾り8の左部の後方に位置し、前方からは視認不能となる(図11(a)参照)。腕演出位置は、軸部材92から略右方に延びる腕部95の回転位置である。腕演出位置にある腕部95は、表示面28Aの左下部の前方で左右方向に延びる。腕演出位置にある腕部95の前面95Cの半分以上は、表示面28Aの前方に配置される。この場合、腕部95の第一方向における端部は、表示面28Aの左右方向における略中心の前方に位置する。
図3、図7に示すように、支持体70のうちで、下支持部71と上支持部72との境界部の前面には、モータ88が設けられる。モータ88の出力軸は、支持体70を前後方向に貫通する。モータ88の出力軸の後端部には、モータギヤ88Aが固定される。モータギヤ88Aの上端部は、ギヤ89と連結する。ギヤ89は、支持体70の後部に回転可能に設けられる。ギヤ89はアーム部89Aを備える。アーム部89Aは、ギヤ89の回転中心から離間する方向へ延びる。
アーム部89Aの先端部には、上顎部110が連結する。上顎部110は、軸部材102によって回転可能に支持される。軸部材102は、支持体70の上支持部72の右部から後方に突出し、アーム部89Aの先端部から離間する。以下、軸部材102の軸線を「軸線102A」という。軸線102Aは、前後方向に延びる。
上顎部110は、装飾部材112と基板115を備える。装飾部材112は、軸部材102によって回転可能に支持され、軸線102Aを基準とした径方向(以下、「第二方向」という)へ延びる。装飾部材112の形状は、第二方向に長い箱状であり、後方に向けて開口する。装飾部材112は、透光性を有する樹脂部材によって形成される。基板115は、第二方向と平行に延びる。基板115は、装飾部材112の後部に取り付けられており、装飾部材112の内側を後方から覆う。基板115は、上顎部110の軸線102Aを中心とした回転位置に関わらず、遊技者から視認不能である。基板115の後面115Aは、平面状であり、後方に向けて露出する。本例では、後面115Aは、上顎部110の後方向の端面である。基板115の基板の前面には、例えばLED等の発光体が実装される。基板115の発光体が放つ光は、装飾部材112を前方へ透過する。
上顎部110は、モータ88の回転に伴って、軸線102Aを中心に、退避位置(図10(a)参照)と、演出位置(図10(c)参照)との間を、回転可能である。退避位置は、軸線102Aから略上方へ延びる上顎部110の回転位置である。演出位置は、軸線102Aから略右方へ延びる上顎部110の回転位置である。退避位置にある上顎部110は、センター飾り8の左部の後方に位置し、前方からは視認不能である(図11(a)参照)。また、上顎部110が退避位置にある場合、基板115の後面115Aは、腕退避位置にある腕部95の前面95Cに対して、隙間を空けて前方から対向する(図5参照)。演出位置にある上顎部110は、腕演出位置にある腕部95の前方に位置する。
基板115の背面には、緩衝部材107が例えば粘着テープ等によって貼り付けられている。緩衝部材107は、弾性変形することによって、衝撃及び振動等を吸収可能な部材である。本例の緩衝部材107は、ハネナイト(登録商標)である。上顎部110が退避位置にある場合、緩衝部材107は、腕退避位置にある腕部95の先頭部95Dに対して、隙間を空けて前方から対向する(図5参照)。
図6に示すように、上述したモータギヤ88Aの下端部は、複数のギヤを介して、回転体125のギヤ部に連結する。回転体125は、支持体70の下支持部71の背面左部に設けられ、前後方向に延びる軸線125Aを中心に回転可能である。回転体125は、モータ88から伝達される駆動力よって、回転する。回転体125はアーム部127を備える。アーム部127は軸線125Aから離間する方向へ延びる。アーム部127の先端部には、摺動連結部127Aが設けられる。本例の摺動連結部127Aは、軸受である。
回転体125は、待機回転位置(図6参照)と、終了回転位置(図9(c)参照)との間を、開始回転位置(図示略)を経由して、回転可能である。待機回転位置は、摺動連結部127Aが軸線125Aに対して左下方に位置する回転体125の回転位置である。終了回転位置は、摺動連結部127Aが軸線125Aに対して右上方に位置する回転体125の回転位置である。開始回転位置は、摺動連結部127Aが軸線125Aに対して右下方に位置する回転体125の回転位置である。開始回転位置は、終了回転位置にある回転体125が背面視で僅かに時計回りに回転した回転位置である。図4では、回転体125が開始回転位置にある場合における摺動連結部127Aを、二点鎖線によって図示する。回転体125が開始回転位置にある場合における摺動連結部127Aの高さは、回転体が待機回転位置にある場合における摺動連結部127Aと高さと同じである。回転体125は、待機回転位置と開始回転位置との間を回転する間に、摺動連結部127Aが軸線125Aの真下となる回転位置を通過する(図示略)。
図6に示すように、摺動連結部127Aは、第一移動部材131に連結する。第一移動部材131は、アーム部127の後方に配置された、前後方向に厚さを有する板状部材である。第一移動部材131は、軸部材139に回転可能に設けられる。軸部材139は、回転体125よりも右側で、下支持部71から後方に突出する。軸部材139は、前後方向に沿う。
第一移動部材131は、軸部材139から、軸部材139の軸線を基準とした径方向へ延びる。第一移動部材131には、内開口縁部141が設けられる。内開口縁部141は、第一移動部材131のうち、延設方向における略中央部に設けられる。内開口縁部141は、第一開口縁部141Aと第二開口縁部141Bとを含む。第一開口縁部141Aは、左側から右側へ向けて直線状に延びる長穴を形成する。第二開口縁部141Bは、第一開口縁部141Aの右端部から、第一開口縁部141Aの延設方向と交差する方向に向けて直線状に延びる長穴を形成する。第一開口縁部141Aと第二開口縁部141Bが形成する長穴は、いずれも第一移動部材131を前後方向に貫通する。
内開口縁部141の内側には、回転体125の摺動連結部127Aが摺動可能に嵌る。
回転体125の回転に伴って、第一移動部材131は、軸部材139を中心として、所定回転位置(図示略)と演出回転位置(図8(c)参照)との間を、退避回転位置(図8(a)参照)を経由して回転可能である。所定回転位置は、軸部材139から右下方に延びる第一移動部材131の回転位置である所定回転位置は、第一移動部材131の回転範囲のうち、背面視で反時計回り側の端の位置である。第一移動部材131が所定回転位置にある場合、摺動連結部127Aは第一開口縁部141Aの延設方向の中央部と当接する(図示略)。演出回転位置は、軸部材139から右上方に延びる第一移動部材131の回転位置である。第一移動部材131が演出回転位置にある場合、摺動連結部127Aは、第二開口縁部141Bの左端部に対して接触する(図8(c)参照)。退避回転位置は、所定回転位置から背面視で時計回りに僅かに回転した第一移動部材131の回転位置である。第一移動部材131が退避回転位置にある場合、摺動連結部127Aは、第一開口縁部141Aの左端部及び右端部のいずれか一方に対して接触する。第一移動部材131は、所定回転位置と演出回転位置との間を回転する場合、軸部材139を中心に略50度だけ回転する。
回転体125が待機回転位置と開始回転位置との間を回転する場合、摺動連結部127Aが第一開口縁部141Aに対して摺動することによって、第一移動部材131は、所定回転位置と退避回転位置との間を回転可能である。また、回転体125が開始回転位置と終了回転位置との間を回転する場合、摺動連結部127Aが第二開口縁部141Bに対して摺動することによって、第一移動部材131は、退避回転位置と演出回転位置との間を回転可能である。
図6に示すように、第一移動部材131うち、内開口縁部141に対して軸部材139とは反対側の部位には、外開口縁部142が設けられる外開口縁部142は、軸部材139と略直交する方向に直線状に延びる長穴を形成する。外開口縁部142には、後軸受162が摺動可能に嵌っている。後軸受162には、前後方向に沿う軸部材164の後端部が挿通されている。
図4に示すように、軸部材164は、ガイド部77が形成する長穴に挿通される。ガイド部77は、支持体70の下支持部71の右部に設けられ、支持体70を前後方向に貫通する長穴を形成する。ガイド部77は、第一移動部材131の移動する領域に対して前方に配置される。また、軸部材164の前端部は、支持体70よりも前方にある。
ガイド部77は、第一ガイド部77Aと第二ガイド部77Bとを含む。第一ガイド部77Aは、上下方向に延びる開口縁部である。第二ガイド部77Bは、第一ガイド部77Aの上端部から、右上方へ延びる開口縁部である。言い換えると、第二ガイド部77Bは、前後方向及び上下方向と交差する方向に延びる。軸部材164は、第一ガイド部77A及び第二ガイド部77Bに沿って移動可能である。
図6に示すように、軸部材164の前端部は、下顎部170の背面部に固定される。下顎部170は、キャラクタの下顎を模った役物である。下顎部170は、下支持部71(図3参照)の前方に配置されており、第一移動部材131及びガイド部77に対して前後方向に並ぶ。下顎部170は、軸部材164と直交する方向に延びる。下顎部170は、基板と装飾部材とを有する。装飾部材は、透光性を有する板状部材であり、基板を前側から覆う。下顎部170の基板の前面には、LED等の発光体が設けられており、装飾部材によって前側から覆われている。
下顎部170の左端部は、前後方向に延びる軸部材177によって回転可能に支持される。軸部材177は、第二移動部材172によって支持される。以下、軸部材177の軸線を「軸線177A」という。第二移動部材172は、下顎部170と下支持部71との間に配置された、正面視で略矩形状の板状部材である。第二移動部材172は、下顎部170と第一移動部材131に対して前後方向に並ぶ。第二移動部材172は、スライドレール147(図7参照)によって上下動可能に支持される。スライドレール147は、軸部材177とガイド部77との間において下支持部71(図3参照)の前面に設けられる。また、図4に示すように、第二移動部材172の左部は、軸受を介して、左ガイド部79に摺動可能に連結する。左ガイド部79は、下支持部71に設けられた開口縁部であり、上下方向に延びる。第二移動部材172は、スライドレール147と左ガイド部79によって、上下方向の移動を案内される。以下、第二移動部材172の可動範囲の上端位置を、「第一位置」(図8(c)、図9(c)参照)といい、第二移動部材172の可動範囲の下端位置を、「第二位置」(図8(a)、図9(a)参照)という。
第二移動部材172のうち、スライドレール147よりも右側の部位には、摺動部173が設けられる。摺動部173は、第二移動部材172を前後方向に貫通する長穴を形成する開口縁部である。摺動部173は、軸線177Aを中心とした回転方向に延びる。第二移動部材172が第一位置にある場合、摺動部173は、第二ガイド部77Bに対して略前方から対向する(図8(c)、図9(c)参照)。第二移動部材172が第二位置にある場合、摺動部173は、第一ガイド部77Aの下端部に対して前方から対向する(図8(a)、図9(a)参照)。第二移動部材172が第一位置にある場合であっても、軸部材177は、開口部8Aよりも下方に位置する(図11(c)参照)。つまり、軸部材177は、表示面28Aから前後方向と直交する方向に離間した位置に配置される。
図6に示すように、摺動部173の内側には前軸受168が摺動可能に嵌め込まれており、前軸受168の内側に軸部材164が挿通されている。前軸受168は、後軸受162と前後方向に対向する。以下、前軸受168、軸部材164、及び後軸受162を総称して、「連結部160」という。連結部160は、第二移動部材172と下顎部170とを連結し、且つ摺動部173に対して摺動可能に連結する。
第一移動部材131が退避位置(図8(a)参照)と演出位置(図8(c)参照)との間を回転する場合、外開口縁部142が後軸受162を上側へ付勢することによって、下顎部170と第二移動部材172は、いずれも、第一移動部材131に従動して上下方向に移動できる。以下、下顎部170の可動範囲の下端位置を、単に「下端位置」といい、下顎部170の可動範囲の上端位置を、単に「上端位置」という。
図2、図7〜図12を参照し、演出装置200の動作を説明する。尚、図8(a)、図9(a)、及び図10(a)の演出装置200の状態は、いずれも同じ状態である。また、図8(b)、図9(b)、図10(b)、及び図11(b)の演出装置200の状態は、いずれも同じ状態である。同様に、図8(c)、図9(c)、図10(c)、及び図11(c)の演出装置200の状態は、いずれも同じ状態である。
動作前の演出装置200は、初期状態(図10(a)参照)にあるものとする。演出装置200が初期状態にある場合、腕部95は腕退避位置にあり、上顎部110は退避位置にあり、回転体125は待機回転位置にある。また、演出装置200が初期状態にある場合、摺動連結部127Aは第一開口縁部141Aの左端部に接触し、第一移動部材131は退避回転位置にあり、第二移動部材172は第二位置にあり、下顎部170は下端位置にある。初期状態にある演出装置200は、前方からは視認不能である(図11(a)参照)。
図7に示すように、演出装置200が動作を開始する場合、モータ88は、モータギヤ88Aを背面視で時計回り(矢印A方向)に回転させるように、回転駆動する。モータ88の駆動力は、モータギヤ88A及びギヤ89を伝って、上顎部110に伝達される。ギヤ89が回転することで、上顎部110は、退避位置から演出位置に向けて、背面視で時計回り(矢印B方向)に回転する。上顎部110が演出位置に向けて回転している間、モータ88の駆動力は、モータギヤ88A及び複数のギヤを伝って、回転体125に伝達される。
回転体125が、待機回転位置(図8(a)、図9(a)参照)から開始回転位置へ回転する。これにより、摺動連結部127Aは、第一開口縁部141Aに対して摺動しながら、内開口縁部141に対して右側へ相対移動する。摺動連結部127Aは、第一移動部材131を背面視で反時計回り(図8(a)の矢印C方向)に回転させる。
摺動連結部127Aは、第一開口縁部141Aの延設方向の中央部まで摺動したとき(図示略)、第一移動部材131を、退避回転位置から所定回転位置まで回転させる。摺動連結部127Aは、第一開口縁部141Aに対して更に摺動する。第一移動部材131の回転方向は、背面視で反時計回りから時計回りに切り替わる。つまり、第一移動部材131は、所定回転位置を起点として、上側へ向けて回転移動する。
回転体125が待機回転位置から開始回転位置まで回転すると、摺動連結部127Aは第一開口縁部141Aの右端部まで摺動し、第一移動部材131は所定回転位置から退避回転位置まで戻る。尚、所定回転位置と退避回転位置は、互いに極めて近接する。従って、第一移動部材131は、退避位置と所定回転位置との間で回転しても、後述のような第二移動部材172と下顎部170を移動させる動作を殆どしない。つまり、第二移動部材172は、第二位置にて静止し、下顎部170は下端位置にて静止している。
回転体125は、開始回転位置から更に背面視で時計回りに回転する(図8(a)、(b)参照)。摺動連結部127Aは、第二開口縁部141Bに対して摺動するように、内開口縁部141に対して右側へ相対移動する。摺動連結部127Aは、退避回転位置にある第一移動部材131を、背面視で時計回りに更に回転させる。外開口縁部142は、後軸受162を介して、連結部160を上側へ向けて付勢する。連結部160の軸部材164が、第一ガイド部77A(図8(a),(b)参照)によって左右方向への移動を規制されるので、連結部160は第一ガイド部77Aに沿って上方向へ移動する。このとき、後軸受162は、外開口縁部142に対して相対的に左側へ移動する。
連結部160の上方への移動力は、軸部材164を介して下顎部170に伝達されると同時に、前軸受168(図6参照)及び摺動部173を介して第二移動部材172に伝達される。これにより、下顎部170と第二移動部材172は、いずれも、第一移動部材131に従動して一体的に上方へ直線移動する(図10(a)の矢印P方向)。第二移動部材172は、スライドレール147と左ガイド部79によって案内されながら、上方へ直線移動する。尚、上顎部110は、軸線102A(図7参照)を中心に、背面視で反時計回りに回転し続けている。
図8(b)、図9(b)に示すように、第一移動部材131は、軸部材139から略右方へ延びる回転位置(以下、「中間回転位置」という)まで回転する。このとき、摺動連結部127Aは、第二開口縁部141Bの右端部に接触し、後軸受162は、外開口縁部142の左端部と接触し、軸部材164は、第一ガイド部77Aの上端の内側に位置する。第二移動部材172は、第二位置の僅か下方まで上昇する。また、下顎部170の上部は、表示面28Aの左下部と正面視で重なる位置まで上昇する(図11(b)参照)。以下、第一移動部材131が中間回転位置にあるときの下顎部170の配置位置を「中間位置」という。中間位置にある下顎部170の一部は、遊技者から視認可能である。
尚、図11(b)に示すように、下顎部170が中間位置まで移動した場合、上顎部110は、表示面28Aの左上部の前方で、左下方から右上方へ延びる位置まで回転する。従って、上顎部110は、遊技者から視認可能となる。
図9(b)、(c)に示すように、回転体125が、背面視で時計回りに更に回転することで、摺動連結部127Aは、第二開口縁部141Bに対して摺動しながら、内開口縁部141に対して左側へ相対移動する。これにより、摺動連結部127Aは、第一移動部材131を、中間回転位置から背面視で時計回りに更に回転させる。第一移動部材131の回転に伴って、外開口縁部142は、後軸受162を上側へ付勢する。連結部160(図6参照)は、軸部材164を、第二ガイド部77Bに沿わせるようにして上側へ移動させる。このとき、前軸受168は、摺動部173に対して摺動し、第二移動部材172と下顎部170は、僅かに上方へ一体的に移動する。第二移動部材172は、第一位置まで上昇する。第二移動部材172が第一位置まで上昇した後も、連結部160は、第二ガイド部77Bに沿って更に上側へ移動する。この場合、第二ガイド部77Bと摺動部173は略前後方向に対向する。従って、前軸受168は、摺動部173に対して摺動しつつも、第二移動部材172を上方へは移動させない。第二移動部材172は第一位置に位置し続ける。
第二ガイド部77Bに沿って移動する軸部材164は、下顎部170を、軸線177Aを中心に背面視で時計回り(図9(b)、図10(b)の矢印Q方向)に回転させる。下顎部170は、第二移動部材172に対して相対的に移動する。言い換えると、下顎部170は、第二移動部材172とは独立して回転移動する。つまり、下顎部170の動作は、第二移動部材172と一体的に直線移動する動作から、第二移動部材172とは独立して回転移動する動作へと切り替わる。この場合、下顎部170と上顎部110は、互いに近接する方向に向けて回転する(図10(b)、(c)参照)。
図8(c)、図9(c)、及び図10(c)に示すように、回転体125が終了回転位置まで回転すると、第一移動部材131は演出回転位置まで回転し、下顎部170は上端位置まで回転する。また、下顎部170が上端位置まで回転移動したとき、上顎部110は、演出位置まで回転する。演出位置にある上顎部110は、表示面28Aの左部の前方にて、左右方向に延びるに姿勢になる(図11(c)参照)。モータ88は、モータギヤ88Aを背面視で時計回りに回転させる回転駆動を停止する。
モータ88が回転駆動を停止した後、モータ82(図6参照)は、モータギヤ82Aを背面視で反時計回り(図6、図9(c)の矢印J方向)に回転させるように、回転駆動する。モータ82の駆動力は、腕部95に伝達する。これにより、腕部95は、背面視で反時計回り(図6、図9(c)の矢印K方向)に回転する。図2、図12に示すように、腕部95は、腕退避位置から腕演出位置まで回転する。腕部95は、表示面28Aと上顎部110との間で、左右方向に延びる姿勢となる。その後、モータ82は、回転駆動を停止する。以下、腕部95が腕演出位置にあり、上顎部110が演出位置にあり、下顎部170が上端位置にある場合における演出装置200の状態を、「演出状態」という。
演出装置200が演出状態になった後、腕部95、上顎部110、及び下顎部170のそれぞれに設けられた発光体は、点滅する。これにより、パチンコ機1は、腕部95、上顎部110、及び下顎部170のインパクトを、遊技者に対して効果的に与えることができる。
その後、モータ82,88は、演出装置200が初期状態から演出状態に変わる場合とは反対方向に回転駆動する。これにより、腕部95と上顎部110は、正面視で、一体的に反時計回りに回転し、下顎部170は下端位置に向けて回転する。上顎部110と下顎部170は、正面視で、互いに離間する方向に回転する。腕部95は腕演出位置まで戻り、上顎部110は退避位置まで戻る。また、第一移動部材131は、中間回転位置、退避位置、及び所定回転位置を経由して、退避位置まで戻る。これにより、第二移動部材172は第一位置から第二位置まで戻り、下顎部170は中間位置を経由して上端位置まで戻る。演出装置200は初期状態に戻る。
図13を参照し、パチンコ機1(図1参照)が運搬される場合における演出装置200の状態について説明する。パチンコ機1は、ホールに設置される前に、例えば車両等によって運搬される。運搬されるパチンコ機1は、図1で示す姿勢とは異なり、例えば、遊技盤2が水平方向に対して略平行になる姿勢で運搬される(図示外)。この場合、演出装置200は、支持体70が水平方向に対して略平行になる姿勢で運搬される。尚、運搬される場合の演出装置200は、一例として初期状態である。運搬される演出装置200は、初期状態に代えて、例えば演出状態であってもよい。
運搬に伴ってパチンコ機1に振動及び衝撃等が作用する場合、腕部95は、軸部材92を支点として上下に振れ(矢印W方向)、上顎部110は軸部材102(図7参照)を支点として上下に振れる(矢印S方向)。これにより、腕部95の先頭部95Dと、上顎部110の基板115の後面115Aとが、緩衝部材107を介して接触する場合がある。緩衝部材107は、先頭部95Dと後面115Aとが接触することで生じる衝撃及び振動等を、吸収する。従って、基板115の後面115Aと、先頭部95Dとに、傷や破損が生じることはない。
尚、先頭部95Dに加えて、前面95Cのうち先頭部95Dとは異なる部位(以下、「他部位」という)が、緩衝部材107を介さずに後面115Aと接触してもよい。この場合であっても、先頭部95Dと後面115Aとの間で、緩衝部材107が衝撃及び振動等を吸収する。従って、他部位と、他部位と接触する後面115Aとは、例え直接的に接触しても、傷や破損が生じることはない。
また、運搬されるパチンコ機1は、遊技盤2が水平方向に対して略平行になる姿勢に代えて、遊技盤2が例えば鉛直方向に対して平行になる姿勢であってもよい。この場合であっても、緩衝部材107は、先頭部95Dと後面115Aとの間で、衝撃や振動等を吸収できる。
以上、説明したように、上顎部110の基板115の後面115Aには、緩衝部材107が設けられる。パチンコ機1が運搬される場合において、緩衝部材107は、先頭部95Dと後面115Aとの間で、衝撃及び振動等を吸収する。また、パチンコ機1がホールに設置された状態では、緩衝部材107は、腕部95に対して前後方向に離間する。これにより、緩衝部材107は、上顎部110及び腕部95のそれぞれの回転移動を妨げることはない。つまり、パチンコ機1をホールに設置する設置者は、運搬中にその機能を発揮する緩衝部材107を、基板115の後面115Aから取り外す必要がない。以上より、緩衝部材107の取り外しを不要としたパチンコ機1が実現される。
パチンコ機1の運搬中において、緩衝部材107に代えて、例えば、上顎部110と腕部95との隙間を埋める発砲スチロールが使用されることが考えられる。しかしながら、設置者が、パチンコ機1を設置した後、発泡スチロールを取り外し忘れる場合がある。この場合、演出装置200が初期状態から演出状態に切り替わろうとしても、上顎部110と腕部95の回転移動が発泡スチロールによって妨げられる結果、パチンコ機1の動作の不具合が生じる虞がある。本実施形態では、パチンコ機1の設置後における緩衝部材107の取り外しが不要であるので、パチンコ機1の動作の不具合が生じることもない。
演出装置200が初期状態にある場合、基板115の後面115Aは、腕部95の前面95Cに対して隙間を空けて対向する。また、上顎部110が軸部材102を中心に回転移動可能である。従って、パチンコ機1の運搬中において、上顎部110は軸部材102を中心に振れ易く、後面115Aは前面95Cに対して接触し易い。この場合であっても、緩衝部材107は、後面115Aと前面95Cとが接触することで生じる衝撃や振動等を吸収できる。
腕部95は、軸部材92を中心に回転可能であり、装飾部材95Aは、軸部材92から第一方向へ延びる。前面95Cは、装飾部材95Aのうち、第一方向側の部位にも形成される。従って、運搬に伴ってパチンコ機1に衝撃や振動等が作用する場合において、前面95Cの軸部材92を支点とした触れ量は、増大する。つまり、前面95Cは、基板115の後面115Aに接触し易くなる。この場合であっても、緩衝部材107は、前面95Cと後面115Aとが接触することで発生する衝撃や振動等を吸収できる。
前面95Cは前側に向けて湾曲する。これにより、パチンコ機1は、遊技者に視認される腕部95に立体感を持たせることができる。一方、前面95Cが前側に向けて湾曲するため、演出装置200が初期状態(又は演出状態)である場合における、前面95Cと後面115Aとの間に形成される隙間は、小さくなる。従って、パチンコ機1の運搬中において、前面95Cは後面115Aに接触し易くなる。この場合であっても、緩衝部材107は、前面95Cと後面115Aとが接触することで生じる衝撃や振動等を吸収できる。
演出装置200が初期状態である場合、緩衝部材107は、先頭部95Dに対して隙間を空けて対向する。前面95Cと後面115Aが接触する場合に、緩衝部材107は、前面95Cに対して接触し易い。従って、緩衝部材107は、前面95Cと後面115Aとが接触することで発生する衝撃や振動等を効果的に吸収できる。
基板115の後面115Aは、平面状に形成される。後面115Aが平面状であることで、後面115Aと前面95Cとの間に形成される隙間が確保される。従って、パチンコ機1は、後面115Aと前面95Cを接触しにくくすることができ、後面115Aと前面95Cとに、傷や破損が生じるのを防止できる。また、遊技者によって視認される前面95Cではなく、遊技者から視認不能となる後面115Aが平面状となることで、後面115Aと前面95Cとの間に形成される隙間が確保される。つまり、前面95Cが前側に湾曲するための空間が確保されつつも、後面115Aと前面95Cとの間の隙間が形成されるための空間が確保される。よって、パチンコ機1は、腕部95に立体感を持たせつつ、後面115Aと前面95Cとに、傷や破損が生じるのを防止できる。
基板115は後方向側へ露出し、基板115の後面115Aは、上顎部110の後方向の端面となる。後面115Aに緩衝部材107が設けられるので、パチンコ機1は、基板115の損傷を防止できる。また、腕部95には、基板115を後方から覆うカバー部材が設けられないので、腕部95の軽量化と、腕部95の小型化が実現される。腕部95が軽量化されるので、モータ82が、比較的小型で低出力のモータであっても、腕部95を動作させることができる。また、モータ82が脱調等することなく高い回転数で回転駆動できるので、腕部95は高速で動作しやすく、パチンコ機1は、腕部95を動作させる演出にスピード感を持たせることができる。
腕部95は、腕退避位置から腕演出位置まで移動した場合、正面視で表示面28Aと重なる。つまり、腕部95の前面95Cは、表示面28Aと正面視で重なる位置を通過するので、遊技者によって視認され易く、良好な外観が求められる。この場合であっても、緩衝部材107が後面115Aと前面95Cとの接触に伴う衝撃や振動等を吸収でき、パチンコ機1は、前面95Cの外観を良好に保つことができる。
また、緩衝部材107は後面115Aに貼り付けられる。従って、例えばパチンコ機1の製造工程やパチンコ機1の出荷前に、作業者は、緩衝部材107を容易に所望の位置に取り付けることができる。従って、緩衝部材107を後面115Aに設ける作業性が向上する。
上記実施形態において、パチンコ機1は、本発明の「遊技機」の一例である。後面115Aは、本発明の「第一面」の一例である。上顎部110は、本発明の「第一部材」の一例である。前面95Cは、本発明の「第二面」の一例である。腕部95は、本発明の「第二部材」の一例である。軸線102Aは、本発明の「第一軸線」の一例である。軸部材102は、本発明の「第一支持部」の一例である。装飾部材112は、本発明の「第一延設部」の一例である。後方向は、本発明の「一方向」の一例である。前方向は、本発明の「他方向」の一例である。腕演出位置は、本発明の「視認位置」、「第一所定位置」の一例である。腕退避位置は、本発明の「対向位置」、「第二所定位置」の一例である。第二方向は、本発明の「第一特定方向」の一例である。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。上顎部110は、基板115を備えず、装飾部材112は、箱状に代えて例えば直方体状であってもよい。この場合、装飾部材112の後面は、装飾部材112の第二方向側の部位にも形成される。装飾部材112は、軸部材102から第二方向へ延びるので、パチンコ機1が運搬される場合において、装飾部材112の後面と、前面95Cとは接触し易くなる。この場合であっても、緩衝部材107は、装飾部材112の後面と、前面95Cとが接触することで発生する衝撃や振動等を吸収できる。
上記実施形態では、下顎部170が上端位置まで移動し、且つ、上顎部110が演出位置まで移動した後に、腕部95は、腕演出位置に向けた回転移動を開始する。これに代えて、腕部95は、正面視で、上顎部110と一体的に回転するように、回転してもよい。この場合であれば、先頭部95Dに緩衝部材107が設けられても、遊技者は緩衝部材107を視認することはできず、パチンコ機1は、腕部95の良好な外観を維持できる。
また、腕部95、上顎部110、下顎部170は、いずれも、遊技者によって視認不能となる位置と、遊技者によって視認可能となる位置との間を移動することに限定されない。上記三つの装飾体は、いずれも、遊技者によって視認可能となる状態を維持したまま、所定の移動範囲を移動してもよい。この場合、例えば、腕部95は、遊技者によって視認可能となる状態を維持したまま、表示面28Aと正面視で重なる面積が変化するように、移動してもよい。
また、上顎部110と下顎部170は回転移動することに限定されない。上顎部110と下顎部170が所定方向に直線移動する構成が採用されてもよい。所定方向は、例えば上下方向、前後方向、左右方向、及び、上下方向及び左右方向に対して傾斜する方向の、いずれかである。
また、装飾部材112は、軸線102Aと直交する方向である第二方向に延びる代わりに、軸線102Aに対して傾斜する方向に延びてもよい。同様に、装飾部材95Aは、軸線92Aと直交する第一方向に延びる代わりに、軸線92Aに対して傾斜する方向に延びていてもよい。
緩衝部材107の材質は、弾性変形することによって衝撃を吸収可能な材質であれば、いかなる材質が採用されてもよい。例えば、緩衝部材107の材質は、ウレタン、シリコンゴム等の合成ゴムであってもよいし、天然ゴムであってもよい。緩衝部材107の材質は、例えば発泡成形によって形成可能な材質であってもよい。つまり、緩衝部材107は、発泡スチロール等であってもよい。また、緩衝部材107は、金属材料から形成された板バネやコイルバネ等の弾性部材であってもよい。この場合、緩衝部材107の表面に、例えば布、革、綿、紙、ゴム等の柔らかい材質が設けられれば、緩衝部材107が接触する前面95Cに、傷がつくことはない。
また、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、図柄表示装置、大入賞装置、始動入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。 従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「演出装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。
更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
<備考>
以下、本開示の構成とその作用効果を例示する。下記の構成に注記したカッコ書きは、対応する本開示の構成を例示する。
前記遊技機において、前記第二部材を、前記前記一方向と平行な第二軸線(軸線92A)を中心に回転可能に支持する第二支持部(軸部材92)を備え、前記第二部材は、前記第二支持部から前記第二軸線と交差する第二特定方向(第一方向)へ延びる第二延設部(装飾部材95A)を備え、前記第二面は、前記第二延設部のうち、少なくとも前記第二特定方向側の部位に形成されてもよい。この場合、第二延設部が第二支持部から延びる形状であるので、遊技機が運搬される場合に、第二面は第一面に接触し易くなる。この場合であっても、緩衝部材は、第一面と第二面とが互いに接触することで発生する衝撃を吸収できる。
前記遊技機において、前記第二面は、前記他方向側へ向けて湾曲していてもよい。この場合、第二面が湾曲する形状であるので、遊技機は、視認位置にて遊技者から視認される第二部材に立体感を持たせることができる。一方、第二面が他方向側に湾曲する形状であるので、遊技機が運搬される場合に、第二面は第一面に接触し易くなる。この場合であっても、緩衝部材は、第一面と第二面とが互いに接触することで発生する衝撃を吸収できる。
前記遊技機において、前記緩衝部材は、前記第二部材が前記対向位置にある場合、前記第二面のうち最も前記他方向側にある部位と対向してもよい。この場合、緩衝部材は、第一面と第二面とが互いに接触することで発生する衝撃を効果的に吸収できる。
前記遊技機において、前記第一面は、平面状に形成されてもよい。この場合、第二部材には、基板を第一方向側から覆うカバーが設けられないので、第二部材を軽量化できる。また、基板の他方向側の端面に緩衝部材が設けられるので、遊技機が運搬される場合における基板の損傷が防止される。
前記遊技機において、前記第一部材は、前記一方向と交差する方向に延び、且つ前記一方向側へ露出する基板(基板115)を備え、前記第一面は、前記基板の前記他方向側の端面であってもよい。この場合、第二面は、表示面と正面視で重なる位置を通過するので、遊技者にとって視認され易く、良好な外観が求められる。緩衝部材が、第一面と第二面との接触に伴う衝撃を吸収できるので、遊技機は、第二面の外観を良好に保つことができる。