JP5168110B2 - 電子装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、第1の部材と第2の部材とを、熱伝導性フィラーを含有してなる熱伝導性の接着剤によって熱的および機械的に接続してなる電子装置の製造方法に接続に関する。
従来では、この種の電子装置の接続は、はんだを介して行われてきたが、近年、はんだ接続に替わる接続方法として、熱伝導性の接着剤を用いた接続方法が採用されてきている。
熱伝導性の接着剤は、樹脂に熱伝導性フィラーを含有してなるものであるが、この場合、当該接着剤を、被接着部材である第1の部材と第2の部材との間に介在させ(組み付け工程)、続いて、樹脂を固化させることにより両部材を接続する(接続工程)(たとえば、特許文献1参照)。
このような熱伝導性の接着剤による接続は、Pbを使用しないため環境問題に対応できること、洗浄を廃止できること、コストをセーブできること等、はんだには無いメリットを有する。そして、この接着剤では、当該接着剤を高熱伝導化するために、熱伝導性フィラーの含有割合を高める、いわゆるフィラーの高充填化を行う手法が一般的である。
特開2001−266642号公報
本発明者は、実際に、熱伝導性フィラーの高充填化について検討を行った。図5は、本発明者が行った試作検討の結果を示すものであり、従来技術に基づき、接着剤中の熱伝導性フィラーの割合を変えた場合において、各部材と接着剤との界面における熱抵抗(以下、界面熱抵抗という)を測定した結果を示す図である。
図5に示されるように、たとえば熱伝導性フィラーの割合を77.2wt%から87.6wt%というように熱伝導性フィラーを高充填化して、接着剤自体の熱伝導率を向上させても、界面熱抵抗を十分に低減できない。また、高充填化したものであっても、はんだと比べると界面熱抵抗がかなり高い。
これは、被接着部材との接続界面において、熱伝導性フィラーの接触面積および接触圧が不十分なためである。また、接着剤において樹脂中に熱伝導性フィラーを分散させる場合、そのフィラーの量は90wt%程度が限界であり、熱伝導性フィラーの高充填化によって高熱伝導化の問題を解決することは困難である。
たとえば、熱伝導性接着剤を介して、第1の部材としてのICチップを、第2の部材としての基板に接続した場合の接続厚さは、一般的に10〜40μmで制御可能である。この場合、接着剤の材料の母材である樹脂の熱抵抗の低さは、あまり影響ないが、熱伝導性フィラーを分散させた材料であることから、当該フィラーが被接着部材に完全に接触することが困難となる。仮に、接触したとしてもその点数は少なく、非常に微小な点接触であるため、接続部の熱抵抗において支配的なのは界面熱抵抗である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、熱伝導性の接着剤を介して両部材間を熱的および機械的に接続してなる電子装置において、熱伝導性フィラーを介した両部材の熱的接続性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項に記載の発明は、樹脂(31)に熱伝導性フィラー(321、322)を含有してなる熱伝導性の接着剤(30)を、第1の部材(10)と第2の部材(20)との間に介在させる組み付け工程と、続いて、樹脂(31)を固化することにより、両部材(10、20)を接続する接続工程と、を備える電子装置の製造方法において、以下の特徴を有するものである。
すなわち、請求項に記載の発明においては、接着剤(30)として、熱伝導性フィラー(321、322)が、第1のフィラー(321)と第2のフィラー(322)とよりなるとともに、第1のフィラー(321)は第2のフィラー(322)よりも低弾性であり、第2のフィラー(322)は第1のフィラー(321)よりも低融点であるものを用意し、組み付け工程では、両部材(10、20)の間で接着剤(30)を加圧して第1のフィラー(321)を押し潰し、接続工程は、第2のフィラー(322)をその融点以上に加熱するとともに、当該加熱によって樹脂(31)に流動性を持たせることにより、両部材(10、20)と熱伝導性フィラー(321、322)との間、および、熱伝導性フィラー(321、322)同士の間の接続を、第2のフィラー(322)を介した融着によって行う第1の接続工程と、続いて樹脂(31)を固化させる第2の接続工程と、を備えることを特徴としている。
それによれば、組み付け工程では、両部材(10、20)間にて第1のフィラー(321)が加圧によって押し潰れて、両部材(10、20)間および隣り合う熱伝導性フィラー(321、322)間の接触が確保され、一方、接続工程では、加熱によって、樹脂(31)を流動状態としつつ第2のフィラー(322)を溶融することで、各部材(10、20)と熱伝導性フィラー(321、322)との間、および、隣り合う熱伝導性フィラー(321、322)間が融着されるので、熱伝導性フィラー(321、322)を介した両部材(10、20)の熱的接続性が向上する。
ここで、請求項に記載の発明では、樹脂(31)は熱硬化性樹脂であり、第1の接続工程では、誘導加熱によって第2のフィラー(322)を選択的に加熱することで、第2のフィラー(322)をその融点以上に加熱するとともに、当該加熱では樹脂(31)をその硬化温度未満として流動性を持たせることにより、両部材(10、20)と熱伝導性フィラー(321、322)との間、および、熱伝導性フィラー(321、322)同士の間の接続を、第2のフィラー(322)を介した融着によって行い、第2の接続工程では、樹脂(31)をその硬化温度以上に加熱して固化させることを特徴とする。
このように、樹脂(31)が熱硬化性樹脂である場合には、誘導加熱を用いて、第2のフィラー(322)による融着を容易に実現できる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
図1は、本発明の実施形態に係る熱伝導性接着剤30を用いた電子装置S1の概略断面構成を示す図である。
第1の部材としての電子部品10が第2の部材としての回路基板20の上に搭載され、回路基板20の電極21と電子部品10とが導電性接着剤30を介して電気的・熱的に接続されている。なお、回路基板20の電極21を以下、基板電極21ということにする。
回路基板20は、セラミック基板やプリント基板、あるいはリードフレームなどを採用することができ、特に限定されるものではない。
基板電極21は、回路基板20の一面に形成されており、表面が金属よりなる。そのような金属としては、たとえば、Agを含むAg系金属、Auを含むAu系金属、Niを含むNi系金属、Snを含むSn系金属、Cuを含むCu系金属が挙げられ、基板電極21は、これら金属材料を用いた厚膜やめっきなどにより構成されたものである。
電子部品10としては、コンデンサや抵抗、半導体素子などの表面実装部品を採用することができる。図1に示される例では、電子部品10は、シリコン半導体などの半導体よりなるICチップとして示してある。
熱伝導性接着剤30は、樹脂31とこの樹脂31に含有され樹脂31中に分散する熱伝導性フィラー321、322とからなる。ここでは、樹脂31は、主剤、硬化剤、硬化触媒などを含有する高分子であり、加熱により硬化する熱硬化性樹脂である。その使用材料は、高純度で低吸水率となる硬化物となる、耐熱性のある硬化物となるといった特徴を発現するもので、作業性・ペースト適性も考慮し選択したものである。
このような電子装置S1は、回路基板20上に電子部品10を搭載するとともに、回路基板20上に熱伝導性接着剤30を介して電子部品10を接触させ、両部材10、20の間隔を固定状態に保持しながら熱伝導性接着剤30を加熱して樹脂31を硬化することによって、電子部品10と回路基板20とを接続することにより製造される。
本実施形態の接着剤30について、さらに具体的に述べることとする。樹脂31は、硬化前はペースト状またはBステージ状態(つまり半硬化状態)であり、熱により硬化する熱硬化性樹脂である。このような樹脂31としては、たとえばシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アミン系樹脂、イミダゾール系樹脂などが好ましい。
樹脂31に含有されている熱伝導性フィラー321、322は、材質の異なる第1のフィラー321と第2のフィラー322とより構成される。そして、第1のフィラー321は第2のフィラー322よりも低弾性であり、第2のフィラー322は第1のフィラー321よりも低融点である。
具体的には、第1のフィラー321は、樹脂よりなる芯部321aの表面に金属よりなる金属部321bを設けたものであり、第2のフィラー322は金属粉よりなる。第1のフィラー321の芯部321aが金属よりも低弾性な樹脂により構成されるので、第1のフィラー321を低弾性なものにしやすい。さらに、各フィラー321、322について具体的に述べる。
芯部321aは、粒状等のこの種の一般的なフィラー形状をなすもので、加熱前は柔軟性がある材料、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂およびそれらのBステージ状態の樹脂などが好ましい。それ以外にも、芯部321aとしては、内部に無数の気泡を持つ樹脂などでもよい。
また、芯部321aのサイズは、数μm〜500μm程度のものである。また、芯部321aから金属部322が剥離しないように、芯部321aの表面をエッチングやサンドブラストなどによって粗化させておいてもよい。また、芯部321aの形状は、球形がのぞましいが、立方形、柱形、丸太形、円盤形、リン片形でもよい。
また、第1のフィラー321の金属部321bは、芯部321aを被覆している。この金属部321bとしては、Au、Ag、Cu、Sn、Ni系などの金属よりなり、伸縮性が高い金属が好ましい。また、金属部321bの膜厚は数nm〜数μm程度とすることができる。
図1に示される例では、金属部321bのコーティング形態は、芯部321aの表面の全面に均一に形成されたものであるが、これに限定されるものではない。たとえば、金属部321bのコーティング形態の他の例としては、芯部321aの表面の全体に均一に配置された膜であって部分的に切れ目を設けた膜や、芯部321aの表面に断続的、たとえば島状に配置したものとしてもよい。このように切れ目や断続的な配置を取り入れることにより、芯部321aの膨張が阻害されにくくなり、第1のフィラー321の熱膨張が容易なコーティング形態となる。
ここで、金属部321bのコーティング方法としては、めっき法、ディップ法、蒸着法等が挙げられる。また、上記切れ目の形成方法としては、たとえば、第1のフィラー321単体を高温に加熱して芯部321aを膨張させることによって、金属部321bを予め割っておく方法が挙げられる。また、上記切れ目を入れる場合には、当該切れ目の深さは金属部321bの膜厚の半分以下が好ましい。
また、金属部321bを芯部321aの表面に断続的に配置させる方法としては、たとえば、めっきで形成するときに当該めっき液中の金属部の成分を薄くするなど、めっき条件を制御することなどが挙げられる。
また、第1のフィラー321は、上記に限らず芯部321aに、金属部321bとしてAg系/Au系/Cu系のナノ金属(粒径:1nm〜500nm)をコーティングしたものや、低融点金属(Sn、Bi、In)をコーティングしたものや、Ag、Cu、Sn、In、Biの少なくとも2種類以上の金属を含有し、加熱による共晶反応により、融点上昇する金属をコーティングしてものであってもよい。
また、第2のフィラー322としては、たとえばSn、Bi、Inなどの低融点金属が挙げられ、その粒径はたとえば数nm〜200μm程度のものにできる。また、第2のフィラー322としては、Ag系/Au系/Cu系のナノ金属(たとえば粒径:1nm〜500nm)や、Ag、Cu、Sn、In、Biの少なくとも2種類以上の金属を含有し、加熱による共晶反応により、融点上昇する金属を採用してもよい。
そして、これら熱伝導性フィラー321、322の充填率は、接着剤30の全体の体積、すなわち樹脂31および熱伝導性フィラー321、322を合わせた体積に対して、体積比率として50〜95vol%程度であり、好ましくは、接着力も確保するために、70〜80vol%程度である。
ここで、第1のフィラー321と第2のフィラー322との合計の体積すなわち熱伝導性フィラー321、322全体の体積に対して、第2のフィラー322の比率は、5〜50vol%程度である。
次に、本実施形態の電子装置S1の製造方法について、図2を参照して、より詳細に述べる。図2(a)は、接着剤30の塗布後であって組み付け工程前のワークの概略断面図、図2(b)は接続工程後のワークの概略断面図である。
本製造方法は、熱伝導性接着剤30を、電子部品10と回路基板20との間に介在させる組み付け工程と、続いて、接着剤30の樹脂31を固化することにより両部材10、20を接続する接続工程とを行う。
まず、本製造方法では、接着剤30として、熱硬化性樹脂よりなる樹脂31に上記第1のフィラー321および第2のフィラー322が含有されてなるものを用意する。そして、組み付け工程では、電子部品10または回路基板20の基板電極21上に、接着剤30を配置する。ここでは、図2(a)に示されるように、回路基板20側に接着剤30を配置している。
この接着剤30を配置することは、塗布またはシート成形された樹脂として行う。たとえば、塗布する場合には、熱伝導性フィラー321、322を含有する樹脂31を塗布する。また、シートの場合には、熱伝導性フィラー321、322を含有する樹脂31が成形されたシートを、回路基板20に搭載すればよい。
そして、接着剤30を介して電子部品10を回路基板20上に搭載することで、熱伝導性接着剤30を、電子部品10と回路基板20との間に介在させる。このとき、電子部品10を基板20に搭載する際に荷重を加えることによって、両部材10、20の間で接着剤30を加圧して接着剤30中の第1のフィラー321を押し潰す。
すると、両部材10、20間にて第1のフィラー321が押し潰れて樹脂31中を広がるため、各部材10、20と熱伝導性フィラー321、322との接触面積、および、隣り合う熱伝導性フィラー321、322同士の接触面積が増大化され、これらの接触が確保される。
次に、接続工程を行うが、図3は、接続工程における加熱プロファイルを示す図であり、時間とともに変化する熱伝導性フィラー321、322の温度(フィラー温度)と樹脂31の温度(樹脂温度)とを別々に示している。本接続工程では、第1の接続工程である加熱ゾーンA、第2の接続工程である加熱ゾーンBの順に加熱を行っていく。
まず、加熱ゾーンAでは、第2のフィラー322をその融点以上に加熱するとともに、当該加熱によって樹脂31に流動性を持たせるようにする。それにより、両部材10、20と熱伝導性フィラー321、322との間、および、熱伝導性フィラー321、322同士の間の接続を、第2のフィラー322を介した融着によって行う。
つまり、加熱ゾーンAでは、第2のフィラー322は溶融させつつ、熱硬化性樹脂である樹脂31は硬化させないように、第2のフィラー322を選択的に加熱する。具体的には、誘導加熱によって第2のフィラー322を選択的に加熱する。
誘導加熱は、電磁誘導を利用して加熱する一般的な加熱方法であり、この方法によれば、第1のフィラー321および第2のフィラー322は加熱されるが、樹脂31はほとんど加熱されずに、これらフィラー321、322からの伝熱により温度上昇する程度である。
つまり、図3に示されるように、加熱ゾーンAでは、第2のフィラー322は、その融点以上に加熱されて溶融するが、樹脂31には熱伝導性フィラー321、322の熱が多少伝わる程度であるため、樹脂31は、第1のフィラー321および第2のフィラー322よりも低温であり、その硬化温度未満とされた状態で流動性を維持している。
そして、この加熱ゾーンAでは、流動状態にある樹脂31中を溶融した第2のフィラー322が広がっていく。そして、両部材10、20と熱伝導性フィラー321、322との間、および、熱伝導性フィラー321、322同士の間が、第2のフィラー322を介した融着によって接続される。ここで、樹脂31は流動状態であるため、この融着挙動は、阻害されない。
このように、上記組み付け工程で熱伝導性フィラー321、322による接触面積が確保された状態が、さらに加熱ゾーンA(第1の接続工程)による融着によって熱的な接続が確保された状態となる。この融着による接続の場合、従来のようなフィラー同士が単に接触する場合よりも接触面積の増加が期待できる。
なお、加熱ゾーンAの誘導加熱においては、回路基板20に搭載される電子部品10の材質や構造などによっては、当該誘導加熱によるダメージが懸念されるため、その加熱温度や時間としては、一般的なPbフリーはんだのリフロー温度以下の熱量に抑えることが望ましい。
上記した各フィラー321、322の材質例においては、当該誘導加熱の条件、たとえば周波数10〜400kHz、出力10〜300kw、時間2秒〜5分内であり、これら条件は、フィラーの量や材質等により適宜調整すればよい。
次に、加熱ゾーンB(第2の接続工程)では、樹脂31を固化させるが、ここでは、樹脂31をその硬化温度(たとえばエポキシ樹脂では150℃程度)以上に加熱して固化させる。この加熱ゾーンBでの加熱方式は、従来の一般的な熱風式、IR式、ベルト加熱式等の樹脂31の硬化に適した加熱方式、加熱温度を設定することができる。
この加熱ゾーンBを行うことにより、上記した接触面積および熱的接続が確保された状態を維持したまま、固化した樹脂31によって、両部材10、20が機械的に接続される。こうして、電子部品10と回路基板20とが接着剤30を介して、熱的・機械的に接続され、図2(b)に示されるように、本実施形態の電子装置S1ができあがる。
ところで、本実施形態の電子装置S1においては、熱伝導性フィラー321、322は、材質の異なる第1のフィラー321と第2のフィラー322とよりなり、さらに、第1のフィラー321は第2のフィラー322よりも低弾性且つ高融点なものである。
つまり、第1のフィラー321は第2のフィラー322よりも低弾性であるため、加圧によって変形しやすいものであり、第2のフィラー322は第1のフィラー321よりも低融点であるため、加熱によって溶融しやすいものとなる。
そのため、上記製造方法において、両部材10、20間の接着剤30を加熱・加圧して接着を行うときに、第1のフィラー321が加圧によって押し潰れて樹脂31中を広がるため、両部材10、20間および隣り合う熱伝導性フィラー321、322間の接触確率および接触面積が確保される。
一方、第2のフィラー322が加熱によって溶融することで、各部材10、20と熱伝導性フィラー321、322との間、および、隣り合う熱伝導性フィラー321、322同士の間が融着され、接続が確保される。そのため、本実施形態によれば、熱伝導性フィラー321、322を介した両部材10、20の熱的接続性が向上する。
なお、第2のフィラー322としては、第1のフィラー321よりも平均粒径が小さいものが好ましく、それによれば、第2のフィラー322が第1のフィラー321の隙間に介在しやすくなり、第2のフィラー322の融着による熱伝導性フィラー321、322間の接続が行いやすい。
次に、本実施形態の上記効果について、図4を参照して具体的に述べる。図4は、本発明者が上記効果を調査した結果を示す図であり、各部材10、20と接着剤30との界面熱抵抗を測定した結果を示す図である。図4では、上記図5に示してある従来技術の試作検討結果も並べて記してある。
本実施形態の接着剤30としては、エポキシ系のBステージ樹脂よりなる芯部321aにSnよりなる金属部321bを施したものを第1のフィラー321とし、In粉を第2のフィラー322とし、主剤である熱硬化型のビスフェノールF型エポキシ樹脂にアミン系硬化剤を分散してなる熱硬化性樹脂を樹脂31とした。
ここで、熱伝導性フィラー321、322全体に対する第2のフィラー322の比率は25vol%であり、熱伝導性フィラー321、322の充填率は接着剤30の全体に対して70vol%とした。
図4に示されるように、本実施形態の接着剤30によれば、従来の単に熱伝導性フィラーの割合を高くしたものに比べて、界面熱抵抗を大幅に低減することができ、はんだと同レベルのものにできる。また、上記した接着剤30の各形態において、この図4に示されるものと同程度の界面熱抵抗が得られている。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、第1の部材が電子部品10であり、第2の部材が回路基板20である例を示したが、これら第1および第2の部材は、熱伝導性の接着剤30を介して熱的・機械的に接続されるものであればよく、上記実施形態に限定されない。
たとえば、両部材がともに電子部品であってもよいし、両部材がともに回路基板であってもよい。また、第1および第2の部材としては、リードフレームやバスバーなどであってもよく、電子装置を構成するものであればかまわない。
また、第1のフィラー321と第2のフィラー322とでは、前者が低弾性で後者が低融点であれば、たとえば第1のフィラー321は、上述のような芯材部と金属部とよりなるものに限定されるものではなく、第2のフィラー322よりも低弾性且つ高融点の金属単体よりなるものであってもよい。
また、上記第1の接続工程において、第2のフィラー322を優先的に加熱する方法としては、電子部品10を加圧して回路基板20に組み付ける際に、加圧しながら超音波振動をかけることにより、第2のフィラー322と部品電極とが接触して摺動する部分において、摩擦熱による融着または金属相互拡散を得るようにしてもよい。この場合も、通常の接触以上の接続面積を確保することができる。
また、接着剤30の樹脂31としては、熱硬化性樹脂に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂であってもよい。具体的には、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステルなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
このような熱可塑性樹脂を用いた場合は、第1の接続工程においては、加熱によって硬化することなく十分な流動性があるため、上述した誘導加熱などを使用して、特に第2のフィラー322を優先して加熱する必要はなく、一般的な熱風式や赤外線式などの加熱方法によって、第2のフィラー322による融着が十分なされるまで加熱すればよい。そして、樹脂31を固化させる第2の接続工程では、熱可塑性樹脂を冷却することで固化すればよい。
本発明の実施形態に係る熱伝導性接着剤を用いた電子装置の概略断面図である。 (a)は、接着剤塗布後であって組み付け工程前のワークの概略断面図、(b)は接続工程後のワークの概略断面図である。 接続工程における加熱プロファイルを示す図である。 実施形態の具体的な効果を示す図である。 本発明者が行った試作検討の結果を示す図である。
符号の説明
10 第1の部材としての電子部品
20 第2の部材としての回路基板
30 接着剤
31 樹脂
321 第1のフィラー
321a 芯部
321b 金属部
322 第2のフィラー

Claims (2)

  1. 樹脂(31)に熱伝導性フィラー(321、322)を含有してなる熱伝導性の接着剤(30)を、第1の部材(10)と第2の部材(20)との間に介在させる組み付け工程と、
    続いて、前記樹脂(31)を固化することにより、前記両部材(10、20)を接続する接続工程と、を備える電子装置の製造方法において、
    前記接着剤(30)として、前記熱伝導性フィラー(321、322)が、第1のフィラー(321)と第2のフィラー(322)とよりなるとともに、前記第1のフィラー(321)は前記第2のフィラー(322)よりも低弾性であり、前記第2のフィラー(322)は前記第1のフィラー(321)よりも低融点であるものを用意し、
    前記組み付け工程では、前記両部材(10、20)の間で前記接着剤(30)を加圧して前記第1のフィラー(321)を押し潰し、
    前記接続工程は、前記第2のフィラー(322)をその融点以上に加熱するとともに、当該加熱によって前記樹脂(31)に流動性を持たせることにより、前記両部材(10、20)と前記熱伝導性フィラー(321、322)との間、および、前記熱伝導性フィラー(321、322)同士の間の接続を、前記第2のフィラー(322)を介した融着によって行う第1の接続工程と、
    続いて前記樹脂(31)を固化させる第2の接続工程と、を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 前記樹脂(31)は熱硬化性樹脂であり、
    前記第1の接続工程では、誘導加熱によって前記第2のフィラー(322)を選択的に加熱することで、前記第2のフィラー(322)をその融点以上に加熱するとともに、当該加熱では前記樹脂(31)をその硬化温度未満として流動性を持たせることにより、前記両部材(10、20)と前記熱伝導性フィラー(321、322)との間、および、前記熱伝導性フィラー(321、322)同士の間の接続を、前記第2のフィラー(322)を介した融着によって行い、
    前記第2の接続工程では、前記樹脂(31)をその硬化温度以上に加熱して固化させることを特徴とする請求項に記載の電子装置の製造方法。
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