JP5167452B2 - バルク型レンズ及びそれを用いた発光体、照明器具及び光情報システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な構造の光学レンズの提案に関し、特に、発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子用の光学レンズとして好適なレンズに関する。更に、この光学レンズを用いた発光体、及びこの発光体を用いた照明器具に関する。更には、この発光体と受光体とから構成される光情報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、ハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯が市販されるに至っているが、この種の懐中電灯の電池の寿命は連続点灯では3時間程度であり、またハロゲンランプ自身の寿命も短いという欠点を有している。
【0003】
一方、パーソナルコンピュータや小型携帯テレビ等には液晶表示装置が多用されており、その照明(バックライト)には蛍光放電管(蛍光灯)が用いられている。このバックライト用の蛍光灯は携帯テレビや携帯用パーソナルコンピュータを落下した際には破損したり、特性が劣化し易いという問題がある。また、冬季寒冷地等の低温度環境下で使用する場合、管内の水銀蒸気圧が低下して発光効率が低くなり、十分な輝度を得ることができなくなる。さらに、長時間動作に対する安定性や信頼性が不十分である。また、最も重要な問題は消費電力が大きいことである。携帯用パーソナルコンピュータを例にすれば、マイクロプロセッサやメモリで消費される電力よりも液晶表示部の消費電力が圧倒的に大きい。このため、蛍光灯をバックライトとして用いた場合、電池で長時間にわたり携帯テレビや携帯用パーソナルコンピュータを動作させるのは困難である。また、蛍光灯は電源の周波数に対応したパルス的な発光を行う光源であるので、個人差はあるが、そのちらつき感から、目の疲労の問題が生じる。即ち、バックライトのような直接照明に近い使用形態の場合、長時間蛍光灯からの光を直視することによる目の疲労、あるいは目の疲労からくる人体への影響の問題がある。
【0004】
発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子は電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、ハロゲンランプ等の白熱球や蛍光灯に比し、高効率で、しかも発光に際し発熱を伴わないという特徴を有する。白熱球においては、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、その発熱に伴う光の輻射を利用しているのであり、電気エネルギーの光への変換効率は低く1%を超えることはない。蛍光灯においては、電気エネルギーは放電エネルギーに変換されており、その光への変換効率はまだ低い。一方、LEDにおいては、電気エネルギーの光への変換効率は20%を超える程度が可能で、白熱球や蛍光灯に比し100倍を超える変換効率が容易に達成できる。さらに、LED等の半導体発光素子は、半永久的とも言える長寿命であり、かつ蛍光灯のようなちらつきの問題もないので、目や人体に悪影響を及ぼさない、人にやさしい光源ということが言える。
【0005】
LEDはこのように優れた特徴を有するものの、光の出射面積が、1mm2 程度の小さな面積であるため、照明光として利用する場合は1個のLEDでは光束が不足し、多数のLEDを配列する必要がある。また、LEDの発散角が、チップ状態では90度、パッケージタイプのものでも40度前後と大きいため、光を収束するためのレンズを必要とする。このため、多数のLEDをマトリックス状に配列し、個々のLEDに光収束用レンズを装着しなければならない。しかしながら、凸形状の球面レンズなどを使用する従来の光学系を使用したのではLEDの発散角が大きいために、低光損失で収束しようとすればレンズ系が巨大化してLEDを密に配列できない、あるいは、レンズ系を小さくしてLEDを密に配列すると極端に光損失が大きくなるといった問題が生ずる。また、従来のレンズ系を利用する場合は、LEDとレンズを光軸を合わせて保持する保持具が必要であり、このような保持具は精密加工を必要とするからコストが高くなる。また、LEDとレンズを保持具に固定するときには、光軸合わせの調整工程を必要とするのでコストが高くなる。
上記問題点は、LEDが照明光として利用されていない主要な原因である。
【0006】
単純には、膨大な数のLEDをマトリックス状に配列すれば、レンズ系で収束しなくても、必要な照度は得られるであろう。しかし、現在のところLEDの主材料には高価な化合物半導体が用いられており、この半導体の作製にはエピタキシャル成長や不純物拡散等の高度の製造技術が要求されるため、LEDの製造コストの低減には一定の限界がある。さらに、青色LEDの材料である窒化ガリウム(GaN)のエピタキシャル成長の基板には高価なサファイア基板が用いられているため、製造コスト低減は一層難しい。
【0007】
従って、所望の照度を得るために比較的高価なLEDを膨大な数配列する等の方法により照明器具を組み立てたのでは、あまりにも高価になりすぎるため現実的ではない。また、シリコン(Si)では現在直径300mmのウエハが使用され始めているが、LEDの材料である化合物半導体のエピタキシャル成長用基板としては、このような大口径ウエハは現状では入手できない。さらに、大口径ウエハはエピタキシャル成長の均一性を得るのが困難である等製造技術上の問題もあり、基本的に大面積の発光領域を有するLEDチップを製造するのは困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明の目的は、LED、レーザダイオード(LD)等の光源に用いることが可能で、小型で、光損失が少なく、装着が容易な、かつ、容易に、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能なバルク型レンズを提供することである。
本発明の他の目的は、LED、LD以外の市販されている光源の潜在的な光エネルギを効率良く引き出し、且つ、それ自身には何ら手を加えることなく、容易に、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能なバルク型レンズを提供することである。
本発明の更に他の目的は、自在に光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更をした、安価で十分な照度と長期間に渡る安定性と信頼性を有した発光体を提供することである。
本発明の更に他の目的は、電力消費量が少なく、ちらつきのない発光体を提供することである。
本発明の更に他の目的は、電池の寿命が長く、携帯に適した照明器具を提供することである。
本発明の更に他の目的は、信頼性が高く高効率な光情報システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を鑑み、本発明の第1の特徴は、頂部と、底部と、外周部と、底部から頂部に向かって形成された天井部と内周部とからなる凹部とを有している光学媒体からなり、凹部が光源若しくは光検知器の収納部であり、天井部及び頂部がレンズ面として、内周部が光入射面として、外周部が全反射面として、そして底部が反射面として機能する。凹部の内部に光源を収納した場合は、天井部がレンズの入射面として、頂部がレンズの出射面として機能する。一方、凹部の内部に光検知器を収納した場合は、頂部がレンズの入射面として天井部がレンズの出射面として機能する。内周部から光学媒体に入射した光は、全反射して、又は底部で反射されて頂部に伝送される。「バルク型」とは、砲弾型、卵型、繭型、蒲鉾型等、ある程度の厚み又は膨らみを有する固形体を意味する。光軸方向に垂直な断面の形状は、真円、楕円、三角形、四角形、多角形等が可能である。バルク型のレンズ本体の外周部は、円柱、角柱の円周部のような光軸に平行な面でも良く、光軸に対してテーパを有していてもかまわない。また、天井部及び頂部のレンズ面は、凸面、凹面、平面、フレネルレンズ面のいずれかを適宜選択できる。
【0010】
バルク型レンズは、レンズ作用、及び入射面と出射面とを接続する光伝送作用を有するので、光の波長に対して透明な材料であり、かつ、屈折率が空気の屈折率とは異なる必要がある。このような材料としては、アクリル樹脂等の透明樹脂(透明プラスチック材料)、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等の種々のガラス材料等が使用可能である。或いは、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、炭化珪素(SiC)等の結晶性材料を用いてもかまわない。又、可とう性、屈曲性や伸縮性のある透明ゴムのような材料でもかまわない。なお、光源として、ハロゲンランプ等の白熱球を用いる場合は、これによる発熱を考慮し、耐熱性光学材料を用いるべきである。耐熱性光学材料としては、石英ガラス、サファイアガラス等の耐熱ガラスが好ましい。或いは、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂、メタクリル樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、パーフルオロアルキル基を有する高分子材料等の耐熱性樹脂等の耐熱性光学材料が使用可能である。SiC等の結晶性材料も耐熱性に優れている。
【0011】
光源としては、LEDや半導体レーザ等のように、発光に際して顕著な発熱作用を伴わない光源が好ましい。LED等を用いれば、本発明の第1の特徴に係るバルク型レンズの凹部(収納部)の内部に、「光源」を収納した場合において、その発熱作用によって、バルク型レンズに熱的影響を与えることがない。
【0012】
本発明の第1の特徴に係るバルク型レンズを使用すれば、光源の数を多数必要とすることなく、所望の照度を有する照明器具を簡単に得ることが出来る。この照度は、光源の数を同一として較べれば、従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。本発明は、従来の技術では達成出来ない照度を、簡単且つ小型な構成で実現出来る。詳細は後述するが、従来の「両凸レンズ」、「平凸レンズ」、「メニスカス凸レンズ」、「両凹レンズ」、「平凹レンズ」、「メニスカス凹レンズ」等の薄型レンズでは、直径が無限大の大型なレンズを用いなければ、本発明のバルク型レンズに等価な機能を達成出来ない。
【0013】
LEDには内部量子効率と外部量子効率があるが、通常、外部量子効率は内部量子効率よりも低い。本発明の第1の特徴に係るバルク型レンズにより、LEDを収納部(凹部)に収納することにより、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的なLEDの光エネルギを有効に取り出すことが可能となる。
その原理は、(a)バルク型レンズの頂部及び天井部であるレンズ面、及び外周部での反射光(迷光)が外周部で全反射することによりバルク型レンズ外にほとんど散逸しない、(b)上記反射光(迷光)の一部が頂部及び天井部であるレンズ面にもどる、(c)上記反射光(迷光)の一部が底部で反射されて頂部及び天井部であるレンズ面にもどる、(d)上記反射光(迷光)の一部がLED光源に吸収され再発光する、さらに、(e)内側面に入射する光も全反射により導光し有効利用している、ことなどが考えられる。
【0014】
また、本発明の第1の特徴に係るバルク型レンズによれば、LED等の光源それ自身は、何ら手を加えることなく、容易に、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能である。
すなわち、本発明の第1の特徴に係る光源の発散角が既知であれば、第1及び第2の湾曲面の曲率半径等の選定が簡単に出来る。なお、第1及び第2の湾曲面のいずれか一方は、曲率半径が無限大、若しくは無限大に近い平坦な面であっても良い。第1及び第2の湾曲面のいずれか一方が、無限大ではない所定の(有限の)曲率半径を有していれば、光の収束、発散の制御が可能である。又、「所定の発散角」は0°、即ち平行光線であっても良い。又、発散角が90°であっても、収納部が光源の発光部を完全に光学的に覆っているため、有効にその光を集光することが可能である。これは、従来のレンズ等の光学系では不可能な作用である。即ち、天井部以外の収納部の内周部も、有効な光の入射部として機能し得る。
【0015】
具体的には、本発明の第1の特徴に係る光源は、チップ状の半導体発光素子、透明材料でモールドされた半導体発光素子、又は、他の光源から光を導く光ファイバの出射端面である。これらの光源を光学媒質を介して収納部に収納しても良い。屈折率によって光学媒質を適宜選択することによっても、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能であり、また、内周面から凹部に入射する光の屈折角を変えることができ、凹部の全反射をより効果的にすることもできる。
ここで、光学媒質には、固体、液体、気体、のみならず、ゾル状、コロイド状若しくはゲル状の光の波長に対して透明な物質も含まれる。
【0016】
またさらに、本発明は、頂部と、底部と、外周部と、この底部から頂部に向かって形成された天井部と内周部からなる凹部とを有している光学媒体であり、凹部が光源若しくは光検知器の収納部であり、天井部及び頂部がレンズ面として、内周部が光入射面として、外周部が全反射面として、底部が反射面として機能するバルク型レンズにおいて、内周部の光入射面が所定の傾きを有する少なくとも光波長以上の大きさの凹凸面で構成されていることを特徴とするバルク型レンズである。また所定の傾きφは、凹部の屈折率をn1 、光学媒体の屈折率をn2 、光学媒体内の外周部面における全反射角をθt 光源の発散角をθd として、
sin-1{n1 /n2 cos(θd +φ)}=θt
から定まる角度であることを特徴とバルク型レンズである。
この構成によれば、例えば、端面発光LEDのようにほとんどの出射光がチップの側面から出射するようなLEDを使用する場合においても、全ての出射光を集光できる。
【0017】
さらにまた、バルク型レンズは、レンズ部と光源を収納する収納部とが一体で形成されているため、従来のレンズ系では必要であったレンズと光源を光学的位置合わせをして保持する保持部を必要とせず、また、光学的位置合わせ工程を必要とせず、ただ光源にかぶせるだけでよいので、極めて低コストである。
【0018】
本発明の第2の特徴は、所定の波長の光を発する光源を上記バルク型レンズの凹部に収納した発光体である。
この発光体においては、発光に際して発熱作用が少ないLED等の半導体発光素子を用いれば、バルク型レンズの凹部(収納部)の内部に、光源を収納した場合においても、その発熱作用によって、バルク型レンズに熱的影響を与えることがなく、長期動作においても、信頼性と安定性を維持出来るので好ましい。
【0019】
本発明の第2の特徴に係る発光体によれば、バルク型レンズが極めて損失が少ないので、少ない数の光源で、所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知の光学系では達成不可能な照度である。更に、この発光体は、電力消費量が少なく、ちらつきもない。
【0020】
本発明の第2の特徴に係る発光体において、光源は、所定の発散角で特定方向に光を発する光源である。光の発散角が既知であれば、集光や分散等の光学的設計が可能であり、第1及び第2の湾曲面の曲率半径等の選定が簡単に出来る。なお、第1の特徴において説明したように、天井部及び頂部の湾曲面は、曲率半径無限大、若しくは無限大に近い平坦な面を含み得る。
【0021】
本発明の第2の特徴に係る発光体において、光源は、チップ状の半導体発光素子、透明材料でモールドされた半導体発光素子、又は、他の光源から光を導く光ファイバの出射端面であり、これらの光源を光学媒質を介して収納部に収納しても良い。屈折率によって光学媒質を適宜選択することによって、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能であり、また、内周面から凹部に入射する光の屈折角を変えることができ、凹部の全反射をより効果的にすることもできる。
ここで、光学媒質には、固体、液体、気体、のみならず、ゾル状、コロイド状若しくはゲル状の光の波長に対して透明な物質も含まれる。
【0022】
本発明の第3の特徴は、電源部と上記第2の特徴で述べた発光体から構成される照明器具であり、発光体は単一又は複数で成る。携帯用照明器具の電源部としては電池が好ましい。光源としては、LED等の半導体発光素子が好ましい。
【0023】
本発明の第3の特徴に係る照明器具においては、バルク型レンズが、光源の光エネルギを効率良く引き出し、かつ、小型であるので、照明に必要な十分な照度を有する照明器具を得ることが出来る。更に、バルク型レンズの光源への装着が容易であり、光軸合わせを必要としないからコストが低い。この照明器具は、長期間に渡る安定性と信頼性に優れ、ちらつきもなく、更に、電力消費量が少ないため、電源が電池の場合にはその寿命が長い。
【0024】
本発明の第4の特徴は、発光体と受光体とから構成される光情報システムに関する。これは、第1の頂部と、第1の底部と、第1の外周部と、第1の底部から第1の頂部に向かって形成されていて第1の天井部と第1の内周部とからなる第1の凹部とを有しているバルク型の第1のレンズ本体と、第1の凹部に収納された所定の波長の光を発する第1の光源とを備えた発信部と、第2の頂部と、第2の底部と、第2の外周部と、第2の底部から第2の頂部に向かって形成されていて第2の天井部と第2の内周部とからなる第2の凹部とを有しているバルク型の第2のレンズ本体と、第2の凹部に収納された所定の波長の光を検出する受光素子とを備えた受信部とから構成された光情報システムである。
【0025】
本発明の第4の特徴に係る光情報システムにおいては、バルク型レンズが低損失で光の収束及び集光を行うので、送信部と受信部の距離が長くても使用可能できる。また、バルク型レンズが小型であるのでこの光情報システムは小型で使用しやすい。また、発光素子及び受光素子へのバルク型レンズの装着が簡単であり、かつ光軸合わせを必要としないから低コストである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一の符号または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0027】
第1の実施例を説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る光源装置の模式的な断面図である。図1に示すように、所定の波長帯域の光を発するLED等の光源1と、この光源1を完全に囲むバルク型レンズ20とから少なくとも構成されている。そして、このバルク型レンズ20は、頂部3と底部7と外周部9と、底部7から頂部3に向かって形成された天井部2と内周部5とから成る凹部6とから成る光学媒体であり、この凹部6にスペーサ8を介して光源1がバルク型レンズ20と同心的に且つ完全に収納、固定され、上記天井部2がレンズの光入射面として、上記頂部3がレンズの出射面として機能するように構成されている。
【0028】
図1の光源1は、LEDチップ13と、このLEDチップ13を載置する電極を兼ねた支持ピン11と、LEDチップ13のもう一方の電極に電力を供給する電極ピン12と、チップ13、支持ピン11及び電極ピン12を覆う透明な樹脂モールド14で構成されている。樹脂モールド14は、側部が円筒形を成しており、バルク型レンズ20の凹部6の円筒形を成す内周部5とスペーサ8を介して嵌合している。
【0029】
樹脂モールド14の側面は、例えば、直径(2r)が2〜3mmφの円柱形状であり、バルク型レンズ20の凹部6の内周部5は、例えば、直径が2.5〜4mmφの円柱形状となっている。LED1とバルク型レンズ20とを固定するために、LED1とバルク型レンズ20の凹部6との間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサ8が挿入されている。スペーサ8は、LED1の発光部を除く位置、即ち、図1においてLEDチップ13の底面より底部7側に方に配置する。
【0030】
バルク型レンズ20は、例えば頂部3が凸形状球面を有し、外周部9が円柱形状を成している。この外周部9の直径(2R0 )は、例えば、10〜30mmφであるが、使用目的に応じて任意に選択できる。しかしながら、より集光効率を高くするためには、
10r>R0 >3r (1)
の関係を満足することが好ましい。バルク型レンズ20の外周部9の直径(2R0 )は、凹部6の内周部5の内径(2r)の10倍以上でも、本発明のバルク型レンズは機能するが、必要以上に大きくなり、小型化を目的とする場合は好ましくない。
【0031】
上記構成の本発明のバルク型レンズは、以下に説明する理由により、従来の凸型形状の球面レンズを使用した光学系よりも極めて低損失で収束できる。LEDは発散角の大きな光源であるため、従来の凸型形状の球面レンズによって、LEDから発する全ての光を平行光線とすると光損失が避けられない。
図2は、従来の凸型形状球面レンズによる集光作用を示す図で、図2(A)は凸型片球面レンズを使用して、LED光源からの光を平行光とする状態を示している。図において、レンズは曲率半径rを有し、光源から焦点距離fに配置している。片球面レンズの焦点距離は、レンズの屈折率をnとして、f=r/(n−1)であるから、屈折率n=1.5とした場合、f=2rとなる。従って、図から明らかなように、レンズが受光できる発散角の最大は30°となり、図のBに示す光線は平行光とすることができない。すなわち、従来のレンズを使用したのでは、焦点距離と曲率半径の関係から定まる開口角以上の光は取り込むことができないので、損失が大きい。
LED光源は30°以上の発散角を有するものが多く、この場合には、上記理由により、大きな損失が生じる。従来はこのような場合、高屈折率レンズを使用して改善しているが、コストが高くなる。あるいは、レンズを複雑に組み合わせて対処している例もあるが、この場合には、下記に説明するフレネル反射損が増大してしまう。
【0032】
図2(B)は、従来の凸型片球面レンズ入射面における反射の状況を示す図である。図において、矢印のついた線は、LED1から出射し、凸型形状球面レンズの光入射面で反射される光線を表す。θ(θ1 、θ2 )はLEDから出射角、すなわち発散角を表し、φ(φ1 、φ2 )はそれぞれの光線のレンズ面での入射角を表す。
図3は、フレネルの反射の法則を表した図である。図において、横軸は光線の入射角であり、縦軸は光強度の反射率であり、レンズの屈折率を1.5とし、空気中から光線がレンズ面に入射する場合を表している。図から明らかなように、入射角が50°あたりまでは反射率が低く一定であるが、50°を越えたあたりから急激に反射率が増加するのがわかる。
図2(B)に示した入射角が大きい光線は、図3のフレネルの反射の法則から明らかなように反射される割合が高い。例えば、屈折率1.5の片凸型球面レンズを使用し、このレンズの焦点距離に、発散角30°の光源をおいて平行光を作る場合には、上記の反射光による損失は全光量の30%近くに達する。
従って、従来の光学系におけるように、レンズを多段に接続したのでは、フレネル反射が多段に生ずることになり、損失が増えてしまう。これらの反射光は空間に散逸してしまい、収束光として利用することはできない。
【0033】
一方、本発明のバルク型レンズにおいては、発散角が大きい光束であっても、全ての光束をレンズ面に入射させることができ、バルク型レンズの幾何学構造の設計により、全ての光束を平行光線にできるから、極めて損失の少ないレンズである。
また、フレネルの反射を起こす反射面は、天井部2及び頂部3であるから、これらの面で反射した反射光(迷光)はバルク型レンズ内に反射される。これらの反射光(迷光)は、外周部9で全反射することによりバルク型レンズ外に散逸せず、一部が頂部3及び天井部2であるレンズ面にもどり収束光となる。また、他の一部は、底部7で反射されて頂部3又は天井部2にもどり、収束光となる。また、他の一部はLED光源で吸収されて再発光し、収束光となる。
【0034】
図4は、LED光源1にもどった光が再発光する過程を示す図である。
図において、もどってきた光はPN接合で吸収されてホールと電子を生じ、このホールと電子が再結合して再発光する。特にこの効果は、ヘテロ構造を有するLEDの場合に大きい。ヘテロ構造のLEDは、発光部であるPN接合部のバンドギャップ・エネルギーが、P及びN領域のバンドギャップ・エネルギーよりも小さく形成されているので、反射光(迷光)はP又はN領域では吸収されずに、PN接合部のみで吸収され、再発光する。
さらにまた、本発明のバルク型レンズにおいては、内周部5に入射する光も外周面9における全反射によって頂部3に導かれ、収束光となって出射する。この効果は、LED光源1を、バルク型レンズの光学媒質よりも屈折率の高い光学媒質を介して収納部に収納するとさらに効果が高まる。
本発明のバルク型レンズにおいては上記に説明した相乗効果により、内部量子効率とほぼ等しい効率で、LED光源の光を有効に収束光として取り出しているため、従来の凸型形状の球面レンズに較べ極めて低損失になると考えられる。
【0035】
図5は、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズと従来の凸形状の球面レンズとで平行光を作成した場合の特性を比較するための測定系を示す図である。
図5(A)は、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズ20を用いた場合の、光軸方向に対して垂直方向に光強度(照度)分布を測るための測定系を示す模式図である。バルク型レンズ20の出射面からの出力光の強度(照度)を、LED1からの測定距離x=一定とし、照度計102をy軸方向に移動して測定する。測定距離(x)は、光軸方向に測る。一方、図5(B)は、同様な測定を従来の両凸レンズを用いて行うことを示す図である。
【0036】
図5(A)及び(B)に示す測定においては、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズ20の外径は30mmφとし、比較に用いた両凸レンズ101の外径は、この2倍強の63mmφとした。両凸レンズ101は、焦点距離150mmのものを用い、LED1からx方向に150mmの位置に配置した。また、LED光源1の発散角は約12度のものを使用した。
【0037】
図6は、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズと従来の凸形状の球面レンズとで平行光を作成した場合の特性を比較した図であり、本発明のバルク型レンズ20、従来の薄型レンズ(両凸レンズ)101、及びバルク型レンズを用いない裸のLEDのそれぞれの出力光のy方向に沿った強度(照度)分布を、測定距離x=1mにおいて測定した場合の結果を示す。本発明の第1の実施の形態に係るバルク型レンズ20が、従来の薄型レンズ(両凸レンズ)101の2倍の照度が得られている。
この結果は、本発明のバルク型レンズが従来の光学系では実現できない効果を有することを示している。
【0038】
図7は、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズと従来の凸形状の球面レンズとで作成した平行光の平行度を評価した図である。
図5と同様にy方向に沿った強度(照度)分布を、測定距離xを変化させて測定したデータをまとめたものである。図の横軸は、測定距離xの逆数の2乗、即ち1/x2 を示し、縦軸は測定距離xにおける最大強度(ピーク強度)を示す。図から明らかなように、本発明のバルク型レンズの場合は、逆2乗則、即ち1/x2 を示す線上にきれいに測定点がプロットされる。一方、従来の薄型レンズ(両凸レンズ)101の場合は、逆2乗則からずれていることがわかる。
この結果は、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズ20は、平行度においても十分であり、従来のレンズ系に較べ、勝るとも劣らない性能を実現できることを示している。
【0039】
図8は本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズの幾何学的構造と集光率の関係を示す図である。ここで「集光率」とは、「バルク型レンズからの±1°以内の発散角における出力光の光量」を、「光源(LED)からの±12°以内の発散角における光量」で除した量で定義している。すなわち光線ビーム径に対応する量である。頂部3の曲率半径R、バルク型レンズの全長L、媒体長(頂部と天井部のレンズ間距離)D、収納部内径(凹部の内周部系)r、天井部2の曲率部分長さΔをパラメータとして、集光率を測定した。尚ここで、Δの符号は図1に示すように、天井部2が凹である場合を負とし、凸の場合を正と定義する。 図9は、作成した本発明のバルク型レンズの幾何学的構造を示す図である。図8から、集光率を向上するためには、
0.93 < k(R/L) <1.06 ・・・・・ (2)
k = 1/(0.35・ n −0.168) ・・・・・ (3)
を満足することが好ましいことが実験的にわかる。ここで、nは、バルク型レンズの材料である光学媒質の屈折率である。なお、バルク型レンズ20の円柱形状部分の半径Roと、頂部3の曲率半径をRとは、必ずしも等しい必要はない。
【0040】
次に、本発明のバルク型レンズの第2の実施例を説明する。
図10は、天井部2を凸形状にした本発明のバルク型レンズの構造を示す図である。図10において、バルク型レンズ22は、天井部2の形状が異なる外は、図1に示したバルクレンズ20と同等である。測定に用いたバルク型レンズ22の円柱形状部分の外径2Roは15mmφ、バルク型レンズの全長Lは、25mm、頂部と天井部のレンズ間距離Dは16mm、収納部6の内径rは5.2mm、バルク型レンズの屈折率nは1.54である。このバルク型レンズの頂部3の曲率半径Rは8.25mmである。又、測定に用いた樹脂モールドされたLED1の外径は5mmφである。
【0041】
図11(A)〜(C)及び図12(A)〜(C)は、天井部2の凸部の高さΔと、ビーム強度プロファイルとの関係を示す図である。光源からの距離x=1mで照度を測定した。
図から明らかなように、天井部2を凸形状のレンズとしても集光特性が得られることがわかる。
【0042】
このようにして、本発明の第1及び第2の実施例に係る発光体によれば、樹脂モールドされたLED1の数を多数必要とすることなく、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。驚くことに、現在市販されているハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった1個のLEDで実現出来たのである。このように、本発明の第1の実施例に係る発光体によれば、従来の技術では実現できない照度を、図1に示すような簡単な構造で実現できる。
【0043】
なお、本発明の第1及び第2の実施例に係る発光体に用いる樹脂モールドされたLED1としては、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、懐中電灯のような照明目的のためには、白色LEDが人間の目には自然であるので好ましい。白色LEDは種々の構造のものが使用出来る。例えば、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3個のLEDチップを縦に積層して構成しても良い。この場合、樹脂モールド14から、それぞれの色のLEDチップに対応し、合計6本のピンが導出されても良く、樹脂モールド14の内部配線として、6本のピンを2本にまとめ、外部ピンとしては2本設けられた構造としてもかまわない。又、一方の電極(接地電極)を共通とすれば、外部ピンは4本でよい。又、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御出来るようにしておけば、あらゆる色の混合が可能であるので、色合いの変化を楽しむことが可能である。
【0044】
本発明の第1及び第2の実施例に係る発光体に用いるバルク型レンズ20としては、アクリル樹脂等の透明プラスチック材料、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等の種々のガラス材料等が使用可能である。或いは、ZnO、ZnS、SiC等の結晶性材料を用いてもかまわない。又、可とう性、屈曲性や伸縮性のあるゾル、ゲル、ゾル・ゲル混合物、或いは透明ゴムのような材料でもかまわない。また、ゾル、ゲル、ゾル・ゲル混合物等を、透明ゴムやフレキシブルな透明プラスチック材料等に格納して用いても良い。アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等は、バルク型レンズ20を大量生産するのに好適な材料である。即ち、一度金型を作り、この金型により成形加工すればバルク型レンズ20が簡単に大量生産出来る。
【0045】
次に、第1及び第2の実施例の変形例について説明する。
第1及び第2の実施例の変形例における本発明のバルク型レンズは、端面放射型LEDのように、LEDチップの側面から発光する光源を使用する場合にも使用できるものである。
端面放射型LEDはLEDチップの側面から発光するものであり、そのため、上記実施例1及び2のバルク型レンズにこのLEDチップを装着した場合には、バルク型レンズの内周部5に垂直に入射する成分が多くなるため、全反射されずにバルク型レンズの外部に散逸する光が多くなる。
第1及び第2の実施例の変形例のバルク型レンズはこのような光源に対しても、極めて低損失で収束光を得ることができる。
【0046】
図13は、本発明のバルク型レンズの内周部5と外周部9とが傾きを有する場合の光線の光路を示す図である。
図において、光源の発散角をθd 、内周部5と外周部9との傾き角をφ、外周部9の全反射角をθt 、内周部5における光線の入射角、屈折角をθ1 及びθ2 、そしてバルク型レンズの光学媒質の屈折率、収納部(凹部)6の屈折率をn2 及びn1 とする。図は、光源の最大出射角、すなわち、発散角の光線が傾き角をφにより、全反射条件を満たし、全反射されている状態を表している。
内周部5において、スネルの屈折の法則より、θ1 とθ2 の間には、
sinθ1 /sinθ2 =n2 /n1 (4)
が成り立ち、また、図から明らかなように、θt 、φ、θ2 の間には、
θt =φ+θ2 (5)
が成り立つ。また、図から明らかなように、θd 、θ1 、φの間には、
θd =90°−(θ1 +φ) (6)
の関係が成り立つ。上記(4)、(5)、(6)式よりθ1 とθ2 を消去すると、バルク型レンズが全反射角θt を有し、光源の発散角がθd である場合の、全反射するために必要な傾き角φを与える関係式として、
sin-1{n1 /n2 cos(θd +φ)}=θt (7)
が得られる。すなわち、(7)式を満たす傾き角φ以上で内周部5と外周部9が傾いていれば、たとえ、内周部5に垂直に光が入射する場合(θd =90°)でも全反射され、頂部3へ、あるいは底面7で反射して頂部3へ導かれるから、収束光を得ることができる。
【0047】
図14は、上記のバルク型レンズの構成を示す図である。
図14(A)は、バルク型レンズ20の内周部5の表面に微細な凹凸を設けた例を示している。この凹凸は少なくとも(7)式を満足するφ以上の傾き角を有しており、また、この凹凸の大きさは光波長程度でよい。また、この凹凸は、内周部5の光源近傍に設けるだけでよい。
このような凹凸は、適切な粒径の研磨剤を用いて、内周部5の表面を磨くことによって簡単に形成できる。
図14(B)は、ほぼ真横方向に出射した光線がバルク型レンズ内を全反射して、又は底面7で反射してかつ側壁で全反射して、頂部3に導かれる様子を示している。このように、例えば、端面発光LEDのようにほとんどの出射光がチップの側面から出射するようなLEDを使用する場合においても、全ての出射光を収束できる。
さらにまた、レンズ部と光源を収納する収納部とが一体で形成されているため、従来のレンズ系では必要であったレンズと光源を光学的位置合わせをして保持する保持部を必要とせず、また、光学的位置合わせ工程を必要とせず、ただ光源にかぶせるだけでよいので、極めて低コストである。
【0048】
次に、第3の実施例について説明する。
図13は光ファイバを光源とした本発明のバルク型レンズの構成を示す図である。図において、バルク型レンズ20は図1に示した構成と同じであり、光ファイバ出射端である発光部23をほぼ完全に覆う構造に構成されている。このバルク型レンズ20は、頂部3、底部7、内周部5及び外周部9を有するバルク型のレンズ本体4と、この底部7から頂部3に向かってレンズ本体4の内部に設けられた井戸型の凹部6とから構成されている。レンズ本体4の内部に設けられた、凹部6の天井部が第1のレンズ面(入射面)2、レンズ本体の頂部が第2のレンズ面(出射面)3、凹部の内部が光源1の収納部6として機能する。
【0049】
図15に示す光ファイバ束8023は、複数の光ファイバ8023a,8023b,8023c,・・・・・ の集合から構成されている。光ファイバ束8023を構成する複数の光ファイバ8023a,8023b,8023c,・・・・・ はストレート形状でも、撚りが加えられた形状でも良い。又、光ファイバ束8023ではなく、単一の光ファイバでも良いことは勿論である。
【0050】
光ファイバ束8023は、例えば、直径(外径)4〜5mmφの円柱形状である。バルク型レンズ20の収納部6の側壁部は、光ファイバ束8023の端部を収納出来るように、直径(内径)4. 5〜6mmφの円筒形状となっている。図示を省略しているが、光ファイバ束8023とバルク型レンズ20の収納部6との間には、光ファイバ束8023を固定するため、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサが挿入されている。バルク型レンズ20は、凸形状のレンズの第2の湾曲面からなる出射面3となる頂部を除けば、円柱形状である。このバルク型レンズ20の円柱形状部分の直径(外径)は、10〜30mmφである。バルク型レンズ20の直径(外径)は、本発明の第2の実施例に係る発光体の使用目的に応じて選択出来る。従って、10mmφ以下でも、30mmφ以上でもかまわない。
【0051】
本発明の第3の実施例に係る光ファイバ束8023は、第1の屈折率n1 を有するクラッド部を有する複数の光ファイバ8023a,8023b,8023c,・・・・・ の集合から構成されている。そして、バルク型レンズ20は、第1の屈折率n1 とは異なる第2の屈折率n0 を有する空気を介して光ファイバ束8023の端部を収納している。空気以外の流体若しくは流動体を介して光ファイバ束8023の端部を収納部6に収納しても良い。又、バルク型レンズ20は、第2の屈折率n0 とは異なる第3の屈折率n6 を有するようにすればよい。第1の屈折率n1 、第2の屈折率n0 及び第3の屈折率n6 を、それぞれ最適な値に選定することにより、光ファイバ束8023の端部からの光を収束させることも分散させることも可能である。又、バルク型レンズ20の有する第3の屈折率n6 を次第に大きく、若しくは次第に小さくするようにして光路設計をしても良い。
【0052】
本発明の第3の実施例においては、上記したように、頂部3及び天井部2からの反射光(迷光)が、バルク型レンズ20外に散逸することが無く、再度頂部3から収束されて出射していくから、ファイバから出射する光のほとんど全てが有効に使用でき、極めて明るい収束光を得ることができる。
また、バルク型レンズ20は、レンズと光ファイバの保持部が一体で形成されているから、コストの高い保持部を必要とせず、又、レンズと光ファイバの光学的位置合わせも必要としないので極めて低コストでできる。
この様にして、本発明の第3の実施例に係る発光体によれば、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積を自由に選択出来、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。
本発明の第3の実施例に係る光ファイバ束8023の他方の端部から所定の光を入力するための光源は、必ずしも、半導体発光素子に限られない。なぜなら、白熱球からの光であっても、バルク型レンズ20の収納部6の内部に収納される光ファイバ束8023の端部は低温に維持出来るからである。従って、半導体発光素子以外の光源を用いれば、本発明の第1の実施例に係る発光体の場合のように、LEDの出力で規定される光束の制限を解除出来るので、極めて明るい照明系を実現出来る。
なお、光ファイバ束8023の端部の形状は、図示のものに限られないことは勿論である。
【0053】
次に、第4の実施例を説明する。
図16は本発明の第4の実施例に係る発光体を示す模式的な断面図である。図16に示すように、本発明の第4の実施例に係る発光体は、所定の波長の光を発する光源1と、この光源1をほぼ完全に覆うバルク型レンズ20とから少なくとも構成されている。そして、このバルク型レンズ20は、頂部3、底部7、内周部5及び外周部9を有するバルク型のレンズ本体4と、この底部から頂部3に向かってレンズ本体4の内部に設けられた井戸型の凹部6とから構成されている。レンズ本体4の内部に設けられた、凹部6の天井部が第1のレンズ面(入射面)2、レンズ本体の頂部が第2のレンズ面(出射面)3、凹部の内部が光源1の収納部6として機能する。
【0054】
光源1は、例えば、最大部の直径(外径)2〜3mmφの沃素(I2 )タングステンランプ(ハロゲンランプ)、即ち豆ランプ形状の白熱球である。バルク型レンズ20は、断面が図20に示すような弾丸型の形状である。バルク型レンズ20の凹部6の凹部側壁5は、光源(白熱球)1の主発光部を収納出来るように、直径(内径)2. 5〜4mmφの円筒形状となっている。図示を省略しているが、光源1とバルク型レンズ20とを固定するために、光源1のソケット部とバルク型レンズ20の凹部6との間には、厚さ1〜2.5mm程度のスペーサ8が挿入されている(「ソケット部」とは図20において、光源1の電極リード側(左側)の部位を意味する。)。弾丸型のバルク型レンズ20の円柱形状部の直径(外径)は、本発明の第3の実施例に係る発光体の使用目的に応じて選択出来る。従って、10mmφ以下でも、30mmφ以上でもかまわない。但し、既に述べた(1)式乃至(3)式或いは(6)式等を満足するように、バルク型レンズ20の幾何学的構造を選ぶのが好ましいことは勿論である。又、本発明の第3の実施例に係るバルク型レンズ20は、空気の屈折率n0とは異なる屈折率n1を有する。
【0055】
図16において、入射面2(天井部)以外の凹部6の内周部7も、有効な光の入射部として機能しえ、最終的には照明に寄与出来る成分となり得る。このように本発明の第3の実施例においては、光源1がバルク型レンズ20の凹部6にほぼ完全に閉じこめられているので、光源1から発せられる迷光成分も含めて、ほぼすべての出力光が有効に照明に寄与出来るようになる。
【0056】
このようにして、本発明の第4の実施例に係る発光体によれば、光源1の数を多数必要とすることなく、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。このように、本発明の第4の実施例に係る発光体によれば、従来の技術では実現できない照度を、簡単な構造で実現出来る。従来の凸レンズを用いた場合は、その直径が、本発明のバルク型レンズ20の円柱部直径の2倍でも不十分であり3倍程度でもビームの平行性は得られない。即ち、1/3を越える小型化が達成されたことになる。
【0057】
本発明の第4の実施例に係る発光体に用いるバルク型レンズ20としては、光源(白熱球)1の発熱を考慮すると、耐熱性光学材料が好ましい。耐熱性光学材料としては、石英ガラス、サファイアガラス等の耐熱ガラスが好ましい。或いはポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂、メタクリル樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、パーフルオロアルキル基を有する高分子材料等の耐熱性光学材料が使用可能である。SiC等の結晶性材料でも良い。なお、光源1として、LED等の半導体発光素子を用いる場合は、発熱作用を伴わないので、アクリル樹脂等の耐熱性が弱い樹脂を使用することが可能である。
【0058】
次に、第5の実施例について説明する。
図17は、裏面からの発光も取り出し可能な本発明のバルク型レンズの構成を示す図である。
例えば、青色LEDの材料として周知のGaNのエピタキシャル成長基板として絶縁性の高いサファイア基板が用いられている。このため、通常はGaN青色LEDのアノード電極及びカソード電極はともにGaNエピタキシャル成長層の表面側から取り出される。このサファイア基板は青色LEDの波長に対して透明であるため、青色LEDのパッケージの構造によっては、青色LEDからの発光は基板の裏面方向からも取り出すことが可能である。しかし、上記実施例で説明したバルク型レンズでは基板の裏面方向からの発光を積極的に利用する構造の配慮がない。この実施例では、裏面からの発光も取り出しを可能としている。
【0059】
図に示すように、本発明の第5の実施例に係る発光体は、半導体発光素子1とバルク型レンズ25とから構成されている。そして、このバルク型レンズ25は、頂部3、頂部に対向した底部7、内周部5及び外周部を有するバルク型のレンズ本体4と、この底部から頂部3に向かってレンズ本体4の内部に設けられた井戸型の凹部6とから構成されている。レンズ本体4の内部に設けられた、凹部6の天井部が第1のレンズ面(入射面)2、レンズ本体の頂部が第2のレンズ面(出射面)3、凹部の内部が光源1の収納部6として機能する。
そして、レンズ本体4の底部には、背面鏡31が形成されている。背面鏡31は、バルク型レンズ25の側面の一部にまで延長されて形成されている。図では背面鏡31は、バルク型レンズ25の側面の一部を被覆しているが、バルク型レンズ25の側面のほぼ全面を被覆するように形成してもかまわない。背面鏡31は、Al、真鍮、ステンレス等の金属を図17(A)及び図17(B)に示す形状に旋盤・フライス盤等を用いて研削加工、若しくはプレス加工機等により成型加工し、その後、その表面を研磨して構成すればよい。更に、これらの表面にニッケル(Ni)鍍金や金(Au)鍍金を施せば反射率が向上するので好ましい。安価、且つ簡便な方法としては、Al薄膜等の反射率の高い金属薄膜を接着した構造でもかまわない。或いは、熱可塑性樹脂を押出成形若しくは射出成形により図に示す形状に加工し、この表面にAl箔等の反射率の高い金属薄膜や誘電体多層膜を真空蒸着やスパッタリングで堆積した構造、若しくは高反射性ポリエステル白色フィルム等を接着した構造でもかまわない。更に、バルク型レンズ25の底部に反射率の高い金属薄膜や誘電体多層膜を真空蒸着やスパッタリングで直接堆積した構造や、反射率の高い金属薄膜を鍍金により形成した構造やこれらの複合膜でも、背面鏡31を構成できる。この場合、50nm〜20μm程度の種々の厚さの薄膜を、背面鏡31として使用できる。
【0060】
図17の半導体発光素子1は、第1のピン11に接続された支持リングの中空部にはめ込まれ、その端部を固定されて配置されたLEDチップ13と、このLEDチップ13を被覆する樹脂モールド14と、第1のピン11と対をなす第2のピン12とから少なくとも構成された封止LED1である。背面鏡31には、第1のピン11及び第2のピン12を貫通させる穴があいており、背面鏡31に第1のピン11と第2のピン12とを電気的に短絡しないように考慮している。第1のピン11に接続された支持リングの中央部は中空であるため、LEDチップ13からの発光はLEDチップ13の裏面方向(図17(A)及び図17(B)において右方向)からも取り出される両面発光構造をなしている。支持リングは完全に閉じたリングである必要はなく、C字型、コの字型等の閉じないリングでもよい。要はLEDチップ13の端面の一部を固定出来る構造であればよい。この封止LED1の頂部は、図17(A)及び図17(B)に示すように、凸形状の湾曲面を有している。この様に樹脂モールド14の頂部近傍が凸形状の湾曲面をなすことにより、LEDチップ13から左方向(表方向)に出力する光は、所定の発散角で指向性を有して出力される。一方、LEDチップ13から右方向(裏方向)に出力する光は背面鏡31で反射され、LEDチップ13の表面から左方向に出力される。結局、LEDチップ13の右方向(裏方向)に出力する光も、頂部近傍が凸形状の湾曲面により所定の発散角が与えられる。
【0061】
凸形状の湾曲面部を除けば、封止LED1は、例えば直径(外径)2〜3mmφの円柱形状である。バルク型レンズ25の凹部の側壁部は、封止LED1を収納出来るように直径(内径)2. 5〜4mmφの円筒形状となっている。図17(B)及び図18に示すように、封止LED1は頭部がカップ形状のLEDホルダ16に固定され、LEDホルダ16を介して、封止LED1とバルク型レンズ25とが互いに固定されている。LEDホルダ16は電気的に絶縁性が高く、光学的に透明な材料で構成すればよい。LEDホルダ16の封止LED1とバルク型レンズ25の凹部との間に位置するカップ形状の部分の肉厚は、例えば、0.25〜0.5mm程度である。そして、バルク型レンズ25は、ほぼ封止LED1と相似な円柱形状である。このバルク型レンズ25の円柱形状部分の直径(外径)は10〜30mmφである。バルク型レンズ25の直径(外径)は、本発明の第4の実施例に係る発光体の使用目的に応じて選択出来る。従って、10mmφ以下でも30mmφ以上でもかまわない。但し、既に述べた(1)式乃至(3)式或いは(6)式等を満足するように、バルク型レンズ20の幾何学的構造を選ぶのが好ましいことは勿論である。
【0062】
図18はLEDホルダの構成例を示す図である。
LEDホルダ16は、例えば図に示すように、背面鏡31と一体で構成し、この背面鏡一体型LEDホルダ16に封止LED1を差し込むようにすれば、本発明の第5の実施例に係る発光体の組み立て工程が簡略化できる。図に示す背面鏡一体型LEDホルダ16において、中央部のLEDホルダ16に、第1のピン11及び第2のピン12を通す2本の貫通孔が設けられている。貫通孔は、前述の背面鏡31に設けられた貫通孔に連続している。そして、この2本の貫通孔に、第1のピン11及び第2のピン12を差し込むことにより、LEDホルダ16に封止LED1が固定される。LEDホルダ16は、封止LED1の屈折率n1と同じ屈折率を有するエポキシ樹脂等の透明材料、若しくはバルク型レンズ25の屈折率n2と同じ屈折率を有する透明材料等で構成すればよい。或いは、屈折率n1及び屈折率n2のいずれとも異なる屈折率を有する透明材料で構成してもよい。いずれにしても、封止LED1から発せられる光の波長に対して透明な光学材料で、LEDホルダ16を構成すればよい。バルク型レンズ25としては、透明プラスチック材料、ガラス材料、結晶性材料等が使用可能で、有色の樹脂や蛍光材料を含んだ樹脂等も使用可能である。この内、アクリル樹脂やポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂は、バルク型レンズ25を大量生産するのに好適な材料である。即ち、一度金型を作り、この金型により押出成形若しくは射出成形すればバルク型レンズ25が簡単に大量生産出来る。
【0063】
一般の封止LEDにおいては、樹脂モールド14の凸形状の湾曲面以外の所から出る光は、いわゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、本発明の第4の実施例においては、封止LED1がバルク型レンズ25の凹部にほぼ完全に閉じこめられ、バルク型レンズ25の底部には、背面鏡31が配置されているので、これらの迷光成分がすべて最終的には発光面となる頂部から出力可能である。従って、すべての迷光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、凹部に着目すれば、天井部以外の凹部の内壁部7も上記原理(b)により有効な光の入射部として機能し、内壁部7を透過した迷光成分は背面鏡31で反射され、最終的には発光面側から出力可能である。又、封止LED1とバルク型レンズ25の凹部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が種々の方向に多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成分も、本発明の第5の実施例においては、上記原理(c)及び(d)に加えて、背面鏡31により内部で反射し、発光面となる頂部側に導かれる。この結果、これらの迷光成分がすべて最終的には発光面から出力される。
【0064】
この結果、樹脂モールド14の形状等の光の取り出し効率や、光学系相互の反射成分等に依存せず、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的なLEDチップ13の光エネルギを有効に取り出すことが可能となる。
このようにして、本発明の第5の実施例に係る発光体によれば、封止LED1の数を多数必要とすることなく、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。このため、現在市販されているハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった1個のLEDで実現出来る。このように、本発明の第4の実施例に係る発光体によれば、従来の技術常識では全く予測出来ない照度を、図17に示すような簡単な構造で、実現出来る。
【0065】
なお、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3個のLEDチップを積層した場合には、赤(R)、緑(G)及び青(B)のそれぞれの発光強度を調整し、混合することにより、可視光帯スペクトルのすべての色を出現出来る。この場合、実際には、製造工程上のばらつきにより色むらが発生する場合があるが、背面鏡31で赤(R)、緑(G)及び青(B)のLEDチップからの光をそれぞれ反射し混合することにより、各色のバランスを取り色むらを解消出来る利点を有する。
【0066】
次に、第6の実施例を説明する。
図20は、複数のLED光源を有する本発明の発光体の構成を示す図である。
図に示すように、本発明の第6の実施例に係る発光体は、所定の波長の光を発する複数のダイオードチップ81,82,83,84,・・・・・ と、この複数のダイオードチップ81,82,83,84,・・・・・ をほぼ完全に収納するバルク型レンズ20とから少なくとも構成されている。具体的には、ダイオードチップ81,82,83,84,・・・・・ は、それぞれディスク型のパッケージにモールドされている(以下、これらディスク型のパッケージにモールドされたLEDチップ81,82,83,84,・・・・・ を「ディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ 」と言う。)。そして、このバルク型レンズ20は、入射面2と、入射面2から入射した光を出射する出射面3と、入射面2と出射面3とを接続し、複数のダイオードチップから発せられた光の波長に対して透明な材料からなるレンズ本体とを有する。図に示すように、バルク型レンズ20は、円筒型の側面と、半球状の頂部からなる弾丸型の形状を有している。更に、この弾丸型のバルク型レンズ20はディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ を収納するための凹部を、天井部に有している。この凹部は、上記の入射面2とこの入射面2に連続して形成された側壁部とから構成されている。即ち、凹部の天井部が上記の入射面2として機能している。図において、凹部は円筒型の側面と、半球状の天井部からなる弾丸型の形状で構成されている。凹部の側面を構成する円筒の内径は2mm〜6.5mmφ程度とすることが出来る。一方、バルク型レンズ20の側面を構成する円筒の外径は、10mm〜50mmφ程度に選ぶことが可能である。バルク型レンズ20の側面を構成する円筒の外径2Roと、凹部の側面を構成する円筒の内径rとの差即ち肉厚は、凹部の側面を構成する円筒の内径rと同程度、若しくはその2〜3倍程度、若しくはこれ以上に選べばよい。より好ましくは、既に述べた(1)式乃至(3)式或いは(6)式等を満足するように、バルク型レンズ20の幾何学的構造を選ぶ必要があることは勿論である。
【0067】
図20の複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ は、弾丸型に成形されたフィルム基板33の上に配置されている。図において、凹部の天井部となる入射面2と複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ との間にギャップが存在するかのように示されているが、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ は、入射面2に密着するように配置するのがより明るい発光を得る上で好ましい。フィルム基板33は、フレキシブルな有機材料を用いることが可能である。例えば、厚さが、25μm乃至50μm程度の薄いポリエチレン・テレフタレート(PET)薄膜やポリイミド薄膜等をフィルム基板33の材料として用いることが可能である。フィルム基板33の表面には、図に示すような、厚さ5μm乃至15μm程度のアルミニウム(Al)配線221,222,223,224,225,・・・・・ がパターニングされている。Al配線221,222,223,・・・・・ は、Al薄膜を、フィルム基板33全面に堆積後、エッチング法によりパターニングすれば良い。Al配線221,222,223,・・・・・ は、スクリーン印刷法を用いてパターニングしても良い。このAl配線221,222,223,・・・・・ のパターニングにより、フィルム基板33の表面の所定の箇所に、周期的に、フィルム基板33が露出した開口部が形成される。この開口部は、ディスク型LED201,202,203,・・・・・ 搭載用の矩形の窓部である。ディスク型LED201,202,203,・・・・・ は図に示すように、セラミックパッケージ311,312,313,314,・・・・の内部にそれぞれLEDチップ301,302,303,304,・・・・・ が配置されている。ディスク型LED201,202,203,・・・・・ と、Al配線221,222,223,・・・・・ とは、半田211a,211b,212a,212b,213a,213b,・・・・・ で互いに接続される。そして、Al配線221,222,223,・・・・・ の両端はそれぞれ第1のピン11及び第2のピン12に接続されている。図に示すように、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ は、バルク型レンズ20の凹部の内部において、樹脂14によりモールドされている。
【0068】
本発明の第6の実施例においては、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ がバルク型レンズ20の凹部にほぼ完全に閉じこめられているので、迷光成分を含めて半導体チップから発光されるあらゆる出力光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、入射面2(天井部)以外の凹部の内壁部も、上記原理(b)により有効な光の入射部として機能し得るのである。又、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ とバルク型レンズ20の凹部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は、照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成分も、本発明の第6の実施例においては、上記原理(c)及び(d)により、最終的には、照明に寄与出来る成分となり得る。この結果、樹脂モールド(樹脂封止体)14の形状等の光の取り出し効率や、光学系相互の反射成分等に依存せず、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的な複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ の光エネルギを有効に取り出すことが可能となる。
【0069】
この様にして、本発明の第6の実施例に係る発光体によれば、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ の数を多数必要とすることなく、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。
なお、本発明の第6の実施例に係る発光体に用いる複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ としては、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、懐中電灯のような照明目的のためには、第1の実施例で述べたような白色LEDが人間の目には自然であろう。即ち、この白色LEDを、図20(A)及び図20(B)に示す複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ として用い、この白色複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ に対して所定電圧が印加出来るように電池ケースとこの電池ケースの中の電池(例えば単3電池)を収納すれば、ペンタイプの細身の懐中電灯(携帯用照明器具)が完成する。この電池の陽極及び陰極にそれぞれ、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ の電極を接続する構造とすれば良い。この結果、簡単な構造で、製造単価の低い懐中電灯(携帯用照明器具)が提供出来る。この懐中電灯(携帯用照明器具)は長期間に渡る安定性と信頼性に優れ、特に、電力消費量が少ないため電池の寿命が長い。
【0070】
本発明の第6の実施例に係る発光体に用いるバルク型レンズ20としては、第1の実施例で述べたガラス材料、透明プラスチック材料、結晶性材料等が使用可能である。この内、アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等は、バルク型レンズ20を大量生産するのに好適な材料である。即ち、一度金型を作り、この金型により成形加工すればバルク型レンズ20が簡単に大量生産出来る。
【0071】
図21は、本発明の複数の光源を有する発光体の電源回路を示す図である。
複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ は、図に示すように直列接続しても良く、並列接続しても良い。直列接続の場合は、電流制限回路812を駆動回路811と共に直列接続し、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ に過剰な電流が流れないようにすれば良い。並列接続の場合は、それぞれのLED、即ちD1,D2,・・・・・・, Dn−1, Dnに直列に電流制限抵抗R1,R2,・・・・・ ,Rn−1,Rnに接続し、駆動回路811を経由して電源電圧を供給すれば良い。
【0072】
窒化ガリウム(GaN)系半導体材料のエピタキシャル成長基板として絶縁性の高いサファイア基板が用いられている。このため、通常は青色LEDのアノード電極及びカソード電極はともにGaN系半導体材料のエピタキシャル成長層の表面側から取り出される。このサファイア基板は青色LEDの波長に対して透明であるため、青色LEDを搭載するディスク型パッケージの底部に透明材料を用いる等の所定の光学的設計をすれば、青色LEDからの発光は基板の裏面方向からも取り出すことが可能である。
【0073】
図22は、本発明の背面鏡を備えた複数の光源を有する発光体の構成を示す図である。
図に示すように、バルク型レンズ25の底部に、背面鏡31を配置するのが好ましい。図では、背面鏡31は、バルク型レンズ25の側面のほぼ全面を被覆しているが、バルク型レンズ25の側面の一部のみ被覆するように形成してもかまわないし、側面部への形成は省略しても良い。背面鏡31は、Al、真鍮、ステンレス等の金属を図に示す形状に旋盤・フライス盤等を用いて研削加工、若しくはプレス加工機等により成型加工し、その後、その表面を研磨して構成すれば良い。更に、これらの表面にニッケル(Ni)鍍金や金(Au)鍍金を施せば反射率が向上するので好ましい。安価、且つ簡便な方法としては、Al薄膜等の反射率の高い金属薄膜を接着した構造でもかまわない。或いは、熱可塑性樹脂を押出成形若しくは射出成形により図に示す形状に加工し、この表面にAl箔等の反射率の高い金属薄膜や誘電体多層膜を真空蒸着やスパッタリングで堆積した構造、若しくは高反射性ポリエステル白色フィルム等を接着した構造でもかまわない。更に、バルク型レンズ25の底部に反射率の高い金属薄膜や誘電体多層膜を真空蒸着やスパッタリングで直接堆積した構造や、反射率の高い金属薄膜を鍍金により形成した構造やこれらの複合膜でもかまわない。
【0074】
図22の複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ は、フィルム基板33に搭載され、図20と同様に、Al配線により、第1のピン11及び第2のピン12に接続されている。図22において、凹部の天井部となる入射面2と複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ との間にギャップが存在するかのように示されているが、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ は、入射面2に密着するように配置するのが、より明るい発光を得る上で好ましい。背面鏡31には、第1のピン11及び第2のピン12を貫通させる穴があいており、背面鏡31に第1のピン11と第2のピン12とを電気的に短絡しないように考慮している。弾丸型に成形されたフィルム基板33を透明材料で構成し、弾丸型フィルム基板33の内部に充填される樹脂14も透明材料を用いれば、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ からの発光は裏面方向にも進む。この複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ から裏方向に出力する光は、背面鏡31で反射され、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ の表面から左方向に出力される。結局、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ の裏方向に出力する光も、表面方向にも進む光と合成され、出射面3により所定の発散角が与えられる。この様に、本発明の第6の実施例においては、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ がバルク型レンズ25の凹部にほぼ完全に閉じこめられ、バルク型レンズ25の底部には、背面鏡31が配置されているので、これらの迷光成分がすべて最終的には発光面となる頂部から出力可能である。従って、ほぼすべての迷光成分が、有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、凹部に着目すれば、入射面2以外の凹部の内壁部も、有効な光の入射部として機能し、内壁部を透過した迷光成分は、背面鏡31で反射され、最終的には発光面側から出力可能である。又、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ とバルク型レンズ25の凹部との間にはそれぞれの界面で多重反射した成分も、凹部の内部に閉じこめられ、背面鏡31により内部で反射し、発光面となる頂部側に導かれる。この結果、これらの多重反射成分がほとんどすべて最終的には発光面から出力される。
【0075】
このようにして、本発明の第6の実施例に係る発光体によれば、複数のディスク型LED81,82,83,84,・・・・・ の数を、極度に多数必要とすることなく、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。
【0076】
次に、第7の実施例について説明する。
本発明の第6の実施例に係る発光体では、複数のダイオードチップ81,82,83,84,・・・・・ がそれぞれディスク型のパッケージにモールドされた場合を説明したが、ベアチップの状態で、弾丸型に成形されたフィルム基板33の上に配置してもかまわない。ベアチップの方が、より密接した状態で配置出来るので好ましい。
図23及び図24は、本発明の複数のベアチップを光源とする発光体の構造を示す図である。
本発明の第7の実施例に係る発光体においては、図23及び図24に示すように、複数のベアチップの状態のLED81,82,83,84,・・・・・ を弾丸型に成形されたフィルム基板33の上に固定する。バルク型レンズ25の構造は、本発明の第6の実施例に係る発光体で示した構造と同一であるので、その説明を省略する。
【0077】
LEDチップは、図23に示すように、サファイア(Al2 O3 )基板401の上にバッファ層(図示省略)を介して積層されたn型半導体層402、活性層403,p型半導体層404から構成されている。サファイア(Al2 O3 )基板401は、接着剤502によりフィルム基板33に固定されている。アノード電極405は、p型半導体層404の上面のほぼ全面に形成することが出来る。アノード電極405とp型半導体層404とのオーミックコンタクト特性の改善のためには、アノード電極405とp型半導体層404の間にGaN系p型半導体からなるコンタクト層(図示省略)を形成することが好ましい。アノード電極405は、活性層403の発光に対して透明な電極層で構成すれば良い。具体的には、錫(Sn)をドープした酸化インジウム(ITO)や酸化錫(SnO2 )のような金属酸化物等が好ましい。或いは金属を十分薄く形成して透明電極層405として用いても良い。もう一方の電極層であるカソード電極406は特に透明である必要はない。アノード電極405の一部にボンディングパッド部が設けられ、このボンディングパッド部に銅(Cu)箔からなるビームリード512が接続されている。カソード電極406も同様に、銅箔からなるビームリード511が接続されている。ビームリード511,512はそれぞれ導電性の接着剤層501によりAl配線221,222に接続されている。
【0078】
LEDチップは、図24に示すように半田ボール411,412を用いてフリップチップで実装してもかまわない。図24において、アノード電極405は半田ボール411を用いてAl配線221に接続され、カソード電極406は半田ボール412を用いてAl配線222に接続されている。フィルム基板33を透明基板としておけば、上面と下面の2方向に発光することが可能である。下面に発光した光は、図22と同様に背面鏡31で反射し、上面方向に戻せば良い。
【0079】
次に、第8の実施例について説明する。
本発明の第6及び第7の実施例に係る発光体は、複数のダイオードチップ81,82,83,84,・・・・・ を弾丸型に成形されたフィルム基板33の表面に、いわば準平面的(準2次元的)に配列したものである。この場合、現実にはそれぞれのダイオードチップに対応した複数の出力光の光軸が存在するので、複数のダイオードチップ81,82,83,84,・・・・・ を点光源と見なすのが困難になる場合がある。
本発明の第8の実施例に係る発光体は、図25に示すように、複数のダイオードチップ61,62,63,・・・・・ のそれぞれをチップの主表面に垂直方向に積層し、それぞれの出力光の光軸を一致させている。上述したように、「主表面」とは平行平板の互いに対向する2つの平面であり、ダイオードチップ81,82,83,84,・・・・・ のそれぞれのpn接合面とも平行な面である。図26は、複数のダイオードチップ61,62,63,・・・・・ の積層状態を詳細に説明する図である。簡単のため3層の積層で示しているが、4層以上の多層で良いことは勿論である。図26において、第1層のダイオードチップ(第1層LED)61は、サファイア基板611の上に積層されたn型半導体層612、活性層613,p型半導体層614から構成されている。サファイア基板611は、接着剤602により支持台64に固定されている。アノード電極615は、p型半導体層614の上面のほぼ全面に形成することが出来る。アノード電極615の中央部は、活性層613の発光に対して透明な電極層で構成すれば良い。アノード電極615の額縁状の周辺部は、ボンディング用に0.5μm乃至2μm程度の比較的厚い金(Au)薄膜等で構成されている。カソード電極616は特に透明である必要はない。アノード電極615の額縁状の周辺部に銅(Cu)箔からなるTABリード(ビームリード)617が接続されている。カソード電極616も同様に、銅箔からなるTABリード(ビームリード)618が接続されている。第2層のダイオードチップ(第2層LED)62は、サファイア基板621の上に積層されたn型半導体層622,活性層623,p型半導体層624から構成されている。サファイア基板621は、透明接着剤605により第1層のダイオードチップ61の上に固定されている。アノード電極625は、p型半導体層624の上面のほぼ全面に形成することが出来る。アノード電極625の中央部は、活性層623の発光に対して透明な電極層で構成すれば良い。アノード電極625の額縁状の周辺部は、ボンディング用に0.5μm乃至2μm程度の比較的厚い金(Au)薄膜等で構成されている。カソード電極626は特に透明である必要はない。アノード電極625の額縁状の周辺部に銅(Cu)箔からなるTABリード(ビームリード)627が接続されている。カソード電極626も同様に、銅箔からなるTABリード(ビームリード)628が接続されている。同様に第3層のダイオードチップ(第3層LED)63は、サファイア基板631の上に積層されたn型半導体層632,活性層633,p型半導体層634から構成されている。サファイア基板631は、透明接着剤606により、第2層のダイオードチップ62の上に固定されている。アノード電極635は、p型半導体層634の上面のほぼ全面に形成することが出来る。アノード電極635の中央部は、活性層633の発光に対して透明な電極層で構成すれば良い。アノード電極635の額縁状の周辺部は、ボンディング用に0.5μm乃至2μm程度の比較的厚い金(Au)薄膜等で構成されている。カソード電極636は特に透明である必要はない。アノード電極635の額縁状の周辺部に銅(Cu)箔からなるTABリード(ビームリード)637が接続されている。カソード電極636も同様に、銅箔からなるTABリード(ビームリード)638が接続されている。TABリード(ビームリード)617,627,637,618,628,638とボンディングパッド615,625,635,616,626,636との接続は、熱圧着ボンディング、超音波ボンディング、金(Au)バンプ、半田等の通常TABボンディングで用いられている手法を用いれば良い。又、TABリード(ビームリード)617,627,637は、端子603に導電性の接着剤や半田等により接続されている。TABリード(ビームリード)618,628,638は端子604に導電性の接着剤や半田等により接続されている。複数のダイオードチップ61,62,63は樹脂封止体608でモールドされている。
【0080】
図26に示すように、端子603は第2のピン12に、端子604は第1のピン11に接続されている。端子603及び端子604は、補強具65を経由して背面鏡31に設けられた貫通穴から外部に引き出されている。バルク型レンズ25の凹部に充填される樹脂14も透明材料を用いれば、複数のダイオードチップ61,62,63からの発光は裏面方向にも進む。この複数のダイオードチップ61,62,63から右方向(裏方向)に出力する光は背面鏡31で反射され、複数のダイオードチップ61,62,63の表面から左方向に出力される。結局、複数のダイオードチップ61,62,63の右方向(裏方向)に出力する光も表面方向(図26において左方向)にも進む光と合成され、出射面3により所定の発散角が与えられる。このように、本発明の第8の実施例においては、複数のダイオードチップ61,62,63がバルク型レンズ25の凹部にほぼ完全に閉じこめられ、バルク型レンズ25の底部には背面鏡31が配置されている。このため、迷光成分となり得る光を含めてすべての光が、最終的には発光面となる頂部からほぼ同一の光軸に沿って出力可能である。従って、ダイオードチップ61,62,63の各種方向に発せられたすべての発光成分が、有効にコリメートされ、照明に寄与出来るようになる。
【0081】
複数のダイオードチップ61,62,63,・・・・・ は、必ずしも同一のLEDチップである必要はない。即ち、複数のダイオードチップ61,62,63,・・・・・ として、種々の種類及び構造のものが使用出来る。例えば、複数のダイオードチップ61,62,63として、それぞれ赤(R)、緑(G)及び青(B)の3個のLEDチップを縦に積層すれば、全体として白色の出力光を出力可能である。赤(R)、緑(G)及び青(B)の3枚のLEDチップの場合は、赤(R)のLEDチップとして、Alx Ga1-x Asを、緑(G)のLEDチップとして、Alx Gay In1-x-y PやGaPを、また青(B)のLEDチップとして、Inx Ga1-x NやZnSeを用いることが可能である。この場合、Alx Ga1-x As、Alx Gay In1-x-y P、GaP等はサファイア基板を用いる必要はない。
【0082】
或いは、3元系、4元系、5元系、・・・・等の化合物半導体混晶を複数のダイオードチップ61,62,63,・・・・・ として選び、それぞれの組成を変えても良い。例えばInx Aly Ga1-x-y Nからなる複数のダイオードチップ61,62,63,・・・・・ を選び、それぞれの組成を変えて、緑(G)乃至青(B)のスペクトル帯域の光を出力してもかまわない。
【0083】
更に、光軸が分散する欠点はあるが、垂直方向に積層した複数のダイオードチップ、垂直方向に積層した複数のダイオードチップ、垂直方向に積層した複数のダイオードチップを弾丸型の支持台の上に準平面的に配列してもかまわない。この場合は3×3=9倍の明るさを得ることが可能である。3層に積層したダイオードチップ・スタックを5個準平面的に配列すれば、3×5=15倍の明るさを得ることが可能である。
【0084】
次に、第9の実施例を説明する。
第1乃至第8の実施例に係る発光体を複数個配列して照明器具等を構成しても良い。この場合は、1次元的、2次元的、或いは3次元的な配列が可能である。又、照明器具(照明装置)の「光源」としては、白熱球、小型放電管、無電極放電ランプ、半導体発光素子等が採用可能である。白熱球には、沃素(I2 )タングステンランプ等のハロゲンランプ、ピリケン球とも称せられるキセノン(Xe)タングステンランプ(クセノンランプ)やクリプトン(Kr)タングステンランプ(クリプトンランプ)、ニップル球若しくはスポット球とも称される真空若しくはアルゴンガス封入の豆球等が含まれる。更にハロゲンミニチュアランプ等のミニチュアランプも白熱球に含まれる。小型放電管としては、蛍光放電管の他、小型キセノンランプ、小型メタルハライドランプ、小型高圧ナトリウムランプ、小型水銀灯が使用可能である。無電極放電ランプとしては、石英ガラス等から構成された管球中にアルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)等の希ガス及びガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等の金属ハロゲン化物、水銀(Hg)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)等の放電媒体を封入した構造を用いることが可能である。そして、例えば、100MHz乃至2.45GHz、若しくは更に高周波のマイクロ波をこの管球に印加すれば放電媒体が放電して発光する。小型化のためには、マイクロ波はトランジスタ発振回路で構成すれば良い。半導体発光素子としては発光ダイオード(LED)や半導体レーザが使用可能である。
【0085】
LED等の半導体発光素子は低消費電力で長寿命である特性を有するが、一般に、ハロゲンランプ等の白熱球に比して照度が低い。そこで、複数(n個)の半導体発光素子D1,D2,・・・・・ ,Dnを集合して一括照明すれば、所望の明るさを得られる。半導体発光素子D1,D2,・・・・・ ,Dnを同時に発光させるためには、商用の交流を整流する整流回路と、整流回路に接続された電流制限素子(固定抵抗)と、電流制限素子に接続された平滑回路と、平滑回路に接続された定電流素子(若しくは定電流回路)とにより制御回路を構成すれば良い。例えば、n個の半導体発光素子D1,D2,・・・・・ ,Dnの直列回路を示しているが、複数の半導体発光素子を並列接続しても良い。但し、50個程度の半導体発光素子(LED)を直列接続すると、商用の交流を整流した130V程度の直流電圧をそのまま使えるので、回路が簡単化するので好ましい。100個程度のLEDを同時に発光させるためには、50個の直列回路を2つ並列接続すれば良い。直列接続するLEDの個数は動作電圧により選定すれば良い。
【0086】
具体的には、図27に示すように、互いに隣接して配置された複数の砲弾型のバルク型レンズ20a,20b,・・・・・ ,20f,・・・・・ ,と、この複数のバルク型レンズ20a,20b,・・・・・ ,20f,・・・・・ ,のそれぞれに設けられた井戸型の凹部の内部に、それぞれの主発光部を収納した複数の光源(LED)1a,1b,・・・・・ ,1f,・・・・・ ,と、複数のバルク型レンズ20a,20b,・・・・・ ,20f,・・・・・ ,を固定するレンズ固定手段(レンズ固定板)72と、このレンズ固定手段72の近傍に配置され、複数の光源(LED)1a,1b,・・・・・ ,1f,・・・・・ ,のそれぞれ電気的に接続された制御回路とから構成すれば良い。ここで、複数の砲弾型のバルク型レンズ20a,20b,・・・・・ ,20f,・・・・・ ,のそれぞれは、図1に示す構造である。図27において、制御回路は回路基板966を用いて構成され、制御回路筐体965の内部に収納されている。この制御回路は、例えば、整流回路、電流制限素子、平滑回路、定電流素子等とで構成されている。
【0087】
回路基板966や制御回路筐体965等は、円錐形の絶縁ケース963の内部に収納されている。そして、レンズ固定手段72は、この絶縁ケース963に固定金具73a,73b,・・・・・ で固定されている。更に、回路基板966は、レンズ固定手段72に固定金具71a,71b,・・・・・ で固定されている。光源1a,1b,・・・・・ ,1f,・・・・・ ,としての各LEDからは、それぞれ2本ずつピンが出ている(図1参照。)。この各LEDからのピンは、それぞれ2本ずつ回路基板966に直接半田付けされ、制御回路から所定の電流が印加される。
【0088】
円錐形の絶縁ケース963の絞られた頂部近傍には、図27に示すように、AC100V電極961bが接続されている。このAC100V電極961bと絶縁終端962により絶縁されたAC100V電極961aが配置されている。AC100V電極961a、961b及び絶縁終端962により、AC100V口金961が構成されている。AC100V電極961aには電源供給用線材964aが、AC100V電極961bには電源供給用線材964bが接続され、この電源供給用線材964a、964bにより、制御回路筐体965の内部に収納された制御回路にAC100Vが供給される。
【0089】
本発明の第9の実施例に係る照明器具(照明装置)に用いる光源1a,1b,・・・・・ ,1f,・・・・・ ,としてのLEDは、図27に示すような弾丸型(砲弾型)LEDでもディスク型(表面実装型)LEDでもかまわない。LEDとしては種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し室内照明目的のためには白色LEDが好ましい。又、複数のLEDチップを、図19に示したように弾丸型に成形されたフィルム基板33の上に配置し、これを収納部6に収納しても良い。各種装飾用や、インテリアライトなどとして用いる場合には、各種の色によるLEDをそのまま用いることで、様々な色付きの照明が可能となる。従って、光源1a,1b,・・・・・ ,1f,・・・・・ ,の集合体を構成する各LEDは、異なる発光色のLEDが含まれていても良い。
【0090】
図27に示す照明装置(バルク型レンズ集合体)はビームの平行性に優れているので、スポット照明器具(照明装置)として単独で用いることが可能である。例えば、RGB3色のスポット照明器具をそれぞれ用意すれば、カラーテレビ放送の撮影スタジオのホリゾンタル照明等に用いることが可能である。この場合、光源1a,1b,・・・・・ ,1f,・・・・・ ,としてLEDを用いることにより発熱量が少なくなるので、撮影スタジオ内の温度上昇が回避出来る。更に、電力使用量を1/100程度にする大幅な電力消費の低減が可能になる。又、光源1a,1b,・・・・・ ,1f,・・・・・ ,としてLEDを用いることにより、時間応答が速いので迅速な光の色切り替えが可能となり、高品位テレビ放送に好適である。
【0091】
又、本発明の第9の実施例に係るバルク型レンズ集合体は、図28に示すように、支持基板931に取り付けても良い。即ち、図28に示すバルク型レンズ集合体を、ソケット台座88を用いて支持基板931に取り付ければ、センサ945からの情報で点灯/消灯を制御出来る。図27に示すバルク型レンズ集合体の円錐形の絶縁ケース963には口金961が付いているので、支持基板931となる天井に配置されたソケット台座88に設けられたランプソケットに差し込むだけで、バルク型レンズ集合体を支持基板931に固定出来る。
【0092】
図28に示すように、支持基板931の裏面には、図27に示すバルク型レンズ集合体の点灯状態を制御する回路部903が配置されている。そして、この回路部903にセンサ945が接続されている。センサ945は、バルク型レンズ集合体の点灯状態を制御するために必要な情報を供給する。この支持基板931には、AC100V制御用の回路部903を搭載した回路基板941が取り付けられている。
【0093】
次に、第10の実施例を説明する。
図29に示すように、本発明の第10の実施例に係る発光体は、発光面となる頂部と、頂部に対向した底部と、頂部と底部とを接続する第1屈折率n2 を有するレンズ本体と、底部の一部から頂部方向に沿ってレンズ本体の内部に形成された凹部と、頂部と凹部との間のレンズ本体の内部に形成された第1屈折率n2 とは異なる第2屈折率n0 を有する光路変更部35とを少なくとも有するバルク型レンズ27と、凹部に収納された半導体発光素子1とから構成されている。
【0094】
第1屈折率n2 を有するレンズ本体を構成する光学材料としては、透明プラスチック材料(熱可塑性樹脂)、ガラス材料或いは結晶性材料等が使用可能である。第2屈折率n0 を有する光路変更部としては、図29に示すような屈折率n0 の空気の封入された空洞部でも、他の固体材料からなる領域でもかまわない。いずれにせよ、第1屈折率n2 とは異なる第2屈折率n0 を有する領域であれば、第1屈折率n2 の領域と第2屈折率n0 の領域との界面において光の屈折が生じるので、光路の進行方向が変更可能である。
【0095】
このように、本発明の第10の実施例に係る発光体においては、頂部と凹部との間のレンズ本体の内部に第2屈折率n0 を有する光路変更部35を有するので、凹部の天井部より入射した半導体発光素子1からの光は、光路変更部35によりその進行方向を変えられる。図29に示すようにバルク型レンズ27の中心軸方向に沿って縦長の光路変更部35の幾何学的形状の場合は、第1屈折率n2 が第2屈折率n0 より大きければ、発光面の中央近傍の光束密度が低くなり、光軸の中心近傍が相対的に暗い照明が可能となる。同様に、光路変更部35の幾何学的形状の場合で、第1屈折率n2 が第2屈折率n0 より小さければ、発光面の中央近傍の光束密度が高くなり、光軸の中心近傍が相対的に明るい照明が可能となる。
本発明の第10の実施例に係る発光体は、基本的に第1の実施例に係る発光体と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0096】
一方、図30の本発明の第10の実施例の変形例に示すように、バルク型レンズ28の中心軸方向に沿って横長の幾何学的形状の光路変更部36が頂部と凹部との間のレンズ本体の内部に配置された場合は逆の光路変更がなされる。即ち、第1屈折率n2 が第2屈折率n0 より大きければ、発光面の中央近傍の光束密度が高くなり、光軸の中心近傍が相対的に明るい照明が可能となる。同様に、光路変更部36の幾何学的形状の場合で、第1屈折率n2 が第2屈折率n0 より小さければ、発光面の中央近傍の光束密度が低くなり、光軸の中心近傍が相対的に暗い照明が可能となる。
【0097】
図31は、本発明の第10の実施例の他の変形例に係る発光体の構造を示す模式図で、バルク型レンズ29の底部に背面鏡31が配置されている。図31においては、LEDチップ13の裏面からの発光成分や迷光成分が背面鏡31により反射され、発光面となる頂部側に導かれる。この結果、これらの迷光成分がすべて最終的には発光面から出力される極めて高効率照明が可能であると共に、照射面における光強度分布の調整が可能である。
なお、本発明の第10の実施例における光路変更部35,36,37の断面形状は図29,30,31に示すような両凸形状以外に、平凸形状やメニスカス形状等他の形状でもかまわないことは勿論である。
【0098】
次に、第11の実施例を説明する。
図32に示すように、本発明の第11の実施例に係る発光体は、発光面となる頂部と、頂部に対向した底部と、頂部と底部とを接続するレンズ本体と、底部の一部から頂部方向に沿ってレンズ本体の内部に形成された凹部と、頂部と凹部の間においてレンズ本体の内部に形成された透過率変更手段41とを少なくとも有するバルク型レンズ(19a,19b)と、凹部に収納された半導体発光素子1とから構成されている。
【0099】
透過率変更手段41としては機械的なシャッター、絞りでも良く、液晶等の電気的な透過率変更手段でもかまわない。図32では、透過率変更手段41を前頭部19aと中央部19bが挟むような構成を示しているが、目的によっては、バルク型レンズの一部に挿入された構成でもかまわない。本発明の第11の実施例に係る発光体は、透過率変更手段41を除けば、基本的に第1の実施例に係る発光体と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0100】
本発明の第11の実施例に係る発光体によれば、透過率変更手段41を機械的若しくは電気的に駆動することにより、光強度やビーム径を自由に変更出来る発光体を提供することが出来る。透過率変更手段41として液晶を用いる場合は、薄膜トランジスタ(TFT)等からなるアクティブマトリクスを透過率変更手段41の内部に構成し、シフトレジスタ等によりアクティブマトリクスエレメントを駆動するようにしてもよい。透過率変更手段41として、機械的なシャッター、絞りを用いる場合は、バルク型レンズ(19a,19b)に隣接してマイクロ・モータ等の機械駆動系を配置しておけばよい。
又、図32に示す本発明の第11の実施例に係る発光体は、バルク型レンズ27の底部に背面鏡31が配置された構造であるが、図1のような背面鏡がない構成において、透過率変更手段41を設けてもかまわない。
【0101】
次に、第12の実施例を示す。
図33に示すように、この第12の実施例に係る発光体は、発光面となる頂部と、頂部に対向した底部と、頂部と底部とを接続するレンズ本体と、底部の一部から頂部方向に沿ってレンズ本体の内部に形成された凹部と、頂部と凹部との間のレンズ本体の内部に形成された複数個の散乱体43とを少なくとも有するバルク型レンズ30と、凹部に収納された半導体発光素子1とで構成されている。
【0102】
散乱体43としてはAl、Au、W、Ti、Mo等の金属の粉末を透明プラスチック材料、ガラス材料等のバルク型レンズ30に混在させればよい。例えばアクリル樹脂やポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を押出成形若しくは射出成形する際に、これらの金属粉末を混入しておけばよい。散乱体43の大きさは、光の波長に比して大きければ良く、ミクロン・オーダから数mm程度のもの等種々の大きさが可能で、その形状も問わない。
【0103】
本発明の第1の実施例に係る発光体は、懐中電灯等の比較的指向性の強い光ビームが必要な照明器具に好適であったが、第12の実施例に係る発光体は指向性を弱くし、発光体のほぼ全体が光り、その美観を感受することが可能な照明器具に好適である。例えば、非常灯やベットサイドの照明器具等に用いたり、室内若しくは屋外における装飾的目的で用いたりしてもよい。発光体そのものの全体が微光を放つ特徴を生かすためには、バルク型レンズ30の直径若しくは一辺の長さを5cm乃至30cm、或いは1m程度に大きくすることも可能である。かかる大きなバルク型レンズをたった1個の半導体発光素子1で光らせ、その消費電力は極めて小さい。装飾的目的の場合は、図33に示すような単純な形態ではなく、動物、樹木、建造物等に類似な独特な形態等を含めた複雑な構造にバルク型レンズ30を構成することも可能である。
【0104】
次に、第13の実施例を説明する。
上述した第1の実施例に係る発光体を複数個配列すれば非常に明るい照明器具や表示装置を構成出来る。具体的には、1次元的、2次元的、或いは3次元的な配列が可能である。例えば、図34(A)に示すように、外囲ケース1051に複数個の発光体1121,・・・・・ ,1131,・・・・・ ,1141,・・・・・ を2次元的に配列すれば、交通信号灯として用いることが可能である。この場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3枚の両面発光型LEDチップを透明基板上に縦に積層して構成した封止LEDを収納した複数個の発光体1121,・・・・・ ,1131,・・・・・ ,1141,・・・・・ を用い、所定のタイムスケジュールに基づき、赤(R)、緑(G)及び青(B)のLEDチップのそれぞれの発光強度を調整すれば、同一のランプで、赤(R)、黄(Y)及び緑(G)を表示可能である。
【0105】
更に、図34(B)に示すように、2次元的に配列された複数個の発光体1121,・・・・・ ,1131,・・・・・ ,1141,・・・・・ の内の特定の発光体135,136,144,145,146,147の表面に溝部を設ければ、この部分で光路の変更や光強度の変更が発生するので、所定の表示パターン1052を表示可能である。例えば横断歩道の交通信号灯の人間の歩行動作の像を、2次元配列パターン上に浮き出させることが可能である。
【0106】
図35は表面に溝部を設けた発光体の一例を示す断面図である。即ち、本発明の第13の実施例に係る発光体は、発光面となる頂部と、頂部に対向した底部と、頂部と底部とを接続するレンズ本体と、底部の一部から頂部方向に沿ってレンズ本体の内部に形成された凹部と、頂部の一部から凹部方向に沿ってレンズ本体の内部に形成された溝部55とを少なくとも有するバルク型レンズ18と、凹部に収納された半導体発光素子1とから構成されている。溝部55は、図35に示すようなV字型である必要はなく、U字型、W字型等種々の断面形状が可能で、溝の形成方向や形成位置も表示する情報の内容に応じて変形すればよい。場合により、バルク型レンズ18の前面(頂部)の全部を削除するような大きな溝も、ここでは含み得る。バルク型レンズ18表面に溝部55を設けた以外は、基本的に第1の実施例に係る発光体と同様であるので、重複する説明を省略する。
図35に示すように、バルク型レンズ18の表面に溝部55を設け、これらの複数個を図34(B)に示すように2次元配列すれば、溝部55の配置や形状により光路の変更や光強度の変更が発生するので、図34(B)に示すような所定の表示パターン1052を簡単に表示可能である。
【0107】
次に、第14の実施例を説明する。
例えば、本発明のバルク型レンズの形状は、図1に示した弾丸型類似の形状や図31に示した卵型(繭型)類似の形状等に限定されるものではなく、図36(A)に示す先端部に向かい次第に細くなるように延長された形状でもよい。図36(A)に示すようにバルク型レンズ17を細長く延長することにより、光ファイバと同様に、光束がバルク型レンズ17の先端部に導かれ、細く絞られ光強度の大きな光ビームをバルク型レンズ17の先端部から得ることが可能となる。
更に、図36(B)に示すように、複数のバルク型レンズ17a,17b,17c,・・・・・ をバルク型レンズ17zに集合すれば、光合成器として機能させることが可能である。即ち、それぞれの収納部6a,6b,6c,・・・・・ に収納された複数の発光体の光をそれぞれの入射面2a,2b,2c,・・・・から入射し、バルク型レンズ17zで合成された強力な光を出射面3から取り出すことが可能になる。
【0108】
次に、第15の実施例を説明する。
発光面となる頂部を図37に示すように、第1曲面71と第2曲面72とで構成してもかまわない。図37は、図30の光路変更部36の一部がバルク型レンズ28の全面からはみ出し、頂部凹部73を構成した構造であると解釈することも可能であり、図30と同様に、発光面の中央近傍の光束密度が高くなり、光軸の中心近傍が相対的に明るい照明が可能となる。
【0109】
次に、第16実施例を説明する。
図38(A)及び(B)に示すように、本発明の第16実施例に係る面状発 光体は、所定の波長の光を発する複数のLED2211,2212,2213,・・・・・ ,2216,2221,・・・・・ ,2226,2231,・・・・・ ,2236と、LEDの主発光部を収納し、LEDの光を一定の指向性で出射する複数のバルク型レンズ2111,2112,2113,・・・・・ ,2116,2121,・・・・・ ,2126,2131,・・・・・ ,2136と、複数のバルク型レンズからの光を反射する平面鏡からなる主反射板2012と、主反射板と一定の角度をなして配置され、主反射板で反射した光を透過する半透明板2011とを少なくとも有する。そして、本発明の第16実施例に係る面状発光体は、更に主反射板2012と半透明板2011との間に側面反射板(第1の側面反射板)2013が設けられている。図示を省略しているが、側面反射板2013に対向してもう一枚別の側面反射板(第2の側面反射板)が設けられている。複数のLED2211,2212,2213,・・・・・ ,2216,2221,・・・・・ ,2226,2231,・・・・・ ,2236は、後板2015により互いに固定されている。主反射板2012、半透明板2011、側面反射板(第1の側面反射板)2013、別の側面反射板(第2の側面反射板)及び後板2015により3角柱状の空洞が形成されている。図示を省略しているが、複数のLED2211,2212,2213,・・・・・ ,2216,2221,・・・・・ ,2226,2231,・・・・・ ,2236は、LEDソケットに接続され、所定の電圧が印加される。図38(a)、(b)においては、3×6=18個のLEDが配列されているので、これらをすべて直列接続すれば商用の100V電源で駆動することも可能である。
【0110】
図1に示したように、本発明の第16の実施例に係る面状発光体に用いるバルク型レンズ2116は、LEDの主発光部をほぼ完全に覆うように構成されている。LED2216の主発光部を収納するためのバルク型レンズ2116に設けられた凹部は、第1の湾曲面からなる天井部を有している。更に、バルク型レンズ2116は第1の湾曲面に対向して配置され、光を出射する第2の湾曲面からなる頂部を有する。
主反射板2012、第1及び第2の側面反射板は、アルミニウム(Al)、真鍮、ステンレス等の金属の表面を研磨したものでも、更に、これらの表面にニッケル(Ni)鍍金や金(Au)鍍金を施したものでも良い。或いは、樹脂基板の表面にAl箔等の反射率の高い金属薄膜や高反射性ポリエステル白色フィルム等を接着した構造でもかまわない。半透明板2011としては、高屈折率の白色微粉体例えばTiO2 ,CaCO3 ,BaSO4 を樹脂等に分散させた樹脂板状体などの乳半板を用いればよい(より具体的にはメタクリル樹脂乳半板等を用いればよい。)。又半透明板2011は、乳半板或いは透明板の表面を粗面加工したもの、透明成形材料に他の光散乱粒子を混練し成形した樹脂板であってもよい。或いは、片面或いは両面に艶消しなどの粗面加工が施された樹脂フィルムを表面に貼りつけて半透明板2011を構成しても良い。更に、半透明板2011はLEDの発光色に応じて、有色若しくは透明材料を採用可能である。
【0111】
本発明の第16の実施例に係る面状発光体に用いるバルク型レンズ2116としては、第1の実施例で説明した種々のガラス材料、透明プラスチック材料、結晶性材料等が使用可能で、有色の樹脂や蛍光材料を含んだ樹脂でもかまわない。この内、アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等は、バルク型レンズ2116を大量生産するのに好適な材料である。即ち、一度金型を作り、この金型により成形加工すればバルク型レンズ2116が簡単に大量生産出来る。
【0112】
本発明の第16の実施例に係る面状発光体によれば、LEDの数を多数必要とすることなく、広い面積に渡り均一且つ所望の照度を得ることが可能である。又電力消費量が少ないことに加え、ちらつきのない照明であるので、X線フィルムの中間色等の細かな階調の変化を簡単に観察することが出来る。又、ちらつきの存在のため目の疲労、或いは、目の疲労からくる人体への影響などの心配も不要である。
【0113】
なお、図38(A)、(B)においては、複数のバルク型レンズ2111,2112,2113,・・・・・ ,2116,2121,・・・・・ ,2126,2131,・・・・・ ,2136は3×6マトリクス状に配置されているが、このようにマトリクス状配置に限定する必要はない。例えば、1層目の複数のバルク型レンズ2131,・・・・・ ,2136と2層目の複数のバルク型レンズ2121,・・・・・ ,2126とが互いに1/2ピッチずれ、2層目の複数のバルク型レンズ2121,・・・・・ ,2126と3層目の複数のバルク型レンズ2111,・・・・・ ,2116とが同様に互いに1/2ピッチずれた最稠密配置でも良いことは勿論である。
【0114】
次に、第17の実施例を説明する。
図39(A)に示すように、本発明の第17の実施例に係る面状発光体は、複数の凹部とこの凹部に対向した複数の凸部を有する一体集合型レンズ2031と、複数の凹部に収納された所定の波長の光を発する複数のLED2211,2212,2213,・・・・・ ,2216,2221,・・・・・ ,2226,2231,・・・・・ ,2236と、複数の凸部からの光を反射する平面鏡からなる主反射板2012(但し図39(A)の鳥瞰図においては裏面側になるので主反射板は明示されていない。)と、主反射板2012と一定の角度をなして配置され、主反射板2012で反射した光を透過する半透明板2011とを少なくとも有する。そして、本発明の第17の実施例に係る面状発光体は、更に主反射板2012と半透明板2011との間に側面反射板(第1の側面反射板)2013が設けられている。図39(A)の鳥瞰図において裏面側になるので図示を省略しているが、側面反射板2013に対向してもう一枚別の側面反射板(第2の側面反射板)が設けられている。一体集合型レンズ2031は、後板2015によりに固定されている。主反射板2012、半透明板2011、側面反射板(第1の側面反射板)2013、別の側面反射板(第2の側面反射板)及び後板2015により3角柱状の空洞が形成されているのは第16の実施例と同様である。又、図示を省略しているが、複数のLED2211,2212,2213,・・・・・ ,2216,2221,・・・・・ ,2226,2231,・・・・・ ,2236は、LEDソケットに接続され、所定の電圧が印加される。他は第16の実施例での記載と重複するので、その説明を省略する。
【0115】
このように一体集合型レンズ2031を用意することにより、面状発光体の組立が容易になる。従って、第16の実施例において、多数のバルク型レンズを個別に製造する場合に比し生産性が向上する。そして、この一体集合型レンズ2031のそれぞれの凹部に3×6=18個のLEDを挿入し、この18個のLEDを直列接続すれば商用の100Vの電源で駆動することも可能である。
本発明の第17の実施例に係る面状発光体によれば、省電力で、広い面積に渡り均一且つ所望の照度を簡単に得ることが可能である。又、ちらつきのない照明であるので、X線フィルムの中間色等の細かな階調の変化を簡単に観察することが出来る。又、ちらつきの存在のため目の疲労の心配も不要である。
【0116】
図39(B)は本発明の第17の実施例の変形例に係る面状発光体を示す模式的な鳥瞰図である。図39(A)に示す一体集合型レンズ2031の外周面は複数の円柱面からなる波形形状であるが、図39(B)に示す一体集合型レンズ2032の外周面は平坦な面から構成されている点が異なる。他は、図39(A)に示す本発明の第17の実施例に係る面状発光体と同様であるから、重複した説明を省略する。
【0117】
図40は本発明の第17の実施例の他の変形例に係る面状発光体を示す模式的な鳥瞰図で、図39(B)に示す一体集合型レンズ2032をユニットとして、2つのユニットを集合して大面積の面状発光体を構成した例である。即ち、図40においては、第1の一体集合型レンズ2032aと第2の一体集合型レンズ2032bとが隣接して配置されている。そして、第1の一体集合型レンズ2032aの複数の凹部には18個のLED2211a,2212a,2213a,・・・・・ ,2216a,2221a,・・・・・ ,2226a,2231a,・・・・・ ,2236aが、第2の一体集合型レンズ2032bの複数の凹部には他の18個のLED2211b,2212b,2213b,・・・・・ ,2216b,2221b,・・・・・ ,2226b,2231b,・・・・・ ,2236bがそれぞれ収納されている。そして、図40に示す本発明の第17の実施例の他の変形例に係る面状発光体は、更に平面鏡からなる主反射板2008と、主反射板2008と一定の角度をなして配置され、主反射板2008で反射した光を透過する半透明板2016とを少なくとも有する。主反射板2008及び半透明板2016は、図39(B)に示す主反射板2012及び半透明板2011の2倍の面積である。
【0118】
図41は本発明の第17の実施例の更に他の変形例に係る面状発光体を示す模式的な鳥瞰図で、図39(B)に示す一体集合型レンズ2032をユニットとして、4つのユニットを集合し、図40よりも更に大面積の面状発光体を構成した例である。即ち、図41においては、第1の一体集合型レンズ2032aと第2の一体集合型レンズ2032bとの隣接構造の下に、第3の一体集合型レンズ2032c及び第4の一体集合型レンズ2032dとの隣接構造が配置された積層構造が形成されている。そして、図41に示す面状発光体は、更に平面鏡からなる主反射板2009と、主反射板2009と一定の角度をなして配置され、主反射板2009で反射した光を透過する半透明板2018とを少なくとも有する。
主反射板2009及び半透明板2018は、図39(B)に示す主反射板2012及び半透明板2011の4倍の面積にすることも可能である。又、角度を選べば4倍の面積にしなくても良い。
【0119】
次に、第18の実施例を示す。
図42(A)に示すように、本発明の第18の実施例に係る面状発光体は、所定の波長の光を発する複数のLED2211,・・・・・ と、LEDの主発光部を収納し、LEDの光を一定の指向性で出射する複数のバルク型レンズ2311,2312,2313,2321,2322,2331,2332,2333と、複数のバルク型レンズからの光を反射する平面鏡からなる主反射板2012と、主反射板と一定の角度をなして配置され、主反射板で反射した光を透過する半透明板2011とを少なくとも有する。複数のバルク型レンズ2311,2312,2313,2321,2322,2331,2332,2333は、本発明の第15の実施例に係る面状発光体のバルク型レンズとは異なり、横方向に拡がった扁平な構造である。複数のバルク型レンズ2311,2312,2313と複数のバルク型レンズ2321,2322とは互いに1/2ピッチずれて積層されている。更に、複数のバルク型レンズ2321,2322と複数のバルク型レンズ2331,2332,2333とは、同様に互いに1/2ピッチずれて積層されている(但し、本発明の第16の実施例と同様な3×3マトリクス状に配置しても良いことは勿論である。)。そして、本発明の第18の実施例に係る面状発光体は、更に主反射板2012と半透明板2011との間に側面反射板(第1の側面反射板)2013が設けられている。図示を省略しているが、側面反射板2013に対向してもう一枚別の側面反射板(第2の側面反射板)が設けられている。複数のLED2211・・・・・ は、後板2015により互いに固定されている。主反射板2012、半透明板2011、側面反射板(第1の側面反射板)2013、別の側面反射板(第2の側面反射板)及び後板2015により3角柱状の空洞が形成されている。図示を省略しているが、複数のLED2211,・・・・・ はLEDソケットに接続され、所定の電圧が印加される。
【0120】
図42(B)に示すように、本発明の第18の実施例に係る扁平なバルク型レンズ2311は長軸W及び短軸Hを有している。そしてこの扁平なバルク型レンズ2311は、LED2211の主発光部をほぼ完全に覆うように構成されている。他の複数の扁平なバルク型レンズ2312,2313,2321,2322,2323,2331,2332,2333についても同様である。扁平なバルク型レンズ2311の中心軸には、LED2211の主発光部を収納するための凹部が設けられ、この凹部は、第1の湾曲面からなる天井部と第1の湾曲面に対向して配置され、光を出射する第2の湾曲面からなる頂部を有する。LED2211は、第1のピン11に一体的に接続された基台の上に配置されたLEDチップと、このLEDチップを被覆する樹脂モールドと、第1のピン11と対をなす第2のピン12とから少なくとも構成された樹脂モールドされたLEDである。この樹脂モールドされたLED2211が扁平なバルク型レンズ2311の凹部にほぼ完全に閉じこめられているので、これらの迷光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。また、第1の湾曲面からなる入射面2(天井部)以外の凹部の内壁部も、上記に説明したように有効な光の入射部として機能し得るのである。又、LED2211と扁平なバルク型レンズ2311の凹部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。これらの迷光成分も、最終的には照明に寄与出来る成分となり得る。このようにして本発明の第18の実施例に係る扁平なバルク型レンズ2311によれば、樹脂モールドされたLED2211の数を多数必要とすることなく、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、広い面積に渡り均一且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。又電力消費量が少ないことに加えちらつきのない照明であるので、X線フィルムの中間色等の細かな階調の変化を簡単に観察することが出来る。他は、第16の実施例での記載と重複するので、その説明を省略する。
【0121】
次に、第19の実施例を説明する。
本発明の第16乃至第18の実施例においては、一方向に光が出射する片面型の面状発光体について説明した。互いに反対方向となる二方向に光が出射する両面型の面状発光体は、単純には片面型の面状発光体を互いに背中合わせに貼り合わせせれば良い。
図43は、本発明の第19の実施例として、他の両面型の面状発光体を示す図である。即ち、図43においては、第1の一体集合型レンズ2033aと第2の一体集合型レンズ2033bとが平面鏡からなる主反射板2043を介して、互いに対向配置されている。主反射板2043は両面ミラーであり、第1の一体集合型レンズ2033aと第2の一体集合型レンズ2033bとの間に斜めに配置されている。そして、第1の一体集合型レンズ2033aには18個の凹部が設けられ、この18個の凹部には図示を省略した18個のLEDが挿入されている。同様に、第2の一体集合型レンズ2033bには18個の凹部が設けられ、この18個の凹部には他の18個のLED2211b,2212b,2213b,・・・・・ ,2216b,2221b,・・・・・ ,2226b,2231b,・・・・・ ,2236bがそれぞれ収納されている。そして、図43に示す本発明の第19実施例に係る両面型の面状発光体は、更に主反射板2043と一定の角度をなして配置され、主反射板2043で反射した光を透過する第1の半透明板2041と、この第1の半透明板2041と平行方向で且つ主反射板2043に関して反対方向に配置された第2の半透明板2042を少なくとも有する。図43において、主反射板2043の表面で反射された光は上方に、主反射板2043の裏面で反射された光は下方に出射する。他は、本発明の第17の実施例に係る面状発光体と同様であるから、重複した説明を省略する。
【0122】
本発明の第19実施例によれば、LEDの数を多数必要とすることなく、均一且つ所望の照度の両面型の面状発光体を簡単に提供出来る。又、この両面型の面状発光体は電力消費量が少なく、ちらつきもない両面照明が出来る。
【0123】
次に、第20の実施例について説明する。
図44は、本発明の第20の実施例として、他の片面型の面状発光体を示す図である。即ち、図44においては、第1の一体集合型レンズ2034aと第2の一体集合型レンズ2034bとが、Λ型の主反射板を介して、互いに対向配置されている。Λ型の主反射板は、平面鏡からなる第1の主反射板2051と第2の主反射板2052とから構成されている。第1の主反射板2051は、主に第1の一体集合型レンズ2034aからの光を反射する平面鏡であり、第2の主反射板2052は、主に第2の一体集合型レンズ2034bからの光を反射する平面鏡である。そして、第1の一体集合型レンズ2034aには18個の凹部が設けられ、この18個の凹部には図示を省略した18個のLEDが挿入されている。同様に、第2の一体集合型レンズ2034bには18個の凹部が設けられ、この18個の凹部には他の18個のLED2511b,・・・・・ ,2516b,2521b,・・・・・ ,2526b,2531b,・・・・・ ,2536bがそれぞれ収納されている。そして、図44に示す本発明の第20の実施例に係る面状発光体は、更に第1の主反射板2051と第2の主反射板2052と一定の角度をなして配置され、第1の主反射板2051と第2の主反射板2052で反射した光を透過する半透明板2053を有している。この半透明板2053と平行方向で、且つ第1の主反射板2051と第2の主反射板2052に関して反対方向には、底板2054が配置されている。図44に示すように、第1の主反射板2051と第2の主反射板2052との接続部、即ちΛ型の頂部は、一定の距離dをなして、半透明板2053から離間している。半透明板2053から一定の距離d離間させることにより、Λ型の頂部の陰が半透明板2053の表面から観察されないように出来る。他は、本発明の第17の実施例に係る面状発光体と同様であるから重複した説明を省略する。
本発明の第20の実施例に係る面状発光体によれば、LEDの数を多数必要とすることなく、長手方向に長い寸法を有した広い面積を均一に照明出来る。又、その際の照度を十分高くすることが可能である。又電力消費量が少なく、ちらつきのない照明が可能である。
【0124】
図45は、本発明の第20の実施例の変形例に係る面状発光体を示す模式的な鳥瞰図である。図45においては、中央部に平面鏡からなる第1の主反射板2061、第2の主反射板2062、第3の主反射板2063及び第4の主反射板2064とからなるピラミッド(四角錐)が配置され、この四角錐の4つの底辺に沿って、それぞれ12個のバルク型レンズが3層積層された3×12=36個のバルク型レンズの集合からなる壁が設けられている。即ち、第1の主反射板2061を構成する2等辺三角形の底辺に沿って、バルク型レンズ2622d,2621d,2620d,・・・・・ ,2722d,・・・・,2822dが積層され、第2の主反射板2062を構成する2等辺三角形の底辺に沿って、バルク型レンズ2611c,2612c,613c,・・・・・ ,2622c,2711c,・・・・・ ,2811c,・・・・が積層されている。更に、第3の主反射板2063を構成する2等辺三角形の底辺に沿って、バルク型レンズ2611b,・・・・・ ,2622b,2711b,・・・・・ ,2722b,2811b,・・・・,2822bが積層され、第4の主反射板2064を構成する2等辺三角形の底辺に沿って、バルク型レンズ2611a,・・・・・ ,2622a,2711a,・・・・・ ,2722a,2811a,・・・・,2822aが積層されている。バルク型レンズ2611b,・・・・・ ,2622b,2711b,・・・・・ 2722b,2811b,・・・・,2822b及びバルク型レンズ2611a,・・・・・ ,2622a,2711a,・・・・・ ,2722a,2811a,・・・・,2822aの内部には、それぞれLED2631b,・・・・・ ,2642b,2731b,・・・・・ 2742b,2831b,・・・・,2842b及びLED2631a,・・・・・ ,2642a,2731a,・・・・・ ,2742a,2831a,・・・・,2842aが収納されている。図示を省略しているが、バルク型レンズ2622d,2621d,2620d,・・・・・ ,2722d,・・・・,2822d及びバルク型レンズ2611c,2612c,2613c,・・・・・ ,2622c,2711c,・・・・・ ,2811c,・・・・についてもそれぞれLEDが収納されていることは勿論である。このようにして四角錐の周りを、3×12×4=144個のバルク型レンズの集合からなる壁が取り囲み、3×12×4=144個のLEDが配置されている。そして、図45に示すように、更に第1の主反射板2061、第2の主反射板2062、第3の主反射板2063及び第4の主反射板2064と一定の角度をなして配置され、第1の主反射板2061、第2の主反射板2062、第3の主反射板2063及び第4の主反射板2064で反射した光を透過する半透明板2079を有している。この半透明板2079と平行方向で、且つ第1の主反射板2061、第2の主反射板2062、第3の主反射板2063及び第4の主反射板2064に関して反対方向には、底板2065が配置されている。図示を省略しているが、図44と同様に、四角錐の頂部は、一定の距離dをなして半透明板2079から離間している。半透明板2079から一定の距離d離間させることにより、四角錐の頂部の陰が半透明板2079の表面から観察されないように出来る。他は、本発明の第15の実施例に係る面状発光体と同様であるから、重複した説明を省略する。又、図44と同様に一体集合型レンズを用いて、四角錐の周り取り囲むような構成も可能である。
【0125】
図45に示す本発明の第20の実施例の変形例に係る面状発光体によれば、比較的薄型で大面積の面状発光体が提供出来る。このような大面積の面状発光体になればなるほど、LEDの個数の削減効果が顕著になる。即ち、本発明の第20の実施例の変形例に係る面状発光体では、バルク型レンズを使わない場合に比して1/4乃至1/10程度以下の個数のLEDを用いるのみで良いので、数百個レベルのLEDの個数の削減が可能になり、面積当たりの単価が安くなる。
【0126】
次に、第21の実施例を説明する。
図1に示す樹脂モールドされたLED1に対して、所定電圧が印加出来るように電池ケースを用意し、この電池ケースの中に電池(例えば単3電池)を収納すれば、ペンタイプの細身の懐中電灯(携帯用照明器具)が完成する。この電池の陽極及び陰極にそれぞれ、LED1の電極を接続する構造とすれば良い。この結果、簡単な構造で、製造単価の低い懐中電灯(携帯用照明器具)が提供出来る。この懐中電灯(携帯用照明器具)は、長期間に渡る安定性と信頼性に優れ、特に電力消費量が少ないため、電池の寿命が長いという従来予測出来なかった優れた特性を有する。
【0127】
図46(A)及び(B)に示すように、本発明の第21の実施例に係る手持ち器具は、樹脂14によりモールドされ、この樹脂14の頂部より、所定の波長の光を出力する半導体発光素子としての可視光LED1と、この半導体発光素子(可視光LED)1を駆動する電源部3241,3242と、樹脂14を収納する凹部を内部に有し、半導体発光素子(可視光LED)1の光を外部に出射するための湾曲面からなる頂部を有するバルク型レンズ20と、このバルク型レンズ20を収納する空洞部3217を有する導波部3211からなる手持ち軸部(ペン軸)3210とを備えたボールペンである。そして、この導波部3211は、円筒形の空洞部を有し、この空洞部には中心軸部(インクカートリッジ)3215が収納されている。更に、本発明の第20の実施例に係る手持ち器具は、半導体発光素子(可視光LED)1を駆動する電源部3241,3242と、電源部3241,3242の電源供給を制御するスイッチ部3226とを備えている。このボールペンのペン先(作業用先端部)3214の最先端部分には自在に回転し紙面に適度にインクを供給するための鋼鉄性ボールが配設されている。鋼鉄製ボールは、直径0.2mmφ乃至0.8mmφ等の現在市販されている種々の大きさのものが使用可能である。
【0128】
そして、図46(B)に示すように、この手持ち器具(ボールペン)は、筆記具本体3301とライト部本体3302とに分解して、ライト部本体3302を単独使用可能なように構成されている。即ち、この手持ち器具(ボールペン)は、筆記具本体3301をライト部本体3302に着脱自在に装着出来るようになっている。
インクカートリッジ3215は、ペン軸3210の中心軸部分に配設されたカートリッジ取り付け穴3215Aに、図46(A)中及び図46(B)中、右側のペン先方向から左側に向かって取り付けられ、又インクがなくなり交換する際には左側から右側に向かってカートリッジ取り付け穴3215Aから取り外すようになっている。
【0129】
導波部3211には、LED光の波長に対する透過率が高く、その製作が容易で、しかも比較的軽量な透明なアクリル樹脂等のプラスチック材料を使用することが出来る。好みによって筆記具本体3301に重量感を持たせ、筆記し易くすることが要求される場合には、導波部3211は第1の実施例で述べた透明なガラス材料や結晶性材料を用いてもかまわない。ペン軸3210は、例えば直径約12mm、全長約150mmの寸法で形成されている。
コーティング層3212は、後述する光分散部3219の領域を除き、導波部3211の表面の大半に配設されているが、場合によりこのコーティング層3212を省略しても良い。ペン先部に光を集中したいときはこのコーティング層3212を用いれば良く、ペン軸3210からの光を局所照明に用いたければ、コーティング層3212を設ければ良い。後者の目的のコーティング層3212には、導波部3211の表面を保護し、且つ、LED光の波長に対する導波部3211の光の伝送効率を高めるために、反射率が高い金属性コーティング層を使用することが出来る。又、コーティング層3212には、ファッション性を高め或いはデザイン性を高めるために、適度な透明性を有しかつ着色されたスケルトンタイプの(半透明な)樹脂コーティング層や不透明の着色された樹脂コーティング層を使用することが出来る。又、コーティング層3212は、ある程度の光の透過率が得られれば、ラバーコーティング層や塗装コーティング層であってもよい。例えば、コーティング層3212からの透過光を有効に使うことにより、夜間歩行の安全用手持ち器具や、コンサート会場に於ける遊技用手持ち器具としてのペンライトとして使用可能である。
【0130】
光分散部3219は、導波部3211の端部表面を加工して形成すればよい。例えば、複数のV字形状、U字形状、或いは扁平な凹部を導波部3211の端部設ける方法や細かな凹凸を設ける方法或いは比較的透明度の高い磨りガラス状に曇らせる方法等が可能である。更に、ガラス等の透明材料の微粒子を導波部3211の端部に塗布や付着しても良い。いずれにせよ、光分散部3219は導波部3211により集光され伝達されてきた光を適度に分散させて暗闇筆記に必要な範囲の紙面を明るく局所照明することが出来るような光学設計をすればよい。
【0131】
図46(A)及び(B)に示すように、筆記具本体3301の左端には、本発明のバルク型レンズ20を収納する空洞部としてのバルク型レンズ結合部3217が配設されている。このバルク型レンズ結合部3217は、いわばバルク型レンズ20を収納するソケット部(メス体)である。つまり、バルク型レンズ結合部3217にはライト部本体3302のバルク型レンズ(プラグ部:オス体)20を挿入して結合するようになっている。この空洞部の天井部は、バルク型レンズ(プラグ部:オス体)20の頂部の曲率半径とほぼ等しい曲率半径の凹面をなしており、バルク型レンズ20からの光が有効に導波部3211に導くことが可能なように構成されている。又、この空洞部の内径は、バルク型レンズ(プラグ部:オス体)20の外径(頂部以外の部分)の外径より極僅か、例えば、0.05mm乃至0.2mm程度大きく形成されている。そして、バルク型レンズ結合部(ソケット部)3217の端部(図46(B)において左側)には、筆記具側結合部3218としての雌ネジが設けられている。一方、ライト部筐体3223の一端には、筆記具本体3301の筆記具側結合部3218と連結される雄ネジで形成されたライト側結合部3228が配設されている。なお、ここでは、筆記具本体3301とライト部本体3302とを、雄ネジ・雌ネジを用いて着脱する方式を例示したが、はめ込み方式やクランプ形式等他の方式でもかまわない。
【0132】
更に、導波部3211の内部において、カートリッジ取り付け穴3215Aの底面には反射ミラー3211Aが装着されている。この反射ミラーは可視光LED1から発せられる光を反射させて照明効率を高めるようになっている。
更に、図示を省略しているが、インクカートリッジ3215を挿入する部分となる導波部3211の空洞部の内壁、若しくはカートリッジの外壁にも反射ミラーを設けてもよい。又、空洞部の内壁に乱反射面となる細かな凹凸を設ければ、暗闇において、インクカートリッジ3215の挿入された部分が視認出来ると同時に、この乱反射面からの光により、筆記具本体3301の周りがかすかに明るくなる効果も期待出来る。前述したペンライトとしての使用目的の時は、空洞部の内壁に乱反射面を設けることは有効である。
【0133】
一方、ライト部本体3302は、ライト部筐体3223と、ライト部筐体3223の図51A中及び図51B中右側に装着された半導体発光素子(可視光LED)1と、ライト部筐体3223の中央部分に配設された電源部3241,3242と、ライト部筐体3223の左端に配設されたスイッチ部3226とを備えている。樹脂14の頂部は、市販の樹脂モールドされたLED1の頂部の形状であり、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されている。凸面形状の頂部を除けば、樹脂モールドされたLED1は、例えば直径(外径)2〜3mmφの円柱形状である。又、バルク型レンズ20は、樹脂14を収納出来るように凹部を有している。凹部の側壁部は、樹脂モールドされたLED1を収納出来るように、直径(内径)2. 5〜4mmφの円筒形状となっている。図示を省略しているが、LED1とバルク型レンズ20とを固定するために、LED1とバルク型レンズ20の収納部6との間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサ若しくは接着剤が挿入されている。このスペーサ若しくは接着剤は、LED1の主発光部を除く位置に配置すればよい。バルク型レンズ20は、凸形状の出射面3となる頂部近傍を除けば、ほぼLED1と同様な円柱形状である。このバルク型レンズ20の円柱形状部分の直径(外径)は、ライト部筐体3223の外径より小さな所定の値に選べば良い。例えば、6〜11mmφ程度に選べば良い。バルク型レンズ20の頂部は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されており、このバルク型レンズ20は可視光LED1から発せられる光を効率良く集光して、外部に出射可能なようになっている。
【0134】
一般の可視光LED(樹脂モールドされたLED)においては、樹脂14の頂部の凸形状湾曲面以外の所から出る光は、いわゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、本発明の第20の実施例においては、可視光LED1がバルク型レンズ20の凹部にほぼ完全に閉じこめられているので、これらの迷光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、凹部の入射面2(天井部)以外の内壁面も有効な光の入射部として機能し得るのである。又、可視光LED1と凹部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は、照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成分も、最終的には照明に寄与出来る成分となり得る。この結果、樹脂14の形状等の光の取り出し効率や光学系相互の反射成分等に依存せず、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的なLEDチップの光エネルギを有効に取り出すことが可能となる。このようにして、本発明の第21の実施例に係る光学的構造によれば、樹脂モールドされたLED1の数を多数必要とすることなく、局所照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。つまり、現在市販されているハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった1個のLEDで実現出来る。このように本発明の第21の実施例に係る光学的構造によれば、従来の技術常識では全く予測出来ない照度を、図46(A)及び(B)に示すような簡単な構造で実現出来る。
【0135】
ライト部筐体3223は、内部に電源部3241,3242を収納出来る筒状の中空円柱体、若しくはこれに類似な形状で形成されている。ライト部筐体3223には、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の材料やアクリル樹脂やプラスチック材料等で形成することが出来る。ペン軸3210と同様に、ライト部筐体3223は、例えば透明なアクリル樹脂やプラスチック材料又は適度に着色された半透明か不透明のアクリル樹脂やプラスチック材料で形成してもよい。ライト部筐体3223は、筆記具本体3301のペン軸3210と例えば同等の外径寸法で構成されている。
【0136】
図47に示すように、LEDチップ13は、ベース基台(ステム)15に設けられた支持台(ダイパッド)202の上にマウントされている。そして、このLEDチップ13は、樹脂14により樹脂モールドされている。第1のリード配線11は、LEDチップ13の一方の電極(下部電極)に、支持台202を介してその一端が接続され、他端はベース基台15を貫通して、その裏面まで導出されている。同様に、第2のリード配線12は、LEDチップ13の他方の電極(上部電極)にその一端が接続され、他端は、ベース基台15を貫通してその裏面まで導出されている。符号は付けないが、LEDチップ13の他方の電極(上部電極)と第2のリード配線12との間はボンディングワイヤにより電気的に接続されている。このようにして、可視光LED1は、ベース基台15、支持台202、LEDチップ13、第1のリード配線11、第2のリード配線12及び樹脂14等から構成されている。ベース基台15は、外周部をステンレス、真鍮や銅等の金属で覆われたセラミックス等の絶縁体で構成してもよく、樹脂14の一部として、樹脂14と同一の材料で構成しても良い。又、図47では、樹脂14とベース基台20との間に段差がある構造を示しているが、樹脂14とベース基台20とを同一の外径で構成し、両者の間の段差を無くしても良い。
【0137】
なお、本発明の第21の実施例に係る手持ち器具に用いる可視光LED1としては、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、暗闇での筆記の際の局所照明のためには、第1の実施例で述べたような白色LEDが人間の目には自然であるので好ましい。
樹脂14は、レンズ作用と同時に、LEDチップ13を保護する機能を有するモールド体である。この樹脂14には、例えば透明な熱硬化性エポキシ樹脂やアクリル樹脂を使用することが出来る。樹脂14の図47中右側の部分は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されており、この樹脂14はLEDチップ13から発せられる光(白色光)を効率良く集光してバルク型レンズ20に出射するようになっている。
【0138】
図48(A)及び(B)に示すように、電源部3241,3242は手持ち器具の携帯性を高め且つ適度な照度を得るために、2個の直列に接続された単3形〜単5形の乾電池3241及び3242により構成することが可能である。或いはディスクタイプのリチウム電池やマンガンリチウム電池等も使用可能である。なお、電源部3241,3242は、必ずしも上記の乾電池に限定されるものではなく、充電可能な小型の他の種類のバッテリーで構成してもよい。
【0139】
スイッチ部3226は、その詳細な構成は省略するが、基本的には回転式やプッシュ式等の簡単な構造でよい(後述の第22の実施例で説明するセキュリティ機能を付加する場合は、このスイッチ部には、論理回路やパルス発信器、電圧調整器等が組み込まれる)。又、色合いの変化を楽しむ機能を付加したい場合は、スイッチ部3226に赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御出来る電圧調整器を内蔵させておけばよい。スイッチ部3226の一方の端子は、ライト部筐体3302の内側に配設された図示しない配線を通して可視光LED1の第2のリード配線12に接続されている。スイッチ部3226の他方の端子は、図46(A)に示すように、乾電池241及び242を保持しつつ配線としても兼用される導電性弾性体3225、乾電池242、241のそれぞれを通して、可視光LED1の第1のリード配線11に接続されている。
【0140】
スイッチ部3226は、その構成を示していないが、ネジ等によりライト部筐体3302の他端に着脱自在に取り付け取り外しが出来るようになっており、このスイッチ部3226をライト部筐体3302から取り外した状態において乾電池241及び242の交換が行われるようになっている。第20の実施例において、導電性弾性体3225は、例えば鉄、銅等の金属のコイルスプリングで形成されている。なお、導電性弾性体3225は、金属板を折り返した板ばねのようなものであってもよい。
更に、ライト部筐体3223の他端側の外周には、手持ち器具を例えば背広のポケットに携帯しておくためのクリップ3230が取り付けられている。
【0141】
この照明部付き手持ち器具は、筆箱に入れて或いは背広のポケットにクリップ3230を利用して携帯することが出来る。そして、例えば研究発表会や講演会のスライド上映中にメモを取りたい場合、夜の暗闇の中で手帳にメモを取りたい場合等には、手持ち器具のスイッチ部3226を操作することにより、図47に示すように電源部3241,3242から可視光LED1のLEDチップ13に直流電流が流れ、LEDチップ13から白色光等の可視光が発せられる。LEDチップ13から発せられた可視光は、図47中、矢印で示すように、樹脂14でまず効率良く集光され、引き続きバルク型レンズ20、導波部3211のそれぞれでも効率良く集光され、導波部3211を通してペン軸3210の内部をペン先3214の方向に向かって伝播される。LEDチップ13から発せられた可視光の内、筆記具本体3301の軸心に沿ってペン先3214に向かう可視光はカートリッジ取り付け穴3215Aの底面の反射ミラー3211Aで反射され、この反射された可視光は、バルク型レンズ20の表面や樹脂14の表面で再度反射されて漏れなくペン先3214に向って伝播されるようになっている。
導波部3211を伝播してきた可視光は最終的には光分散部3219を通して分散され、暗闇筆記に必要な適度な紙面の照度を得ることが出来る。この状態で、ペン先3214の鋼鉄製ボールを紙面に対して回転させることにより、このボールの回転に応じてインクカートリッジ3215から適度なインクを紙面に供給することが出来る。
【0142】
このように構成される本発明の第21の実施例に係る照明部付き手持ち器具によれば、LEDチップ13からの光を効率良く集光する樹脂14、バルク型レンズ20及び導波部3211を備え、照明効率を向上させることが出来るので、白熱電球と同等の実用上十分な照度を得ることが出来る。更に、この手持ち器具は可視光LED1を使用しているので、電力消費が少なく、照明持続時間を長くすることが出来る。例えば、白熱電球を使用する場合に比べて、数十倍から数百倍も長い照明持続時間を得ることが出来る。更に、この手持ち器具は、可視光LED1に光を集光させる樹脂14、バルク型レンズ20及び導波部3211を備えただけの簡易な構造で構成することが出来る。又、この手持ち器具は簡易な構造なので、製作が容易で、製作コストも削減することが出来る。
【0143】
更に、導波部3211を利用してペン軸3210を形成しているので、筆記具本体3301に使用される部品点数を削減することが出来る。部品点数の削減により、一層簡易な構造の手持ち器具を実現することが出来る。この結果、更に、製作が容易で、且つ製作コストが削減出来る照明部付き手持ち器具を実現することが出来る。
なお、本発明の第21の実施例に係る手持ち器具は、樹脂14、バルク型レンズ20、導波部3211、光分散部3219の少なくともいずれか一つに着色を施し、研究発表会や講演会などでメモを取る際に周囲の人に迷惑がかからない程度に、又デザイン性を高めるために、白色光ではなく、赤、黄、紫色等の色を帯びた光を照射出来るように構成してもよい。
【0144】
図48(A)に示す手持ち器具(筆記具)は、図46(A)乃至図47に示す手持ち器具と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体3301のペン先3214を保護し、ペン軸3210に着脱自在に取り付け取り外しが出来るアウターキャップ3231を備えている。そして、このアウターキャップ3231にはクリップ3232が取り付けられている。又、アウターキャップ3231の少なくともペン先3214近傍を透明材料で形成し、このペン先3214近傍の幾何学的形状を所定の形状に選んでおけば、アウターキャップ3231を付けたままでも懐中電灯として機能させることが可能である。
【0145】
図48(B)に示す手持ち器具は、図48(A)に示す筆記具(手持ち器具)と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体3301を万年筆として構成している。即ち、筆記具本体3301は、万年筆のペン先3140とこのペン先3140にインクを供給するインクカートリッジ3150とを備えて構成されている。この図48(A)に示す筆記具(手持ち器具)においては、筆記具本体3301を万年筆として構成しているが、図48(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を得ることが出来る。
【0146】
次に、第22の実施例を説明する。
本発明の第22の実施例は、本発明の第21の実施例に係る照明部付き手持ち器具の基本的な構造を利用し、この手持ち器具から光信号を送信し、玄関や門、各部屋のドア、自動車のドア、机の引き出し、家具の引き出しや扉、印鑑箱や小物箱の蓋等の施錠対象物に対して施錠や解錠を行う施錠解錠システムである。
【0147】
図49に示すように、本発明の第22の実施例に係る施錠解錠システムは、手持ち器具からなる信号発信部3304とし、この信号発信部(手持ち器具)3304と、この信号発信部(手持ち器具)3304からの光信号を受信する信号受信部3305を有する施錠対象物とから構成される。即ち、本発明の第22の実施例に係る施錠解錠システムを構成する手持ち器具は樹脂14によりモールドされ、この樹脂14の頂部より、光信号を出力する半導体発光素子としての可視光LED3340と、可視光LED3340を収納する凹部を内部に有するバルク型レンズ20と、ペン軸として機能し、且つバルク型レンズを着脱可能なようにして収納する空洞部を有する導波部3211とを具備する。一方、施錠対象物は、信号発信部(手持ち器具)3304から出射された光信号を受信する信号受信部3305と、受信された光信号が所定の信号であると判定された場合に解錠を行うロック機構3306とを具備する。更に、施錠対象物には、信号受信部3305に電源を供給する駆動電源部3307が含まれている。
導波部3211からなる筆記具本体3301は、本発明の第21の実施例に係る手持ち器具で説明した筆記具本体3301と同一のものであるので、詳細な説明は省略する。
【0148】
信号発信部3304は、第21の実施例に係る手持ち器具で説明したライト部本体3302と基本的な構成は同一であり、照明器具としても使用することが出来るが、第22の実施例においては、信号受信部3305に光信号を送信出来るように構成されている。即ち、信号発信部3304は、信号受信部3305に光信号を送信し、これによりロック機構3306を制御し、机の引き出し等の施錠又は解錠を行う「電子鍵」としての送信器を構築出来るようになっている。
【0149】
即ち、信号発信部3304は、半導体発光素子チップ(LEDチップ)3410と、LEDチップ3410から発せられる光(光信号)を集光させる樹脂及びバルク型レンズ20と、LEDチップ3410を駆動する電圧を供給する電源部3344と、電源部3344の電源供給を制御するスイッチ部3346とを備えて構成されている。LEDチップ3410とこれをモールドするバルク型レンズ20とで、半導体発光素子(LED)3340が構成されている。なお、本発明の第22の実施例に係る施錠解錠システムに用いるLED3340としては、本発明の第21の実施例と同様に、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、暗闇筆記の際の局所照明に用いること、及び後述する(第23の実施例参照)各色の発光強度の比による符号化を実施することを考えれば、第1の実施例で述べた白色LEDが好ましい。この場合、RGBの3枚のLEDチップを互いに独立に並列動作させる必要性を考慮すると、それぞれの色の電源回路を並列に設け、独立の制御回路を付加しておくことが好ましい。又、緑色,青色のLEDは、赤色のLEDに対して一般に動作電圧が高いので、内部抵抗等を設けてRGBの3色のバランスをとっても良い。色による符号化を実施しない場合は、内部抵抗等を設けて、電圧のバランスを取れば、電源部3344及びこの電源部3344の電源供給を制御するスイッチ部3346を共通として、RGBの3枚のLEDチップを同時に並列動作させることが可能である。
【0150】
但し、昼間は、白色光を出力することが出来るLED(白色LED)では、ビームとして施錠対象物を照射した場合に、その照射点が見にくいので、RGBの3色光の内のいずれかを選択的に照射するようにしても良い。いずれにしても、手持ち器具として使用する時は、白色光を発し、セキュリティ機能を付加する等の所定の情報処理が必要な際には、特定の色のLEDの発光強度やパルス幅、順序等を独立に制御出来るように、スイッチや論理回路で、LEDの動作モードを切り替えて使用出来るようにしておいても良い。この様な場合は、図46(A)に示したスイッチ部3226は、第21の実施例のような簡単な構造ではなく、RAM等の半導体メモリ、論理回路やパルス発信器、電圧調整器等の変調部(第23の実施例参照)を構成する所定の電子回路が組み込まれる。
【0151】
本発明の第21の実施例と同様な構造(図46(B)参照)により、信号発信部3304の一端(頂部)側はプラグ形状をなし、筆記具本体3301の端部のなすソケット形状部に挿入され、着脱自在に装着出来るようになっている。プラグ形状の一部に雄ネジ、ソケット形状の一部に雌ネジを設けておけばよい。筆記具本体3301のペン軸3210を構成する導波部3211は、プラグ形状をなすバルク型レンズ20を介して伝播されてきた光信号を更に効率良く集光出来る幾何光学的形状をなしており、集光後これを先端部方向に伝播させ、この伝播されてきた光信号は光分散部3219を通して最終的に外部に出力される。
【0152】
一方、施錠対象物を構成するロック機構3306は、比較器等を用い、光検出器3350の出力電流のレベル判定、若しくは抵抗を介して出力電圧のレベル判定をし、所定の光入力が入力されたか否かを判断する。所定の光入力が入力されたと判断されたときのみ、ロック機構3306は所定の駆動メカニズムにより解錠動作を行う。そして、ロック機構3306は、光検出器3350が所定の光入力を検出しなければ、施錠状態(ロック状態)を維持している。又、解錠動作後は所定のタイマーにより自動的に施錠しても良く、再び所定の光入力を光検出器3350が検出したときロック機構3306が施錠動作をさせても良い。
【0153】
信号受信部3305には、種々の光検出器3350が採用可能であるが、フォトダイオード等の半導体光検出器がコンパクト化に適し、又高感度である。フォトダイオード3350としては、半導体発光素子(LED)3340と全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を持つ半導体材料からなるダイオードを用いればよい。即ち、発光素子の光学的固有エネルギと受光素子の光学的固有エネルギを等しくすることで、波長選択性を有した最も高感度な光検出が可能となる。光検出器(フォトダイオード)3350においては、光学的固有エネルギより大きなエネルギの光が入力されない限り電流が流れないが、特に、光学的固有エネルギと同じエネルギを有した光が入力した場合には波長共鳴効果が加わるので、極めて高感度検出となる。この場合、フォトダイオード3350として、LEDと全く同一のLEDを逆バイアスにして使用することも可能である。又、光検出器3350として、光学的固有エネルギがLEDと全く同一の半導体材料からなるAPDを用いても良い。更に、光検出器3350としては、LEDと全く同一の光学的固有エネルギを有する半導体材料を用いて構成したフォトトランジスタを用いても良い。
【0154】
例えば、ロック機構3306がロック機構3306に前もって登録された波長スペクトルと全く同一の波長スペクトルの白色光が入力したときのみ、ロック機構3306を解除させるような動作をさせることが出来る。本発明の第21の実施例に係る施錠解錠システムに白色LEDを用いた場合には、周知のように、白色光はRGBの3色の光の混合であるので、この3色光で信号の送受信を行うことになる。即ち、3チャネルの信号伝送系を有するので、揺らぎやノイズに強く、信号受信部3305において極めて高い感度で光検出を行い、施錠解錠を行うことが出来る。
【0155】
一般に信号受信部3305は、玄関や門、各部屋のドア等に設置する場合にはスペース的な余裕がある。従って、信号受信部3305において、信号発信部3304のLED3340からの光を集光するためには、このスペース的な余裕を考慮すれば、種々のレンズ等の周知の光学系が採用可能である。又、光路の可逆性を考えれば、筆記具1に用いられているバルク型レンズと同一の光学系を採用して、光検出器3350に光信号を集光させることも可能である。
なお、スペース的な余裕があるのであれば、光電子増倍管等の半導体光検出器以外の光検出器の使用が可能である。この場合は、それぞれの色に対応した色フィルタを付加することが好ましい。又、半導体光検出器の場合は、先に述べたように、LED3340と全く同一の光学的固有エネルギを持つ半導体材料を用いることにより、光フィルタを内蔵したと等価な効果を発揮しているが、更に、それぞれの色フィルタを付加すれば、長波長側の検出器が短波長の光の影響を受けなくなるので、好ましい。
【0156】
このようにして、施錠動作又は解錠動作の安定性に優れた施錠解錠システムを構成出来る。
図50(A)は、平行ビームで遠隔操作する場合で、図50(B)は、図49に対応した、近接操作する場合の具体例である。図50(A)に示す施錠解錠システムは、施錠対象物である机3581に組み込まれており、引き出し3583の前板3585内側近傍に信号受信部3305、ロック機構3306としての電磁ソレノイド3560、電磁ソレノイド3560に駆動電流を供給する駆動電源部3307とを備えている。机3581には施錠時に電磁ソレノイド3560のシャフトが入り込む施錠穴3582が配設されている。又、引き出し3583の前板3585には外側に通じる光信号取り込み穴(光学鍵穴)3584が配設されている。信号発信部3304のLED3340の光以外の太陽光等による迷光で誤動作を防止するためには、光信号取り込み穴3584は、前板3585の厚みに比して相対的に小さな直径の貫通孔として構成しておけばよい。即ち、平行ビームのみが有効に、光信号取り込み穴3584を介して信号受信部3305に到達するようにしておけばよい。
【0157】
この図50(A)に示す施錠解錠システムにおいては、信号発信部3304のLED3340から発せられた光信号を光信号取り込み穴3584を通して信号受信部3305で受信し、この信号受信部3305で受信された光信号に基づき駆動電源部3307から電磁ソレノイド3560に駆動電流が供給される。この電磁ソレノイド3560のシャフトを例えば駆動電流により降下させた場合には、施錠穴3582とシャフトとの結合が外れ、解錠動作を行うことが出来る。逆に、電磁ソレノイド3560のシャフトを駆動電流により上昇させた場合には、施錠穴3582にシャフトを結合させ、施錠動作を行うことが出来る。
【0158】
一方、近接操作する場合は、光信号取り込み穴3584の構造が異なる。図50(B)に示すように、光学鍵穴3584は、筆記具本体3301の先端部の光分散部3219を収納出来るように、光分散部3219の外径より極僅か、例えば0.1乃至0.3mm程度大きい内径となる相似形をなしている。そして、光学鍵穴3584の内部に丁度、光分散部3219が収納された状態で信号受信部3305の光検出器に光(分散光)が到達するようになっている。最近接位置に光検出器を配置することにより、分散光であっても、有効な光強度を維持することが出来る。
更に、図示を省略しているが、光学鍵穴3584の内径部の一部に押しボタンを設けても良い。そして、光学鍵穴3584の内部に筆記具本体3301の先端部が挿入されたとき、押しボタンが押し込まれ、この押しボタンにより信号受信部側の電源がオン状態となるようにしておけば、省エネルギー化が可能である。又、机に直射日光が照射した時の誤動作等の防止も可能である。
【0159】
更に、図50(B)に示す信号受信部3305の光検出器として1次元若しくは2次元のイメージセンサを用い、光分散部3219の表面に暗号化(コード化)された所定の空間パターンを設けておけば、特定の人間の持つ特定の手持ち器具の所定のパターンを識別したときのみ、解錠できるように出来る。更に、導波部3211の一部若しくは、光分散部3219の一部にホログラムカラーフィルタを設けておき、信号受信部3305でホログラムパターンを認識するようにしても良い。
なお、信号受信部3305、ロック機構3306及び駆動電源部3307を備えた施錠解錠システムは、図50(A)及び(B)に示した施錠対象物である机3581の引き出し3583の前板3585に組み込まれる場合に限定されるものではなく、例えば家具の引き出しや扉、印鑑箱や小物箱の蓋、金庫の扉や蓋等の種々の施錠対象物に組み込むことが出来る。更に、塀や門、玄関のドア、各部屋のドア、自動車のドア等を施錠対象物として使用することも出来る。
【0160】
次に、第23の実施例を説明する。
図50(B)に関連して、空間的なパターンを認識する方法を述べたが、この例で理解出来るように、所定の個人識別情報を光信号として用いることにより、本発明の照明部付き手持ち器具は、セキュリティ機能を向上させた施錠解錠システムに適用可能である。
図51に示すように、本発明の第23の実施例に係るセキュリティ機能を有する施錠解錠システムは、手持ち器具を光信号を送信する信号発信部3304とし、この手持ち器具(信号発信部)3304と、この手持ち器具(信号発信部)3304からの光信号を受信する信号受信部3305を有する施錠対象物とから構成されている。即ち、本発明の第22の実施例に係る手持ち器具は、樹脂14によりモールドされ、樹脂14の頂部より、光信号を出力する半導体発光素子としてのLED3340と、所定の個人識別情報を含ませるために、光を変調し光信号を生成する変調部3400と、LED3340を収納する凹部を内部に有するバルク型レンズ20と、ペン軸として機能し、且つバルク型レンズ20を着脱可能なようにして収納する空洞部を有する導波部3211とを具備する。一方、本発明の第22の実施例に係る施錠対象物は、手持ち器具(信号発信部)3304から出射された光信号を受信する信号受信部3305と、受信された光信号に含まれた個人識別情報が、施錠対象物に登録された個人識別情報に一致するか否か確認し、一致が確認された場合に解錠を行うロック機構3306とを具備する。更に、施錠対象物には、信号受信部3305に電源を供給する駆動電源部3307が含まれている。
【0161】
ここで、半導体発光素子としてのLED3340は、第1の波長λ1(赤色)の光を発光する第1の半導体発光素子チップ(LEDチップ)3410(R)と、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2(緑色)光を発光する第2の半導体発光素子チップ(LEDチップ)3410(G)と、第1及び第2の波長λ1,λ2とは異なる第3の波長λ3(青色)光を発光する第2の半導体発光素子チップ(LEDチップ)3410(B)とを有している。そして、変調部3400は、第1の光の強度I1 及び第2の波長の光の強度I2 の比(=I1 /I2 )、第2の光の強度I2 及び第3の波長の光の強度I3 の比(=I2 /I3 )、或いは第3の光の強度I3 及び第1の波長の光の強度I1 の比(=I3 /I1 )等を所定の値に設定することにより個人識別情報を含む光信号を生成する。又、信号受信部は、第1、第2及び第3の半導体発光素子チップ3410(R),3410(G),3410(B)と同一の光学的固有エネルギを有した半導体材料からなる第1、第2及び第3の光検知器3051(R),3052(G),3053(B)とからなる。更に、ロック機構3306は、第1、第2及び第3の光検知器3051(R),3052(G),3053(B)の出力から生成した信号と、登録された個人識別情報との一致を調べる比較器3631と、登録された個人識別情報との一致が確認された場合に、解錠を行うロック・ドライバ3640とからなる。更に、ロック機構3306は、RAM3632を具備し、個人識別情報はRAM3632に記憶させておくことが出来る。
【0162】
既に、第20の実施例において説明したように、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)の3枚のLEDチップを縦に積層して構成して、白色LEDを構成出来る。図56においては、変調部3400は、これら赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)の3枚のLEDチップをそれぞれ独立に制御する。この変調部3400は、電源部3344からの電圧を、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)の3枚のLEDチップにそれぞれ独立に制御することにより、各色の相対的強度を制御し、その混合比により任意の色が出力出来るようになっている。例えば、変調部3400は、3枚のLEDチップのそれぞれを8ビットの多値階調データをD/A変換して制御する。このため、変調部3400は、電源部3344からの電圧をそれぞれ8ビットの信号で3回路分独立に制御出来るD/A変換器と電圧調整器を有している。又、変調部3400は、電源部3344からの電圧の供給だけでなく、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)の3枚のLEDチップに印加する電源電圧のパルス幅及び繰り返し周波数の調整、更に、2値のコード化された信号として所定の符号化を行ってもよい。このような場合は、論理回路やパルス発信器等の電子回路が変調部3400に組み込まれる。又、8ビットの多値階調の各色のデータ或いは2値のコード化された信号等を記憶するRAM等の半導体メモリも組み込まれている。これらの変調部3400に必要な、RAM等の半導体メモリ、論理回路やパルス発信器、電圧調整器等の電子回路等は、図46(A)に示したスイッチ部3226に、1チップの半導体集積回路として組み込まれている。この半導体集積回路にマイクロプロセッサを組み込んでも良い。これらの半導体集積回路により、セキュリティ機能を付加するために必要な特定の色の強度やパルス幅、順序等を独立に制御し、これらの情報を蓄えておくことが出来る。
【0163】
更に、図46(A)に示した構造のライト部本体3302のどこかに、テンキーやその他の文字入力用のキーボード等を備え、このテンキーやキーボード等により、複雑なコード信号や暗号を入力出来るようにしておくことも可能である。この場合には、筆記具本体3301をライト部本体3302から取り外し、筆記具本体3301のペン先を用いて、キーボード等を操作すればよい。このキーボード等は、例えば、図46(A)に示すクリップ3230に設けても良い。
【0164】
一方、本発明の第23の実施例に係る施錠解錠システムの信号受信部3305は、赤色帯域の半導体光検出器3051(R)、緑色帯域の半導体光検出器3052(G)、青色帯域の半導体光検出器3053(B)の並列接続回路で構成されている。これらの半導体光検出器3051(R),3052(G),3053(B)としては、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)のそれぞれと全く同一の光学的固有エネルギを持つ半導体材料からなるフォトダイオード3051(R),3052(G),3053(B)を用いればよい。即ち、発光素子の光学的固有エネルギと受光素子の光学的固有エネルギを等しくすることで、波長選択性を有した最も高感度な光検出が可能となる。なぜなら、光検出器(フォトダイオード)3051(R),3052(G),3053(B)においては、禁制帯幅以上のエネルギを有した光が入力されない限り電流が流れず、禁制帯幅と同一のエネルギの光が入力した場合には波長共鳴効果が加わるので極めて高感度検出となるからである。この場合、フォトダイオード3051(R),3052(G),3053(B)として、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)と全く同一のLEDを逆バイアスにして使用することも可能である。又、光検出器3051(R),3052(G),3053(B)として、禁制帯幅がLEDと全く同一の半導体材料からなるAPDを用いても良い。更に、光検出器3051(R),3052(G),3053(B)としては、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)と全く同一の禁制帯幅を有する半導体材料を用いて構成したフォトトランジスタを用いても良い。更に、フォトトランジスタをダーリントン接続して構成すれば、より高感度な検出が可能である。
【0165】
そして、ロック機構3306は、更に、レベル判定器3611,3612,3613、波形整形回路(若しくはA/D変換器)3621,3622,3623を有している。即ち、各色の光検出器3051(R),3052(G),3053(B)の出力側には、それぞれレベル判定器3611,3612,3613が接続され、レベル判定器3611,3612,3613の出力側には波形整形回路(若しくはA/D変換器)3621,3622,3623が接続されている。そして、それぞれの光検出器3051(R),3052(G),3053(B)の出力が所定のレベルに達した時のみ、2値若しくは多値の出力を波形整形回路3621,3622,3623が出力する。波形整形回路3621,3622,3623からはそれぞれ、例えば8ビットの多値階調信号を出力する。そして、RAM3632に格納された8ビットの各色の多値階調データと比較器3631で比較し、一致が確認された時のみ、ロック・ドライバ3640を駆動し、解錠動作を行う。若しくは、比較器3631で一致が確認されなけければ、ロック・ドライバ3640を施錠状態(ロック状態)を維持している。又、解錠動作後は、所定のタイマー等により一定の時間経過後に自動的に施錠しても良く、再び所定の光入力を光検出器3051(R),3052(G),3053(B)が検出し、再び比較器3631がRAM3632に格納された8ビットの多値階調データと一致が確認された時に、ロック・ドライバ3640が施錠動作をするようにしても良い。
【0166】
さて、上記において、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)のそれぞれと全く同一の禁制帯幅を持つ半導体材料からなるフォトダイオード3051(R),3052(G),3053(B)を用いれば、波長選択性を有した最も高感度な光検出が可能と説明したが、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)のそれぞれの発光のタイミングは注意が必要である。即ち、赤(R)色の光により、緑色の半導体光検出器3052(G)及び青色の半導体光検出器3053(B)には光電流が流れないが、緑(G)色の光は赤(R)色の光よりエネルギが高いので、緑(G)色の光により、赤色の半導体光検出器3051(R)に光電流が流れる。又、最もエネルギが高い青(B)色の光によれば、赤色の半導体光検出器3051(R)及び緑色の半導体光検出器3052(G)に光電流が流れるので、信号処理が複雑になるからである。これを防ぐには、赤(R)色、緑(G)色のバンドパスフィルタを用いるのが一つの手法であるが、装置が複雑化する。最も簡単且つ有効な手法は、赤色のLEDチップ3410(R)、緑色のLEDチップ3410(G)及び青色のLEDチップ3410(B)がそれぞれ単独発光するように、LEDの駆動パルスのタイミングとそのパルス幅を選び、互いにオーバーラップがないように、発光のタイミングを互いにずらすことである。このように発光のタイミングの選定により、波長共鳴効果を用いた高感度検出が可能となる。
或いは赤(R)色、緑(G)色、青(B)色の順にタイミングをずらしてオーバーラップさせ、光検出器3051(R),3052(G),3053(B)の出力の微分変化を求める方法や、逆に青(B)色、緑(G)色、赤(R)色の順にタイミングをずらしてオーバーラップさせ、光検出器3051(R),3052(G),3053(B)の出力の微分変化を求める方法を採用しても良い。
【0167】
このようにして、特定の個人がそれぞれ自由に、RGBの強度を選び、その強度比を施錠解錠システムの必要情報(個人識別情報)とすれば、他人には絶対に解錠出来ないセキュリティ・システムを実現させることが可能である。RGBの強度の組み合わせは、多値階調のビット数を選べば、ほとんど無限通りに近く可能であるので、極めて多くの人が多くの機器に使用可能である。この施錠解錠システムの必要情報(個人識別情報)は、図46(A)に示したスイッチ部3226に内蔵したRAMに記憶しておいても良く、その都度テンキー等を使って入力しても良い。或いはリセット手段を設け、解錠情報を随時変更出来るようにし、最新のコード信号のみを記憶出来るようにしてもかまわない。
【0168】
さて、発光のタイミングの選定は様々考えることが可能である。最も単純なのは、R,G,Bが、この順に、オーバーラップがないようにそれぞれ単独発光するように選定する方法である。この場合、信号発信部3304及びロック機構3306において、共通のクロック周波数を選んでおき、そのクロック周波数に応じて順に発光させればよい。ロック機構3306側では、クロック周波数に応じて光検出のゲートを開く同期検出を行えば、ノイズ成分や迷光の影響を回避出来る。そして、好ましくはR,G,Bの順の発光を1サイクルとし、このR,G,Bのサイクルを所定のサイクル数繰り返し、アキュムレータ等により積分値を求めれば良い。この様にR,G,B;R,G,B;・・・・・ という単純な繰り返しを所定のサイクル数繰り返し、その積分値で個人識別情報(施錠解錠システムの必要情報)の一致を確認する方法を採用すれば、太陽光による迷光成分が多い環境でも高精度で信頼性の高い光検出が可能となる。この場合、所定のサイクル数の繰り返し後の積分値と、RAM3632に格納された8ビットの多値階調データとを比較器3631で比較し、一致を確認することになる。ここで、「所定のサイクル数」とは1サイクルでも良い。サイクル数は直射日光が当たるか否か等の使用環境やLEDの出力、半導体光検出器の感度等に応じて選べばよい。
【0169】
一方、LEDの駆動パルスのタイミングの選び方で、個人識別情報(施錠解錠システムの必要情報)を生成することも可能である。例えば、AさんはRRBGBR,RRBGBR,RRBGBR,・・・・・ 、BさんはBRBRGG,BRBRGG,BRBRGG,・・・・・ 、Cさんは、GGGGBR,GGGGBR,GGGGBR,・・・・・ のように、それぞれ自由にタイミングを選び、その発光の順番を個人識別情報(施錠解錠システムの必要情報)とすることも可能である。
【0170】
この場合、対象となる特定の被施錠物以外の他の複数の個人識別情報のコードをシーケンシャルに並べて、シーケンシャルに発光させても良い。例えば、同一の人間が複数の玄関のドアの鍵、複数の部屋のドアの鍵、複数の自動車のドアの鍵、複数の机の引き出しの鍵、複数の家具の引き出しや扉の鍵、印鑑箱や小物箱の蓋の鍵、金庫の扉や蓋等の容器の鍵を開ける必要がある。この場合、これらの複数の玄関のドアの鍵、複数の部屋のドアの鍵等の多くの解錠のコードをすべて手持ち器具に内蔵されたRAM等の半導体メモリに記憶させておけばよい。そして、これらの個人識別情報のコードを乗せた各色の発光をシーケンシャルに連続して行い、ロック機構3306がそのロック機構3306の内蔵するROMに登録された個人識別情報との比較を行い、この内の一つに対し一致を確認すれば、その被施錠物を解錠するようにすればたくさんの鍵の内から特定の鍵を探し出す手間が不要となる。又、たくさんの鍵を持ち歩く必要もなくなる。
【0171】
更に、各色のパルス幅を選定して、それを個人識別情報とすることも出来る。パルス幅を選定する場合、信号発信部3304及びロック機構3306において、共通のクロック周波数を選んでおき、そのクロック周波数を基準としてパルス幅を選んでも良い。即ち、クロック周波数に応じて光検出のゲートを開く同期検出を行えば、ノイズ成分や迷光の影響を回避出来る。しかし、ノイズ成分や迷光の影響の少ない使用環境のもとでは、クロック周波数に無関係に選んで良いことは勿論である。更に、通常の情報処理システムに用いられている種々の符号化技術が、各色(各チャネル)についてそれぞれ適用可能で、それを更に全部の色で組み合わせて実施することも可能である。
なお、図51に示す本発明の第23の実施例に係る施錠解錠システムは、図50(B)に対応した信号発信部3304と信号受信部3305とを近接させる場合の例を示しているが、この例に限られない。例えば、図50(A)に示す場合のように、平行光線又は所定の焦点距離に集光された光で遠方に位置する信号受信部3305に光を照射する方式にも適用可能であることは勿論である。この場合は、筆記具本体3301をライト部本体3302から取り外し、ライト部本体3302のバルク型レンズ20露出させ、このバルク型レンズ20の表面からの出力光を用いればよい。
【0172】
平行光線や所定の焦点距離に集光された光で遠方を照射する場合は、半導体光検出器3051(R),3052(G),3053(B)に入力する光強度が距離に依存する可能性がある。しかし、本発明の第22の実施例に係る施錠解錠システムにおいては、半導体光検出器3051(R),3052(G),3053(B)に入力する光強度の絶対値を必要な情報として検出しているのではなく、各色の相対的な強度比を検出しているので、距離が変化しても必要な情報の信頼性が失われることはない。
【0173】
次に、第24の実施例を説明する。
更に、第21の実施例で説明した筆記具は本発明の手持ち器具の例の一部に過ぎず、本発明を限定するものではない。図46(A)に示した構造において、インクカートリッジ3215の位置に押し出し運動若しくはねじれ運動をする固形状物(棒紅)を配置すれば、化粧器具(棒口紅)を構成することも可能である。本発明によれば、図46(A)と同様に、導波部の先端部に光分散部を設けることにより、口だけでなく顔全体の広い範囲を照明出来るので非常に便利である。更に化粧筆を構成することも可能である。航空機の客室乗務員等の特定の状況においては、暗闇で化粧を直したい場合もあり、かかる場合には本発明の照明部付き化粧器具は便利である。特に、本発明の照明部付き化粧器具は白色光が使用出来るので、昼間と同じ自然な感じの化粧が暗闇で可能である。
【0174】
更に、本発明の手持ち器具は、図52に示すドライバや図示を省略したスパナ、レンチ等種々の手工具にも適用可能である。図52に示すドライバは、工具本体3311とライト部本体3302とに着脱自在になっている。導波部3211からなる手持ち軸部(柄)3210Dは円筒形の空洞部を有し、この空洞部には金属棒からなるドライバ軸(中心軸部)3115が収納され、導波部3211とドライバ軸3115とは、軸ストッパ3116により互いに強固に固定されている。又、導波部3211の先端部は凸形状になり、光集光部3211Bを構成し、作業時にドライバ軸3115の先端部(ヘッド)が効率良く局所照明出来るようになっている。例えば、工具本体3311をライト部本体3302から取り外し、手工具本体3311のみを工具箱に収納し、ライト部本体3302は胸のポケット等に別途携帯すれば、工具箱の施錠・開錠が別途携帯したライト部本体3302のバルク型レンズの表面からの出力光を用いて可能となる。図52においては、力を加え易くするために、ライト部本体3302の頭が大きくなっているが、図46(A)と同様に、ライト部筐体3223の他端側の外周にクリップを取り付けておけば、ライト部本体3302を例えば作業服のポケットに常時携帯するのに便利である。
【0175】
次に、第25の実施例を説明する。
図1において、バルク型レンズ20は、凹形状の第1の湾曲面からなる収納部6、及び凸形状の第2の湾曲面からなる出射面3を有していた。しかし、図1は例示であり、第1の湾曲面や第2の湾曲面は、目的に応じて、種々の形状が採用可能である。
図53は、本発明の第24の実施例として、凹形状の第2の湾曲面からなる出射面3を有すバルク型レンズ21を示す。図53に示すような凹形状の第2の湾曲面を用いると、光は分散する傾向になるので、バックライト(間接照明系)には好適な均一性を得ることが出来る。
【0176】
又、第5の実施例で説明した図17(A)及び(B)に示すよう背面鏡31付きの構造、或いは第6の実施例で説明した図22に示すよう背面鏡31付きの構造等においても湾曲面は、目的に応じて種々の形状が採用可能であり、凹形状の第2の湾曲面からなる発光面を有すバルク型レンズでもよい。凹形状の湾曲面を頂部(発光面)に用いると、光は分散する傾向になるので、種々のバックライト(間接照明系)に好適な均一性を得ることが出来る。
【0177】
次に、第26の実施例を説明する。
日本における交通事故は、年々増加する傾向にある。そのうち自転車に関係する事故件数は約3%を占めている。自転車事故の中で特に目立つのが夜間での「無点灯走行」による事故で、自転車用ランプの装着率は、100%近いのにかかわらず、その点灯率は20%と大変低い。これは自転車に装着されているランプはそのほとんどが発電機(ダイナモ式)であるため、(イ)ランプをつけるとペダルが重くなり、脚に負担がかかる。(ロ)発電機と車輪が接触する時に不快音が出る。(ハ)道路に水たまりやぬかるみがあると、発電機が水や泥を飛散し、衣服を汚す。(ニ)発電機は、自転車のスピードが落ちるとライトが暗くなる等の理由で、無灯火のまま走行する人が多い。夜間無点灯の自転車と自動車(若しくは対歩行者)の事故の場合、自転車側に責任があるケースが多く見られ、自転車運転者の責任が問われる。この様に状況からは電池式の小型・軽量で且つ明るい照明器具が待望されている。又、自転車用ランプとしてはダイナモ式よりも電池方式の方が好ましいことが分かる。自転車用ランプとして要求されるのは、十分な明るさと、電池の寿命が長いことである。電池の寿命を長くするために、消費電力が少ない光源が好ましい。この点ではLEDを用いれば良い。しかし、LEDは一般に照度が足りない。
本発明の第27の実施例では、LEDを使って且つ十分な明るさが得られる発光体について説明する。
【0178】
図54は本発明の第27の実施例に係る発光体を示す模式的な断面図である。図54に示すように、本発明の第27の実施例に係る発光体は、所定の波長の光を発する複数の光源(第1乃至第4光源)1a〜1dと、この第1乃至第4光源1a〜1dをそれぞれ独立に収納し、それぞれの主発光部をほぼ完全に覆うバルク型レンズ26とから少なくとも構成されている。第1乃至第4光源1a〜1dをそれぞれ独立に収納するために、バルク型レンズ26には複数の独立した井戸型の凹部(第1乃至第4凹部)6a〜6dが並列配置されている。
【0179】
井戸型の第1乃至第4凹部6a〜6dは、それぞれ独立した第1乃至第4入射面2a〜2dと、この第1乃至第4入射面2a〜2dを天井部とし、天井部に連続して形成され、互いに独立した第1乃至第4凹部側壁5a〜5dとから構成されている。複数の入射面2a〜2dから入射した複数の光を出射する出射面3は単一の湾曲面から構成されている。レンズ本体4は、第1乃至第4入射面2a〜2dと出射面3とを接続する。このレンズ本体4は、光源から発せられた光の波長に対して透明な材料からなる。
【0180】
第1乃至第4光源1a〜1dは、例えば最大部の直径(外径)2〜3mmφの弾丸型LEDである。バルク型レンズ26は、断面が図54に示すような蒲鉾を一定の厚さにスライスした形状である。式(1)の条件を考慮すると、蒲鉾の上下の平坦面の間の厚みは、第1乃至第4光源1a〜1dの外径の3倍以上が好ましい。バルク型レンズ26中に設けられた第1乃至第4凹部6a〜6dのそれぞれの第1乃至第4凹部側壁5a〜5dは、第1乃至第4光源(弾丸型LED)1a〜1dの主発光部を収納出来るように、直径(内径)2. 5〜4mmφの円筒形状(井戸型形状)となっている。図示を省略しているが、第1乃至第4光源1a〜1dとバルク型レンズ26とを固定するために、第1乃至第4光源1a〜1dと第1乃至第4凹部6a〜6dとの間には、それぞれ厚さ0.2〜0.5mm程度のスペーサが挿入されている。蒲鉾型のバルク型レンズ26の幅は、本発明の第25の実施例に係る発光体の使用目的に応じて選択出来る。従って、30mmφ以下でも100mmφ以上でもかまわない。又、図54では、4つの光源1a〜1dが示されているが、光源の数は、5つ以上であっても3つ以下でもかまわない。しかし、自転車用であれば3乃至5程度で十分である。又、図54では同一平面レベルに、4つの光源1a〜1dを1次元方向に配置した構造であるが、2層構造とし、上層に第1及び第2光源1a,1b、下層に第3及び第4光源1c,1dを配置した2次元的配置でもかまわない。更に、第2の実施例と同様に、第1乃至第4光源1a〜1dに対し、それぞれ第1乃至第4背面鏡を設けても良い。より少ない個数の光源1a,1b,1c,・・・・・・で、明るい照明をするためには、光源1a,1b,1c,・・・・・・の配置のピッチを光源1a,1b,1c,・・・・・・の外径の3倍程度にすることが好ましい。又、両端に位置する光源の外側のレンズ本体4の厚さは、光源の外径程度以上あることが好ましい。この条件は、式(1)にほぼ対応する条件である。
【0181】
自転車用ランプや懐中電灯のような照明目的のためには、第1の実施例において説明したように、白色LEDが人間の目には自然である。白色LEDは、第7の実施例において説明したような、RGBの3枚のLEDチップが一つのパッケージ内に、縦に積層、若しくは互いに近接配置した構造を採用すれば良い。即ち、弾丸型の樹脂封止体の内部に、それぞれRGBの3枚のLEDチップを実装した第1乃至第4の白色LEDを用意すれば良い。そして、第1乃至第4白色LEDに対して、それぞれ所定電圧が印加出来るように電池ケースとこの電池ケースの中の電池(例えば単3電池)を収納すれば、自転車用ランプが完成する。この自転車用ランプは、自転車のハンドル等に取り付けるためのアタッチメントを設けておけば良いことは勿論である。この電池の陽極及び陰極にそれぞれ、第1乃至第4光源1a〜1dとしての第1乃至第4白色LEDの電極を接続する構造とすれば良い。この結果、簡単な構造で、製造単価の低い自転車用ランプや懐中電灯が提供出来る。この自転車用ランプや懐中電灯は長期間に渡る安定性と信頼性に優れ、特に、電力消費量が少ないため、電池の寿命が極めて長い。
【0182】
第1乃至第4光源1a〜1dとバルク型レンズ26の第1乃至第4凹部6a〜6dとの間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成分も、本発明の第27の実施例においては、最終的には照明に寄与出来る成分となり得る。このように、本発明の第27の実施例においては、第1乃至第4光源1a〜1dがバルク型レンズ26の第1乃至第4凹部6a〜6dにほぼ完全に閉じこめられているので、第1乃至第4光源1a〜1dから発せられる迷光成分も含めて、ほぼすべての出力光が有効に照明に寄与出来るようになる。
【0183】
このようにして、本発明の第27の実施例に係る発光体によれば、自転車用ランプとしての使用可能な所望の平行性を有した光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。このように、本発明の第27の実施例に係る発光体によれば、従来の技術常識では全く予測出来ない照度を、図54に示すような簡単な構造で実現出来る。
本発明の第27の実施例に係る発光体に用いるバルク型レンズ26としては、第1の実施例で述べた透明プラスチック材料、ガラス材料、結晶性材料等が使用可能で、有色の樹脂や蛍光材料を含んだ樹脂等も使用可能である。この内、アクリル樹脂やポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂は、バルク型レンズ26を大量生産するのに好適な材料である。第1乃至第4光源1a〜1dとして、LEDの他にハロゲンランプ等の白熱球或いは小型放電管、無極放電ランプ等の他の光源も使用可能である。ハロゲンランプ等の発熱を考慮すると、発熱を伴う光源の場合は、バルク型レンズ26は耐熱性光学材料が好ましい。耐熱性光学材料としては、石英ガラス、サファイアガラス等の耐熱ガラスが好ましい。或いは、ポリカーボネイト樹脂等の耐熱性樹脂等の耐熱性光学材料が使用可能である。ZnO、ZnS、SiC等の結晶性材料でも良い。
【0184】
無点灯走行による交通事故を防止するためには、明度センサを設け、暗くなったら自動的に点灯するようにすれば良い。LEDは消費電力が少ないので無人の状態で点灯していてもかまわない。しかし、より電池の寿命を長くするためには、サドル及び/又はペダルに加重センサを設け、運転時のみ点灯するようにすれば良い。即ち、明度センサの信号と加重センサの信号の論理積(AND)回路を設け、暗く且つ運転時のみの場合に自動点灯し、加重センサの信号が消えたら自動消灯するようにすれば良い。
【0185】
次に、第28の実施例を説明する。
既に説明したように、本発明の第1の実施例に係る発光体においては、バルク型レンズ20を用いることにより、光源(LED等)それ自身には何ら手を加えることなく、容易に光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能であるという有利な効果を奏することを示した。更に、図55に示すように、第1のバルク型レンズ20の外側に第2のバルク型レンズ23を配置し、更に、第2のバルク型レンズ23の外側に第3のバルク型レンズ24を配置すれば、樹脂モールドされたLED1の光のビーム径を更に広い照射面積となるように拡大することが可能である。第2のバルク型レンズ23は、第1のバルク型レンズ20と同様に光の波長に対して透明な材料からなり、第1のバルク型レンズ20を収納するための第2の収納部を有している。第2の収納部の天井面が入射面(第3の湾曲面)をなし、第3の湾曲面に対向した第4の湾曲面が出射面となる。又、第3のバルク型レンズ24は、第2のバルク型レンズ23を収納するための第3の収納部を有している。第3の収納部の天井部が入射面(第5の湾曲面)となり、第5の湾曲面に対向した第6の湾曲面が出射面となる。
【0186】
図55に示すように、本発明の第27の実施例においても、LED1は第1の屈折率n1 を有したエポキシ樹脂等の透明材料14でモールドされている。そして、第3の屈折率n2 を有する第1のバルク型レンズ20は、第2の屈折率n0 を有する空気を介してLED1を収納している。更に、第4の屈折率n3 を有する第2のバルク型レンズ23は、第2の屈折率n0 を有する空気を介して第1のバルク型レンズ20を収納している。また、第5の屈折率n4 を有する第3のバルク型レンズ24は、空気を介して第2のバルク型レンズ23を収納している。空気以外の流体若しくは流動体を介してLED1、第1のバルク型レンズ20及び第2のバルク型レンズ23を、それぞれの収納部6に収納しても良い。又、第3の屈折率n2 、第4の屈折率n3 若しくは第5の屈折率n4 を次第に大きく、或いは次第に小さくするようにして光路設計をしても良い。
【0187】
本発明の第27の実施例のように、ビーム径をあまり広げすぎると照度が減少するので、懐中電灯のような目的には不適となるが、均一な照明を必要とするバックライト(間接照明系)には好適となる。即ち、通常のLEDをバックライト(間接照明系)に用いると、LEDの発光点がスポット状に明るくなり、明るさのバラツキが目立つが、図55に示すようにしてビーム径を50〜100mmφ程度まで拡大すれば、均一なバックライト照明が可能となる。
【0188】
なお、第5の実施例で説明した背面鏡31の付いたバルク型レンズ(第1のバルク型レンズ)25の外側に第2のバルク型レンズを配置し、更に、第2のバルク型レンズの外側に第3のバルク型レンズ,・・・・・ を配置してもよい。このようにすれば、封止LED1の光のビーム径を更に広い照射面積となるように拡大することが可能である。第2のバルク型レンズは、第1のバルク型レンズ25と同様に光の波長に対して透明な材料からなり、第1のバルク型レンズ25を収納するための凹部と、湾曲面からなる発光面とを具備している。又、第3のバルク型レンズは、第2のバルク型レンズを収納するための凹部を有するようにしておけばよい。
【0189】
次に、第29の実施例を説明する。
図56は本発明の第29の実施例に係る受光体を示す模式的な断面図である。図56に示すように、本発明の第29の実施例に係る受光体は、所定の波長の光を検出するpinフォト・ダイオードやアヴァランシェ・フォト・ダイオード等のフォト・ダイオード(光検出器)と、このフォト・ダイオードをほぼ完全に覆うバルク型レンズ20とから少なくとも構成されている。そして、このバルク型レンズ20は、第2の湾曲面からなる入射面2(第2レンズ面)3を有する。レンズ本体4の底部からは、頂部に向かって、光検出器(フォト・ダイオード)の受光部を収納するための凹部6が形成されている。この凹部の天井は、第1の湾曲面で構成されている。入射面2(第2レンズ面)3から入射した光は、凹部の天井を出射面3(第1レンズ面)2として出射する。そして、出射面3(第1レンズ面)2からの光が光検出器の受光部に集光されて入射する。
図56の光検出器は、第1のピン11に一体的に接続された基台の上に配置されたフォト・ダイオードチップ9と、第1のピン11と対をなす第2のピン12とから少なくとも構成されている。
【0190】
バルク型レンズ20の収納部6の側壁部は、光検出器を収納出来るように、直径(内径)2. 5〜4mmφの円筒形状となっている。図示を省略しているが、光検出器とバルク型レンズ20とを固定するために、光検出器とバルク型レンズ20の収納部6との間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサが挿入されている。このスペーサは、光検出器の主受光部を除く位置、即ち、図56において、フォト・ダイオードチップ9の底面より左方に配置すればよい。バルク型レンズ20は、凸形状の第2の湾曲面からなる入射面2(第2レンズ面3)を有する頂部を除けば、円柱形状である。このバルク型レンズ20の円柱形状部分の直径(外径)は、0〜30mmφである。バルク型レンズ20の直径(外径)は本発明の第29の実施例に係る受光体の使用目的に応じて選択出来る。従って、10mmφ以下でも30mmφ以上でもかまわない。
【0191】
更に、図1で示した発光体と、本発明の第29の実施例に係る受光体とで、光情報システムを構成できる。発光体は、第1の実施例で述べたと同様に、第1の頂部3、第1の底部及び第1の外周部を有するバルク型の第1のレンズ本体4と、第1の底部から第1の頂部に向かって第1のレンズ本体4の内部に設けられた井戸型の第1の凹部6と、この第1の凹部6に収納された所定の波長の光を発する光源1とから構成される(図1参照)。一方、受光体は、図56に示すように、第2の頂部3、第2の底部及び第2の外周部を有するバルク型の第2のレンズ本体4と、第2の底部から第2の頂部3に向かって第2のレンズ本体4の内部に設けられた井戸型の第2の凹部6とからなるバルク型レンズと、このバルク型レンズの第2の凹部6に収納された所定の波長の光を検出する光検知器9とから構成される。第1の凹部6の天井部が第1の入射面2、第1の頂部3が第1の出射面として機能し、第2の頂部3が第2の入射面、第2の凹部6の天井部が第2の出射面2として機能する。
【0192】
本発明の第29の実施例に係る光情報システムにおいては、発光に際して発熱作用が少ないLED等の半導体発光素子を用いれば、バルク型レンズの凹部(収納部)の内部に光源を収納した場合においても、その発熱作用によってバルク型レンズに熱的影響を与えることがなく、長期動作においても信頼性と安定性を維持出来るので好ましい。また、既に、本発明の第1の実施例で述べたように、高効率で光信号を出すことが出来る。一方、受光体は、発光体と逆過程で光検知器に到達し、極めて高感度な光検出が可能となる。図51と同様に、第1のレンズ本体4の内部に収納された光源1を変調部を用いて変調して、所定のアナログ若しくはデジタル信号を発するようにしても良いことは勿論である。本発明の第29の実施例に係る光情報システムは、光通信の他に、第23の実施例で説明したセキュリティシステムに用いることが可能である。
【0193】
次に、第30の実施例を説明する。
上記のように本発明は第1乃至第29の実施例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明のバルク型レンズの出射面3は、図57に示すような同心円状の湾曲面3f1,3f2.3f3,3f4,・・・・・ からなるフレネルレンズでもかまわない。或いは、複数の曲率を有した面や魚眼レンズ的な構造でも良い。魚眼レンズを構成する個々のレンズは、凹部の内部に搭載された複数のディスク型LEDのそれぞれと1対1に対応するように構成出来る。より具体的には、複数のディスク型LEDのそれぞれに対応した高屈折率領域を設け、対応するそれぞれの出射面3に導き出しても良い。このように構造はプラスチック製光ファイバを融合すれば製造出来る。
【0194】
次に、第31の実施例を説明する。
図58は本発明の第31の実施例の構成を示す断面図である。
図において、5801は回転楕円体を成す、内面がミラーの回転楕円体反射鏡である。光源1はLED等の光源を装着した本発明のバルク型レンズを複数個配列して構成されている。光源1は回転楕円体5801の一方の焦点位置に配置され、本発明の光源を装着しないバルク型レンズ4が回転楕円体5801のもう一方の焦点位置に配置されており、この焦点位置はバルク型レンズ4の凹部6の中心位置に一致させている。また、バルク型レンズ4の光軸が回転楕円体5801の長軸方向に一致して配置されている。この構成によると、光源1から出射する光線は、バルク型レンズ4の凹部6の概略中心位置に一旦集光し、この集光した光は、バルク型レンズ4のレンズ作用によって収束されて出射する。
この構成では、光源1の発熱によってバルク型レンズ4は影響を受けないから、バルク型レンズ4の熱膨張による出射光の変動といった問題が生じず、高精度の安定性を必要とする用途に使用することができる。また、この場合、光源1はLEDにかぎらず、発熱が大きい光源、例えば白熱球であっても良い。
【0195】
又、上記の第1乃至第4の実施例の説明においては、LEDとバルク型レンズの収納部6との間にスペーサを挿入して、LEDをバルク型レンズに固定する場合について説明したが、接着剤、ネジやクランプ機構等の他の手段を用いて固定しても良いことは勿論である。更に、LEDの外径と収納部6の内径とをほぼ同一にして、はめ込むようにしても良い。また、外周部9にも、例えば金属である反射膜を設けても良い。この場合は特に、横方向の発光強度が高い光源に対して効果がある。
更に、バルク型レンズ20〜29等の外側形状は、必ずしも光学的に平坦である必要はなく、クリスタルグラスのように、細かい凹凸を設けたものでもかまわない。細かい凹凸を設ければ、出力光は四方八方に発散するので、バックライト照明や間接照明の場合には、好都合である。
【0196】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施例等を含むことは勿論である。
本発明のバルク型レンズは、照明器具として、懐中電灯の他、携帯用のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、小型テレビ、車載テレビ等の液晶表示装置の照明器具(バックライト)に好適な発光体として利用できる。また、本発明のバルク型レンズ、発光体、照明器具は、間接照明を含めた種々の電気製品等にも適用可能である。又、複数個の発光体を集合して、局所照明装置等を構成出来るので、種々の分野に有用な照明装置に利用できる。特に、従来利用されることのなかった半導体発光素子を、舞台・ステージ用或いはテレビ・映画撮影用の照明装置としても利用できる。また、本発明のバルク型レンズを用いた発光体と受光体で、光情報システムを構成することにより、光通信やセキュリティシステムの分野に用いることが可能である。
【0197】
次に、本発明のレンズを使用した応用例について説明する。
サーモパイル非接触温度計としての応用
サーモパイル非接触温度計は、物体の温度に応じて放射する赤外線を熱電対に照射し、熱起電力から温度を測定する非接触温度計である。
従来のサーモパイル非接触温度計では、赤外線を集光して熱電対に照射するために、凸型球面レンズを熱電対の前面に配置している。
温度の測定精度をあげるためには、所定値以上の赤外線強度を獲得する必要があり、レンズ径を大きくすることが必要である。温度の測定精度をあげるためにレンズ径を大きくすると、被測定点以外の熱源からの赤外線も取り込まれるようになり、位置分解能が悪くなる。
従来のサーモパイル非接触温度計においては、上記のように、高感度のものは位置分解能が低く、また、レンズが大きいために装置が大きくなり、携帯しにくいといった課題があった。また、携帯に便利な小型のものは、測定精度が低いといった課題があった。
【0198】
本発明のサーモパイル非接触温度計は、赤外線集光レンズに本発明のバルクレンズを使用することを特徴としている。
本発明のバルクレンズは、同一の焦点距離を有する従来の凸型の球面レンズと比べた場合、集光効率が高い。従って、同一の測定精度を実現するためのレンズの受光面積が小さくてすみ、その結果、従来のサーモパイル非接触温度計よりも位置分解能が高くなり、また、同一の位置分解能を実現する場合には、測定精度が高くなる。
【0199】
次に、本発明のサーモパイル非接触温度計の構成を説明する。
図59は本発明のサーモパイル非接触温度計の構成を説明する図である。
図において、20は本発明のバルクレンズであり、その凹部6にサーモパイル素子5901が配置される。サーモパイル素子5901からの熱起電力は増幅器5902で増幅され、その出力は放射率制御・増幅器5903に入力され、熱起電力に対応した信号に変換される。この信号は放射率制御・増幅器5903において、測定対象に応じた放射率の補正を行う。放射率の補正とは、赤外線放射率が物体の種類によって違うため、その補正を行うものである。例えば、測定対象が水の場合には0.92、雪の場合には0.83、プラスチックの場合には0.85を掛ける。5904は、測定環境の温度、すなわち気温を測定する基準接点補償温度計であり、例えば、サーミスタ温度計である。基準接点補償温度計5904の出力は、直線増幅器5905に入力され、気温に対応した信号に変換される。この信号と放射率制御・増幅器5903からの熱起電力に対応した信号とが加算機5906で加算され、この加算された信号を表示器5907で被測定物の温度として表示する。この装置に必要な電力は、電池等である電源5908によって供給される。
図60は、本発明のサーモパイル非接触温度計の外観と、断面構造を示す図である。図60(A)は本装置の外観を示す図であり、プラスチック等である筐体6001に、バルク型レンズ20がレンズ面を突出させて固定され、筐体6001の正面には、例えば液晶文字表示器である表示器6002、及び放射率の補正値を設定するためのキーマトリクス6003が配置されている。筐体6001の側面には、例えばスライド式スイッチである電源スイッチ6004が配置されている。図60(B)は本装置の断面構造を示す図であり、バルク型レンズ20は、例えばアクリル等の樹脂であるレンズ支持板6005に固定されており、このレンズ支持板6005は、バルク型レンズ20の先端が筐体6001に設けた穴ら突出すように筐体6001に固定されている。回路基板6006には、増幅器5902、放射率制御・増幅器5903、基準接点補償温度計5904、直線増幅器5905及び基準接点補償温度計5904が搭載されている。電池である電源5908は、筐体6001の下部に配置され、筐体の側面に配置した電源スイッチ6004及び電源表示ランプ6007を介して回路基板6006に電力を供給している。
本発明のサーモパイル非接触温度計によれば、本発明のバルク型レンズ1の集光効率が高いので、凸型の球面レンズを使用する従来のサーモパイル非接触温度計に比べ、同一の位置分解能を実現する場合には温度測定精度を高くでき、また、同一の温度測定精度を実現する場合には位置測定精度を高くできる。
【0200】
このように、本発明のサーモパイル非接触温度計は、従来のサーモパイル非接触温度計に比べ、温度測定精度が高く、あるいは、従来のサーモパイル非接触温度計に比べ、位置分解能が高い。
また、赤外線を集光する光学系が極めて小型であるため、装置形状が小型であり、例えば上着のポケットに収納できる。又、光学系が極めて簡単な構成で済むので、低コストで製造できる。
【0201】
次に、本発明のレンズを使用した他の応用例について説明する。
可搬型物体検知装置としての応用
LED、LD又はその他の発光素子からなる発光部と、これらの光を受光するPD又はその他の受光素子からなる受光部とからなり、発光部から発する光が遮断されたことを受光部で検知して物体の存否を検出する物体検知装置は、防犯分野、各種無人測定の分野などで広く利用されている。
特に、常設給電設備、例えば、家庭用100V商用電源が無い所でも使用できる電池を電源とした可搬型の物体検知装置は、屋外での防犯装置、その他各種の測定に広く使われている。
これらの電池を電源とした従来の可搬型物体検知装置は、連続使用時間を少しでも伸ばすため、光源にLED又はLDを使用し、受光部にPDを使用して極力低消費電力に構成されているが、すでに限界に達しており、これ以上消費電力を下げることができない。
【0202】
これらの電池を電源とした従来の可搬型物体検知装置は、光源にLED又はLDを使用し、平行光線とするために凸形状の球面レンズを使用している。LED又はLDは光源からの光線の出射角、すなわち、発散角が大きいために、凸形状の球面レンズを使用した場合には、光源からのすべての光線を平行光線とすることができず、特に、光線を径の小さい平行光線とする場合には、数十%のロスはやむを得ないものであった。また、受光部においては、平行光線をPD部分に集光するために凸形状の球面レンズを使用しているが、この集光部分のロスもやむを得ないものであった。
これらのロスを無くすことができれば、光源の発光量を減らすことができ、低消費電力になり電池寿命を延ばすことができ、従って、使用時間を長くすることができる。
本発明の可搬型物体検知装置は、本発明のバルクレンズを使用し、上記光学系のロスを減らし、その結果、従来の可搬型物体検知装置に比べ、電池の寿命を延ばし、使用時間が長いことを特徴とする。
【0203】
次に、本発明の可搬型物体検知装置の構成を図に基づいて説明する。
図61は、本発明の可搬型物体検知装置の構成を示す図である。
図61(A)は発光部の構造を示す図である。図において、20は本発明のバルク型レンズであり、バルク型レンズ20には、例えばLEDである発光素子1が装着されている。バルク型レンズ20は、例えばアクリル等の樹脂であるレンズ支持板6101に固定されており、このレンズ支持板6101は、バルク型レンズ20のレンズ部が筐体6102に設けた穴から突出すように筐体6102に固定されている。制御部回路基板6103は、例えば、電池の出力電圧によらず発光出力を一定に保つ制御電子回路等を搭載している。発光部の電源である電池6104、電源スイッチ6105、発光素子1及び制御部回路基板6103は、電源スイッチ6105をONすることによって発光素子1が発光するように電気的に配線されている。
【0204】
上記構成の本発明の可搬型物体検知装置の発光部は、発光素子1の発光を平行光線にするためのレンズに本発明のバルク型レンズ20を使用している。このバルクレンズ20は従来の凸形状の球面レンズを使用する場合に比べ、少ない損失率で平行光線を得ることができるので、発光素子1の発光強度を減らすことができ、従って、低消費電力である。
図61(B)は、受光部の構成を示す図である。図において、20は本発明のバルク型レンズであり、バルク型レンズ20には、例えばPDである受光素子1が装着されている。バルク型レンズ20は、例えばアクリル等の樹脂であるレンズ支持板6101に固定されており、このレンズ支持板6101は、バルク型レンズ20の先端が筐体6102に設けた穴から突出すように筐体6102に固定されている。制御部回路基板6106は、例えば、電池の出力電圧によらず受光感度を一定に保つ制御電子回路等を搭載している。受光部の電源である電池6104、電源スイッチ6105、受光素子1及び制御部回路基板6106は、電源スイッチ6105をONすることによって受光素子1が受光した光強度に応じた信号を出力するように電気的に配線されている。なお、受光部には、受光出力を外部の装置に出力するための出力端子6107及び動作中であることを表示する表示ランプ6108を有している。
【0205】
上記構成の本発明の可搬型物体検知装置の受光部は、入射する平行光線を受光素子1に集光するレンズに本発明のバルク型レンズ20を使用している。このバルク型レンズ20は従来の凸形状の球面レンズを使用する場合に比べ、集光効率が高いので少ない平行光線でも動作させることができる。すなわち、発光部の発光素子1の消費電力をさらに下げることができる。
このように、本発明の可搬型物体検知装置は、従来の可搬型物体検知装置に比べ、低消費電力であるから、屋外での使用に最適である。また、本発明のバルクレンズは、光源とレンズの光軸あわせを必要とせず、また、非常に小型に形成できるから、製造コストが低く又携帯に便利である。
図61(C)は、本発明の可搬型物体検知装置の使用形態の一例を示したものであり、図に示すように、検知物体の高さに合わせた三脚上に固定することによって容易に使用することができる。
【0206】
次に本発明のレンズを使用した他の応用例について説明する。
物体検知装置としての応用
生産工場の自動組立ラインにおいては、ベルトコンベアを流れてくる部品を検知し、次の組み立て工程を開始する、例えば部品を検知し、ロボットアームを動作させることが行われている。この部品の検知にには、各種の物体検知装置が使用されるが、光学式の物体検知装置がもっとも普通に使用されている。
光学式の物体検知装置は、LED、LD又はその他の発光素子からなる発光部と、これらの光を受光するPD又はその他の受光素子でなる受光部とから構成され、発光部から発する光が遮断されたことを受光部で検知して物体の存否を検出するものである。
これらの物体検知装置では、より小さな物体の検知ができるように微少な径の平行光線を有すること、又、ベルトコンベア及びロボット等の工作機械のじゃまにならないように発光部と受光部をかなり長い距離はなして設置できること等が求められている。
従来の物体検知装置では、光源にLED又はLDを使用し、微少な径の平行光線を得るために凸及び凹形状の球面レンズを多段に組み合わた光学系を使用している。LED又はLDは光源からの光線の出射角、すなわち、発散角が大きいために、凸形状及び凹形状の球面レンズを多段に組み合わた光学系を使用すると損失が大きくなる。従って、微少な径の平行光線を有し、かつ、長い距離はなして設置できるためには、高輝度のLED、LD等の光源を必要としていた。又、高精度に光源と光学系の光軸あわせを行わなければならず、高精度に光源と光学系を光軸を合わせて固定するための固定部材が必要であり、又、光源と光学系の光軸合わせのための調整工程を必要としていた。
従って、微少部品が検知でき、かつ、発光部と受光部をかなり長い距離はなして設置できる従来の物体検知装置においては、製造コストが高くなるのは止むを得なかった。
【0207】
本発明の物体検知装置は、本発明のバルクレンズを使用し、上記光学系の損失を減らし、その結果、従来の物体検知装置に比べ低コストである。
図62(A)は、本発明の物体検知装置のうち、対向型物体検知装置の構成を示す図である。図において、発光部における20は本発明のバル型クレンズで、例えばLEDである発光素子1が装着されている。受光部におけるバルク型レンズ20には、例えばPDである受光素子1が装着されている。制御部6201は、発光素子1を所定の強度で発光させるための電子回路を装備している。発光素子1、制御部6201及び電源6202は、発光素子1が所定の光強度で発光するように電気的に配線されている。制御部6203は受光素子1が所定の感度で受光するように制御する電子回路を装備している。受光素子1、制御部6203及び電源6204は、受光素子1が所定の感度で受光するように電気的に配線されている。発光素子1の受光出力が所定の範囲を外れたとき、制御部6203が検知して、表示部6205に信号を送出し、表示部6205は、他の機器への制御信号警報、又は、数値、音声等を送出する。
発光部のバルク型レンズ20及び受光部のバルク型レンズ20は、バルク型レンズ20から発光する平行光線がベルトコンベア上の部品6206によって遮られるように、かつ、例えば、ベルトコンベアの作動の障害にならない位置に対向して設置される。物体が平行光線を遮ったとき、バルク型レンズ20に装着された受光素子1が受光強度の減少を検知して、物体の存否を検知する。
図62(B)は、本発明の物体検知装置のうち、反射型物体検知装置の構成を示す図である。この物体検知装置は、図62(A)に示した対向型物体検知装置と同様な構成であるが、バルク型レンズ20は、発光素子1から発光する平行光線6207が、例えば、ベルトコンベアの表面で反射する反射光6208を受光する位置に配置される。物体6206が反射光6208を遮ったとき及び平行光線6207を遮ったとき、受光素子1が受光強度の減少を検知して、物体の存否を検知する。
【0208】
上記構成の本発明の物体検知装置は、発光素子1の発光を平行光線にするためのレンズ系に本発明のバルク型レンズを使用している。このバルク型レンズは従来の凸形状及び凹形状の球面レンズを多段に組み合わた光学系に比べ、遙かに少ない損失率で同等の径を有する平行光線を得ることができるので、発光素子1の発光強度を減らすことができる。すなわち、高輝度の発光体を使用しないので低コストである。また、本発明のバルク型レンズは、レンズと発光素子1の保持部材が一体となっており、コストが高い保持部材を必要としないばかりか、光軸調整工程を必要としないので低コストである。また、本発明のバルク型レンズは、従来の凸形状及び凹形状の球面レンズを多段に組み合わた光学系に比べ、遙かに小さな形状で同等の径を有する平行光線を得ることができるので、極めてコンパクトにできる。
また、上記構成の本発明の物体検知装置の受光部は、入射する平行光線を受光素子1に集光するレンズに本発明のバルク型レンズを使用している。このバルク型レンズは従来の凸形状の球面レンズを使用する場合に比べ、集光効率が高いので少ない平行光線でも動作させることができる。すなわち、発光部の発光素子はさらに発光効率の小さいものでよく、従ってコストを下げることができる。
また、本発明のバルクレンズは小型であるから、製造ラインの障害になることが少なく、したがって、自動化製造ラインの構築を容易にすることができる。
このように、本発明の物体検知装置は、従来の物体検知装置に比べ、低コストで製造でき、また、小型であるから、自動化製造ラインの構築に使用すれば有用である。
【0209】
リモートコントロール用赤外線送受信機としての応用
テレビ受像器、CDプレイヤー、ビデオディスクプレイヤー等のAV機器には、電源のON・OFF、チャンネル選択、輝度、音圧レベル等を、機器から離れた場所から制御できるリモートコントロール装置が用いられている。これらのリモートコントロール装置には、可搬容易な赤外線送信機とAV機器側に配置した赤外線受信機からなるリモートコントロール用赤外線送受信機がある。
このリモートコントロール用赤外線送受信機の赤外線送信機は、電源として電池を使用し、赤外線発光素子にLEDを使用し、このLEDの前面に凸形状のレンズ媒体を配置して発光する赤外線を集光して指向性を持たせている。通常、LEDを駆動する電流は400〜500mA程度であり、指向性があまりなく、さらに使用できる範囲はAV機器から5m前後である。また、受光部は、PDの前面に凸形状のレンズ媒体を配置して集光している。
このように、従来のリモートコントロール用赤外線送受信機は消費電力が大きいために電池寿命が短い、また、使用できる範囲が狭いといった課題がある。
【0210】
本発明のリモートコントロール用赤外線送受信機は、消費電力が小さく、従って電池寿命が長い。また、指向性がよく、かつ、使用できる範囲が広いといった特徴を有する。また、本発明のリモートコントロール用赤外線送受信機は、従来のものに比べ、性能が向上しているにもかかわらず、製造コストが上昇しないといった特徴を有している。
図63は、本発明のリモートコントロール用赤外線送受信機の構成を示す図である。
送信機側において、20は本発明のバルク型レンズである。バルク型レンズ20には、例えばLEDである発光素子1が装着されている。駆動部6301は、発光素子1を特定の機能に対応したコード(特定のパターンを有するパルス列)に従って発光させる電流駆動回路から構成されており、トランジスタ、パワーMOS・FET等で構成されている。送信用制御部6302は、要求された機能に対応したコードを生成する電子回路で構成されており、MPU、専用IC、ロジックIC及びトランジスタ等で構成されている。設定部6303は、複数のボタンスイッチがマトリックス状に配列されたキーマトリクスであり、これらのボタンの押し下げによって、要求する機能を設定する。設定部6303で設定された要求機能は、送信用制御部6302で対応するコードに変換され、駆動部6301に送られ、駆動部6301はコードに従って発光素子1を駆動し、発光素子1はコードパターン状のパルス光を発光する。
【0211】
受信機側において、20は本発明のバルク型レンズである。バルク型レンズ20には受光素子1が装着されており、AV機器側に配置する受信機の集光レンズとして用いる。
受光素子1は、ピン・フォトダイオード、フォトダイオード、又はフォト・トランジスタで構成され、送信機から送られたコードパターン状のパルス光を受光する。増幅部6304は受光素子1からのコードパターン状のパルス信号を増幅する電子回路で構成されており、トランジスタ、FET及び専用ICで構成されている。制御部6305は増幅部6304で増幅されたコードパターンを解読し、このコードパターンの解読に基づき、AV機器の各制御部を制御するためのコードを生成し、AV機器の各制御部にコードを送信する電子回路で構成されており、専用MPU、専用IC、ロジックIC及びトランジスタで構成されている。
【0212】
上記構成の本発明のリモートコントロール用赤外線送受信機によれば、本発明のバルク型レンズは、従来の凸形状の球面レンズに比べて集光効率が高いので、LEDの駆動電流を下げることができ、従って電池寿命が延びる。また、本発明のバルク型レンズは、従来の凸形状の球面レンズに比べて指向性を高くできるので、使用可能範囲を広くできる。また、本発明のバルク型レンズは、従来の凸形状の球面レンズに比べて集光効率が高いので、光強度が弱くても受光素子に有効に集光できるから、さらに発光素子の駆動電力を下げることができ、または、使用範囲を広げることができる。さらにまた、本発明のバルク型レンズは、レンズと発光素子又は受光素子の保持部が一体となっているから、従来の発光素子又は受光素子に本発明のバルクレンズを被せるだけでよく、従って、製造コストを上昇させることなく性能を向上できる。
【0213】
光合成装置としての応用
複数の発光体からの光を合成して光強度の強い一本の光ビームにする、あるいは、波長の異なる発光体からの光を合成して一本の光ビームにするといったことは、従来から各種の産業分野で必要とされていた。例えば、波長の異なる各種のLED光を合成して特殊な色彩を有するスポットライト照明として使用すれば、エネルギー効率が高く、発熱も少ない照明装置として有用である。
ところが従来は、LED光を収束し平行光とするための光学系が大きすぎるため、光を合成することが難しく、また、コストが高いことから、あまり使用されていなかった。
例えば、光合成を行う方法として、ミラー面上の一点又は近接した点に、複数の光源からの平行光を、反射方向が概略揃うように照射し、光学的補正により反射光の反射方向を揃えるレンズ系で補正して平行ビームとするものがある。
しかしながら、この方法においては、複数の光源をできるだけ近接して配置しないと反射光の方向の違いが大きくなり、反射光の補正に複雑な光学系を必要とするようになり、大変高価な装置となっていた。
【0214】
本発明の光合成装置は、LED等の発光体と、本発明のバルク型レンズを用いることにより、低コストの光合成装置を実現するものである。
図64は、本発明の光合成装置の構成を示す図である。6401及び6402は本発明のバルク型レンズであり、それぞれ同一の又は波長の異なったLED6403,6404が装着されている。このバルク型レンズ6401,6402は、LEDの発光をコリメート光として出力するタイプのものである。6405は2個の直角プリズムを反射膜を介して張り合わせたキューブビームスプリッターであり、この反射膜は、広い可視光領域に亘って高い反射率を有する、金属膜、金属膜と誘電体膜の積層、あるいは誘電体多層膜で形成されている。キューブビームスプリッター6405から出射する概略反射方向がそろった合成反射光6406は、収束用の本発明のバルク型レンズ6407によってコリメートされ、合成光6408を発生させる。
【0215】
6401及び6402のバルク型レンズに装着されたLED6403,6404は、LEDを所定の発光強度で発光させる駆動部6409に接続されており、駆動部6409は、個々のLEDの発光強度、あるいは発光時間等を制御する制御部6410に接続されており、制御部6410は、駆動部6409及び制御部6410に電力を供給する電源6411に接続されている。
上記構成の本発明においては、LED等の発光体のコリメート用レンズに本発明のバルク型レンズを用いている。このためコリメート用レンズ系が小さくてすむので、バルク型レンズ64011,6402を互いに近づけて配置できる。バルク型レンズ64011,6402を近づけて配置すると、LED6403,6404の光線はキューブビームスプリッター6405の反射面上の互いに近い位置に入射でき、また、入射角も互いに近づけることができる。従って、合成反射光6406を構成する二つの光線は位置及び反射方向とも非常に近いものとなり、収束用バルク型レンズ6407によってコリメートすれば、平行度の高いコリメート光を得ることができる。
【0216】
また、このように光学系が小さいので、発光体は2つに限らず、さらに多くの発光体を配置できるから、さらに高度な機能を実現できる。
また、本発明のバルク型レンズは発光体に被せるだけでよいので、極めて低コストの合成装置である。
【0217】
平面照明装置としての応用
従来、街灯等の照明は、白熱灯、水銀灯、蛍光灯などにより行われている。これらの街灯は、電力を少しでも節約するため、反射板などを設けて必要な照明面のみに照明光が集中するように構成されている。このため装置が嵩張り、また、コストが高くなっている。さらにまた、これらの発光体は、LEDに較べれば遙かにエネルギー変換効率が悪く、これらの照明装置をLEDに置き換えることができれば、人類の消費するエネルギーを半分程度にすることができ、地球環境の保全に役立つと言われている。
しかしながら、LEDはまだコストが高く、また小さいため、必要な照度を実現するためには膨大な数のLEDを配列しなければならず、組立コストが高くつくと言った課題があり、照明装置として普及していない。本発明の平面照明装置は、このような状況のなかで、LEDを照明光として用いることを可能とするものである。
LEDは、白熱球と較べれば発散角は小さいといえるが、発光原理に基づいた発散角を有し、この発散角を小さくすることはできない。LEDの発散角は、通常、チップ状態では90°近くある。膨大な数のLEDを配列して必要な照度を実現することは可能であるが、必要な照明面以外に発散する光束を必然的に生じてしまう。LEDのコストが高い状況では、いかに消費電力が小さくても、普及の妨げとなっており、このような不必要な光束も有効利用できるようにし、コストを下げることが、LED照明普及のための鍵になっている。
【0218】
本発明の平面照明装置は、少ない数のLEDによって、必要とする照度を実現している平面照明装置である。
図65は、本発明の平面照明装置の構成を示す斜視図である。図65(A)において、6501は本発明のバルク型レンズにLEDを装着した発光体である。既に説明したように、本発明のバルク型レンズは、発散角の大きなLEDの光束を全て収束して出射させることができるので、発光体6501はレンズの光軸方向に収束した光を発光している。複数の発光体6501が円形の保持部6502に光軸方向を揃えて配列されており、保持部6502には、複数の発光体6501を発光させるための制御回路6503を備えている。また、保持部6502は、発光体6501を任意の位置に配列するための多数のソケットを備えていても良い。また、保持部6502は、発光体の前面を覆う透明の又は半透明の保護カバーの脱着が可能に形成されていても良い。
【0219】
この平面照明装置は、上記に説明したように、発光体6501の全ての発光を照射方向に収束しているので、少ないLEDで必要な照度を実現でき、コストが低い。また、任意の照明面形状に簡単に対応できる。例えば、必要とする照明面の形状が長方形であった場合には、保持部6502に配列されたソッケットを利用して発光体1を長方形形状に再配列するだけでよい。また、図65(B)に示すように、平面照明装置を傾けて配置すれば、より広い面積の照明ができる。また、発光体6501の光軸方向を必要とする方向に傾けることによって、斜め照射もできる。また、図65(B)に示すように、保持部6502の中心軸を中心として同心円状に発光体6501の傾きを徐々に増加させて配列すれば、従来の室内照明と同等の効果が得られる。
このように、本発明の平面照明装置は、消費電力が極めて少ない、コストが低い、かつ、種々の照明目的に対応できる極めて優れた照明装置である。なお、光源としては、LEDのみでなくクリプトンランプ、白熱電球等でも良い。
【0220】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、LED等の半導体光源を用いることが可能で、これらの光源の発光する実質的に全ての光を収束することができ、かつ、極めて低コストなバルク型レンズを提供できる。
また、この低コストで極めて性能の高いバルク型レンズを応用した数々の本発明の応用機器は、低消費電力、かつ、低コストであるので、例えば照明等の分野において、従来の光源を究極の低消費電力光源であるLEDへ変換することを可能にし、ひいては、人類のエネルギー消費を減らし地球環境の保全に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズの構成を示す断面図である。
【図2】従来技術のレンズ系による損失の状況を示す図である。
【図3】フレネル反射を示す図である。
【図4】LEDのPN接合において反射光(迷光)が再発光する過程を示す図である。
【図5】本発明のバルク型レンズと従来のレンズとの特性比較に用いた測定系を示す図である。
【図6】本発明のバルク型レンズと従来のレンズの集光特性を比較した図である。
【図7】本発明のバルク型レンズと従来のレンズの集光特性を比較した図である。
【図8】本発明のバルク型レンズの幾何学形状の違いによる特性変化の実測値を示す図である。
【図9】図8の測定に用いた本発明のバルク型レンズの幾何学形状を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係るバルク型レンズの構成を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るバルク型レンズの幾何学形状の違いによる特性変化の実測値を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係るバルク型レンズの幾何学形状の違いによる特性変化の実測値を示す図である。
【図13】本発明の第1及び2の変形例に係るバルク型レンズの原理を説明する模式図である。
【図14】本発明の第1及び2の変形例に係るバルク型レンズの構成を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施例に係る発光体を示す模式的な断面図である。
【図16】本発明の第4の実施例に係る発光体を示す模式的な断面図である。
【図17】本発明の第5の実施例に係る発光体を示す構成図である。
【図18】本発明の第6の実施例に係る発光体の背面鏡及びLEDホルダを示す鳥瞰図である。
【図19】本発明の第7の実施例に係る発光体を示す模式的な鳥瞰図である。
【図20】本発明の第7の実施例に係る発光体において、複数のディスク型LEDを、フィルム基板の上に配置する場合の構成例を示すための模式的な断面図である。
【図21】本発明の第7の実施例に係る複数のディスク型LEDを直列接続する場合の回路構成を示す図である。
【図22】本発明の第7の実施例の変形例係る発光体の模式的な断面図である。
【図23】本発明の第7の実施例に係る発光体において、複数のベアチップを、フィルム基板の上に配置する場合の構成例を示す模式的な断面図である。
【図24】本発明の第7の実施例に係る発光体において、複数のベアチップを、フィルム基板の上に配置する場合の、他のマウント方法を示す模式的な断面図である。
【図25】本発明の第8の実施例に係る発光体において、複数のベアチップ(LEDチップ)を、フィルム基板の上に積層配置する場合の構成例を示す模式的な断面図である。
【図26】図25のLEDチップ部分を拡大して示す模式的な断面図である。
【図27】本発明の第9の実施例に係る照明器具の模式的な断面図である。
【図28】本発明の第9の実施例に係る照明器具を支持基板に取り付けた状態を示す鳥瞰図である。
【図29】本発明の第10の実施例に係る発光体の模式的な断面図である。
【図30】本発明の第10の実施例の変形例に係る発光体の模式的な断面図である。
【図31】本発明の第10の実施例の他の変形例に係る発光体の模式的な断面図である。
【図32】本発明の第11の実施例に係る発光体の模式的な断面図である。
【図33】本発明の第12の実施例に係る発光体の模式的な断面図である。
【図34】本発明の第13の実施例に係る照明器具(表示装置)の鳥瞰図である。
【図35】本発明の第13の実施例に係る照明器具(表示装置)に用いる発光体の模式的な断面図である。
【図36】本発明の第14の実施例に係る発光体の模式的な断面図である。
【図37】本発明の第15の実施例に係る発光体の模式的な断面図である。
【図38】本発明の第16の実施例に係る面状発光体の破断鳥瞰図である。
【図39】本発明の第17の実施例に係る面状発光体の鳥瞰図である
【図40】本発明の第17の実施例の他の変形例に係る面状発光体の鳥瞰図である。
【図41】本発明の第17の実施例の更に他の変形例に係る面状発光体の鳥瞰図である。
【図42】本発明の第18の実施例に係る面状発光体の一部破断鳥瞰図である。
【図43】本発明の第19の実施例に係る面状発光体の一部破断鳥瞰図である。
【図44】本発明の第20の実施例に係る面状発光体の一部破断鳥瞰図である。
【図45】本発明の第20の実施例の変形例に係る面状発光体の一部破断鳥瞰図である。
【図46】本発明の第21の実施例に係る手持ち器具(携帯用照明器具)の模式的な断面図と、手持ち器具を分解した状態を示す一部破断鳥瞰図である。
【図47】図46の手持ち器具のLEDチップの近傍を拡大して示す断面図である。
【図48】本発明の第21の実施例の変形例に係る手持ち器具の模式的な断面図と、実施例の他の変形例に係る手持ち器具の模式的な断面図である。
【図49】本発明の第22の実施例に係る施錠解錠システムを示す模式図である。
【図50】平行ビームで遠隔操作する施錠解錠システムの具体例で、施錠対象物である机に、信号受信部やロック機構等が組み込まれた状態を示す断面図と、近接操作する場合の信号受信部やロック機構等を示す断面図である。
【図51】本発明の第23の実施例に係るセキュリティ機能を有する施錠解錠システムを示す模式図である。
【図52】本発明の第24の実施例に係る手持ち器具(照明部付き手工具)の模式的な断面図である。
【図53】本発明の第25の実施例に係る発光体を示す模式的な断面図である。
【図54】本発明の第26の実施例に係る発光体を示す模式的な断面図である。
【図55】本発明の第27の実施例に係る発光体を示す模式的な断面図である。
【図56】本発明の第28の実施例に係る光検出器を示す模式的な断面図である。
【図57】本発明の第29の実施例に係る発光体を示す鳥瞰図である。
【図58】本発明の第30の実施例に係る構成を示す図である。
【図59】本発明のサーモパイル非接触温度計の構成を示す図である。
【図60】本発明のサーモパイル非接触温度計の、外観、及び断面構造を示す図である。
【図61】本発明の可搬型物体検知装置の構成を示す図である。
【図62】本発明の物体検知装置の構成を示す図である。
【図63】本発明のリモートコントロール用赤外線送受信機の構成を示す図である。
【図64】本発明の光合成装置の構成を示す図である。
【図65】本発明の平面照明装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光源
2 天井部
3 頂部
4 光学媒体
5 内周部
6 凹部
7 底部
8 スペーサ
9 外周部
20 バルク型レンズ
Claims (25)
- 頂部と、底部と、外周部と、前記底部から前記頂部に向かって形成された天井部と内周部とからなる凹部とを有している光学媒体からなるバルク型レンズにおいて、
前記凹部を光源若しくは光検知器の収納部とし、
前記光源若しくは光検知器が半導体素子からなり、該光源若しくは光検知器が、前記凹部に前記バルク型レンズとは異なる屈折率を有している空気、空気以外の流体若しくは流動体の何れかを介して収納されるようになっていて、
前記凹部の天井部を第1のレンズ面とすると共に前記内周部を光入射面とし、前記頂部を第2のレンズ面とし、
前記光源の光束を、前記バルク型レンズの前記頂部で光軸方向に収束して出射するか、
又は前記光検知器に入射する光束を、前記バルク型レンズの前記頂部で光軸方向に収束して集光することを特徴とする、バルク型レンズ。 - 前記光源若しくは光検知器が、前記凹部にスペーサ若しくは接着剤を介して収納されることを特徴とする、請求項1に記載のバルク型レンズ。
- 前記外周部及び前記底部が、反射面となることを特徴とする、請求項1に記載のバルク型レンズ。
- 前記外周部は、前記光軸方向にテーパを有していることを特徴とする、請求項1に記載のバルク型レンズ。
- 前記第1のレンズ面を凸面、凹面、平面、平フレネルレンズ面の何れかに形成したことを特徴とする、請求項1に記載のバルク型レンズ。
- 前記光学媒体の内部に、更に他の凹部を並列配置したことを特徴とする、請求項1に記載のバルク型レンズ。
- 前記光学媒体が可とう性、若しくは屈曲性を有することを特徴とする、請求項1に記載のバルク型レンズ。
- 頂部と、底部と、外周部と、上記底部から上記頂部に向かって形成された天井部と内周部からなる凹部とを有している光学媒体であり、
上記凹部の天井部を第1のレンズ面とすると共に上記内周部を光入射面とし、上記頂部を第2のレンズ面として機能するバルク型レンズと、
上記凹部に上記バルク型レンズとは異なる屈折率を有している空気、空気以外の流体若しくは流動体の何れかを介して収納された半導体素子からなる光源と、から成り、
上記半導体素子が、上記バルク型レンズの底部側で該バルク型レンズの上記内周部に収納され、
上記光源の光束を、上記バルク型レンズの上記頂部で光軸方向に収束して出射することを特徴とする、発光体。 - 前記光源が、前記凹部にスペーサ若しくは接着剤を介して収納されることを特徴とする、請求項8に記載の発光体。
- 前記外周部及び前記底部が、反射面となることを特徴とする、請求項8に記載のバルク型レンズ。
- 前記外周部は、前記光軸方向にテーパを有していることを特徴とする、請求項8に記載の発光体。
- 前記光学媒体の内部に配置された他の凹部と、該他の凹部に収納された他の光源とを更に有することを特徴とする、請求項8に記載の発光体。
- 前記光源を前記光学媒体の屈折率とは異なる光学媒質を介して前記凹部に収納していることを特徴とする、請求項8に記載の発光体。
- 前記光源は、単体、又は、複数のLEDチップから構成されていることを特徴とする、
請求項8に記載の発光体。 - 頂部と、底部と、外周部と、上記底部から上記頂部に向かって形成された天井部と内周部からなる凹部とを有している光学媒体であり、上記凹部の天井部を第1のレンズ面とすると共に上記内周部を光入射面とし、上記頂部を第2のレンズ面として機能するバルク型レンズと、
上記バルク型レンズの凹部に上記バルク型レンズとは異なる屈折率を有している空気、
空気以外の流体若しくは流動体の何れかを介して収納された光源と、
上記光源に接続された電源部とから成り、
上記光源が、半導体素子からなり、
上記半導体素子が、上記バルク型レンズの底部側で該バルク型レンズの上記内周部に収納されており、
上記光源の光束を、上記バルク型レンズの上記頂部で光軸方向に収束して出射することを特徴とする、照明器具。 - 前記光源が、前記凹部にスペーサ若しくは接着剤を介して収納されることを特徴とする、請求項15に記載の照明器具。
- 前記外周部及び前記底部が、反射面となることを特徴とする、請求項15に記載の照明器具。
- 前記外周部は、前記光軸方向にテーパを有していることを特徴とする、請求項15に記載の照明器具。
- 前記光源は、単一の又は複数のLEDチップから構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の照明器具。
- 第1の頂部と、第1の底部と、第1の外周部と、上記第1の底部から上記第1の頂部に向かって形成された上記第1の天井部と上記第1の内周部からなる第1の凹部とを有している光学媒体であり、
上記凹部の天井部を第1のレンズ面とすると共に上記内周部を光入射面とし、上記頂部を第2のレンズ面として機能する第1のバルク型レンズと、
上記第1の凹部に上記バルク型レンズとは異なる屈折率を有している空気、空気以外の流体若しくは流動体の何れかを介して収納された所定の波長の光を発する第1の光源とを備えた送信部と、
第2の頂部と、第2の底部と、第2の外周部と、上記第2の底部から上記第2の頂部に向かって形成された上記第2の天井部と上記第2の内周部からなる第2の凹部とを有している光学媒体であり、
上記第2の天井部を第1のレンズ面とすると共に上記第2の内周部を光入射面とし、上記第2の頂部を第2のレンズ面として機能する第2のバルク型レンズと、
上記第2の凹部に前記バルク型レンズとは異なる屈折率を有している空気、空気以外の流体若しくは流動体の何れかを介して収納された所定の波長の光を検出する光検知器とを備えた受信部と、を含んで構成され、
上記光源が、半導体素子からなり、
上記半導体素子が、上記第1のバルク型レンズの上記第1の底部側で上記第1の内周部に収納されており、
上記光源の光束を、上記第1のバルク型レンズの上記第1の頂部で光軸方向に収束して出射し、
上記送信部と上記受信部で情報を送信受信することを特徴とする、光情報システム。 - 前記光源又は光検知器が、前記凹部にスペーサ若しくは接着剤を介して収納されることを特徴とする、請求項20に記載の光情報システム。
- 前記外周部及び前記底部が、反射面となることを特徴とすることを特徴とする、請求項20に記載の光情報システム。
- 前記外周部は、前記光軸方向にテーパを有していることを特徴とする、請求項20に記載の光情報システム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のバルク型レンズを使用した、物体検知装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のバルク型レンズを使用した、光合成装置。
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