JP2007072432A - 光学素子及びそれを備えた照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでかつ簡単な構成で高効率の集光を実現するとともに、発光面の大きさに対して光学素子の直径を小さくしてコンパクト化を実現する光学素子を提供する。
【解決手段】光源から射出された光を集光する光学素子であって、前記光が入射する入射面と、前記入射面を介して内部に入射した光を射出する射出面と、前記入射面を介して内部に入射した光の一部を全反射により前記射出面に導く反射面とを有しており、前記反射面は、6回以上の対称軸を有している。さらに、光学素子は、条件式;0.3<a/b<1.4を満たしている。但し、aは、対称軸に垂直な方向における射出面の最大長であり、bは、入射面と射出面との対称軸上での面間隔である。
【選択図】図10

Description

本発明は、発光ダイオード等の光源(発光素子)に対して好適な光学素子及びそれを備えた照明装置に関するものであり、特に、発光素子から出射される光(光線)の指向性を高めるのに好適な光学素子及びそれを備えた照明装置に関するものである。
近年、発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子(固体発光素子)の高パワー化に伴い、固体発光素子の照明分野への応用が急速に進んでいる。固体発光素子は、電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、白熱球や蛍光灯と比較して、高効率でしかも発光に際し発熱が少ないという特徴を有する。ところが、固体発光素子は、発光面から射出される光の発散角が大きいために、低損失で集光しようとすれば、従来の光学系を使用したのではレンズが巨大化してしまうこととなる。
そこで、従来より、射出光線を低損失で集光することを目的として様々な提案がなされており、発光ダイオード等の広い射出角度分布を有する光源に対し、その射出角度の分布を調整する手段として、光源の周囲或いは上部に光学素子を設ける構成のものが提案されている。
例えば、逆円錐形の反射面によって、光源から射出された光線をレンズ前方から見て同心円状に伝播させる光学素子が、特許文献1に開示されている。そして、この構成により、近距離は勿論のこと遠距離からの視認性に優れるとともに視野角特性にも優れた発光素子用レンズを提供できるとしている。
具体的には、上記の発光素子用レンズは、逆円錐台状に形成されており、レンズ体の底部に形成した発光素子取付部に発光素子を配設したときに、その発光素子から発光される光をレンズ体の周壁で全反射して前方へ放射する。上記周壁には、角部が1個所若しくは複数個所に周設(周方向に形成)されている。上記角部は、上記周壁とレンズ体の中心軸との角度を上記底部からレンズ前面にかけて変化させることで形成される。このような角部を1個所若しくは複数個所に周設することにより、上記発光素子からの光は上記角部にて前面に散乱され、レンズ前方から見て同心円状に照射される。
また、屈折面と全反射面を用いて、光源から射出された光線の方向を変える光学素子が、特許文献2に開示されている。これは、発光ダイオード(LED)によって生成される光の観察角を制御するものである。
具体的には、以下の構成としている。即ち、上記光学素子としての周辺光学要素は、LEDからの光を効率的に集めて、光学軸に対して限られた狭い所定の観察角内で高い光強度を生成する。LEDはこの周辺光学要素内にセンタリングされ、屈折面が光を周辺光学要素に方向付ける。光は反射面によって内部から全反射され、射出面を通って周辺光学要素から出る。観察角は光学軸に対する屈折面と反射面の角度に対応する。
また、側面を全反射面としたバルク型レンズを用いて、光源から射出される光線を制御する光学素子が、特許文献3に開示されている。そして、この構成により、LED等の半導体光源に用いることが可能で、これらの光源の発光する全ての光を収束、発散、コリメート等ができ、かつ、極めてコストの低いレンズを提供することができるとしている。
具体的には、上記のバルク型レンズは、(i)頂部と、(ii)底部と、(iii)外周部と、(iv)底部から頂部に向かって形成された天井部と内周部とからなる凹部とを有している光学媒体からなっている。そして、凹部が光源若しくは光検知器の収納部であり、天井部及び頂部がレンズ面として、内周部が光入射面として、外周部が全反射面として、そして底部が反射面として機能している。
また、全反射と屈折を用いた光学素子で、射出面を平面部分とレンズ部分の2つの領域に分割する構成のものが、特許文献4に開示されている。そして、この構成により、LEDチップ位置から放射状に出る光のうち、外周部のものは回転放物面での反射により、中心部のものは1次屈折によりそれぞれ前方に進む平行光線とするように成形したので、発光は有効に利用されるようになり、高効率となるとしている。
具体的には、放物線回転体の底部切断面の中心部がLEDチップの取付位置となり、しかも切断面にLEDチップ取付位置を中心とする略半球状の凹部を有する一方、前面には、その中心部に前方が凸となる1次屈折のための凸部が形成されるようなリング状の溝を有し、前記溝より外側の前面は平面形状に透明樹脂で成形した構成としている。
また、特許文献5には、回転楕円体状の周側面を持ち、その周側面において発光素子からの光線を全反射することにより、光線の指向性を高める光学素子が提案されている。図24は、上記光学素子の概略の構成を示す断面図である。この光学素子は、椀状の周側面101を持ち、その頂点付近に発光素子を収納するための凹部102を有している。
この構成では、凹部102に収納される発光素子から射出される光線のうち、凹部102の側面102aに入射した光線は、そこで1次屈折された後、周側面101にて全反射され、前面側へ光軸と平行に射出される。一方、凹部102の上面102bに入射した光線は、上面102bの放物曲面によって屈折され、光軸に平行な光線となって前面に射出される。これにより、光の利用効率が高くなり、輝度を増大させることが可能となっている。
また、特許文献6には、図24の凹部102の側面102aに曲率を持たせた形状の光学素子が提案されている。この構成では、図24の構成に比べて、発光素子からの光線の指向性をさらに高めることができるものと思われる。
特開2005−174693号公報 特開平9−167515号公報 特開2002−228921号公報 実公平6−28725号公報 特公平4−36588号公報 特表2004−516684号公報
しかしながら、上記各特許文献に記載されているような構成においては、それぞれ次のような改良すべき点がある。
即ち、特許文献1では、光学素子に対して非常に小さい光源を対象としており、光源が面光源のように広がりを持つ場合でも同様の効果を得るためには、その光源の大きさを考慮しなくてはならないため、非常に大きな光学素子が必要となる。
また、特許文献2では、光源からの光線の方向を変えるために、屈折と全反射を用いているが、光源から射出された光は屈折面を通過した後に全反射面に到達するようになっているため、構成が複雑となる。
また、特許文献3では、光源の前方に射出する光線を多くするために、バルク型レンズを用いているが、光源として直径の大きい面光源を用いた場合、レンズのサイズが非常に大きくなり、実用的ではない。
また、特許文献4では、光学素子の射出側面の構成が非常に複雑となっており、製造難易度が高くなってコストアップや効率低下を招くため、好ましくない。
また、特許文献5および6の光学素子の構成では、図24に示す凹部102の上面102bに入射した光線を屈折させてその指向性を高めるためには、上面102bの最大対角長さ(光軸に垂直方向の最大長さ)は、少なくとも発光素子の発光面の対角長さの2倍以上必要であると考えられる。したがって、発光素子の発光面の面積が増加すると、上面102bの最大対角長さもさらに大きくする必要がある。その結果、光学素子の直径が増大し、光学素子をコンパクトに構成することができない。
また、凹部102の側面102aに入射した光線は、側面102aでの屈折により、光線と光軸とのなす角度が大きくなる。このとき、側面102aにて屈折した光線を周側面101にて全反射させるためには、光線の周側面101への入射角度は、全反射角よりも大きい角度であることが必要であるため、周側面101の傾きを光軸に対して大きくする必要がある。その結果、光学素子の直径が大きくなり、光学素子をコンパクトに構成することができない。
すなわち、特許文献1から6に提案されている光学素子の構成では、発光素子からの光を高効率で集光するにあたって(発光素子から射出される光線の指向性を高めるにあたって)、光学素子の形状が複雑になってコストアップを招来するという問題や、発光素子の発光面の大きさに対して光学素子の直径が大きくなり、コンパクト化が十分でない、といった問題が生ずる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、低コストでかつ簡単な構成で高効率の集光を実現できるとともに、発光面の大きさに対して光学素子の直径を小さくしてコンパクト化を実現できる光学素子と、その光学素子を備えた照明装置とを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の光学素子は、光源から射出された光を集光する光学素子であって、前記光が入射する入射面と、前記入射面を介して内部に入射した光を射出する射出面と、前記入射面を介して内部に入射した光の一部を全反射により前記射出面に導く反射面とを有しており、前記反射面は、6回以上の対称軸を有しており、以下の条件式を満足することを特徴としている。すなわち、
0.3<a/b<1.4
但し、
a:対称軸に垂直な方向における射出面の最大長
b:入射面と射出面との対称軸上での面間隔
である。
また、本発明の光学素子は、前記光源と空隙を介して配置されていてもよい。
また、本発明の光学素子は、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
0.15<|b/c|<1.8
但し、
c:射出面の近軸曲率半径
である。
また、本発明の光学素子は、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
0.001<d/b<0.20
但し、
d:光源の発光面から光学素子の入射面までの距離の最大値
である。
また、本発明の光学素子において、前記入射面には、前記光源が載置される基板と当接する突出部が設けられており、前記突出部と前記入射面とで、前記光源を収容する凹部が形成されている構成であってもよい。
また、本発明の光学素子において、前記突出部は、前記基板との当接時に前記凹部に収容される光源から発生する熱を外部へ逃がすための切り欠き部を有している構成であってもよい。
また、本発明の光学素子は、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
0.16<e/a<0.8
但し、
e:対称軸に垂直な方向における入射面の最大長
である。
また、本発明の光学素子において、前記反射面は、回転対称な形状であってもよい。つまり、前記反射面がn回以上の対称軸を有するとしたときに、前記反射面は、nが無限大となる形状であってもよい。
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学素子は、面形状に広がりを持つ光源から射出した光を所定の方向に集光する光学素子において、前記光源から射出した光が入射する、平面よりなる入射面と、前記入射面を介して入射した光を射出する、前記光の射出側に凸形状をした射出面と、前記入射面を介して入射した光の一部を全反射により前記射出面に導く、前記光の入射側に凸形状をした反射面とを有し、前記入射面の近傍に前記光源を配し、前記光源から射出された光は、前記入射面に入射した後、前記反射面の前記凸形状部分によって全反射され、更に前記射出面を透過して射出するか、或いは、前記入射面に入射した後、直接に前記射出面を透過して射出し、以下の条件式を満足することを特徴としている。すなわち、
1.0<r/(n−n′)TL<6.0
但し、
r :射出面の曲率半径
n :光学素子の屈折率
n′ :射出した側の媒質の屈折率
TL :光学素子の全長
である。
また、本発明の光学素子において、前記反射面は非球面であり、該非球面は光軸に対し周辺に向かうにつれて前記凸形状を強調する形状であって、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
−1.2<k<−0.8
但し、
k:コーニック係数
である。
また、本発明の光学素子は、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
1.8<B/D<6.0
但し、
B:光軸に垂直な方向における射出面の最大長
D:光源の最大対角長さ
である。
また、本発明の光学素子は、前記入射面に、前記光源との距離を一定に保つための段差或いは凸部を備え、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
15<D/L<1000
但し、
D:光源の最大対角長さ
L:光源と入射面との距離
である。
また、本発明の光学素子は、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
0.9<A/D<3.0
但し、
A:光軸に垂直な方向における入射面の最大長
D:光源の最大対角長さ
である。
また、本発明の光学素子は、以下の条件式を満足する構成であってもよい。すなわち、
1.0<Z/(CR2/2)<6.0
但し、
CR2:反射面の曲率半径
Z :反射面の面頂点から光源までの距離の絶対値
である。
また、本発明の光学素子は、アサーマル樹脂よりなる構成であってもよい。
また、本発明の照明装置は、上述した本発明の光学素子と、前記光学素子の入射面近傍に配置される光源とを備えていることを特徴としている。なお、上記の光源は、面形状に広がりを持つものであってもよいし、点光源であってもよい。
本発明によれば、低コストでかつ簡単な構成で高効率の集光を実現することができるとともに、発光面の大きさに対して光学素子の直径を小さくしてコンパクト化を実現することができる。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、面形状に広がりを持つ光源から射出した光を所定の方向に集光する光学素子であり、第1面と、第2面と、第3面とを有している。第1面は、光源から射出した光が入射する、平面よりなる入射面である。第3面は、第1面を介して入射した光を射出する、光の射出側に凸形状をした射出面である。第2面は、第1面を介して入射した光の一部を全反射により第3面に導く、光の入射側に凸形状をした反射面である。そして、第1面の近傍に前記光源を配したとき、光源から射出された光は、第1面に入射した後、前記第2面の前記凸形状部分によって全反射され、更に前記第3面を透過して射出するか、或いは、前記第1面に入射した後、直接に前記第3面を透過して射出する構成としている。
そして、以下の条件式1を満足する構成としている。
1.0<r/(n−n′)TL<6.0 …(1)
但し、
r :第3面の曲率半径
n :光学素子の屈折率
n′ :射出した側の媒質の屈折率
TL :光学素子の全長
である。
この構成によれば、面光源から射出した光のうち、全てが光学素子内に入射し、多くの成分が第2面で全反射することが可能となるので、光学素子を伝播した後に光軸方向に対して指定角度範囲内の射出角度で射出する成分を多くすることができ、高効率化を実現することが可能となる。また、第2面で全反射されずに直接に第3面に向かう光は、ここで屈折されることにより、指向性を有することができるので好ましい。
また、前述したように、全反射を用いた構成とすることにより、通常の反射面に用いられる反射膜を必要としないので、コストダウンになるとともに、この反射面に加えて、第3面に直接入射した光線の角度もコントロールできるので、非常に高効率となる。さらに、第1面と第2面は、平面と凸面を組み合わせた形状となっている。この場合、平面部のみの場合や凸面部のみの場合と比較すると、加工上の難易度は高くなるが、凸面部の中心付近が凹面部となっているような構成とは違って、比較的容易に加工できるので好ましい。その他、光源からの光は全て第3面を透過するが、第3面が連続した形状であるので製造しやすい。なお、第3面はフレネルレンズであっても良い。
本発明では、第2面で全反射される光線の光路と第3面に直接入射する光線の光路との両方を最適に設計することで、高効率の集光特性を実現している。上記条件式1はこのような最適設計の範囲を示している。具体的に述べると、条件式1は第3面の焦点距離と光学素子の全長との比の範囲を設定している。これは、第3面での光線の振る舞いを規定するものである。
条件式1を満足すると、小型で良好な効率を有する光学素子となる。つまり、r/(n−n′)TLの値が条件式1の上限を超えると、第3面での集光度合いが強くなりすぎて、反射面(第2面)で反射した光線が大きく曲げられてしまい、結果として集光度が悪化するので好ましくない。逆に、r/(n−n′)TLの値が条件式1の下限を超えると、第3面に直接入射する光線を集光させることができなくなり、結果として高効率を得ることが困難になるので好ましくない。
図1は、条件式1の値を変化させた場合の、全角60度以内に入るエネルギーの割合(60度効率)の変化の様子を示すグラフである。これは、光源を均一輝度の面光源とし、角度特性はランバート分布を有するものとしてシミュレーションした結果である。同図より分かるように、r/(n−n′)TLの値が条件式1の下限を超えると、効率が急に悪化するので好ましくない。逆に、r/(n−n′)TLの値が条件式1の上限を超えると、効率の変化は小さいが、光学素子の全長であるTLの値が大きくなり、素子全体が大型化するので好ましくない。同図より読み取れるように、更に望ましい条件範囲は以下の条件式1′のようになる。
1.2<r/(n−n′)TL<3.5 …(1′)
また、本発明では、第2面が非球面であり、その非球面は光軸に対し周辺に向かうにつれて凸形状を強調する形状であって、以下の条件式を満足する構成としている。
−1.2<k<−0.8 …(2)
但し、
k:コーニック係数
である。更に好ましくは−1.1<k<−0.9を満足するのが良く、またk=−1の放物面が最適である。
この構成によれば、光学素子を伝播した後の光線の射出角度を細かく指定することができる。楕円面や放物面に代表されるように、非球面の形状を周辺に向かうにつれて凸が強くなるようにすれば、特に面光源の中心から出た光を効率良く集光、コリメートすることができる。逆に、凸が弱くなるようにすると、反射面からの光線の射出角度の分布が大きくなり、結果として集光度が悪くなるので好ましくない。
さらに、非球面が放物面に近い形状になっているのが望ましく、上記条件式2を満足することが好ましい。また、設計上でコーニック係数を用いていなくても、非球面係数の展開で条件式2を満足することでも、同等の効果を有することとなる。これについて以下に説明する。
通常の非球面は以下のように表される。
Z=ch2/〔1+√{1−(1+k)c22}〕
+Ah4+Bh6+Ch8+Dh10
但し、
Z:非球面形状(非球面の面頂点から光軸に沿った方向の距離)
h:光軸からの距離
c:近軸曲率
k:コーニック係数
A,B,C,D…:非球面係数
である。
特に、非球面係数がゼロの場合は以下のように表され、コーニック面と呼ばれている。
Z=ch2/〔1+√{1−(1+k)c22}〕
コーニック面は上記の非球面係数に展開することができ、これはk=0として以下のように展開することができる。
Z=ch2/{1+√(1−c22)}
−(1/8)kc34+(1/16)k256
−(5/128)k378+(7/256)k4910
従って、第2面の形状を表すものとして、コーニック係数ゼロで非球面係数のみ、或いはスプライン等、他の表現を用いたとしても、形状がコーニック面に近く、コーニック係数が条件式2の範囲内であれば、実質的に同じとみなすことができる。
また、本発明では、以下の条件式3を満足する構成としている。
1.8<B/D<6.0 …(3)
但し、
B:光軸に垂直な方向における射出面の最大長(光学素子の直径)
D:光源の最大対角長さ(光源の大きさ、光軸に垂直な長さ方向の光源の最大長、
光源の直径)
である。
この構成によれば、光源の大きさに対して光学素子を最適に設定することで、コンパクトで高効率の照明装置を実現することができる。光学素子の直径が光源の大きさと同程度であれば、集光することが困難になり、効率が低くなる。一方、光学素子の直径が光源の大きさに対して大きくなりすぎると、全体としてはコンパクトにすることができない。
図2は、条件式3の値を変化させた場合の、全角60度以内に入るエネルギーの割合(60度効率)の変化の様子を示すグラフである。これは、光源を均一輝度の面光源とし、角度特性はランバート分布を有するものとしてシミュレーションした結果である。同図より分かるように、B/Dの値が条件式3の下限を超えると、効率が急に悪化するので好ましくない。逆に、B/Dの値が条件式3の上限を超えると、効率の変化は小さいが、B(光学素子の直径)の値が大きくなり、素子全体が大型化するので好ましくない。同図より読み取れるように、更に望ましい条件範囲は以下の条件式3′のようになる。
2.0<B/D<4.0 …(3′)
また、本発明では、第1面に光源との距離を一定に保つための段差或いは凸部を備え、以下の条件式4を満足する構成としている。
15<D/L<1000 …(4)
但し、
D:光源の最大対角長さ(光源の大きさ、光軸に垂直な長さ方向の光源の最大長、
光源の直径)
L:光源と入射面との距離
である。
この構成によれば、第1面の平面部には光源との距離を一定に保つように段差或いは凸部を有しているので、位置決めの手間を省くことができる。ここで、図3(a)(b)は、光源と光学素子の実際の位置関係を模式的に示す縦断面図であり、同図(a)は段差を有する場合、同図(b)は凸部を有する場合をそれぞれ示している。段差や凸部は光学素子と同一材料のもので光学素子と一体であっても良いし、同一又は異種材料のものを光学素子に接着することで構成しても良い。また、実施例5には同一材料で段差を構成した場合の具体的な形状を図により示している。
まず、同図(a)の場合、光学素子1の基板2に対する固定部と第1面S1との間には、段差部1aが設けられており、これにより、基板2に固定される面形状の光源3と第1面S1との間で、距離Lが一定に保たれる。この場合、光学素子1の下面内側に例えば円形の凹部aを設け、この中に光源3が入り込むようにし、また天井面を第1面S1とすることにより、結果的に凹部aの周囲に段差部1aが形成される構成である。
また、同図(b)の場合、第1面S1より基板2まで延びる凸部1bが設けられており、これにより、基板2に固定される面形状の光源3と第1面S1との間で、距離Lが一定に保たれる。この場合、光学素子1の下面を第1面S1として、ここに例えば円環状の凸部1bを形成し、この中に光源3が入り込むようにした構成である。なお、各図におけるS2、S3は、それぞれ第2面、第3面である。
さらに、条件式4は光源と光学素子との距離の関係を規定している。D/Lの値が条件式4の下限を超えると、光学素子と光源との距離が大きくなりすぎて、光源から大きな角度で射出した光線が光学素子に入射しなくなり、効率が低下するので好ましくない。逆に、D/Lの値が条件式4の上限を超えると、効率の上では好ましいが、距離が小さくなりすぎると光学素子の製造誤差により第1面と光源が接触してしまうおそれがあり、所定の距離を保つことが困難になるので好ましくない。さらには、条件式4の下限値を100とすると、より高効率の光学素子を得ることができる。
例えば、後述する実施例1によれば、D=10mmとなっており、上限値の1000を満足するためには、L=10μmでなければならない。現状のインジェクションモールド等における厚み精度は、コストをかければ数μmの精度での管理は可能であるが、温度による膨張,収縮等の影響を考慮すると、D/Lの値が条件式4の上限値以上では、間隔精度を安価に保障することが困難になるので好ましくない。
逆に、間隔が開きすぎた場合は、製造上での優位性はあるが、以下に示すような不具合が生じることがある。ここで、図4(a)は上記図3(a)(b)のいずれにも対応した要部拡大図であり、図4(b)は変形例である。さて、図4(a)に示すように、光源3の周辺部から大きな角度で射出した光線は、第1面S1には入射せず、段差部1a或いは凸部1bに入射してしまうこととなる。こうなると、寸法Yで示した光源3の周辺部は有効利用できないことになるので好ましくない。これを防ぐためには、図中の寸法X、即ち光源3の周縁部と段差部1a或いは凸部1bの内側面との距離を大きくすることが考えられるが、光学素子1の大型化を招くので好ましくない。
また、例えば実施例1のようにD=10mmの場合、下限値の15を想定するとL=0.6mmとなる。その場合、図4(b)に示すように、X=0として仮に光源3からの光線の射出角度θ=60度を想定すると、図中の光源3の周辺部でY=1.15mmの領域については、射出角度60度以上の光線が第1面の平面部に直接入射することができなくなり、実質的な光源の大きさは小さくなっている。
また、本発明では、以下の条件式5を満足する構成としている。
0.9<A/D<3.0 …(5)
但し、
A:光軸に垂直な方向における入射面の最大長(第1面平面部直径)
D:光源の最大対角長さ(光源の大きさ、光軸に垂直な長さ方向の光源の最大長、
光源の直径)
である。
この構成によれば、光源の大きさに対して最適な光学系を提供することができる。条件式5は、第1面の平面部と光源の大きさの比を規定している。A/Dの値が条件式5の下限を超えると、光源の方が平面部よりも大きくなるため、光源の周辺部からの光が平面部に入射しなくなるので好ましくない。逆に、A/Dの値が条件式5の上限を超えると、平面部、さらには光学素子自体が光源に対して大きくなりすぎてしまうので好ましくない。
また、本発明では、以下の条件式6を満足する構成としている。
1.0<Z/(CR2/2)<6.0 …(6)
但し、
CR2:第2面の曲率半径
Z :第2面面頂点の光源からの距離の絶対値
である。
この構成によれば、最適な集光度を有する光学素子を提供することができる。条件式6は、第2面の焦点距離(CR2/2)と第2面面頂点の光源からの距離の絶対値との比を表している。つまり、第2面が放物面であった場合の焦点位置と光源との位置関係を定義している。
条件式6の下限は、光源位置と焦点位置がほぼ一致することを意味している。Z/(CR2/2)の値が条件式6の下限を超えると、光源の中心付近の光線に対しては平行になるが、光源の周辺付近の光が発散してしまい、結果として全体の指向特性が広がってしまうので、集光特性の良好な光学素子を実現することができなくなる。逆に、Z/(CR2/2)の値が条件式6の上限を超えると、光源から出た光線の全てが収束光線となり、指向特性にムラを生じてしまうので、均一な照明を得ることが難しくなり好ましくない。
なお、後述する各実施例においては、第3面の形状は凸形状としているが、これに限定されるものではなく、フレネルレンズや色消し回折光学レンズとしても良い。フレネルレンズを形成すれば、光学素子を一層コンパクトにすることができる。また、色消し回折光学レンズを形成すれば、素子を形成する材料の分散を、全反射と回折によって完全に補償することができる。
例えば、νd(PMMA)=57.82のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)素材の上に回折光学素子を形成し、これにより色消しを行う場合は、回折光学素子のνd(DIFFRACT)=−3.45であることから、以下の式が成り立つ条件付近の状態であれば、良好な色補正を行うことができる。
φr/φd=νd(PMMA)/νd(DIFFRACT)
但し、
φr:第3面の屈折のパワー
φd:第3面の回折のパワー
である。従って、このようなパワー配分の状態となるように設計を行えばよい。
また、光学素子を成型可能なプラスチック材料で構成すれば、軽量にすることができ、また非球面形状を容易に加工することができる。つまり、プラスチック材料はガラス材料等と比較して軽量であり、またインジェクションモールド等の製法を用いることで、複雑な形状のものでも大量に安価に作成することができるので好ましい。このようなプラスチック材料の例として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、シクロオレフィン系樹脂(例えば日本ゼオン社製のZEONEX(登録商標))、ポリカーボネート等がある。更に望ましくは、アサーマル樹脂(後述)であることが良い。
或いは、シリコーン,透明エポキシ樹脂等の材料で光学素子を構成しても良い。シリコーンや透明エポキシ樹脂は、プラスチック材料よりもガラス転移温度が高いので、高温下でも安定に使用することができる。具体的には、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等の透明シリコーンやエポキシ樹脂が適している。また、ガラスモールド法で成型可能な光学ガラスを用いれば、非球面形状のものを安価で大量に作成することができるとともに、このような光学素子を高温下においても安定して使用することができる。
その他、第1面及び第3面の少なくとも一方に反射防止コートを施していることが望ましい。これにより、光学素子表面での反射を防止できるので、光源からの光線を効率良く光軸方向に伝播させることができる。一方、第2面はコートを施さないので、全反射面としての特性を妨げることもない。
ここで、上記アサーマル樹脂について説明する。プラスチック材料は温度変化時の屈折率変化が大きいため、周囲の温度が変化した際に、その影響を受けて特性が変動してしまうという問題を抱えている。しかし、最近では、プラスチック材料中に無機微粒子を混合させることにより、温度変化の影響を小さくできることが分かってきている。一般に、透明なプラスチック材料に微粒子を混合させると、光の散乱が生じて透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であったが、微粒子の大きさを透過光束の波長より小さくすることにより、散乱が実質的に発生しないようにすることができる。
また、プラスチック材料は、温度が上昇することにより屈折率が低下してしまうが、無機粒子は温度が上昇すると屈折率が上昇する。そこで、これらの温度依存性を利用して、互いに打ち消し合うように作用させることにより、屈折率変化が殆ど生じないようにすることができる。具体的には、母材となるプラスチック材料に、最大長が20nm以下の無機粒子を分散させることにより、屈折率の温度依存性の極めて低いプラスチック材料となる。例えば、アクリルに酸化ニオブ(Nb25)の微粒子を分散させることで、温度変化による屈折率変化を小さくすることができる。本発明では、光学素子にこのような無機粒子を分散させたプラスチック材料を用いることにより、温度変化時の特性変動を小さく抑えることが可能となる。
ここで、屈折率の温度変化について詳細に説明する。屈折率の温度変化TAは、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて、屈折率nを温度tで微分することにより、以下の式で表される。
TA={(n2+2)(n2−1)/6n}
×{(−3α)+(1/[R])(∂[R]/∂t)}
但し、
α :線膨張係数
[R]:分子屈折
である。
プラスチック素材の場合は、一般に、式中第1項と比較して第2項の寄与は小さく、ほぼ無視することができる。例えば、PMMA樹脂の場合、線膨張係数αは7×10-5であり、上記式に代入すると、TA=−1.2×10-4[/℃]となり、実測値と概ね一致する。具体的には、従来は−1.2×10-4[/℃]程度であった屈折率の温度変化TAを、絶対値で8×10-5[/℃]未満に抑えることが好ましい。また、絶対値で6×10-5[/℃]未満に抑えることができれば更に好ましい。
本発明で適用可能なプラスチック材料の屈折率の温度変化TA(=dn/dt)を以下に示す。
〔プラスチック材料〕 〔TA(近似値)[10-5/℃]〕
ポリオレフィン系 −11
ポリカーボネート系 −14
また、本発明で適用可能な無機材料の屈折率の温度変化TA(=dn/dt)は、プラスチック材料と符号の向きが変わっており、これを以下に示す。
〔無機材料〕 〔TA(近似値)[10-5/℃]〕
酸化アルミニウム 1.4
ALON 1.2
酸化ベリリウム 1.0
ダイアモンド 1.0
炭酸カルシウム 0.7
リン酸チタンカリウム 1.2
アルミン酸マグネシウム 0.9
酸化マグネシウム 1.9
石英 1.2
酸化テルル 0.9
酸化イシトリム 0.8
酸化亜鉛 4.9
なお、以上の例においては、プラスチック材料とはdn/dtの符号の異なる微粒子を分散させた場合を示したが、プラスチック材料と比較してdn/dtの絶対値が小さい微粒子を分散させれば、dn/dtの符号が同符号であっても、屈折率変化量を小さくすることができる。但し、プラスチック材料とはdn/dtの符号の異なる微粒子を分散させた方が、プラスチックに分散させる微粒子の量を少なくすることができる。
以下に、本実施形態の各実施例に係る光学素子の数値データを示す。各実施例においては、
Z:光源の中心を原点とし、光源面の法線を光軸としたときの光軸方向(Z)上の距離
CR:曲率半径
k:コーニック係数
である。ちなみに、k=−1の場合は放物面となり、k=0の場合は球面となる。また、k=−1.1の場合は双曲面となる。
また、図5〜図9は、それぞれ実施例1〜実施例5における光学素子に関する図であり、各図(a)は断面及び光路図、(b)は指向特性図である。指向特性図とは、光源上の軸上光度を100%としたときに、光源に対して或る角度傾いた方向から見える光度の割合を示したものであり、光の広がり具合の目安としている。指向特性図の縦軸は中心を正規化した場合の相対的な強度である。これは、光源を均一輝度の面光源とし、角度特性はランバート分布を有するものとしてシミュレーションした結果である。それぞれ、概ね良好な特性を示している。また、後述の各実施例における全角60度以内に含まれるエネルギー(60度効率)にあるように、多くの光を効率良く集光させていることが分かる。
材料 :PMMA
屈折率(d線):1.4914
νd :57.82
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0.00 10
第1面(S1) 0.03 INF 0.00 10
第2面(S2)面頂点 -3.095 4 -1.00 30
第3面(S3)面頂点 29.03 -50 0.00 30
材料 :ポリカーボネート
屈折率(d線):1.5834
νd :30.23
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0.00 10
第1面(S1) 0.5 INF 0.00 10
第2面(S2)面頂点 -2.625 4 -1.00 30
第3面(S3)面頂点 29.5 -40 0.00 30
材料 :SF6(ショット名)
屈折率(d線):1.80542
νd :26.12
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0.00 5
第1面(S1) 0.03 INF 0.00 5
第2面(S2)面頂点 -1.5325 2 -1.00 15
第3面(S3)面頂点 14.53 -30 0.00 15
材料 :PMMA
屈折率(d線):1.4914
νd :57.82
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0.00 10
第1面(S1) 0.03 INF 0.00 10
第2面(S2)面頂点 -3.095 4 -1.10 30
第3面(S3)面頂点 29.03 -50 0.00 30
材料 :PMMA
屈折率(d線):1.4914
νd :57.82
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0.00 10
第1面(S1) 0.6 INF 0.00 10
第2面(S2)面頂点 -6.75 3 -1.00 30
第3面(S3)面頂点 32.15 -80 0.00 30
また、各実施例における各条件式の値を以下に示す。
[実施例1] [実施例2] [実施例3] [実施例4] [実施例5]
条件式1 r/(n-n′)TL 4.07 2.74 2.98 4.07 5.1
条件式3 B/D 3 3 3 3 3
条件式4 D/L 333 20 166 333 16.6
条件式5 A/D 1 1 1 1 1.025
条件式6 Z/(CR2/2) 1.55 1.31 1.53 1.55 4.5
さらに、各実施例における60度効率は以下のようになる。
[実施例1] [実施例2] [実施例3] [実施例4] [実施例5]
60度効率[%] 78.0 69.2 75.5 73.0 88.4
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図10は、本実施形態の照明装置の概略の構成を模式的に示す平面図である。この照明装置は、光学素子1と、基板2上に保持される光源3とを有している。光源3は、光を射出するものであり、実施の形態1と同様に、例えば発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子(固体発光素子)で構成されている。なお、光源3は、面光源(発光部が面形状のもの)であってもよいし、点光源であってもよい。
光学素子1は、光源3から射出された光を集光するものであって、入射面(S1)と、反射面(S2)と、射出面(S3)とを有している。入射面は、光源3からの光が入射する面である。射出面は、入射面を介して内部に入射した光を射出する面である。反射面は、入射面を介して内部に入射した光の一部を全反射により射出面に導く面である。
光学素子1の反射面は、例えば回転対称な形状で構成されている。ここで、以下での説明の便宜上、反射面の対称軸(回転対称軸)Mが入射面と交わる点をP、射出面と交わる点をQとしたとき、2点P、Qを通る直線を光軸とする。
本実施形態の光学素子1は、入射面と射出面との間に反射面を有しており、射出角の大きい光線は、反射面において反射し、光軸となす角度が小さくなる。これにより、光源3から射出される光線の指向性を高めることができる。また、反射面の形状として、放物面、楕円面または双曲面を使用することにより、反射後の光線と光軸とがなす角を、反射前と比較して小さくすることができ、光源3からの光線の指向性を高めることが可能となる。また、反射面での全反射を利用して光線の進行方向を変更するので、反射面に反射コートを施す必要がなく、加工コストを低減することが可能である。
また、本実施形態では、光学素子1は、以下の条件式7を満足している。
0.3<a/b<1.4 …(7)
但し、
a:対称軸に垂直な方向における射出面の最大長(mm)
b:入射面と射出面との対称軸上での面間隔、すなわち点PQ間の距離(mm)
である。
なお、光学素子1は、以下の条件式を満足していることがより望ましい。
0.35<a/b<1.2
また、光学素子1は、以下の条件式を満足していることが最も望ましい。
0.38<a/b<0.8
条件式7は、光学素子1における全長と直径との関係を規定している。条件式7を満足することにより、コンパクトで(直径が短くて)、効果の高い(指向性の高い)光学素子1を実現することができる。以下、この点について、より詳細に説明する。
なお、ここでは、光軸とのなす角度が30度以下の光線の割合(全角は30°×2=60°であるので、60度効率とも呼ばれる)を指向性の目安として用い、60度効率が高い場合、光線の指向性が高いと考える。つまり、立体角で考えた場合、全角60°は全角180°の13%に相当し、全角60°以下の光線の割合は、全半球上に放射する光線のうち、約10%の角度領域に入る光線の割合に相当するため、全角60°内に含まれる光線の割合を指向性の目安とすることができる。
図11は、a/bの値を変化させたときの60度効率の変化を示すグラフである。これは、光源3を均一輝度で円形の面光源とし、角度特性はランバート分布を有するものとしてシミュレーションした結果である。すなわち、入射面から射出面までの光軸上の距離(上記のbに相当)が光源3の直径に対して5倍である光学素子1において、光学素子1の直径(上記のaに相当)を変化させてシミュレーションした結果である。なお、入射面および射出面は平面とし、反射面は放物面とした。また、円形の面状光源の直径は、入射面の直径と等しいものとした。同図より、a/bの値が条件式7の下限値を下回る場合および上限値を上回る場合、60度効率が低下することがから、光線の指向性が低くなると言える。
つまり、a/bの値が条件式7の下限値を下回る場合、反射面での反射後に光線と光軸とのなす角度が反射前と同程度となり、光線と光軸とのなす角度が小さくならず、光線の指向性が低くなる。また、a/bの値が条件式7の上限値を上回る場合には、光学素子1内に入射した光線のうち、反射面に到達する成分が少なくなるため、光線の指向性が低くなる。
したがって、条件式7を満足することにより、光学素子1内に入射した光線は、その多くの成分が反射面において反射し、光軸とのなす角度が減少した状態で射出面に導かれるので、光線の指向性を高めることができる。
ここで、光学素子1の反射面の形状としては、コーニック形状、もしくは、多項式非球面の曲面形状を適用することが望ましい。反射面に上記の形状を適用することにより、反射面上の各点に入射した光線が反射した後の光軸とのなす角度を、反射面として例えば円錐面を用いた場合と比較して小さくすることができ、光線の指向性を高めることができる。
表1は、反射面の形状を放物面および円錐面とした場合の60度効率の値を示している。これは、光源3を均一輝度で円形の面光源とし、角度特性はランバート分布を有するものとしてシミュレーションした結果である。すなわち、入射面から射出面までの光軸上の距離が光源3の直径に対して5倍である光学素子1において、反射面の形状を変化させてシミュレーションした結果である。なお、入射面および射出面は平面とし、円形の面状光源の直径は、入射面の直径と等しいものとした。また、表1中のeは、入射面の直径(mm)を指すものとする。表1より、反射面を放物面とした場合には、反射面を円錐面とした場合よりも60度効率の値が大きく、光線の指向性をより高めることができることがわかる。
Figure 2007072432
ところで、反射面に放物面もしくは回転楕円面を適用する場合には、反射面の焦点と入射面との間の距離を、発光面と入射面との間の距離よりも大きくすることが望ましい。この場合、光学素子1に入射した光線のうち、より多くの成分について、反射面での反射後に光軸となす角度を小さくすることができる。
また、本実施形態では、図10で示したように、光学素子1は、光源3と空隙を介して配置されている。ここで、図12(a)は、光源3の発光面(3a)と入射面(S1)との間に空隙が存在する場合の光線の光路を示す説明図であり、図12(b)は、発光面と入射面との間に、光学素子1の取り付け時に使用される接着剤4が介在する場合の光線の光路を示す説明図である。なお、同図(a)(b)では、入射面はいずれも平面とする。
同図(b)において、接着剤4の屈折率が光学素子1と同じであれば、光源3からの光線は、接着剤4を介して光学素子1の入射面に屈折することなく入射する。このとき、光線が入射面に対して大きな入射角で入射していれば、その光線と光軸とのなす角度は大きいままである。
これに対して、同図(a)に示すように、光源3の発光面と入射面との間が空隙であれば、光源3からの光線が入射面に対して大きな入射角で入射した場合であっても、その光線が入射面で屈折するので、光軸と光線とのなす角度が小さくなる。したがって、光学素子1を光源3と空隙を介して配置することにより、入射面に入射する光線の指向性を向上させることができる。
また、発光面と入射面との間が空隙であれば、光学素子1の取り付け時に使用される接着剤4が発光面と入射面との間に介在しないので、光学素子1の基板2(図10参照)への取り付けおよび取り外しを簡便に行うことができるという効果もある。
また、本実施形態の光学素子1は、以下の条件式8を満足していることが望ましい。すなわち、
0.15<|b/c|<1.8 …(8)
但し、
c:射出面の近軸曲率半径(mm)
である。
なお、光学素子1は、以下の条件式を満足していることがより望ましい。
0.5<|b/c|<1.6
また、光学素子1は、以下の条件式を満足していることが最も望ましい。
0.7<|b/c|<1.5
この条件式8は、光学素子1の全長と射出面の形状(曲率半径)との関係を規定している。条件式8を満足することにより、光学素子1の入射面に入射した光線のうち、反射面を介さずに射出面に到達する光線と、反射面を介して射出面に到達する光線との両者について、射出面通過後の角度分布を小さくすることができ、光線の指向性を向上させることができる。
つまり、|b/c|の値が条件式8の下限値を下回ると、入射面に入射した光線のうち、反射面を介さずに射出面に入射する光線の、射出面に対する入射角度が大きくなるため、射出面での屈折の効果が大きく、射出面通過後の光線の角度分布が大きくなる。一方、|b/c|の値が条件式8の上限値を上回ると、入射面に入射した光線のうち、反射面を介して射出面に入射する光線が、射出面において大きく屈折するため、射出面通過後の光線の角度分布が大きくなる。
図13は、|b/c|の値を変化させた場合の60度効率の変化を示すグラフである。これは、光源3を均一輝度で円形の面光源とし、角度特性はランバート分布を有するものとしてシミュレーションした結果である。すなわち、反射面を光軸上に投影したときの光軸上での長さを光源3の直径に対して5倍とし、素子の最大直径(射出面の最大直径)を光源3の6倍とした光学素子1において、射出面の形状を球面とし、射出面の曲率半径を変化させてシミュレーションした結果である。なお、入射面は平面とし、反射面は放物面とした。同図より、|b/c|の値が条件式8の下限値を下回る場合、および上限値を上回る場合に、60度効率が低下することがわかる。
なお、射出面の形状は、光軸から周辺部に行くにしたがって、曲率の小さくなる非球面形状であってもよい。この場合、反射面を介して射出面に入射する光線の射出面に対する入射角を小さくすることができるため、光線の指向性を向上させることが可能である。
また、本実施形態の光学素子1は、以下の条件式9を満足していることが望ましい。すなわち、
0.001<d/b<0.20 …(9)
但し、
d:光源3の発光面から光学素子1の入射面までの距離の最大値(mm)
である。
条件式9は、光学素子1の全長と、光源3の発光面から入射面までの最大距離との関係を規定している。d/bの値が条件式9の下限値を下回ると、光源3と光学素子1とが接近するため、光学素子1の加工に高い精度が要求される。一方、d/bの値が条件式9の上限値を上回ると、光源3から射出される光線のうち、入射面に入射するものの割合が少なくなる。したがって、条件式9を満足することにより、光学素子1に高い加工精度を要求することなしに、光源3の発光面から射出される光線のうちで入射面に入射するものの割合を高くして、光源3からの光線の指向性を向上させることが可能となる。
ところで、本実施形態の光学素子1は、以下の構成であってもよい。図14は、本実施形態の光学素子1の他の構成例を示す斜視図であり、図15は、上記光学素子1の光源3側から見た平面図である。なお、この光学素子1は、後述する実施例12に対応するものである。
光学素子1の入射面(S1)には、光源3が載置される基板2と当接する突出部5が設けられており、この突出部5と入射面とで、光源3を収容する凹部6が形成されている。突出部5は、入射面の周囲(光軸から離れた部分)、すなわち、入射面における反射面の近傍に形成されている。なお、突出部5と入射面とは、一体成型されたものであってもよいし、別部材を貼り合わせたものであってもよい。
上述した条件式7〜9を満足する形状の光学素子1においては、反射面の入射面近傍部に入射する光線の割合は、条件式7〜9を満足しない構成のものに比べて少ないため、集光効率を落とすことなく、コンパクトな構成で基板2または光源3に対して光学素子1を設置することが可能となる。
また、突出部5を基板2に当接させることによって、基板2または光源3に対する光学素子1の位置決めがなされるので、その位置決めが容易である。また、突出部5の突出方向の長さに応じて、光源3の発光面と入射面との距離を自由に設定することができる。さらに、突出部5を基板2に当接させたときに、基板2上の光源3が凹部6に収容されるので、コンパクトな照明装置を実現することができる。
また、図14および図15に示すように、突出部5は、切り欠き部5aを有している。この切り欠き部5aは、突出部5の基板2との当接時に凹部6に収容される光源3から発生する熱を外部へ逃がすための切り欠きである。本実施形態では、切り欠き部5aは、光軸に対して対称な位置に2箇所設けられている。なお、切り欠き部5aの個数や形成位置は、これに限定されるわけではない。
このように突出部5に切り欠き部5aが設けられていれば、凹部6に収容された光源3から発生する熱を、切り欠き部5aを介して外部に逃すことができ、廃熱性を向上させることができる。この結果、熱による光源3の発光効率の低下を防止することができる。また、条件式7〜9を満足する形状の光学素子1においては、反射面の入射面近傍部に入射する光線の割合は、条件式7〜9を満足しない構成のものに比べて少ないため、集光効率を落とすことなく、光源3からの熱を発散させることが可能である。
また、本実施形態の光学素子1は、以下の条件式10を満足していることが望ましい。すなわち、
0.16<e/a<0.8 …(10)
但し、
e:対称軸に垂直な方向における入射面の最大長(mm)
である。
この条件式10は、入射面の直径と射出面の直径との比を規定している。e/aの値が条件式10の下限値を下回る場合、射出面の直径が大きくなり、反射面に到達する光線の割合が少なくなる。また、光学素子1をコンパクトにすることができない。一方、e/aの値が条件式10の上限値を上回る場合、反射面で反射した光線と光軸とのなす角度が反射前と同程度となるため、光線の指向性を高めることができない。したがって、条件式10を満足することにより、光学素子1をコンパクトに構成しながら、光源3からの光線の指向性を高めることができる。
ところで、図16は、反射面(S2)が6回の対称軸を有する光学素子1の外観構成を示す斜視図である。上述した本実施形態の構成や各条件式は、図16に示した光学素子1にも適用することは可能である。そして、この場合であっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、本実施形態で説明した構成や条件式は、反射面が6回以上の対称軸を有する光学素子1に適用することができる。
特に、反射面がn回以上の対称軸を有するとしたときに、nを無限大とする回転対称な形状(例えば回転放物面)で反射面を構成すれば、光学素子1の加工、製造が容易となり、加工(製造)コストを低減することができる。したがって、上記のnを無限大とする回転対称な形状で反射面を構成することが望ましい。
なお、上述した各実施の形態の構成や条件式を適宜組み合わせて光学素子1を構成することも勿論可能である。
以下に、本実施形態の各実施例に係る光学素子の数値データを示す。なお、以下に示す各実施例6〜12において、Z、CR、k等の各パラメータの定義については、実施の形態1と全く同様である。また、図17(a)(b)〜図23(a)(b)は、それぞれ実施例6〜12に係る光学素子1に関する図であり、各図(a)は断面及び光路図、(b)は指向特性図である。
材料 :ポリカーボネート
屈折率(d線):1.5834
νd :30.23
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0 10
入射面(S1) 0.2 INF 0 10
反射面(S2)面頂点 50.2 1.3125 -1 20
射出面(S3)面頂点 66.2 -50 0 20
材料 :PMMA
屈折率(d線):1.4914
νd :57.82
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0 10
入射面(S1) 0.2 INF 0 10
反射面(S2)面頂点 50.2 8.75 -1 60
射出面(S3)面頂点 61.2 -50 0 60
材料 :ZEONEX E48R
屈折率(d線):1.5305
νd :55.72
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0 10
入射面(S1) 0.7 INF 0 10
反射面(S2)面頂点 50.7 1.3125 -1 25
射出面(S3)面頂点 52.7 -100 0 25
材料 :ポリカーボネート
屈折率(d線):1.5834
νd :30.23
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0 10
入射面(S1) 0.2 INF 0 10
反射面(S2)面頂点 50.2 6. -1 50
射出面(S3)面頂点 53.7 -180 0 50
材料 :PMMA
屈折率(d線):1.4914
νd :57.82
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0 10
入射面(S1) 1.2 INF 0 10
反射面(S2)面頂点 51.2 6 -1 50
射出面(S3)面頂点 66.2 -40 0 50
材料 :ZEONEX E48R
屈折率(d線):1.5305
νd :55.72
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0 10
入射面(S1) 1.2 INF 0 10
反射面(S2)面頂点 26.2 1.3125 -1 19
射出面(S3)面頂点 29.2 -35 0 19
材料 :ZEONEX E48R
屈折率(d線):1.5305
νd :55.72
〔Z(mm)〕 〔CR(mm)〕 〔k〕 〔有効直径(mm)〕
光源(3) 0 INF 0 10
入射面(S1) 0.2 INF 0 10.5
反射面(S2)面頂点 26.7 1.875 -1 22.3
射出面(S3)面頂点 30.2 -180 0 22.3
また、各実施例における各条件式の値を表2に示す。
Figure 2007072432
さらに、各実施例における60度効率を表3に示す。
Figure 2007072432
本発明の実施の一形態において、条件式1の値を変化させた場合の、60度効率の変化の様子を示すグラフ。 条件式3の値を変化させた場合の、60度効率の変化の様子を示すグラフ。 光源と光学素子の実際の位置関係を模式的に示す縦断面図。 図3の要部拡大図及び変形例。 実施例1における光学素子に関する図。 実施例2における光学素子に関する図。 実施例3における光学素子に関する図。 実施例4における光学素子に関する図。 実施例5における光学素子に関する図。 本発明の他の実施の形態に係る照明装置の概略の構成を模式的に示す平面図。 条件式7の値を変化させたときの60度効率の変化を示すグラフ。 (a)は、光源の発光面と入射面との間に空隙が存在する場合の光線の光路を示す説明図。(b)は、発光面と入射面との間に接着剤が介在する場合の光線の光路を示す説明図。 条件式8の値を変化させた場合の60度効率の変化を示すグラフ。 上記照明装置に適用される光学素子の構成例を示す斜視図。 上記光学素子の光源側から見た平面図。 反射面が6回の対称軸を有する光学素子の外観構成を示す斜視図。 実施例6における光学素子に関する図。 実施例7における光学素子に関する図。 実施例8における光学素子に関する図。 実施例9における光学素子に関する図。 実施例10における光学素子に関する図。 実施例11における光学素子に関する図。 実施例12における光学素子に関する図。 従来の光学素子の概略の構成を示す断面図。
符号の説明
1 光学素子
1a 段差部
1b 凸部
2 基板
3 光源
3a 発光面
5 突出部
5a 切り欠き部
6 凹部
S1 入射面
S2 反射面
S3 射出面

Claims (16)

  1. 光源から射出された光を集光する光学素子であって、
    前記光が入射する入射面と、
    前記入射面を介して内部に入射した光を射出する射出面と、
    前記入射面を介して内部に入射した光の一部を全反射により前記射出面に導く反射面とを有しており、
    前記反射面は、6回以上の対称軸を有しており、
    以下の条件式を満足することを特徴とする光学素子;
    0.3<a/b<1.4
    但し、
    a:対称軸に垂直な方向における射出面の最大長
    b:入射面と射出面との対称軸上での面間隔
    である。
  2. 前記光源と空隙を介して配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子;
    0.15<|b/c|<1.8
    但し、
    c:射出面の近軸曲率半径
    である。
  4. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学素子;
    0.001<d/b<0.20
    但し、
    d:光源の発光面から光学素子の入射面までの距離の最大値
    である。
  5. 前記入射面には、前記光源が載置される基板と当接する突出部が設けられており、
    前記突出部と前記入射面とで、前記光源を収容する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光学素子。
  6. 前記突出部は、前記基板との当接時に前記凹部に収容される光源から発生する熱を外部へ逃がすための切り欠き部を有していることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
  7. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光学素子;
    0.16<e/a<0.8
    但し、
    e:対称軸に垂直な方向における入射面の最大長
    である。
  8. 前記反射面は、回転対称な形状であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光学素子。
  9. 面形状に広がりを持つ光源から射出した光を所定の方向に集光する光学素子において、
    前記光源から射出した光が入射する、平面よりなる入射面と、
    前記入射面を介して入射した光を射出する、前記光の射出側に凸形状をした射出面と、
    前記入射面を介して入射した光の一部を全反射により前記射出面に導く、前記光の入射側に凸形状をした反射面とを有し、
    前記入射面の近傍に前記光源を配し、前記光源から射出された光は、前記入射面に入射した後、前記反射面の前記凸形状部分によって全反射され、更に前記射出面を透過して射出するか、或いは、前記入射面に入射した後、直接に前記射出面を透過して射出し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする光学素子;
    1.0<r/(n−n′)TL<6.0
    但し、
    r :射出面の曲率半径
    n :光学素子の屈折率
    n′ :射出した側の媒質の屈折率
    TL :光学素子の全長
    である。
  10. 前記反射面は非球面であり、該非球面は光軸に対し周辺に向かうにつれて前記凸形状を強調する形状であって、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項9に記載の光学素子;
    −1.2<k<−0.8
    但し、
    k:コーニック係数
    である。
  11. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項9に記載の光学素子;
    1.8<B/D<6.0
    但し、
    B:光軸に垂直な方向における射出面の最大長
    D:光源の最大対角長さ
    である。
  12. 前記入射面に、前記光源との距離を一定に保つための段差或いは凸部を備え、
    以下の条件式を満足することを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の光学素子;
    15<D/L<1000
    但し、
    D:光源の最大対角長さ
    L:光源と入射面との距離
    である。
  13. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載の光学素子;
    0.9<A/D<3.0
    但し、
    A:光軸に垂直な方向における入射面の最大長
    D:光源の最大対角長さ
    である。
  14. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載の光学素子;
    1.0<Z/(CR2/2)<6.0
    但し、
    CR2:反射面の曲率半径
    Z :反射面の面頂点から光源までの距離の絶対値
    である。
  15. アサーマル樹脂よりなることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の光学素子。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の光学素子と、
    前記光学素子の入射面近傍に配置される光源とを備えていることを特徴とする照明装置。
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