JP4262924B2 - 施錠解錠システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明装置の付いたドライバ等の手工具や筆記具等の手持ち器具の基本的な構造を利用して光信号に個人識別信号を含ませ、机の引き出し、家具の引き出し等の施錠や解錠を光信号にて行うことができる施錠解錠システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
研究発表会や講演会等においては、しばしば、スライド上映やビデオ上映がなされ机上は暗闇と化す。このような暗闇のなかでメモをとりたい場合には何らかの照明器具があると便利である。また、夜間にかかってきた電話の内容を暗闇のなかで手帳にメモをしておきたい場合、或いは夜間の屋外作業中や運動選手の夜間練習中に記録をしたい場合等には、それらの作業に際し、何らかの照明器具が必要である。さらに、空調機や船舶のエンジン部等の大きな機械装置等の点検・修理等に際しては昼間の作業であっても、奥部は暗く、何らかの照明器具が必要な場合がある。
【0003】
しかし、補助者がいない場合には、一方の片手に照明器具、他方の片手に手工具や筆記具を持ち、これら手持ち器具の使用中に常時該当個所を局所照明する方法では極めて作業性に劣る。また常時、手持ち器具と併せて照明器具を携帯するのは、状況や用途によっては不便である。
【0004】
最近、筆記具の分野においては、筆記具と照明器具とを一体化した照明装置付き筆記具が商品化されている。しかし、この照明装置付き筆記具は、白熱電球を用いおり、この白熱電球の消費電力が大きいので、電池の寿命が短いという欠点を有している。さらに、白熱電球自身の寿命も短いという欠点を有している。長時間或いは数日間にわたって継続して研究発表会や講演会が開催されるような場合、長時間の局所照明が必要になり、電池の交換回数が増えるばかりか、電池の購入のための費用や予備の白熱電球(替え玉)の用意等の心配が増えるので、経済的には好ましくない。
【0005】
この点から、ペン先近傍の極小面積に発光ダイオード(LED)を取り付けた筆記具も市場に出現し始めている。ペン先近傍のLEDから発せられる光で、紙面を局所照明するように工夫されたものである。LEDは白熱電球に比べて数十分の1から数百分の1の範囲の消費電力で済むので、充分な電池の寿命を得ることができる。残念ながら、このLEDを取り付けた筆記具は、あまり明るくない。
【0006】
一方、情報化社会の到来に伴い、個人の秘密情報を確保する必要性が高まっている。従って、特定の部屋への入室、机の引き出し、家具の引き出しや扉、印鑑箱や小物箱の蓋、金庫の扉や蓋等の容器の施錠や解錠を行う施錠解錠システムも、重要になってきている。しかし、このために、複数の玄関のドアの鍵、複数の部屋のドアの鍵等のすべての鍵を常時持ち歩くのは、極めて不便である。従って、多くの鍵(特に機械的な鍵)を持ち歩く不便性を解消した新たなセキュリティシステムも待望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
LEDは、電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、白熱球に比し、遙かに高効率である。白熱球においては、電気エネルギーを一旦熱エネルギーに変換し、その発熱に伴う輻射を利用している。このため、その変換効率は原理的に低く、1%を越えることはない。一方、LEDにおいては、変換効率が20%以上程度が可能で、白熱球に比し約100倍以上の変換効率が容易に達成出来る。さらに、LEDは半永久的とも考え得る長寿命である。
【0008】
かかる優れた特徴をLEDは有するものの、現状では、LEDの応用は各種機器のコントロールパネルの表示ランプや、電光掲示板等の表示装置等の極く限られた範囲に限定されており、LEDが照明装置に使用された例は少ない。最近、鍵穴の照明器具や上述した照明装置付き筆記具等が登場しつつあるが、いずれにしろ、小さな面積しか照明できないものである。これはLEDの輝度は極めて高いにもかかわらず、LED1個の光の出射面積が1mm程度の小さな面積であるため、照明器具としての十分な光束が得られないという事情に起因している。
【0009】
前述の照明装置付き筆記具においては、照明持続時間を長くすることができるものの、照度を充分に高くすることができないので、ペン先程度の極限られた領域しか明るくすることができず、また全体としても充分な明るさとは言えるものではなかった。従って、暗闇で筆記することや、研究発表会で配布された論文抄録等の書類を閲読するには、しばしば支障が生じていた。
【0010】
照明装置の観点からは、LEDの個数を増やして輝度を高めることが考えられるが、部品点数が増え、手持ち器具の構造が複雑になり、小型軽量化を図るためには極めて製作が複雑になる。
【0011】
LEDの主材料は、高価な化合物半導体が用いられており、なおかつ、エピタキシャル成長や不純物拡散等の高度の製造技術が要求されるため、LEDの製造単価(コスト)の低減には一定の限界がある。さらに、青(B)色LEDの材料である窒化ガリウム(GaN)のエピタキシャル成長の基板には、高価なサファイア基板が用いられている等各半導体材料特有の事情もある。また、LEDの材料である化合物半導体のエピタキシャル成長用基板としては、大口径ウェハは現状では入手出来ないことや、エピタキシャル成長の均一性等の製造技術上の問題もあり、基本的に大面積の発光領域を有したLEDを製造するのは困難である。
【0012】
いずれにしても、LEDの個数やチップ面積を増大させることは、製品の単価(コスト)を増大させることになり、好ましくない。
【0013】
このような事情から、従来は、充分な照度が確保でき、しかも、暗闇での作業性や携帯性に優れた手工具や筆記具等の手持ち器具は、長く待望されているにもかかわらず、現実には実現出来ないでいた。
【0014】
一方、キーレス・セキュリティシステムとしては、機械的な鍵の代わりに、赤外線や超音波を用い、暗号化した信号の一致により、施錠解錠を行う方式が考えられる。しかし、赤外線や超音波は目に見えない。このため、電池の消耗等により、出力が不十分になった場合には、当然システムは作動しないが、このシステムが作動しない原因を直ちに、電池の消耗や信号を出力する装置(出力装置)の故障であるか否かが判別出来ない場合がある。
【0015】
また、多数の機械的な鍵を持ち歩かなくてもよいが、何らかの出力装置を持ち歩く必要があるので、ポケットが膨らむ等の見栄え上の問題や、置き忘れ等の種々の問題の発生も生じる。
【0016】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明の目的は、照明装置付き手持ち器具の構造を利用して光信号を送信し、この光信号を用いて、構成の簡単な施錠解錠システムを提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、複数の部屋のドアの鍵、複数の机の引き出しの鍵等を束にして持ち歩く不便を解消できる施錠解錠システムを提供することである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、周辺の機器への影響も少なく、逆に携帯電話等の周辺機器からの影響も少ない施錠解錠システムを提供することである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、視認が容易で、システムのトラブル・シューティングが容易な施錠解錠システムを提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、雑音や直射日光の影響を受けにくく、さらに使用条件の変化により信頼性が失われることもない施錠解錠システムを提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、個人識別情報を含む光信号を作成し、発信する信号発信部と、この光信号を受信する信号受信部と、登録された個人識別情報との一致を調べるロック機構とから構成された施錠解錠システムであることである。ここで、信号発信部は、第1の波長λの光を発光する第1の半導体発光素子チップと、第1の波長λとは異なる第2の波長λの光を発光する第2の半導体発光素子チップと、第1の光の強度I及び第2の波長の光の強度Iの比(=I/I)を所定の値に設定することにより個人識別情報を含む光信号を生成する変調部とからなる。また、信号受信部は、第1及び第2の半導体発光素子チップと同一の光学的固有エネルギを有した半導体材料からなる第1及び第2の光検知器とからなる。さらに、ロック機構は、第1及び第2の光検知器の出力から生成した信号と、登録された個人識別情報との一致を調べる比較器と、登録された個人識別情報との一致が確認された場合に、解錠を行うロック・ドライバとからなる。施錠解錠システムは、手持ち器具を信号発信部として用いることが可能であるが、必ずしも、手持ち器具に限定されない。手持ち器具以外に、時計や携帯電話等の常時人間が身につけ、或いは携帯する種々の機器や物品等に付加しても良く、ペンダント等の装飾品等に組み込んでもかまわない。一方、信号受信部及びロック機構は、玄関、各部屋のドア、自動車のドア、机や家具の引き出し、印鑑箱、小物箱、宝石箱、金庫の扉等の施錠の必要な建造物、機器や物品に設置すればよい。ここで、「光学的固有エネルギ」とは、その半導体発光素子の主なる発光波長を決定するそれぞれの半導体材料に固有のエネルギの意である。バンド間遷移により半導体発光素子の発光波長が決定されているのなら、禁制帯幅のエネルギが光学的固有エネルギであり、半導体発光素子の発光波長に不純物準位が関与している場合は、この不純物準位により定まる光学的遷移のエネルギが本発明で定義する光学的固有エネルギである。
【0022】
光信号を遠方に伝送する場合は、受信される光強度が信号発信部と信号受信部との間の距離に依存する可能性がある。しかし、本発明の特徴に係る施錠解錠システムにおいては、光強度の絶対値を、必要な情報として検出しているのではなく、各色の相対的な強度比(I/I)を検出しているので、距離が変化しても、必要な情報の信頼性が失われることはない。
【0023】
そして、信号受信部は、第1及び第2の半導体発光素子チップと同一の光学的固有エネルギを有した半導体材料からなる第1及び第2の光検知器としているので、波長共鳴効果により、最も高感度な光検出が可能となる。この場合、半導体光検出器として、半導体発光素子と全く同一の半導体発光素子チップを逆バイアスして、フォトダイオードとして使用することも可能であるし、光学的固有エネルギが同一の半導体材料からなるAPDやフォトトランジスタを構成してもよい。
【0024】
さらに、第3,第4,・・・・・の波長λ,λ,・・・・・の光を発光する第3,第4,・・・・・の半導体発光素子チップを信号受信部に加え、第3,第4,・・・・・の半導体発光素子チップと同一の光学的固有エネルギを有した半導体材料からなる第3,第4,・・・・・の光検知器を信号受信部に追加して、多チャネルの光信号の伝達を行っても良い。これらの、第1,第2,第3,第4,・・・・・の波長λ,λ,λ,λ,・・・・・は赤外から紫外に至る種々の波長が使用可能である。しかし、そのうち少なくとも一つを、赤(R)色、緑(G)、青(B)色等の特定の色の可視光としておけば、昼間でも、光ビームの位置の視認が容易である。
【0025】
このように、各色の相対的な強度比を個人識別情報を含むコード信号とし、信号送信部と信号受信部との間で光信号を伝達しているので、セキュリティ機能の極めて高い施錠解錠システムを実現することができる。
【0026】
なお、各色の相対的な強度比以外の信号処理を更に重畳させることも可能である。例えば、第1,第2,第3,・・・・・の波長λ,λ,λ,・・・・・の光のパルスの順番やそのパルス幅を信号としても良い。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1乃至第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、外径と長さとの関係、各部の寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な構造は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0028】
(第1の実施の形態:手持ち器具)
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具は、第1の光学媒体212によりモールドされ、この第1の光学媒体212の頂部より、所定の波長の光を出力する半導体発光素子としての可視光LED20と、この半導体発光素子(可視光LED)20を駆動する電源部24と、第1の光学媒体212を収納する第1の空洞部を内部に有し、半導体発光素子(可視光LED)20の光を外部に出射するための湾曲面からなる頂部を有する第2の光学媒体21と、この第2の光学媒体21を収納する第2の空洞部17を有する第3の光学媒体11からなる手持ち軸部(ペン軸)10とを備えたボールペンである。そして、この第3の光学媒体11は、円筒形の第3の空洞部を有し、この第3の空洞部には、中心軸部(インクカートリッジ)15が収納されている。さらに、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具は、半導体発光素子(可視光LED)20を駆動する電源部24と、電源部24の電源供給を制御するスイッチ部26とを備えている。このボールペンのペン先(作業用先端部)14の最先端部分には自在に回転し紙面に適度にインクを供給するための鋼鉄性ボールが配設されている。鋼鉄製ボールは、直径0.2mmφ乃至0.8mmφ等の現在市販されている種々の大きさのものが使用可能である。
【0029】
そして、図2に示すように、この手持ち器具(ボールペン)は、筆記具本体1とライト部本体2とに分解して、ライト部本体2を単独使用可能なように構成されている。即ち、この手持ち器具(ボールペン)は、筆記具本体1をライト部本体2に着脱自在に装着できるようになっている。
【0030】
インクカートリッジ15は、ペン軸10の中心軸部分に配設されたカートリッジ取り付け穴15Aに、図1中及び図2中、右側のペン先方向から左側に向かって取り付けられ、又インクがなくなり交換する際には左側から右側に向かってカートリッジ取り付け穴15Aから取り外すようになっている。
【0031】
第3の光学媒体11には、LED光の波長に対する透過率が高く、その製作が容易で、しかも比較的軽量な透明なアクリル樹脂、透明なプラスチック材料を使用することができる。好みによって筆記具本体1に重量感を持たせ、筆記しやすくすることが要求される場合には、第3の光学媒体11は透明なガラス材料で形成してもよい。透明なガラス材料としては、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等の種々の材料が使用可能である。あるいは、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、炭化珪素(SiC)等の結晶性材料を用いてもかまわない。ペン軸10は、例えば直径約12mm、全長約150mmの寸法で形成されている。
【0032】
コーティング層12は、後述する光分散部19の領域を除き、第3の光学媒体11の表面の大半に配設されているが、場合によりこのコーティング層12を省略しても良い。ペン先部に光を集中したいときはこのコーティング層12を用いれば良く、ペン軸10からの光を局所照明に用いたければ、コーティング層12を設ければ良い。後者の目的のコーティング層12には、第3の光学媒体11の表面を保護し、かつ、LED光の波長に対する第3の光学媒体11の光の伝送効率を高めるために、反射率が高い金属性コーティング層を使用することができる。また、コーティング層12には、ファッション性を高め、或いはデザイン性を高めるために、適度な透明性を有しかつ着色されたスケルトンタイプの(半透明な)樹脂コーティング層や、不透明の着色された樹脂コーティング層を使用することができる。また、コーティング層12は、ある程度の光の透過率が得られれば、ラバーコーティング層や、塗装コーティング層であってもよい。例えば、コーティング層12からの透過光を有効に使うことにより、夜間歩行の安全用手持ち器具や、コンサート会場に於ける遊技用手持ち器具としてのペンライトとして、使用可能である。
【0033】
光分散部19は、第3の光学媒体11の端部表面を加工して形成すればよい。例えば、複数のV字形状、U字形状、或いは扁平な凹部を、第3の光学媒体11の端部設ける方法や、細かな凹凸を設ける方法、或いは比較的透明度の高い磨りガラス状に曇らせる方法等が可能である。更に、ガラス等の透明材料の微粒子を第3の光学媒体11の端部に塗布や付着しても良い。いずれにしても、光分散部19は第3の光学媒体11により集光され伝達されてきた光を適度に分散させて暗闇筆記に必要な範囲の紙面を明るく局所照明することができるような光学設計をすればよい。
【0034】
図1及び図2に示すように、筆記具本体1の左端には、本発明の第2の光学媒体21を収納する第2の空洞部としての光学媒体結合部17が配設されている。この光学媒体結合部17は、いわば、第2の光学媒体21を収納するソケット部(メス体)である。つまり、光学媒体結合部17にはライト部本体2の第2の光学媒体(プラグ部:オス体)21を挿入して結合するようになっている。この第2の空洞部の底部は、第2の光学媒体(プラグ部:オス体)21の頂部の曲率半径とほぼ等しい曲率半径の凹面をなしており、第2の光学媒体21からの光が有効に、第3の光学媒体11に導くことが可能なように構成されている。また、この空洞部の内径は、第2の光学媒体(プラグ部:オス体)21の外径(頂部以外の部分)の外径より、極僅か、例えば、0.05mm乃至0.2mm程度大きく形成されている。そして、光学媒体結合部(ソケット部)17の端部(図2において、左側)には、筆記具側結合部18としての雌ネジが設けられている。一方、
ライト部筐体23の一端には、筆記具本体1の筆記具側結合部18と連結される雄ネジで形成されたライト側結合部28が配設されている。なお、ここでは、筆記具本体1とライト部本体2とを、雄ネジ・雌ネジを用いて着脱する方式を例示したが、はめ込み方式やクランプ形式等他の方式でもかまわない。
【0035】
さらに、第3の光学媒体11の内部において、カートリッジ取り付け穴15Aの底面には反射ミラー11Aが装着されている。この反射ミラー11Aは可視光LED20から発せられる光を反射させて照明効率を高めるようになっている。
【0036】
さらに、図示を省略しているが、インクカートリッジ15を挿入する部分となる第3の光学媒体11の第3の空洞部の内壁、若しくはカートリッジの外壁にも反射ミラーを設けてもよい。また、第3の空洞部の内壁に、乱反射面となる細かな凹凸を設ければ、暗闇において、インクカートリッジ15の挿入された部分が視認出来ると同時に、この乱反射面からの光により、筆記具本体1のまわりが、かすかに明るくなる効果も期待できる。前述したペンライトとしての使用目的の時は、第3の空洞部の内壁に乱反射面を設けることは有効である。
【0037】
一方、ライト部本体2は、ライト部筐体23と、ライト部筐体23の図1中及び図2中右側に装着された半導体発光素子(可視光LED)20と、ライト部筐体23の中央部分に配設された電源部24と、ライト部筐体23の左端に配設されたスイッチ部26とを備えている。第1の光学媒体212の頂部は、市販の樹脂モールドされたLED20の頂部の形状であり、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されている。凸面形状の頂部を除けば、樹脂モールドされたLED20は、例えば、直径(外径)2〜3mmφの円柱形状である。また、第2の光学媒体21は、第1の光学媒体212を収納出来るように、第1の空洞部を有している。第1の空洞部の側壁部は、樹脂モールドされたLED20を収納できるように、直径(内径)2.5〜4mmφの円筒形状となっている。図示を省略しているが、LED20と第2の光学媒体21とを固定するために、LED20と第2の光学媒体21の収納部との間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサ若しくは接着剤が挿入されている。このスペーサ若しくは接着剤は、LED20の主発光部を除く位置に配置すればよい。第2の光学媒体21は、凸形状の出射面となる頂部近傍を除けば、ほぼLED20と同様な円柱形状である。この第2の光学媒体21の円柱形状部分の直径(外径)は、ライト部筐体23の外径より小さな所定の値に選べば良い。例えば、6〜11mmφ程度に選べば良い。第2の光学媒体21の頂部は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されており、この第2の光学媒体21は可視光LED20から発せられる光を効率良く集光して、外部に出射可能なようになっている。
【0038】
一般の可視光LED(樹脂モールドされたLED)においては、樹脂モールド(第1の光学媒体)212の頂部の凸形状湾曲面以外の所から出る光は、いわゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、本発明の第1の実施の形態においては、可視光LED20が第2の光学媒体21の第1の空洞部にほぼ完全に閉じこめられているので、これらの迷光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、第1の空洞部の入射面(底部)以外の内壁面も、有効な光の入射部として機能しうるのである。また、可視光LED20と第1の空洞部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は、照明に寄与できるように取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成分も、本発明の第1の実施の形態においては、第1の空洞部の内部に閉じこめられているので、最終的には、照明に寄与できる成分となりうる。この結果、樹脂モールド(第1の光学媒体)212の形状等の光の取り出し効率や、光学系相互の反射成分等に依存せず、ほぼ、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的なLEDチップの光エネルギーを有効に取り出すことが可能となる。このようにして、本発明の第1の実施の形態に係る光学的構造によれば、市販されている樹脂モールドされたLED20の数を多数必要とすることなく、局所照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。驚くことに、現在市販されているハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった一個のLEDで実現できるのである。このように、本発明の第1の実施の形態に係る光学的構造によれば、従来の技術常識では全く予測できない照度を、図1及び図2に示すような簡単な構造で、実現出来る。
【0039】
ライト部筐体23は、内部に電源部24を収納できる筒状の中空円柱体、若しくはこれに類似な形状で形成されている。ライト部筐体23には、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の材料や、アクリル樹脂やプラスチック材料等で形成することができる。ペン軸10と同様に、ライト部筐体23は、例えば透明なアクリル樹脂やプラスチック材料、又は適度に着色された半透明か不透明のアクリル樹脂やプラスチック材料で形成してもよい。ライト部筐体23は、筆記具本体1のペン軸10と例えば同等の外径寸法で構成されている。
【0040】
図3に示すように、LEDチップ210は、ベース基台(ステム)201に設けられた支持台(ダイパッド)202の上にマウントされている。そして、このLEDチップ210は、第1の光学媒体212により樹脂モールドされている。第1のリード配線203は、LEDチップ210の一方の電極(下部電極)に、支持台(ダイパッド)202を介して、その一端が接続され、他端は、ベース基台201を貫通して、その裏面まで導出されている。同様に、第2のリード配線204は、LEDチップ210の他方の電極(上部電極)に、その一端が接続され、他端は、ベース基台201を貫通して、その裏面まで導出されている。符号は付けないが、LEDチップ210の他方の電極(上部電極)と第2のリード配線204との間はボンディングワイヤにより電気的に接続されている。このようにして、可視光LED20は、ベース基台(ステム)201、支持台(ダイパッド)202、LEDチップ210、第1のリード配線203、第2のリード配線204及び第1の光学媒体212等から構成されている。ベース基台(ステム)201は、外周部をステンレス、真鍮や銅等の金属で覆われたセラミックス等の絶縁体で構成してもよく、第1の光学媒体212の一部として、第1の光学媒体212と同一の材料で構成しても良い。また、図3では、第1の光学媒体212とベース基台(ステム)20との間に、段差がある構造を示しているが、第1の光学媒体212とベース基台(ステム)20とを同一の外径で構成し、両者の間の段差を無くしても良い。
【0041】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具に用いる可視光LED20としては、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、暗闇筆記の際の局所照明のためには、白色LEDが人間の目には自然であるので好ましい。白色LEDは種々の構造のものが使用できる。たとえば、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップを縦に積層して構成しても良い。この場合、ベース基台(ステム)201から、それぞれの色のLEDチップに対応し、合計6本のピンが導出されても良い。また、第1の光学媒体212及びベース基台(ステム)201の内部配線として、6本のピンを2本にまとめ、外部ピンとしては2本設けられた構造としてもかまわない。また、一方の電極(接地電極)を共通とすれば、外部ピンは4本でよい。また、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御出来るようにしておけば、あらゆる色の混合が可能であるので、色合いの変化を楽しむことが可能である。
【0042】
第1の光学媒体212は、レンズ作用と同時に、LEDチップ210を保護する機能を有するモールド体である。この第1の光学媒体212には、例えば透明な熱硬化性エポキシ樹脂やアクリル樹脂を使用することができる。第1の光学媒体212の図3中右側の部分は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されており、この第1の光学媒体212はLEDチップ210から発せられる光(白色光)を効率良く集光して第2の光学媒体21に出射するようになっている。
【0043】
図1及び図3に示すように、電源部24は、手持ち器具の携帯性を高め、かつ適度な照度を得るために、2個の直列に接続された単3形〜単5形の乾電池241及び242により構成することが可能である。或いはディスクタイプのリチウム電池やマンガンリチウム電池等も使用可能である。なお、電源部24は、必ずしも上記の乾電池に限定されるものではなく、充電可能な小型の他の種類のバッテリーで構成してもよい。
【0044】
スイッチ部26は、その詳細な構成は省略するが、基本的には回転式やプッシュ式等の簡単な構造でよい(後述の第3の実施の形態で説明するセキュリティ機能を付加する場合は、このスイッチ部には、論理回路やパルス発信器、電圧調整器等が組み込まれる)。また、色合いの変化を楽しむ機能を付加したい場合は、スイッチ部26に、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御出来る電圧調整器を内蔵させておけばよい。スイッチ部26の一方の端子は、ライト部筐体2の内側に配設された図示しない配線を通して可視光LED20の第2のリード配線204に接続されている。スイッチ部26の他方の端子は、図1に示すように、乾電池241及び242を保持しつつ配線としても兼用される導電性弾性体25、乾電池242、241のそれぞれを通して、可視光LED20の第1のリード配線203に接続されている。
【0045】
スイッチ部26は、その構成を示していないが、ネジ等によりライト部筐体2の他端に着脱自在に取り付け取り外しができるようになっており、このスイッチ部26をライト部筐体2から取り外した状態において乾電池241及び242の交換が行われるようになっている。第1の実施の形態において、導電性弾性体25は、例えば鉄、銅等の金属のコイルスプリングで形成されている。なお、導電性弾性体25は、金属板を折り返した板ばねのようなものであってもよい。
【0046】
さらに、ライト部筐体23の他端側の外周には、手持ち器具を例えば背広のポケットに携帯しておくためのクリップ30が取り付けられている。
【0047】
この照明装置付き手持ち器具は、筆箱に入れて或いは背広のポケットにクリップ30を利用して携帯することができる。そして、例えば研究発表会や講演会のスライド上映中にメモを取りたい場合、夜の暗闇の中で手帳にメモを取りたい場合等には、手持ち器具のスイッチ部26を操作することにより、図3に示すように電源部24から可視光LED20のLEDチップ210に直流電流が流れ、LEDチップ210から白色光等の可視光が発せられる。LEDチップ210から発せられた可視光は、図3中、矢印で示すように、第1の光学媒体212でまず効率良く集光され、引き続き第2の光学媒体21、第3の光学媒体11のそれぞれでも効率良く集光され、第3の光学媒体11を通してペン軸10の内部をペン先14の方向に向かって伝播される。LEDチップ210から発せられた可視光のうち、筆記具本体1の軸心に沿ってペン先14に向かう可視光はカートリッジ取り付け穴15Aの底面の反射ミラー11Aで反射され、この反射された可視光は、第2の光学媒体21の表面や第1の光学媒体212の表面で再度反射されて漏れなくペン先14に向って伝播されるようになっている。
【0048】
第3の光学媒体11を伝播してきた可視光は最終的には光分散部19を通して分散され、暗闇筆記に必要な適度な紙面の照度を得ることができる。この状態で、ペン先14の鋼鉄製ボールを紙面に対して回転させることにより、このボールの回転に応じてインクカートリッジ15から適度なインクを紙面に供給することができる。
【0049】
このように構成される本発明の第1の実施の形態に係る照明装置付き手持ち器具によれば、LEDチップ210からの光を効率良く集光する第1の光学媒体212、第2の光学媒体21及び第3の光学媒体11を備え、照明効率を向上させることができるので、白熱電球と同等の実用上充分な照度を得ることができる。さらに、この手持ち器具は、可視光LED20を使用しているので、電力消費が少なく、照明持続時間を長くすることができる。例えば、白熱電球を使用する場合に比べて、数十倍から数百倍も長い照明持続時間を得ることができる。さらに、この手持ち器具は、可視光LED20に光を集光させる第1の光学媒体212、第2の光学媒体21及び第3の光学媒体11を備えただけの簡易な構造で構成することができる。また、この手持ち器具は、簡易な構造なので、製作が容易で、製作コストも削減することができる。
【0050】
さらに、第3の光学媒体11を利用してペン軸10を形成しているので、筆記具本体1に使用される部品点数を削減することができる。部品点数の削減により、より一層簡易な構造の手持ち器具を実現することができる。この結果、さらに、製作が容易で、かつ製作コストが削減できる照明装置付き手持ち器具を実現することができる。
【0051】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具は、第1の光学媒体212、第2の光学媒体21、第3の光学媒体11、光分散部19の少なくともいずれか1つに着色を施し、研究発表会や講演会などでメモをとる際に周囲の人に迷惑がかからない程度に、又デザイン性を高めるために、白色光ではなく、赤(R)色、黄色、紫色等の色を帯びた光を照射できるように構成してもよい。
【0052】
以下に、本発明の第1の実施の形態の照明装置付き手持ち器具の変形例(第1乃至第5の変形例)について説明する。これらの第1乃至第5の変形例によっても、図1乃至図3に示す手持ち器具で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0053】
第1の変形例:
図4(A)に示す手持ち器具(筆記具)は、図1乃至図3に示す手持ち器具(筆記具)と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1のペン先14を保護し、ペン軸10に着脱自在に取り付け取り外しができるアウターキャップ31を備えている。そして、このアウターキャップ31にはクリップ32が取り付けられている。
【0054】
また、アウターキャップ31の少なくとも、ペン先14近傍を透明材料で形成し、このペン先14近傍の幾何学的形状を所定の形状に選んでおけば、アウターキャップ31を付けたままでも懐中電灯として機能させることが可能である。
【0055】
第2の変形例:
図4(B)に示す手持ち器具は、図4(A)に示す筆記具(手持ち器具)と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1を万年筆として構成している。即ち、筆記具本体1は、万年筆のペン先140と、このペン先140にインクを供給するインクカートリッジ150とを備えて構成されている。
【0056】
この図4(B)に示す筆記具(手持ち器具)においては、筆記具本体1を万年筆として構成しているが、図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0057】
第3の変形例:
図5(A)に示す手持ち器具は、図4(A)に示す筆記具と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1を筆型ペン(毛筆ペン)として構成している。即ち、筆記具本体1は、筆型ペンの毛筆ペン先141と、この毛筆ペン先141に墨汁を供給する墨汁カートリッジ151とを備えて構成されている。
【0058】
この図5(A)に示す筆記具においても、図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0059】
第4の変形例:
図5(B)に示す手持ち器具は、図4(A)に示す筆記具と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1をマジックペンシルとして構成している。即ち、筆記具本体1は、マジックペンシルのペン先142と、このペン先142にマジックインクを供給するマジックインクカートリッジ152とを備えて構成されている。
【0060】
この図5(B)に示す筆記具においても、図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0061】
第5の変形例:
図6に示す手持ち器具は、図1乃至図3に示す筆記具と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1をシャープペンシルとして構成している。即ち、筆記具本体1は、芯180をガイドする芯先ガイド161及びチャックスリーブストッパー162を含むペン先160と、複数本の替芯181を収納しておく替芯カートリッジ170と、この替芯カートリッジ170に替芯181を補給するために着脱自在に装着されたカートリッジ蓋176と、芯180を芯先ガイド161から適量送り出すためのノック機構とを備えている。
【0062】
ノック機構は、芯180を保持するとともに軸心方向に移動可能なチャック173と、このチャック173の開閉動作を制御するチャックスリーブ172と、チャック173と替芯カートリッジ170との間を連結する連結管171と、チャックスリーブストッパー162で軸心方向の動きが止められたチャックスリーブ172内部にチャック173が配設されるように作用するコイルスプリング174と、替芯カートリッジ170に取り付けられ連結管171を介してチャック173を軸心方向にスライドさせるためのスライダー175とを備えて構成されている。
【0063】
つまり、ノック機構は、スライダー175をペン先160の方向にスライドさせることによって、連結管171を介してチャック173をチャックスリーブ172から抜け出るように押し出し、チャックスリーブ172から抜け出ることでチャック173を開き、この状態でチャック173の移動とともに芯180を適量送り出すようになっている。そして、ノック機構は、スライダー175に加えていた力を解除することによって、コイルスプリング174が元の位置に戻るように作用するので、チャックスリーブ172の内部にチャック173を収納してチャック173を閉じ、このチャック173で芯180を保持するようになっている。
【0064】
(第2の実施の形態:施錠解錠システムの基本)
本発明の第2の実施の形態は、本発明の第1の実施の形態に係る照明装置付き手持ち器具の基本的な構造を利用して、この手持ち器具から光信号を送信し、玄関や門、各部屋のドア、自動車のドア、机の引き出し、家具の引き出しや扉、印鑑箱や小物箱の蓋等の施錠対象物に対して施錠や解錠を行う施錠解錠システムを説明するものである。
【0065】
図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システムは、手持ち器具からなる信号発信部4とし、この信号発信部(手持ち器具)4と、この信号発信部(手持ち器具)4からの光信号を受信する信号受信部5を有する施錠対象物とから構成される。即ち、本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システムを構成する手持ち器具は、第1の光学媒体412によりモールドされ、この第1の光学媒体412の頂部より、光信号を出力する半導体発光素子としての可視光LED40と、第1の光学媒体40を収納する第1の空洞部を内部に有する第2の光学媒体41と、ペン軸として機能し、且つ第2の光学媒体を着脱可能なようにして収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体11とを具備する。一方、施錠対象物は、信号発信部(手持ち器具)4から出射された光信号を受信する信号受信部5と、受信された光信号が所定の信号であると判定された場合に解錠を行うロック機構6とを具備する。さらに、施錠対象物には、信号受信部5に電源を供給する駆動電源部7が含まれている。
【0066】
第3の光学媒体11からなる筆記具本体1は、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具で説明した筆記具本体1(第1の変形例から第5の変形例で説明した筆記具本体1が含まれる。)と同一のものであるので、詳細な説明は省略する。
【0067】
信号発信部4は、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具で説明したライト部本体2と基本的な構成は同一であり、照明器具としても使用することができるが、第2の実施の形態においては、信号受信部5に光信号を送信出来るように構成されている。即ち、信号発信部4は、信号受信部5に光信号を送信し、これによりロック機構6を制御し、机の引き出し等の施錠又は解錠を行う「電子鍵」としての送信器を構築できるようになっている。
【0068】
即ち、信号発信部4は、半導体発光素子チップ(可視光LEDチップ)410と、可視光LEDチップ410から発せられる光(光信号)を集光させる第1の光学媒体412及び第2の光学媒体41と、可視光LEDチップ410を駆動する電圧を供給する電源部44と、電源部44の電源供給を制御するスイッチ部46とを備えて構成されている。可視光LEDチップ410とこれをモールドする第1の光学媒体412とで、半導体発光素子(可視光LED)40が構成されている。なお、本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システムに用いる可視光LED40としては、本発明の第1の実施の形態と同様に、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、暗闇筆記の際の局所照明に用いること、及び後述する(第3の実施の形態参照)各色の発光強度の比による符号化を実施することを考えれば、白色LEDが好ましい。白色LEDは種々の構造のものが使用できる。たとえば、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップを縦に積層して構成しても良い。この場合、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップを互いに独立に並列動作させる必要性を考慮すると、それぞれの色の電源回路を並列に設け、独立の制御回路を付加しておくことが好ましい。また、緑(G)色及び青(B)色のLEDは、赤(R)色のLEDに対して、一般に動作電圧が高いので、内部抵抗等を設けて、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3色のバランスをとっても良い。色による符号化を実施しない場合は、内部抵抗等を設けて、電圧のバランスをとれば、電源部44及びこの電源部44の電源供給を制御するスイッチ部46を共通として、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップを同時に並列動作させることが可能である。
【0069】
但し、昼間は、白色光を出力することができる可視光LED(白色LED)では、ビームとして施錠対象物を照射した場合に、その照射点が見にくいので、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3色光の内のいずれかを選択的に照射するようにしても良い。いずれにしても、手持ち器具として使用する時は、白色光を発し、セキュリティ機能を付加する等の所定の情報処理が必要な際には、特定の色のLEDの発光強度やパルス幅、順序等を独立に制御出来るように、スイッチや論理回路で、LEDの動作モードを切り替えて使用出来るようにしておいても良い。このような場合は、図1に示したスイッチ部26は、第1の実施の形態のような簡単な構造ではなく、RAM等の半導体メモリ、論理回路やパルス発信器、電圧調整器等の変調部(第3の実施の形態参照)を構成する所定の電子回路が組み込まれる。
【0070】
本発明の第1の実施の形態と同様な構造(図2参照)により、信号発信部4の一端(頂部)側はプラグ形状をなし、筆記具本体1の端部のなすソケット形状部に挿入され、着脱自在に装着できるようになっている。プラグ形状の一部に雄ネジ、ソケット形状の一部に雌ネジを設けておけばよい。筆記具本体1のペン軸10を構成する第3の光学媒体11は、プラグ形状をなす第2の光学媒体41を介して伝播されてきた光信号をさらに効率良く集光出来る幾何光学的形状をなしており、集光後これを先端部方向に伝播させ、この伝播されてきた光信号は光分散部19を通して最終的に外部に出力される。
【0071】
一方、施錠対象物を構成するロック機構6は、比較器等を用い、光検出器50の出力電流のレベル判定、若しくは抵抗を介して出力電圧のレベル判定をし、所定の光入力が入力されたか否かを判断する。所定の光入力が入力されたと判断されたときのみ、ロック機構6は、所定の駆動メカニズムにより、解錠動作を行う。そして、ロック機構6は、光検出器50が所定の光入力を検出しなければ、施錠状態(ロック状態)を維持している。また、解錠動作後は、所定のタイマーにより自動的に施錠しても良く、再び所定の光入力を光検出器50が検出したときロック機構6が施錠動作をするようにしても良い。
【0072】
信号受信部5には、種々の光検出器50が採用可能であるが、フォトダイオード等の半導体光検出器がコンパクト化に適し、また高感度である。フォトダイオード50としては、半導体発光素子(可視光LED)40と全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を持つ半導体材料からなるダイオードを用いればよい。即ち、発光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)と受光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を等しくすることで、波長選択性を有した最も高感度な光検出が可能となる。光検出器(フォトダイオード)50においては、光学的固有エネルギ(禁制帯幅)より大きなエネルギの光が入力されない限り電流が流れないが、特に、光学的固有エネルギ(禁制帯幅)と同じエネルギを有した光が入力した場合には波長共鳴効果が加わるので、極めて高感度検出となる。この場合、フォトダイオード50として、可視光LEDと全く同一のLEDを逆バイアスにして使用することも可能である。また、光検出器50として、光学的固有エネルギ(禁制帯幅)が可視光LEDと全く同一の半導体材料からなるAPDを用いても良い。さらに、光検出器50としては、可視光LEDと全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を有する半導体材料を用いて構成したフォトトランジスタを用いても良い。
【0073】
例えば、ロック機構6がロック機構6に前もって登録された波長スペクトルと全く同一の波長スペクトルの白色光が入力したときのみ、ロック機構6を解除させるような動作をさせることができる。本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システムに白色LEDを用いた場合には、周知のように、白色光は赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3色の光の混合であるので、この3色光で信号の送受信を行うことになる。即ち、3チャネルの信号伝送系を有するので、揺らぎやノイズに強く、信号受信部5において極めて高い感度で光検出を行い、施錠解錠を行うことができる。
【0074】
一般に信号受信部5は、玄関や門、各部屋のドア等に設置する場合には、スペース的な余裕がある。従って、信号受信部5において、信号発信部4の可視光LED40からの光を集光するためには、このスペース的な余裕を考慮すれば、種々のレンズ等の周知の光学系が採用可能である。また光路の可逆性を考えれば、筆記具1に用いられている光学媒体と同一の光学系を採用して、光検出器50に光信号を集光させることも可能である。
【0075】
なお、スペース的な余裕があるのであれば、光電子増倍管等の半導体光検出器以外の光検出器の使用が可能である。この場合は、それぞれの色に対応した色フィルタを付加することが好ましい。また、半導体光検出器の場合は、先に述べたように、可視光LED40と全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を持つ半導体材料を用いることにより、光フィルタを内蔵したと等価な効果を発揮しているが、更に、それぞれの色フィルタを付加すれば、長波長側の検出器が短波長の光の影響を受けなくなるので、好ましい。
【0076】
このようにして、施錠動作又は解錠動作の安定性に優れた施錠解錠システムを構成できる。
【0077】
図7に示す本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システムは、信号発信部4と信号受信部5とが近接していれば、充分に機能する。しかし、第3の光学媒体11を介して伝播されてきた光信号は、光分散部19を通して、分散するように外部に出力されるため、遠方の標的を照射するのは不利である。光分散部19は、暗闇筆記時の便宜を考慮して構成した構造であり、光信号の遠方への送信についての考慮はされていない。そこで、遠方の標的に対して、光信号を照射し、信号受信部5に受信された信号に基づき、施錠又は解錠を行うためには、図8のように、筆記具本体1をライト部本体2から取り外し、ライト部本体2の第2の光学媒体41露出させて使う方が好ましい。第2の光学媒体41露出させ、この第2の光学媒体41の表面からの平行光線または、所定の焦点距離に集光された光で信号受信部5に、光を照射すれば、遠方の標的に対して、有効な光信号を照射して、施錠動作又は解錠動作を行うことが出来る。
【0078】
図8は、遠隔操作可能な施錠解錠システムの概略構成図である。第1の実施の形態において、本発明の手持ち器具は、筆記具本体1とライト部本体2とに分解して、ライト部本体2を単独使用可能なように構成されていることを説明した。図8においては、信号発信部4は、筆記具本体1を取り外した状態のライト部本体2であり(図2参照)、第2の光学媒体41の表面からの平行光線で、信号受信部5に、光を照射している。施錠対象物側は、図7と全く同一の構成で、信号受信部5とこれに電源を供給する駆動電源部7、及び信号受信部5の出力に応じて動作するロック機構6とから構成されている。そして、ロック機構6は、光検出器50の出力電流若しくは、出力電圧のレベル判定をし、所定の光入力が入力されたか否かを判断する。他は、図7と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0079】
図9(a)は、図8に対応した平行ビームで遠隔操作する場合で、図9(b)は、図7に対応した、近接操作する場合の具体例である。図9(a)に示す施錠解錠システムは、施錠対象物である机81に組み込まれており、引き出し83の前板85内側近傍に信号受信部5、ロック機構6としての電磁ソレノイド60、電磁ソレノイド60に駆動電流を供給する駆動電源部7とを備えている。机81には施錠時に電磁ソレノイド60のシャフトが入り込む施錠穴82が配設されている。また、引き出し83の前板85には外側に通じる光信号取り込み穴(光学鍵穴)84が配設されている。信号発信部4の可視光LED40の光以外の太陽光等による迷光で誤動作を防止するためには、光信号取り込み穴(光学鍵穴)84は、前板85の厚みに比して相対的に小さな直径の貫通孔として構成しておけばよい。即ち、平行ビームのみが有効に、光信号取り込み穴(光学鍵穴)84を介して信号受信部5に到達するようにしておけばよい。
【0080】
この図9(a)に示す施錠解錠システムにおいては、信号発信部4の可視光LED40から発せられた光信号を光信号取り込み穴(光学鍵穴)84を通して信号受信部5で受信し、この信号受信部5で受信された光信号に基づき駆動電源部7から電磁ソレノイド60に駆動電流が供給される。この電磁ソレノイド60のシャフトを例えば駆動電流により降下させた場合には、施錠穴82とシャフトとの結合が外れ、解錠動作を行うことができる。逆に、電磁ソレノイド60のシャフトを駆動電流により上昇させた場合には、施錠穴82にシャフトを結合させ、施錠動作を行うことができる。
【0081】
一方、近接操作する場合は、光信号取り込み穴(光学鍵穴)84の構造が異なる。図9(b)に示すように、光学鍵穴84は、筆記具本体1の先端部の光分散部19を収納できるように、光分散部19の外径より、極僅か、例えば0.1乃至0.3mm程度大きい内径となる相似形をなしている。そして、光学鍵穴84の内部に丁度、光分散部19が収納された状態で信号受信部5の光検出器に光(分散光)が到達するようになっている。最近接位置に、光検出器を配置することにより、分散光であっても、有効な光強度を維持することが出来る。
【0082】
さらに、図示を省略しているが、光学鍵穴84の内径部の一部に、押しボタンを設けても良い。そして、光学鍵穴84の内部に、筆記具本体1の先端部が挿入されたとき、押しボタンが押し込まれ、この押しボタンにより、信号受信部側の電源がオン状態となるようにしておけば、省エネルギー化が可能である。また、机に直射日光が照射した時の誤動作等の防止も可能である。
【0083】
さらに、図9(b)に示す信号受信部5の光検出器として1次元若しくは2次元のイメージセンサを用い、光分散部19の表面に暗号化(コード化)された所定の空間パターンを設けておけば、特定の人間の持つ特定の手持ち器具の所定のパターンを識別したときのみ、解錠できるように出来る。さらに、第3の光学媒体11の一部もしくは、光分散部19の一部にホログラムカラーフィルタを設けておき、信号受信部5でホログラムパターンを認識するようにしても良い。
なお、信号受信部5、ロック機構6及び駆動電源部7を備えた施錠解錠システムは、図9に示した施錠対象物である机81の引き出し83の前板85に組み込まれる場合に限定されるものではなく、例えば家具の引き出しや扉、印鑑箱や小物箱の蓋、金庫の扉や蓋等の種々の施錠対象物に組み込むことができる。さらに、塀や門、玄関のドア、各部屋のドア、自動車のドア等を施錠対象物として使用することもできる。
【0084】
(第3の実施の形態:セキュリティ機能を有した施錠解錠システム)
上記の図9(b)に関連して、空間的なパターンを認識する方法をのべたが、この例で理解できるように、所定の個人識別情報を光信号として用いることにより、本発明の照明装置付き手持ち器具は、セキュリティ機能を向上させた施錠解錠システムに適用可能である。本発明の第3の実施の形態においては、このようなセキュリティ機能を有する施錠解錠システムについて説明する。
図10に示すように、本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティ機能を有する施錠解錠システムは、手持ち器具を光信号を送信する信号発信部4とし、この手持ち器具(信号発信部)4と、この手持ち器具(信号発信部)4からの光信号を受信する信号受信部5を有する施錠対象物とから構成される施錠解錠システムであることである。即ち、本発明の第3の実施の形態に係る手持ち器具は、第1の光学媒体412によりモールドされ、この第1の光学媒体412の頂部より、光信号を出力する半導体発光素子としての可視光LED40と、所定の個人識別情報を含ませるために、光を変調し光信号を生成する変調部400と、第1の光学媒体412を収納する第1の空洞部を内部に有する第2の光学媒体41と、ペン軸として機能し、且つ第2の光学媒体41を着脱可能なようにして収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体11とを具備する。一方、本発明の第3の実施の形態に係る施錠対象物は、手持ち器具(信号発信部)4から出射された光信号を受信する信号受信部5と、受信された光信号に含まれた個人識別情報が、施錠対象物に登録された個人識別情報に一致するか否か確認し、一致が確認された場合に解錠を行うロック機構6とを具備する。さらに、施錠対象物には、信号受信部5に電源を供給する駆動電源部7が含まれている。
【0085】
ここで、半導体発光素子としての可視光LED40は、第1の波長λ(赤色)の光を発光する第1の半導体発光素子チップ(LEDチップ)410(R)と、第1の波長λとは異なる第2の波長λ(緑色)光を発光する第2の半導体発光素子チップ(LEDチップ)410(G)と、第1及び第2の波長λ,λとは異なる第3の波長λ(青色)光を発光する第3の半導体発光素子チップ(LEDチップ)410(B)とを有している。そして、変調部400は、第1の光の強度I及び第2の波長の光の強度Iの比(=I/I)、第2の光の強度I及び第3の波長の光の強度Iの比(=I/I)、或いは第3の光の強度I及び第1の波長の光の強度Iの比(=I/I)等を所定の値に設定することにより個人識別情報を含む光信号を生成する。また、信号受信部は、第1、第2及び第3の半導体発光素子チップ410(R),410(G),410(B)と同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を有した半導体材料からなる第1、第2及び第3の光検知器51(R),52(G),53(B)とからなる。さらに、ロック機構6は、第1、第2及び第3の光検知器51(R),52(G),53(B)の出力から生成した信号と、登録された個人識別情報との一致を調べる比較器631と、登録された個人識別情報との一致が確認された場合に、解錠を行うロック・ドライバ632とからなる。さらに、ロック機構6は、RAM632を具備し、個人識別情報はRAM632に記憶させておくことが出来る。
【0086】
既に、第1の実施の形態において説明したように、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)の3枚のLEDチップを縦に積層して構成して、白色LEDを構成できる。図10においては、変調部400は、これら赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)の3枚のLEDチップをそれぞれ、独立に制御する。この変調部400は、電源部44からの電圧を、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)の3枚のLEDチップにそれぞれ独立に制御することにより、各色の相対的強度を制御し、その混合比により任意の色が出力出来るようになっている。たとえば、変調部400は、3枚のLEDチップのそれぞれを8ビットの多値階調データをD/A変換して、制御する。このため、変調部400は、電源部44からの電圧を、それぞれ8ビットの信号で、3回路分独立に制御できるD/A変換器と電圧調整器を有している。また、変調部400は、電源部44からの電圧の供給だけでなく、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)の3枚のLEDチップに印加する電源電圧のパルス幅及び繰り返し周波数の調整、さらには、2値のコード化された信号として所定の符号化を行ってもよい。このような場合は、論理回路やパルス発信器等の電子回路が変調部400に組み込まれる。また、8ビットの多値階調の各色のデータ、或いは、2値のコード化された信号等を記憶するRAM等の半導体メモリも組み込まれている。これらの変調部400に必要な、RAM等の半導体メモリ、論理回路やパルス発信器、電圧調整器等の電子回路等は、図1に示したスイッチ部26に、1チップの半導体集積回路として組み込まれている。この半導体集積回路にマイクロプロセッサを組み込んでも良い。これらの半導体集積回路により、セキュリティ機能を付加するために必要な特定の色の強度やパルス幅、順序等を独立に制御し、これらの情報を蓄えておくことが出来る。
【0087】
さらに、図1に示した構造のライト部本体2のどこかに、テンキーやその他の文字入力用のキーボード等を備え、このテンキーやキーボード等により、より複雑なコード信号や暗号を入力できるようにしておくことも可能である。この場合には、筆記具本体1をライト部本体2から取り外し、筆記具本体1のペン先を用いて、キーボード等を操作すればよい。このキーボード等は、例えば、図1に示すクリップ30に設けても良い。
【0088】
一方、本発明の第3の実施の形態に係る施錠解錠システムの信号受信部5は、赤色帯域の半導体光検出器51(R)、緑色帯域の半導体光検出器52(G)、青色帯域の半導体光検出器53(B)の並列接続回路で構成されている。これらの半導体光検出器51(R),52(G),53(B)としては、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)のそれぞれと全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を持つ半導体材料からなるフォトダイオード51(R),52(G),53(B)を用いればよい。即ち、発光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)と受光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を等しくすることで、波長選択性を有した最も高感度な光検出が可能となる。なぜなら、光検出器(フォトダイオード)51(R),52(G),53(B)においては、禁制帯幅以上のエネルギを有した光が入力されない限り電流が流れず、禁制帯幅と同一のエネルギの光が入力した場合には波長共鳴効果が加わるので、極めて高感度検出となるからである。この場合、フォトダイオード51(R),52(G),53(B)として、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)と全く同一のLEDを逆バイアスにして使用することも可能である。また、光検出器51(R),52(G),53(B)として、禁制帯幅が可視光LEDと全く同一の半導体材料からなるAPDを用いても良い。さらに、光検出器51(R),52(G),53(B)としては、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)と全く同一の禁制帯幅を有する半導体材料を用いて構成したフォトトランジスタを用いても良い。さらに、フォトトランジスタをダーリントン接続して構成すれば、より高感度な検出が可能である。
【0089】
そして、ロック機構6は、さらに、レベル判定器611,612,613、波形整形回路(若しくはA/D変換器)621,622,623を有している。即ち、各色の光検出器51(R),52(G),53(B)の出力側には、それぞれ、レベル判定器611,612,613が接続され、レベル判定器611,612,613の出力側には波形整形回路(若しくはA/D変換器)621,622,623が接続されている。そして、それぞれの光検出器51(R),52(G),53(B)の出力が所定のレベルに達した時のみ、2値若しくは多値の出力を波形整形回路621,622,623が出力する。波形整形回路621,622,623からは、それぞれ、例えば、8ビットの多値階調信号を出力する。そして、RAM632に格納された8ビットの各色の多値階調データと比較器631で比較し、一致が確認された時のみ、ロック・ドライバ640を駆動し、解錠動作を行う。もし、比較器631で一致が確認されなけければ、ロック・ドライバ640を施錠状態(ロック状態)を維持している。また、解錠動作後は、所定のタイマー等により一定の時間経過後に自動的に施錠しても良く、再び所定の光入力を光検出器51(R),52(G),53(B)が検出し、再び比較器631がRAM632に格納された8ビットの多値階調データと一致が確認された時に、ロック・ドライバ640が施錠動作をするようにしても良い。
【0090】
さて、上記において、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)のそれぞれと全く同一の禁制帯幅を持つ半導体材料からなるフォトダイオード51(R),52(G),53(B)を用いれば、波長選択性を有した最も高感度な光検出が可能と説明したが、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)のそれぞれの発光のタイミングは注意が必要である。即ち、赤(R)色の光により、緑色の半導体光検出器52(G)及び青色の半導体光検出器53(B)には光電流が流れないが、緑(G)色の光は赤(R)色の光よりエネルギが高いので、緑(G)色の光により、赤色の半導体光検出器51(R)に光電流が流れる。また、最もエネルギが高い青(B)色の光によれば、赤色の半導体光検出器51(R)及び緑色の半導体光検出器52(G)に光電流が流れるので、信号処理が複雑になるからである。これを防ぐには、赤(R)色、緑(G)色のバンドパスフィルタを用いるのが一つの手法であるが、装置が複雑化する。最も簡単且つ有効な手法は、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)が、それぞれ単独発光するように、LEDの駆動パルスのタイミングとそのパルス幅を選び、互いにオーバーラップがないように、発光のタイミングを互いにずらすことである。このような発光のタイミングの選定により、波長共鳴効果を用いた高感度検出が可能となる。
【0091】
あるいは、赤(R)色、緑(G)色、青(B)色の順にタイミングをずらしてオーバーラップさせ、光検出器51(R),52(G),53(B)の出力の微分変化を求める方法や、逆に、青(B)色、緑(G)色、赤(R)色の順にタイミングをずらしてオーバーラップさせ、光検出器51(R),52(G),53(B)の出力の微分変化を求める方法を採用しても良い。
【0092】
このようにして、特定の個人がそれぞれ、自由に、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の強度を選び、その強度比を、施錠解錠システムの必要情報(個人識別情報)とすれば、他人には絶対に解錠出来ないセキュリティ・システムを実現させることが可能である。赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の強度の組み合わせは、多値階調のビット数を選べば、ほとんど無限通りに近く可能であるので、極めて多くの人のが多くの機器に使用可能である。この施錠解錠システムの必要情報(個人識別情報)は、図1に示したスイッチ部26に内蔵したRAMに記憶しておいても良く、その都度テンキー等を使って入力しても良い。あるいは、リセット手段を設け、解錠情報を、随時変更出来るようにし、最新のコード信号のみを記憶出来るようにしてもかまわない。
【0093】
さて、発光のタイミングの選定は様々考えることが可能である。最も、単純なのは、R,G,Bが、この順に、オーバーラップがないように、それぞれ単独発光するように選定する方法である。この場合、信号発信部4及びロック機構6において、共通のクロック周波数を選んでおき、そのクロック周波数に応じて、順に発光させればよい。ロック機構6側では、クロック周波数に応じて光検出のゲートを開く同期検出を行えば、ノイズ成分や迷光の影響を回避できる。そして、好ましくは、R,G,Bの順の発光を1サイクルとし、このR,G,Bのサイクルを所定のサイクル数繰り返し、アキュムレータ等により積分値を求めれば良い。このようにR,G,B;R,G,B;・・・・・という単純な繰り返しを、所定のサイクル数繰り返し、その積分値で、個人識別情報(施錠解錠システムの必要情報)の一致を確認する方法を採用すれば、太陽光による迷光成分が多い環境でも、より高精度で、信頼性の高い光検出が可能となる。この場合、所定のサイクル数の繰り返し後の積分値と、RAM632に格納された8ビットの多値階調データとを比較器631で比較し、一致を確認することになる。ここで、「所定のサイクル数」とは、1サイクルでも良い。サイクル数は直射日光が当たるか否か等の使用環境やLEDの出力、半導体光検出器の感度等に応じて、選べばよい。
【0094】
一方、LEDの駆動パルスのタイミングの選び方で、個人識別情報(施錠解錠システムの必要情報)を生成することも可能である。たとえば、甲さんはRRBGBR,RRBGBR,RRBGBR,・・・・・、乙さんはBRBRGG,BRBRGG,BRBRGG,・・・・・、丙さんは、GGGGBR,GGGGBR,GGGGBR,・・・・・のように、それぞれ、自由にタイミングを選び、その発光の順番を個人識別情報(施錠解錠システムの必要情報)とすることも可能である。
【0095】
この場合、対象となる特定の被施錠物以外の他の複数の個人識別情報のコードをシーケンシャルに並べて、シーケンシャルに発光させても良い。例えば、同一の人間が複数の玄関のドアの鍵、複数の部屋のドアの鍵、複数の自動車のドアの鍵、複数の机の引き出しの鍵、複数の家具の引き出しや扉の鍵、印鑑箱や小物箱の蓋の鍵、金庫の扉や蓋等の容器の鍵を開ける必要がある。この場合、これらの複数の玄関のドアの鍵、複数の部屋のドアの鍵等の多くの解錠のコードをすべて、手持ち器具に内蔵されたRAM等の半導体メモリに記憶させておけばよい。そして、これらの個人識別情報のコードを乗せた各色の発光をシーケンシャルに連続して行い、ロック機構6がそのロック機構6の内蔵するROMに登録された個人識別情報との比較を行い、この内の一つに対し一致を確認すれば、その被施錠物を解錠するようにすれば、たくさんの鍵のうちから特定の鍵を探し出す手間が不要となる。また、たくさんの鍵を持ち歩く必要もなくなる。
【0096】
さらに、各色のパルス幅を選定して、それを個人識別情報とすることも出来る。パルス幅を選定する場合、信号発信部4及びロック機構6において、共通のクロック周波数を選んでおき、そのクロック周波数を基準としてパルス幅を選んでも良い。即ち、クロック周波数に応じて光検出のゲートを開く同期検出を行えば、ノイズ成分や迷光の影響を回避できる。しかし、ノイズ成分や迷光の影響の少ない使用環境のもとでは、クロック周波数に無関係に選んで良いことは勿論である。 さらに、通常の情報処理システムに用いられている種々の符号化技術が、各色(各チャネル)について、それぞれ適用可能で、それをさらに全部の色で組み合わせて実施することも可能である。
【0097】
なお、図10に示す本発明の第3の実施の形態に係る施錠解錠システムは、図9(b)に対応した信号発信部4と信号受信部5とを近接させる場合の例を示しているが、この例に限られない。例えば、図9(a)に示す場合のように、平行光線または、所定の焦点距離に集光された光で遠方に位置する信号受信部5に光を照射する方式にも適用可能であることは勿論である。この場合は、筆記具本体1をライト部本体2から取り外し、ライト部本体2の第2の光学媒体41露出させ、この第2の光学媒体41の表面からの出力光を用いればよい。
【0098】
平行光線や所定の焦点距離に集光された光で遠方を照射する場合は、半導体光検出器51(R),52(G),53(B)に入力する光強度が距離に依存する可能性がある。しかし、本発明の第3の実施の形態に係る施錠解錠システムにおいては、半導体光検出器51(R),52(G),53(B)に入力する光強度の絶対値を、必要な情報として検出しているのではなく、各色の相対的な強度比を検出しているので、距離が変化しても、必要な情報の信頼性が失われることはない。
【0099】
(その他の実施の形態)
以上、本発明を上記第1乃至第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0100】
例えば、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具において、第3の光学媒体の屈折率の分布が一様な場合を示した。しかし、第3の光学媒体の屈折率の分布は必ずしも一様である必要はない。図11に示すように構成して、第3の光学媒体の屈折率の分布を不均一にしても良い。図11においては、樹脂製光ファイバー111の複数本を集合し、これを本発明の第3の光学媒体として用いている。周知のように、光ファイバー111は屈折率の高いコア部と屈折率の低いクラッド部から構成されているので、複数本の樹脂製光ファイバーの互いのクラッド部を融合すれば、一体化した第3の光学媒体が構成できる。図11(A)に示すように、第3の光学媒体を構成する各ファイバー111の端部を第2の光学媒体21に対して所定の角度に配向することにより、半導体発光素子(可視光LED)20の光を有効に第3の光学媒体に導くことが出来る。図11(B)に示すように、この例では、8本の樹脂製光ファイバーのクラッド部111が示されているが、この各クラッド部はそれぞれ8個の光分散部19に導かれている。そして、この互いに融合した8本の樹脂製光ファイバー111は、ペン軸筐体110の内部に収納されている。或いは、透明の光学材料中に8本の貫通孔を形成し、それぞれの貫通孔孔の中に、コア部とそれを覆うクラッド部からなる光ファイバー111を挿入しても良い。いずれにしても、光ファイバー111は光の伝送効率が高いので、手持ち軸部(第3の光学媒体)10が長くなるような構造の手持ち器具には有効である。また、樹脂製光ファイバー111は安価で、熱による加工も容易であるので、樹脂製光ファイバー111を用いることにより、簡単且つ低コストで、手持ち器具を製造することが可能となる。
【0101】
また、筆記具は前述したボールペン、万年筆、毛筆ペン、マジックペンシル、シャープペンシルに限られるものではない。さらに、蛍光インクペン、修正インクペン等の様々な筆記具に応用できることは上記の説明により、本発明の趣旨を理解すれば、自明であろう。また、構造は若干複雑になるが、ボールペンとシャープペンシル等2つ以上の機能を有した筆記具や多色のボールペンでもかまわない。また、電子手帳やパーソナルコンピュータ等に入力するための電子ペンでもかまわない。
【0102】
さらに、筆記具は本発明の手持ち器具の例の一部に過ぎず、本発明を限定するものではない。図1に示した構造において、インクカートリッジ15の位置に、押し出し運動若しくはねじれ運動をする固形状物(棒紅)を配置すれば、化粧器具(棒口紅)を構成することも可能である。本発明によれば、図1と同様に、光分散部を設けることにより、口だけでなく、顔全体の広い範囲を照明できるので、非常に便利である。さらに、図5(A)の構造を変形すれば、化粧筆を構成することも可能である。航空機の客室乗務員等の、特定の状況においては、暗闇で化粧を直したい場合もあり、かかる場合には本発明の照明装置付き化粧器具は便利である。特に、本発明の照明装置付き化粧器具は白色光が使用できるので、昼間と同じ自然な感じの化粧が暗闇で可能である。
【0103】
さらに、本発明の手持ち器具は、図12に示すドライバ、図13に示すスパナ、図示を省略したレンチ等種々の手工具にも適用可能である。図12に示すドライバは、工具本体1Tとライト部本体2とに着脱自在になっている。第3の光学媒体11からなる手持ち軸部(柄)10Dは、円筒形の第3の空洞部を有し、この第3の空洞部には、金属棒からなるドライバ軸(中心軸部)115が収納され、第3の光学媒体11とドライバ軸115とは、軸ストッパ116により互いに強固に固定されている。また、第3の光学媒体11の先端部は凸形状になり、光集光部11Bを構成し、作業時にドライバ軸115の先端部(ヘッド)が効率よく局所照明出来るようになっている。例えば、工具本体1Tをライト部本体2から取り外し、手工具本体1Tのみを工具箱に収納し、ライト部本体2は胸のポケット等に別途携帯すれば、工具箱の施錠・開錠が別途携帯したライト部本体2の第2の光学媒体の表面からの出力光を用いて可能となる。図12においては、力を加え易くするために、ライト部本体2の頭が大きくなっているが、図1と同様に、ライト部筐体23の他端側の外周にクリップを取り付けておけば、ライト部本体2を例えば作業服のポケットに常時携帯するのに便利である。
図13に示すスパナも同様に、工具本体1Dとライト部本体2とに分離可能なように構成されている。図13の工具本体1Dは強固な肉厚金属製の外装スリーブ12Sで、所定の力学的強度を保証し、外装スリーブ12Sの内部に第3の光学媒体11が設けられている。外装スリーブ12Sと第3の光学媒体11とで柄(手持ち軸部)10Sを構成している。長手方向に垂直な断面図を省略しているが、外装スリーブ12S及び第3の光学媒体11の垂直な断面は、扁平な矩形断面である。第3の光学媒体11の先端部は凸形状になり、ボルト・ナット回転部126の切り欠いた奥部に頂部を露出し、この頂部からの光で、被作業対象であるボルト・ナットを効率よく局所照明出来るようになっている。
【0104】
また、本発明の手持ち器具において、第3の光学媒体11の中間部分にハーフミラーを装着し、手持ち軸部10の中間部分から光を照射できるように構成してもよい。
【0105】
また、本発明の第3の実施の形態において、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の強度を8ビットの多値階調データで変える例を示したが、3色の組み合わせであるので、現実には3ビット程度の階調データでも充分に、個人識別情報のコード化は可能である。
【0106】
また、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3色の強度比を必ずしも必要とせず、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の内のいずれか2色の強度比を個人識別情報のコードとしてもよい。
【0107】
また、局所照明の目的は重要ではなく、単にセキュリテイ・システムとして考えるのであれば、可視光LEDだけでなく、赤外光LEDや紫外光LEDを含めた異なる波長のLEDを2以上選び、それらの波長の光の強度比を個人識別情報のコードとしてもよい。
【0108】
さらに、本発明の半導体発光素子は、LEDに限られるものではなく、半導体レーザを用いてもかまわない。可視光半導体レーザを用いれば、遠方の施錠対象物に簡単に光を照射出来る利点がある。また、赤外光半導体レーザや紫外光半導体レーザを含めた異なる波長の半導体レーザを2以上選び、それらの波長の光の強度比を個人識別情報のコードとしてもよいことは勿論である。この場合、赤外光半導体レーザや紫外光半導体レーザとの光強度比を決定する組み合わせの相手として、可視光半導体レーザを用いれば、遠方の施錠対象物に光が照射されているか否か簡単に視認出来る。
【0109】
また、第3の実施の形態に係るセキュリティ機能を有する施錠解錠システムにおいて、半導体発光素子410(R)、410(G)、410(B)をそれぞれ、パルス発光させ、ディジジタルな個人識別情報を生成する場合の例を示したが、正弦波で半導体発光素子の信号を変調し、アナログ信号による個人識別情報の一致を確認する方式でもかまわない。この場合は、信号発信部4の変調部400は、赤(R)色、緑(G)色、青(B)色の各波長に対応する周波数をキャリア周波数とし、ロック機構6の光検出器51(R),52(G),53(B)の出力には復調回路を設け、これらのキャリア周波数に重畳された、正弦波のアナログ信号を取り出せばよい。
【0110】
また、あまり強い光が不要な使用環境であれば、本発明の第1の実施の形態で説明した手持ち器具は別の構造も採用可能である。例えば、第2の光学媒体21と第3の光学媒体11との間を固定し、第1の光学媒体212と第2の光学媒体21との間を着脱可能なようにし、第1の光学媒体212の頂部から出る光を照明光源として使用可能である。そして、第2の光学媒体21と第3の光学媒体11とを同一材料で一体として構成し、第1の光学媒体212と第2の光学媒体21との間を着脱可能なようにすれば、部品点数が実質的に減少し、より構造が簡単になる。この場合でも、通常の半導体発光素子の明るさは確保できるので、一定の目的のためには充分機能可能である。
【0111】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、照明装置付き手持ち器具の構造を利用して光信号を送信し、この光信号を用いて、簡単に、施錠解錠システムを提供することができる。
【0113】
さらに、本発明の施錠解錠システムによれば、光を情報伝達手段に用いているので、電波方式に比し、周辺の機器への影響も少なく、逆に携帯電話等の周辺機器からの影響も少ない。
【0114】
さらに、本発明の施錠解錠システムによれば、光学鍵穴への光ビームの視認が容易で、システムのトラブル・シューティングも容易である。
【0115】
さらに、本発明のセキュリティ機能を有する施錠解錠システムは、雑音や直射日光の影響を受けにくく、さらに使用条件の変化により信頼性が失われることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具(筆記具)の断面構造図である。
【図2】図1の手持ち器具(筆記具)の一部を断面にして説明する分解構造図である。
【図3】図1の手持ち器具(筆記具)の光路に着目した模式図である。
【図4】図4(A)は本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図、図4(B)は第1の実施の形態の第2の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図である。
【図5】図5(A)は第1の実施の形態の第3の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図、図5(B)は第1の実施の形態の第4の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図である。
【図6】第1の実施の形態の第5の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システムの概略構成図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システムの他の概略構成図である。
【図9】図9(a)は、図8に対応した平行ビームで遠隔操作する場合の施錠解錠システムの具体例を示す図で、図9(b)は、図7に対応した、近接操作する場合の施錠解錠システムの具体例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る施錠解錠システムの概略構成図である。
【図11】図11(A)は、本発明の他の実施の形態に係る手持ち器具(筆記具)の長手方向に沿った断面構造図で、図11(B)は、図11(A)のB−B方向に沿った断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態に係る手持ち器具(手工具)の断面構造図である。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態に係る手持ち器具(手工具)の断面構造図である。
【符号の説明】
1 筆記具本体
1D,1T 工具本体
2 ライト部本体
4 信号発信部
5 信号受信部
6 ロック機構
7 駆動電源部
10 ペン軸(手持ち軸部)
10D,10S 柄(手持ち軸部)
11 第3の光学媒体
11B 光集光部
12 コーティング層
12S 外装スリーブ
14,140,141,142,160 ペン先
15,150,151,152 インクカートリッジ(中心軸部)
17 光学媒体結合部
18 筆記具側結合部
19 光分散部
20,40 可視光LED
21,41 第2の光学媒体
23 ライト部筐体
24,44 電源部
26,46 スイッチ部
28 ライト側結合部
30,32 クリップ
31 アウターキャップ
50〜53 光検出器(フォトダイオード)
60 電磁ソレノイド
81 机
82 施錠穴
83 引き出し
84 光信号取り込み穴(光学鍵穴)
85 引き出しの前板
110 ペン軸筐体
111 光ファイバー
115 ドライバ軸(中心軸部)
116 軸ストッパ
126 ボルト・ナット回転部
210,410 可視光LEDチップ
212,412 第1の光学媒体
400 変調部
401 送信部
500 受信部
501 復調部
611,612,613 レベル判定器
621,622,623 波形整形回路(若しくはA/D変換器)
631 比較器
632 RAM
640 ロック・ドライバ

Claims (7)

  1. 第1の波長の光を発光する第1の半導体発光素子チップと、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2の半導体発光素子チップと、前記第1及び第2の波長の光の強度比を所定の値に設定することにより個人識別情報を含む光信号を生成する変調部とを有する信号発信部と、
    前記第1の半導体発光素子チップと同一の光学的固有エネルギを有した半導体材料からなり、前記第1の波長の光を受信する第1の光検知器と、前記第2の半導体発光素子チップと同一の光学的固有エネルギを有した半導体材料からなり、前記第2の波長の光を受信する第2の光検知器とからなる信号受信部と、
    前記第1及び第2の光検知器の出力の比から生成した多値階調データと、登録された個人識別情報に対応する多値階調データとの一致を調べる比較器と、登録された個人識別情報に対応する多値階調データとの一致が確認された場合に、解錠を行うロック・ドライバとを有するロック機構
    とを備えることを特徴とする施錠解錠システム。
  2. 前記ロック機構が、
    前記第1の光検知器の出力の出力レベルを判定する第1のレベル判定器と、
    前記第2の光検知器の出力の出力レベルを判定する第2のレベル判定器と、
    前記第1のレベル判定の出力を多値階調信号に変換する第1のA/D変換器と、
    前記第2のレベル判定の出力を多値階調信号に変換する第2のA/D変換器
    とを更に備え、
    前記第1及び第2の光検知器の出力の比から生成される多値階調データが、前記第1及び第2のA/D変換器が出力する多値階調信号の比から生成されることを特徴とする請求項1に記載の施錠解錠システム。
  3. 第1の光学媒体によりモールドされ前記第1の光学媒体の頂部より光信号を出力する半導体発光素子、前記第1の光学媒体を収納する第1の空洞部を内部に有する第2の光学媒体、ペン軸として機能し且つ前記第2の光学媒体収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体、前記光信号に個人識別情報を含ませるために前記半導体発光素子を変調する変調部とを有する信号発信部と、
    前記信号発信部から出射された前記光信号を受信する信号受信部と、
    受信された前記光信号が所定の信号であると判定された場合に解錠を行うロック機構
    とを備えることを特徴とする施錠解錠システム。
  4. 前記第3の光学媒体は、第2の光学媒体を着脱可能に前記第2の空洞部に収納し、
    施錠動作及び解錠動作に前記第2の光学媒体露出させ、前記第2の光学媒体の表面からの平行光線または所定の焦点距離に集光された光を前記信号受信部に照射し、
    施錠動作及び解錠動作以外においては、前記第2の空洞部の内部に前記第2の光学媒体を収納して前記ペン軸を有する手持ち器具として用いることを特徴とする請求項3に記載の施錠解錠システム。
  5. 前記第3の光学媒体の先端部の一部と相似形のテーパ面を有し、前記第3の光学媒体の先端部を収納する光学鍵穴を更に備え、
    前記信号受信部が前記テーパ面に設けられ、
    前記テーパ面に前記第3の光学媒体の先端部が対向した状態で、前記第3の光学媒体の先端部から前記光信号を出射し、前記光信号を前記信号受信部が受信することを特徴とする請求項3に記載の施錠解錠システム。
  6. 前記第2の光学媒体と前記第3の光学媒体とを同一材料で一体として構成したことを特 徴とする請求項3又は5に記載の施錠解錠システム。
  7. 第1の光学媒体によりモールドされ前記第1の光学媒体の頂部より光を出力する半導体発光素子、前記第1の光学媒体を収納する第1の空洞部を内部に有する第2の光学媒体、ペン軸として機能し且つ前記第2の光学媒体を収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体とを有する信号発信部と、
    前記第3の光学媒体の先端部の一部と相似形のテーパ面を有し、前記第3の光学媒体の先端部を収納する光学鍵穴と、
    前記テーパ面に設けられ、前記第3の光学媒体の先端部から出射された前記光を受信するイメージセンサと、
    前記イメージセンサの出力が、所定のパターンであると判定された場合に解錠を行うロック機構
    とを備え、前記第3の光学媒体の先端部の表面に個人識別情報をコード化した空間パターンを設け、前記ロック機構は、前記イメージセンサが検出した前記空間パターンが、登録された個人識別情報に対応する空間パターンとの一致が確認された場合に、解錠を行うことを特徴とする施錠解錠システム。
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