JP5166512B2 - 高性能、高耐久性、非貴金属の燃料電池触媒 - Google Patents

高性能、高耐久性、非貴金属の燃料電池触媒 Download PDF

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Description

本発明は、エネルギー省によって授与された協力協定(Cooperative Agreement)DE−FC36−03G013106の下で政府の支援によりなされたものである。政府は、本発明における特定の権利を有する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第60/911368号(2007年4月12日出願)(その開示全部が、本発明において参考として含まれる)に対する優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、燃料電池及びその他電気化学的デバイスのための膜電極アセンブリ内にて使用可能な非貴金属触媒、並びにそれらの燃料電池カソード触媒としての機能に関する。
燃料電池は、電解質の存在下にて、水素などの燃料及び酸素などの酸化剤の外部供給から、触媒的に電気を生成する電気化学的エネルギー変換デバイスである。燃料電池は、燃料と酸化剤とが燃焼によって直接的に結合しないため、それらは内燃機関発電機と比較して、より高効率にかつより少ない有害排出物にてエネルギーを生成する。一般に、燃料及び酸化剤の流れが維持される限り、燃料電池は連続的に稼動可能である。これは、可動部品が無く、宇宙船や隔離された測候所、接近困難な辺ぴな場所などの離れた場所での信頼性の高い動力源としての利用に有効であることを同時に備えるという特徴がある。
ポリマー電解質膜燃料電池と呼ばれることもあるプロトン交換膜(PEM)燃料電池は通常、一対の気体拡散層(GDL)の間に対応して配置された一対の触媒層の間に配置された電解質膜によって形成されている膜/電極接合体(MEA)を含有する。典型的REM燃料電池においては、水素はMEAのアノード側にて酸化されて、プロトン及び電子を形成し、一方、酸素はMEAのカソード側にて、それがプロトン及び電子との反応によって還元されて、水及び熱を形成する。前記電解質膜は、アノードからカソードへとプロトンを運搬し、一方で、外部回路を通ってアノードからカソードへと電子が流れて、電力を提供する。
市販かつ大規模の燃料電池用途は依然として、ある種の障害に直面し、その多くは触媒及び触媒層の性能に集中する。例えば、望ましい動作電圧を得るためには多くの場合、白金などの大量の貴金属類が触媒層に必要とされ、この特徴は材料コストを増大させる。更に、高電圧では、多くの有用な金属触媒は、水、酸素、及び/又は他の汚染物質と反応して、触媒活性を低下させて、燃料電池の耐用年数を制限することがある。そのようなものであるから、燃料電池性能を向上させ、材料コストを下げ、あるいは触媒耐久性を高めることができる代替触媒材料に対する必要性が引き続き存在する。
白金、白金合金、及び炭素上に担持された白金は、白金が酸化−還元(REDOX)触媒として非常に適した電子構造と、優れた酸安定性という特有の組み合わせを持つために、燃料電池用途の触媒として長い間選択されてきた。しかし、白金の入手可能性及びコストは、望ましい高電圧(例えば、約0.65V超)におけるそれ自体の酸化と同様に、燃料電池触媒としての白金を最少化あるいは排除するという関心を高めてきた。一態様では、白金触媒の最少化又は排除は、非貴金属燃料電池触媒を用いることにより達成することができる。
本開示は、非貴金属燃料電池触媒及び構成成分に関し、燃料電池は、これらの触媒及び構成成分、並びにその製造方法からなる。特に、本開示は、ナノ粒子基材上に担持された非貴金属カソード触媒を含む、酸素還元のための燃料電池カソード触媒を提供する。一態様では、本発明は、
a)ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の少なくとも1種、及び遷移金属塩の少なくとも1種を含む混合物を、実質的な不活性雰囲気下にて熱分解して、金属含有ポリマーを形成すること;
b)金属含有ポリマーを窒素含有活性剤の存在下で加熱することにより活性化して、金属含有燃料電池カソード触媒を形成すること;及び
c)所望により、金属除去剤にて金属含有燃料電池カソード触媒を洗浄して、洗浄済み燃料電池カソード触媒を形成すること;の工程からなる、燃料電池カソード触媒の製造方法を提供する。
ナノ粒子基材の存在下で、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物及び遷移金属塩を熱分解した場合、担持された燃料電池カソード触媒を形成することができる。このため、本発明の別の態様は、
a)実質的な不活性雰囲気下にて、
i)少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物、
ii)少なくとも1種の遷移金属塩、及び
iii)少なくとも1種のナノ粒子基材を含む混合物を熱分解して、
担持された金属含有ポリマーを形成すること;
b)窒素含有活性剤の存在下で、担持された金属含有ポリマーを加熱することにより活性化して、金属を含有する担持された燃料電池カソード触媒を形成すること;並びに
c)所望により、金属除去剤にて金属を含有する担持された燃料電池カソード触媒を洗浄して、洗浄済みの担持された燃料電池カソード触媒を形成すること;からなる、担持された燃料電池カソード触媒の製造方法を提供する。
本明細書に記載されるように、本発明は、非貴金属燃料電池触媒及び構成成分並びにその製造方法及び使用方法に関する。特に、本開示は、非貴金属燃料電池カソード触媒材料、並びにナノ粒子基材上に担持された非貴金属燃料電池カソード触媒を提供する。例えば、本明細書にて開示した非貴金属燃料電池触媒の特定の態様としては、以下の1)塩化鉄又は塩化コバルトなどの金属塩の存在下にて、ニトロアニリン又は関連する芳香族分子を重合し、続いてポリマーを熱活性化して、極めて活性の高い燃料電池触媒を製造すること;並びに2)極めて耐久性があり、高活性の、担持された非貴金属燃料電池触媒を形成するための、TiC、TiSi1.95などの導電性ナノ粒子材料、又は非貴金属燃料電池触媒を担持するTiNの調製及び使用が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一態様は、
a)ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の少なくとも1種、及び遷移金属塩の少なくとも1種を含む混合物を、実質的な不活性雰囲気下にて熱分解して、金属含有ポリマーを形成すること;及び
b)金属含有ポリマーを窒素含有活性剤の存在下で活性化して、金属含有燃料電池カソード触媒を形成すること;の各工程からなる、燃料電池カソード触媒の製造方法を提供する。
このため、工程a)は基本的に、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の少なくとも1種を、少なくとも1種の遷移金属塩の存在下、実質的な不活性雰囲気下にて加熱することにより、金属含有ポリマーを形成することによって行われる。工程b)は基本的に、金属含有ポリマーを更に処理して、活性化金属含有ポリマー(これは金属含有燃料電池触媒とも称される)を形成することによって行われる。
本発明で使用する場合、用語「金属含有ポリマー」及び「金属含有燃料電池触媒」などにおける用語「金属含有」とは、遷移金属を含有する金属を意味する。金属含有ポリマー又は金属含有燃料電池触媒は、非遷移金属もまた任意に含み得る。例えば、金属含有ポリマー又は金属含有燃料電池触媒は、貴金属類を任意に含み得る。
活性化工程に続いて、金属含有燃料電池カソード触媒を酸性水溶液などの金属除去剤又は任意の他の好適な金属除去剤で洗浄して、洗浄済み燃料電池カソード触媒を形成することができる。幾つかの実施形態では、洗浄済み燃料電池カソード触媒は、遷移金属を実質的に含まない。遷移金属を「実質的に含まない」という用語は、金属除去剤による洗浄工程後に、燃料電池カソード触媒が微量の遷移金属のみを含有するということを意味している。しかし、その他の実施形態では、金属含有燃料電池カソード触媒から任意の所望の量の遷移金属を、持続時間又は洗浄工程の長さ、溶液のpH(酸性水溶液を洗浄工程にて使用する場合)、及び類似の変数を基準にして除去して、洗浄工程を実施していない金属含有燃料電池カソード触媒よりもより少ない遷移金属を含有する洗浄済み燃料電池カソード触媒を得ることができる。
本発明の触媒及び方法の更に別の態様は、本明細書にて開示した触媒の任意成分としての貴金属類の使用である。本態様において、所望により、少なくとも1種の貴金属を、任意の公知の方法により、使用又は組み込むことができ、ここで貴金属類は燃料電池触媒系における構成成分として用いられる。例えば、少なくとも1種の貴金属を、本明細書にて開示したように作製した、ナノ粒子を担持した非貴金属触媒上へ堆積することができる。あるいは、少なくとも1種の貴金属は更に混合物内に存在して、貴金属(類)が金属含有ポリマー材料又は活性化金属含有ポリマー内へその生成時にて組み込まれるように熱分解されることができる。本態様において、任意の貴金属類は、無制限に、開示された又は既知の任意の方法によって組み込むことができる。
一般論として、熱分解/重合工程は、揮発性副生成物の発生が実質的に止むまで又はそれが完全に止むまでの一定期間を含む、任意の長さの時間続けることができる。「実質的に」止むという用語は、微量の揮発性副生成物のみが熱分解温度にて依然として発生しているような時間を含むことを意味する。通常は、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物(類)及び遷移金属塩(類)は、熱分解前に均質かつ完全に混合することができる。通常は、均質に一体化させた組成物又は混合物が有利と考えられるが、それは必須ではない。例えば、重合温度に近づくに伴い、本発明で使用可能な、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物(類)の大部分は、遷移金属塩(類)を含有する溶解物を形成する。更なる態様では、熱分解/重合工程もまた、所望であれば、プロトン酸の実質的不存在下にて実施することができる。
本発明の更に別の態様では、加熱及び重合工程前に、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物(類)、遷移金属塩(類)を含む試薬を、任意の他の構成成分と共に均質混合することは非常に好都合であり得る。本態様において、重合開始前、温度上昇した際に混合物中の特定の試薬が溶融混合物中で可溶性でない場合、又は芳香族化合物(類)及び/若しくは補助化合物が完全に溶融しない場合、試薬を均質混合することは、特に有用であるように見える。例えば、ナノ粒子基材の存在下で重合が行われる場合、又は溶融中間混合物中にて可溶性でない、補助化合物若しくは金属錯体が含まれる場合、均質混合は有益である。均質混合は、試薬混合物の製粉又は研磨を含む多くの方法で達成することができるが、これらに限定するものではない。本混合工程において、混合前かつ加熱前に、全ての試薬の組み合わせを一緒に圧搾したり、試薬のペアなどの副組み合わせを一緒に圧搾して、重合の実施又は仕上げをすることができる。本発明の別の態様では、圧搾などによる強力な混合を使用して、試薬の重合を開始させることができる。通常は、本態様において、強力な混合に続いて、重合を熱処理によって完了することができる。更なる態様では、熱分解/重合工程もまた、所望であれば、プロトン酸の実質的不存在下にて実施することができる。
ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の少なくとも1種、及び遷移金属塩の少なくとも1種を含む混合物を、実質的な不活性雰囲気下にて熱分解して、金属含有ポリマーを形成する。「実質的に不活性な」雰囲気という用語は、空気よりも不活性にされた任意の雰囲気を含むことを意味する。本態様において、これらの反応のための有用な雰囲気は、単純に「不活性」な雰囲気と呼ばれることもある。例えば、乾燥空気が約21%の酸素及び約78%の窒素を含有するという理解を前提とすると、一態様では、本発明の実質的に不活性な雰囲気は、約75%未満の空気、約50%未満の空気、約25%未満の空気、約20%未満の空気、約15%未満の空気、約10%未満の空気、約5%未満の空気、あるいは約2%未満の空気を含有することができる。実質的不活性雰囲気の残部は通常、窒素又はアルゴンなどの加えられた不活性ガスである。これらの熱分解反応は、純粋な窒素又はアルゴン雰囲気下にて実施したり、あるいは専用のシュレンク(Schlenk)又は真空ライン装置を使用する必要はない。前記重合は、例えば熱分解する試薬を収容するビーカーに、中心に穴を有する緩めに装着するアルミ箔カバーを取り付けた単純な装置を使用して、窒素ガスを導入することにより実施することができる。通常は、ビーカーは、窒素ガスの流れでフラッシュし、窒素の穏やかな流れを維持しつつホットプレート上で加熱される。
一般に、熱分解/重合工程は、実質的な不活性雰囲気下にて、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物(類)及び遷移金属塩(類)の混合物を少なくとも約150℃の温度まで加熱することにより行うことができる。例えば、本熱分解工程は更に、少なくとも約200℃、少なくとも約300℃、少なくとも約400℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、又は少なくとも約700℃の温度にて行うことができる。本態様において、例えば、熱分解/重合工程は、ニトロ−アミノ−芳香族化合物(類)及び遷移金属塩(類)を、約150℃〜約700℃、約175℃〜約500℃、約200℃〜約400℃、約225℃〜約375℃、又は約275℃〜約350℃の温度にて加熱することにより行うことができる。一旦、重合反応が明らかに停止したら、更に高温であっても連続加熱を使用して、例えば、反応を確実に完了させ、あるいは当該温度にて揮発性であり得る不純物の除去をしやすくすることができる。本態様において、例えば、実質的な不活性雰囲気下での熱分解は、2以上の加熱工程にて完了させてよく、例えば、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物(類)及び遷移金属塩(類)の混合物を、実質的な不活性雰囲気下にて、約350℃〜約450℃の第1温度まで、第1期間、加熱し、続いて、得られた熱分解生成物を、実質的な不活性雰囲気下にて、約550℃〜約650℃の第2温度まで、第2期間、加熱してよい。
通常、活性化工程は、金属含有ポリマーを窒素含有活性剤と接触させつつ、比較的高温、例えば、少なくとも約300℃又は少なくとも約400℃まで加熱することによって実施される。一態様においては、窒素含有活性剤は、気体である、又は室温で揮発性の化合物、及び活性化条件下にて揮発性であり得る化合物を含む、少なくとも1種の揮発性窒素含有化合物を含む。所望する場合、窒素含有活性剤は、任意選択的に、アルゴンなどの不活性希釈剤を更に含むことができる。好適な窒素含有化合物の例としては、アンモニア、窒素、アセトニトリル、ピリジン、シアン化水素、シアン、ピロール、ピロリジン、キノリン、テトラヒドロキノリン、ピペリジン、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。窒素含有活性剤を構成する窒素含有化合物の組み合わせの例としては、例えば、NH/N、NH/アセトニトリル、N/HCNなどの混合物が挙げられる。理論に束縛されるものではないが、アンモニアは、炭素をある程度まで蝕刻し、それによって孔を開け、より大きな表面領域を提供するという利益を提供するように思われる。窒素単体は、窒素含有活性剤として機能することができるけれども、得られた触媒の活性度は通常、アンモニア又はアンモニア/窒素混合物を用いた場合程には高くない。再言すると、理論に束縛されるものではないが、活性化工程の一態様は、高温で活性化された試料から昇華する塩化アンモニウムなどの窒素及び塩素含有化合物の形態での、金属含有ポリマーからの塩素の除去と考えられている。一態様においては、活性化工程は、無水条件下にて行うことができる。
一般論として、活性化工程は、金属含有ポリマーを窒素含有活性剤の存在下で少なくとも約300℃の温度まで加熱することにより行うことができる。例えば、本活性化工程は、少なくとも約350℃、少なくとも約400℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、少なくとも約900℃、少なくとも約950℃、又は少なくとも約1000℃の温度で行うことができる。別の態様では、本活性化工程は、金属含有ポリマーを窒素含有活性剤の存在下で、約600℃〜約1000℃、約700℃〜約1000℃、約800℃〜約1000℃、約800℃〜約950℃、又は約850℃〜約950℃の温度にて加熱することにより行うことができる。
特定のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物並びに特定の遷移金属塩の同一性に応じて、重合反応自体は、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物及び遷移金属化合物の特定の組み合わせによって決定した場合、約150℃〜約500℃の範囲の温度にて、あるいはこの範囲の外側の温度にても開始するようにみえる。例えば、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物が4−ニトロアニリンでありかつ、遷移金属塩類として及び無水塩化鉄(II)又は塩化コバルト(II)が使用される場合、約275℃〜約300℃の温度まで混合物を加熱すると、最初に4−ニトロアニリンが溶融し、液化混合物が煙を出し始め、次に混合物が膨張し、気体が勢いよく放出されると共に固化した。通常は、窒素雰囲気下で約400℃にて継続して加熱し、続いて約400℃〜約600℃で加熱し、次に、N/NH下にて、約900℃〜約950℃にて活性化工程を続けた。
更なる態様では、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Ni(II)、Cu(II)の塩類、又はこれらの任意の組み合わせを含む多くの異なった遷移非貴金属塩類を熱分解/重合工程にて使用可能であるが、これらに限定するものではない。したがって、遷移「非貴」金属という用語は、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、金、又は銀を含まない。通常、使用される遷移非貴金属塩類は、無水塩類であるが、これは必要条件ではない。非貴金属類の無水金属塩類又は水和金属塩類(水和物類)のいずれかを使用することができ、通常は、温度が上昇し、熱分解/重合工程が開始された際に、水和塩類は、熱的に脱水される。用語「塩」とは、非限定であって、かつ関連する酸化状態の任意の金属化合物を包含することを意図しており、当該化合物が塩の形態として固体状態にて又は溶液中のいずれにて存在するかに関係しない。むしろ、この用語は、塩類として存在してもよく又は存在しなくてもよい配位化合物類を包含することを意図する。好適な塩の例としては、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物、金属フッ化物、金属アセテート、金属ナイトレート、金属ニトライト、金属カーボネート、金属シアナイド、金属ヒドロキシド、金属ホスフェート、金属ホスファイト、金属サルファイト、金属サルフェート、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
理論に束縛されるものではないが、非貴金属塩類は、ルイス酸として振る舞い、どのようにしてこれが生じるかは知られていないが、そこでそれらはニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物を、何らかの方法で配位することができ、本明細書にて開示したポリマー及び触媒の窒素含有量を増加させやすくすると考えられている。更に、熱分解/重合が進行するに伴って、金属類が凝縮芳香族分子の間で窒素を多く含む領域を形成しやすくすることができる鋳型タイプとして機能することも可能である。このような鋳型は、多孔質三次元構造体を分子スケールで画定する手助けをすることができ、これは活性化及び金属塩の除去によって更にいっそう多孔質になることができる。したがって、金属含有ポリマー、金属含有燃料電池カソード触媒と呼ばれる「活性化」金属含有ポリマー、及び洗浄済み金属含有燃料電池カソード触媒、は全て「高度窒素化炭素」又はHNCであるということができる。再言すると、理論に束縛されるものではないが、窒素含有化合物を熱分解される混合物中へ混入すること、及び混合物が加熱されかつ重合が生じる際の窒素保持力は、窒素リッチの多孔質三次元構造体を分子スケールにて画定しやすくすると考えられている。
2以上のこのような化合物の組み合わせ、及び広範囲のその他の置換基を持つ化合物を含む、任意の数のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物を、本発明で使用できる。少なくとも1つのニトロ基及びそこへ結合した少なくとも1つのアミノ基を更に含有する芳香族コアを含有する任意の化合物を本発明で用いることができ、これはベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、ピリジン、キノリン、などから選択されたコア構造を含有する化合物を含む。
更なる態様では、一般に、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物は、更に、ニトロ及びアミノ以外の広範囲の置換基で置換することができる。好適な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロ基、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。任意のサイズ、重量、又は電子的特性の追加の置換基を含有する芳香族化合物を使用することが可能である。更に、一態様では、パラ−ニトロ及びパラ−アミノ置換基を備えた化合物が非常に良好に機能するように見えるが、置換芳香族化合物の任意の位置異性体を用いることができる。前記芳香族化合物は、1個、2個、3個、あるいはより多くの芳香環を含有することができ、これらの環は縮合し又は単純に連結することができる。別の態様では、炭素環式芳香族化合物並びに複素環式芳香族化合物は、良好に機能する。例えば、ベンゼン、ピリジン、及び他の芳香族部分を含有する芳香族化合物を使用することが可能である。
好適なニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物は、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−メチル−3−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、2−メチル−5−ニトロアニリン、2−メチル−6−ニトロアニリン、4−メチル−2−ニトロアニリン、4−エチル−2−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、3−メチル−4−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロトルエン、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロトルエン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、4,5−ジクロロ−2−ニトロアニリン、4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−ニトロアニリン、4−(t−ブチル)−3−ニトロアニリン、4−ベンジルオキシ−2−ニトロアニリン、4−メトキシ−3−ニトロアニリン、5−ブロモ−4−メチル−2−ニトロアニリン、5−クロロ−2−メトキシ−4−ニトロアニリン、5−エトキシ−4−フルオロ−2−ニトロアニリン、5−ニトロ−1−ナフチルアミン、2−アミノ−7−ニトロフルオレン、4−ニトロフタルイミド、2−アミノ−5−ニトロピリジン、又はこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
本発明の更なる態様は、熱分解される混合物中の添加剤としての少なくとも1種の任意の補助的窒素含有化合物を、ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物(類)及び遷移金属塩(類)と共に、使用することに関する。使用可能な好適な補助的窒素含有化合物類としては、各種ポルフィリン、ニトロフェニルアゾ化合物、フェナントロリン、ピペラジン、ピロール、イミダゾール、など、並びにこれら化合物の金属錯体が挙げられる。更に、補助的窒素含有化合物及び/又はこのような化合物の金属錯体の組み合わせが有用である。本態様において、補助的窒素含有化合物(類)を含有する混合物を、本明細書に記載されているのと同様に、加熱及び活性化して、任意の添加剤を使用して得られる、必要に応じて調整される性質を備えた金属含有燃料電池カソード触媒を形成することができる。金属を除去するための任意の洗浄工程を用いて、任意の添加剤の使用に起因するカスタマイズされた性質を備えた洗浄済み燃料電池カソード触媒を提供することもできる。幾つかの実施形態では、洗浄済み燃料電池カソード触媒は、遷移金属を実質的に含まないことができる。
補助的窒素含有化合物の例としては、ヘマトポルフィリン二水素クロライド、ポルフィリン、プロトポルフィリン、5,10,15,20−テトラ(4−ピリジル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(1−メチル−4−ピリジニオ)ポルフィリンテトラ(p−トルエンスルホネート)、5,10,15,20−テトラキス(4−トリメチルアンモニオフェニル)ポルフィリンテトラ(p−トルエンスルホネート)、メソ−テトラ(N−メチル−4−ピリジル)ポルフィリン鉄、4−(4−ニトロフェニルアゾ)カテコール、4−(4−ニトロフェニルアゾ)−1−ナフトール、4−(4−ニトロフェニルアゾ)レゾルシノール、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、ジアミノマレオニトリル及びその誘導体、1−(4−ニトロフェニル)−1H−イミダゾール、1−(4−ニトロフェニル)−1H−ピロール、1−(4−ニトロフェニル)−3−ピロリジノ−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−ニトロフェニル)グリセロール1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン、これらの任意の遷移金属錯体、又はこれらの任意の組み合わせ(これらの遷移金属錯体を含む組み合わせを包含する)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、これらの窒素含有化合物の錯体としては、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Ni(II)、Cu(II)などの錯体を挙げることができる。再言すると、理論に束縛されるものではないが、追加の窒素含有化合物を、熱分解される混合物及び/又はこれらの金属錯体に組み込むことで、混合物を加熱し重合が生じた際に、窒素の組み込み及び保持が容易になり、それによりグラファイト類似の分子スケールの高度窒素化炭素(HNC)上に窒素リッチの多孔質三次元構造体を画定しやすくすると考えられている。したがって、このような化合物は、それが形成された時点で、結合能力又は三次元構造体内への組み込み能力を有すると考えられている。
存在するかも知れない任意の金属含有種を除けば、本発明のHNC材料は主として炭素及び窒素で構成されており、窒素の大部分はアミン窒素として存在する。これにもかかわらず、これら材料は非常に弱い塩基性質のみを示す。これは、これらの触媒材料の芳香族構造体中の窒素の大部分が、少なくとも1つの他の窒素に極めて接近しているからである。例えば、多くの場合、2つ以上の窒素が同一芳香環内にある。したがって、炭素及び窒素を含む非貴金属燃料電池触媒の先行技術は、ピリジン類似の構造中に窒素を有する、即ち、芳香環当たり最大で1個のみの窒素を有する必要性を教示しているけれども、本発明の触媒材料は、2つ以上の窒素が芳香環中に存在しうる芳香族構造体を含むことができる。これらの複数の窒素を含有する芳香環の存在は、高度に窒素化された炭素触媒の塩基性を抑制する傾向がある。複数の窒素含有芳香環特性は、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどの化合物を使用してモデル化することができる。ピラジンは0.37のpKaを有し、ピリミジンは1.1のpKaを有し、ピリダジンは2.1のpKaを有する。これは、より塩基性のピリジン芳香族分子との際立った対比を示す。例えば、ピリジンは約5.2のpKaを有し、キノリンは約5.14のpKaを有し、フェナントロリンは約5のpKaを有し、ベンゾキノリンは約5.0のpKaを有し、イソキノリンは約5.14のpKaを有する。これらのピリジン部分を含む炭素質共役材料は、類似の高pKaを示すことが期待される。
本発明のHNC材料は、ポリ窒素芳香環を含有する、芳香族炭素質、グラファイト構造化材料を含んでよい。その結果、本発明の材料は、高窒素(highly nitr)ではあるが、ピリジン窒素のみを含む化合物よりは塩基性が大幅に低くなる。理論に束縛されるものではないが、高度に窒素化された炭素触媒中の強力な触媒機能のための必要条件は、酸燃料電池の酸性環境においてプロトンが強力に結合しないように、それらが十分に弱塩基であると考えられている。非常に弱塩基性の窒素を備えたHNC材料を生成すると、より酸素親和性でよりプロトン非親和性の窒素を含む活性サイトが生成される。燃料電池反応中の酸素の吸着及び活性化のための活性サイトは、これらの酸素親和性、低塩基性窒素を含むと考えられている。
本発明の触媒中の窒素サイトの塩基性は、これらの材料の硫酸水素塩(hydrogen sulfate salts)の酸性度を測定することによって測定することができる。本酸性度は、本発明の材料の特性を示すために使用可能であり、以下の手順を使用して測定される:3.0gの乾燥させた、酸洗浄かつ脱イオン水洗浄した触媒(実施例にて記載の如く調製した)を、10.0gの脱イオン水(5.4を超え、かつ6.0未満のpHを有する脱イオン水)中にて懸濁させる。分散体のpHは、標準的な較正済みpH電極を使用して測定する。本試験によってもたらされるpH値は、本明細書では、「HNC酸性度値」と(designated)表わされる。本試験を本発明の材料に適用すると、これらの高度に窒素化された炭素触媒の弱塩基性を示す。本発明の材料の場合、HNC酸性度値は多くの場合、3.0未満、2.75未満、又は2.5未満である。
本開示の別の態様は、熱分解される混合物中の構成成分の重量比に関する。構成成分の重量比又は任意の比を引用する場合、単一化合物又は複数化合物のいずれが構成成分を構成するかに関係なく、その比は引用構成成分の総量に基づいている。一般に、熱分解される混合物中の、少なくとも1種の遷移金属塩対少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の重量比は、約10:1〜約1:10、約5:1〜約1:5、約2:1〜約1:5、又は約2:1〜約1:2であり得る。熱分解される混合物中の、少なくとも1種の遷移金属塩対少なくとも1種の任意の補助的窒素含有化合物の重量比は、約10:1〜約1:10、約10:1〜約1:5、約10:1〜約1:2、約5:1〜約1:5、又は約2:1〜約1:2であり得る。
開示したように、金属含有燃料電池カソード触媒は、金属除去剤で洗浄して、洗浄済み燃料電池カソード触媒を形成することができる。幾つかの実施形態では、洗浄済み燃料電池カソード触媒は、遷移金属を実質的に含まず、又は遷移金属含有量が減少している。一態様においては、酸性水溶液が便利な金属除去剤である。しかし、本工程にて使用可能な、金属カチオンと結合し、それと錯体形成し、あるいはそれを除去する任意の好適な金属除去剤としては、酸性水溶液、アンモニウム又はアルカリ金属カルボキシレート、ポリオールの塩基性溶液、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、アンモニウム又はアルカリ金属カルボキシレートとしては、アンモニウム、ナトリウム、又はタルトラート、オキザラート、シトレート、ホルメート、アセテート、プロプリオネート、アルダレート、マロネート、マレート、サクシネート、グルタレート、シトレートなどのカリウム塩(これらの任意の組み合わせを含む)などの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリオールの塩基性溶液の例としては、ベースシュガーミックス(base-sugar mix)、ベースグリコールミックス(base-glycol mix)、又はベーストリエタノールアミンミックス(base-triethanol amine mix)、などが挙げられるが、これらに限定されない。金属除去剤が酸性水溶液である場合、強酸又は弱酸を含む、任意の水性ブロンステッド(プロトン)酸を洗浄工程内で用いることができる。更に、無機酸(鉱酸)又は有機酸を用いることができる。好適な酸の例としては、HCI、HBr、HI、HSO、HSO、HNO、HClO、[HSO、[HSO、[HO]、H[C]、HCOH、HCIO、HBrO、HBrO、HIO、HIO、FSOH、CFSOH、CFCOH、CHCOH、B(OH)、など(これらの任意の組み合わせを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
酸洗浄後、本発明の触媒は多くの場合、主として炭素及び窒素を含む。ナノ粒子基材が使用されないような実施形態においては、触媒は通常、2重量%超、4重量%超、6重量%超、又は8重量%超の窒素を含む。ナノ粒子基材を使用するような実施形態においては、触媒の窒素含有量は、ナノ粒子基材の含有量に応じて変化することができる。これらの場合、触媒は、1重量%超の窒素、2.5重量%超の窒素、4重量%超の窒素、あるいは5重量%超の窒素を含むことが望ましい。
これらの非貴金属カソード触媒の活性は高いが、時間の経過に伴う活性減少として測定した耐久性は、導電性で酸に安定な基材として炭素を使用する場合に、悪影響を受ける場合がある。炭素担持体は、通常燃料電池環境におけるそれらの耐久性を限定する酸化性不安定性により損なわれることが知られている。例えば、この不安定性によって、時間の経過と共に、炭素燃料電池触媒上の白金の活性が減少する。本発明の非貴金属カソード触媒のためのプラットホームとして、炭素以外のナノ粒子基材として使用することが可能である。本態様において、例えば、本発明は更に、
a)実質的な不活性雰囲気下にて、
i)少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物;
ii)少なくとも1種の遷移金属塩;及び
iii)少なくとも1種のナノ粒子基材;を含む混合物を熱分解して、
担持された金属含有ポリマーを形成すること;並びに
b)担持された金属含有ポリマーを窒素含有活性剤の存在下で活性化して、金属を含有する担持された燃料電池カソード触媒を形成すること;からなる、担持された燃料電池カソード触媒の製造方法を提供する。
活性化工程に続いて、金属含有の担持された燃料電池カソード触媒は、酸性水溶液などの金属除去剤と接触させ又はそれにより洗浄して、洗浄済みの担持された燃料電池カソード触媒を形成することができる。幾つかの実施形態では、洗浄済みの担持された燃料電池カソード触媒は、遷移金属を実質的に含まない。しかし、その他の実施形態では、任意量の遷移金属を、担持された金属含有ポリマーから、洗浄工程の長さ又は量、洗浄工程で使用される酸性水溶液のpH、及び類似の変数を基準にして除去し、さまざまな量の遷移金属を含有し、洗浄工程を経ていない金属含有燃料電池カソード触媒よりも金属含有量が少ない、担持された金属含有カソード触媒を得ることができる。
ナノ粒子基材の存在下で重合が実施される場合、ナノ粒子基材は、ポリマーのための担持体として機能することができる。用語「ナノ粒子基材」は単純に、その上にポリマーを担持することができ、かつ一般に導電性材料を含む基材として本明細書で定義されるようなナノスケール材料の使用を意味する。用語「ナノ粒子基材」とは一般に、炭素、TiC、TiSi1.95、又はTiNなどの導電性ナノスケール材料を意味する。これら材料は、ナノ構造要素を製造するために使用可能である。例えば、ナノ粒子TiC、WC、SiC又はこれらの任意の組み合わせなどのナノ粒子炭化物は、本明細書にて開示した燃料電池触媒のための導電性かつ安定した担持体として用いることができる。任意のこれらのテーラード担持体(tailored supports)上への非貴金属触媒の付着は、本明細書で開示したごとく行うことができる。ナノスケール担持体粒子のサイズは、非貴金属高窒素化炭素触媒がその上に担持されるに従い、増大するが、これら材料は、ナノスケール触媒と呼ばれる。このため、本発明のナノスケール触媒は、ナノスケール担持体粒子及び担持されたポリマー触媒、遷移金属含有ポリマー触媒又は実質的に金属を含まないポリマー触媒のいずれかを含む。
本発明の更に別の態様では、ナノ粒子基材の存在下で熱分解工程が実施される場合、少なくとも1種の遷移金属塩対少なくとも1種のナノ粒子基材の重量比は、約10:1〜約1:10、約5:1〜約1:5、約3:1〜約1:3、又は約3:1〜約1:1であることができる。少なくとも1種のナノ粒子基材を含有するこれらの混合物において、少なくとも1種の遷移金属塩対少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の重量比は、約10:1〜約1:10、約5:1〜約1:5、約2:1〜約1:5、又は約2:1〜約1:2であり得る。また、少なくとも1種のナノ粒子基材を含有するこれらの混合物において、熱分解される混合物中の、少なくとも1種の遷移金属塩対少なくとも1種の任意の補助的窒素含有化合物の重量比は、約10:1〜約1:10、約10:1〜約1:5、約10:1〜約1:2、約5:1〜約1:5、又は約2:1〜約1:2であり得る。前述したように、構成成分の重量比又は任意の比が引用される場合、単一化合物又は複数化合物がその構成成分を構成するかどうかに関係なく、比は引用された構成成分の総量に基づく。
一般的に、熱分解工程、活性化工程、及び任意の洗浄工程を実施するための好適なパラメーターは、これらの工程が任意のナノ粒子担持材料の不存在下で実施される場合、開示されたものと実質的に同一である。
本発明のこの態様では、幅広いナノ粒子基材坦持体を用いることができる。例えば、典型的には、ナノ粒子基材は、カーバイド、シリサイド、又はTi、Ta、若しくはW、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。しかし、基材坦持体材料としては、これらの炭化物、シリサイド、又は窒化物に限定されない。例えば、少なくとも1種のナノ粒子基材は、2元又は3元炭化物、窒化物、又はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、B、若しくはSiのシリサイド、又はこれらの任意の組み合わせ(実質的にナノ粒子形態である)を含むことができ、又はそれらから選択されることができる。好適な材料を2元若しくは3元炭化物、窒化物、又はシリサイドとして記述することによって、例えば、任意のこれら金属の2元炭化物、2元窒化物、及び2元シリサイド、又はこれら材料の任意の組み合わせを含むことを意図する。更に、用語「3元」とは、2種類の異なった金属が、炭素、窒素、又はシリコンの任意の1つと組み合わされた3元材料を含むことを意味し、かつ単一金属が炭素、窒素、又はシリコンの任意の2つと組み合わされた3元材料を含むことを意味する。このため、3元材料は、二金属炭化物、二金属窒化物、二金属シリサイド、金属炭窒化物、金属炭ケイ化物、金属ニトロケイ化物、又はこれらの任意の組み合わせから選択することができる。GDL上のTiSi型ナノ粒子は、燃料電池用途のための電気的に非常に安定した層を提供することができる。
本発明に従って調製された金属含有又は金属非含有である高窒素化炭素材料を表すために単純な略称「HNC」を使用する場合、触媒の好適例としては、HNC−TiC、HNC−TiN、HNC−TiSi1.95、HNC−Ti30Si70、HNC−WC、HNC−SiC、及びHNC−Cなどのナノ粒子を担持した材料、並びにナノ粒子上に担持されていないポリマー触媒(単純にHNCと表される)が挙げられる。
一旦調製したら、本発明の触媒粒子の分散体は、当該技術分野において既知の任意の方法を使用して、担持層又はガス拡散層(GDL)上へ堆積することができる。例えば、ディップコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ブレード又はナイフコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、及びポアコーティング(即ち、表面上に液体を注ぎ、表面から液体を流しこぼす)、又はこれらの方法の任意の組み合わせなどの分散体コーティング方法を使用することが可能である。あるいは、坦持層又はGDL上で、分散体コーティングを単純にブラシ掛けすることが可能である。一態様においては、本発明の触媒粒子の分散体は、インク分散体として調製することができる。例えば、触媒粒子は、デュポン(デラウェア州ウィルミントン)からナフィオン(NAFION)の商標名にて市販されているテトラフルオロエチレン−ペルフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホン酸コポリマーの水性分散液と混合することができる。混合物は、ガス拡散ミクロ層で予めコーティングされたカーボン紙坦持体などの基材上にコーティングすることができる。次に、この触媒コーティングし、ガス拡散ミクロ層をコーティングした、カーボン紙を、膜/電極接合体(MEA)のカソード触媒及びガス拡散層(GDL)として使用することができる。MEAで使用する残りの構成要素は、プロトン交換膜及びカーボン紙ガス拡散層上にコーティングされた白金/炭素−分散インクなどのアノード触媒層であることができる。MEAの構成要素は、良好な接触を確実にするために、互いに結合させることができる。あるいは、上記分散体コーティング方法のいずれかを使用して、触媒インクをライナー上にコーティングし、続いて転写プロセスによってPEMへ転写し、触媒被覆膜(CCM)を提供することができる。別の態様では、触媒インクを直接、PEM上にコーティングして、CCMを形成できる。GDL、触媒、及びPEM間で完全に接着させるための任意の好適な方法を本発明で使用することができる。
本発明の本態様の例は、無水塩化鉄(II)の存在下でのナノ粒子TiC上への4−ニトロアニリンの重合、続いてN/NH中での熱処理に見ることができ、これにより優れた耐久性を示す触媒が生成された。付着のための基材としてTiCを使用して作製したサンプルは、0.6V(分極曲線から抽出)にて、定電圧(0.65V)にした場合、最初の40時間は安定的に増加し、次に0.6Vでの電流(0.65V定電圧ホールド間の周期的間隔で測定された分極曲線から抽出)が、900時間以上の試験中にわたってほぼ一定を維持するという、活性を示した。本発明のカソード触媒を含む異なったカソード触媒を持つ種々の膜電極アセンブリ(MEA)を使用して作成した電流密度対時間のグラフの形態のデータを調査した。TiCを基材として使用して作製したサンプルは、高表面積炭素を使用して作製したサンプル程高い初期活性は有していないけれども、依然として極めて安定した活性を示す。例えば、約70時間の連続試験後に、ナノ粒子TiCを触媒担体として使用して作製したサンプルは、任意のサンプルの0.6Vで最大電流を有した。
一実施例では、燃料電池は、75℃にてアノードへの500sccm水素流量及びカソードへの500sccm空気流量で、かつアノードとカソードの両方への背圧207kPa(30psig)の飽和条件下で、0.6Vにて100時間稼働後の初期電流約0.015A/cmの約100%以上を作り出すことができる。別の実施例では、燃料電池は、75℃にてアノードへの500sccm水素流量及びカソードへの500sccm空気流量で、かつアノードとカソードの両方への背圧207kPa(30psig)の飽和条件下で、0.6Vにて800時間稼働後の初期電流約0.015A/cmの約100%以上を作り出すことができる。
別の態様では、本発明は更に、本開示に係る担持された燃料電池カソード触媒のいずれかを含む、膜/電極接合体(MEA)及び燃料電池を提供する。例えば、本開示は、少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物、少なくとも1種の遷移金属塩、及び所望により、少なくとも1種のナノ粒子基材を含む混合物の熱分解生成物を含む燃料電池カソード触媒を提供し、ここで、
熱分解は、実質的な不活性雰囲気下にて生じ;
熱分解生成物は、窒素含有活性剤の存在下で加熱することによって活性化し;かつ
所望により、活性化熱分解生成物は金属除去剤で洗浄される。
更なる態様では、本開示の触媒は、ガス拡散ミクロ層コーティングされたカーボン紙上にそれら自身を堆積させた介在フィルムの任意数の層の上の最上層として、本発明の触媒の堆積に先立って堆積することができる。次に、これらの多層構造体は、膜/電極接合体(MEA)のカソード触媒及びガス拡散層(GDL)として使用することができる。
本発明の触媒が上記介在フィルム層上に堆積される場合、それらは、ディップコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ブレード又はナイフコーティングなどの介在コーティングではない、裏地又はGDL上への堆積について前述したのと同様な方法で、触媒粒子分散体から、炭素、窒素、遷移金属などの介在フィルム層の任意の数のもので予めコーティングした、坦持層又はガス拡散層(GDL)上へと堆積することができる。一態様においては、例えば、通常は貴金属類を実質的に含まない炭素ターゲット及び遷移金属ターゲットを含むPVDシステムである、物理蒸着(PVD)システム内にて、ガス拡散ミクロ層コーティングされたカーボン紙を最初の加工工程又は処理環境へ晒すことができる。第1処理環境は、PVDシステムを減圧まで排気し、次に好適な作業圧力に到達するまで気体を導入することによって生成される。第1処理環境のために好適なガスの例としては、窒素、水素、アルゴン、又はこれらの任意の組み合わせを堆積する際に利用可能な窒素含有気体が挙げられる。特に好適な窒素含有気体としては、窒素;アンモニア;ピリジン、アセトニトリル、ピロール、ピロリジン、若しくはキノリンなどの窒素含有揮発性有機化合物;又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。真空蒸着は、米国特許第5,338,430号、同第5,879,827号、同第5,879,828号、同第6,040,077号、同第6,319,293号、及び同第6,482,763号に記載されているような任意の好適な装置内で実施してよい。
本明細書で範囲を記載する場合、当該範囲は、範囲の両端点を含む範囲内の全ての可能な数字を含むことを意図する。例えば、構成成分A対構成成分Bのモル比が、約0.5〜約1.5の範囲に及ぶことができるという開示は、構成成分A対構成成分Bのモル比を、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、又は約1.5から選択することができることを意味する。
本明細書にて開示した任意の特定化合物の場合、提示された、任意の一般的構造又は任意の一般名の化合物は、置換基の特定のセットから生じ得る、全ての配座異性体、位置異性体、及び立体異性体を包含する。したがって、一般的構造は更に、コンテクストに応じて、全ての光学異性体、ジアステレオマー、及び他の光学的異性体(鏡像異性又はラセミ形態のいずれかにて)、並びに立体異性体の混合物を包含する。
本明細書に記載されるようなものに類似した又はそれに相当する方法、合成、及び材料は、本発明の実施又は試験にて使用可能であるが、典型的な方法、合成、及び材料が、本明細書に記載されている。
本発明で使用する用語をより明確に定義するために、以下の定義が提供される。参考として本明細書に組み込まれている任意の文献により提供される任意の定義又は用法が、本明細書にて提供される定義又は用法と矛盾する範囲で、本明細書にて提供される定義又は用法が優先する。
「ナノスケール粒子」又は「ナノ粒子」は一般に、標準的なX線回折スキャンの2θの回折ピーク半値幅から測定した場合に少なくとも一方向の寸法が約150nm以下であるか、又は結晶サイズが約150nm以下の材料粒子を意味するために使用される。別の態様では、標準的なX線回折スキャンの2θの回折ピーク半値幅から測定した場合にナノ粒子は、約100nm、約50nm、又は約25nm以下の少なくとも1方向の寸法を有することができ、又は約100nm以下、約50nm以下、又は約25nm以下の結晶サイズを有する。これらのサイズの詳細説明は、本明細書に開示される条件下で形成され又は集結される、任意のアグリゲート、クラスター、アグロメレート、又はこの種の粒子の組み合わせへ適用されることを意図するものではない。このようなサイズは容易に、マイクロメートル又はミクロンサイズの範囲(約1000nm超)に突入し、したがってナノスケールの又はナノ粒子などの用語は、粒子のクラスター又はアグリゲートに対して限定されない。
本発明の更に別の態様では、理論に束縛されるものではないが、本明細書にて開示した非常に小さなナノ粒子のアグロメレート又はクラスターの使用は、幾つかの実用的な利益を提供することができるように思われる。例えば、非常に小さなナノ粒子が、低インピーダンスを有するように十分に結晶性である場合には、アグリゲート又はクラスターの形態のナノ粒子は通常、電子が簡便な方法で電極まで移動するための導電性経路を提供する。更に、アグリゲートの形態のナノ粒子は通常、凝集していないナノ粒子よりも取扱い及び操作が容易である。
「非貴金属」は、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、金、又は銀以外の金属を意味する。
「塩」は、非限定的でありかつ関連する酸化状態の任意の金属化合物を包含することを意図するものであり、化合物が固体状態にて又は溶液中にて塩の形態(塩として存在しても又は塩として存在しなくてもよい配位化合物を含む)として存在するかどうかに関係ない。
用語「HNC」及び「高窒素化炭素材料」などの関連用語等は、担持された又は担持されていない、若しくは金属含有又は金属非含有などの任意の形態であり、制限はなく、任意の特定構造の触媒金属に関係なく、かつ本発明に従って生成された任意の離散的構造の材料であるか否かにかかわらず、本発明に従って生成された材料及び/又は本発明の触媒を記述することを意図している。
実施例にて及び本開示を通して以下の略称を使用してよい。
h、時間;
min、分;
℃、セ氏温度;
°F、カ氏温度;
mL、ミリリットル;
L、リットル;
cm、センチメートル;
in、インチ;
V、ボルト;
mV、ミリボルト;
A、アンペア;
mA、ミリアンペア;
kW、キロワット;
s、秒;
g、グラム;
mg、ミリグラム;
μm、マイクロメートル;
kg、キログラム;
lb、ポンド;
psig、1平方インチ当りのポンド(ゲージ);
mtorr、ミリトール;
lpm、リットル/分;
cfm、立方フィート(feer)/分;
HEPA、高性能微粒子除去フィルタ;
RT、室温;
SCCM、立方センチメートル毎分(標準cm/分ともいう);
CCB、触媒コーティング済み裏地;
GDL、ガス拡散層;
MEA、膜/電極接合体;
FC、燃料電池;
PEM、プロトン交換膜又はポリマー電解質膜;
redox、還元−酸化又は酸化−還元;
BPP、バイポーラ板;
CCM、触媒被覆膜;
FTL、流体輸送層;及び
DCC、ディフューザー/電流コレクタ。
加えて、実施例にて及び開示を通して、以下にて詳細に記述されるように、以下の略称を使用してもよい。G、試薬の研砕;DM、乾式粉砕;WM、湿式粉砕;TIR、熱誘導反応;BW、塩基洗浄;AW、酸洗浄;F1、第1焼成;F2、第2焼成;及びS、音波処理。
燃料電池技術に関する一般的文献としては、以下のものが挙げられる:1)M.K.デベ(M. K. Debe)、「新規触媒、触媒担体、及び触媒コーティング膜方法(Novel catalysts, catalyst support and catalyst coated membrane methods)」、燃料電池、基礎、技術及び応用のハンドブック(Handbook of Fuel Cells, Fundamentals, Technology and Applications)、Vol.3、W.ビエルスティック(W. Vielstich)、A.ラム(A. Lamm)及びH.ガスタイガー(H. Gasteiger)編、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、576ページ以下参照;2)マルコヴィッチ(Markovic)ら、「白金及び白金2元金属表面上での酸素還元反応:セレクティブレビュー(Oxygen Reduction Reaction on Pt and Pt Bimetallic Surfaces: A Selective Review)」、燃料電池、2001年、Vol.1、No.2、105〜116ページ;3)ポーラス(Paulus)ら、「炭素担持白金−ニッケル及び白金−コバルト合金触媒上での酸素還元(Oxygen Reduction on Carbon-Supported Pt-Ni and Pt-Co Alloy Catalysts)」、物理化学雑誌B(J. Phys. Chem. B)、2002年、No.106、4181〜4191ページ;並びに4)M.レフェヴレ(Lefevre)、J.P.ドデレット(Dodelet)、物理化学雑誌B(J. Phys. Chem. B)、107、2000年、11238ページ及びF.ジョウエン(Jaouen)、S.マルコット(Marcotte)、J.P.ドデレット(Dodelet)、G.リンドバーグ(Lindbergh)、物理化学雑誌B(J. Phys. Chem. B)、107、2003年、1376ページ。
燃料電池触媒に関連する特許、公開特許出願、及び特許出願としては以下のものが挙げられる:1)米国特許第4,812,352号;同第5,039,561号;同第5,176,786号;及び同第5,336,558号(微細構造に関する);2)米国特許公開公報第2005/0069755号(ナノ構造を含む燃料電池カソード触媒に関する);3)米国特許第5,079,107号、同第4,985,386号;同第5,593,934号;同第5,872,074号(燃料電池触媒に関する);並びに4)米国特許出願第11/248,441号(2005年10月12日出願)(ある種のナノ構造薄膜触媒に関する)。
本発明は、以下の例によって更に例示されるが、それらの範囲によっていかなる意味でも限定されると解すべきではない。一方、本明細書の説明を読んだ後、当業者自らが本発明の趣旨又は添付の特許請求の範囲から離れることなく提案できる多種多様な他の態様、実施形態、改造、及びその同等品に対する手段を有することは、明確に理解されなければならない。
特に指示がない限り、本発明の材料及び構成成分の調製、特性決定、及び使用にて使用する一般的手順は、次の通りである。
以下の試薬は、明記した供給元から入手した:4−ニトロアニリン、無水塩化コバルト、無水塩化第一鉄、4−(4−ニトロフェニルアゾ)カテコール、及び2−ニトロアニリン、(アルファ・エイサー(Alfa Aesar)、マサチューセッツ州ワードヒル(Ware Hill));C55炭素(シャウィニガン・ブラック(Shawinigan Black)、グレードC55(シェブロン・フィリップス・ケミカル社(Chevron Phillips Chemical Co., LP)(テキサス州ベイタウン)));ヘマトポルフィリン二水素クロライド(アボカド・リサーチ・ケミカルズ社(Avocado Research Chemicals, Ltd.)(英国ランカスター));ナノ粒子TiC(ナノマテリアルズ・リサーチ・コーポレーション(Nanomaterials Research Corporation)(コロラド州ロングモント));無水塩化第二鉄(メルクKGaA、(ドイツ、ダルムシュタット));並びにTiN(グレードC、H.C.スターク(H. C. Starck, Inc.)(マサチューセッツ州ニュートン))。使用する他の試薬は、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)(ウィスコンシン州ミルウォーキー)入手可能であるか、又はそれらを既知の方法によって合成してもよい。
以下の試薬は、記載されているように調製した。
TiSi1.95 高伝導性金属間化合物合金TiSi1.95(原子組成)は、熱的合金化プロセスによって、次の様に製造した。シリコン塊(Lunps)(34.687g、99.9999%)(金属基礎)(アルファ・エイサー(Alfa Aesar)、(マサチューセッツ州、ワードヒル))及びチタンスポンジ(115.313g、アルファ・エイサー(Alfa Aesar))を、アーク炉内アルゴン/H雰囲気下にて共に溶融することによって合金化した。次に、合金インゴットを粗い粉末へと粉砕し、更にボールミルによって所望の粒径にした。粉砕材料を20マイクロメートルのメッシュでふるいにかけて、約20マイクロメートル以下の粒径を得た。
Ti30Si70 シリコン粉末(99%、325メッシュ;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Corporation)(ウィスコンシン州ミルウォーキー))577.89g及びチタン粉末(99.5%、325メッシュ、セラック・スペシャルティ・メタルズ(Cerac Specialty Metals)(ウィスコンシン州ミルウォーキー))422.11gを、ガラスびんの中で激しく振盪することによって、シリコン及びチタンの均質固体粒子混合物は、原子比率70:30(シリコン:チタン)にて形成した。本粉末混合物を、20lpmのアルゴンと共にエアロゾルにして散布し、PL−35RFトーチ(テクナ・プラズマ・システムズ(Tekna Plasma Systems)(カナダ、ケベック州))により生成したアルゴン/H/ヘリウムの熱プラズマ中に軸方向に供給した。次に、蒸発させたシリコン/チタン金属の蒸気を、半径方向に注入される4.7L/秒(10cfm)のアルゴン流によって急冷した。粉末供給速度は、2〜5g/分であり、プレート電力50kWを印加して、粒子を形成した。粒子は、サイクロン内で処理し、次にリヴァース・ジェット・フィルタ(reverse jet filter)(HEPA)にて収集した。次に(than)、収集したナノ粒子をゆっくりと空気(27Pa(200ミリトール)、30分)にさらし、表面をゆっくりと酸化させた。
個々のプロセス工程を使用した触媒の調製
表1を参照すると、表に列挙された触媒材料は、一連の個々の予備的工程及び処理工程によって調製したが、その各々は、その工程を指定するために使用される対応する略記と共に、以下に詳しく述べる。処理工程は、表1に列挙された順番で実施した。表1に列挙された各サンプルの焼成の詳細もまた、以下で提供する。
試薬の破砕(G) 記載された前駆体の組み合わせ又は混合物を均質かつ完全に混合して、比較的均質に見える混合物を提供し、次に、タングステンカーバイド乳鉢及び乳棒を使用して、混合物の外観及び色が極めて均一になるまで粉砕した。
乾式粉砕(DM) 破砕による予備混合後、次に、SPEX型式2000シェーカー・ミルを使用し、タングステンカーバイド底刃(end-facings)及びタングステンカーバイドボール(スペックス・サーティプレップ(Spex CertiPrep Inc.)(ニュージャージー州メタチェン))を使用して、サンプルを粉砕した。
熱誘導反応(TIR) 破砕、乾式粉砕、又はその両方によって、試薬を混ぜ合わせ又は均質化した後、試薬混合物をテフロン(登録商標)攪拌棒と共にビーカーに充填し、ビーカーに中心に穴を有するゆったりしたアルミニウムカバーを装着し、熱処理の間、窒素ガスを導入した。窒素ガスによってビーカーを完全にフラッシングした後、窒素の穏やかな流れを維持しつつ、ビーカーをホットプレート上で加熱した。約150℃〜約200℃超では、混合物は、暗色化しかつ液化し、攪拌棒を使用して混合物をゆっくりと攪拌した。約275℃〜約300℃において、液化混合物から煙が出始め、混合物が膨らんで発泡し、気体が勢いよく放出されると共に固化した。ヒートガン(型式2Z045、デイトン・ヒートガン(デイトン・エレクトリック・マニュファクチャリング(Dayton Electric Manufacturing)(イリノイ州シカゴ))にて、ガスの放出が止むまで、ビーカーの外側を加熱することによって、更なる熱を供給した。得られた材料を窒素流下にて冷却し、続いてスパチュラで引っ掻くことにより除去した。
塩基洗浄(BW) 熱誘導反応混合物は、25mLの高濃度水酸化アンモニウムを脱イオン水で500mLになるまで希釈することにより調製した溶液にて沈殿/デカンテーションして洗浄した。
焼成(F番号) 焼成は、その中を処理ガスが通過している環状炉内にて実施した。焼成ガス処理スケジュールは、各サンプルについて以下で説明する。複数の焼成工程がある実施例では、F1は第1焼成工程であり、F2は第2焼成工程であり、及びF3は第3焼成工程である。
湿式粉砕(WM) サンプルは、0.6cm(0.25インチ)のジルコニアミル媒体(ラジアスエンド・シリンダー、ジルコニア・インコーポレイテッド(Zircoa Incorporated)(オハイオ州ソロン))1700g及び脱イオン水570gと共に、1クオートポリエチレンジャー内で混ぜ合わせ、混合物を約24時間、スウェコ(Sweco)破砕ミル(型式K18/5、スウェコ(Sweco)(ケンタッキー州フローレンス))を使用して振動ミリングした。沈殿/デカンテーションによって、材料を分離した。
酸洗浄(AW) サンプルを24時間、濃硫酸100gを脱イオン水800g中に希釈することによって調製した、硫酸溶液約300g中に浸漬することによって酸洗浄を実施した。デカンテーションにより、かつ次にサンプルを脱イオン水2リットルで沈殿/デカンテーションして洗浄することによって、酸から分離した。約130℃にて12時間、サンプルを乾燥させた。
超音波処理(S) 脱イオン水100g中にて材料2.15gを攪拌させたサンプルを、超音波エネルギー(ソニック・マテリアルズ(Sonic Materials Inc.)(型式VX750超音波発生器)を使用して発生させた)で約10分間処理した。次に、超音波処理した材料を、オーブン内130℃にて乾燥させた。
Figure 0005166512
焼成スケジュール及び追加の調製詳細
(実施例1)
実施例1の触媒材料は、表1に従って調製した。次に、以下の焼成スケジュールを本材料に適用した:1時間、窒素でパージする;窒素雰囲気で、3.2℃/分にて400℃まで加熱する;80%N/20%H流下にて、400℃にて2時間保持する;75%N/25%NH流下にて、1.67℃/分にて900℃まで加熱し、75%N/25%NH中で900℃にて2時間保持する;ファーネスから取り出す前に冷却する。
酸洗浄、脱イオン水での洗浄及び乾燥後、X線蛍光分光法により、サンプルが窒素約4.4重量%及び炭素93.3重量%を含有することが見い出された。
(実施例2)
表1にて示したように、実施例2の触媒材料を調製した。次に、実施例1で使用した同一焼成スケジュールに従って本材料を焼成した。
(実施例3)
表1にて示したように、実施例3の触媒材料を調製した。次に、実施例1で使用した同一焼成スケジュールに従って本材料を焼成した。
酸洗浄、脱イオン水での洗浄及び乾燥後、X線蛍光分光法により、サンプルが窒素約9.9重量%及び炭素87.6重量%を含有することが見い出された。HNC酸性度値は、3未満であることが見込まれる。
(実施例4)
表1にて示したように、実施例4の触媒材料を調製した。次に、本材料は以下のスケジュールに従って、800℃まで焼成した:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;80%N/20%H流下にて、400℃にて1時間保持する;8℃/分にて500℃まで加熱し、かつ75%N/25%NH流下にて、500℃で1時間保持する;8℃/分にて800℃まで加熱し、かつ75%N/25%NH流下にて、800℃で1時間保持する;ファーネスから取り出す前に冷却する。
酸洗浄、脱イオン水での洗浄及び乾燥後、X線蛍光分光法により、サンプルが窒素約10.3重量%及び炭素88.1重量%を含有することが見い出された。HNC酸性度値は、3未満であることが見込まれる。
(実施例5)
表1にて示したように、実施例5の触媒材料を調製した。第1焼成は、実施例4で使用した同一焼成スケジュールに従った。第2焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;窒素流下、400℃にて2時間保持する;約40℃に維持したアセトニトリルのフラスコを通して泡立てた25%Nと共に、50%N/25%NH流下にて、2時間かけて400℃から950℃まで加熱する;この気体流下にて、950℃で1時間維持する;ファーネスから取り出す前に冷却する。
HNC酸性度値は、2.75未満であることが見込まれる。
(実施例6)
表1にて示したように、実施例6の触媒材料を調製した。次に、実施例5で使用した同一焼成スケジュールに従って本材料を焼成した。
HNC酸性度値は、2.5未満であることが見込まれる。
(実施例7)
表1にて示したように、実施例7の触媒材料を調製した。第1焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;窒素流下、400℃にて2時間保持する;窒素流下、8℃/分にて600℃まで加熱する;窒素流下にて、600℃で1時間維持する;冷却する。第2焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;窒素流下、400℃にて2時間保持する;75%N/25%NH流下、8℃/分で950℃まで加熱する;75%N/25%NH流下、950℃にて1時間保持する;ファーネスから取り出す前に冷却する。
(実施例8)
表1にて示したように、実施例8の触媒材料を調製した。第1焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から600℃まで加熱し、窒素流下にて、600℃で1時間維持する;冷却する。第2焼成は、実施例7で第2焼成として使用した同一焼成スケジュールに従った。
HNC酸性度値は、2.75未満であることが見込まれる。
(実施例9)
表1にて示したように、実施例9の触媒材料を調製した。焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;80%N/20%H混合物下にて、400℃にて2時間保持する;75%N/25%NH流下、8℃/分にて温度を850℃まで上昇させる;かつ75%N/25%NH流下、850℃にて1時間保持する。
(実施例10)
表1にて示したように、実施例10の触媒材料を調製した。第2湿式粉砕工程は、第1湿式粉砕工程にて使用したように24時間ではなく、84時間実施した。第1焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から600℃まで加熱する;600℃にて1時間保持する;次に冷却する。第2及び第3焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;80%N/20%H混合物中、400℃にて2時間保持する;75%N/25%NH流下、8℃/分にて温度を900℃まで上昇させる;900℃にて1時間N中にて保持する;窒素雰囲気下にて、冷却する。
(実施例11)
表1にて示したように、実施例11の触媒材料を調製した。第1焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素中にて、6℃/分にて室温から600℃まで加熱する;窒素下、600℃にて1時間保持する;冷却する。第2焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;80%N/20%H混合物中、400℃にて2時間保持する;75%N/25%NH流下、8℃/分にて温度を950℃まで上昇させる;N/NH流下、950℃にて1時間保持する;N/NH流下、冷却させる。
(実施例12)
表1にて示したように、実施例12の触媒材料を調製した。第1焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素中にて、6℃/分にて室温から600℃まで加熱する;600℃にて1時間保持する;冷却する。第2焼成は、以下のスケジュールに従った:窒素流下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱する;80%N/20%H混合物中、400℃にて2時間保持する;75%N/25%NH流下、8℃/分にて温度を950℃まで上昇させる;N/NH流中、950℃にて1時間保持する;N/NH流中にて冷却する。
(実施例13)
実施例13の触媒材料は、表1にて示したように調製し、かつ実施例12に記載された手順に従って焼成した。
比較例1
比較実施例1の触媒材料は、表1にて示したように調製し、かつ以下のスケジュールに従って焼成した:窒素下、6℃/分にて室温から400℃まで加熱し、400℃にて2時間窒素下にて保持する;75%N/25%NH流下、8℃/分で950℃まで加熱する;N/NH中、950℃にて1時間保持する;N/NH流中にて冷却させる。
表1の触媒材料を使用した膜電極アセンブリ(MEA)の調製
表1に従って処理した触媒粒子分散体は、10重量%〜13重量%の水性ナフィオン(NAFION)分散体、触媒粒子、及び脱イオン(DI)水を混合することによって調製した。実施例1〜7の場合、これらの成分の重量比は、各々、約10(水性ナフィオン(NAFION)分散体)〜約1.5(触媒粒子)〜約10(DI水)であった。実施例8〜11の場合、これらの成分の重量比は、それぞれ、約8(水性ナフィオン(NAFION)分散体)〜約2(触媒粒子)〜約8(DI水)であった。次に、混合物を約100℃までホットプレート上で約30分間加熱し、続いて冷却させ、かつ冷却後、試料を攪拌した。触媒インク分散体の約85〜約98ミリグラム(乾燥重量)のコーティングを、GDL[カーボン紙で担持されている(バラード・マテリアル・プロダクツ(Ballard Material Products)(マサチューセッツ州ローウェル)から、商標名AVCARB P50炭素繊維紙にて市販されており、これは、疎水性のために予め処理され、ガス拡散ミクロ層によりコーティングされた。)]の約50cmサイズのサンプル上へとブラシを使って手で塗った。コーティングされた試料は、約110℃にて減圧下(水銀約25にて)で約20分間乾燥させた。本触媒コーティング済み裏地(CCB)は、膜/電極接合体(MEA)のカソード触媒及びガス拡散層(GDL)として使用した。
アノード触媒層は、炭素−紙・ガス拡散層上にコーティングされた白金/炭素−分散インクを含む。本カーボン紙ガス拡散層は、ガス拡散ミクロ層を、疎水性処理した炭素繊維紙(「AVCARB(商標)P50炭素繊維紙」の商標名にてバラード・マテリアル・プロダクツ(Ballard Material Products)(マサチューセッツ州ローウェル)から市販されている)の片面にコーティングすることによって作製した。アノード触媒白金は、約0.3mgPt/cm〜約0.4mgPt/cmの範囲で充填した。ガスケットは、アノードとカソードの両方で約25%〜約30%圧縮できるように選択された。静圧縮を使用して、アノード触媒及びカソード触媒を、一対のキャストしたナフィオン(Nafion)(登録商標)膜(それぞれ、約30マイクロメートル厚、1000EW)に、132℃〜138℃(270°F〜280°F)かつ1,361kg〜1,814キログラム((3,000ポンド〜4,000ポンド)にて10分間結合させた。得られたMEAを4重蛇行型フローフィールドを備えた標準的な50cm燃料電池試験装置(フューエルセル・テクノロジーズ(Fuel Cell Technologies)から)内に置いた。
触媒活性試験
新規触媒材料を使用して調製した各MEAの触媒活性は、以下の手順を使用して測定した。これらの測定法では、ポテンショスタット(ソーラートロン・アナリティカル(Solartron Analytical)(テネシー州オークリッジ)から「ソーラートロン・セルテスト(SOLARTRON CELLTEST)1470」の商標名で市販されている)及びソフトウェアパッケージ(スクリブナー・アソシエイツ(Scribner Associates, Inc.)(ノースカロライナ州サザンパインズ)からコルウェア(CORWARE(商標)の商標名にて市販されている)を使用し、酸素下での分極曲線の記録を伴う。サイクリックボルタモグラムは、50、20、10及び5ミリボルト/秒の走査速度で記録した。触媒活性を比較するために、比較は、5ミリボルト/秒の走査速度を用いて、同一電圧にて実施した。
酸素下での触媒活性は、次のようにして2種類の異なった条件下で測定した。
条件(i)燃料電池のアノード側及びカソード側各々へ、それぞれ約500標準cm/分(SCCM)の流速にて、水素流及び酸素流を導入した。75℃、約132%相対湿度、周囲気圧(0psig)にて、アノード及びカソードの両方で、電気化学的測定を行った。
条件(ii)燃料電池のアノード側及びカソード側各々へ、それぞれ約180標準cm/分(SCCM)及び335SCCMの流速にて、水素流及び酸素流を導入した。アノード背圧は約207kPa(約30psig)であり、カソード背圧は約345kPa(約50psig)であった。80℃、約100%相対湿度にて、電気化学的測定を行った。
表2は、実施例1〜13の触媒材料それぞれについて、条件(i)及び条件(ii)にて上述された2種類の異なった試験条件下、4mA/cm及び80mA/cmにて測定された電圧についてまとめている。表2で報告された電圧は、走査速度5mV/秒にて実施されたサイクリックボルタモグラムから得たが、本発明の触媒の酸素還元活性度を示す。
Figure 0005166512
TiCを触媒基材として使用した耐久性試験
表3は、以下の耐久性試験プロトコルから得た分極曲線から記録された、約0.6Vでの電流密度(A/cm)を比較するデータを表す。耐久性試験は、電池を一定電圧(0.6V〜0.65V)に設定し、5時間実施した。それぞれ5時間定電位で保持した前後で、5mV/秒での2つのサイクリックボルタモグラム(分極曲線とも称される)を実施した。試験中、水素及び空気のガス流を電池のアノード側及びカソード側へ、それぞれ500SCCMの流速で導入した。アノード及びカソード背圧は共に、約207kPa(約30psig)であった。75℃、約100%相対湿度にて、電気化学的測定を行った。
Figure 0005166512
ナノ粒子TiCを担持した実施例7(表3)の触媒の性能によって図示されているように、実施例7の触媒材料を含む燃料電池は、50時間稼動後、0.6Vにて約0.015A/cmの初期電流の約100%以上;100時間稼動後、0.6Vにて約0.015A/cmの初期電流の約100%以上;あるいは800時間稼動後、0.6Vにて約0.015A/cmの初期電流の約100%以上;を生成できた。このため、約50時間後、0.6Vにて約0.0155A/cmの初期電流の約118%が生じ、約100時間後、0.6Vにて約0.0155A/cmの初期電流の約113%が生じ、約800時間後、0.6Vにて約0.0155A/cmの初期電流の約114%が生じた。この性能は、表3の実施例5のデータの炭素担持した触媒の性能と比較することができ、この同一期間にわたる性能低下が明らかになった。実施例5の触媒の場合、約50時間後、0.6Vにて0.0837A/cmの初期電流の約26%が生じ、約100時間後、0.6Vにて0.0837A/cmの初期電流の約14%が生じた。高減衰率ゆえに、試験は800時間未満で中止した。
本出願では、以下の態様が提供される。
1. a)ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の少なくとも1種、及び遷移金属塩の少なくとも1種を含む混合物を、実質的な不活性雰囲気下にて熱分解して、金属含有ポリマーを形成する工程と;及びb)前記金属含有ポリマーを窒素含有活性剤の存在下で加熱することによって活性化して、金属含有燃料電池カソード触媒を形成する工程と;からなる、燃料電池カソード触媒の製造方法。
2. c)前記金属含有燃料電池カソード触媒を金属除去剤で洗浄して、洗浄済み燃料電池カソード触媒を形成する工程、を更に含む、態様1に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
3. 前記洗浄済み燃料電池カソード触媒が遷移金属を実質的に含まない、態様2に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
4. 前記少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物及び前記少なくとも1種の遷移金属塩が、熱分解前に均質に混合される、態様1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
5. 少なくとも約175℃の第1の温度まで加熱することによって前記熱分解工程が生じ、少なくとも約350℃の第2の温度まで加熱することによって前記活性化工程が生じる、態様1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
6. 揮発性副生成物の発生が実質的に停止するまで前記熱分解工程を続ける、態様1〜5のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
7. 前記活性化工程が無水条件下にて実施される、態様1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
8. 前記少なくとも1種の遷移金属塩が、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Ni(II)、Cu(II)の無水塩、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、態様1〜7のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
9. 前記少なくとも1種の遷移金属塩が、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物、金属フッ化物、金属酢酸塩、金属硝酸塩、金属亜硝酸塩、金属炭酸塩、金属シアン化物、金属水酸化物、金属リン酸塩、金属亜リン酸塩、金属亜硫酸塩、金属硫酸塩、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、態様1〜8のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
10. 前記少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物が、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−メチル−3−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、2−メチル−5−ニトロアニリン、2−メチル−6−ニトロアニリン、4−メチル−2−ニトロアニリン、4−エチル−2−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、3−メチル−4−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロトルエン、2−アミノ−4−クロロ−5−ニトロトルエン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、4,5−ジクロロ−2−ニトロアニリン、4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−2−ニトロアニリン、4−(t−ブチル)−3−ニトロアニリン、4−ベンジルオキシ−2−ニトロアニリン、4−メトキシ−3−ニトロアニリン、5−ブロモ−4−メチル−2−ニトロアニリン5−クロロ−2−メトキシ−4−ニトロアニリン、5−エトキシ−4−フルオロ−2−ニトロアニリン、5−ニトロ−1−ナフチルアミン、2−アミノ−7−ニトロフルオレン、4−ニトロフタルイミド、2−アミノ−5−ニトロピリジン、又はこれらの任意の組み合わせ、から選択される、態様1〜9のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
11. 前記混合物中の、前記少なくとも1種の遷移金属塩対前記少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の重量比が、約10:1〜約1:10である、態様1〜10のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
12. 前記混合物が、ヘマトポルフィリン二水素クロライド、ポルフィリン、プロトポルフィリン、5,10,15,20−テトラ(4−ピリジル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(1−メチル−4−ピリジニオ)ポルフィリンテトラ(p−トルエンスルホネート)、5,10,15,20−テトラキス(4−トリメチルアンモニオフェニル)ポルフィリンテトラ(p−トルエンスルホネート)、メソ−テトラ(N−メチル−4−ピリジル)ポルフィリン鉄、4−(4−ニトロフェニルアゾ)カテコール、4−(4−ニトロフェニルアゾ)−1−ナフトール、4−(4−ニトロフェニルアゾ)レゾルシノール、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、ジアミノマレオニトリル及びその誘導体、1−(4−ニトロフェニル)−1H−イミダゾール、1−(4−ニトロフェニル)−1H−ピロール、1−(4−ニトロフェニル)−3−ピロリジノ−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−ニトロフェニル)グリセロール、1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン、これらの任意の遷移金属錯体、又はこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1種の補助的窒素含有化合物を更に含む、態様1〜11のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
13. 前記熱分解工程がプロトン酸の実質的不存在下にて生じる、態様1〜12のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
14. 前記混合物が少なくとも1種のナノ粒子基材を更に含み、かつ前記燃料電池カソード触媒が担持された燃料電池カソード触媒である、態様1〜13のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
15. c)前記金属含有の担持された燃料電池カソード触媒を金属除去剤で洗浄して、洗浄済みの担持された燃料電池カソード触媒を形成する工程、を更に含む、態様14に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
16. 前記洗浄済みの担持された燃料電池カソード触媒が遷移金属を実質的に含まない、態様15に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
17. 前記少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物、前記少なくとも1種の遷移金属塩、及び前記少なくとも1種のナノ粒子基材が、熱分解前に均質に混合される、態様14〜16のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
18. 前記混合物中の、前記少なくとも1種の遷移金属塩対前記少なくとも1種のナノ粒子基材の重量比が、約10:1〜約1:10である、態様14〜17のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
19. 前記少なくとも1種のナノ粒子基材が、a)炭素;又はb)Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、B、若しくはSiの2元若しくは3元の炭化物、窒化物、若しくはシリサイド、又はこれらの任意の組み合わせ;又はc)a)及びb)の任意の組み合わせから選択される、態様14〜18のいずれか一項に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
20. 前記少なくとも1種のナノ粒子基材がTi、Ta、若しくはW、又はこれらの任意の組み合わせの炭化物、シリサイド、若しくは窒化物から選択される、態様14〜19のいずれか一項に記載の担持された燃料電池カソード触媒の製造方法。
21. 少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物及び少なくとも1種の遷移金属塩を含む混合物の熱分解生成物を含む燃料電池カソード触媒であって、熱分解は、実質的な不活性雰囲気下にて生じ;前記熱分解生成物は、窒素含有活性剤の存在下で加熱することによって活性化し;かつ前記熱分解生成物は金属除去剤で洗浄される、燃料電池カソード触媒。
22. 少なくとも1種のニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物、少なくとも1種の遷移金属塩、及び少なくとも1種のナノ粒子基材を含む混合物の熱分解生成物を含む、担持された燃料電池カソード触媒であって、ここで、熱分解は、実質的な不活性雰囲気下にて生じ;前記熱分解生成物は、窒素含有活性剤の存在下で加熱することによって活性化し;かつ前記活性化熱分解生成物は金属除去剤で洗浄される、燃料電池カソード触媒。
23. 態様21に記載の燃料電池カソード触媒又は態様22に記載の担持された燃料電池カソード触媒を含む、燃料電池。

Claims (3)

  1. a)ニトロ含有、アミノ含有芳香族化合物の少なくとも1種、及び遷移金属塩の少なくとも1種を含む混合物を重合して、金属含有ポリマーを形成する工程と;及び
    b)前記金属含有ポリマーを窒素含有活性剤の存在下で加熱することによって前記金属含有ポリマーを熱活性化して、金属含有し、燃料電池カソード触媒の金属含有量と無関係な強い触媒機能を提供する、高度窒素化炭素燃料電池カソード触媒を形成する工程と;
    からなる、高度窒素化炭素燃料電池カソード触媒の製造方法。
  2. 前記混合物が少なくとも1種のナノ粒子基材を更に含み、かつ前記燃料電池カソード触媒が担持された燃料電池カソード触媒である、請求項1に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
  3. 前記少なくとも1種のナノ粒子基材を含む材料が、
    a)炭素;又は
    b)Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、B、若しくはSiの2元若しくは3元の炭化物、窒化物、若しくはシリサイド、又はこれらの任意の組み合わせ;又は
    c)a)及びb)の任意の組み合わせ
    から選択される、請求項1又は2に記載の燃料電池カソード触媒の製造方法。
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