JP5165977B2 - 油中水型固形乳化化粧料 - Google Patents
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かかる固形状油中水型乳化化粧料としては、例えば、固形ワックス類と親油性界面活性剤と、疎水化処理粉末とを配合することにより、安定性がよく、化粧もちも良好で固形状でありながら清涼感を有する油中水型乳化化粧料が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この油中水型乳化化粧料は、塗布時にスジむら、ズルつきがありフィット感がなく、仕上げにくいという欠点があった。またシリコーンオイルとワックスをベースにした固形乳化であるため、仕上がりがさっぱりしすぎるという欠点もある。
また、使用感を良くするためにエステル油を高配合した(5%以上)固形乳化化粧料を調製すると、製品の高温での安定性低下を引き起こし製品品質上の問題が出てくるという問題点があった。
前記(a)成分を0.1〜10質量%含み、(b)成分/(a)成分の質量比が2以上であることを特徴とする油中水型固形乳化化粧料である。
本発明において、(a)成分である12−ヒドロキシステアリン酸および/または硬化ひまし油は、油中水型固形乳化化粧料全量中に、0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜7質量%、より好ましくは0.5〜5質量%配合される。固化剤の中でも12−ヒドロキシステアリン酸や硬化ひまし油を用いることで、エステル油を高配合しても安定性を維持することができる。また、12−ヒドロキシステアリン酸類とエステル油を組み合わせて用いることで、スジむらやズルつきをなくすことができる。
(a)成分の配合量が0.1質量%未満では、目的とした効果を得ることができず、また10質量%を超えると、12−ヒドロキシステアリン酸や硬化ひまし油特有のべたつきが出てしまい、化粧料としての使用性を著しく損ねてしまう。
エステル油の配合量が0.2質量%未満では、しっとりさに欠け、また50質量%を超えると、べたつきを著しく感じる。
かかる油分としては、例えば、液体油脂として、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン等;炭化水素として、流動パラフィン、スクワラン、パラフィン、セレシン、スクワレン等;高級脂肪酸として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等;高級アルコールとして、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリルグリセロールエーテル、モノパルミチルグリセロールエーテル、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等;エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸エチレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、トリオクタン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等;シリコーンとして、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、本発明の固形油中水型乳化化粧料において、これらの界面活性剤の一種または二種以上を組み合わせて適宜に配合することができる。
次の表1に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、しっとりさを次の基準で測定した。また状態についても観察した。その結果を併せて表1に示す。
女性パネル25名に化粧料を使用してもらい、以下の基準で化粧料を評価した。
○:25名中17名以上がしっとりさを感じる。
△:25名中10〜16名以上がしっとりさを感じる。
×:25名中しっとりさを感じるのが9名以下。
(製法)
1〜5および11を80℃に加熱後、6を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した7〜10の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末6は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表2に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、外観の良し悪しを次の基準で評価した。またしっとりさ、および状態も評価した。その結果を併せて表2に示す。
冷却後のパクト表面を目視にて観察し、表面の色が均一であるものを○、表面の色が不均一で色むらや色じまがあるものを×とした。
1〜6および12を80℃に加熱後、7を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した8〜11の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末7は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表3に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、フィット感を次の基準で測定した。また状態も評価した。その結果を併せて表3に示す。
女性パネル25名に化粧料を使用してもらい、以下の基準で化粧料を評価した。
○:25名中17名以上が肌への止まりが適度で、ずるずるしないと感じる。
△:肌への止まりが適度で、ずるずるしないと感じる人が25名中10〜16名。
×:肌への止まりが適度で、ずるずるしないと感じる人が25名中9名以下。
1〜6および12を80℃に加熱後、7を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した8〜11の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末7は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表4に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、しっとりさ、および固化の状態を評価した。その結果を併せて表4に示す。
1〜5および11を80℃に加熱後、6を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した7〜10の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。シリコーン処理粉末6は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表5に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、使用感および状態を評価した。その結果を併せて表5に示す。
1〜5および11を80℃に加熱後、6を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した7〜10の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末6は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表6に示す処方で、後述する方法により乳化口紅を調製した。得られた口紅は、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
9〜11を5の一部に加えローラーで混練する(顔料部)。また12を5の一部に溶解させる(染料部)。1〜8および17〜18を80℃で加熱溶解させた中に先の顔料部と染料部を加え、80℃で均一に分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した13〜16の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で容器に充填し室温まで冷却して目的の乳化口紅を得た。
次の表7に示す処方で、後述する方法により乳化頬紅を調製した。得られた頬紅は、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜6および11を80℃に加熱後、7を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した8〜10の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で容器に充填し室温まで冷却して目的の乳化頬紅を得た。
シリコーン処理粉末7は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク6部、カオリン2部、酸化鉄赤0.3部、酸化チタン1.7部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表8に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製した。得られた固形乳化ファンデーションは、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜6および11を80℃に加熱後、7を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した8〜10の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末7は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表9に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製した。得られた固形乳化ファンデーションは、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜7および13を80℃に加熱後、8を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した9〜12の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末8は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表10に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製した。得られた固形乳化ファンデーションは、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜9および15を80℃に加熱後、10を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した11〜14の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末10は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表11に示す処方で、常法により固形乳化ファンデーションを調製し、使用性および状態を評価した。その結果を併せて表11に示す。
Claims (3)
- (a)12−ヒドロキシステアリン酸および/または硬化ひまし油と、
(b)液状エステル油と、
(c)非イオン性界面活性剤と、
(d)粉末とを含有し、
前記(a)成分を0.1〜10質量%含み、前記(b)成分を0.2〜50質量%含み、前記(c)成分を0.5〜10質量%含み、
前記(b)成分を含む全油分の配合量が20〜85質量%であり、
前記(c)成分がポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンであり、
(b)成分/(a)成分の質量比が2以上である、
ことを特徴とする油中水型固形乳化化粧料。 - (b)成分以外の油分/(a)成分の質量比が7以下であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型固形乳化化粧料。
- (b)液状エステル油が、セチルイソオクタノエート、オキシステアリン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸グリセリルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油中水型固形乳化化粧料。
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