JP5165978B2 - 油中水型固形乳化化粧料 - Google Patents
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かかる固形状油中水型乳化化粧料としては、例えば、固形ワックス類と親油性界面活性剤と、疎水化処理粉末とを配合することにより、安定性がよく、化粧もちも良好で固形状でありながら清涼感を有する油中水型乳化化粧料が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この油中水型乳化化粧料は、塗布時にスジむら、ズルつきがありフィット感がなく、仕上げにくいという欠点があった。またシリコーンオイルとワックスをベースにした固形乳化であるため、仕上がりがさっぱりしすぎるという欠点もある。
また、液状油溶性の紫外線吸収剤を高配合(5質量%以上)した固形乳化化粧料を調製しようとすると、製品の高温での安定性低下を引き起こし製品品質上の問題が出てくるという問題点があった。
前記(a)成分を0.1〜10質量%含み、液状エステル油を含んでいても良く、((b)成分+液状エステル油)/(a)成分の質量比が1.4以上である、ことを特徴とする油中水型固形乳化化粧料である。
本発明において、(a)成分である12−ヒドロキシステアリン酸および/または硬化ひまし油は、油中水型固形乳化化粧料全量中に、0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜7質量%、より好ましくは0.5〜5質量%配合される。固化剤の中でも12−ヒドロキシステアリン酸や硬化ひまし油を用いることで、液状油溶性紫外線吸収剤を高配合しても安定性を維持することができる。また、12−ヒドロキシステアリン酸類と液状油溶性紫外線吸収剤を組み合わせて用いることで、紫外線防止効果を付与できるだけでなく、スジむらやズルつきをなくすことができる。
(a)成分の配合量が0.1質量%未満では、製剤にフィット感を与えることができず、またスジむらの解消もできない。また10質量%を超えると、のびが重くべたつき、製剤の使用性に悪影響をおよぼす。
液状油溶性紫外線吸収剤の配合量が0.3質量%未満では、紫外線防止効果が十分に発揮されず、また15質量%を超えると、紫外線吸収剤由来のべたつきが製剤に現れてしまう。
かかる油分のうち、液状エステル油としては、例えばセチルイソオクタノエート、オキシステアリン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸−2−エチルヘキシル、イソパルミチン酸オクチル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸オクチルドデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリン酸モノグリセリル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸オクチル、ダイマー酸ジイソプロピル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリット、2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、ヒドロキシステアリン酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸−2−エチルヘキシル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、ビバリン酸イソステアリル、ビバリン酸イソデシル、ビバリン酸−2−オクチルドデシル、ヒマシ油脂肪酸メチル、プロピオン酸アラキル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ブチル、ミンク油脂肪酸エチル、ラウリン酸イソステアリル、ラウリン酸ヘキシル等が挙げられる。
また、本発明の固形油中水型乳化化粧料において、これらの界面活性剤の一種または二種以上を組み合わせて適宜に配合することができる。
次の表1に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、SPF値、製品の外観の良し悪し、およびフィット感を次の方法で測定した。また使用感も評価した。その結果を併せて表1に示す。
SPFの測定は特開2003−327521号公報に記載の方法に従い行った。化粧料を透明テープ上に2mg/cm2の塗付量で塗付し評価試料とした。この評価試料を紫外線領域において太陽光とほぼ同一のスペクトルを有する光源と分光光度計との間に挿入し、評価試料の有無によるスペクトルを比較し、SPF値(太陽光シミュレーション値)を算出した。
○:表面の変化なし。
△:少し色じまが見られる。
×:大きな色じまが見られる。
女性パネル20名に化粧料を使用してもらい、以下の基準で化粧料を評価した。
○:20名中14名以上が肌への止まりが適度で、ずるずるしないと感じる。
△:肌への止まりが適度で、ずるずるしないと感じる人が20名中8〜13名。
×:肌への止まりが適度で、ずるずるしないと感じる人が20名中7名以下。
(製法)
1〜6および12を80℃に加熱後、7を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した8〜11の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末7は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表2に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、製品の外観の良し悪し、フィット感、および使用感を評価した。その結果を併せて表2に示す。
1〜7および13を80℃に加熱後、8を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した9〜12の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末8は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表3に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、フィット感、製品の外観の良し悪し、および使用感を評価した。その結果を併せて表3に示す。
1〜7および13を80℃に加熱後、8を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した9〜12の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末8は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表4に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、使用感、製品の外観の良し悪し、およびフィット感を評価した。その結果を併せて表4に示す。
1〜6および12を80℃に加熱後、7を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した8〜11の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末7は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表5に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製し、固化の状態、使用感、およびフィット感を評価した。その結果を併せて表5に示す。
1〜6および12を80℃に加熱後、7を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した8〜11の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末7は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表6に示す処方で、後述する方法により乳化口紅を調製した。得られた口紅は、紫外線防止効果が高く、フィット感があり、製品安定性も優れていた。
10〜12を5の一部に加えローラーで混練する(顔料部)。また13を5の一部に溶解させる(染料部)。1〜9および18〜19を80℃で加熱溶解させた中に先の顔料部と染料部を加え、80℃で均一に分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した14〜17の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で容器に充填し室温まで冷却して目的の乳化口紅を得た。
次の表7に示す処方で、後述する方法により乳化頬紅を調製した。得られた頬紅は、紫外線防止効果が高く、フィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜5および10を80℃に加熱後、6を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した7〜9の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で容器に充填し室温まで冷却して目的の乳化頬紅を得た。
シリコーン処理粉末6は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク6部、カオリン2部、酸化鉄赤0.3部、酸化チタン1.7部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表8に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製した。得られた固形乳化ファンデーションは、紫外線防止効果が高く、フィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜5および11を80℃に加熱後、6を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した7〜10の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末6は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表9に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製した。得られた固形乳化ファンデーションは、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜7および13を80℃に加熱後、8を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した9〜12の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末8は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表10に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製した。得られた固形乳化ファンデーションは、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜10および16を80℃に加熱後、11を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した12〜15の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末11は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表11に示す処方で、後述する方法により固形乳化ファンデーションを調製した。得られた固形乳化ファンデーションは、しっとりとした感触でフィット感があり、製品安定性も優れていた。
1〜8および14を80℃に加熱後、9を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した10〜13の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末9は、特開昭63-113081号公報、特開昭63-113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
次の表12に示す処方で、常法により固形乳化ファンデーションを調製し、状態、および使用感を評価した。その結果を併せて表12に示す。
Claims (2)
- (a)12−ヒドロキシステアリン酸および/または硬化ひまし油と、
(b)液状油溶性紫外線吸収剤と、
(c)非イオン性界面活性剤と、
(d)粉末とを含有し、
前記(a)成分を0.1〜10質量%含み、前記(b)成分を3〜15質量%含み、前記(c)成分を0.5〜10質量%含み、
前記(b)成分を含む全油分の配合量が20〜85質量%であり、
前記(c)成分がポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンであり、
液状エステル油を含んでいても良く、((b)成分+液状エステル油)/(a)成分の質量比が1.4以上である、
ことを特徴とする油中水型固形乳化化粧料。 - (b)液状油溶性紫外線吸収剤が、オクチルメトキシシンナメート、オクトクリレン、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、およびトリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型固形乳化化粧料。
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