JP5165468B2 - 難燃性布帛 - Google Patents

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本発明は、繊維基材の色柄など外観を損なうことなく、均一に難燃性を付与された難燃性布帛に関するものである。
ポリエステルなどからなる繊維基材は、軒出しテントなどの装飾テントやカーテン、鞄地、カーシートなどの用途において広く扱われている。これらの用途においては、風合いや色、柄といった外観に対する要求が大きい。この要求に応えるべく、上記用途における繊維基材には先染糸や原着糸が用いられ、経糸や緯糸の組合せにより色柄を発現させる方法がある。しかし、これらの用途の多くは、消防法に定められている防炎規格(消防法施行規則第4条:JIS規格L−1091)に適合することも要求される場合があり、防炎加工が必要となることが多い。そこで、ハロゲン系難燃剤や非ハロゲン系難燃助剤(赤リン粒子や加熱膨張性黒鉛)をポリオレフィンやポリスチレンなどの熱可塑性樹脂に添加し、コーティングやラミネートなどの加工方法によって両面塗布する方法が提案され、一般的にも実施されている(特許文献1、2)。しかし、これらの方法では確かに難燃性を有した膜材を得ることが可能であるが、樹脂が最外層に位置するために繊維基材の持つ風合いや色柄が犠牲にされ、カーテンや鞄地、カーシートなどに要求される外観を満たすことができないことがある。
その他、水分散タイプの難燃剤を液流によって、繊維基材に固着する方法も一般的に行われている。この方法においては、繊維基材の持つ外観を大きく変化させることなく難燃性を付与することができる。しかし、繊維基材が紡績糸からなる場合には、脱落した糸毛羽が付着する問題が起こりやすく、さらにその紡績糸が先染糸や原着糸である場合には、顔料および染料の移染問題が起こる可能性がある。
以上のように、原着や先染の紡績糸を使用した色柄を有する繊維基材に、その外観を大きく損なうことなく、防炎加工を施す方法は、難解であり、以上の要求を満たした難燃性布帛は未だ開発されていない。
特開平6−25476号公報 特開平8−302202号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みなされたもので、その目的は、色柄を有する繊維基材において、外観を大きく損なうことなく、均一に防炎加工を施した難燃性布帛を提供することにある。
本発明は、原糸が原着および/または先染の紡績糸からなり、2色以上の色柄を有した繊維基材にパディング加工によって難燃剤を塗布した難燃性布帛に関する。
本発明によれば、原糸が原着や先染の紡績糸からなり、2色以上の色柄を有した繊維基材にパディング加工によって、繊維織物にリン系難燃剤とハロゲン系難燃剤を付与することにより、外観を大きく損なうことなく、均一に難燃性を有した布帛を得る装飾テントやカーテン、鞄地、カーシートなどの用途に要求される風合い、色柄、難燃性を有した布帛を提供することができる。
本発明の繊維基材に好ましく用いられる繊維(原糸)は、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維などの合成繊維であり、これらの糸を単独で、あるいは混合して製編織した織編物である。本発明の繊維基材は、テントやカーテン、鞄地、カーシートなどの用途で使用することを目的としており、これらの用途に必要な布帛の強度を発現しやすいという点で編物よりも織物の方が好ましい。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルからなる繊維基材である。
また、これらの用途には外観に対する要求もあるため、織組織については平織や綾織など特に限定はしないが、十分な厚みを得るためには、織物の密度として30〜80本/inchが好ましく用いられる。さらに、経糸または緯糸を双糸にすることは、より布帛に凹凸感が得られファブリック調は強調される。
また、上記用途の外観に対する要求とは、具体的に色柄や風合いなどを指すことも考えられる。そのために、繊維基材に用いられる糸は、先染糸や原着糸であって、経糸や緯糸などの組合せによって色柄を発現できることが条件となる。さらには、この色柄には耐光性が必要とされる場合がある。これは、テントなどのように屋外で長期間使用される場合が考えられるからである。そのため、繊維が原着糸であることは、色あせが起こりにくく、先染糸よりも外観の面で有利となる。ここで述べる原着糸とは、着色剤を含有するものであるが、ここで用いられる着色剤としては、有機顔料、無機顔料、染料を組み合わせて所望の色相や明度になるように使用割合を調整すれば良い。特に好ましくは着色剤が顔料であることである。
このうち、原着糸に用いられる顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、チタンイエロー、ベンガラ、コバルトバイオレット、群青、コバルトブルー、クロムグリーンなどの無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、イソインドリノン系などの有機顔料を用いることができる。
繊維に含有する顔料の添加量としては、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。これ未満であると、色相が薄いため色相変動が起こり易くなる傾向にある。逆に、これを超える場合は、毛羽が増え、繊維強度が低くなる傾向にあり、製造工程においても顔料自体が異物となり、断糸が多くなる傾向にある。
また、先染めに用いられる染料としては、好ましくはカチオン染料、酸性染料、直接染料、分散染料、反応染料、酸性媒染染料から選択された染料を含み、特にカチオン染料、酸性染料、直接染料から選択される。また、カチオン染料、酸性染料、直接染料から少なくとも一以上選択すると共に、分散染料、反応染料、酸性媒染染料などを併用してもよい。
カチオン染料が選択された場合には、カチオン染料に対応する繊維群から繊維が選択され、好ましくはアクリル繊維、カチオン可染型ポリエステル(CDP)が用いられる。酸性染料が選択された場合には、ポリアミド繊維などが選択され、好ましくはナイロン6、ナイロン66が選択される。直接染料が選択された場合には、ビニロン繊維が好適に選択される。ポリエステル繊維の場合には、分散染料を好適に選択することができる。さらに、反応染料を選択した場合には、ポリアミド繊維などが選択される。酸性媒染染料(クロム染料)を選択した場合には、ナイロンなどが選択される。
本発明では、ファブリック調で柔らかな風合いを発現するために使用される原糸は短繊維の紡績糸である必要があり、十分な風合いを得るために、紡績糸の繊度として10〜30番手が好ましく用いられる。
本発明に適用される繊維基材は、以上のような原着や先染の紡績糸からなり、2色以上の色柄を有するものである。このような2色以上の色柄を有する繊維基材としては、例えば織物において、経糸の色を変えることで白赤白黄白緑白の順に15cm間隔のストライプ柄を施したり、あるいは、経糸緯糸それぞれの色を変化させて格子柄の繊維基材を作製したり、場合によっては経糸緯糸の組み合わせによって任意の模様を繊維基材に発現すればよく、特に限定されるものではない。
なお、本発明で用いる原着や先染の紡績糸は、難燃糸であるとより好ましい。ここでの難燃糸とは、例えば2−カルボキシ−エチル−メチル−ホスフィン酸、および/またはその環状無水物などのようなリン化合物をポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに共重合したものが例示される。上記リン化合物は、リン元素として0.3〜1.5重量%の範囲で共重合されるものが好ましい。上記リン元素が、0.3重量%未満では十分な防炎効果が得られない恐れがあり、一方1.5重量%を超えるとポリマーの着色や、強力、耐熱性、染色堅牢度などの物性の低下が見られることがあるため好ましくない。本発明で用いる原糸を難燃原着糸や難燃先染糸とすることで、本発明品である難燃性布帛により一層の難燃性を付与できるものと期待できる。
上記難燃糸の詳細は、例えば特開2001−131874号公報の段落「0009」−「0014」に記載されている。
これまで記載してきたように、テントやカーテン、鞄地、カーシートなどの用途においては、風合いや色柄、耐光性などの外観の要求が存在するが、これらに加え、難燃性に対する要求も高く、繊維基材に難燃性を付与する方法の選択が非常に重要になってくる。それは、原着糸や先染糸を使用した色柄を有する繊維基材の場合、特に原着糸が短繊維である場合は、防炎加工の途中で短糸や糸毛羽が脱落し、異なる色や柄の部分に付着する問題が発生するからである。特に、液流加工のような加工途中に繊維基材が何度ももみ返される加工ではこのような問題が発生しやすく、発生した場合は布帛の外観を大きく損なうこととなる。
このような問題を解決するために、本発明では、防炎加工の方法にパディング加工を選択した。ここで、パディング加工とは、ディッピングにより水分散された難燃剤を繊維基材に付着させ、その後、乾燥と共に難燃剤を繊維基材に熱固着させる方法である。このパディング加工によれば、加工途中に繊維基材が何度ももみ返されることはなく、繊維基材が2色以上の色柄を有するものであっても、短糸や糸毛羽の脱落が少なく、外観を大きく阻害しない。
上記ディッピングにおける加工速度は、10m/min〜40m/minの範囲で、かつ絞りローラーの圧力は2kgf/cm〜6kgf/cmの範囲であることが望まれる。これは、加工速度が10m/min未満であると加工効率が悪く、一方40m/minより速いと含浸斑が多くなり、外観を大きく阻害してしまう原因になる。一方、絞りローラーの圧力が2kgf/cm未満であるとディップされた溶液が十分絞られず乾燥が不十分になる可能性があり、6kgf/cmより高いとディップされた溶液が絞られ過ぎるため所望の薬剤量を付着させるには溶液の薬剤濃度を高濃度にする必要があり、溶液の安定性不良が懸念され、さらには、絞りローラーに負担がかかり破損の原因となり兼ねない。また、固着温度は150℃〜200℃であることが望ましい。これは、150℃未満であると十分な乾燥を行うために加工速度を低下させる必要があり加工効率が悪くなる。また、薬剤の繊維への十分な固着ができない可能性がある。一方200℃より高いと繊維基材に収縮などの熱的影響を与えてしまう可能性が考えられる。
ここで、上記難燃剤は、芳香族リン酸エステルや芳香族縮合リン酸エステル、赤リンなどのようなリン系難燃剤であっても、テトラブロモビスフェノールAやデカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカンなどのようなハロゲン系難燃剤であってもよく、水分散されていることが条件となる以外は特に限定されることはない。リン系難燃剤はハロゲン系難燃剤に比べ環境への負荷が小さいため、リン系難燃剤のみを用いた場合、本開発における難燃性布帛は環境を配慮した製品となる。一方、ハロゲン系難燃剤のみを用いた場合には、安定した難燃性能を付与できるといった利点がある。上記のようにリン系難燃剤またはハロゲン系難燃剤を単独で使用しても本発明は達成されるが、リン系難燃剤とハロゲン系難燃剤を併用することで、環境に配慮し、かつ安定した難燃性能を付与することが可能になる。そのためにはリン系難燃剤を主に用い、リン系難燃剤とハロゲン系難燃剤の混合比は重量比でリン系難燃剤:ハロゲン系難燃剤=1:0.05〜0.3である必要があり、好ましくはリン系難燃剤:ハロゲン系難燃剤=1:0.1である。ハロゲン系難燃剤の混合比が0.05未満であると安定した難燃性能が得られない可能性があり、一方0.3より多いと環境への負荷が大きくなる。また、ディッピング溶液内で難燃剤が沈降する現象が起こりやすくなることが経験的にわかっている。
以上の難燃剤の使用量は、繊維基材重量に対し、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。5重量%未満では、防炎性能が不十分であり、一方、50重量%を超えると、色目の変化や堅牢度の低下を起こす恐れがある。
さらには、パディング加工の際に、難燃剤に加えて、撥水剤、好ましくは有機フッ素化ポリマー系撥水剤などを添加することも可能である。そうすることによって、難燃性に加え、撥水性などの新しい機能も繊維基材に付与することができる。ここで使用する有機フッ素化ポリマー系撥水剤としては、パーフルオロアルキル基やポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートから形成される重合体を単独、若しくは、ビニールエステル、ビニールエーテルやアクリルアミドと共重合させたものと脂肪族イソシアネートのパーフルオロメタクリレートとの共重合体系撥水剤が挙げられるが、なかでも熱溶融特性の良好なパーフルオロアルキルメタクリレートと脂肪族イソシアネートとの共重合体系撥水剤が防炎性の点から好ましい。
撥水剤の使用量は、繊維基材重量に対し、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%である。0.1重量%未満では、撥水性能が不十分であり、一方、10重量%を超えると、防炎性能を阻害する恐れがある。
さらに、本発明によって得られた布帛の少なくとも片面に熱可塑性樹脂を塗布し、耐水圧など他の性能を発揮することも有用である。例えば、テント膜材などに用いる場合は、耐水圧は重要な膜材の性能となる。ここで塗布される熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを挙げることができ、これらの樹脂は一般的に可塑剤などの各種添加剤を配合してもよい。また、上記熱可塑性樹脂に難燃剤を添加すれば、より高い難燃性が付与された布帛を得ることも可能である。上記樹脂の塗布量は、固形分として20〜70g/m2の範囲にあるものが好ましい。上記塗布量が、20g/m2未満では防水性が不十分であり、一方70g/m2を超えると風合いが硬化し、取扱性が不良となり好ましくない。上記混合樹脂は、ジメチルホルムアミド、トルエンなどの上記の溶剤で希釈し、3,000〜30,000cpsの粘度に調整したものを使用する。この粘度が低すぎると樹脂が地組織の内部まで浸透するために被膜形成が不良となって、防水性が低下する。一方、粘度が高すぎると地組織の表面がフィルム状となってタックが生じ易くなり、地組織と樹脂との接着性が低下して使用中に樹脂が剥離するなどの問題が生じる恐れがある。
また、コーティング法としては、ナイフコーティング、キスロール、グラビアコーティング法などの乾式コーティング法が使用され、上記樹脂を塗布する。塗布後に行う乾燥処理は、100〜170℃の温度範囲行えばよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の外観、色劣化、撥水性能、耐水性能、難燃性能の評価試験は、以下の方法により測定した。
外観:
目視により判断
色劣化(1年曝露):
目視により判断
撥水性能:
JIS L 1092(スプレー試験)に準拠して測定した。
耐水性能:
JIS L 1092A法に準拠して測定した。
難燃性能(残炎時間、炭化面積)
JIS L 1091A法に準拠して測定した。
[実施例1]
繊維基材には、18番手のポリエステル原着紡績糸をそれぞれ経糸および緯糸に使用した、織密度が経68本/インチ、緯39本/インチの織物(帝人ファイバー(株)製、T7813)を用いた。この繊維基材には、経糸の色を変えることで、原着により、白赤白黄白緑白の順に15cm間隔のストライプ柄が施されている。さらに、この繊維基材に対し、パディング加工により難燃性を付与した。加工条件は、加工速度20m/min、絞りローラーの圧力2.4kgf/cm、固着温度190℃で行い、用いた装置はシュリンクサーファータイプの樹脂加工機である。また、難燃剤には、リン系難燃剤(リン酸エステルのフェナントレン誘導体)とハロゲン系難燃剤(ヘキサブロモシクロドデカン)を重量比1:0.1で混合したものを水に希釈して33重量%濃度で用いた。
[実施例2]
実施例1と同様の繊維基材に、実施例1と同じ加工条件にてパディング加工を行った。パディング加工における溶液には実施例1と同じ配合の難燃剤に加え、フッ素系撥水剤(パーフルオロアルキル基含有ウレタンオリゴマー)を5重量%濃度で添加した。
[実施例3]
繊維基材には、18番手のポリエステル難燃原着紡績糸をそれぞれ経糸および緯糸に使用した、織密度が経68本/インチ、緯39本/インチの織物(帝人ファイバー(株)製、T7811)を用いた。この繊維基材には、実施例1と同様のストライプ柄が施されている。さらに、この繊維基材に対し、実施例1と同条件でパディング加工を行い、難燃性を付与した。
[実施例4]
実施例2で使用した難燃性布帛の片面に対し、固形分換算で27g/mの塗布量でエステル系ウレタン樹脂とリン系難燃剤(芳香族縮合リン酸エステル)を固形分比1:1で混ぜたものをコーティングした。
[実施例5]
実施例2においてハロゲン系難燃剤を使用せず、リン系難燃剤のみ40重量%濃度で使用したこと以外、実施例2と同様にして難燃性布帛を得た。
[実施例6]
実施例2においてリン系難燃剤を使用せず、ハロゲン系難燃剤のみ20重量%濃度で使用したこと以外、実施例2と同様にして難燃性布帛を得た。
[実施例7]
繊維基材には、18番手のポリエステル紡績糸(帝人ファイバー(株)製)をそれぞれ経糸および緯糸に使用した、織密度が経68本/インチ、緯39本/インチの織物を用いた。この繊維基材に用いた紡績糸は先染糸であり、経糸の色を変えることで白赤白黄白緑白の順に15cm間隔のストライプ柄が施されている。さらに、この繊維基材に対し、実施例1と同条件のパディング加工により難燃性を付与した。
[実施例8]
実施例2において、フッ素系撥水剤(ウレタン骨格)を使用せず、フッ素系撥水剤(パーフルオロアルキルエチルアクリレート系共重合物)を2重量%濃度で使用したこと以外は、実施例2と同様にして難燃性布帛を得た。
[比較例1]
繊維基材には、18番手のポリエステル紡績糸(帝人ファイバー(株)製)をそれぞれ経糸および緯糸に使用した、織密度が経68本/インチ、緯39本/インチの織物を用いた。この繊維基材は、後染で染色されている。さらに、この繊維基材に対し、実施例1と同条件のパディング加工により難燃性を付与した。
なお、本比較例1における後染は、液流染色機を用いてpH8.8、生地速度300m/分、温度130℃として分散染料で染色したものである。
[比較例2]
繊維基材には、18番手のポリエステル原着紡績糸をそれぞれ経糸および緯糸に使用した、織密度が経68本/インチ、緯39本/インチの織物(帝人ファイバー(株)製、T7813)を用いた。この繊維基材には経糸の色を変えることで、実施例1と同様にして白赤白黄白緑白の順に15cm間隔のストライプ柄が施されている。さらに、この繊維基材に対し、日阪製作所社製の液流染色機を用いて液流加工により、実施例2と同様の難燃剤および撥水剤を繊維基材に対しそれぞれ33重量%(リン系30重量%+ハロゲン系3重量%)および5重量%、浴比1:15で難燃性と撥水性を付与、得られた難燃性布帛の片面に対し、実施例4と同様にして固形分換算で27g/mの塗布量で上記ウレタン樹脂をコーティングした。
なお、液流加工の条件は、生地速度300m/分、温度130℃にて30分間処理するものであった。
















Figure 0005165468
Figure 0005165468











Figure 0005165468
注)表1〜3に記載の難燃剤および撥水剤の付与量は、薬剤中の固形分を考慮していない数値である。
本発明は、繊維基材の風合いや色柄を維持したまま均一に難燃性を付与することができ、色柄の耐光性も良好である。また、パディング加工においては、難燃性の他に撥水性などの性能を付与することも容易であり、外観と性能を要求されるテントやカーテン、鞄地、カーシートなどの用途においては利用価値が極めて高いものである。

Claims (14)

  1. 原糸がポリエステル繊維からなる原着および/または先染の紡績糸からなり、2色以上の色柄を有した繊維基材にパディング加工によって難燃剤を塗布した難燃性布帛。
  2. 上記パディング加工において、難燃剤に加え撥水剤も塗布した請求項1記載の難燃性布帛。
  3. 上記難燃剤が水分散性難燃剤であり、リン系とハロゲン系のうち少なくとも1種類からなる難燃剤である請求項1または2に記載の難燃性布帛。
  4. 2色以上の色柄を有した繊維基材材が、その経糸と緯糸の組合せによって色柄を構成している織物である、請求項1〜3いずれかに記載の難燃性布帛。
  5. 上記織物が、経糸の色を変えることによるストライプ柄を有するか、あるいは、経糸および緯糸それぞれの色を変化させて格子柄を有する、請求項4記載の難燃性布帛。
  6. 上記原着および/または先染の紡績糸が難燃糸である請求項1〜5いずれかに記載の難燃性布帛。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の布帛であって、その少なくとも片面に熱可塑性樹脂が塗布された難燃性布帛。
  8. 難燃剤の使用量が、繊維基材重量に対し、5〜50重量%である、請求項1〜7いずれかに記載の難燃性布帛。
  9. 撥水剤の使用量が、繊維基材重量に対し、0.1〜10重量%である、請求項2〜8いずれかに記載の難燃性布帛。
  10. 熱可塑性樹脂の塗布量が、固形分として20〜70g/m である、請求項7〜9いずれかに記載の難燃性布帛。
  11. 請求項1〜10いずれか1項に記載の難燃性布帛を用いたテント膜材。
  12. 請求項1〜10いずれか1項に記載の難燃性布帛を用いた鞄地。
  13. 請求項1〜10いずれか1項に記載の難燃性布帛を用いたカーシート。
  14. 請求項1〜10いずれか1項に記載の難燃性布帛を用いたカーテン。
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