JP5164252B2 - 水性エマルション接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水性エマルション接着剤に関し、さらに詳しくは初期接着性や耐熱クリープに優れ、特に鋼板、床材および綿素材などに対して接着性に優れた水性エマルション接着剤に関する。
鋼板、床材および綿素材などの建材用途において、合成ゴム系またはビニル共重合樹脂系の溶剤型接着剤は、投錨性および耐水性に優れ、特に合成ゴム系の溶剤型接着剤は、ポリマーのコンタクト性および凝集力により、優れた初期接着性や耐熱クリープなどを有することから、広範囲に使用されている。
しかしながら、溶剤型接着剤は、有機溶剤による環境汚染、人体への毒性などの問題が懸念され、水性接着剤への切り替えが望まれているのが現状である。上記の問題点について、様々な手法により溶剤型接着剤に代わる水性接着剤の検討がなされている。
特許文献1には、ポリクロロプレンラテックスを使用し、軟化点100℃以上の粘着付与樹脂および二塩基酸ジメチルエステルを配合した接着剤が開示されているが、該接着剤は、初期接着性、常態接着性が劣り、溶剤型接着剤の代替品として使用できないという問題点がある。また、該接着剤は、スプレー塗装のような作業性においても、クロロプレンラテックスの機械的安定性の不足により塗装不良も問題となっている。
特許文献2には、ポリクロロプレンラテックスに含まれるクロロプレン重合体を有機溶媒に一定濃度に溶解し、その粘度を制御することで接着性能を上げる試みが開示されているが、この方法では、重合反応の管理が非常に難しく、安定した生産性を保つことが困難である。
特許文献3には、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドを用いた熱架橋性樹脂組成物が開示されているが、該樹脂組成物は、耐熱性は向上するものの接着剤としての初期接着性は不十分である。
特開2006−57002号公報 特開平8−218044号公報 特開2003−165812号公報
従って、本発明の目的は、鋼板、床材および綿素材などの材料の接着において、優れた初期接着性や耐熱クリープなどを有し、溶剤型接着剤の代替可能な水性エマルション接着剤を提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、酸基不含単量体(a)87〜99.4質量%と、酸基含有単量体(b)0.5〜10質量%と、水酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体(c)0.1〜3質量%と、単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)との合計量100質量部当たり、重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)0.05〜10質量部とからなる共重合体を含有することを特徴とする水性エマルション接着剤(以下単に「接着剤」という場合がある)を提供する。
上記本発明においては、前記共重合体が、少なくとも水、界面活性剤、および重合開始剤の存在下に、酸基不含単量体(a)87〜99.4質量%と、酸基含有単量体(b)0.5〜10質量%と、水酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体(c)0.1〜3質量%と、単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)との合計量100質量部当たり、重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)0.05〜10質量部とを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
また、上記本発明においては、前記共重合体のゲル分率(%)が、40〜95%であること;さらに共重合体100質量部当たり、水溶性有機溶剤および/または水溶性高分子化合物0.05〜10質量部を含有すること;およびさらに共重合体100質量部当たり、充填材1〜150質量部を含有することが好ましい。
本発明によれば、水性エマルション接着剤でありながら、初期接着性や耐熱クリープに優れ、鋼板、床材、タイルおよび綿素材などの材料の接着に有用な接着剤が提供される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明の接着剤は、酸基不含単量体(a)87〜99.4質量%と、酸基含有単量体(b)0.5〜10質量%と、水酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体(c)0.1〜3質量%と、単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)との合計量100質量部当たり、重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)0.05〜10質量部とからなる共重合体を含有することを特徴とする。以下各構成成分について説明する。
本発明で使用する単量体(a)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートまたはラウリル(メタ)アクリレートなどのアクリル系単量体、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族系単量体、(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系単量体などが挙げられ、これら単量体を1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、その他の公知の酸基不含単量体も使用することができる。
本発明で使用する単量体(b)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられ、これらの単量体を1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。その他の公知のカルボキシル基含有単量体も使用することができる。
本発明で使用する単量体(c)としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、これらの単量体を1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明で使用する重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、これらの重合性二重結合を有するシランカップリング剤を1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明においては、前記単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)とは、それらの単量体の合計を100質量%とした場合、単量体(a)を87〜99.4質量%とし、単量体(b)を0.5〜10質量%とし、単量体(c)を0.1〜3質量%とし、かつ単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)との合計量100質量部当たり、重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)を0.05〜10質量部として共重合して共重合体とすることが必要である。単量体(b)の使用量が0.5質量%未満であると、水性エマルション接着剤の機械的安定性が不十分であり、一方、単量体(b)の使用量が10質量%を超えると、接着剤の耐水性が低下するため、好ましくない。よって単量体(b)の使用量は、0.5〜10質量%で、好ましくは1〜7質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。また、単量体(c)の使用量が0.1質量%未満であると、接着剤の耐熱クリープが不十分であり、一方、単量体(c)の使用量が3質量%を超えると、接着剤の初期接着性が低下するため好ましくない。また、重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)の使用量が0.05質量部未満であると、接着剤の耐熱クリープや耐水性が不十分であり、一方、シランカップリング剤(d)の使用量が10質量部を超えると、接着剤の初期接着性が低下するため好ましくない。重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)の使用量は、0.05〜10質量部であり、好ましくは0.1〜7質量部であり、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記共重合体の合成方法は、特に限定されないが、少なくとも水、界面活性剤、および重合開始剤の存在下に、単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)と重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)とを前記の質量割合で乳化重合して合成することが好ましい。
上記乳化重合において、ノニオン性、アニオン性、カチオン性および両性界面活性剤などの通常使用される公知の非反応性乳化剤および/または反応性乳化剤を使用することができ、これらの1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。
アニオン性界面活性剤の例としては、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールスルホン酸塩、ポリリン酸塩などが挙げられる。ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型またはアルキルエーテル型のものなどが挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、脂肪族アミン塩およびその4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体などが挙げられる。これらの乳化剤は、1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、得られる共重合体の分子量を調整する目的で、t−オクチルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物やアルコールなどの連鎖移動剤を使用することができる。
本発明で使用する重合開始剤としては、通常アクリル樹脂の乳化重合で使用される公知の重合開始剤が使用できる。例えば、水溶性の重合開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素などを1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。油溶性の重合開始剤として、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾビス化合物および高分子アゾ重合開始剤を1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができ、また、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とを組み合わせて使用することもできる。これらの重合開始剤と、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸などの還元剤との組み合わせからなるレドックス系開始剤なども使用することができる。
上記乳化重合は、前記単量体混合物を水性液中で、ラジカル重合開始剤および乳化剤の存在下、撹拌下に加熱することによって実施できる。反応温度は、例えば、30〜100℃程度、反応時間は、例えば、1〜10時間程度が好ましい。水と乳化剤(例えば反応性界面活性剤など)とを仕込んだ反応容器に単量体混合液または単量体乳化液を一括添加または暫時滴下することによって反応温度の調節を行う。
乳化重合の方法としては、通常の一段連続モノマー均一滴下法、多段モノマーフィード法であるコア・シェル重合法、重合中にフィードするモノマー組成を連続的に変化させるパワーフィード重合法など、いずれの重合法も採ることができる。
また、上記共重合体の、実施例に記載の方法で測定したゲル分率(%)は40〜95%であることが好ましく、より好ましくは、45〜90%である。上記ゲル分率が40%未満では耐熱クリープが不十分であり、一方、上記ゲル分率が 95%を超えると接着剤の初期接着性が低下するため好ましくない。上記ゲル分率は、各単量体の使用比率や架橋反応性単量体の使用量の変更によって上記の範囲に調節することができる。
本発明の接着剤は、共重合体100質量部当たり0.05〜10質量部の水溶性有機溶剤を含有することができる。水溶性有機溶剤としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールテトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
以上の通り上記本発明の接着剤は、水性媒体と界面活性剤と共重合体とからなり、界面活性剤の含有量は、共重合体100質量部当たり、0.1〜10質量部の範囲が好ましく、共重合体の濃度は40〜70質量%が好ましい。本発明の接着剤はさらに共重合体100質量部当たり0.05〜10質量部の水溶性高分子化合物を含むことができる。水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコールおよびその各種変性物などのビニルアルコール系重合体、酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体のけん化物、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、またその他の公知の水溶性高分子化合物などが挙げられる。
また、本発明の接着剤においては、前記共重合体の酸基を中和する中和剤を含むことができる。中和剤としては、塩基性の有機化合物および塩基性の無機化合物の何れであってもよく、例えば、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2−アミノメチルプロパノール、モルホリンなどの鎖状または環状のアミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。
本発明の接着剤はさらに共重合体100質量部当たり1〜150質量部の充填材を含むことができる。充填材として、例えば、石英粉末、石英砂、シリカ、バライト、炭酸カルシウム、白亜、ドロマイト、タルク、木粉、クレー、ベントナイト、スターチなどが挙げられる。
また、本発明の接着剤の性能の向上を目的とする他の添加剤として、尿素/ホルマリン樹脂、フェノール/ホルマリン樹脂などの熱硬化性樹脂、ロジンおよびロジンエステル系、テルペンフェノール樹脂やテルペン重合体、また、ポリ酢酸ビニル系エマルション、界面活性剤存在下で製造された(メタ)アクリル酸エステル、ジエン系、スチレン系エマルション、ポリ塩化ビニルエマルション、ポリウレタンエマルションなどの他の水性エマルションを添加することも可能である。
さらに、本発明の接着剤は、必要な特性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において種々の添加剤を配合してもよい。例えば、分散剤、泡消剤、増粘剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤などを配合することができる。
本発明の接着剤は、主に建材用の鋼板接着に使用される。使用方法は、各鋼板の各々に一定量の接着剤を塗布し、常温乾燥または加熱乾燥後に鋼板の両塗布面を貼り合わせ、一定荷重にて圧着させる。ここで水性エマルション接着剤の初期接着性が乏しいと接着不良を起こすため、この用途において初期接着性が重要となる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を示す。
〈接着剤の作製〉
[実施例1]
イオン交換水50部、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤(株)製)3.33部、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル(商品名:ニューコール723、日本乳化剤(株)製)1.0部、2−エチルヘキシルアクリレート54.5部、メチルメタクリレート4.0部、スチレン37.0部、アクリル酸3.5部、ヒドロキシエチルアクリルアミド1.0部、ビニルトリメトキシシラン(商品名:信越シリコーンKBM−1003、信越シリコーン(株)製)0.7部およびt−オクチルメルカプタン0.05部を秤量して攪拌し、乳化混合液を調製した。
次いで、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下装置および窒素ガス導入管を装備した反応装置に、イオン交換水28.0部およびポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤(株)製)0.35部を仕込み、上記装置内の空気を窒素ガスに置換した後、仕込んだこの溶液を攪拌しながら、上記装置の内温を78℃に加温した。次に、この溶液中に10%水溶液の過硫酸アンモニウム5.0部を添加した後、直ちに上記乳化混合液と10%水溶液の過硫酸アンモニウム2.0部を3時間かけて滴下した。滴下終了後、上記装置の内温を78℃に保ちながら、さらに3時間反応を行なった後、内温を室温まで冷却した。次いで、25%アンモニア水2.0部、グリセリン2.0部および5%ヒドロキシエチルセルロース水溶液6.0部を添加し、固形分濃度50%に調整して、実施例1の接着剤を得た。該接着剤の分析の結果、粘度8,500mPa・s/25℃、固形分50.1%、pH8.1、平均粒子径175nmであった。
[実施例2〜6]
実施例1における単量体構成成分および配合量を変える以外は、実施例1と全く同様の重合条件により、実施例2〜6の接着剤を作製した。得られた実施例2〜6の接着剤の単量体構成成分および配合量を表1に示す。
[比較例1〜3]
表1の比較例1〜3に該当する単量体配合組成および配合量を用いて実施例1と同様の重合条件により、比較例1〜3の接着剤を得た。
Figure 0005164252
〈試験方法および評価基準〉
前記実施例および比較例の接着剤について、下記の試験方法で試験を行い表2に示す結果を得た。
[鋼板/鋼板接着試験]
<初期接着性試験:試験1>
鋼板基材は、亜鉛引き鋼板(G−3302 SGCC 0.3mm厚×25mm幅×75mm長)を使用する。
1)2枚の鋼板基材に接着剤をくし目ごてにて深さ1mmの溝が2mm間隔で生じるように塗布し、塗布量50g/m2・dryとなるように塗布する。
2)上記で塗布された2枚の鋼板を120℃の熱風循環機で1分間乾燥させ、23℃、50%RHで30秒間放置する。
3)塗工面同士を接着面積25mm×25mmになるように貼り合わせ、1t/m2・1秒の荷重をかける。
4)23℃、50%RHの雰囲気下で1分間放置したものを測定試料とする。
5)該測定試料をオートグラフ(株式会社島津製作所 AUTOGRAPH AGS−1000B)にて、引張り速度200mm/分でせん断強度を測定する。
<常態接着性試験:試験2>
上記初期接着性試験に準じて試料を作製する。該試料を23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置した後、初期接着性試験同様にオートグラフにてせん断強度を測定する。
<耐水性試験:試験3>
上記初期接着性試験に準じて、試料を作製する。該試料を23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置し、さらに20℃の水に1ケ月間浸漬後、初期接着性試験同様にオートグラフにてせん断強度を測定する。
<耐熱クリープ(耐熱せん断試験):試験4>
上記初期接着性試験に準じて、試料を作製する。該試料を23℃、50%RHの雰囲気下で60分間試料を放置した後、80℃の恒温槽内で200gの荷重を掛け、同温度にて24時間放置後のズレ巾または落下するまでの時間を測定する。
<ゲル分率:試験5>
ゲル分率試験は、配合物中の充填材および共重合体以外の樹脂を除いた接着剤にて測定を行なう。
接着剤を130℃で30分間乾燥させ、接着剤の皮膜を得る。該皮膜の0.5gを取り、23℃のテトラヒドロフラン100ml中に浸漬し、23℃で7日間放置する。その後上記のテトラヒドロフラン溶液をろ紙にて濾過する。ろ紙上に残った不溶解分を130℃で1時間乾燥させ、23℃に戻してからその重量を測定する。下記の式にてゲル分率(%)を求めた。
ゲル分率(%)=不溶解分の重量/浸漬前の重量×100
Figure 0005164252
本発明の水性エマルション接着剤は、初期接着性、コンタクト性、常態接着性、耐熱クリープ、貯蔵安定性、機械安定性などが優れているため、金属や床材の建材分野などの広範囲の用途において利用することができる。

Claims (5)

  1. メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートまたはラウリル(メタ)アクリレートのいずれかのアクリル系単量体、スチレン、α−メチルスチレンおよび(メタ)アクリロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1の酸基不含単量体(a)87〜99.4質量%と、
    アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸および無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1の酸基含有単量体(b)0.5〜10質量%と、
    ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドまたはヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドのいずれかの水酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体(c)0.1〜3質量%と、
    単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)との合計量100質量部当たり、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1の重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)0.05〜10質量部とからなる共重合体を含有することを特徴とする水性エマルション接着剤。
  2. 共重合体が、少なくとも水、界面活性剤、および重合開始剤の存在下に、酸基不含単量体(a)87〜99.4質量%と、酸基含有単量体(b)0.5〜10質量%と、水酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体(c)0.1〜3質量%と、単量体(a)と単量体(b)と単量体(c)との合計量100質量部当たり、重合性二重結合を有するシランカップリング剤(d)0.05〜10質量部とを共重合してなる共重合体である請求項1に記載の水性エマルション接着剤。
  3. 共重合体のゲル分率(%)が、40〜95%である請求項1又は2に記載の水性エマルション接着剤。
  4. さらに共重合体100質量部当たり、水溶性有機溶剤および/または水溶性高分子化合物0.05〜10質量部を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性エマルション接着剤。
  5. さらに共重合体100質量部当たり、充填材1〜150質量部を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性エマルション接着剤。
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