JP5162068B2 - 無機質耐力面材及びその製造方法 - Google Patents

無機質耐力面材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機質耐力面材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に住宅は、地震や風圧により横からの荷重を受けることを考慮し、構造壁等の建築材料には、荷重を考慮した耐力面材が使用されている。耐力面材としては、木造の住宅において汎用されている木質構造用合板の他、無機質系材料として、ケイ酸カルシウム板等の繊維補強セメント板や石膏ボード等が用いられているが、前者においては可燃性であり耐久性が良くないという問題があり、後者においては耐力面材としての強度が不足しており、材質も脆いため、釘打ちに対する釘打性が悪くかつ釘の保持力も低いという問題を抱えている。
【0003】
斯かる状況の下、最近、無機質系面材の上記欠点を解決し、木質構造用合板の代替として使用可能な、高強度の無機質耐力面材として、セメント、けい酸カルシウム系軽量水熱合成物、補強繊維及び充填材を特定の比率で配合し、湿式成形して得られ、かさ比重0.5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mm2及び壁倍率2.5以上である無機質耐力面材が報告されている(特願2000−166771号公報)。
【0004】
しかしながら、当該無機質耐力面材においても、製造の際のグリーンシートの保水性が低いために層間密着性が良くなく、表面平滑性も低く、更には所定の強度を有する面材がコンスタントに製造できないという問題があり、未だ充分な無機質耐力面材が得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製造の際のグリーンシートが適度な保水性を有し、積層板の層間密着性が高く、表面平滑性に優れた無機質耐力面材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、無機質耐力面材における層間密着性や表面平滑性が用いるケイ酸カルシウム水和物の性質に左右されると考え、鋭意検討したところ、ケイ酸カルシウム水和物の製造において、一定量以上の硫酸イオンが存在すると、生成するケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が増大して、保水性が低下する傾向があり、またその硫酸イオン濃度が変動することにより、ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度も大きく変動することを見出した。そして、更に検討した結果、塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムの存在下に、水、石灰質原料及びケイ酸質原料を混合し、水熱合成することにより、反応の安定性を上げることができ、適度なかさ密度をもち且つ適度な保水性を有するケイ酸カルシウム水和物スラリーが得られ、これを用いることにより、層間密着性及び表面平滑性に優れた無機質耐力面材をコンスタントに収率良く製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウム水和物を含有する配合物を湿式成形して得られ、かさ密度0.5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mm2及び壁倍率2.5以上である無機質耐力面材であって、該ケイ酸カルシウム水和物として、塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムの存在下、石灰質原料及びケイ酸質原料を主原料として水熱反応によって製造されるケイ酸カルシウム水和物スラリーを用いることを特徴とする無機質耐力面材を提供するものである。
【0008】
また本発明は、セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウム水和物を含有する配合物をスラリー状にして、単層又は複層のグリーンシートを湿式成形し、所望により1層以上のネット層を複合し、加圧成形した後、養生することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の無機質耐力面材の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の無機質耐力面材に用いられるケイ酸カルシウム水和物は、塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムの存在下、石灰質原料及びケイ酸質原料を主原料とし、水熱反応によって製造されるケイ酸カルシウム水和物スラリーを用いるものである。
一般に、石灰質原料、ケイ酸質原料及び水を混合して、水熱反応によってケイ酸カルシウム水和物スラリーを製造する場合、斯かる水は工場生産ライン内の水が用いられる。工場生産ライン内の水には、ケイ酸カルシウム成形体を製造する際に用いる石灰質原料の一部にセメントからの石膏が含まれること、無機質充填材として石膏を添加すること、また同じ工場内にてセメント系、ケイ酸カルシウム系及び石膏系の製造を併産している場合があることから、特に循環使用している水には硫酸イオンが少なからず溶解していると考えられる。
そこで、この点について詳細に検討したところ、反応系に存在する当該硫酸イオンが一定量以上になると、生成するケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が増大する傾向があること、またその硫酸イオン濃度が大きく変動する場合もあり(例えば、100〜20000ppm)、この場合にはケイ酸カルシウム水和物のかさ密度も大きく変動することが確認され、結果的に良質のケイ酸カルシウム成形体の安定生産が困難になることを見出した。そして、反応系に、塩化バリウム又は塩化アルミニウムを添加して硫酸イオンが殆ど存在しない状態で水熱反応せしめたことろ、反応の安定性が上がり、常にかさ密度が低く、適度な保水性をもつスラリー組成物を得ることに成功した。
【0010】
本発明のケイ酸カルシウム水和物スラリーの製造は、塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムを添加すること以外は、従来用いられている反応系、すなわち石灰質原料、ケイ酸質原料及び水、更に必要に応じてセルロースパルプ、ガラス繊維等の耐オートクレーブ性を有する繊維類を加えて混合し、オートクレーブにて高温高圧で反応せしめてケイ酸カルシウムの水性スラリーとする方法が適用される。
【0011】
従って、石灰質原料、ケイ酸質原料、繊維類等の原料の種類は特に制限されるものではないが、好適なものを示せば以下のとおりである。
石灰質原料としては、生石灰、消石灰等が挙げられ、ケイ酸質原料としては、珪石、珪藻土、シリカフューム等が挙げられ、特に珪石が好適である。
【0012】
また、石灰質原料とケイ酸質原料の配合比(CaO/SiO2のモル比)は、通常0.5〜1.5であり、これらを質量比で5〜20倍、好ましくは10〜15倍の水に分散混合すればよい。
また、必要に応じてスラリーの製造過程又は生成したスラリーに、セルロースパルプ、ガラス繊維等の繊維類を添加してもよい。
【0013】
反応条件もまた、特に制限されるものではないが、好ましくはスラリーを撹拌することのできるオートクレーブにて、150℃〜230℃の範囲で温度設定し、1〜20時間実施すればよい。
【0014】
塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムの添加時期及び添加方法は、反応液中の硫酸イオンを効率よく除去できるかぎり特に限定されるものでない。すなわち予め原料である石灰質原料、ケイ酸質原料又は合成用水に添加しておくことでもよく、或いは石灰質原料、ケイ酸質原料及び水の反応混合物に添加してもよい。また、反応混合物に添加する場合には、水熱反応の開始前、反応中の何れの段階において添加することも可能である。このうち、硫酸イオンとより速やかに反応できる点から、予め合成用水に添加するのが好ましい。
【0015】
塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムの添加量は、例えば合成水中の硫酸イオン濃度が300ppm以下、特に200ppm以下となるようにとなるように添加するのが好ましく、全合成水に対し0.1質量%以上添加するのが好ましいが、経済性を考慮すれば、0.1〜5.0質量%の範囲で添加するのが好ましい。
0.1質量%未満であると、通常の合成水において十分に硫酸イオン濃度を低下させることができず、水熱反応を助成し、かさ密度を低くする効果が不十分となる。そしてこれを用いて製した無機質耐力面材は、軽量化効果が損なわれるばかりでなく、積層時の層間密着力を著しく損ねてしまい層間剥離不良が多発する。
一方、塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムを過剰に添加してもケイ酸カルシウム水和物の性状には問題はないが、通常合成水において硫酸イオン濃度が、20000ppm以上となることは殆どないこと及び製造コストを併せ考えると5.0質量%以下とするのが好ましい。
【0016】
斯くして得られたケイ酸カルシウム水和物スラリーは、ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が低く、適度な保水性をもつ新規なスラリー組成物である。
ここでいうかさ密度とは、ケイ酸カルシウム水和物スラリーをブフナーロート等にて吸引脱水し、単位容積あたりの固形分の乾燥質量を意味するものであり、ケイ酸カルシウム水和物スラリーの性状を評価する指標とされる。ケイ酸カルシウム水和物の水熱反応が十分進行し、軽量化効果が期待できるケイ酸カルシウム水和物はかさ密度が低い。逆にかさ密度の高いものは、ケイ酸カルシウム成形体に添加しても目標とする軽量化効果が得られなくなるばかりでなく、抄造法による製造のときにはフェルトベルト上に抄き上げられたフィルムの保水量も目標を下回り、成形体の層間密着性を悪化させる原因になる。
以上の点から、ケイ酸カルシウム水和物スラリー中のケイ酸カルシウム水和物のかさ密度は、0.05〜0.3g/cm3であることが好ましい。
【0017】
本発明の無機質耐力面材は、上記のケイ酸カルシウム水和物スラリーを用い、セメント、補強繊維、必要に応じて無機質充填材を配合し、湿式成形することにより製造することができる。
【0018】
本発明の無機質耐力面材におけるケイ酸カルシウム水和物スラリーの配合量は、ケイ酸カルシウム水和物として5〜50質量%とするのが好ましい。5質量%未満では無機質耐力面材の軽量化及び良好な釘打ち性の確保が困難であり、長さ変化率が大きくなる。一方、50質量%以上では無機質耐力面材としての必要な強度及び釘保持力が得られにくい。
【0019】
セメントとしては、ポルトランドセメント、早強セメント、高炉セメント、低熱セメント及びエコセメント等を用いることができ、これを20〜60%配合するのが好ましい。
【0020】
補強繊維としては、パルプ、ヤング率5kN/mm2以上の繊維及びヤング率5kN/mm2未満の繊維を適当な比率で配合したものが好ましく、例えばパルプを3〜15質量%、ヤング率5kN/mm2以上の繊維を0〜2質量%、及びヤング率5kN/mm2未満の繊維を0〜2質量%配合する場合が特に好ましい。この場合、パルプの配合量は3〜15質量%であるのが好ましい。3質量%未満では製品の強度、たわみ及び釘打ち加工性が十分とならず、一方15質量%以上では製品の表面精度、長さ変化率及び耐久性が劣ってしまう。
【0021】
また、パルプ以外の繊維として、ヤング率5kN/mm2以上の繊維及びヤング率5kN/mm2未満の繊維を配合することにより、耐力面材としての強度、壁倍率、また、対衝撃性、釘打ち加工性が十分に得られる。尚、これらを2質量%以上の配合することは表面性の低下やコストアップの原因となり好ましくない。
ここで、ヤング率5kN/mm2以上の繊維としては、ポリビニルアルコール繊維、ポリノジック繊維、アラミド繊維、麻繊維等の有機繊維及びガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等が挙げられ、一方、ヤング率5kN/mm2未満の繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維、ポリ塩化ビニル繊維等の有機繊維が挙げられる。
【0022】
本発明の無機質耐力面材には、板の柔軟性や釘打ち加工性等の向上及び生産コスト低減の点から、更に無機質充填材を配合するのが好ましく、この場合の配合量は、1〜60質量%とするのがよい。
斯かる無機質充填材としては、珪石、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナイト、二水石膏及び無水石膏等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択し配合することができる。ただし、珪石を用いて養生方法としてオートクレーブ養生を行った場合は、その珪石は主にマトリックスとして働く。
【0023】
これらの配合物をスラリー状にして抄造法によりグリーンシートを成形し、1〜20N/mm2のプレス圧で加圧成形した後、養生硬化すれば本発明の無機質耐力面材を製造することができる。
【0024】
成形方法は、丸網式抄造機、長網抄造機、フローオン抄造機等の抄造法及び脱水プレス法等のバッチ式成形法等の汎用の方法を用いればよく、これらの方法を単独又は組み合わることにより、単層又は複層のグリーンシートが積層した構造の無機質耐力面材を得ることができる。
【0025】
また、単層又は複層の層内及び/又は層間には、必要に応じて1又は複数のネットを複合することができる。ネットの複合化は、無機質耐力面材の性能向上、特に壁倍率の向上に有効である。また、ネットを複合させることにより補強繊維の配合量を減じることが可能となる。
【0026】
ネットの挿入は、抄造時及び抄造過程においてグリーンシート状態にて積層する際に行えばよい。この際にはネットと成形層との密着性の向上のため、セメントペースト、水ガラス、シリカフューム、シリカゲル及びアルミナゲル等の無機質バインダーやアクリル系エマルジョン、SBR等の合成ゴムラテックス及び酢酸ビニル系エマルジョン等の有機質バインダー及びこれらを複合させたバインダーの使用が有効である。
また、各層を単板として硬化させた後、無機及び/又は有機質のバインダーを使い、各層を板材のみで、又はネット層を挟み込む形で接合することも可能である。
【0027】
ネットとしては、例えばポリビニルアルコール繊維、ポリノジック繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、麻繊維等の有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維及び金属繊維等が挙げられる。
【0028】
耐力面材を成形する際の成形圧は、1〜20N/mm2が好ましい。1N/mm2未満では必要強度、釘保持力及び表面平滑性が得られず20N/mm2以上では軽量化が図れず釘打ち性も困難となる。
【0029】
また養生としては、自然養生、湿潤養生、蒸気養生及びオートクレーブ養生があるが、養生時間の短縮及び釘打ち性等の加工性のためには蒸気養生が好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
参考例1 ケイ酸カルシウム水和物スラリーの製造
塩化バリウム又は塩化アルミニウムのいずれか一方、あるいは両方を合成用水中に溶解させ、表1に示す濃度となるように当該合成用水を用い、生石灰35質量%、珪石65質量%と10倍の当該合成用水とを混合し、撹拌機付オートクレーブにて200℃、2時間の水熱合成をし、所定の範囲のかさ密度を有する該ケイ酸カルシウム水和物スラリーを製造した。
【0031】
実施例1〜8 比較例1〜4 無機質耐力面材の製造
表1に示す割合で、セメント、補強繊維、ケイ酸カルシウム水和物及び充填材を混合した。
フローオン抄造機を使用し、各原料配合による混合物に水を加え原料スラリーとしたものを、単層にてグリーンシートとしたもの、又は単層のグリーンシートを複数層積層したもの、更には複数層積層したグリーンシートの層間に耐アルカリガラス繊維ネットを重ね合わせた最終グリーンシートを、5〜20N/mm2のプレス圧にて目標範囲のかさ密度でかつ製品厚さ10mmとなるまで加圧成形し、これを養生硬化させて1m×2mサイズの該無機質耐力面材を得た。
【0032】
得られた無機質耐力面材について、かさ密度、曲げ強度、壁倍率、層間密着性、表面平滑性、製造性について評価した。結果を表1に併せて示す。
尚、層間密着性とは、積層板を製造した際、その積層グリーンシート及び/又は養生硬化後の積層板においての各層同士の密着性を評価したものである。
○:グリーンシート及び養生後の板の層間に、剥離傾向なし。
×:グリーンシート及び/又は養生後の板の層間に剥離傾向が一部又は全部に認められる。
【0033】
表面平滑性とは、グリーンシートを作製した際、保水性及び濾水性が不均一であることから、該グリーンシート表面の滑らかさ及び部分的な厚さムラを評価したものである。
○:グリーンシートでの表面がほぼ均一で滑らかであり、板内での厚さ変動幅が10点の任意点測定にて1mm未満である。
×:グリーンシート表面に凹凸が認められ、板内での厚さ変動幅が10点の任意点測定にて1mm以上である。
【0034】
製造性とは、製造の際の効率を評価したものである。
○:効率よく製造でき、不良品の発生がほとんどないもの。
×:製造中に厚さ不良や原料ムラ等のトラブルが生じ、不良品が発生した。
【0035】
【表1】
Figure 0005162068
【0036】
(2)評価結果
実施例1〜8では、本発明によるケイ酸カルシウム水和物を使用することで、適度な保水性を有するグリーンシートが得られ、層間密着性が高く、表面平滑性に優れた、設定範囲のかさ密度、曲げ強度及び壁倍率を有する無機質耐力面材が得られた。
【0037】
比較例1〜4は、塩化バリウムの添加が無いか又は過少であり、比較例1,2はケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が増大し、グリーンシートの保水性が低下して層間密着性及び表面平滑性が損なわれた。比較例3は適性範囲のかさ密度を有するケイ酸カルシウム水和物を設定範囲の添加量以上配合し、目標とする曲げ強度及び壁倍率が得られなかった。比較例4はケイ酸カルシウム水和物に代わりにパーライトを使用したもので、強度発現及び壁倍率が不十分となるばかりでなく、表面にパーライトが露出し外観も損ねてしまった。
【0038】
【発明の効果】
本発明のケイ酸カルシウム水和物スラリーは、かさ密度が低く、適度な保水性をもち、優れた軽量化効果を発揮することから、これを用いることにより、耐久性優れ、釘保持力が高く且つ長さ変化率が小さいという無機質耐力面材の特性を保持しつつ、更に層間密着性が高く、表面平滑性に優れた無機質耐力面材をコンスタントに収率よく得ることができる。

Claims (8)

  1. セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウム水和物を含有する配合物をスラリー状にして抄造法によりグリーンシートを成形し、1〜20N/mm 2 のプレス圧で加圧成形した後、自然養生、湿潤養生及び蒸気養生からなる群から少なくとも1種選ばれる養生により養生硬化して得られ、かさ密度0.5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mm2及び壁倍率2.5以上である無機質耐力面材であって、該ケイ酸カルシウム水和物として、石灰質原料及びケイ酸質原料を配合比(CaO/SiO 2 のモル比)0.5〜1.5で含む原料を、質量比で5〜20倍の合成用水に分散混合し、塩化バリウムを添加して反応系の硫酸イオン濃度を300ppm以下とした混合物を、オートクレーブにて、150〜230℃で攪拌しながら水熱合成されたケイ酸カルシウム水和物スラリーを用いることを特徴とする無機質耐力面材。
  2. セメントを20〜60質量%、補強繊維を3〜18質量%、ケイ酸カルシウム水和物を5〜50質量%配合し、更に無機質充填材を0〜60質量%配合するものである請求項1記載の無機質耐力面材。
  3. 1種又は2種以上のグリーンシートを複数層積層することにより成形してなる請求項1又は2記載の無機質耐力面材。
  4. グリーンシートの層内又は層間にネット層を複合してなる請求項3記載の無機質耐力面材。
  5. 塩化バリウムをケイ酸カルシウム水和物スラリー全水量に対し0.1〜5.0質量%添加するものである請求項1〜4のいずれか1記載の無機質耐力面材。
  6. ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が0.05〜0.3g/cm3である請求項1〜5のいずれか1記載の無機質耐力面材。
  7. 補強繊維が、パルプ3〜15質量%、ヤング率5kN/mm2以上の繊維0〜2質量%及びヤング率5kN/mm2未満の繊維0〜2質量%からなるものである請求項1〜6のいずれか1記載の無機質耐力面材。
  8. セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウム水和物を含有する配合物をスラリー状にして、単層又は複層のグリーンシートを湿式成形し、所望により1層以上のネット層を複合し、加圧成形した後、養生することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の無機質耐力面材の製造方法。
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