JP2003095727A - 無機質耐力面材及びその製造方法 - Google Patents

無機質耐力面材及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウ
ム水和物を含有する配合物を湿式成形して得られ、かさ
密度0.5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mm2及び壁
倍率2.5以上である無機質耐力面材であって、該ケイ
酸カルシウム水和物として、塩化バリウム及び/又は塩
化アルミニウムの存在下、石灰質原料及びケイ酸質原料
を主原料として水熱反応によって製造されるケイ酸カル
シウム水和物スラリーを用いることを特徴とする無機質
耐力面材及び該無機質耐力面材の製造方法。 【効果】 耐久性優れ、釘保持力が高く且つ長さ変化率
が小さいことに加え、層間密着性が高く、表面平滑性に
優れた無機質耐力面材をコンスタントに収率よく得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質耐力面材及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に住宅は、地震や風圧により横から
の荷重を受けることを考慮し、構造壁等の建築材料に
は、荷重を考慮した耐力面材が使用されている。耐力面
材としては、木造の住宅において汎用されている木質構
造用合板の他、無機質系材料として、ケイ酸カルシウム
板等の繊維補強セメント板や石膏ボード等が用いられて
いるが、前者においては可燃性であり耐久性が良くない
という問題があり、後者においては耐力面材としての強
度が不足しており、材質も脆いため、釘打ちに対する釘
打性が悪くかつ釘の保持力も低いという問題を抱えてい
る。
【0003】斯かる状況の下、最近、無機質系面材の上
記欠点を解決し、木質構造用合板の代替として使用可能
な、高強度の無機質耐力面材として、セメント、けい酸
カルシウム系軽量水熱合成物、補強繊維及び充填材を特
定の比率で配合し、湿式成形して得られ、かさ比重0.
5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mm2及び壁倍率
2.5以上である無機質耐力面材が報告されている(特
願2000−166771号公報)。
【0004】しかしながら、当該無機質耐力面材におい
ても、製造の際のグリーンシートの保水性が低いために
層間密着性が良くなく、表面平滑性も低く、更には所定
の強度を有する面材がコンスタントに製造できないとい
う問題があり、未だ充分な無機質耐力面材が得られてい
ないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
の際のグリーンシートが適度な保水性を有し、積層板の
層間密着性が高く、表面平滑性に優れた無機質耐力面材
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無機質耐
力面材における層間密着性や表面平滑性が用いるケイ酸
カルシウム水和物の性質に左右されると考え、鋭意検討
したところ、ケイ酸カルシウム水和物の製造において、
一定量以上の硫酸イオンが存在すると、生成するケイ酸
カルシウム水和物のかさ密度が増大して、保水性が低下
する傾向があり、またその硫酸イオン濃度が変動するこ
とにより、ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度も大きく
変動することを見出した。そして、更に検討した結果、
塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムの存在下に、
水、石灰質原料及びケイ酸質原料を混合し、水熱合成す
ることにより、反応の安定性を上げることができ、適度
なかさ密度をもち且つ適度な保水性を有するケイ酸カル
シウム水和物スラリーが得られ、これを用いることによ
り、層間密着性及び表面平滑性に優れた無機質耐力面材
をコンスタントに収率良く製造できることを見出し、本
発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、セメント、補強繊維及
びケイ酸カルシウム水和物を含有する配合物を湿式成形
して得られ、かさ密度0.5〜1.2、曲げ強度10〜
30N/mm2及び壁倍率2.5以上である無機質耐力面材
であって、該ケイ酸カルシウム水和物として、塩化バリ
ウム及び/又は塩化アルミニウムの存在下、石灰質原料
及びケイ酸質原料を主原料として水熱反応によって製造
されるケイ酸カルシウム水和物スラリーを用いることを
特徴とする無機質耐力面材を提供するものである。
【0008】また本発明は、セメント、補強繊維及びケ
イ酸カルシウム水和物を含有する配合物をスラリー状に
して、単層又は複層のグリーンシートを湿式成形し、所
望により1層以上のネット層を複合し、加圧成形した
後、養生することを特徴とする請求項1〜7のいずれか
1項記載の無機質耐力面材の製造方法を提供するもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の無機質耐力面材に用いら
れるケイ酸カルシウム水和物は、塩化バリウム及び/又
は塩化アルミニウムの存在下、石灰質原料及びケイ酸質
原料を主原料とし、水熱反応によって製造されるケイ酸
カルシウム水和物スラリーを用いるものである。一般
に、石灰質原料、ケイ酸質原料及び水を混合して、水熱
反応によってケイ酸カルシウム水和物スラリーを製造す
る場合、斯かる水は工場生産ライン内の水が用いられ
る。工場生産ライン内の水には、ケイ酸カルシウム成形
体を製造する際に用いる石灰質原料の一部にセメントか
らの石膏が含まれること、無機質充填材として石膏を添
加すること、また同じ工場内にてセメント系、ケイ酸カ
ルシウム系及び石膏系の製造を併産している場合がある
ことから、特に循環使用している水には硫酸イオンが少
なからず溶解していると考えられる。そこで、この点に
ついて詳細に検討したところ、反応系に存在する当該硫
酸イオンが一定量以上になると、生成するケイ酸カルシ
ウム水和物のかさ密度が増大する傾向があること、また
その硫酸イオン濃度が大きく変動する場合もあり(例え
ば、100〜20000ppm)、この場合にはケイ酸カ
ルシウム水和物のかさ密度も大きく変動することが確認
され、結果的に良質のケイ酸カルシウム成形体の安定生
産が困難になることを見出した。そして、反応系に、塩
化バリウム又は塩化アルミニウムを添加して硫酸イオン
が殆ど存在しない状態で水熱反応せしめたことろ、反応
の安定性が上がり、常にかさ密度が低く、適度な保水性
をもつスラリー組成物を得ることに成功した。
【0010】本発明のケイ酸カルシウム水和物スラリー
の製造は、塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムを
添加すること以外は、従来用いられている反応系、すな
わち石灰質原料、ケイ酸質原料及び水、更に必要に応じ
てセルロースパルプ、ガラス繊維等の耐オートクレーブ
性を有する繊維類を加えて混合し、オートクレーブにて
高温高圧で反応せしめてケイ酸カルシウムの水性スラリ
ーとする方法が適用される。
【0011】従って、石灰質原料、ケイ酸質原料、繊維
類等の原料の種類は特に制限されるものではないが、好
適なものを示せば以下のとおりである。石灰質原料とし
ては、生石灰、消石灰等が挙げられ、ケイ酸質原料とし
ては、珪石、珪藻土、シリカフューム等が挙げられ、特
に珪石が好適である。
【0012】また、石灰質原料とケイ酸質原料の配合比
(CaO/SiO2のモル比)は、通常0.5〜1.5
であり、これらを質量比で5〜20倍、好ましくは10
〜15倍の水に分散混合すればよい。また、必要に応じ
てスラリーの製造過程又は生成したスラリーに、セルロ
ースパルプ、ガラス繊維等の繊維類を添加してもよい。
【0013】反応条件もまた、特に制限されるものでは
ないが、好ましくはスラリーを撹拌することのできるオ
ートクレーブにて、150℃〜230℃の範囲で温度設
定し、1〜20時間実施すればよい。
【0014】塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウム
の添加時期及び添加方法は、反応液中の硫酸イオンを効
率よく除去できるかぎり特に限定されるものでない。す
なわち予め原料である石灰質原料、ケイ酸質原料又は合
成用水に添加しておくことでもよく、或いは石灰質原
料、ケイ酸質原料及び水の反応混合物に添加してもよ
い。また、反応混合物に添加する場合には、水熱反応の
開始前、反応中の何れの段階において添加することも可
能である。このうち、硫酸イオンとより速やかに反応で
きる点から、予め合成用水に添加するのが好ましい。
【0015】塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウム
の添加量は、例えば合成水中の硫酸イオン濃度が300
ppm以下、特に200ppm以下となるようにとなるように
添加するのが好ましく、全合成水に対し0.1質量%以
上添加するのが好ましいが、経済性を考慮すれば、0.
1〜5.0質量%の範囲で添加するのが好ましい。0.
1質量%未満であると、通常の合成水において十分に硫
酸イオン濃度を低下させることができず、水熱反応を助
成し、かさ密度を低くする効果が不十分となる。そして
これを用いて製した無機質耐力面材は、軽量化効果が損
なわれるばかりでなく、積層時の層間密着力を著しく損
ねてしまい層間剥離不良が多発する。一方、塩化バリウ
ム及び/又は塩化アルミニウムを過剰に添加してもケイ
酸カルシウム水和物の性状には問題はないが、通常合成
水において硫酸イオン濃度が、20000ppm以上とな
ることは殆どないこと及び製造コストを併せ考えると
5.0質量%以下とするのが好ましい。
【0016】斯くして得られたケイ酸カルシウム水和物
スラリーは、ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が低
く、適度な保水性をもつ新規なスラリー組成物である。
ここでいうかさ密度とは、ケイ酸カルシウム水和物スラ
リーをブフナーロート等にて吸引脱水し、単位容積あた
りの固形分の乾燥質量を意味するものであり、ケイ酸カ
ルシウム水和物スラリーの性状を評価する指標とされ
る。ケイ酸カルシウム水和物の水熱反応が十分進行し、
軽量化効果が期待できるケイ酸カルシウム水和物はかさ
密度が低い。逆にかさ密度の高いものは、ケイ酸カルシ
ウム成形体に添加しても目標とする軽量化効果が得られ
なくなるばかりでなく、抄造法による製造のときにはフ
ェルトベルト上に抄き上げられたフィルムの保水量も目
標を下回り、成形体の層間密着性を悪化させる原因にな
る。以上の点から、ケイ酸カルシウム水和物スラリー中
のケイ酸カルシウム水和物のかさ密度は、0.05〜
0.3g/cm3であることが好ましい。
【0017】本発明の無機質耐力面材は、上記のケイ酸
カルシウム水和物スラリーを用い、セメント、補強繊
維、必要に応じて無機質充填材を配合し、湿式成形する
ことにより製造することができる。
【0018】本発明の無機質耐力面材におけるケイ酸カ
ルシウム水和物スラリーの配合量は、ケイ酸カルシウム
水和物として5〜50質量%とするのが好ましい。5質
量%未満では無機質耐力面材の軽量化及び良好な釘打ち
性の確保が困難であり、長さ変化率が大きくなる。一
方、50質量%以上では無機質耐力面材としての必要な
強度及び釘保持力が得られにくい。
【0019】セメントとしては、ポルトランドセメン
ト、早強セメント、高炉セメント、低熱セメント及びエ
コセメント等を用いることができ、これを20〜60%
配合するのが好ましい。
【0020】補強繊維としては、パルプ、ヤング率5k
N/mm2以上の繊維及びヤング率5kN/mm2未満の
繊維を適当な比率で配合したものが好ましく、例えばパ
ルプを3〜15質量%、ヤング率5kN/mm2以上の
繊維を0〜2質量%、及びヤング率5kN/mm2未満
の繊維を0〜2質量%配合する場合が特に好ましい。こ
の場合、パルプの配合量は3〜15質量%であるのが好
ましい。3質量%未満では製品の強度、たわみ及び釘打
ち加工性が十分とならず、一方15質量%以上では製品
の表面精度、長さ変化率及び耐久性が劣ってしまう。
【0021】また、パルプ以外の繊維として、ヤング率
5kN/mm2以上の繊維及びヤング率5kN/mm2
満の繊維を配合することにより、耐力面材としての強
度、壁倍率、また、対衝撃性、釘打ち加工性が十分に得
られる。尚、これらを2質量%以上の配合することは表
面性の低下やコストアップの原因となり好ましくない。
ここで、ヤング率5kN/mm2以上の繊維としては、
ポリビニルアルコール繊維、ポリノジック繊維、アラミ
ド繊維、麻繊維等の有機繊維及びガラス繊維、炭素繊維
等の無機繊維等が挙げられ、一方、ヤング率5kN/m
2未満の繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維、ポリ塩化
ビニル繊維等の有機繊維が挙げられる。
【0022】本発明の無機質耐力面材には、板の柔軟性
や釘打ち加工性等の向上及び生産コスト低減の点から、
更に無機質充填材を配合するのが好ましく、この場合の
配合量は、1〜60質量%とするのがよい。斯かる無機
質充填材としては、珪石、炭酸カルシウム、マイカ、ウ
ォラストナイト、二水石膏及び無水石膏等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上を適宜選択し配合することが
できる。ただし、珪石を用いて養生方法としてオートク
レーブ養生を行った場合は、その珪石は主にマトリック
スとして働く。
【0023】これらの配合物をスラリー状にして抄造法
によりグリーンシートを成形し、1〜20N/mm2
プレス圧で加圧成形した後、養生硬化すれば本発明の無
機質耐力面材を製造することができる。
【0024】成形方法は、丸網式抄造機、長網抄造機、
フローオン抄造機等の抄造法及び脱水プレス法等のバッ
チ式成形法等の汎用の方法を用いればよく、これらの方
法を単独又は組み合わることにより、単層又は複層のグ
リーンシートが積層した構造の無機質耐力面材を得るこ
とができる。
【0025】また、単層又は複層の層内及び/又は層間
には、必要に応じて1又は複数のネットを複合すること
ができる。ネットの複合化は、無機質耐力面材の性能向
上、特に壁倍率の向上に有効である。また、ネットを複
合させることにより補強繊維の配合量を減じることが可
能となる。
【0026】ネットの挿入は、抄造時及び抄造過程にお
いてグリーンシート状態にて積層する際に行えばよい。
この際にはネットと成形層との密着性の向上のため、セ
メントペースト、水ガラス、シリカフューム、シリカゲ
ル及びアルミナゲル等の無機質バインダーやアクリル系
エマルジョン、SBR等の合成ゴムラテックス及び酢酸
ビニル系エマルジョン等の有機質バインダー及びこれら
を複合させたバインダーの使用が有効である。また、各
層を単板として硬化させた後、無機及び/又は有機質の
バインダーを使い、各層を板材のみで、又はネット層を
挟み込む形で接合することも可能である。
【0027】ネットとしては、例えばポリビニルアルコ
ール繊維、ポリノジック繊維、アラミド繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、レー
ヨン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、麻繊維等の有機繊維、
ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維及び金属繊維等が挙
げられる。
【0028】耐力面材を成形する際の成形圧は、1〜2
0N/mm2が好ましい。1N/mm2未満では必要強
度、釘保持力及び表面平滑性が得られず20N/mm2
以上では軽量化が図れず釘打ち性も困難となる。
【0029】また養生としては、自然養生、湿潤養生、
蒸気養生及びオートクレーブ養生があるが、養生時間の
短縮及び釘打ち性等の加工性のためには蒸気養生が好ま
しい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。 参考例1 ケイ酸カルシウム水和物スラリーの製造 塩化バリウム又は塩化アルミニウムのいずれか一方、あ
るいは両方を合成用水中に溶解させ、表1に示す濃度と
なるように当該合成用水を用い、生石灰35質量%、珪
石65質量%と10倍の当該合成用水とを混合し、撹拌
機付オートクレーブにて200℃、2時間の水熱合成を
し、所定の範囲のかさ密度を有する該ケイ酸カルシウム
水和物スラリーを製造した。
【0031】実施例1〜8 比較例1〜4 無機質耐力
面材の製造 表1に示す割合で、セメント、補強繊維、ケイ酸カルシ
ウム水和物及び充填材を混合した。フローオン抄造機を
使用し、各原料配合による混合物に水を加え原料スラリ
ーとしたものを、単層にてグリーンシートとしたもの、
又は単層のグリーンシートを複数層積層したもの、更に
は複数層積層したグリーンシートの層間に耐アルカリガ
ラス繊維ネットを重ね合わせた最終グリーンシートを、
5〜20N/mm2のプレス圧にて目標範囲のかさ密度で
かつ製品厚さ10mmとなるまで加圧成形し、これを養生
硬化させて1m×2mサイズの該無機質耐力面材を得
た。
【0032】得られた無機質耐力面材について、かさ密
度、曲げ強度、壁倍率、層間密着性、表面平滑性、製造
性について評価した。結果を表1に併せて示す。尚、層
間密着性とは、積層板を製造した際、その積層グリーン
シート及び/又は養生硬化後の積層板においての各層同
士の密着性を評価したものである。 ○:グリーンシート及び養生後の板の層間に、剥離傾向
なし。 ×:グリーンシート及び/又は養生後の板の層間に剥離
傾向が一部又は全部に認められる。
【0033】表面平滑性とは、グリーンシートを作製し
た際、保水性及び濾水性が不均一であることから、該グ
リーンシート表面の滑らかさ及び部分的な厚さムラを評
価したものである。 ○:グリーンシートでの表面がほぼ均一で滑らかであ
り、板内での厚さ変動幅が10点の任意点測定にて1mm
未満である。 ×:グリーンシート表面に凹凸が認められ、板内での厚
さ変動幅が10点の任意点測定にて1mm以上である。
【0034】製造性とは、製造の際の効率を評価したも
のである。 ○:効率よく製造でき、不良品の発生がほとんどないも
の。 ×:製造中に厚さ不良や原料ムラ等のトラブルが生じ、
不良品が発生した。
【0035】
【表1】
【0036】(2)評価結果 実施例1〜8では、本発明によるケイ酸カルシウム水和
物を使用することで、適度な保水性を有するグリーンシ
ートが得られ、層間密着性が高く、表面平滑性に優れ
た、設定範囲のかさ密度、曲げ強度及び壁倍率を有する
無機質耐力面材が得られた。
【0037】比較例1〜4は、塩化バリウムの添加が無
いか又は過少であり、比較例1,2はケイ酸カルシウム
水和物のかさ密度が増大し、グリーンシートの保水性が
低下して層間密着性及び表面平滑性が損なわれた。比較
例3は適性範囲のかさ密度を有するケイ酸カルシウム水
和物を設定範囲の添加量以上配合し、目標とする曲げ強
度及び壁倍率が得られなかった。比較例4はケイ酸カル
シウム水和物に代わりにパーライトを使用したもので、
強度発現及び壁倍率が不十分となるばかりでなく、表面
にパーライトが露出し外観も損ねてしまった。
【0038】
【発明の効果】本発明のケイ酸カルシウム水和物スラリ
ーは、かさ密度が低く、適度な保水性をもち、優れた軽
量化効果を発揮することから、これを用いることによ
り、耐久性優れ、釘保持力が高く且つ長さ変化率が小さ
いという無機質耐力面材の特性を保持しつつ、更に層間
密着性が高く、表面平滑性に優れた無機質耐力面材をコ
ンスタントに収率よく得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C04B 28/18 C04B 16:02 Z 22:08 B28B 11/00 Z 16:02) (72)発明者 原田 至克 茨城県真壁郡明野町松原3464番地 Fターム(参考) 4G012 MB02 MB08 PA10 PA24 PE08 4G052 GA05 GA17 GC03 GC06 4G055 AA01 AB01 AC01 AC09 BA22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウ
    ム水和物を含有する配合物を湿式成形して得られ、かさ
    密度0.5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mm2及び壁
    倍率2.5以上である無機質耐力面材であって、該ケイ
    酸カルシウム水和物として、塩化バリウム及び/又は塩
    化アルミニウムの存在下、石灰質原料及びケイ酸質原料
    を主原料として水熱反応によって製造されるケイ酸カル
    シウム水和物スラリーを用いることを特徴とする無機質
    耐力面材。
  2. 【請求項2】 セメントを20〜60質量%、補強繊維
    を3〜18質量%、ケイ酸カルシウム水和物を5〜50
    質量%配合し、更に無機質充填材を0〜60質量%配合
    するものである請求項1記載の無機質耐力面材。
  3. 【請求項3】 1種又は2種以上のグリーンシートを複
    数層積層することにより成形してなる請求項1又は2記
    載の無機質耐力面材。
  4. 【請求項4】 グリーンシートの層内又は層間にネット
    層を複合してなる請求項3記載の無機質耐力面材。
  5. 【請求項5】 塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウ
    ムをケイ酸カルシウム水和物スラリー全水量に対し0.
    1〜5.0質量%添加するものである請求項1〜4のい
    ずれか1記載の無機質耐力面材。
  6. 【請求項6】 ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が
    0.05〜0.3g/cm 3である請求項1〜5のいずれか
    1記載の無機質耐力面材。
  7. 【請求項7】 補強繊維が、パルプ3〜15質量%、ヤ
    ング率5kN/mm 2以上の繊維0〜2質量%及びヤン
    グ率5kN/mm2未満の繊維0〜2質量%からなるも
    のである請求項1〜6のいずれか1記載の無機質耐力面
    材。
  8. 【請求項8】 セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウ
    ム水和物を含有する配合物をスラリー状にして、単層又
    は複層のグリーンシートを湿式成形し、所望により1層
    以上のネット層を複合し、加圧成形した後、養生するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の無機
    質耐力面材の製造方法。
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