JP5159472B2 - 車両用コンバーチブルトップの駆動構造 - Google Patents
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Description
(ア)幌フレームの軽量化が阻害される、
(イ)設置スペース的な理由から、駆動源の種類が制約され、駆動方式の選択の自由度が損なわれる、
(ウ)駆動源の存在によって車室からの後方視界が妨げられる、
(エ)駆動源が車室内の乗員から近い位置に存在するため、該駆動源と人体の接触とか、作動音による快適性の阻害等の悪影響が懸念される、
等の問題がある。
(a−1) 上記第1の駆動源Xと第2の駆動源Yが上記幌フレーム12側に存在しないことから、
(a−1−1) 各駆動源X,Yによって車室内からの後方視界が妨げられることがなく、運転上の安全性が担保される、
(a−1−2) 車室内の居住空間が十分に確保され、車室内での快適性が向上する、
(a−1−3) 各駆動源X,Yと乗員の体との接触が可及的に防止されるとともに、該駆動源X,Yの運転音による不快感が低減され、車室内での安全性と快適性が確保される、
(a−1−4) 可動部材である上記幌フレーム12の構造の簡略化及び軽量化が促進されるとともに、作動時の安定性が向上する、
(a−2) 上記第1の駆動源Xと第2の駆動源Yが車体側に配置され、且つ該各駆動源X,Yが支持アーム21及びコントロールアーム22を介して上記後端ボウ17を駆動させる構成であることから、これら各部材の配置スペースの確保が容易であり、その結果、駆動方式の選択の自由度及びレイアウトの自由度が拡大する、
(a−3) 上記コントロールアーム22が上記サブリンク61,62,66を介して上記第2の駆動源Yにより駆動される構成であることから、該サブリンク61,62,66の作動領域分だけ上記コントロールアーム22と上記第2の駆動源Yの間隔を大きくとることができ、この結果、例えば、該第2の駆動源Yを車体側の余裕スペース部分に配置するなど、該第2の駆動源Yの車体側へのレイアウトの自由度が拡大される、
等の効果が得られる。
I:コンバーチブルトップの全体構成
図7〜図9には、コンバーチブルトップ10が備えられた車両1の要部を示しており、図7はコンバーチブルトップ10のクローズ状態を、図8はコンバーチブルトップ10のクローズ状態からオープン状態への過渡状態を、さらに図9はコンバーチブルトップ10のオープン状態を、それぞれ示している。
II:コンバーチブルトップの駆動構造の具体的な構成
II−1:第1の実施形態(図1〜図3参照)
II−1−a:具体的な構造
第1の実施形態に係る駆動構造は、駆動手段として電動機構を採用したものである。
II−1−b:作動の説明
(b−1) 上記コンバーチブルトップ10のクローズ状態
上記コンバーチブルトップ10がクローズ状態にあるときには、上記各部材は図1に示すような位置関係にある。即ち、上記リヤサイドフレーム16は立設状態にあり、上記第1セクター23のセクターギヤ23Aの一端寄り位置に上記第1モータユニット25のピニオンギヤ25Bが噛合し、これによって該リヤサイドフレーム16が立設状態に保持されている。
上記コンバーチブルトップ10のクローズ状態からオープン状態への作動時には、先ず、図1に示した状態から上記第2モータユニット26が作動され、上記後端ボウ17の姿勢変更が行なわれる。
図2に示す状態から、上記トノカバー4を開位置へ設定した後、上記第1モータユニット25を作動させ、そのピニオンギヤ25Bの上記第1セクター23のセクターギヤ23Aに対する噛合位置を、該セクターギヤ23Aの一端側から他端側へ移動させ、上記リヤサイドフレーム16の上記枢支ピン51回りに後傾させる。この場合、上記枢支ピン51と上記コントロールアーム22側の上記支点ピン57が重合しているため、該コントロールアーム22は見掛け上、上記枢支ピン51を中心として上記リヤサイドフレーム16及び上記支持アーム21との相対関係を維持したままこれらと一体的に後傾され、図3に示すようにリヤフロアパネル49の後部寄りの収納スペース8(図9参照)内に収納される。収納完了後、上記トノカバー4を開位置から閉位置へ回動させ、閉位置で保持する。
II−2:第2の実施形態(図4〜図6参照)
II−2−a:具体的な構造
第2の実施形態に係る駆動構造は、駆動手段として油圧機構を採用したものである。
II−2−b:作動の説明
(b−1) 上記コンバーチブルトップ10のクローズ状態
上記コンバーチブルトップ10がクローズ状態にあるときには、上記各部材は図4に示すような位置関係にある。即ち、上記リヤサイドフレーム16は立設状態にあり、伸長状態にある上記第1シリンダユニット33によって該リヤサイドフレーム16の立設状態が保持されている。
上記コンバーチブルトップ10のクローズ状態からオープン状態への作動時には、先ず、図4に示した状態から上記第2シリンダユニット34を伸長させて上記後端ボウ17の姿勢変更を行なう。即ち、図4の状態において、先ず、上記第2シリンダユニット34を伸長させると、上記サブリンク66を介して上記コントロールアーム22が上記後端ボウ17及び上記支持アーム21と共に押し上げられ、最終的に、図5に示すように、上記コントロールアーム22の他端の上記ピン39が上記リヤサイドフレーム16側の上記枢支ピン51に重合される。
図5に示す状態から、上記トノカバー4を開位置へ設定した後、上記第1シリンダユニット33を縮小作動させ、上記リヤサイドフレーム16をその上記枢支ピン51回りに後傾させる。この場合、上記枢支ピン51と上記コントロールアーム22側の上記ピン38が重合しているため、上記コントロールアーム22は見掛け上、上記枢支ピン51を中心として上記リヤサイドフレーム16及び上記支持アーム21との相対関係を維持したままこれらと一体的に後傾され、図6に示すように、リヤフロアパネル49の後部寄りの収納スペース8(図9参照)内に収納される。収納完了後、上記トノカバー4を開位置から閉位置へ回動させ、閉位置で保持する。
II−3:作用効果
以上のように構成された上記各実施形態に係る車両用コンバーチブルトップの駆動構造によれば、以下のような特有の作用効果が得られる。
(3−a) 上記各実施形態の駆動構造においては、上記第1の駆動源Xと第2の駆動源Yを共に車体側に配置され、上記幌フレーム12側には存在しないことから、
(3−a−1) 各駆動源X,Yによって車室内からの後方視界が妨げられることがなく、運転上の安全性が担保される、
(3−a−2) 車室2内の居住空間が十分に確保され、車室2内での快適性が向上する、
(3−a−3) 各駆動源X,Yと乗員の体との接触が可及的に防止されるとともに、該駆動源X,Yの運転音による不快感が低減され、車室2内での安全性と快適性が確保される、
(3−a−4) 可動部材である上記幌フレーム12の構造の簡略化及び軽量化が促進されるとともに、作動時の安定性が向上する、
等の効果が得られる。
(3−b) 上記第1の駆動源Xと第2の駆動源Yが共に車体側に配置され、且つ該各駆動源X,Yが支持アーム21及びコントロールアーム22を介して上記後端ボウ17を駆動させる構成であることから、これら各部材の配置スペースの確保が容易であり、その結果、駆動方式の選択の自由度及びレイアウトの自由度が拡大する事になる。
(3−c) 上記コントロールアーム22が上記サブリンク61,62,66を介して上記第2の駆動源Yにより駆動される構成であることから、該サブリンク61,62,66の作動領域分だけ上記コントロールアーム22と上記第2の駆動源Yの間隔を大きくとることができ、この結果、例えば、該第2の駆動源Yを車体側の余裕スペース部分に配置するなど、該第2の駆動源Yの車体側へのレイアウトの自由度が拡大されるという効果も得られる。
(3−d) 上記第1の実施形態のように、上記第1の駆動源Xと第2の駆動源Yを、共にモータユニット25、26で構成した場合には、該モータユニットの特性として、遠隔操作が容易であることから、上記各駆動源X,Yのレイアウトの自由度がさらに向上することになる。
(3−e) 上記第2の実施形態のように、上記第1の駆動源Xと第2の駆動源Yを、共にシリンダユニット33、34で構成した場合には、該シリンダユニット33、34の特性として、コンパクトな構成で大きな駆動力を発生し得ることから、駆動部分のコンパクト化が図れる。
2 ・・車室
3 ・・フロントヘッダ
4 ・・トノカバー
6 ・・ベースプレート
7 ・・トノカバー駆動シリンダ
8 ・・収納スペース
10 ・・コンバーチブルトップ
11 ・・幌
12 ・・幌フレーム
13 ・・フロントフレーム
14 ・・第1ルーフサイドフレーム
15 ・・第2ルーフサイドフレーム
16 ・・リヤサイドフレーム
17 ・・後端ボウ
18 ・・中間ボウ
19 ・・前側ボウ
20〜23 ・・リンク
20 ・・コントロールリンク
21 ・・支持アーム
22 ・・コントロールアーム
23 ・・第1セクター
24 ・・第2セクター
25 ・・第1モータユニット(第1の駆動源)
25A ・・モータ
26 ・・第2モータユニット(第2の駆動源)
26A ・・モータ
31 ・・リンク
32 ・・リンク
33 ・・第1シリンダユニット(第1の駆動源)
34 ・・第2シリンダユニット(第2の駆動源)
35〜39 ・・ピン
41 ・・カバー本体
42 ・・バックガラス
43 ・・シール材
49 ・・リヤフロアパネル
51〜54 ・・枢支ピン
55〜59 ・・支点ピン
61 ・・サブリンク
62 ・・サブリンク
63 ・・支点ピン
64 ・・枢支ピン
65 ・・枢支ピン
66 ・・第5リンク
67 ・・支点ピン
68 ・・枢支ピン
X ・・第1の駆動源
Y ・・第2の駆動源
Claims (4)
- 折曲・展開可能とされた幌フレーム(12)によって幌(11)を支持し、該幌フレーム(12)の展開・折曲によって車室(2)の上方を開閉蓋するとともに、上記幌フレーム(12)の後方側には、開閉可能とされるとともに閉位置で且つ上記幌フレーム(12)の展開状態においては該幌フレーム(12)の後端に位置する後端ボウ(17)がその前面側に衝合されるトノカバー(4)が備えられた車両用コンバーチブルトップ(10)において、
上記幌フレーム(12)の後端側に位置しその一端が枢支ピン(51)によって車体側に枢支され且つ車体側に配置された第1の駆動源(X)によって回動されるリヤサイドフレーム(16)と、
一端が上記後端ボウ(17)に固定される一方、他端が上記リヤサイドフレーム(16)の適所に相対回転可能に連結された支持アーム(21)と、
一端が上記後端ボウ(17)に支点ピン(56)によって相対回転可能に連結される一方、他端には支点ピン(57)によってサブリンク(61,62,66)が連結され該サブリンク(61,62,66)を介して車体側に配置された第2の駆動源(Y)によって駆動されるコントロールアーム(22)を備え、
上記コンバーチブルトップ(10)のクローズ状態からのオープン作動時には、上記第2の駆動源(Y)によって上記サブリンク(61,62,66)を介して上記コントロールアーム(22)を駆動して上記支点ピン(57)を上記リヤサイドフレーム(16)の上記枢支ピン(51)に重合する位置に位置させることで、上記後端ボウ(17)が上記トノカバー(4)の前面から離間して上記リヤサイドフレーム(16)寄りへ移動されるとともに、
上記第1の駆動源(X)によって上記リヤサイドフレーム(16)を、上記枢支ピン(51)を中心として車体後方側へ傾倒させるとき上記後端ボウ(17)が上記リヤサイドフレーム(16)との相対位置を維持したまま上記支点ピン(57)を中心として該リヤサイドフレーム(16)と一体的に傾倒されるように構成したことを特徴とする車両用コンバーチブルトップの駆動構造。 - 請求項1において、
上記第1の駆動源(X)と第2の駆動源(Y)が、共にモータユニット(25)、(26)で構成されていることを特徴とする車両用コンバーチブルトップの駆動構造。 - 請求項2において、
上記各モータユニット(25)、(26)は、共にセクター(23)、(24)を介して上記リヤサイドフレーム(16)及び上記コントロールアーム(22)を駆動する構成であることを特徴とする車両用コンバーチブルトップの駆動構造。 - 請求項1において、
上記第1の駆動源(X)と第2の駆動源(Y)が、共にシリンダユニット(33、34)で構成されていることを特徴とする車両用コンバーチブルトップの駆動構造。
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