JP5157274B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、吸入する作動流体から液成分等を取り出す機構を備えた圧縮機に関する。
従来の圧縮機としては、例えば特許文献1に示すようなスクロール型の電動圧縮機が知られている。この圧縮機は、特許文献1の図1に示すように、ハウジング1内に電動モータ5およびスクロール型圧縮機構部を有し、吸入口2の下流側に電動モータ5にガス冷媒の一部を導く分流手段40を有している。この分流手段40は、吸入口2に接続される分岐板40aと、ステータ用通路41に接続される樋状のガイド41bと、を備えている。
この分流手段40は、圧縮部4の可動に伴い電動圧縮機の内部で生じる圧力勾配に起因する、圧縮部4への冷媒ガスの流れに抗して確実にモータシャフトの補助軸受8側に冷媒ガスを分流させ、ミスト状の潤滑油を供給するものである。
すなわち、電動モータ5が駆動されると、潤滑油のミストを含む低温の冷媒ガスが吸入口2から吸い込まれ、大部分のガスが主流Mとなって低圧室50に直接入り、スクロール機構9等の各摺動部を潤滑しつつ、吸入室52を経て圧縮室33に吸い込まれる。また、吸入口2から吸い込まれた冷媒ガスの一部は分流手段40によって分流Sとなって補助軸受部8を通過して冷媒ガスに含まれるミスト状の潤滑油によって補助軸受部8を潤滑する。さらに分流Sは、電動モータ5のロータ5aとステータ5bの間の隙間44を通過して低圧室50に至り、上記主流とともに圧縮室33に吸い込まれることになる。
特開2004−218536号公報(図1参照)
しかしながら、上記従来の圧縮機の分流手段40においては、モータ室に潤滑ミスト成分を含有する冷媒ガス(分流S)を供給するため、電動モータ5を冷却する能力を十分に確保できないという問題があり、特に、高負荷時に電動モータが高温となったときにモータを十分に冷却することができないものであった。
さらに、分流Sの冷媒ガスは電動モータ5側に供給され、電動モータ5からの熱を受けて温度上昇する。その後、暖められた分流Sの冷媒ガスは電動モータ5の収納部から低圧室50に至り、主流Mとともに圧縮室33に吸い込まれるため、主流Mは、戻ってきた分流Sと混合して温度上昇して吸入冷媒が暖められてしまうので、圧縮効率が低下するという問題もある。
また、上記従来の圧縮機における分流手段は、冷媒中の冷媒ガスをミスト状の潤滑油としてモータシャフトの補助軸受8側に供給するものであるが、冷媒中に含まれる鉄粉などの異物は冷媒とともに圧縮室側に流れることになる。このため、スクロール型圧縮機構部を損傷してしまうという問題があり、また、スクロール型圧縮機構部の性能確保に対して配慮がなされていないものであった。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、吸入された冷媒中の液冷媒成分をモータ室に導いてモータ部が高温になることを抑制できる圧縮機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、冷媒中に含まれる鉄粉などの異物が圧縮室に直接的に流入することを防止して耐久性を高めた圧縮機を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。請求項1に記載の圧縮機の発明は、ハウジング(1b)と、外部回路から流れてきた冷媒を前記ハウジング内に流入させる吸入管(37)と、ハウジング内に設けられ、吸入管から流出した冷媒が吸入される吸入室(15)と、吸入管から流出した冷媒を吸入室に導くとともに、その径寸法が吸入管の下流側端部の内径寸法よりも小さく構成されている導入口(38b)と、吸入室の冷媒を圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、圧縮機構部を駆動するモータ部(3)と、モータ部が収納されるモータ室(3a)と、を備え、
吸入管と導入口は、吸入管から流出する直前の冷媒流れ方向の線上に少なくとも前記導入口の一部が開口するとともに、吸入管の下流側端部の冷媒通路(37a)は冷媒通路の冷媒流れ方向の延長線上に前記導入口が開口していない部分を備える位置関係で、設けられており、導入口が開口していない冷媒流れ方向の延長線上の部位はモータ室につながっており、
導入口の内周縁部を吸入管側へ投影したとき、その投影部は完全に吸入管内に投影されており、導入口は、吸入管の内部に入り込んだ位置に配置されており、吸入管の内部には冷媒の流れを旋回させる旋回流形成部材が設けられており、
吸入管は、旋回流形成部材として、ハウジングの外部において外部回路を流出した冷媒の流れ方向を曲げる曲がり部を有し、吸入管の下流側端部の内壁面近傍に形成されている通路(37a)のうち、曲がり部の曲率半径の小さい側に位置する通路部分は、導入口に対向し、曲がり部の曲率半径の大きい側に位置する通路部分は、導入管の外周面周辺部(39)に直面しており、外周面周辺部(39)を介してモータ室に臨むように配置されていることを特徴としている。
この発明によれば、吸入管に吸入された冷媒は比重の比較的大きい液冷媒成分が吸入管の内壁面寄りに流れ、吸入管の通路中心軸寄りに比重の小さい冷媒ガス成分が流れて、上記内壁面近傍の通路部分から導入口の径方向外方周辺部へ液冷媒等が供給されるとともに、冷媒ガス成分が導入口から吸入されて吸入室に供給されるので、吸入された冷媒中の液冷媒成分をモータ室に導いてモータ部が高温になることを抑制できるとともに、冷媒ガスの温度上昇を防いで圧縮効率の低下を抑制することができる。特に本発明は、高速回転、高吐出温度での運転において高温になるモータ室に液冷媒を供給して、液冷媒の気化潜熱によりモータ室を効率的に冷却することで、過昇温による信頼性の低下を防止することができる。またこの発明によれば、さらに強く慣性力を利用し、より確実に液冷媒等をモータ室に供給できる。
請求項2に記載の圧縮機の発明は、ハウジング(1b)と、外部回路から流れてきた冷媒をハウジング(1b)内に流入させる吸入管(13、37、41、44)と、ハウジング内に設けられ、吸入管から流出した冷媒が吸入される吸入室(15)と、吸入管から流出した冷媒を吸入室に導く導入口(27b、38b)と、吸入室の冷媒を圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、圧縮機構部を駆動するモータ部(3)と、モータ部が収納されるモータ室(3a)と、を備え、
吸入管と導入口は、吸入管から流出する直前の冷媒流れ方向の線上に少なくとも導入口の一部が開口するとともに、吸入管の下流側端部の冷媒通路(13a、37a、41a、44a、45)は冷媒通路の冷媒流れ方向の延長線上に前記導入口が開口していない部分を備える位置関係で、設けられており、
導入口が開口していない冷媒流れ方向の延長線上の部位はモータ室につながっており、
吸入管の内部には冷媒の流れを旋回させる旋回流形成部材が設けられており、
旋回流形成部材は、吸入管(13)の軸方向に伸長する形状の板部(51)と、板部(51)の下流端部で径方向外方に向けて突出し、軸方向の冷媒流れを吸入管(13)の内周面に向かう流れに変える案内部(52)と、を有して構成されているものである。この発明によれば、部品点数が少なく、簡単な構成によって旋回流を形成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本発明における第1実施形態は、給湯水を加熱する給湯機に圧縮機1を適用したものである。本実施形態について図1〜図6を用いて説明する。図1は圧縮機1を含むヒートポンプ式給湯機を示す模式図である。図2は圧縮機1の内部構成を示す断面図である。
図1に示すように、ヒートポンプ式給湯機は、冷媒を吸入して圧縮する圧縮機1と、貯湯タンク内の給湯水と圧縮機1により吐出された冷媒とで熱交換を行う水冷媒熱交換器40と、水冷媒熱交換器40から流出した冷媒を減圧する減圧器50と、外気から吸熱して冷媒を蒸発させる蒸発器60と、蒸発器60から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して余剰冷媒を蓄え、気相冷媒を圧縮機1に供給する気液分離器70と、を備えている。ヒートポンプ式給湯機は、外気からの吸熱量および圧縮機1の圧縮仕事量に相当する熱量を給湯水に与えることで給湯水を加熱するものである。
本実施形態ではCOを冷媒として使用する。図2に示すように、圧縮機1は、内部に組み込まれた横置きのモータ部3によって圧縮機構部4が作動される横型の圧縮機である。モータ部3および圧縮機構部4は圧縮機本体の第1ハウジング1bの内側に配置されている。圧縮機本体は、第1ハウジング1bと、モータ部3側に位置する第2ハウジング1aと、圧縮機構部4側に位置する第3ハウジング1cとからなり、第2ハウジング1aおよび第3ハウジング1cを第1ハウジング1bと互いに溶接することで形成された密閉容器によって構成されている。
モータ部3は、第1ハウジング1bの内部に区画されて形成されるモータ室3aに収容されているロータ9と、ロータ9の周囲を囲むステータ11と、ロータ9と一体化して回転するシャフト10と、を備えている。さらに、ステータ11はロータ9の外周側で第1ハウジング1bの内周面に圧入されることによって固定されている。
第1ハウジング1b内の第2ハウジング1a側には、シャフト10を回転可能に支持する軸受(図示しない)が固定されている支持板6が設けられている。この支持板6から第2ハウジング1aに至る部位には、シャフト支持部2が構成されている。このシャフト支持部2は、第2ハウジング1a、支持板6などで囲まれた空間を有している。この空間には、支持板6に設けられた上部通路7、下部通路8、および中央通路2bを通って、冷媒に含まれる潤滑油が流れ込み溜まることになる。中央通路2bは、シャフト10の軸方向全体に伸長する貫通路10aと連通している。
また、第1ハウジング1b内の第3ハウジング1c側には、シャフト10を回転可能に支持する軸受(図示しない)が固定されているフレーム29が設けられている。そして、外部電源(図示しない)からの電力がステータ11に供給されると、ロータ9の回転に伴ってシャフト10が回転駆動される。
圧縮機構部4は、第1ハウジング1bに固定され、固定渦巻き部を備える固定スクロール24と、この固定渦巻き部と噛み合って圧縮室18を形成する可動渦巻き部を備える可動スクロールとしての旋回スクロール17と、を有するスクロール式圧縮機構部である。固定スクロール24は、第1ハウジング1b内の反モータ部3側に固定されて配置されている。可動部材としての旋回スクロール17はこの固定スクロール24に噛み合うように配設されている。
旋回スクロール17の反固定スクロール24側には、シャフト10の旋回スクロール17側の先端部に設けられた偏心部が軸受(図示しない)を介して挿入されている。そして、旋回スクロール17は、自転防止機構(図示しない)によりシャフト10の回転駆動にともなって固定スクロール24に対して公転する。
両スクロール17、24間の外周側には吸入室15が形成され、中心側に向けて吸入室15と連通する圧縮室18が形成されている。この吸入室15は、両スクロール17、24とフレーム29とで区画された空間であり、圧縮室18よりもハウジング1bの内側面寄りに設けられており、旋回スクロール17や圧縮室18の側方に設けられている。この構成により、圧縮機1のモータ部3と圧縮機構部4が並んでいる方向の圧縮機1の長さを短くすることができ、ダイレクト吸入方式であるスクロール式圧縮機を小型に形成することができる。
吸入室15よりも上流の部位には、外部回路の部品である気液分離器70からの冷媒を取り入れる入口となる吸入口12が設けられている。吸入口12は、吸入室15に連通するように設けられた吸入管13内の冷媒通路13aの上流側端部に位置している。冷媒通路13aの下流側端部はモータ室3aに臨んでいる。吸入管13は第1ハウジング1bの上部においてその天面から外部に突出するように配置されている。
冷媒通路13aには、気液分離器70側から流れてきた冷媒から液冷媒、潤滑油、異物等を分離する分離手段が設けられている。液冷媒、潤滑油(冷凍機油)、異物等は、ガス冷媒に比べて比重の大きい成分である。冷媒中に含まれる異物は鉄粉、銅粉などの主に粉末状の金属である。このような異物が圧縮機構部に進入すると、圧縮機の性能や耐久性が損なわれることになる。
分離手段は、第1ハウジング1bの外部に配置されており、冷媒通路13aの冷媒流れに旋回流を形成する旋回流形成部材を備えている。この旋回流形成部材は、その前縁と後縁がねじれの位置にある板状部材であるねじり板14が冷媒通路13aに設けられることで構成されている。換言すれば、ねじり板14の上流端部に位置する前縁と下流端部に位置する後縁とが、同一平面上にない関係にあることである。ねじり板14と冷媒通路13aの内壁面との間に形成される流路は、略螺旋状の流路を呈している。
また、旋回流形成部材は、ねじり板14の他、冷媒通路13aの内面に螺旋状に流路方向に伸長するように形成された溝部、または冷媒通路13aの内面から通路の中心側に向かって突出するとともに螺旋状に流路方向に伸長するリブにより構成してもよい。
吸入管13の下部は上部と比べてその通路が拡大されるように構成されている。また、冷媒通路13aはねじり板14の後縁よりも下流部において拡大する形状としているが、これに限定するものではなく、吸入管13の下流側端部がさらに下流に設けられた導入管27の外径寸法よりも大きい内径寸法となるように形成されていればよい。吸入管13の下流側端部の内側には、吸入管13の内径よりも小さい外径を有する導入管27が配置されている。吸入管13と導入管27は両者の管軸がほぼ一致するように同軸の状態に配置されている。
導入管27の上流側端部には導入口27bが開口されている。導入口27bは、冷媒通路13aから流入した冷媒を吸入室15に導くように、吸入管15から流出する直前の冷媒の流れ方向の線上に少なくともその一部が開口している。また、換言すれば、導入口27bは、冷媒通路13aから流入した冷媒を吸入室15に導くように、吸入管15の下流側で、吸入管15の内部を流れる冷媒流れに対向するように開口されている。
吸入管13から流出する直前の冷媒流れ方向の線上に少なくとも導入口27bの一部が開口するとともに、吸入管13の下流側端部の冷媒通路13aはこの冷媒通路13aの冷媒流れ方向の延長線上に導入口27bが開口していない部分を備える位置関係となるように、吸入管13と導入口27bは設けられている。そして、導入口27bが開口していない冷媒流れ方向の延長線上の部位は、導入口27bの径方向外方周辺部に相当しモータ室3aにつながっている。
さらに、導入口27bは、導入口27bの内周縁部を吸入管13側へ投影したとき、その投影部の全体が吸入管13内に投影されるように設けられている。さらに、導入管27の上流側端部は吸入管13の内部に入り込んだ位置にあり、導入口27bは、吸入管13の内部に位置している。また、導入口27bの径寸法は吸入管13の下流側端部の内径寸法よりも小さくなっている。
吸入管13の下流側端部の内側に形成されている冷媒通路13aのうち、その内壁面近傍に位置する通路部分は、導入口27bの径方向外方周辺部(導入管27の径方向外方周辺部)に直面し、モータ室3aにつながっている。また、冷媒通路13aのうち上記通路部分を除く流路中心軸寄りの通路部分は、導入管27の内部と直接つながっている。導入管27の内部は、上記分離手段によって冷媒中から異物や液冷媒等が分離された後のガス冷媒が流れる導入通路27aであり、導入通路27aは吸入室15に接続されている。
吸入室15は、両スクロール17、24、フレーム29および導入管27により囲まれた空間であり、圧縮室18よりもハウジング1bの内側面寄りに設けられており、旋回スクロール17や圧縮室18の側方に設けられている。この構成により、圧縮機1のモータ部3と圧縮機構部4が並んでいる方向の圧縮機1の長さを短くすることができ、ダイレクト吸入方式であるスクロール式圧縮機を小型に形成することができる。
吸入室15よりも上流の部位には、外部回路の部品である気液分離器70からの冷媒を取り入れる入口となる吸入口12が設けられている。吸入口12は、吸入室15に連通するように設けられた吸入管13内の冷媒通路13aの上流側端部に位置し、その下流側端部はモータ室3aに臨んでいる。吸入管13は第1ハウジング1bの上部においてその天面から外部に突出するように配置されている。
また、フレーム29の下部には、モータ室3aの下部23に溜まった液冷媒に含まれる潤滑油を吸入室15に送ることができる還流路16がフレーム29を貫通するように設けられている。そして、この還流路16の内底面、つまり、還流路16の内周面の底部は、ロータ9の外周面よりも下方に位置している。換言すれば、還流路16を形成する管内側面の最も低い部位は、ロータ9の外周面よりも低い位置にある。この構成によれば、潤滑油面がロータ9の回転によって乱れることを防止できる。
さらに、還流路16の内周面の頂部は、ロータ9の外周面よりも下方に位置していることが好ましい。換言すれば、還流路16を形成する管内側面の最も高い部位が、ロータ9の外周面よりも低い位置にあることが好ましい。この構成によれば、モータ室3aに溜まる潤滑油面の位置が還流路16の内周面の頂部よりも上方に位置し、潤滑油が還流路16のモータ室3a側開口を塞ぐような状況において、潤滑油は、モータ室3aと吸入室15との間に生じる差圧によって、モータ室3a側開口を吸入室15側に押すように働き、潤滑油は、モータ室3aから還流路16を介して吸入室15へ押しこまれるようにして流れることになる。
固定スクロール24には、吸入室15から吸入されて圧縮室18で圧縮された冷媒が吐出される吐出ポート19が設けられ、吐出ポート19より下流には吐出室25が形成されている。吐出ポート19は固定スクロール24の中心部に設けられた貫通孔である。吐出室25は、吐出ポート19出口に設けられた空間であり、吐出弁20を備えている。吐出弁20は、吐出室25へ吐出された高圧の冷媒を吐出ポート19を通って逆流させないようにする機能を有している。
そして、圧縮機構部4により圧縮された冷媒が吐出室25を経て、外部回路である水冷媒熱交換器40への出口となる吐出口22に至るまでの間には、油分離手段としてのオイルセパレータ21が設けられている。オイルセパレータ21は、圧縮機構部4の吐出側で冷媒中に含まれる潤滑油を分離する遠心分離式の潤滑油分離器であり、導入路21a、分離用パイプ21b、排出路21cを備えている。
分離用パイプ21bは、略円筒状の配管であり、その下流端部は吐出口22と連通している。分離用パイプ21bはこれと同軸上である円筒内空間を構成する分離室26内に配置されている。分離用パイプ21bが配置される分離室26の円周内壁面には、吐出室25と連通する導入路21aが開口している。さらに、導入路21aを通ってくる冷媒の流入方向は、分離室26を構成する円周面の接線方向に対して略平行であることが好ましい。
圧縮機構部4により圧縮されて吐出されてきた冷媒は、吐出室25から導入路21aを通り、分離室26内の円筒壁面と分離用パイプ21bの外周面との間を旋回しながら下降する。このときガス冷媒にまだ含まれている潤滑油は、ガス冷媒から分離して分離用パイプ21bの下端開口よりもさらに下方に落下し、分離室26の底面部に設けられた開口から排出路21cへ流れる。オイルセパレータ21によって潤滑油が分離された後のガス冷媒は、吐出室25から水冷媒熱交換器40へ向けて高圧冷媒として吐出される。
図4は本実施形態の吸入管と外部回路に接続される配管との結合状態を示した部分的断面図である。図4に示すように、吸入管13は気液分離器70に接続される配管30と接続され、吸入管13と配管30は、互いの端部を内外でオーバーラップさせた状態で溶接またはろう付けにより結合されており、吸入管13の吸入口12は結合部28の内側に位置している。また、図4に示す吸入管と配管との結合構造は第2実施形態〜第5実施形態の圧縮機にも適用することができる。
また、旋回流形成部材は、ねじり板14の代わりに、図5および図6に示す旋回流形成部材50を吸入管13内部に配することにより構成してもよい。旋回流形成部材50は、吸入管13の軸方向に伸長する形状の板部51と、板部51の下流端部で径方向外方に向けて突出し、軸方向の冷媒流れを吸入管13の内壁面に向かう流れに変える案内部52と、を有している。
板部51は、吸入管13の内径寸法と同等の幅寸法を有し、この幅寸法よりも長い流路軸方向長さを有する矩形板であり、案内部52と一体に形成されている。案内部52は、板部51の下流端部においてその幅方向に2つ並ぶように配されており、板部51の下流端部から板部51に対して斜めに突出する二股状の形態を呈している。各案内部52は板部51の下流端部から吸入管13の内周面に向かって板部51に対して傾斜する案内面を有している。上記2つの案内面は互いに交差している。
吸入口12から冷媒通路13aに流入した冷媒は、板部51を間に挟んで2つの流れに分かれて板部51の表面に沿って流れるようになり、板部51の下流端部に至ると、上記案内面に沿って板部51から離れるように吸入管13の内壁面に向かう。そして、冷媒の2つ流れはともに、吸入管13の内周面に沿って周方向に流れるベクトルと流路軸方向に流れるベクトルとが合わさり、旋回流形成部材50よりも下流側の冷媒通路13aで旋回流を形成する。
この旋回流による遠心力により、冷媒中のガス冷媒に比べて比重の大きい異物や液冷媒等は吸入管13の内周面に飛ばされるとともに、異物や液冷媒等と分離されたガス冷媒は冷媒通路13aの流路中心軸側を進行して冷媒通路13aから導入通路27aに引き込まれた後、吸入室15に流入することになる。
上記構成に基づく圧縮機の作動、並びに異物、液冷媒、および潤滑油の流れについて図3にしたがって説明する。図3は第1実施形態から第5実施形態に共通する、圧縮機内部における冷媒中の潤滑油等が流れる経路を示した断面図である。圧縮機1が、モータ部3を駆動することによって旋回スクロール17が公転作動すると、気液分離器70側から流れてきた冷媒が吸入口12を通って吸入管13内に流入する。
そして、吸入管13内に流入した冷媒は、ねじり板14を間に挟んで2つの流れに分かれ、この2つに分かれた流れはともにねじり板14の表面に沿って螺旋状の軌跡を描きながら流れるようになり、旋回流を形成する。この旋回流による冷媒に遠心力が働き、冷媒中のガス冷媒に比べて比重の大きい異物や液冷媒等は吸入管13の内周面に飛ばされるとともに、異物や液冷媒等と分離されたガス冷媒は冷媒通路13aの流路中心軸側を進行し、冷媒通路13aから導入通路27aに引き込まれた後、吸入室15に流入することになる。
さらに、異物や液冷媒等は、重力やガス冷媒の流れの影響を受けて吸入管13の内周面を伝って移動し吸入管13の下流側端部からモータ室3aに進入する。モータ室3aに進入した異物や液冷媒等は、重力によりモータ室3aの下部23に向かって進み、やがて溜まることになる。なお、異物については、モータ室3aにおいて磁石等を用いて集め、液冷媒から除去するように構成することができる。
吸入室15に流入したガス冷媒は、圧縮室18で圧縮される。そして、圧縮室18で圧縮されたガス冷媒が所定の吐出圧力に達すると、ガス冷媒は吐出ポート19から吐出室25に吐出される。さらに、ガス冷媒は吐出室25からオイルセパレータ21の導入路21aを通り、分離室26内に流入する。このときガス冷媒は、分離用パイプ21bと分離室26の内壁面との間で旋回しながら下方に流れ、比重の小さいガス成分のみが分離用パイプ21bの下端開口から上方に伸びるパイプ内通路に流入し、吐出口22から外部回路(水冷媒熱交換器40)に向けて流出する。
図3に示すように、ガス冷媒に含まれるガス成分と比べて比重の大きい潤滑油は、遠心力によって分離室26の内壁側に分離されて重力によって下降する。そして、下降した潤滑油は、分離室26とモータ室3aとの圧力差によって、排出路21cを通り、固定スクロール24、フレーム29を貫通する還流通路31内を流れ、さらにフレーム29、旋回スクロール17、およびシャフト10の互いの境界面上や、シャフト10の軸方向に伸長する貫通路10aおよびシャフト10の径方向に貫通する流路を流れて軸受を潤滑するとともに、モータ室3aの下部23に溜まることになる。潤滑油は、このような潤滑油供給経路を流れることにより、圧縮機構部4や各軸受の潤滑を行う。
また、シャフト10の径方向に貫通する流路は、シャフト10の軸方向の両端側における支持部にそれぞれ貫通路10aと連絡するように設けられ、この両支持部は軸方向断面において対角線上に配置されている。
以上のように本実施形態の圧縮機は、ハウジング1bと、外部回路から流れてきた冷媒をハウジング1b内に流入させる吸入管13と、ハウジング1b内に設けられ、吸入管13から流出した冷媒が吸入される吸入室15と、吸入管13から流出した冷媒を吸入室15に導くように、吸入管13から流出する直前の冷媒流れ方向の線上に少なくともその一部が開口して設けられている導入口27bと、吸入室15の冷媒を圧縮室18に吸入して圧縮する圧縮機構部4と、圧縮機構部4を駆動するモータ部3と、モータ部3が収納されるモータ室3aと、を備えている。
さらに、吸入管13と導入口27bは、吸入管13から流出する直前の冷媒流れ方向の線上に少なくとも導入口27bの一部が開口するとともに、吸入管13の下流側端部の冷媒通路13aはこの冷媒通路13aの冷媒流れ方向の延長線上に導入口27bが開口していない部分を備える位置関係で、設けられており、導入口27bが開口していない冷媒流れ方向の延長線上の部位はモータ室3aにつながっている。
また、吸入管13の下流側端部の内側に形成されている冷媒通路13aのうち、吸入管13の内壁面近傍に位置する通路部分の一部または全部は、導入口27bの径方向外方周辺部39に直面しており、導入口27bの径方向外方周辺部を介してモータ室3aにつながっているように構成してもよい。
この構成によれば、吸入冷媒は比重の比較的大きい液冷媒成分が吸入管13の内壁面寄りに流れ、吸入管13の通路中心軸寄りに比重の小さい冷媒ガス成分が流れて、内壁面近傍の通路部分から導入口27bの径方向外方周辺部へ液冷媒等が供給され、冷媒ガス成分が導入口27bから吸入されて吸入室15に供給されることにより、吸入冷媒中の液冷媒成分によってモータ部3の高温化を抑制できるとともに、冷媒ガスの温度が上昇すること抑制して圧縮効率の低下を防止することができる。
また、吸入管13の内部に冷媒の流れを旋回させる旋回流形成部材を備えている。この構成によれば、慣性力の作用をさらに活用して旋回流を形成して比重の大きい液冷媒等とガス冷媒を分離することにより、液冷媒等の分離をさらに確実に実施することができ、モータを冷却する能力を向上することができる。
また、旋回流形成部材は、前縁と後縁がねじれの位置にあるねじり板14や旋回流形成部材50によって構成することができ、この場合には、部品点数が少なく、簡単な構成によって旋回流を形成することができる。
また、吸入管13の下流側には、導入管27が吸入管13内部の冷媒通路13aと吸入室15を連絡するように設けられている。導入管27の上流側端部の通路径は、吸入管13の下流側端部の通路径よりも小さく形成されている。吸入管13の下流側端部の内側に形成されている冷媒通路13aのうち、内壁面近傍に位置する通路部分は、導入管27の径方向外方に形成される空間の冷媒通路に直面してモータ室3aにつながっている。
この構成によれば、比重の比較的大きい液冷媒等が吸入管13の内壁面を伝って流れ、吸入管13の軸心側には液冷媒等をあまり含まないガス成分が流れることにより、モータ部側に液冷媒等を供給し、かつ液冷媒等と分離されたガス冷媒が吸入室15を経由して圧縮室18に直接的に導入されるので、モータ部3を冷却できるとともに圧縮機内部の過熱損失を少なくして効率向上を図ることができる。
また、圧縮機1は、吸入室15よりも上流側に位置する冷媒通路13aに設けられ、冷媒中から異物を分離するねじり板14を含む分離手段を備えており、この分離手段により、慣性力を利用してガス冷媒よりも比重の大きい異物を冷媒中から分離し、当該異物と分離されたガス冷媒は吸入室15に供給されるものである。
この構成により、吸入室15よりも上流側で冷媒中に含まれる異物を分離するので、異物が直接的に圧縮室18に流入することを防止することができる。さらに、慣性力を利用して異物を分離するので、流速を落とさないようにガス冷媒を圧縮室18に供給することができ、性能を損なうことがない。また、ガス冷媒は圧縮室18に直接的に導入されるため、過熱損失が少なく性能を損なうことがない。
また、分離手段を圧縮室18よりもハウジング1bの内側面寄りに設けることが好ましく、この構成により、ダイレクト吸入方式であるスクロール式圧縮機を小型に形成することができる。
また、分離手段を構成するねじり板14を設けた冷媒通路13aを、圧縮室18が設けられる第1ハウジング1bの外部に配置することが好ましい。この構成により、第1ハウジング1b内の体積を小さくして圧縮機本体の小型化が図れる。
また、旋回流形成部材は、前縁と後縁がねじれの位置にあるねじり板14を冷媒通路13aに設けること、冷媒通路13aの内面に螺旋状に流路方向に伸長するように形成された溝部、または冷媒通路13aの内面から通路の中心側に向かって突出するとともに螺旋状に流路方向に伸長するリブ、のいずれかにより構成することが好ましい。この構成により、部品点数が少なく、簡単な構成によって旋回流を形成することができる。
また、分離手段により冷媒中から異物とともに分離された液冷媒は、モータ室3に供給されることが好ましい。この構成により、モータを十分に冷却することができ、また、圧縮機の耐久性の向上、低圧シェルタイプの圧縮機におけるモータ冷却、およびダイレクト吸入タイプ圧縮機の性能面の向上が図れる。
(第2実施形態)
第2実施形態では第1実施形態の圧縮機の変形例を図7を用いて説明する。図7は本実施形態の圧縮機の内部構成を示す断面図である。図7に示すように、本実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機に対してガス冷媒と異物や液冷媒等とを分離する分離手段が異なっている。以下、この分離手段の構成について説明する。なお、図7において同符号の構成部品は、第1実施形態で説明した構成部品と同様であり、その作用効果並びに異物、液冷媒、および潤滑油の流れ経路についても同様である。
図7に示す本実施形態の分離手段は、導入管27の外径寸法よりも大きな内径寸法の冷媒通路45を備えた吸入管44により構成されている。外部回路から吸入管44内に流入した冷媒は、冷媒通路45を流下するときに冷媒中成分の比重の違いにより冷媒中から異物や液冷媒等が分離されることになる。
導入管27の上流側端部と吸入管44の下流側端部は、互いに所定距離はなれて配置されており、両者の軸心はほぼ一致する関係にある。導入管27の上流側端部には導入口27bが開口されている。導入口27bの内周縁部を吸入管44側へ投影したとき、その投影部の全体が吸入管44の内部に投影されることになる。さらに、導入口27bの径寸法は吸入管44の下流側端部の内径寸法よりも小さくなっている。
吸入管44の下流側端部の内側に形成されている冷媒通路45のうち、その内壁面近傍に位置する通路部分は、導入口27bの径方向外方周辺部(導入管の外周面周辺部46)に直面し、モータ室3aにつながっている。また、冷媒通路45のうち上記通路部分を除く流路中心軸寄りの通路部分は、導入管27の内部(導入通路27a)と直接的につながっている。導入管27の内部は、分離手段によって冷媒中から異物や液冷媒等が分離された後のガス冷媒が流れる導入通路27aであり、導入通路27aは吸入室15に接続されている。
この分離手段によれば、圧縮機内部のスペースや他の構成部品との関係の制約を受けることなく、分離手段の構造設計を比較的自由に行うことができる。また、冷媒中から異物や液冷媒等を分離する分離能力を比較的自由に設定することができる。この分離手段は第1ハウジング1bの外部に配置されているので、ハウジング内の体積を小さくして圧縮機本体を小型化できる。
上記構成に基づく圧縮機の作動、並びに異物、液冷媒、および潤滑油の流れについて説明する。圧縮機1が、モータ部3を駆動することによって旋回スクロール17が公転作動すると、気液分離器70側から流れてきた冷媒が吸入口12を通って吸入管44内に流入する。
そして、冷媒は、第1ハウジング1b内に流入する前に、吸入管44の内壁面側に液成分が多く流れ、通路中心軸寄りをガス成分が多く流れる。この流れにより、比重の大きい液成分は、内壁面に付着するとそのまま内壁面に沿って吸入管44の下流側端部まで流下し、導入管の外周面周辺部46に流出してモータ室3aに至る。一方、異物や液冷媒と分離されたガス冷媒は通路中心軸寄りを流下して導入口27bから導入通路27aに流入して吸入室15に引き込まれることになる。
以降、ガス冷媒が吐出口22に至るまでの説明は、第1実施形態における説明と同様である。なお、このように分離された液冷媒およびガス冷媒のそれぞれには、その量の違いこそあるが潤滑油を含んでいる。
さらに、モータ室3aに進入した異物や液冷媒は、重力によりモータ室3aの下部23に向かって進み、やがて溜まることになる。なお、異物については、モータ室3aにおいて磁石等を用いて集め、液冷媒から除去するように構成することができる。
以上のように本実施形態の圧縮機は、吸入管44の内部と吸入室15を連絡するように吸入管44の下流側に設けられ、吸入管44の下流側端部の通路径よりも小さい通路径を有する上流側端部を備えた導入管27を備えており、吸入管44の下流側端部の内側に形成されている冷媒通路45のうち、内壁面近傍に位置する通路部分は、導入管の外周面周辺部46に直面しており、導入管の外周面周辺部46を介してモータ室3aにつながっている。
この構成によれば、比重の比較的大きい液冷媒等が吸入管44の内壁面を伝って流れ、吸入管44の軸心側には液冷媒等をあまり含まないガス成分が流れることにより、モータ部側に液冷媒等を供給し、かつ液冷媒等と分離されたガス冷媒を吸入室15を経由して圧縮室18に直接的に導入できるので、モータ部3の冷却能力および圧縮効率低下の抑制能力を備えた圧縮機を提供することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機の変形例である。図8は本実施形態の圧縮機の内部構成を示す断面図であり、図9は図8における分離手段の変形例を示す断面図である。図8に示すように、本実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機に対して分離手段が異なっている。以下、この分離手段の構成について説明する。また、図8および図9において同符号の構成部品は、第1実施形態で説明した構成部品と同様であり、その作用効果並びに異物、液冷媒および潤滑油の流れ経路についても同様である。
図8に示す本実施形態の分離手段は、第1ハウジング1bの外部において、外部回路(気液分離器70)を流出した冷媒の流れ方向を曲げる曲がり部を有する冷媒通路37aを備えるとともに、上記曲がり部よりも下流で第1ハウジング1b内部と連通する吸入管37を有している。冷媒通路37aを流れる冷媒は、第1ハウジング1b内に流入する前に、冷媒の流れ方向が上記曲がり部で曲げられるときに遠心力により冷媒中から異物や液冷媒等が分離されることになる。
この分離手段によれば、圧縮機内部のスペースや他の構成部品との関係の制約を受けることなく、分離手段の構造設計を比較的自由に行うことができる。また、冷媒中から異物や液冷媒等を分離する分離能力を比較的自由に設定することができる。
この分離手段は、第1ハウジング1bの外部に配置されている。この構成によれば、ハウジング内の体積を小さくして圧縮機本体を小型化できる。
さらに、吸入室15よりも上流の部位の吸入口12は、導入通路38aを介して吸入室15に連通するように設けられた吸入管37内の冷媒通路37aの上流側端部に位置している。冷媒通路37aの下流側端部はモータ室3aおよび導入管38の導入口38bに臨んでいる。吸入管37は第1ハウジング1bの上部においてその天面から外部に突出するように配置された略L字状を呈している。
冷媒通路37aの曲がり部は、吸入口12から第1ハウジング1bの天面に平行に伸長する通路と、第1ハウジング1bの天面から略垂直に伸長する通路と、の交点部位に形成され、これらの流路が互いにほぼ90度の角度をなして形成されている。
吸入管37の下流側端部の内壁面近傍における流路(上記曲がり部の内側、つまり曲率半径の小さい側寄りに位置する通路部分)は、その吸入室15側で導入管38内の導入通路38aと対向している。また、冷媒通路37aの下流側端部において上記曲がり部の外側(曲率半径の大きい側)寄りに位置する通路部分は、導入口38bの径方向外方周辺部(導入管38の外周面周辺部)に形成される連通路39に直面しており、モータ室3aに臨むように配置されている。
上記構成に基づく圧縮機の作動、並びに異物、液冷媒、および潤滑油の流れについて説明する。圧縮機1が、モータ部3を駆動することによって旋回スクロール17が公転作動すると、気液分離器70側から流れてきた冷媒が吸入口12を通って吸入管37内に流入する。
そして、冷媒には、冷媒通路37aの曲がり部を通過するときに、遠心力が働き、冷媒中のガス冷媒に比べて比重の大きい異物や液冷媒は、曲がり部からその出口にかけて吸入管37のモータ室3a側の内壁面37bに飛ばされて流下し、異物や液冷媒と分離されたガス冷媒は曲がり部を経て冷媒通路37aを進行し、導入口38bから導入通路38aに流入して吸入室15に引き込まれることになる。
以降、ガス冷媒が吐出口22に至るまでの説明は、第1実施形態における説明と同様である。なお、このように分離された液冷媒およびガス冷媒のそれぞれには、その量の違いこそあるが潤滑油を含んでいる。
さらに、モータ室3aに進入した異物や液冷媒は、重力によりモータ室3aの下部23に向かって進み、やがて溜まることになる。なお、異物については、モータ室3aにおいて磁石等を用いて集め、液冷媒から除去するように構成することができる。
次に、図8における分離手段の変形例について図9を用いて説明する。図9に示す分離手段は、図8に示す上記分離手段に対して、吸入管41が第1ハウジング1bに直接的に結合されている構成ではない点が異なっている。換言すれば、吸入管41の下流側端部42は、第1ハウジング1bから突出するように設けられた接続部43と結合される構成である。なお、下流側端部42と接続部43との結合は、溶接またはろう付けにより一体化してもよいし、ねじ締めなどの締結手段により一体化してもよい。
なお、図9および図8において同符号で示された構成要素は、同一構成要素であり、図9に示す冷媒通路41a、内壁面41bは、それぞれ図8に示す冷媒通路37a、内壁面37bと同様の作用効果をもたらす構成要素である。
(第4実施形態)
第4実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機の変形例である。図10は本実施形態の圧縮機の内部構成を示す断面図である。図10に示すように、本実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機に対して分離手段が異なっている。以下、この分離手段の構成について説明する。なお、図10において同符号の構成部品は、第1実施形態で説明した構成部品と同様であり、その作用効果並びに異物、液冷媒、および潤滑油の流れ経路についても同様である。
本実施形態の分離手段は、外部回路(気液分離器70)を流出した冷媒を第1ハウジング1b内に流入させる冷媒通路32aを備えた吸入管32と、第1ハウジング1b内に流入した冷媒がその外周面上に沿って流れるように第1ハウジング1b内にその軸方向を横置きにして設けられた分離用パイプ34と、を有している。
分離用パイプ34は、冷媒通路32aと吸入室15を連絡するように設けられ、吸入管32を流出した冷媒をその外周面上に沿って旋回させた後、内部に取り入れる導入管である。分離用パイプ34と吸入管32は、分離用パイプ34の通路軸と吸入管32の通路軸が直角に交差し、かつ交わらないで互いにずれるように配置されている。
そして、第1ハウジング1b内に流入した冷媒が分離用パイプ34の外周面上に沿って流れるときに遠心力により冷媒中から異物や液冷媒等が分離されることになる。この構成によれば、遠心力により分離用パイプ34の半径方向外方の周辺に異物や液冷媒等を飛ばして分離するため、ガス冷媒と異物の分離をより確実に行われる。
さらに、吸入口12は、吸入室15に連通するように設けられた吸入管32内の冷媒通路32aの上流側端部に位置し、その下流側端部は分離手段の分離室35に臨んでいる。吸入管32は第1ハウジング1bの上部においてその天面から外部に突出するように配置されている。
吸入管32内の冷媒通路32aよりも下流部位には、フレーム29の一部によって区画された分離室35が設けられている。この分離室35には、略円筒状の配管である分離用パイプ34が設けられ、上流側端部から下流側端部にかけての内部には導入通路34aが形成されている。この導入通路34aは吸入室15と連通している。分離室35は、分離用パイプ34の外周面周辺部に形成された部屋であり、モータ室3aにつながっている。分離室35は、分離用パイプ34と同軸である円筒体状の空間であることが好ましい。
分離用パイプ34の上流側端部は、冷媒通路32aの下流側端部よりも、モータ室3a寄りに位置している。この構成により、冷媒通路32aの下流側端部から分離室35内に流出した冷媒は、分離用パイプ34の外周の接線方向に平行に流れることになる。
分離室35とモータ室3aとを区画する壁には、モータ室3aと分離室35とを連通するように貫通された連通路36が設けられている。この連通路36は、分離用パイプ34の最下流側端部における開口よりも下方に設けられていることが好ましい。また、連通路36は、モータ室3a側の開口が分離室35側の開口よりも下方に位置するように形成されていることが好ましい。
上記構成に基づく圧縮機の作動、並びに異物、液冷媒、および潤滑油の流れについて説明する。圧縮機1が、モータ部3を駆動することによって旋回スクロール17が公転作動すると、気液分離器70側から流れてきた冷媒が吸入口12を通って吸入管32内に流入する。そして、冷媒は、冷媒通路32aを通って吸入管32の最下流側端部から流出し、分離室35の内壁面と分離用パイプ34の外周面との間を旋回しながら分離用パイプ34の最上流側端部に移動する。このとき冷媒に遠心力が働くことにより、冷媒中のガス冷媒に比べて比重の大きい異物や液冷媒は、分離室35の内壁面側に飛ばされて分離室35の下部に落下し、連通路36を介してモータ室3aに進入する。
一方、異物や液冷媒と分離されたガス冷媒は、分離用パイプ34の最上流側端部における開口から導入通路34aに進入して吸入室15に引き込まれることになる。以降、ガス冷媒が吐出口22に至るまでの説明は、第1実施形態における説明と同様である。なお、このように分離された液冷媒およびガス冷媒のそれぞれには、その量の違いこそあるが潤滑油を含んでいる。
さらに、モータ室3aに進入した異物や液冷媒は、重力によりモータ室3aの下部23に向かって進み、やがて溜まることになる。なお、異物については、モータ室3aにおいて磁石等を用いて集め、液冷媒から除去するように構成することができる。
以上のように本実施形態の圧縮機は、吸入管32の内部と前記吸入室15を連絡するように設けられ、吸入管32を流出した冷媒をその外周上に沿って旋回させた後、内部に取り入れる導入管34を備えており、導入管34の通路軸と吸入管32の通路軸は直角に交差するとともに、交わらないで互いにずれており、導入管34の外周面周囲は連通路36を介してモータ室3aにつながっている。
この構成によれば、液冷媒等の成分を遠心力を利用することにより導入管外周面の径方向外方に飛ばすので、ガス冷媒と液冷媒等の分離をより確実に実施することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態の圧縮機は、図11に示すように第1実施形態の圧縮機の変形例である。本実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機に対して液冷媒等を分離する分離手段が異なっている。図11は本実施形態の圧縮機の内部構成を示す断面図である。以下、この分離手段の構成について説明する。なお、図11において同符号の構成部品は、第1実施形態で説明した構成部品と同様であり、その作用効果並びに異物、液冷媒および潤滑油の流れ経路についても同様である。
吸入室15よりも上流の部位には、外部回路の部品である気液分離器70からの冷媒を取り入れる入口となる吸入口12が設けられている。吸入口12は、吸入室15に連通するように設けられた吸入管32内の冷媒通路32aの上流側端部に位置している。冷媒通路32aの下流側端部はモータ室3aに臨んでいる。吸入管32は第1ハウジング1bの上部においてその天面から外部に突出するように配置されている。
本実施形態の分離手段は、外部回路(気液分離器70)を流出した冷媒を第1ハウジング1b内に流入させる冷媒通路32aを備えた吸入管32と、第1ハウジング1b内に流入した冷媒の流れ方向を曲げて吸入室15に案内する流れ方向案内部33と、を有して構成されている。この流れ方向案内部33は、冷媒通路32aの上流側端部よりも下方において、ロータ9の回転軸10と平行に吸入室15側に伸長して形成された壁部で構成されている。この分離手段は、第2実施形態の分離手段と同様に、第1ハウジング1bの内部に配置されている。
冷媒通路32aの下流側端部以降の冷媒通路は、流れ方向案内部33によって形成され吸入室15側にほぼ90度の角度に曲がる曲がり部を備えて、この曲がり部からロータ9の回転軸10と平行に吸入室15側に伸長し吸入室15に接続される第1導入通路33aと、第1導入通路33aの反対側の広がるモータ室3aと、に分かれている。
つまり、冷媒通路32aは、吸入室15に向かう途中で、冷媒の流れ方向が冷媒通路32aの軸方向にそのまま維持されるようになる第2導入通路33bと、冷媒の流れ方向が冷媒通路32aの軸方向に対して直角に曲げられるように冷媒が引き込まれる第1導入通路33aと、に分岐されている。第2導入通路33bは、冷媒通路32aとモータ室3aとを連絡する通路であり、モータ室3aと重複するように設けられてもよい。
第1導入通路33aは冷媒通路32aと吸入室15とを連絡する通路である。第1導入通路33aは、冷媒通路32aを流れてきた冷媒の一部をその流れ方向を曲げて引き込むことにより、遠心力により冷媒に含まれる比重の大きい成分(液冷媒、潤滑油、異物等)を冷媒通路32aの冷媒流れ方向に流下させるとともに、冷媒のガス成分を吸入室15に供給する働きを備えている。
また、第1ハウジング1b内に流入した冷媒の流れ方向が流れ方向案内部33によって曲げられるときに、遠心力により冷媒中から異物が冷媒通路の曲がり部の外側に飛ばされて分離されることになる。この構成によれば、慣性力を利用した分離手段を簡易的な構造で提供でき、部品点数を少なくすることができる。この分離手段は、第1ハウジング1bの内部に配置されている。この構成によれば、圧縮機に接続される配管などに分離手段を設ける必要がなく、これらの設計自由度が向上することになる。
上記構成に基づく圧縮機の作動、並びに異物、液冷媒、および潤滑油の流れについて説明する。圧縮機1がモータ部3を駆動することによって旋回スクロール17が公転作動すると、気液分離器70側から流れてきた冷媒が吸入口12を通って吸入管32内に流入する。
そして、冷媒は、冷媒通路32aを通って吸入管32の下流側端部から流出するときに、流れ方向案内部33と第1ハウジング1bの内壁面との間に形成された第1導入通路33aに引き込まれる。冷媒は、吸入室15側に曲がる曲がり部を通過するときに、冷媒に遠心力が働き、冷媒中のガス冷媒に比べて比重の大きい異物、液冷媒、潤滑油等はモータ室3a側に飛ばされて落下し、液冷媒等と分離されたガス冷媒は曲がり部を経て第1導入通路33aを進行し、第1導入通路33aを経由して吸入室15に引き込まれることになる。
以上のように本実施形態の圧縮機は、ハウジング1bと、ハウジング1b内に設けられて外部回路から流れてきた冷媒が導入される冷媒通路32aと、冷媒通路32aと連通するように設けられ、冷媒通路32aに吸入された冷媒が取り込まれる吸入室15と、吸入室15の冷媒を圧縮室18に吸入して圧縮する圧縮機構部4と、圧縮機構部4を駆動するモータ部3と、モータ部3が収納されるモータ室3aと、を備えている。冷媒通路32aは吸入室15に向かう途中で分かれており、一方の通路は冷媒通路32aと吸入室15を連絡し、冷媒通路32aを流れる冷媒の流れ方向を曲げてその一部を引き込む第1導入通路33aを構成し、他方の通路は冷媒通路32aを流れる冷媒の流れ方向を維持するように冷媒通路32aとモータ室3aを連絡する第2導入通路33bを構成する。
この構成により、吸入冷媒に含まれている潤滑油、液冷媒、ガス冷媒等の比重差を利用し、比重の比較的大きい吸入冷媒の一部である液冷媒や潤滑油等をモータ室3aに導くことにより、モータ部3を冷却し高温状態になることを抑制することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、圧縮機の一例としてスクロール型の圧縮機を説明してきたが、本発明における圧縮機は、モータ室と圧縮室とが一つの部屋で形成されていない構成を有するものであればよく、スクロール型の圧縮機に限定されるものではない。例えば、ローリングピストン型の圧縮機で構成することも可能である。
また、上記実施形態では、外部回路から冷媒が流入する方向は下向きであるが、これに限定されるものではなく、横方向、または上向きでもよい。また、上記実施形態では、吸入室15と連通する吸入口12は、圧縮機本体の上部に設けられているが、これに限定するものではなく、側部、または下部に設けることとしてもよい。
以下に、その他の課題を解決し得る実施形態を説明する。
実施形態(ア)によると、圧縮機は、ハウジング(1b)と、外部回路から流れてきた冷媒をハウジング(1b)内に流入させる吸入管(37、41)と、吸入管(37、41)内の冷媒通路(37a、41a)と連通してハウジング(1b)内に設けられ、吸入管(37、41)内の冷媒が吸入される吸入室(15)と、冷媒通路(37a、41a)と吸入室(15)を連絡するように吸入管(37、41)よりも下流に設けられ、吸入管(37、41)の下流側端部の通路径よりも小さい外径寸法を有する上流側端部を備えた導入管(38)と、吸入室(15)の冷媒を圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、圧縮機構部(4)を駆動するモータ部(3)と、モータ部(3)が収納されるモータ室(3a)と、を備える。
吸入管(37、41)はハウジング(1b)の外部において外部回路を流出した冷媒の流れ方向を曲げる曲がり部を有する冷媒通路(37a、41a)を備えており、吸入管(37、41)の下流側端部の内壁面近傍に形成されている通路(37a、41a)のうち、上記曲がり部の曲率半径の大きい側に位置する通路部分は、導入管(38)の外周面周辺部(39)に直面しており、この外周面周辺部(39)を介してモータ室(3a)につながっている。
この実施形態(ア)によれば、吸入された冷媒中の液冷媒成分をモータ室に導いてモータ部が高温になることを抑制するとともに、冷媒ガスの温度上昇を防いで圧縮効率の低下を抑制する圧縮機を提供できる。さらに、圧縮機の内部のスペースや他の構成部品との関係の制約を受けることなく、構造設計を行うことができる。
実施形態(イ)によると、圧縮機は、ハウジング(1b)と、外部回路から流れてきた冷媒をハウジング(1b)内に流入させる吸入管(32)と、吸入管(32)の冷媒通路(32a)と連通してハウジング(1b)内に設けられ、吸入管(32)内の冷媒が吸入される吸入室(15)と、冷媒通路(32a)と吸入室(15)を連絡するように設けられ、吸入管(32)を流出した冷媒をその外周面上に沿って旋回させた後、内部に取り入れる導入管(34)と、吸入室(15)の冷媒を圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、圧縮機構部(4)を駆動するモータ部(3)と、モータ部(3)が収納されるモータ室(3a)と、を備える。
導入管(34)の通路中心軸と吸入管(32)の通路中心軸は直角に交差するとともに、交わらないで互いにずれており、導入管(34)の外周面周辺部(35)はモータ室(3a)につながっている。
この実施形態(イ)によれば、導入管の半径方向外方周辺に吸入した冷媒中の比重の大きい液冷媒等を遠心力を利用して導入管の外周面周辺部に飛ばすことができるので、液冷媒等をより確実にモータ室に供給することができる。
実施形態(ウ)によると、圧縮機は、ハウジング(1b)と、ハウジング(1b)内に設けられて外部回路から流れてきた冷媒が吸入される冷媒通路(32a)と、冷媒通路(32a)と連通するように設けられ、前記冷媒通路(32a)に吸入された冷媒が流入する吸入室(15)と、吸入室(15)の冷媒を圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、圧縮機構部(4)を駆動するモータ部(3)と、モータ部(3)が収納されるモータ室(3a)と、を備える。
冷媒通路(32a)は吸入室(15)に向かう途中で分かれており、一方の通路は冷媒通路(32a)と吸入室(15)を連絡し、冷媒通路(32a)を流れる冷媒の流れ方向を曲げてその一部を引き込む第1導入通路(33a)を構成し、他方の通路は冷媒通路(32a)を流れる冷媒の流れ方向を維持するように冷媒通路(32a)とモータ室(3a)を連絡する第2導入通路(33b)を構成する。
この実施形態(ウ)によれば、吸入された冷媒の流れを冷媒通路から第1導入通路に曲げて引き込むときに、比重の小さい冷媒ガスを第1導入通路に吸入し、比重の比較的大きい液冷媒等を第2導入通路を介してモータ室に流すことにより、モータ部が冷却されて高温状態になることを抑制することができる。また、モータ室側には冷媒ガスがほとんど流れず主に液冷媒が流入されるので、モータの熱で加熱された冷媒ガスが吸入されて圧縮室で圧縮されるということを回避でき、圧縮効率の低下を防止することができる。
実施形態(エ)によると、圧縮機は、外部回路からの冷媒が流入する吸入室(15)と、この吸入室(15)から冷媒を取りこみ圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、吸入室(15)よりも上流側に位置する冷媒通路(13a、32a、33a、35、37a、41a、45)に設けられ、冷媒中から異物を分離する分離手段(13、14、32、33、34、37、41、44、50)と、を備える。
上記分離手段(13、14、32、33、34、37、41、44、50)は慣性力を利用してガス冷媒よりも比重の大きい異物を冷媒中から分離し、当該異物と分離されたガス冷媒は吸入室(15)に供給される。
この実施形態(エ)によれば、吸入室よりも上流側で冷媒中に含まれる鉄粉などの異物を分離することにより、異物が圧縮室に直接的に流入することを防止して耐久性を高めることができる。さらに、慣性力を利用して異物を分離することにより、ガス冷媒の流速を低減することなく、圧縮室に供給することができる。また、分離手段により異物と分離されたガス冷媒は圧縮室に直接的に導入されるため、過熱損失が少なく圧縮機の性能を損なうこともない。
実施形態(オ)によると、実施形態(エ)において、圧縮機構部(4)を収納するハウジング(1b)を備え、圧縮機構部(4)は、ハウジング(1b)に固定されて固定渦巻き部を備える固定スクロール(24)と、固定渦巻き部と噛み合って圧縮室(18)を形成する可動渦巻き部を備える可動スクロール(17)と、を有し、吸入室(15)は圧縮室(18)よりもハウジング(1b)の内側面寄りに設けられている。
この実施形態(オ)によれば、ダイレクト吸入方式であるスクロール式圧縮機を小型に形成することができる。
実施形態(カ)によると、実施形態(エ)または実施形態(オ)において、分離手段(32、33、34)が設けられる冷媒通路(32a、33a、35)は、上記圧縮室(18)が設けられているハウジング(1b)の内部に配置されている。この実施形態(カ)によれば、分離手段をハウジング内部に配置することにより、圧縮機に接続される配管などの設計自由度が向上する。
実施形態(キ)によると、実施形態(エ)または実施形態(オ)において、分離手段(13、14、37、41、44、50)が設けられる冷媒通路(13a、35、37a、45)は、圧縮室(18)が設けられているハウジング(1b)の外部に配置されている。この実施形態(キ)によれば、分離手段をハウジングの外部に配置することにより、ハウジング内の体積を小さくして圧縮機本体の小型化が図れる。
実施形態(ク)によると、実施形態(エ)から実施形態(キ)のいずれかにおいて、分離手段(14、50)は、冷媒の流れを旋回させる旋回流形成部材(14、50)を備えている。この実施形態(ク)によれば、旋回流を形成することにより、慣性力を利用した分離をさらに確実に実施できる。
実施形態(ケ)によると、実施形態(ク)における旋回流形成部材(14)を、前縁と後縁がねじれの位置にあるねじり板(14)を冷媒通路(13a)に設けて構成する。この実施形態(ケ)によれば、部品点数が少なく、簡単な構成によって旋回流を形成することができる。
実施形態(コ)によると、実施形態(エ)、実施形態(オ)または実施形態(キ)のいずれかにおいて、圧縮機構部(4)を収納するハウジング(1b)を備え、分離手段(37、41)は、ハウジング(1b)の外部において外部回路を流出した冷媒の流れ方向を曲げる曲がり部を有する冷媒通路(37a、41a)を備えるとともに、曲がり部よりも下流でハウジング(1b)内部と連通する吸入管(37、41)を含み、ハウジング(1b)内に流入する前に冷媒の流れ方向が冷媒通路(37a、41a)によって曲げられるときに遠心力により当該冷媒中から異物が分離される。
この実施形態(コ)によれば、圧縮機内部のスペースや他の構成部品との関係の制約を受けることなく、分離手段の構造設計を行うことができ、また、冷媒中から異物を分離する分離能力を比較的自由に設定することができる。
実施形態(サ)によると、実施形態(エ)から実施形態(カ)のいずれかにおいて、圧縮機構部(4)を収納するハウジング(1b)を備え、分離手段(32、34)は、外部回路を流出した冷媒を上記ハウジング(1b)内に流入させる吸入管(32)と、ハウジング(1b)内に流入した冷媒がその外周面上に沿って流れるように設けられた分離用パイプ(34)と、を有し、冷媒が分離用パイプ(34)の外周上に沿って流れるときに遠心力により当該冷媒中から異物が分離される。
この実施形態(サ)によれば、遠心力により分離用パイプの半径方向周辺に異物を飛ばして分離するため、冷媒ガスと異物の分離をより確実に実施することができる。
実施形態(シ)によると、実施形態(エ)から実施形態(カ)のいずれかにおいて、圧縮機構部(4)を収納するハウジング(1b)を備え、分離手段(32、33)は、外部回路を流出した冷媒をハウジング(1b)内に流入させる吸入管(32)と、ハウジング(1b)内に流入した冷媒の流れ方向を曲げて吸入室(15)に案内する流れ方向案内部(33)と、を有し、ハウジング(1b)内に流入した冷媒の流れ方向が流れ方向案内部(33)によって曲げられるときに冷媒中から異物が分離される。
この実施形態(シ)によれば、ハウジング内で湾曲する流路を設けることによって慣性力を利用した分離技術を提供することにより、簡易的な構造で部品点数を少なくすることができる。
実施形態(ス)によると、実施形態(エ)から実施形態(シ)のいずれかにおいて、圧縮機構部(4)を動作させるモータ部(3)と、このモータ部(3)が設けられるモータ室(3a)と、を備え、分離手段(13、14、32、33、34、37、41、44、50)により冷媒中から異物とともに分離された液冷媒は、モータ室(3)に供給される。
この実施形態(ス)によれば、冷媒中から異物とともに分離された液冷媒をモータ室に供給することにより、モータ部を十分に冷却することができる。また、圧縮機の耐久性の向上、低圧シェルタイプの圧縮機におけるモータ部冷却、およびダイレクト吸入タイプの圧縮機の性能向上が図れる。
本発明の第1実施形態における圧縮機を含むヒートポンプ式給湯機を示す模式図である。 第1実施形態における圧縮機の内部構成を示す断面図である。 第1実施形態から第5実施形態に共通する圧縮機内部における冷媒中の潤滑油等が流れる経路を示した断面図である。 第1実施形態の圧縮機における吸入管と外部回路に接続される配管との結合状態を示した部分的断面図である。 第1実施形態の圧縮機に適用可能な旋回流形成部材50を吸入管13内に配置した状態を示した平面図である。 図5における旋回流形成部材50の構成を示した斜視図である。 第2実施形態における圧縮機の内部構成を示す断面図である。 第3実施形態における圧縮機の内部構成を示す断面図である。 第3実施形態の圧縮機における分離手段の変形例を示す断面図である。 第4実施形態における圧縮機の内部構成を示す断面図である。 第5実施形態における圧縮機の内部構成を示す断面図である。
符号の説明
1b…第1ハウジング(ハウジング)
3…モータ部
3a…モータ室
4…圧縮機構部
13、32、37、41…吸入管(分離手段)
13a、32a、35、37a、41a、45…冷媒通路
14…ねじり板(分離手段、旋回流形成部材)
15…吸入室
17…旋回スクロール(スクロール式圧縮機構)
18…圧縮室
24…固定スクロール
33a…第1導入通路(冷媒通路)
33b…第2導入通路
33…流れ方向案内部(分離手段)
34…分離用パイプ(分離手段、導入管)
35…(導入管の外周面周辺部)
39…連通路(導入口の径方向外方周辺部)
46…導入管の外周面周辺部(導入口の径方向外方周辺部)
50…旋回流形成部材

Claims (2)

  1. ハウジング(1b)と、
    外部回路から流れてきた冷媒を前記ハウジング内に流入させる吸入管(37)と、
    前記ハウジング内に設けられ、前記吸入管から流出した冷媒が吸入される吸入室(15)と、
    前記吸入管から流出した冷媒を前記吸入室に導くとともに、その径寸法が前記吸入管の下流側端部の内径寸法よりも小さく構成されている導入口(38b)と、
    前記吸入室の冷媒を圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、
    前記圧縮機構部を駆動するモータ部(3)と、
    前記モータ部が収納されるモータ室(3a)と、を備え、
    前記吸入管と導入口は、
    前記吸入管から流出する直前の冷媒流れ方向の線上に少なくとも前記導入口の一部が開口するとともに、前記吸入管の下流側端部の冷媒通路(37a)は前記冷媒通路の冷媒流れ方向の延長線上に前記導入口が開口していない部分を備える位置関係で、設けられており、
    前記導入口が開口していない前記冷媒流れ方向の延長線上の部位は前記モータ室につながっており、
    前記導入口の内周縁部を前記吸入管側へ投影したとき、その投影部は完全に吸入管内に投影されており、
    前記導入口は、前記吸入管の内部に入り込んだ位置に配置されており、
    前記吸入管の内部には冷媒の流れを旋回させる旋回流形成部材が設けられており、
    前記吸入管は、前記旋回流形成部材として、前記ハウジングの外部において前記外部回路を流出した冷媒の流れ方向を曲げる曲がり部を有し、
    前記吸入管の下流側端部の内壁面近傍に形成されている通路(37a)のうち、前記曲がり部の曲率半径の小さい側に位置する通路部分は、前記導入口に対向し、前記曲がり部の曲率半径の大きい側に位置する通路部分は、前記導入口の外周面周辺部(39)に直面しており、前記外周面周辺部(39)を介して前記モータ室に臨むように配置されていることを特徴とする圧縮機。
  2. ハウジング(1b)と、
    外部回路から流れてきた冷媒を前記ハウジング(1b)内に流入させる吸入管(13、37、41、44)と、
    前記ハウジング内に設けられ、前記吸入管から流出した冷媒が吸入される吸入室(15)と、
    前記吸入管から流出した冷媒を前記吸入室に導く導入口(27b、38b)と、
    前記吸入室の冷媒を圧縮室(18)に吸入して圧縮する圧縮機構部(4)と、
    前記圧縮機構部を駆動するモータ部(3)と、
    前記モータ部が収納されるモータ室(3a)と、を備え、
    前記吸入管と導入口は、
    前記吸入管から流出する直前の冷媒流れ方向の線上に少なくとも前記導入口の一部が開口するとともに、前記吸入管の下流側端部の冷媒通路(13a、37a、41a、44a、45)は前記冷媒通路の冷媒流れ方向の延長線上に前記導入口が開口していない部分を備える位置関係で、設けられており、
    前記導入口が開口していない前記冷媒流れ方向の延長線上の部位は前記モータ室につながっており、
    前記吸入管の内部には冷媒の流れを旋回させる旋回流形成部材が設けられており、
    前記旋回流形成部材は、前記吸入管(13)の軸方向に伸長する形状の板部(51)と、前記板部(51)の下流端部で径方向外方に向けて突出し、軸方向の冷媒流れを前記吸入管(13)の内周面に向かう流れに変える案内部(52)と、を有して構成されていることを特徴とする圧縮機。
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